JP3244991U - 糊除去部材を備える壁紙糊付機 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽い力で押し当てるだけで糊付ローラーに付着した糊をこそぎ落とし、作業者に負担がかからない糊除去・洗浄が可能となる壁紙糊付機を提供する。【解決手段】糊箱12に略三角形状の糊除去部材13を設け、前記略三角形状の糊除去部材の頂点を壁紙糊付機1の本体に設けられたドクターローラー10よりも下方でかつ糊付ローラー8の中心よりドクターローラー側で前記糊付ローラーに当接する位置関係として糊付ローラーに付着した糊を除去するように構成した。【選択図】図4

Description

本考案は、壁紙糊付機に関するものであり、さらに詳しくは壁紙糊付機の洗浄に関するものである。
従来から壁紙に糊付を行う壁紙糊付機はよく知られており、図5に概略を示す。自動壁紙糊付機1には壁紙を挿入する側から、検尺ローラー5と送り出しローラー11、ハイテンションローラー4、ドクタ-ローラー10、糊付ローラー8、押えローラー6、ナラシローラー7が配置されている。そして糊付機1から着脱可能な糊箱12内には糊上ローラー9が設けられ洗浄のために着脱自在になっている。糊付される壁紙Aは、検尺ローラー5と送り出しローラー11の2本のゴムローラーによって挟まれて、糊付機本体内に送り込まれる。
検尺ローラー5は両端で軸受部材で支持されており、自由に回転することができる。また、このローラーはバネによって壁紙表面側に押し付けられており、壁紙Aの送りに追従して一方向に回転する。
この検尺ローラー5の外径を一定値にしておくことにより、ローラーの回転量を何らかの手段(円周を等分割したスリット板をセンサ-で検出する等)で測定して、ローラーの外周の1点が円周上で移動した距離、即ち送り込まれた(糊付した)壁紙Aの長さを測定することができる。この情報は、常時糊付機操作部に表示されており、作業者は状況を見ながら作業することができる。あらかじめ設定しておいた長さに到達すると、糊付機1は自動で停止する。
糊付機停止後、作業者はカッタ-ガイドに沿ってカッタ-ナイフの刃を走らせて、壁紙Aを切断し、目的の所定長さ糊付けされた壁紙Aを得る。
ドクタ-ローラー10と糊付ローラー8の隙間を調整することにより、糊付ローラー8の外周に付着する糊の厚みを調整し、壁紙Aへの糊付量を調整する。厚みを調整された糊の層が壁紙Aの裏面に接触して、壁紙Aの裏面に糊を転写する。
糊付けされた壁紙Aはナラシローラー7によって転写された糊を均され、本体前面より排出されて折りたたまれ貼付まで糊面が合わされた状態で折りたたんだ状態で保管される。ハイテンションローラー4、押えローラー6は糊付ローラー8への壁紙の巻付け角を一定とし、糊付を均一にし、壁紙Aの搬送をスム-ズに行う働きをしているのである。
糊3は糊付機本体下部に、前後方向に着脱自在に底面のほぼ4隅付近を支持された糊箱12に貯えられている。糊箱12の断面形状は図5に示すように、糊箱12の前後から傾斜して糊上ローラー9の下部位置付近で最も深くなっている。壁紙Aに糊3を転写する糊付ローラー8に糊箱内の糊3を効率良く転写するために糊上ローラー9が取り付けられている。糊付ローラー8と糊上ローラー9がそれぞれの端部に設けられた歯車(図示せず)によって回転が伝達され互いに反対方向に回転するように構成されている。
上記のような構成をした糊付機1は脚部に設置され、施工現場に搬入されて使用されている。
このような壁紙糊付機の洗浄、とくに糊付ローラーに付着した糊を落とす方法については従来から種々の提案がなされており、本出願人も糊箱に糊除去部材を設けた発明を提案している(特許文献1)。
具体的には、糊箱に糊除去部材13を設け、糊箱を移動させて糊除去部材を糊付ローラーに当接させて、糊付ローラーを回転させることによって糊付ローラーに付着した糊を除去している。
また、糊箱の底面に保持ガイドを設け、糊除去部材が糊付ローラーに当接下状態で保持出来るように構成している。
特許第4349482号広報
前述したように、従来から糊箱に糊除去部材を設けることは知られており、糊付機の洗浄において糊箱を引き出して糊付ローラーに乗り除去部材を当接させて洗浄することもよく用いられている。
従来から用いられている糊除去部材は、発泡性のゴムや樹脂などの弾性を有する素材で接触する部分が円形形状になるように構成されており、洗浄の際は断面が円形である糊付ローラーに対して、接触部分の断面が円形である糊除去部材を押し当てて糊付ローラーを回転させ糊付ローラーに付着した糊をこそぎ落としている。
