JP3245051B2 - コロナ放電銃 - Google Patents

コロナ放電銃

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JP3245051B2 JP10927596A JP10927596A JP3245051B2 JP 3245051 B2 JP3245051 B2 JP 3245051B2 JP 10927596 A JP10927596 A JP 10927596A JP 10927596 A JP10927596 A JP 10927596A JP 3245051 B2 JP3245051 B2 JP 3245051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、薄い絶縁層
の厚さ及び関連する酸化物−シリコン界面状態電荷密度
を測定する技術に関し、特に、200オングストローム
以下のオーダの薄い酸化物層のこうした測定、並びにそ
れに使用されるコロナ放電銃に関する。
【0002】
【従来の技術】DRAM記憶ノード酸化物などの比較的
薄い酸化物の厚さ測定は、通常、光学的または電気的計
測法により容易に達成され得る。例えば、Rudolf Berge
rらによる米国特許第5343293号(1994年8
月30日発行)は、シリコン・ウエハ上の酸化膜の厚さ
を、膜を通過する偏光の識別可能な変化にもとづき測定
する光学的偏光解析(optical ellipsometer)手段を開
示している。前記変化の識別可能性または定量化は、酸
化膜の厚さが約200オングストローム以下になると、
急激に低下する。
【0003】Klaus Reuterらによる米国特許第4780
680号(1988年10月25日発行)は、テープ及
びペイントなどの絶縁材料及び絶縁コーティングの比較
的厚い細片の、概略の厚さ測定に好適な無接触電気的技
術について開示している。概略の酸化物厚さ測定は、引
用される電気的技術がシリコン上の酸化物層に対して実
施されるならば可能であろう。しかしながら、前記特許
には述べられていないが本明細書で後述される理由か
ら、引用技術は約200オングストローム以下の酸化物
層では有効な厚さ結果を得ることができないであろう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半導
体基板上のその厚さが40オングストローム程度と非常
に薄い絶縁層の正確な厚さ測定を実現する装置及びプロ
シジャを提供することである。
【0005】本発明の別の目的は、半導体基板上の約2
00オングストローム以下の酸化物層の厚さを測定する
無接触電気的技術を提供することである。
【0006】本発明の更に別の目的は、半導体基板上の
酸化物層の厚さを測定するキャパシタンス−電圧変換技
術を提供することであり、この技術は前記基板内の非ゼ
ロ蓄積バンドベンディング効果(蓄積キャパシタンス)
の存在を補正する。
【0007】本発明の更に別の目的は、キャパシタンス
−電圧変換技術により半導体基板上の酸化物層の厚さの
正確な測定を獲得することであり、そこでは酸化物−シ
リコン構造を強く蓄積内にバイアスする必要性が軽減さ
れる。
【0008】本発明の更に別の目的は、半導体基板上の
その厚さが40オングストローム程度の絶縁層の界面状
態密度の測定を提供することである。
【0009】本発明の更に別の目的は、本発明の絶縁層
の厚さ及び界面状態密度の測定技術に好適なコロナ放電
銃を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの及び他
の目的が、シリコン基板上の薄い酸化物層の表面に、校
正済み固定電荷密度を繰り返し付着するコロナ放電源の
提供により最適モードで達成される。各電荷付着におけ
る酸化物表面電位の結果的変化が、振動プローブにより
測定される。本発明は酸化物表面電位の変化が、酸化物
層自体に掛かる電圧変化と、前記基板内における非無限
蓄積キャパシタンスの存在によるシリコン・バンドベン
ディングの変化との和によることを認識する。
【0011】酸化物表面電位が校正されずに使用される
場合に存在し得る酸化物の厚さ測定誤差は、次の連続近
似方法を使用することにより数学的に要因から除外され
る。酸化物の仮定の厚さとして開始値を選択し、各コロ
ナ放電バーストにより付着される電荷密度を知ることに
