JP3245396B2 - 建設機械の警報装置 - Google Patents

建設機械の警報装置

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JP3245396B2 JP30794098A JP30794098A JP3245396B2 JP 3245396 B2 JP3245396 B2 JP 3245396B2 JP 30794098 A JP30794098 A JP 30794098A JP 30794098 A JP30794098 A JP 30794098A JP 3245396 B2 JP3245396 B2 JP 3245396B2
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哲也 富永
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はショベル、クレー
ン、その他の建設機械に関するものであり、特に、建設
機械の周囲に警報が発せられるように構成した建設機械
の警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ショベル、クレーン、その他の建設機械
には、走行アラームが備えられ、走行時に警報音が吹鳴
するように構成されている。このため、建設機械の周囲
で作業する作業員並びに通行人は、このアラーム音によ
り、建設機械の移動を知り、安全に備えることができ
る。また、建設機械の他の警報装置としては、機体の油
圧装置及び油圧回路等の異常を検出する異常検出装置の
指令によって、警報アラームを作動し、このアラームに
より周囲に警報を促すものも提供されている。
【0003】この種、従来の警報装置は、アラーム、ブ
ザー、スピーカ等の警報源と、該警報源に対して駆動電
源を供給する電源回路と、走行検出回路あるいは、油圧
回路の異常を検知する検知手段よりの信号に基づいて前
記電源回路の接点を切り換える制御装置とから構成さ
れ、警報源は、機体のフロント部、リヤ部、又はサイド
部の少なくとも一箇所以上に設置された後、格子状の部
材によって保護される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記警報音の出口は、
一般に鉛直面と並行に対峙しており、目的地に臨ませら
れるが、指向性の範囲外には届かず、指向性範囲外の作
業者、通行者はその対応に遅れが発生する。
【0005】そこで、前記走行アラーム等の警報源の音
が機体を中心として放射状に発せられるようにするため
に解決せられる技術的課題が生じてくるのであり、本発
明は該課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、機体の路面対峙部
に、機体の周囲に警告を発するための警報源を設置し、
該警報源の音の出口を鉛直下向きで且つ路面に直接臨ま
せた建設機械の警報装置を提供し、更に、前記警報源の
音の出口より下方に該出口と対峙させて該出口より発せ
られた警報音を機体の周囲に向けて放射状に反射する反
射板を設けた建設機械の警報装置を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、クローラにより走行する建
設に適用した本発明の一実施の形態を図1乃至図4に従
って詳述する。
【0008】(第一実施の形態)図1に示す1は、例え
ば、クレーンを備えた自走式クレーン(以下、クレーン
という。)を示し、該クレーン1は、一対のクローラ
2,2間のロワーフレーム3に旋回支持装置4を取り付
け、該旋回支持装置4に上部旋回体5を搭載して構成さ
れている。該上部旋回体5の前部には、キャビン6が設
置されており、オペレータはこのキャビン6内の各種操
作レバを操作し、前記クレーン1を操作する。ここで該
クレーン1には、上記したように警報源としての走行ア
ラームが設置されるが、アラーム音を周囲に均等に放射
して全体の安全性を一様に向上するには、走行アラー
ム、すなわち警報源の位置は機体のほぼ中央に設定し、
機体中央部から周囲にアラーム音が放射されるように構
成するのが望ましい。
【0009】前記クレーン1等、ロワーフーム3に旋回
支持装置4を介して上部旋回体5を搭載する建設機械
は、図2に示すように、機体の中心部を上部旋回体5が
占めており、また同図に示すように、走行のための覆帯
9を回転自在に案内する各支持輪10…間はクローラ2
を挟んで内側と外側とに連通している。従って、これら
の空間部と、クローラ2,2間の前後の空間をそのまま
音の経路として利用すれば、クレーン1の周囲に難なく
アラーム音を放射することができる。
【0010】そこで本実施の形態にあっては、図1に示
す如く、上部旋回体5の側面部5aで且つ、左右のクロ
ーラ2,2間に対応する部位に走行アラーム12をブラ
ケット11により固定し、該走行アラーム12の音の出
口12aを、左右のクローラ2,2間の重力方向下方の
路面13に直接臨ませている。すなわち、路面13は鳥
瞰的に見て平坦ではあるが、深さ、面積、傾きが互いに
異なる凹凸面の集合より成っている。このため、走行ア
ラーム12の出口12aから路面13に向けてアラーム
音を照射すると、アラーム音は、アラーム音の出口12
aと路面13との対峙面を中心にして放射状に且つ立体
的に反射し、前記旋回支持装置4の前後のクローラ2,
2間の前後及び上下に開放された空間部及び各支持輪1
0間を空間部を、夫々、音の通り路としてクレーン1の
周囲に放射状に拡散する。
【0011】よって、走行アラーム12の吹鳴をクレー
ン1の周囲で同時に知ることが可能となる。この場合、
接触によるケーブル類の損傷を防止するには、図2に示
すように、旋回支持フレーム基盤14の外周側に切除を
施して路面を臨む開口部15を形成し、該開口部15の
