JP3242026U - 蓋体の固定部材、及び、これを用いた蓋受システム - Google Patents

Abstract

【課題】固定ネジの上面を、受け体に固定された蓋体の上面と略面一状にして、「挟まり抑制」や「固定作業の負担低減」などを実現する。【解決手段】受け体Ｕに蓋体Ｆを固定する固定部材１である。固定ネジ２の上面は、受け体Ｕに固定された蓋体Ｆの上面と略面一状である。固定部材１は、固定ネジ２用のネジ受け体３とネジ受け内包部４を有したり、ネジ受け体３が内包されたネジ受け内包部４を覆うカバー体５の上部は、受け体Ｕに固定された蓋体Ｆとネジ受け内包部４との間に位置しても良い。又、固定部材１と受け体Ｕと蓋体Ｆを有した蓋受システム１０は、蓋体Ｆ側に固定ネジ２との間にクリアランスを設けず、固定部材１側にネジ受け体３とネジ受け内包部４との間にクリアランスを設ける。受け体Ｕの突出部材Ｕ２は、平面視で枠部材Ｕ１からはみ出ても良い。【選択図】図１

Description

本考案は、受け体に蓋体を固定する固定部材と、この固定部材を用いた蓋受システムに関するものである。

従来、溝蓋であって、溝ブロックの溝蓋用の受け部に設けられた固定穴に固定させる固定装置を有する溝蓋が知られている（特許文献１）。
この溝蓋は、前記固定装置は、前記受け部に対応する溝蓋の箇所に上下動可能な状態で上方付勢される固定用基材を有し、前記固定用基材の上端側にはこの固定用基材を所定の道具で上下動及び回動させる為に前記道具と係合させる係合部が設けられると共に、前記固定用基材の下端側には溝ブロックの固定穴を下方に通過してこの固定穴に係止される係止部が固定用基材と共に上下動及び回動する様に設けられた。

特開２００５－１１３４５７号公報

しかしながら、特許文献１に記載された溝蓋は、当該特許文献１ではその図８等に、又、図１２の比較例に開示されたように、固定用基材であるボルト材を取り付ける取付ボックスが上方に開口しているため、歩行者の靴の一部（女性のハイヒールの踵（かかと）部など）や、杖の下端部が、当該取付ボックスの上方開口に落ちて、挟まる虞がある。
更に、特許文献１の溝蓋は、溝ブロックの受け部への固定作業時には、ボルト材を上下動可能な状態で上方付勢させるスプリングバネを、当該ボルト材に通した状態でなければ固定できないため、固定作業の負担が増大する。

本考案は、このような点に鑑み、固定ネジの上面を、受け体に固定された蓋体の上面と略面一状にすることによって、「挟まり抑制」や「固定作業の負担低減」などを実現できる固定部材、及び、蓋受システムを提供することを目的とする。

本考案に係る固定部材１は、受け体に蓋体を固定する固定部材であって、当該固定部材は、前記蓋体を受け体に固定する固定ネジを有し、前記固定ネジの上面は、前記受け体に蓋体が固定された際、前記蓋体の上面と略面一状であることを第１の特徴とする。

本考案に係る固定部材１の第２の特徴は、上記第１の特徴に加えて、当該固定部材は、前記固定ネジ用の雌ネジが形成されたネジ受け体と、前記ネジ受け体を内包可能なネジ受け内包部を有している点にある。

本考案に係る固定部材１の第３の特徴は、上記第２の特徴に加えて、当該固定部材は、前記ネジ受け体が内包されたネジ受け内包部を覆うカバー体を有し、前記カバー体の上部は、前記受け体に蓋体が固定された際、当該蓋体と前記ネジ受け内包部との間に位置する点にある。

これらの特徴により、固定ネジ２の上面２ａを、受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際、蓋体Ｆの上面Ｆａと略面一状にすることで、特許文献１や比較例とは異なり、蓋体Ｆの上面Ｆａにおいて、固定ネジ２の周辺が上方開口しておらず、女性のハイヒールの踵部など歩行者の靴の一部や杖の下端部が、固定ネジ２の周辺で落ちることはなく、当該歩行者の靴の一部や杖の下端部の挟まりを抑制できる（「挟まり抑制」）。尚、このような「挟まり抑制」によって、歩行者がバランスを崩す虞も低減できるとも言える。
これと同時に、特許文献１や比較例とは異なり、蓋体Ｆの受け体Ｕへの固定作業時に、固定ネジ２を上下動可能な状態で上方付勢させるスプリングバネなどを、当該固定ネジ２に通すこと等が不要となり固定作業の負担が低減する（「固定作業の負担低減」）。尚、このような「固定作業の負担低減」によって、作業効率が向上するとも言える。

又、固定ネジ２用のネジ受け体３を内包可能なネジ受け内包部４を有することで、ネジ受け体３を内包できる範囲で、ネジ受け内包部４自体の高さを変更でき、蓋体Ｆの厚さに応じて当該固定部材１を調整可能となる。

更に、ネジ受け体３が内包されたネジ受け内包部４を覆うカバー体５の上部５ａを、受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際、蓋体Ｆとネジ受け内包部４との間に位置させることで、蓋体Ｆの受け体Ｕへの固定作業時に、ネジ受け体３がネジ受け内包部４から脱落することを抑制できると共に、受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された後において、蓋体Ｆと固定部材１が直接接触した場合に生じる音などの騒音を低減できるとも言える。

本考案に係る蓋受システム１０は、上述した第２又は３の特徴を持つ固定部材と、前記固定部材のネジ受け内包部が取り付けられた受け体と、前記受け体に嵌る蓋体を有した蓋受システムであって、前記蓋体側には、当該蓋体と、前記固定ネジとの間にクリアランスを設けず、前記固定部材側には、前記ネジ受け体と、前記ネジ受け内包部との間にクリアランスを設けていることを第１の特徴とする。

本考案に係る蓋受システム１０は、上述した第１の特徴に加えて、前記受け体は、前記蓋体を受ける受け部が設けられた枠部材と、前記枠部材から少なくとも下方へ突出した突出部材を有し、前記突出部材は、平面視において、前記枠部材からはみ出ている点にある。

これらの特徴により、蓋受システム１０で、蓋体Ｆ側には固定ネジ２との間にクリアランス（隙間）を設けず、固定部材１側にはネジ受け体３とネジ受け内包部４との間にクリアランス（隙間）を設けることで、固定部材１に固定された蓋体Ｆの上面と、固定ネジ２の上面とを略面一状にし易くなるとも言えると共に、蓋体Ｆ側と固定部材１側の両方にクリアランスを設けた場合（つまり、両方に隙間があるため、却って 固定ネジ２で蓋体Ｆを固定部材１に固定し難くなると言える）場合に比べて、固定ネジ２よる蓋体Ｆの固定部材１への固定が容易になるとも言える。

又、枠部材Ｕ１から少なくとも下方へ突出した突出部材Ｕ２を、平面視で枠部材Ｕ１からはみ出させることで、受け体Ｕを、コンクリートやアスファルト舗装、土中などに埋設した際には、当該突出部材Ｕ２が受け体Ｕの抜止め（アンカー）となり、埋設した受け体Ｕが掘り起こされ難くなる。

本考案に係る固定部材、及び、蓋受システムによると、固定ネジの上面を、受け体に固定された蓋体の上面と略面一状にすることによって、「挟まり抑制」や「固定作業の負担低減」などを実現できる。

本考案に係る固定部材（固定ネジ、ネジ受け体、ネジ受け内包部、カバー体を含む）、及び、この固定部材と蓋体と受け体を有した蓋受システムを例示する図面代用写真である。 （ａ）は固定部材におけるネジ受け内包部が受け体に取り付けられた状態を例示する図面代用写真であり、（ｂ）はネジ受け内包部の平面図と正面図であり、（ｃ）は固定部材におけるネジ受け体が内包されたネジ受け内包部を例示する図面代用写真であり、（ｄ）はネジ受け体の平面図と正面図である。 （ａ）は固定部材におけるネジ受け体が内包されたネジ受け内包部をカバー体で覆った状態を例示する図面代用写真であり、（ｂ）はカバー体の平面図と正面図であり、（ｃ）は固定部材にて固定される蓋体の下面を例示する図面代用写真であり、（ｄ）は蓋体のメッシュ部における仕切りの形状を例示する断面図である。 固定部材と蓋体を例示する図面代用写真であって、（ａ）は受け体に嵌り且つ固定ネジで固定されていない状態の蓋体の上面斜視を示し、（ｂ）は受け体に嵌り且つ固定ネジで固定された状態の蓋体及び固定ネジの上面斜視を示す。 固定部材による蓋体の受け体への固定手順の概要図であって、（ａ）はネジ受け体をネジ受け内包部に内包させた状態を示し、（ｂ）は（ａ）の状態でカバー体を覆せた状態を示し、（ｃ）は（ｂ）の状態で更に蓋体を被せた状態を示し、（ｄ）は（ｃ）の状態で蓋体側から固定ネジを挿通させた状態を示し、（ｅ）は（ｄ）の状態から更に固定ネジを螺合させて（ネジ受け体がネジ受け内包部の上面部の裏面に当接し）蓋体を受け体に固定した状態を示す。尚、（ａ）～（ｅ）中のネジ受け内包部は１つの略ロ字状に屈曲した板部材で構成されている。 本考案に係る固定部材の変形例を示す側断面図である。 本考案に係る第１実施形態の蓋受システムを示す平面図である。 第１実施形態の蓋受システムを示す正面図である。 第１実施形態の蓋受システムを示す側面図である。 本考案に係る第２実施形態の蓋受システムを示す平面図である。 第２実施形態の蓋受システムが埋設された状態を示す側面図である。 比較例を例示する図面代用写真である。