より、酸化物に掛かる電圧の近似変化が計算され得る。
実験的に導出される各酸化物表面電位の変化から酸化物
に掛かる電圧のこの近似変化を差し引くことにより、1
コロナ放電工程当たりのシリコン・バンドベンディング
の近似変化が決定され得る。バンドベンディング対酸化
物表面電位(酸化物バイアス電圧)の累積変化から、実
験的バンドベンディング対バイアス特性が得られる。こ
こで酸化物の厚さの開始仮定値は前述の特性の強い蓄積
領域内の酸化物表面電位変化から導出され、そこでは酸
化物の厚さの概略近似を可能にするようにシリコン表面
電位の変化が十分に小さい。
【0012】理論的バンドベンディング対バイアス特性
は、前述の酸化物の仮定の厚さを有する理想的なMOS
素子に対するシミュレーションにより確立される。任意
の蓄積キャパシタンスに対して仮定値は生成されない。
実験的バンドベンディング対バイアス特性が、次に理論
的バンドベンディング対バイアス特性と比較される。両
者の特性は各曲線の2次導関数が最大値を通過するポイ
ントにおいて合致され、次に両特性の形状に寄与する酸
化物の仮定の厚さが、両特性がシリコン蓄積領域におい
て重なるまで反復される。両特性を重ね合わせる反復結
果の酸化物の厚さが、求められる酸化物の厚さ値であ
る。上述の酸化物厚さ測定技術により最終的に導出され
た実験的バンドベンディング対バイアス特性は、標本
(specimen)酸化物層の界面状態密度を決定するために
も使用される。更に、絶縁層の厚さ及び高速状態密度の
測定技術に使用される特殊設計のコロナ放電銃が提供さ
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】シリコン蓄積キャパシタンス、例
えば帯電される酸化物層と下方に横たわるシリコン基板
間の界面下に広がる有効キャパシタンスは、比較的厚い
絶縁層の厚さ測定を実施する際には無視され得る。なぜ
なら、絶縁層の厚さが任意の蓄積層の深さの何倍も大き
いからである。シリコン基板蓄積キャパシタンスは酸化
物層キャパシタンスと直列であり、約200オングスト
ロームよりも厚い酸化物層と比較するときには、通常は
実質的に無限大と見なされるほど十分に高い。200オ
ングストローム以下の場合には蓄積キャパシタンスが酸
化物キャパシタンスに対して評価されるほどになり、無
視できなくなる。更に、酸化物層の厚さが最新のCMO
S及びDRAM技術において見られるように、40オン
グストローム程度となると、MOS構造を蓄積内にバイ
アスするために使用し得る電場が、(トンネル問題を回
避するために)厚い酸化物に対する時よりも低く維持さ
れねばならない。従って、MOS構造は蓄積内に強くバ
イアスされることができず、それによりシリコン蓄積キ
ャパシタンスが低減し、蓄積キャパシタンスが無視され
る通常の電気的厚さ測定誤差をより大きくする。
【0014】図1を参照すると、Pシリコン基板2内の
正の電荷蓄積は、負のコロナ放電銃4から基板2上に横
たわる酸化物層5の表面へ向かう負電荷3の付着から生
じる。コロナ放電はマスク6を通じて対象領域へ供給さ
れる。正確な厚さ測定を得るために、均一な電荷密度3
がマスク6の孔を通じて付着されることが必要である。
こうした均一性を達成するために、特殊に構成されたコ
ロナ放電銃が図5に関連して後述される。
【0015】図1に戻り、基板2の大部分に対して酸化
物層5の上面において測定される電位(VS)は、酸化
物5に掛かる電圧降下(VOX)と、酸化物層5の下面と
基板2内の蓄積電荷レベル間の空間電荷領域に掛かる電
圧降下(Ψ)との和である。すなわちVS=VOX+Ψで
ある。付着電荷Qと結果的電圧Ψとの間の関数関係は、
S.M.Sze、John Wiley及びSonsによる"Physics of Semi-
Conductor Devices"(1981、pp.366-369)の式(13)
及び式(16)により示される。酸化物5の厚さに対し
て値が仮定され、付着電荷密度3に対する既知の値が存
在すれば、酸化物5の誘電率、基板2のP添加物レベ
ル、及びΨの理論値が計算し得る。更に等しい値の電荷
が酸化物5の表面に連続して付着されると仮定すると、
Ψの対応する理論値についても計算され、プロットされ
得る。こうした理論プロット(理論的バンドベンディン
グ対バイアス電圧特性)が、図2の曲線7により示され
る。
【0016】図1の酸化物により覆われるシリコン基板