このとき、糊付ローラーから糊をこそぎ落とすまで糊箱底面の保持ガイドを支点として作業者が糊箱を糊付ローラーに押し当て続けている。
つまり、糊付ローラーから糊をこそぎ落とし終わるまで糊除去部材を糊付ローラーに隙間無く押し続ける必要があり、円形部分が糊付ローラーと接触していたため、力を加えれば接触面積が大きくなるような構成となっており、加える力を強くすれば接触面積も広がり、より強い抵抗がかかり、糊の粘度によっては強い力で押し続けなければならなかった。
このことから、作業者に強い負担がかかる状況があり、改善が望まれていた。
本考案はこのような現状を鑑みて、軽い力で押し当てるだけで糊付ローラーに付着した糊をこそぎ落とし、作業者に負担がかからない糊除去・洗浄が可能となる壁紙糊付機を提供することを目的とする。
壁紙の裏面に糊付ローラーによって糊を塗布する壁紙糊付機において、
糊箱に略三角形状の糊除去部材を設け、
前記略三角形状の糊除去部材の頂点を前記糊付ローラーに当接させることによって糊付ローラーに付着した糊を除去すること特徴とする。
壁紙糊付機本体に設けられた保持ガイドに前記糊箱下部が噛み合うことで
前記糊除去部材が、前記壁紙糊付機本体に設けられたドクターローラーよりも下方でかつ糊付ローラーの中心よりドクターローラー側で前記糊付ローラーに当接する位置関係になるように構成したことを特徴とする。
前記糊付ローラーと前記糊除去部材の接触部を結んだ線に対して垂直な接線と糊除去部材の糊と接触する側の辺が、鋭角になるように構成したことを特徴とする。
本考案の壁紙糊付機によれば、壁紙の裏面に糊付ローラーによって糊を塗布する壁紙糊付機において、糊箱に略三角形状の糊除去部材を設け、前記略三角形状の糊除去部材の頂点を前記糊付ローラーに当接させることによって糊付ローラーに付着した糊を除去すること特徴とするので、糊付ローラーに糊除去部材の頂点が接触して糊を掻き落とし接触面が大きくならず軽い力で押さえるだけで糊を掻き落とすことができる。
糊付ローラーと糊除去部材の接触部を結んだ線に対して垂直な接線と糊除去部材の糊と接触する側の辺が、鋭角になるように構成したことを特徴とするので、糊除去部材が糊付ローラーの回転方向に逆らわないようになっており、いわゆるびびり振動が発生しない。
図1は、本考案の糊除去部材を糊付ローラーに当接させた状態を表す図である。 図2は、図1の糊除去部材と糊付ローラー付近の拡大図である。 図3は、糊付作業を行っている状態を表す図である。 図4は、糊付作業後に糊箱を引き出し、糊除去部材を糊付ローラーに当接させた状態を表す図である。 図5は、従来からの糊付機の構成を表す図である。
以下に本考案の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1から図4を用いて本考案の実施例の壁紙糊付機の洗浄を説明する。本考案の壁紙糊付機1はローラーの構成、配置は従来のものと同様であり、同じ番号を付与している。図1は本考案の糊除去部材を糊付ローラーに当接させたときの位置関係を表している。図2は糊除去部材と糊付ローラー当接時の拡大図である。図3は糊付作業を行っている状態を表し、図4は図3から糊箱を糊付機から引き出した状態を表している。
まず、本考案の糊を除去する際の各部位の形状、位置関係を説明する。図1に表したように、糊除去部材13の先端が糊付ローラー8に当接するまで糊箱12を手前に引き出したとき、糊箱底面の形状が保持ガイド14bに合致して前後方向(糊箱を出し入れする方向)にずれず、作業者は糊箱12を引き出した手前側で糊箱12の上を軽く押して固定している。
図2に表したように糊除去部材13は略三角形状であり、頂点が糊付ローラー8に当接している。当接位置は、鉛直方向はドクターローラー10よりも下方で、かつ水平方向は糊付ローラー8の中心よりドクターローラー10側に位置するように構成されている。糊付けローラー8に図示されている矢印は糊付ローラーの回転方向である。
また、図2に示されているように、糊付ローラー8の中心と接点である糊除去部材13の頂点を結んだ線Xに対して垂直な接線Yの入射側と、糊除去部材13の側辺13aとがなす角度αが鋭角になるよう構成されている。
糊除去部材13は糊付ローラーを傷付けずに糊付ローラー8に付着した糊を掻き落とすことができればよく、弾性を有するものであれば材質を特に制限しない。例えば発泡系のゴムやポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマー、樹脂素材などを使用できる。