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。
＜固定部材１の全体構成＞
図１～５には、本考案に係る固定部材１が例示されている。
固定部材１は、後述する受け体Ｕに蓋体Ｆを固定するものであって、後述する固定ネジ２を有している。

その他、固定部材１は、後述するネジ受け体３やネジ受け内包部４を有していたり、後述するカバー体５を有していても良い。
このような固定部材１の一部（ネジ受け内包部４など）が取り付けられ得る受け体Ｕや、蓋体Ｆについて、まずは、その平面視が略正方形状のものを述べる。

＜受け体Ｕ＞
図１～９に示すように、受け体Ｕは、上述した固定部材１の一部が取り付けられ得るものであって、後述する蓋体Ｆを受ける（蓋体Ｆに蓋をされる、覆われる、又は、塞がれる）ものであることから、蓋受け体Ｕであるとも言える。
受け体Ｕは、固定部材１の一部が取り付けられ得て、蓋体Ｆを受けることが出来るのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、後述する枠部材Ｕ１と、突出部材Ｕ２を有していても構わない。

このような受け体Ｕの素材は、特に限定はなく、鋳鉄製やスチール製（鋼製）、ステンレス製、ＦＲＰ（Fiber Reinforced Plastics、繊維強化プラスチック）製、プラスチック（合成樹脂）製、ラバー製（合成ゴム製）、アルミニウム製などでもあっても良い。
受け体Ｕの色彩についても、銀色系や灰色系）であったり、その他、黒色系、白色系であったり、青色系、紫色系など何れの色調でも良く、色調の数や、彩度や明度についても何れの値でも構わない。

受け体Ｕに刻印や塗布等された文字、図柄も、その有無や、数、デザイン、色彩など特に限定はなく、何れであっても良い。
受け体Ｕの表面性状については、溶融亜鉛鍍金やＳＧ鍍金（登録商標）、リン酸処理（低光沢処理）などの錆止めや表面処理がされていたり、逆に、錆止め等がされていなくとも良い。

＜枠部材Ｕ１など＞
図１～９に示すように、枠部材Ｕ１は、受け体Ｕにおいて、蓋体Ｆを受ける受け部Ｕ１ａが設けられた部材であり、まず述べるものは、集水枡（ます）や、会所枡、ＣＤ枡（東京都都市整備局規格の角型排水桝で、特殊改良桝とも言う）の枡体等に用いられる平面視が略正方形状（略ロ字状）であり、中央に略正方形状の開口部を有している。
枠部材Ｕ１は、受け部Ｕ１ａを有していれば、何れの構成であっても良いが、例えば、中実棒材で形成された略ロ字状の環部材であったり、その他、中空棒材や、中実板材又は中空板材で形成された略ロ字状の環部材であっても構わない。
以下、枠部材Ｕ１は、主に、中実棒材で形成された略ロ字状の環部材であるとして述べる。

中実棒材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１は、当該中実棒材の大まかな断面形状が、略Ｌ字状であったり、その他、略コ字状や略Ｕ字状、略Ｖ字状などであっても良い。
以下、中実棒材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１は、主に、その中実棒材の大まかな断面形状が略Ｌ字状（アングル材）であるとして述べる。

アングル材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１は、例えば、上述した蓋体Ｆを受ける中実板材で形成された略ロ字状の受け部Ｕ１ａと、この受け部Ｕ１ａの外周側の辺から所定距離だけ上方へ延出し且つ中実板材で形成された略ロ字状の外周面部Ｕ１ｂを有していても良い。
枠部材Ｕ１における受け部Ｕ１ａは、その表面（上面）に、凹凸（滑止め）が形成されていても良く、この凹凸の平面視形状も、特に限定はないが、例えば、平面視で略楕円形状の凸部分が、略Ｚ字状に配置されていても（Ｚアングルであっても）構わない。

アングル材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１の大きさも、特に限定はないが、例えば、平面視が略ロ字状（略正方形状）の一辺の長さが、１００ｍｍ以上１０００ｍｍ以下、好ましくは２００ｍｍ以上８００ｍｍ以下、更に好ましくは３００ｍｍ以上６００ｍｍ以下（４２０ｍｍや、４２３ｍｍなど）であっても良い。
その他、アングル材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１は、受け部Ｕ１ａの幅や、外周面部Ｕ１ｂの上方延出距離も、特に限定はないが、例えば、受け部Ｕ１ａの幅が２５ｍｍ以上８５ｍｍ以下、好ましくは３５ｍｍ以上７５ｍｍ以下、更に好ましくは４５ｍｍ以上６５ｍｍ以下（５４ｍｍなど）であったり、外周面部Ｕ１ｂの上方延出距離が２０ｍｍ以上８０ｍｍ以下、好ましくは３０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、更に好ましくは４０ｍｍ以上６０ｍｍ以下（５０ｍｍなど）であっても良い。

尚、上述した受け部Ｕ１ａの上面は、上述した蓋体Ｆの下面に直接接触することから、受け面であるとも言える。
又、アングル材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１における各部Ｕ１ａ、Ｕ１ｂを構成する中実板材の厚さも、特に限定はないが、例えば、３ｍｍ以上９ｍｍ以下、好ましくは４ｍｍ以上８ｍｍ以下、更に好ましくは５ｍｍ以上７ｍｍ以下（６ｍｍなど）であっても良い。

アングル材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１の外周面部Ｕ１ｂ（略ロ字状を形成する４つの外周面部Ｕ１ｂ）と、蓋体Ｆの側端面との間に、クリアランス（謂わば、蓋クリアランス（蓋隙間））Ｃ’が存在しても良く、この蓋クリアランスＣ’の値も、特に限定はないが、例えば、１ｍｍ以上７ｍｍ以下、好ましくは２ｍｍ以上６ｍｍ以下、更に好ましくは３ｍｍ以上５ｍｍ以下（４ｍｍなど）であっても良い。尚、枠部材Ｕ１の４つの外周面部Ｕ１ｂそれぞれと、蓋体Ｆの側端面との蓋クリアランスＣ’は、４つとも略同じ値でも良いし、それぞれ全てが異なる値であったり、一部が同じ値で、その他が異なる値であっても構わない。
アングル材で形成された略ロ字状の環部材等である枠部材Ｕ１の外周面部Ｕ１ｂそれぞれの上端面は、後述する固定ネジ２にて蓋体Ｆを受け体Ｕに固定した際、固定ネジ２の上面２ａや、蓋体Ｆの上面Ｆａ（やネジ保持部Ｆ１の平坦部分の上面）と略面一状（略平坦状）となるように、枠部材Ｕ１（特に、外周面部Ｕ１ｂ）が構成されていても良い。

＜突出部材Ｕ２＞
図１、７～９に示したように、突出部材Ｕ２は、上述した枠部材Ｕ１から少なくとも下方へ突出した部材であり、平面視において、枠部材Ｕ１からはみ出ている。
突出部材Ｕ２は、枠部材Ｕ１から下方へ突出し、且つ、平面視で枠部材Ｕ１からはみ出ていれば、何れの構成であっても良いが、例えば、所定形状に屈曲した中実棒材であったり、その他、所定形状に屈曲した中空棒材や、所定形状の中実板材又は中空板材であっても構わない。
以下、突出部材Ｕ２は、主に、所定形状に屈曲した中実棒材（略取っ手状）であるとして述べる。

所定形状に屈曲した中実棒材等である突出部材Ｕ２は、当該屈曲された所定形状が、側面視で、略コ字状や、略Ｕ字状、略Ｃ字状（謂わば、チャンネル材）などであっても良い。
又、所定形状に屈曲した中実棒材等である突出部材Ｕ２は、当該中実棒材の大まかな断面形状が、略円形状や略正方形状であったり、その他、略矩形状や略楕円形状、略三角形状などであっても良い。
以下、所定形状に屈曲した中実棒材等である突出部材Ｕ２は、主に、その屈曲された所定形状が、側面視で略コ字状であり、主に、その中実棒材の大まかな断面形状が略円形状（断面略円形状）であるとして述べる。