構造に従う標本の一部の酸化物層の厚さを決定するため
に、本発明によれば、一連の実験的に導出される第2の
曲線が理論プロットと比較される。こうした一連の第1
の実験プロット(実験的バンドベンディング対バイアス
電圧特性)が、図2の曲線8により示される。各々のシ
リコン蓄積領域が通常に互いに比較されるように、最初
に曲線8が曲線7に対して指標化(index)されなけれ
ばならない。これは各曲線の2次導関数が最大値を通過
するポイントを決定し、次に実験曲線の最大2次導関数
ポイントが、理論曲線の最大2次導関数ポイントとほぼ
一致するまで、実験曲線を移動(translate)すること
により、達成される。図2から、要求される指標化を達
成するために、実験曲線8が横座標Qに沿って量Δ1
け移動され、更に縦座標Ψに沿って量Δ2だけ移動され
ることが分かる。曲線8'は、曲線8をΔ2だけ移動した
結果を示す。曲線8'は更に量Δ1だけ移動される。
【0017】図3は、図2の曲線8を上述のように2重
指標化することにより生成される曲線8''を示す。ここ
で曲線7と曲線8''の実際の比較は、図1の基板2が付
着電荷3により蓄積状態に置かれるときに対応する領域
9内で実行される点に注意されたい。曲線8全体は、コ
ロナ放電銃4からの連続的な約20回の等価電荷バース
トにより生成され、その内の5回は領域9内で発生す
る。結果の20個のデータ・サンプル、すなわち酸化物
層の上面と半導体基板の大部分との間の電圧変化が、振
動式ケルビン(Kelvin)・プローブ装置(図示せず)に
より測定される。これについては、例えばHuntington
W.Curtisらによる米国特許第4812756号(198
9年3月14日発行)で述べられている。曲線近似(cu
rve fitting)技術は、Ψ対Q特性上の対応するポイン
トを滑らかにし、20個の全ての電圧データ・サンプル
が取得された後に曲線8などの連続的な曲線を生成す
る。
【0018】曲線7及び8''はサンプリング位置S1
至S5において比較され、任意の差が存在すると、酸化
物の仮定の厚さパラメータに対する新たな増分値が選択
される。以前と同一の測定値を使用する一方で、酸化物
層の厚さに対する初期の仮定値を増分することにより、
理論曲線との比較が一致を示すまで計算過程全体が繰り
返され、各仮定された厚さ値に対して新たな実験曲線が
生成される。最終的に、指標化実験曲線と理論曲線と
が、図4に示されるように適切にマッチングするように
なる。図4に示されるように、最終的に両特性を適切に
重ね合わせる酸化物の仮定の厚さが求められる酸化物の
厚さ値、すなわち測定を受ける標本上の酸化物層の真の
厚さ値となる。
【0019】初期実験的特性を生成し、比較を実行し、
次に反復的に追加の実験的特性を生成して、酸化物層の
厚さの確認に必要な追加の比較を実行するために、自動
コンピュータ制御テストにおいて約3分を要する。
【0020】上述の酸化物厚さ測定技術により最終的に
導出される図4の実験的及び理論的バンドベンディング
対バイアス特性は、標本酸化物の界面状態密度を決定す
るためにも使用され得る。この場合、Ψの多数の異なる
値において、前記実験的バンドベンディング対バイアス
特性の傾きが、理論的な理想バンドベンディング特性の
傾きと比較される。より詳細には、図4の曲線の傾きが
多数の異なるΨ値ポイントにおいて比較され、次式に従
い対応する界面状態密度値が生成される。
【数1】Nss(Ψ)=1/q[dQox/dΨ|EXP−d
si/dΨ|IDEAL
【0021】ここでNssは界面状態密度*、qは1電子
当たりの単位電荷、dQox/dΨはΨの所与の値におけ
る実験曲線7の傾き、dQsi/dΨはΨの前記所与の値
における理想曲線の傾きである(*最近の文献では、界
面状態の記号はDitである)。
【0022】前記表現は、C.N.Berglundによる文献"Sur
face States at Steam-Grown Silicon-Silicon Dioxide
Interfaces"、IEEE Transactions on Electron Device
s、Vol ED-13、No.10、Oct 1966、p.701の式(2)から
容易に導出される。
【0023】こうした界面状態測定を実施するために
は、正確なフラットベンディング特性が知れていること
が必要である。なぜなら、酸化物厚さ測定において導出