上部旋回体5内側の終縁部にブラケット11を介して走
行アラーム12を固設しても良い。
【0012】このように本実施の形態では、上部旋回体
5の側面部5aより路面13に直接アラーム音を照射
し、路面13の凹凸面の反射によってアラーム音を周囲
に拡散するが、係る構成のみでは機械的に音の強さを強
めることはできない。
【0013】而して、図3に示すように、前記旋回支持
装置4のボールレース16は、ピニオン(図示せず)と
噛み合う内歯歯車を有する内輪部17と外輪部18より
成っており、内輪部17は旋回支持フレーム支持基盤1
4にボルトで固設され、また、外輪部18はロワーフレ
ーム3にボルトで固設されている。そして、前記内輪部
17とロワーフレーム3とに筒状の空間部を形成し、こ
の空間部20を一種の拡声器として利用すればアラーム
音を強めることが可能となる。例えば、前記旋回フレー
ム支持基盤14の前記筒状空間部20との対応部に一部
切除を施して開口部21を形成し、旋回フレーム支持基
盤14の内面に固設するブラケット11に走行アラーム
12を取付け、該走行アラーム12の出口12aを開口
部21を通じて前記空間部20内に臨ませれば、共鳴等
により増幅されたアラーム音を路面13に照射すること
が可能となる。
【0014】(第二実施の形態)図4は、反射板23に
よる強制的な音の反射により、周囲にアラーム音を放射
する実施の形態を示している。なお、第一実施の形態と
同一構成部については同一符号を付しその説明は省略す
るものとする。
【0015】すなわち、前記第一実施の形態では、路面
13が、多数の凹凸面の集合によって構成され、多数の
凹凸面の向きが夫々異なっていればいる程、アラーム音
の放射条件が向上するが、希に条件が整わない場合も想
定される。このため、本実施形態では、反射板23によ
り、信頼性を向上している。
【0016】図4に示すように、走行アラーム12は、
前記上部旋回体5の側面部5aにブラケット11により
固設し、走行アラーム12の音の出口12aは鉛直下向
きに設定している。そして、前記旋回フレーム支持基盤
14に円錐状又は角錐状の音の反射板23を取付け、こ
の反射板23によって前記走行アラーム12のアラーム
音を水平面内で四方八方に反射し、周囲の作業員に報知
する。反射板23は、音の反射特性に優れた金属板材、
例えば、安価で、耐蝕性の優れたアルニウム板材によっ
て形成される。従って、前記反射板23により、アラー
ム音は、旋回支持フレーム支持基盤14の付近でほぼ水
平に且つ放射状に拡散する。もちろん、第一実施の形態
において、前記空間部20から路面13にアラーム音を
放射する場合は、空間部20の出口に反射板23を配設
して、該反射板23の反射によってアラーム音をクレー
ン1の周囲に放射することも可能である。このように、
いずれの実施の形態であっても、一つの走行アラーム1
2で、前記クレーン1を中心として周囲にアラーム音が
伝達され、周囲の作業員等に警告を促すことができる。
【0017】尚、本発明は、クローラ式の建設機械だけ
でなく、車輪により走行する建設機械にも適用すること
が可能である。もちろん、前記走行アラーム12は、そ
の他の警報アラームとして共用することもできる。
【0018】例えば、上部旋回体5に備えられている異
常検出回路、例えば、油圧回路、作業アームを作動する
ためのアクチュエータの異常検出回路が、異常を検出し
た際の警報源として使用することも可能である。
【0019】なお、本発明の精神を逸脱しない限り種々
の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変され
たものに及ぶことは当然である。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、上記一実施の形
態に詳述したように、機体の路面対峙部に、機体の周囲
に警報音を発するための警報源を設置し、該警報源の音
の出口を鉛直下向きで且つ路面に臨ませたので、機体の
周囲団体に警報音を伝播することが可能となる。このた
め、建設機械の異常発生を同時に周囲に伝えることが可
能となり、周囲の作業員の安全性を可及的に向上するこ
とができる。また、大幅な改造を要することがないので
安価に提供することができる。
【0021】また、請求項2記載の発明は、前記警報源
の音の出口より下方に、該出口と対峙すると共に、前記
警報源の音の出口より発せられた警報音を機体の周囲に
向けて放射状に反射する反射板を設けたので、安全性及
び信頼性を可及的に向上することができる等、正に、著
大なる効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態を示し、クローラによ
って走行する建設機械の正面図である。
【図2】本発明の第一実施の形態を示し、クローラによ
って走行する建設機械の側断面図である。
【図3】本発明の第一実施の形態を示し、走行アラーム
の取付け位置を示す要部詳細断面図である。
【図4】本発明の第二実施の形態を示し、ローラによっ
て走行する建設機械の正面図である。
【符号の説明】
1 クレーン(建設機械) 12 走行アラーム 12a 音の出口 13 路面 23 反射板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体の路面対峙部に、機体の周囲に警告
    を発するための警報源を設置し、該警報源の音の出口を
    鉛直下向きで且つ路面に直接臨ませたことを特徴とする
    建設機械の警報装置。
  2. 【請求項2】 前記警報源の音の出口より下方に該出口
    と対峙させて該出口より発せられた警報音を機体の周囲
    に向けて放射状に反射する反射板を設けたことを特徴と
    する請求項1記載の建設機械の警報装置。
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