側面視略コ字状に屈曲した断面略円形状の中実棒材等である突出部材Ｕ２は、その２つの基端部が、上述した枠部材Ｕ１の外周面部Ｕ１ｂに対して、溶接や接着、ネジ等の固定手段などにて、外方側から（外方面に）取り付けられていても良い。この場合、当該突出部材Ｕ２は、その全体が、平面視で枠部材Ｕ１からはみ出ることとなる。
又、側面視略コ字状に屈曲した断面略円形状の中実棒材等である突出部材Ｕ２は、枠部材Ｕ１の外周面部Ｕ１ｂに外方側から取り付けられた２つの基端部から、下外方に屈曲し且つ延出していても良い。

側面視略コ字状に屈曲した断面略円形状の中実棒材等である突出部材Ｕ２の大きさ等も、特に限定はないが、例えば、側面視において、各基端部の上下長さが６ｍｍ以上２４ｍｍ以下、好ましくは９ｍｍ以上２１ｍｍ以下、更に好ましくは１２ｍｍ以上１８ｍｍ以下（１５ｍｍなど）であったり、各基端部の間の距離が７０ｍｍ以上１３０ｍｍ以下、好ましくは８０ｍｍ以上１２ｍｍ以下、更に好ましくは９０ｍｍ以上１１０ｍｍ以下（１００ｍｍなど）であったり、下外方延出した部分の下外方延出距離が４０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、好ましくは４５ｍｍ以上６５ｍｍ以下、更に好ましくは５０ｍｍ以上６０ｍｍ以下（５５ｍｍなど）であっても良い。
又、側面視略コ字状に屈曲した断面略円形状の中実棒材等である突出部材Ｕ２は、例えば、平面視において、突出部材Ｕ２全体としてのはみ出し距離が１５ｍｍ以上４５ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上４０ｍｍ以下、更に好ましくは２５ｍｍ以上３５ｍｍ以下（３０ｍｍなど）であっても良い。

側面視略コ字状に屈曲した断面略円形状の中実棒材等である突出部材Ｕ２自体の太さも、特に限定はないが、例えば、５ｍｍ以上１１ｍｍ以下、好ましくは６ｍｍ以上１０ｍｍ以下、更に好ましくは７ｍｍ以上９ｍｍ以下（８ｍｍなど）であっても良い。
各基端部と下外方延出した部分との間の角度も、特に限定はないが、例えば、１５°以上３５°以下、好ましくは２０°以上３０°以下、更に好ましくは２２°以上２８°以下（２５°など）であっても良く、この角度は、基端部それぞれと下外方延出した部分とで略同じであったり、逆に異なっていても構わない。
このような突出部材Ｕ２は、受け体Ｕがコンクリートやアスファルト舗装、土中などに埋設された際、当然、当該突出部材Ｕ２もコンクリート等に埋設される。

＜蓋体Ｆ＞
図１、５～９に示すように、蓋体Ｆは、上述した受け体Ｕに嵌るものであって、当該受け体Ｕの開口部を、固定部材１を介して蓋をする（覆う、又は、塞ぐ）ものであり、グレーチングとも言う。
蓋体Ｆも、その構成に特に限定はないが、例えば、蓋体Ｆの形状は、例えば、平面視において、略正方形状や、略矩形状であったり、その他、略ホームベース状などであっても良い。
以下、蓋体Ｆの平面視における形状は、主に正方形状であるとして述べる。

平面視で略正方形状等の蓋体Ｆは、例えば、複数の開口を備えたメッシュ部（格子部）と、このメッシュ部を囲む枠部と、後述する（皿ネジ状等の）固定ネジ２を保持するネジ保持部Ｆ１（固定ネジ２を挿通するネジ孔や、当該固定ネジ２のネジ頭部に応じた凹み（皿ネジ状のネジ頭部に応じたテーパー状等の凹み（テーパー凹み、又は、上凹み）など）、この上凹み周辺の平坦部分を含む）を有していても良く、この他、メッシュ部や、枠部、鍔部等の表面（上面）側に凹凸（滑止め）が形成されていても構わない。又、平面視で略正方形状等の蓋体Ｆにおけるネジ保持部Ｆ１は、略板状であり、当該ネジ保持部Ｆ１の裏面側には、凹部（下凹部）Ｆ２が存在しても良い。
蓋体Ｆのメッシュ部における開口の形状や数等も、特に限定はないが、各開口の形状は、例えば、平面視において、略矩形状や略正方形状であっても良く、開口の数は、１つの蓋体Ｆに対して複数設けられていると言え、その配置も、１列状に設けられていたり、複数列状に（各列幅が、略同じや異なるように）設けられていても構わない。
以下、蓋体Ｆのメッシュ部においては、主に、平面視における各開口の形状が略矩形状であり、開口の数は、１つの蓋体Ｆに対して、複数の開口が複数列状に設けられているとして述べる。

平面視で略正方形状等の蓋体Ｆの大きさも、特に限定はないが、例えば、一辺が２５０ｍｍ以上１０００ｍｍ以下、好ましくは３００ｍｍ以上７５０ｍｍ以下、更に好ましくは３５０ｍｍ以上５００ｍｍ以下（４００ｍｍなど）であっても良い。
蓋体Ｆの厚さも、特に限定はないが、例えば、２０ｍｍ以上１００ｍｍ以下、好ましくは３０ｍｍ以上８０ｍｍ以下、更に好ましくは４０ｍｍ以上６０ｍｍ以下（５０ｍｍなど）であっても良い。

平面視で略正方形状等の蓋体Ｆのメッシュ部において、平面視で略矩形状等の各開口の大きさも、特に限定はないが、例えば、平面視における形状が略矩形状であるならば、長手方向長さが２０ｍｍ以上１００ｍｍ以下、好ましくは３０ｍｍ以上８０ｍｍ以下、更に好ましくは４０ｍｍ以上６０ｍｍ以下であったり、短手方向長さが５ｍｍ以上６５ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上５５ｍｍ以下、更に好ましくは２５ｍｍ以上４５ｍｍ以下（５０ｍｍ×３３ｍｍなど）であっても良い。
尚、平面視で略正方形状等の蓋体Ｆのメッシュ部において、各開口を仕切っている部分（仕切り）のうち、当該蓋体Ｆの平面視で縦方向及び横方向のうち一方向に沿う仕切り（後述する略ＷＩバー状仕切り、又は、略ＷＸＩバー状仕切り）Ｆ３の断面形状は、特に限定はないが、例えば、当該仕切りＦ３の最上部の長手方向に垂直な断面は、長辺が上に位置する略台形形状であり、当該仕切りＦ３の下部の長手方向に垂直な断面は、略長方形であり、当該仕切りＦ３の上端部の幅は、当該仕切りＦ３の下部の幅よりも大きく、当該仕切りＦ３の中央部の幅は、当該仕切りＦ３の下部の幅よりも小さくても（謂わば、略ＷＩバー状、又は、略ＷＸＩバー状であっても）良い（図３（ｄ）参照）。

当該蓋体Ｆの平面視で縦方向及び横方向のうち一方向に沿う仕切りＦ３の断面形状において、当該仕切りＦ３の上端部の幅は、当該仕切りＦ３の下部の幅よりも大きく、当該仕切りＦ３の中央部の幅は、当該仕切りＦ３の下部の幅よりも小さければ、それらの具体的な値に特に限定はないが、例えば、当該仕切りＦ３の上端部の幅が４ｍｍ以上１０ｍｍ以下、好ましくは５ｍｍ以上９ｍｍ以下、更に好ましくは６ｍｍ以上８ｍｍ以下（７ｍｍなど）であったり、当該仕切りＦ３の中央部の幅が２．０ｍｍ以上５．０ｍｍ以下、好ましくは２．５ｍｍ以上４．５ｍｍ以下、更に好ましくは３．０ｍｍ以上４．０ｍｍ以下（３．５ｍｍなど）であったり、該仕切りＦ３の下部の幅が４．０ｍｍ以上７．０ｍｍ以下、好ましくは４．５ｍｍ以上６．５ｍｍ以下、更に好ましくは５．０ｍｍ以上６．０ｍｍ以下（３．５ｍｍなど）であっても良い。
又、平面視で略正方形状等の蓋体Ｆのメッシュ部において、仕切りのうち、当該蓋体Ｆの平面視で縦方向及び横方向のうち他方向に沿う仕切りの断面形状は、例えば、略円形状や略楕円形状であったり、略正方形状や略矩形状、略三角形状などであっても良く、その他、長手方向に沿う仕切りが捻じれていても構わない。