される特性は、オフセット項を含むからである。このオ
フセット項は、各酸化物表面電位データ・ポイントと一
緒に光電圧を測定し、光電圧が0になる場所のバイアス
電圧を記すことにより好都合に決定され得る。これは光
電圧対バイアス特性を観測し、光電圧対バイアス特性を
バンドベンディング対バイアス特性に変換するよりも、
バンドベンディング対バイアス特性を決定する、より正
確な方法であろう。
【0024】図5は、本発明の酸化物厚さ測定において
使用されるコロナ放電銃の最適モードを単純化して示す
断面図(一部は斜視図)である。こうした放電銃の設計
において、ウエハ10上の選択酸化物コート位置に渡
り、(測定精度上)相対的均一性を有する明確に定義さ
れた実質的なビーム電荷密度を提供するように考慮する
必要がある(測定時間を最小化するため)。図5に示さ
れるような、針13周辺のビーム形成電極11及び12
を省いた従来の通常のポイント(針−平面)源は好適で
はない。ウエハ位置に対して高電圧(通常+または−6
KV乃至9KV)が従来技術の針に印加される。正また
は負にイオン化された分子が針先端において生成され、
分子は針先端から下方のウエハへ向かう電場線に従い移
動する。本発明においては、ビーム形成電極11及び1
2、並びにそれらに印加されるバイアス電圧の欠如によ
り、ウエハに衝突するコロナ電荷密度が針の直下で最も
高くなり、針の軸からの半径方向の距離が増すにつれ急
速に減少する。こうした広い領域の不均一な帯電は、正
確な酸化物厚さ測定またはウエハ位置での界面状態測定
を得るには好適でない。
【0025】図5に示される針13の軸に同心のビーム
形成電極11及び12、並びにそれらに印加されるバイ
アス電圧の追加により、放電銃のコロナ帯電能力が2つ
の点で改良される。第1に、下部電極12が、コロナ付
着領域の直径を規定するマスクとして作用する。第2
に、電極12上のバイアス電圧(コロナ・イオンと同一
極性)が電極12のエッジにより通常捕獲されるイオン
をはね返し、それらを下方のウエハに導く。それによ
り、電極12のエッジの下方で急激に途絶える電荷密度
が増加する。上部電極11は、コロナ・イオンと同一極
性の比較的高い電圧(最高±3KV)にバイアスされ
て、コロナ放電銃の効率を高める支援をする。針13に
対して±6KV乃至9KVの範囲の電位、またマスク電
極12に対しては最高±1.5KVがそれぞれ適切であ
る。これによりコロナ源の上部領域において、上部電極
による多くのイオンの捕獲が阻止され、それらを下部電
極12に導く電場構成が生成され、次に下部電極12が
イオンをウエハに導く。針13と電極11及び12は、
必要なバイアス印加を許容する適切な絶縁支持部材(図
示せず)により、互いに絶縁されて支持される。
【0026】図6は、本発明の酸化物電荷測定において
使用されるコロナ放電銃の最適モードを単純化して示す
断面図(一部は斜視図)である。コロナ放電源を、選択
ウエハ位置における酸化物電荷の非接触測定に使用する
ために、前記放電源が電荷を非常に均一に絶縁(酸化
物)表面に付着することが重要である。上述のように、
通常のポイント(針−ウエハ位置)源はこれを達成でき
ない。付着電荷の均一性の実質的な改良が、図5に関連
して述べたビーム形成電極及びバイアス電圧の追加によ
り達成されるが、酸化物電荷測定では、酸化物厚さ測定
及び界面状態電荷測定の場合よりも、より高度な均一性
が望まれる。これは界面状態測定において要求される傾
き比較の実行時に、酸化物厚さ測定の実行時よりも付着
電荷の不均一性に対する高い感度が存在する事実によ
る。但し、これは最終的に導出されるバンドベンディン
グ対バイアス特性の明らかに異なる2つの領域が、両方
の場合に関連するときに限る。更に、図5の放電銃に関
連付けられる残りの不均一性は、通常、所与の測定の場
合において必要とされ得る正及び負のコロナにおいて幾
分異なる。プラス及びマイナス・コロナにおけるこの望
ましくない非対称性が、図6の放電銃構成を用いること
により多大に最小化される。
【0027】図6は、図5の単一の垂直針13の代わり
に、2つの対向する水平針14及び15が提供される重
要な違いを除き、図5と実質的に同じである。図6の針
14及び15並びに電極16及び17に印加される電位
は、図5の対応する部分の電位と同じである。
【0028】図6の放電銃がより均一な付着電荷を放出