次に、糊除去部材12を使用して作業者が糊付ローラー8を洗浄する方法を説明する。壁紙糊付機を使用し糊付作業を行っている状態は図3に表したように、糊箱12が糊箱受け2と保持ガイド14aによって支持されている。
糊付作業が完了すると作業者は図4のように糊箱12を糊付機1から引き出す。糊箱12を糊箱底面の形状が保持ガイド14bに合致するまで引き出していくと糊除去部材13が糊付ローラー8に当接する位置まで移動する。そして、作業者が糊箱12を上から軽く押さえ糊除去部材13が当接している状態で糊付ローラー8を回転させる。糊付ローラー8が回転すると、糊付ローラー8に付着して共に回転しようとする糊が糊除去部材13によって阻まれて掻き落とされ糊箱12内に落ちる。
従来の糊除去部材は半円のような形をした弾性素材でできており、円形部分が糊付ローラーと接触していたため、力を加えれば接触面積が大きくなるような構成となっていた。
とくに、粘度の高い糊を除去する際には糊箱をしっかり力を込めてと押さないと糊を綺麗に落としきれないことがあり、加える力を強くすれば接触面積も広がり、より強い抵抗がかかり、押す力も強くする必要があった。
それに対し、本考案では図1および図2のように略三角形である糊除去部材13の頂点が鉛直方向はドクターローラー10よりも下方でかつ水平方向は糊付ローラー8の中心よりドクターローラー10側の位置で当接し、糊付ローラー8の中心と接点である糊除去部材13の頂点を結んだ線Xに対して垂直な接線Yの入射側と糊除去部材13の側辺13aとがなす角度αが鋭角になるよう構成されているから、糊付ローラー8の回転と共に上がろうとする糊は糊除去部材13の側辺13aに阻まれ、側辺13aを伝って糊箱12に掻き落とされる。
つまり、従来は粘度の高い糊が糊付ローラーの回転に伴って上がってきた場合には糊除去部材が円形の弾性素材であるから広がった接触面を強い力でしっかり押さえて掻き落とす必要があったのに対して、本考案の糊除去部材13は弾性素材の頂点が接触して糊を掻き落とすから接触面が大きくならず軽い力で押さえるだけで糊を掻き落とすことができる。
さらに、糊付ローラー8の中心と接点である糊除去部材13の頂点を結んだ線Xに対して垂直な接線Yの入射側と、糊除去部材13の側辺13aとがなす角度αが鋭角になるよう構成されているから、糊除去部材13が糊付ローラー8の回転方向に逆らわないようになっており、いわゆるびびり振動が発生しない。
なお、この作業時にドクターローラー10と糊付ローラー8との間隔を狭くしておくとドクターローラー10に付着していた糊も糊付ローラー8に移ってほぼ除去することが出来る。
糊箱12を壁紙糊付機1から取り外し、糊箱12内の糊をバケツなどに移してから、糊箱12をもう一度壁紙糊付機1に設置して、従来と同様に水を含ませたスポンジで軽く拭って糊付機の洗浄を完了させる。
以上説明したように、本考案はどのような粘度の糊であっても力をかけずに手軽に掻き落とすことができるから、最後にスポンジなどで軽く拭うだけで糊を除去し洗浄することができる壁紙糊付機を提供する。
A 壁紙
1 壁紙糊付機
2 糊箱受け
3 糊
4 ハイテンションローラー
5 検尺ローラー
6 押えローラー
7 ナラシローラー
8 糊付ローラー
9 糊上ローラー
10 ドクターローラー
11 送り出しローラー
12 糊箱
13 糊除去部材
13a側面
14a保持ガイド
14b保持ガイド


Claims (3)

  1. 壁紙の裏面に糊付ローラーによって糊を塗布する壁紙糊付機において、
    糊箱に略三角形状の糊除去部材を設け、
    前記略三角形状の糊除去部材の頂点を前記糊付ローラーに当接させることによって糊付ローラーに付着した糊を除去すること特徴とする壁紙糊付機。
  2. 壁紙糊付機本体に設けられた保持ガイドに前記糊箱下部が噛み合うことで
    前記糊除去部材が、前記壁紙糊付機本体に設けられたドクターローラーよりも下方でかつ糊付ローラーの中心よりドクターローラー側で前記糊付ローラーに当接する位置関係になるように構成したことを特徴とする請求項1記載の壁紙糊付機。
  3. 前記糊付ローラーと前記糊除去部材の接触点を結んだ線に対して垂直な接線と糊除去部材の糊と接触する側の辺が、鋭角になるように構成したことを特徴とする。
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