蓋体Ｆにおける素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状は、特に限定はなく、上述した受け体Ｕの素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状と同様である。
尚、蓋体Ｆと受け体Ｕの素材や色彩、表面性状等は、同じ（又は略同じ）であっても良いし、異なっていても構わない。
このような蓋体Ｆに対する受け体Ｕの数も、特に限定はなく、例えば、１つの蓋体Ｆに対して１つの受け体Ｕが受けていたり、複数の蓋体Ｆに亘って１つの受け体Ｕが受けたり、逆に、１つの蓋体Ｆに対して複数の受け体Ｕが受けたり、その他、複数の蓋体Ｆに対して複数の受け体Ｕが受けていても（蓋体Ｆと受け体Ｕが平面視で縦方向及び横方向のうち少なくとも一方向に少しずつズレながら受けていても）良い。
以下、主に、１つの蓋体Ｆに対して１つの受け体Ｕが受けているとして述べる。
ここまで述べた蓋体Ｆを受け体Ｕに固定する固定部材１の各部材について、次に述べる。

＜固定ネジ２＞
図１、４～１０に示すように、固定ネジ２は、上述した蓋体Ｆを受け体Ｕに嵌めた状態で、蓋体Ｆを受け体Ｕに固定するネジであって、固定部材１に含まれる。
固定ネジ２の上面２ａは、受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際、蓋体Ｆの上面Ｆａ（やネジ保持部Ｆ１の平坦部分の上面）と略面一状（略平坦状）となるように、固定ネジ２が構成されている。
ここで、本考案における「固定ネジ２の上面２ａは、受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際、蓋体Ｆの上面Ｆａと略面一状」とは、固定ネジ２の上面２ａ全体と蓋体Ｆの上面Ｆａ全体が厳密に面一となっている（側面視で厳密に高さや傾きが同一である）場合（図５、８参照）だけでなく、固定ネジ２の取付状況・取付具合によって固定ネジ２の上面２ａと蓋体Ｆの上面Ｆａとの間で若干の角度（例えば、０°より大きく５°以内など）が生じている場合（図４（ｂ）参照）や、固定ネジ２の上面２ａと蓋体Ｆの上面Ｆａとの間で若干の高低差（例えば、０ｍｍより大きく３ｍｍ以内など）が生じている場合（図６参照）、固定ネジ２の上面２ａの少なくとも一部と蓋体Ｆの上面Ｆａの少なくとも一部が面一となっている（側面視で高さや傾きが同一である）場合なども含み、その他、固定ネジ２の上面２ａにネジ回しなど固定ネジ２を螺合させる（回転させる）回転具が係止する溝が形成されている場合（図７～９参照）や、蓋体Ｆの上面Ｆａ（当該蓋体Ｆのメッシュ部や、枠部、鍔部等の上面）に凹凸（滑止め）が形成されている場合なども含む。

固定ネジ２は、蓋体Ｆを受け体Ｕに固定した際、固定ネジ２の上面２ａが蓋体Ｆの上面Ｆａと略面一状となるのであれば、何れの構成でも良いが、全体構成としては、例えば、皿ネジ状であっても良く、その他、その上面２ａが略平坦状である袋ナット状であったり、その上面２ａが略平坦状である六角ボルト状や、蝶ボルト状、六角穴付ボルト状、化粧ビス状、寸切状、六角穴付止めネジ状などであっても良い。
固定ネジ２は、そのネジ頭部として、例えば、上述した上面２ａが略平坦状である皿ネジ状（平皿状や丸皿状）であったり、その他、その上面２ａが略平坦状であるナベ状や、バインド状、トラス状などであっても良く、特に、上面２ａが略平坦状である皿ネジ状であれば、当該皿ネジ状のネジ頭部における上面２ａと外周面との成す角が、上述した蓋体Ｆのネジ保持部Ｆ１における平坦部分の上面と上凹みの内周面とのなす角と略同じ角度であっても構わない。

固定ネジ２は、そのネジ本体部分は、特に限定はなく、全ネジ状であったり（ネジ先端からネジ頭部の付け根までネジ山が形成されていたり）、半ネジ状であっても（ネジ先端からネジ頭部の付け根までの途中までネジ山が形成されていても）良い。
固定ネジ２の先端（ネジ先端）は、略平坦であっても良く、又、尖っていても（ドリルネジ状であっても）構わない。

以下、固定ネジ２は、主に、その上面２ａが略平坦状で、全体形状が皿ネジ状で、ネジ本体部分が全ネジ状で、ネジ先端が略平坦であるとして述べる。
固定ネジ２は、その直径（呼び径（ネジ山における直径））や、長さ（皿ネジ状であれば、ネジ本体部分の長さにネジ頭部の高さを足した長さ）についても、特に限定はなく、例えば、直径が６ｍｍ以上１８ｍｍ以下、好ましくは８ｍｍ以上１６ｍｍ以下、更に好ましくは１０ｍｍ以上１４ｍｍ以下（１２ｍｍなど）であったり、長さが２０ｍｍ以上８０ｍｍ以下、好ましくは３０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、更に好ましくは４０ｍｍ以上６０ｍｍ以下（５０ｍｍなど）であっても良い。

固定ネジ２における素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状も、特に限定はなく、上述した受け体Ｕや蓋体Ｆの素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状と同様である。
尚、固定ネジ２と、受け体Ｕや蓋体Ｆの素材や色彩、表面性状等は、全て又は一部が同じ（又は略同じ）であっても良いし、全てが異なっていても構わない。

＜ネジ受け体３＞
図１～６、８、９に示すように、ネジ受け体３は、上述した固定ネジ２用の雌ネジ（固定ネジ２が螺合可能な雌ネジ山）が形成されたものであって、固定部材１に含まれる。
ネジ受け体３は、固定ネジ２用の雌ネジが形成されていれば、何れの構成でも良いが、例えば、１枚の板部材であったり、２枚以上の板部材を重ねたもの（例えば、略矩形状の大小２枚の板部材を重ねて段差を有したものなど）でも構わない。
以下、ネジ受け体３は、主に、１枚の板部材であるとして述べる。

１枚の板部材等であるネジ受け体３は、略矩形状や略正方形状であったり、その他、略楕円形状、略三角形状などであっても良い。
以下、ネジ受け体３は、主に、略矩形状であるとして述べる。
１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３は、その略中央には固定ネジ２が螺合可能な雌ネジ孔３ａが形成されていても良く、角部が丸くても（Ｒカット（Ｒ面カット）されていても）構わない。

１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３は、その大きさや、雌ネジ孔３ａの直径も、特に限定はないが、例えば、長手方向長さが１６ｍｍ以上４０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上３６ｍｍ以下、更に好ましくは２４ｍｍ以上３２ｍｍ以下（２８ｍｍなど）であったり、短手方向長さが１３ｍｍ以上３７ｍｍ以下、好ましくは１７ｍｍ以上３３ｍｍ以下、更に好ましくは２１ｍｍ以上２９ｍｍ以下（２５ｍｍなど）であったり、雌ネジ孔３ａの直径（雌ネジ内径）が１０ｍｍ以上２２ｍｍ以下、好ましくは１２ｍｍ以上２０ｍｍ以下、更に好ましくは１４ｍｍ以上１８ｍｍ以下（１６ｍｍなど）であっても良い。
１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３は、その厚さも、特に限定はないが、例えば、３ｍｍ以上９ｍｍ以下、好ましくは４ｍｍ以上８ｍｍ以下、更に好ましくは５ｍｍ以上７ｍｍ以下（６ｍｍなど）であっても良い。

ネジ受け体３における素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状も、特に限定はなく、上述した受け体Ｕや蓋体Ｆ、固定ネジ２の素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状と同様である。
尚、ネジ受け体３と、受け体Ｕや蓋体Ｆ、固定ネジ２の素材や色彩、表面性状等は、全て又は一部が同じ（又は略同じ）であっても良いし、全てが異なっていても構わない。

＜ネジ受け内包部４＞
図１～５に示したように、ネジ受け内包部４は、上述したネジ受け体３を内包可能な（ネジ受け体３をその内部に存在させることが可能な）部分であって、固定部材１に含まれる。尚、ネジ受け内包部４は、後述する開口４Ａなどを有していても良い。
ネジ受け内包部４は、ネジ受け体３を内包可能であれば、何れの構成でも良いが、例えば、略コ字状に屈曲した板部材や、略ロ字状（略矩形状）に屈曲した板部材（図５参照）であったり、一方（一側方など）のみに開口した箱状に屈曲した板部材であったり、断面形状が略矩形状や略正方形状、楕円形状、略円形状等のパイプ材や、断面略コ字状の棒部材などであっても構わない。

又、ネジ受け内包部４を構成する部材は、１つだけでも良いが、２つ以上であっても構わない。
以下、ネジ受け内包部４は、略コ字状や略ロ字状に屈曲した板部材等のうち、まずは、１つの略コ字状に屈曲した板部材で構成されているとして述べる。