するメカニズムについては、正確には知れていないが、
次に述べる発見的(heuristic)な説明が提供される。
【0029】図5の場合には、イオンが針先端における
イオン化ポイントから下方のウエハ位置に直接移動す
る。しかしながら、針先端付近のイオンの局所的な生成
が均一でないと、下方のウエハに向かうイオン束が均一
でなくなる。更に、正及び負イオンの局所的生成が針先
端付近の正確に同一の物理位置において発生しないと、
正及び負イオンの帯電束が非対称となる。これらの不均
一性及び非対称帯電問題は図5により説明することがで
き、イオン束がウエハ面に衝突する以前に、イオン束が
より均一になる機会がほとんど提供されないことによ
る。それに対して図6では、針先端において生成された
イオンがウエハ面に直接移動しない。なぜなら、これら
のイオンは最初に、上部ビーム形成電極16の壁に向け
て導かれるからである。しかしながら、これらのイオン
は上部電極からはね返される傾向があり、渦巻状エア・
パターン(コロナ放電文献では、通常"電気風(electri
c wind)"として参照される)に多大に巻き込まれ得
る。電気風は、針先端からはね返されるイオンによる、
針先端の真正面における気圧の上昇により生成されるも
のと見なされ、先端から上流に向けて低い気圧領域を生
成する。これが渦巻作用を生じる。イオンが下方のウエ
ハ位置に向けて直接導かれないので、イオンがウエハ面
に衝突する以前にこの渦巻効果がイオン分布をより均一
にする時間が存在する。概して言えば、渦巻効果は非垂
直方向を向く1つ以上の針を用いることにより、イオン
を最初にウエハ面にではなく上部電極16の壁に向けて
導くことにより生成され得る。
【0030】図5の放電銃と比較したときの図6の放電
銃の欠点は、図6の場合のイオンのより間接的なパス
が、より低い帯電密度を生じることである。これは酸化
物厚さ測定を達成するために必要なよりも長い時間を要
することを意味し、図6の放電銃からの付着電荷の均一
性の向上が本質的でなくなる。このことが、酸化物厚さ
測定だけが所望されて界面状態測定が不要な場合に、図
5の放電銃が好適な理由である。
【0031】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0032】(1)先端部において所与の極性のイオン
源を提供するバイアス式針状電極を含むコロナ放電銃で
あって、バイアス式フォーカス作用リング電極と、中央
部分に孔を有する円盤を含むバイアス式マスキング電極
と、を含み、前記リング電極、前記円盤及び前記針状電
極が互いに同軸状に配置されるように互いに絶縁されて
支持され、前記リング電極が前記針状電極と前記マスキ
ング電極との中間に配置される、コロナ放電銃。 (2)前記リング電極及び前記マスキング電極が、前記
イオンの極性と同一の極性を有する電圧によりバイアス
される、前記(1)記載のコロナ放電銃。 (3)少なくとも1つの非垂直方向を向くバイアス式針
状電極を含むコロナ放電銃であって、前記針の先端部に
おいて所与の極性のイオン源を提供するものにおいて、
バイアス式フォーカス作用リング電極と、中央部分に孔
を有する円盤を含むバイアス式マスキング電極と、を含
み、前記リング電極及び前記円盤が互いに同軸状に配置
されるように互いに絶縁されて支持され、前記リング電
極が前記先端部と前記マスキング電極との中間に配置さ
れる、コロナ放電銃。 (4)前記リング電極及び前記マスキング電極が、前記
イオンの極性と同一の極性を有する電圧によりバイアス
される、前記(3)記載のコロナ放電銃。 (5)2つの対向するバイアス式針状電極を有するコロ
ナ放電銃であって、前記針の対向する先端部において所
与の極性のイオン源を提供し、前記針が第1の軸に沿っ
て配置されるものにおいて、バイアス式フォーカス作用
リング電極と、中央部分に孔を有する円盤を含むバイア
ス式マスキング電極と、を含み、前記リング電極及び前
記円盤が第2の軸に対して同軸状に配置されるように互
いに絶縁されて支持され、前記第1及び前記第2の軸が
互いに垂直であり、前記対向する先端部間の中央で互い
に交差し、前記リング電極が前記対向する先端部と前記
マスキング電極との中間に配置される、コロナ放電銃。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により酸化物層の厚さが測定される標本