１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、例えば、上述した蓋体Ｆにおけるネジ保持部Ｆ１の裏面側（下凹部Ｆ２に略正対側）に位置する略矩形状板材の上面部４ａと、この上面部４ａの幅方向一方側の辺から所定距離だけ下方へ延出した略矩形状板材の一方側面部４ｂと、上述した上面部４ａの幅方向他方側の辺から所定距離だけ下方へ延出した略矩形状板材の他方側面部４ｃと、上述した一方側面部４ｂの下端から所定距離だけ上面部４ａの幅方向内方へ延出した略矩形状板材の一方下面部４ｄと、上述した他方側面部４ｃの下端から所定距離だけ上面部４ａの幅方向内方へ延出した略矩形状板材の他方下面部４ｅを有していても良い。
１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、上面部４ａの大きさや、一方側面部４ｂの下方延出距離、他方側面部４ｃの下方延出距離、一方下面部４ｄの内方延出距離、他方下面部４ｅの内方延出距離も、特に限定はないが、例えば、上面部４ａの長手方向長さが１０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上６０ｍｍ以下、更に好ましくは３０ｍｍ以上５０ｍｍ以下（４０ｍｍなど）であったり、上面部４ａの短手方向長さが５ｍｍ以上６５ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上５５ｍｍ以下、更に好ましくは２５ｍｍ以上４５ｍｍ以下（３５ｍｍなど）であっても良い。尚、上面部４ａの長手方向長さは、ネジ受け内包部４としての開口方向（謂わば、幅方向）であっても良い（図２（ｄ）参照）し、逆に、上面部４ａの長手方向長さは、ネジ受け内包部４としての開口方向に平面視で略直交する方向）であっても構わない。

一方側面部４ｂの下方延出距離と他方側面部４ｃの下方延出距離が略同じ場合には、それぞれが、例えば、５ｍｍ以上５５ｍｍ以下、好ましくは１０ｍｍ以上４５ｍｍ以下、更に好ましくは１５ｍｍ以上３５ｍｍ以下（２０ｍｍなど）であっても良く、又、一方側面部４ｂの下方延出距離と他方側面部４ｃの下方延出距離が異なっていても構わない。
尚、これら一方側面部４ｂと他方側面部４ｃの下方延出距離を変えることで、上述したネジ受け体３を内包できる範囲で、ネジ受け内包部４自体の高さを変更でき、蓋体Ｆの厚さや、受け体Ｕの枠部材Ｕ１における外周面部Ｕ１ｂの高さ等に応じて当該固定部材１を調整可能となると言える。

一方下面部４ｄの内方延出距離と他方下面部４ｅの内方延出距離が略同じ場合には、それぞれが、例えば、２ｍｍ以上３０ｍｍ以下、好ましくは４ｍｍ以上２５ｍｍ以下、更に好ましくは６ｍｍ以上２０ｍｍ以下（１０ｍｍなど）であっても良く、又、一方下面部４ｄの内方延出距離と他方下面部４ｅの内方延出距離が異なっていても構わない。
尚、一方下面部４ｄの延出先端と他方下面部４ｅの延出先端との間の距離も、特に限定はなく、例えば、例えば、５ｍｍ以上５５ｍｍ以下、好ましくは１０ｍｍ以上４５ｍｍ以下、更に好ましくは１５ｍｍ以上３５ｍｍ以下（２０ｍｍなど）であっても良い。
１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４における各部４ａ～４ｅを構成する略矩形状板材の厚さも、特に限定はないが、例えば、１．０ｍｍ以上５．０ｍｍ以下、好ましくは２．０ｍｍ以上４．０ｍｍ以下、更に好ましくは２．５ｍｍ以上３．５ｍｍ以下（３．０ｍｍなど）であっても良い。

ここまで述べた１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４の内部の大きさは、上述したネジ受け内包部４の各部４ａ～４ｅの大きさと厚みから、当該ネジ受け内包部４の内部の上下長さが５ｍｍ以上５０ｍｍ以下、好ましくは１０ｍｍ以上４０ｍｍ以下、更に好ましくは１５ｍｍ以上３０ｍｍ以下（１４ｍｍなど）であって上述した１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３の厚さの値より大きく、当該ネジ受け内包部４の内部の長手方向長さが１０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上６０ｍｍ以下、更に好ましくは３０ｍｍ以上５０ｍｍ以下（４０ｍｍなど）であって上述した１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３の長手方向長さの値より大きく、当該ネジ受け内包部４の内部の短手方向長さが５ｍｍ以上６０ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上５０ｍｍ以下、更に好ましくは２５ｍｍ以上４０ｍｍ以下（２９ｍｍなど）であって上述した１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３の短手方向長さの値より大きいことで、固定部材１側において、ネジ受け体３と、ネジ受け内包部４との間にクリアランス（謂わば、ネジ受けクリアランス（ネジ受け隙間））Ｃを設けることとなる。
ここで、ネジ受けクリアランスＣには、上述したように、＜１＞１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３の厚さ方向における端面（上面、下面）と、１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４における上面部４ａの下面や、一方下面部４ｄの上面、他方下面部４ｅの上面との間のクリアランスと、＜２＞１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３の短手方向（開口方向）における端面と、後述するカバー体５（ネジ受け体３が内包された状態のネジ受け内包部４を覆ったカバー体５）の内側面のうち上部５ａの短手方向（開口方向）における面との間のクリアランスと、＜３＞１枚の略矩形状の板部材等であるネジ受け体３の長手方向（平面視で開口方向と略直交する方向）における端面と、後述するカバー体５（ネジ受け体３が内包された状態のネジ受け内包部４を覆ったカバー体５）の内側面のうち上部５ａの長手方向（平面視で開口方向と略直交する方向）における面との間のクリアランスが含まれる。
尚、このような１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、枠部材６に対して、溶接や接着、ネジ等の固定手段などによって取り付けられていても良い。

＜ネジ受け内包部４の開口４Ａなど＞
図２、５、６に示すように、開口４Ａは、上述した１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４において、上面部４ａの短手方向における各端側全体が開口して（板部材を屈曲していることから、当該板部材の幅方向における端面は開口して）、当該ネジ受け内包部４の内外を連通するように、一対設けられている。
一対の開口４Ａは、それぞれが、正面視（ネジ受け内包部４の開口方向視）において、略重なるように設けられているとも言え、又、開口４Ａは、側方に向けて開口していることから、側方開口４Ａであるとも言える。

開口４Ａそれぞれは、当該ネジ受け内包部４の内外を連通するのであれば、何れの構成でも良いが、その形状は、略矩形状（厳密には、略矩形状で且つ当該矩形状における下方の２つの角部が欠けた形状）であったり、その他、略正方形状であったり、その他、略楕円形状や略円形状、略台形状、略三角形状などであっても良い。
以下、開口４Ａは、主に、その形状が略矩形状であるとして述べる。
略矩形状等である開口４Ａの大きさも、特に限定はないが、開口４Ａの長手方向長さは上述した上面部４ａの幅方向長さ（短手方向長さ）と略同じ値であり、開口４Ａの短手方向長さは上述した一方側面部４ｂと他方側面部４ｃの下方延出距離と略同じ値であるとも言える。

この他、上述した１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、上面部４ａに、当該ネジ受け内包部４の内外を連通するように、上方開口４Ｂが設けられていても良い（図１～３、５、６参照）。
上方開口４Ｂは、何れの構成でも良いが、その形状は、略楕円形状や略円形状であったり、その他、略矩形状や略正方形状、略台形状、略三角形状などであっても良い。
以下、上方開口４Ｂは、主に、その形状が略楕円形状であるとして述べる。

略楕円形状等である上方開口４Ｂの大きさも、特に限定はないが、例えば、長径が２０ｍｍ以上５０ｍｍ以下、好ましくは２５ｍｍ以上４５ｍｍ以下、更に好ましくは３０ｍｍ以上４０ｍｍ以下（３２ｍｍなど）であったり、短径が１０ｍｍ以上４０ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上３５ｍｍ以下、更に好ましくは２０ｍｍ以上３０ｍｍ以下（２５ｍｍなど）であっても良い。
略楕円形状等である上方開口４Ｂの位置も、特に限定はないが、例えば、１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４の上面部４ａにおいて、略中央位置等に設けられていても良く、上方開口４Ｂの長径が、ネジ受け内包部４の上面部４ａの長手方向に略沿い、上方開口４Ｂの短径が、ネジ受け内包部４の上面部４ａの短手方向に略沿っていても構わない。

その他、１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、上述したように、一方下面部４ｄの延出先端と他方下面部４ｅの延出先端との間は、所定の距離があり（つまり、開口しており）、下方開口４Ｃであるとも言える。
尚、この下方開口４Ｃの開口幅（一方下面部４ｄの延出先端と他方下面部４ｅの延出先端との間の距離）は、上述したネジ受け体３の短手方向長さより小さく、ネジ受け体３が下方開口４Ｃからネジ受け内包部４の外部へ出難いと言える。

又、上述した下方開口４Ｃ側を下にして、１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、上述した受け体Ｕの枠部材Ｕ１における１つの略ロ字状の受け部Ｕ１ａの上面に対して、立設状（上方突出状）に、１つだけ取り付けられていたり、複数（例えば、４つなど）取り付けられていても良く、当該ネジ受け内包部４の高さが、略ロ字状の受け部Ｕ１ａ上面からの上方突出距離となる。
以下、１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４は、主に、１つの受け部Ｕ１ａの上面に対して、４つ取り付けられているとして述べる。

このような１つの略コ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４における枠部材Ｕ１の略ロ字状の受け部Ｕ１ａ上面に対する平面視での取付位置（平面位置）・向きは、特に限定はないが、例えば、当該ネジ受け内包部４における一方の開口４Ａ側の各部４ａ～４ｅの端面が、当該受け部Ｕ１ａの内方側の端面と、略面一状となる平面位置に取り付けられていても良く、又、４つの当該ネジ受け内包部４の開口方向が揃っていても構わない。
尚、当該ネジ受け内包部４における他方の開口４Ａ側の各部４ａ～４ｅの端面と、当該受け体Ｕの外周面部Ｕ１ｂの内側面との間に隙間があっても良い。

ネジ受け内包部４における素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状も、特に限定はなく、上述した受け体Ｕや蓋体Ｆ、固定ネジ２、ネジ受け体３の素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状と同様である。
尚、ネジ受け内包部４と、受け体Ｕや蓋体Ｆ、固定ネジ２、ネジ受け体３の素材や色彩、表面性状等は、全て又は一部が同じ（又は略同じ）であっても良いし、全てが異なっていても構わない。

＜カバー体５＞
図１、３、５、６、８、９に示したように、カバー体５は、上述したネジ受け体３が内包された状態のネジ受け内包部４を覆うものであって、固定部材１に含まれる。
カバー体５の上部５ａは、上述した受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際、当該蓋体Ｆとネジ受け内包部４との間に位置する。

又、カバー体５における素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状も、特に限定はなく、上述した受け体Ｕや蓋体Ｆ、固定ネジ２、ネジ受け体３、ネジ受け内包部４の素材や色彩、刻印や塗布等された文字、図柄、表面性状と同様であるが、特に、ラバー製（合成ゴム製）等の弾性体であっても良い。
尚、カバー体５と、受け体Ｕや蓋体Ｆ、固定ネジ２、ネジ受け体３、ネジ受け内包部４の素材や色彩、表面性状等は、全て又は一部が同じ（又は略同じ）であっても良いし、全てが異なっていても構わない。

カバー体５は、ネジ受け体３が内包された状態でネジ受け内包部４を覆えて、且つ、受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際、当該蓋体Ｆとネジ受け内包部４との間に位置するのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、略直方体状や略立方体状の箱部材（キャップ状部材）であったり、断面形状が略矩形状や略正方形状、楕円形状、略円形状等のパイプ材（この場合の上部５ａとは、当該パイプ材の上部となる）や、断面略コ字状の棒部材（この場合、断面略コ字状の正対する２つの部分で一対の開口４Ａを塞いでも良く、上部５ａとは当該棒部材の上部となる）などであっても構わない。
以下、カバー体５は、略直方体状の箱部材であるとして述べる。

略直方体状の箱部材等であるカバー体５は、例えば、上述した受け体Ｕに蓋体Ｆが固定された際に当該蓋体Ｆとネジ受け内包部４との間に位置する略矩形板材の上部５ａと、この上部５ａの４辺から所定距離だけ下方へ延出した４つの略矩形状板材が連結した側面部５ｂを有していても良い。
略直方体状の箱部材等であるカバー体５は、上述した蓋体Ｆのネジ保持部Ｆ１における裏面側の下凹部Ｆ２に嵌るのであれば、上部５ａの大きさや、側面部５ｂの下方延出距離も、特に限定はないが、例えば、上部５ａの長手方向長さが１５ｍｍ以上７５ｍｍ以下、好ましくは２５ｍｍ以上６５ｍｍ以下、更に好ましくは３５ｍｍ以上５５ｍｍ以下（４６ｍｍなど）であったり、上部５ａの短手方向長さが１０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上６０ｍｍ以下、更に好ましくは３０ｍｍ以上５０ｍｍ以下（４１ｍｍなど）であっても良い。

側面部５ｂの下方延出距離は、例えば、２ｍｍ以上５５ｍｍ以下、好ましくは７ｍｍ以上４５ｍｍ以下、更に好ましくは１２ｍｍ以上３５ｍｍ以下（１７ｍｍなど）であっても良い。
尚、側面部５ｂの下方延出距離は、上述したネジ受け内包部４の高さ（一方側面部４ｂや他方側面部４ｃの下方延出距離など）より短かったり、略同じであっても良く、又、少なくともネジ受け内包部４の開口４Ａを覆う範囲の下方延出距離で構わないとも言える。

略直方体状の箱部材等であるカバー体５における各部５ａ、５ｂを構成する略矩形状板材の厚さも、特に限定はないが、例えば、上部５ａの厚さが、側面部５ｂの厚さより厚かったり（略２倍や、略２倍以上略４倍以下など）、又、その逆であっても良く、具体的な値としては、上部５ａの厚さが２ｍｍ以上１０ｍｍ以下、好ましくは４ｍｍ以上８ｍｍ以下、更に好ましくは５ｍｍ以上７ｍｍ以下（６ｍｍなど）であったり、側面部５ｂの厚さが１．０ｍｍ以上５．０ｍｍ以下、好ましくは２．０ｍｍ以上４．０ｍｍ以下、更に好ましくは２．５ｍｍ以上３．５ｍｍ以下（３．０ｍｍなど）であっても良い。

＜カバー体５の上方開口５Ｂ＞
図１、３、５、６、８、９に示すように、上方開口５Ｂは、上述した略直方体状の箱部材等であるカバー体５における上部５ａに、当該カバー体５の内外を連通するように、上方開口５Ｂが設けられていても良い。
上方開口５Ｂは、何れの構成でも良いが、その形状は、略楕円形状や略円形状であったり、その他、略矩形状や略正方形状、略台形状、略三角形状などであっても良い。
以下、上方開口５Ｂは、主に、その形状が略楕円形状であるとして述べる。

略楕円形状等である上方開口５Ｂの大きさも、特に限定はないが、例えば、長径が２０ｍｍ以上５０ｍｍ以下、好ましくは２５ｍｍ以上４５ｍｍ以下、更に好ましくは３０ｍｍ以上４０ｍｍ以下（３２ｍｍなど）であったり、短径が１０ｍｍ以上４０ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上３５ｍｍ以下、更に好ましくは２０ｍｍ以上３０ｍｍ以下（２５ｍｍなど）であっても良く、又、これら上方開口５Ｂの長径や短径は、上述したネジ受け内包部４の上方開口４Ｂの長径や短径と略同じが、少なくとも何れか１つが大きくても構わない。
略楕円形状等である上方開口５Ｂの位置も、特に限定はないが、例えば、略直方体状の箱部材等であるカバー体５の上部５ａにおいて、略中央位置等に設けられていても良く、上方開口５Ｂの長径が、ネカバー体５の上部５ａの長手方向に略沿い、上方開口５Ｂの短径が、カバー体５の上部５ａの短手方向に略沿っていても構わない。

＜固定部材１（ネジ受け内包部４）の変形例＞
図６～９は、固定部材１（特に、ネジ受け内包部４）の変形例を示している。
この変形例において今まで述べてきた実施形態と最も異なるのは、ネジ受け内包部４が上述した略コ字状に屈曲した板部材だけでなく、略ロ字状（略矩形状）に屈曲した板部材も含んだ合計２つの板部材から構成される点である。

そこで、略コ字状や略ロ字状に屈曲した板部材等であるネジ受け内包部４のうち、次に、略ロ字状に屈曲した板部材について述べる。
略ロ字状に屈曲した板部材は、例えば、上述した略コ字状に屈曲した板部材の下方側に位置する略矩形状板材の上面部４ａ’と、この上面部４ａ’の幅方向一方側の辺から所定距離だけ下方へ延出した略矩形状板材の一方側面部４ｂ’と、上述した上面部４ａ’の幅方向他方側の辺から所定距離だけ下方へ延出した略矩形状板材の他方側面部４ｃ’と、上述した一方側面部４ｂ’と他方側面部４ｃ’の下端を連結する略矩形状板材の下面部４ｄ’を有していても良い。
略ロ字状に屈曲した板部材は、上面部４ａ’の大きさや、一方側面部４ｂ’の下方延出距離、他方側面部４ｃ’の下方延出距離、下面部４ｄ’の大きさも、特に限定はないが、例えば、上面部４ａ’の大きさと下面部４ｄ’の大きさが略同じ場合には、それぞれの長手方向長さが１０ｍｍ以上７０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上６０ｍｍ以下、更に好ましくは３０ｍｍ以上５０ｍｍ以下（４０ｍｍなど）であったり、上面部４ａの短手方向長さが５ｍｍ以上６５ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上５５ｍｍ以下、更に好ましくは２５ｍｍ以上４５ｍｍ以下（３５ｍｍなど）であっても良く、又、上面部４ａ’の大きさと下面部４ｄ’の大きさが異なっていても構わない。
尚、上面部４ａ’の大きさや下面部４ｄ’の大きさは、上述した略コ字状に屈曲した板部材における上面部４ａの大きさと略同じであっても良く、又、異なっていても構わない。