内に存在する電場パターンの理想的断面図である。
【図2】繰り返し指標化され、互いに比較される理論的
及び実験的バンドベンディング対バイアス特性の部分セ
ットを示す図である。
【図3】繰り返し指標化され、互いに比較される理論的
及び実験的バンドベンディング対バイアス特性の部分セ
ットを示す図である。
【図4】繰り返し指標化され、互いに比較される理論的
及び実験的バンドベンディング対バイアス特性の部分セ
ットを示す図である。
【図5】酸化物層の厚さのみ、または界面状態密度を一
緒に測定するために、均一な固定電荷密度を酸化物層の
対象領域に渡って繰り返し付着するコロナ放電源の単純
化した断面図である。
【図6】酸化物層の厚さのみ、または界面状態密度を一
緒に測定するために、均一な固定電荷密度を酸化物層の
対象領域に渡って繰り返し付着するコロナ放電源の単純
化した断面図である。
【符号の説明】
2 シリコン基板 3 負電荷 4 コロナ放電銃 5 酸化物層 6 マスク 7、8、8'、8''、8''' 曲線 9 領域 10 ウエハ 11、12、16、17 ビーム形成電極 13、14、15 コロナ放電針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−236591(JP,A) 特開 平5−206243(JP,A) 特開 昭63−69024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/66 G01R 31/26 G01N 27/00 G01B 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部において所与の極性のイオン源を提
    供する針状電極と、 前記針状電極の軸に同心であり、前記イオンのビームを
    形成するためのビーム形成電極であって、該ビーム形成
    電極は上部電極と下部電極からなり、該下部電極は中央
    部分に孔を有する円盤を含み、該円盤は前記イオンのビ
    ームが照射する範囲を規定するマスクとして機能する、
    前記ビーム形成電極とを含み、 前記針状電極と前記ビーム形成電極は互いに絶縁されて
    支持され、前記上部電極は前記針状電極と前記下部電極
    の中間にある、コロナ放電銃。
  2. 【請求項2】前記ビーム形成電極は、前記イオン源の極
    性と同一の極性を有する電圧によりバイアスされる、請
    求項1記載のコロナ放電銃。
  3. 【請求項3】少なくとも1つの非垂直方向の軸を有し、
    先端部において所与の極性のイオン源を提供する針状電
    極と、 前記針状電極の軸に直行する軸に同心であり、前記イオ
    ンのビームを形成するためのビーム形成電極であって、
    該ビーム形成電極は上部電極と下部電極からなり、該下
    部電極は中央部分に孔を有する円盤を含み、該円盤は前
    記イオンのビームが照射する範囲を規定するマスクとし
    て機能する、前記ビーム形成電極とを含み、 前記針状電極と前記ビーム形成電極は互いに絶縁されて
    支持され、前記上部電極は前記針状電極と前記下部電極
    の中間にある、コロナ放電銃。
  4. 【請求項4】前記ビーム形成電極は、前記イオンの極性
    と同一の極性を有する電圧によりバイアスされる、請求
    項3記載のコロナ放電銃。
  5. 【請求項5】2つの対向する針状電極であって、前記針
    の対向する先端部において所与の極性のイオン源を提供
    し、前記針が第1の軸に沿って配置される、前記針状電
    極と、 前記針状電極の第1の軸に直行する第2の軸に同心であ
    り、前記イオンのビームを形成するためのビーム形成電
    極であって、該ビーム形成電極は上部電極と下部電極か
    らなり、該下部電極は中央部分に孔を有する円盤を含
    み、該円盤は前記イオンのビームが照射する範囲を規定
    するマスクとして機能する、前記ビーム形成電極とを含
    み、 前記針状電極と前記ビーム形成電極は互いに絶縁されて
    支持され、前記第1及び第2の軸は、前記対向する先端
    部間の中央で互いに交差し、前記上部電極は前記針状電
    極と前記下部電極の中間にある、コロナ放電銃。
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