一方側面部４ｂ’の下方延出距離と他方側面部４ｃ’の下方延出距離が略同じ場合には、それぞれが、例えば、１ｍｍ以上５０ｍｍ以下、好ましくは５ｍｍ以上４０ｍｍ以下、更に好ましくは１０ｍｍ以上３０ｍｍ以下（１５ｍｍなど）であっても良く、又、一方側面部４ｂ’の下方延出距離と他方側面部４ｃ’の下方延出距離が異なっていても構わない。
尚、一方側面部４ｂ’の下方延出距離や他方側面部４ｃ’の下方延出距離は、上述した略コ字状に屈曲した板部材における一方側面部４ｂや他方側面部４ｃの下方延出距離より小さくても良く、又、略同じであったり、より大きくても構わない。
略ロ字状に屈曲した板部材における一方側面部４ｂ’と他方側面部４ｃ’の下方延出距離についても、これらを変えることで、上述した略コ字状に屈曲した板部材がネジ受け体３を内包できる範囲で、ネジ受け内包部４自体の高さをより柔軟に変更でき、蓋体Ｆの厚さや、受け体Ｕの枠部材Ｕ１における外周面部Ｕ１ｂの高さ等に応じて当該固定部材１を更に調整可能となると言える。

この他、上述した略ロ字状に屈曲した板部材において、上面部４ａ’や下面部４ｄ’の短手方向における各端側全体が開口して（板部材を屈曲していることから、当該板部材の幅方向における端面は開口して）、当該略ロ字状に屈曲した板部材の内外を連通するように、一対の開口４Ａ’が設けられている（図６～９参照）。
一対の開口４Ａ’は、それぞれが、正面視（ネジ受け内包部４の開口方向視）において、略重なるように設けられているとも言え、又、開口４Ａ’は、側方に向けて開口していることから、側方開口４Ａ’であるとも言える。

開口４Ａ’それぞれは、当該略ロ字状に屈曲した板部材の内外を連通するのであれば、何れの構成でも良いが、その形状は、略矩形状であったり、その他、略正方形状であったり、その他、略楕円形状や略円形状、略台形状、略三角形状などであっても良い。
以下、開口４Ａ’は、主に、その形状が略矩形状であるとして述べる。
略矩形状等である開口４Ａ’の大きさも、特に限定はないが、開口４Ａ’の長手方向長さは上述した上面部４ａ’や下面部４ｄ’の幅方向長さ（短手方向長さ）と略同じ値であり、開口４Ａ’の短手方向長さは上述した一方側面部４ｂ’と他方側面部４ｃ’の下方延出距離と略同じ値であるとも言える。
尚、このようなネジ受け内包部４である略コ字状に屈曲した板部材と略ロ字状（略矩形状）に屈曲した板部材は、互いに溶接や接着、ネジ等の固定手段などによって取り付けられていても良い。
その他の固定部材１（ネジ受け内包部４）等の構成、作用効果や使用態様は、上述した実施形態と同様である。

＜第１実施形態の蓋受システム１０＞
図１～９に示すように、本考案の第１実施形態に係る蓋受システム１０は、上述した固定部材１、受け体Ｕ及び蓋体Ｆを少なくとも有したシステムである。
蓋受システム１０において、蓋体Ｆ側には、当該蓋体Ｆと固定ネジ２との間にクリアランスを設けていないと共に、固定部材１側には、上述したネジ受け体３とネジ受け内包部４との間にクリアランス（ネジ受けクリアランス）Ｃを設けている。

尚、本考案における「蓋体Ｆと固定ネジ２との間にクリアランスを設けていない」とは、蓋体Ｆと固定ネジ２との間に一切の隙間が存在していない場合だけでなく、例えば、蓋体Ｆを受け体Ｕに固定ネジ２を介して固定する際における、固定ネジ２を蓋体Ｆに対して回転等させるための隙間（蓋体Ｆのネジ保持部Ｆ１におけるネジ孔と固定ネジ２のネジ本体部分との隙間）や、蓋体Ｆのネジ保持部Ｆ１における上凹みと固定ネジ２のネジ頭部との隙間などを有している場合も含まれる。
又、蓋受システム１０は、蓋体Ｆと受け体Ｕとの間等に設置する網体（メッシュ体）等を有していても良い。

＜第２実施形態の蓋受システム１０＞
図１０、１１は、本考案の第２実施形態に係る蓋受システム１０を示している。
この第２実施形態において第１実施形態と最も異なるのは、蓋体Ｆが平面視において略矩形状であり、これに伴って、受け体Ｕも平面視において略矩形状である点である。

尚、第２実施形態において用いられる固定部材１は、ネジ受け内包部４が略コ字状に屈曲した板部材だけの１つで構成されるものや、略コ字状に屈曲した板部材と略ロ字状に屈曲した板部材の合計２つで構成されるものの何れでも良い。
その他の蓋受システム１０や、固定部材１、受け体Ｕ、蓋体Ｆ等の構成、作用効果や使用態様は、第１実施形態と同様である。
以下、平面視において略矩形状である受け体Ｕや、蓋体Ｆの変形例について述べる。

＜受け体Ｕの変形例＞
図１０、１１は、受け体Ｕの変形例を示している。
この受け体Ｕの変形例において今まで述べてきた実施形態と最も異なるのは、平面視における形状が、略正方形状ではなく、略矩形状である点である。
このように、受け体Ｕの変形例が平面視で略矩形状であるのは、当該受け体Ｕの変形例が、道路など所定の施工場所Ｓにおける溝（細長い凹みとも言える）に対して用いられるためであるとも言える。

ここで、溝は、道路などを掘削する等によって直接設けられるなど何れでも良い。
このような受け体Ｕの変形例も、固定部材１の一部が取り付けられ得て、蓋体Ｆを受けることが出来るのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、後述する枠部材Ｕ１と、突出部材Ｕ２を有していても構わない。

＜枠部材Ｕ１の変形例＞
図１０、１１に示すように、枠部材Ｕ１の変形例は、平面視が略正方形状ではなく、棒部材であり、上述した溝における左右の溝上端部それぞれに配置される左右一対（左右方向一対）の部材である点が、今まで述べてきた実施形態とは異なっている。
ここで、本考案における「左右方向」とは、平面視において、溝の溝方向（溝長さ方向）に略直交する方向を意味する。
左右一対の棒部材である枠部材Ｕ１は、それを連結する連結部材を有していても良く、左右一対の棒部材である枠部材Ｕ１に対して、複数の連結部材によって連結されていても構わない。

棒部材である枠部材Ｕ１は、その大まかな断面形状が、略Ｌ字状であったり、その他、略コ字状や略Ｕ字状、略Ｃ字状（謂わば、チャンネル材）、略Ｖ字状などであっても良い。
以下、棒部材である枠部材Ｕ１は、主に、その大まかな断面形状が略Ｌ字状（アングル材）であるとして述べる。

アングル材で形成された棒部材である枠部材Ｕ１は、例えば、上述した蓋体Ｆを受ける中実板材で形成された略矩形状の受け部Ｕ１ａと、この受け部Ｕ１ａの幅方向一方側の辺から所定距離だけ上方へ延出し且つ中実板材で形成された略矩形状の外周面部Ｕ１ｂを有していても良い。
アングル材で形成された棒部材である枠部材Ｕ１の大きさも、特に限定はないが、例えば、長さが、４００ｍｍ以上１６００ｍｍ以下、好ましくは６００ｍｍ以上１４００ｍｍ以下、更に好ましくは８００ｍｍ以上１２００ｍｍ以下（１０００ｍｍなど）であっても良い。

その他、アングル材で形成された棒部材である枠部材Ｕ１は、受け部Ｕ１ａの幅や、外周面部Ｕ１ｂの上方延出距離も、特に限定はないが、例えば、受け部Ｕ１ａの幅が２５ｍｍ以上８５ｍｍ以下、好ましくは３５ｍｍ以上７５ｍｍ以下、更に好ましくは４５ｍｍ以上６５ｍｍ以下（５８．５ｍｍや、６０ｍｍなど）であったり、外周面部Ｕ１ｂの上方延出距離が２０ｍｍ以上１２０ｍｍ以下、好ましくは２５ｍｍ以上１１０ｍｍ以下、更に好ましくは２８ｍｍ以上１００ｍｍ以下（２９．５ｍｍや、３６．５ｍｍ、４４ｍｍ、５０ｍｍ、５６ｍｍ、６１ｍｍ、６６ｍｍ、７１ｍｍ、８１ｍｍ、９６ｍｍなど）であっても良い。

＜突出部材Ｕ２の変形例＞
図１０、１１に示したように、突出部材Ｕ２の変形例は、少なくとも下方へ突出した突出先端側部分が更に外方側へ、上述した枠部材Ｕ１の受け部Ｕ１ａと略平行となるように屈曲している点が、今まで述べてきた実施形態とは異なっている。
その他の受け体Ｕや、枠部材Ｕ１、突出部材Ｕ２等の構成、作用効果や使用態様は、上述した実施形態と同様である。

＜蓋体Ｆの変形例＞
図１０、１１は、蓋体Ｆの変形例も示している。
この蓋体Ｆの変形例において今まで述べてきた実施形態と最も異なるのも、平面視における形状が、略正方形状ではなく、略矩形状である点である。
このように、蓋体Ｆの変形例が平面視で略矩形状であるのは、上述した受け体Ｕの変形例のように、当該蓋体Ｆの変形例が、道路など所定の施工場所Ｓにおける溝に対して用いられるためであるとも言える。

平面視で略矩形状等の蓋体Ｆの大きさも、特に限定はないが、例えば、長手方向長さが４００ｍｍ以上１６００ｍｍ以下、好ましくは６００ｍｍ以上１４００ｍｍ以下、更に好ましくは８００ｍｍ以上１２００ｍｍ以下（１０００ｍｍなど）であったり、短手方向長さが１００ｍｍ以上１０００ｍｍ以下、好ましくは１３０ｍｍ以上９００ｍｍ以下、更に好ましくは１６０ｍｍ以上８００ｍｍ以下（２００ｍｍや、２５０ｍｍ、３００ｍｍ、３５０ｍｍ、４００ｍｍ、４５０ｍｍ、５００ｍｍ、５５０ｍｍ、６００ｍｍ、６５０ｍｍ、７００ｍｍなど）であっても良い。
蓋体Ｆの厚さも、特に限定はないが、例えば、１０ｍｍ以上１２０ｍｍ以下、好ましくは１５ｍｍ以上１１０ｍｍ以下、更に好ましくは２０ｍｍ以上１００ｍｍ以下（２５ｍｍや、３２ｍｍ、３８ｍｍ、４４ｍｍ、５０ｍｍ、５５ｍｍ、６０ｍｍ、６５ｍｍ、７５ｍｍ、９０ｍｍなど）であっても良い。

このような蓋体Ｆの変形例に対する受け体Ｕの変形例の数も、特に限定はなく、例えば、１つの蓋体Ｆの変形例に対して１つの受け体Ｕの変形例が受けていたり（１つの受け体Ｕの変形例に、１つの蓋体Ｆの変形例を載置するとも言え、この場合、蓋体Ｆの変形例と受け体Ｕの変形例の長さが略同じであるとも言える）、複数（例えば、２つ）の蓋体Ｆの変形例に亘って１つの受け体Ｕの変形例が受けたり、逆に、１つの蓋体Ｆの変形例に対して複数の受け体Ｕの変形例が受けたり、その他、複数の蓋体Ｆの変形例に対して複数の受け体Ｕの変形例が受けていても（蓋体Ｆの変形例と受け体Ｕの変形例が長さ方向に少しずつズレながら受けていても）良い。
その他の蓋体Ｆや、ネジ保持部Ｆ１、下凹部Ｆ２等の構成、作用効果や使用態様は、上述した実施形態と同様である。
ここまで述べた第１、２実施形態の蓋受システム１０が設けられる施工場所Ｓについて、以下に述べる。

＜施工場所Ｓなど＞
図９、１１に示すように、施工場所Ｓは、上述した道路の他、駐車場、公園など所定の場所であって、この施工場所Ｓに、ここまで述べた固定部材１や蓋受システム１０を用いることになる。
ここで、溝は、上述したように、道路や駐車場、公園などに対して、当該道路などを掘削する等によって直接設けられる他、道路などを掘削後にコンクリート等によって形成されたり、鉄筋コンクリート製等の溝体を、土中やアスファルト舗装、コンクリート舗装等の下に埋設して形成されるなど何れでも良い。

尚、第１実施形態の蓋受システム１０は、平面視で略正方形であり、集水枡などの枡体の上方に設けられると言える。
以下では、第２実施形態の蓋受システム１０が、主に、道路などに直接設けられる場合について述べる。

第２実施形態の蓋受システム１０が道路などに直接設けられる場合、受け体Ｕにおける左右の枠部材Ｕ１を略水平にしたり、複数の枠部材Ｕ１を継ぐ際には、当該継ぎ目に段差等が出来ないようにしたり、枠部材Ｕ１の継ぎ目と、蓋体Ｆの継ぎ目を略同じ位置に配置したり、傾斜した施工場所Ｓにおいて、当該傾斜方向に左右の枠部材Ｕ１における左右方向を略沿わせて設けたりしても良い。
又、この場合、左右の枠部材Ｕ１を支えるコンクリート等を充填する際には、形枠（型枠）や、ホルダ等を用いても良い。

＜その他＞
本考案は、前述した実施形態に限定されるものではない。固定部材１、蓋受システム１０等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本考案の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
固定部材１は、上述した受け体Ｕに、直接、固定ネジ２用の雌ネジが形成されたネジ受け部分が形成されていても良い。

固定部材１は、その一部（ネジ受け内包部４など）が、必ずしも受け体Ｕや蓋体Ｆに取り付けられた状態でなくとも良く、これら受け体Ｕ等から独立して、固定ネジ２、ネジ受け体３、ネジ受け内包部４及びカバー体５等を有していても構わない。
尚、この場合、ネジ受け内包部４は、ネジ受け内包体４であるとも言える。
固定部材１は、カバー体５を有していなくとも良い。

受け体Ｕは、枠部材Ｕ１のみを有し、突出部材Ｕ２を有していなくとも良い。
受け体Ｕは、その突出部材Ｕ２が枠部材Ｕ１の下面に溶接や接着、ネジ等の固定手段などにて取り付けられ、下方に延出した後、枠部材Ｕ１の外方へ屈曲して、平面視で枠部材Ｕ１からはみ出しても良い。
蓋体Ｆは、そのネジ保持部Ｆ１における上凹みは、テーパー状の凹み以外に、傾斜が下方又は上方へ湾曲した凹みであったり、固定ネジ２のネジ頭部に応じた凹み（例えば、ナベ底状など）であっても良い。

本考案に係る固定部材、及び、蓋受システムは、集水枡や会所枡、ＣＤ枡（東京都都市整備局規格の角型排水桝で、特殊改良桝とも言う）として用いられたり、道路脇の側溝や、道路における排水溝などの溝体に用いられる他、道路や駐車場、公園等に直接設けられたり、何れの場所（施工場所）にも利用可能である。

１ 固定部材
２ 固定ネジ
３ ネジ受け体
４ ネジ受け内包部
５ カバー体
１０ 蓋受システム
Ｕ 受け体
Ｕ１ 枠部材
Ｕ２ 突出部材
Ｆ 蓋体

Claims (5)

1. 受け体に蓋体を固定する固定部材であって、
   当該固定部材は、前記蓋体を受け体に固定する固定ネジを有し、
   前記固定ネジの上面は、前記受け体に蓋体が固定された際、前記蓋体の上面と略面一状であることを特徴とする固定部材。
2. 当該固定部材は、前記固定ネジ用の雌ネジが形成されたネジ受け体と、前記ネジ受け体を内包可能なネジ受け内包部を有していることを特徴とする請求項１に記載の固定部材。
3. 当該固定部材は、前記ネジ受け体が内包されたネジ受け内包部を覆うカバー体を有し、
   前記カバー体の上部は、前記受け体に蓋体が固定された際、当該蓋体と前記ネジ受け内包部との間に位置することを特徴とする請求項２に記載の固定部材。
4. 請求項２又は３に記載の固定部材と、前記固定部材のネジ受け内包部が取り付けられた受け体と、前記受け体に嵌る蓋体を有した蓋受システムであって、
   前記蓋体側には、当該蓋体と、前記固定ネジとの間にクリアランスを設けず、
   前記固定部材側には、前記ネジ受け体と、前記ネジ受け内包部との間にクリアランスを設けていることを特徴とする蓋受システム。
5. 前記受け体は、前記蓋体を受ける受け部が設けられた枠部材と、前記枠部材から少なくとも下方へ突出した突出部材を有し、
   前記突出部材は、平面視において、前記枠部材からはみ出ていることを特徴とする請求項４に記載の蓋受システム。

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