JP3241713B2 - 超音波モータの駆動制御回路および超音波モータ - Google Patents

超音波モータの駆動制御回路および超音波モータ

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JP3241713B2
JP3241713B2 JP32691988A JP32691988A JP3241713B2 JP 3241713 B2 JP3241713 B2 JP 3241713B2 JP 32691988 A JP32691988 A JP 32691988A JP 32691988 A JP32691988 A JP 32691988A JP 3241713 B2 JP3241713 B2 JP 3241713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、圧電体により弾性体に発生した進行性振動
波によって移動子を駆動する超音波モータの駆動制御回
路および超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
進行性振動波型の超音波モータは、特開昭59−111609
号公報にも開示されているように、圧電体に周波電圧を
印加して圧電体に屈曲振動を生ぜしめ、圧電体が貼付け
られた弾性体に進行性振動波を生じさせ、この弾性体に
回転子を加圧接触させ摩擦駆動するモータである。
【0003】 この超音波モータには、回転中に急激な負荷の増加が
生じたりすると共振を逸脱して停止するという特性があ
る。このような状態で停止した場合には、圧電体に印加
する周波電圧(以下、入力電圧と呼ぶ)とモニタ電圧
(圧電体の変形によって発生する電圧)の位相差が正常
な回転時の値から逸脱し、ステータの振動がほとんど無
くなる。本明細書ではこのような状態を振動逸脱状態と
呼ぶ。
【0004】 このような特性を持つ超音波モータは、温度,湿度の
変化,加圧力の変動,あるいは軸受け中の潤滑油の粘度
の変化などにより負荷変動が生じると、振動逸脱状態に
陥りやすく、その結果突然停止する可能性があり動作の
信頼性が低い。
【0005】 このように振動逸脱状態に陥った場合の対策として、
本出願人は先に特願昭63−28208号明細書において、駆
動周波数を共振周波数より高い再始動周波数にシフトし
その後周波数を下げることにより正規の駆動点に再設定
する制御装置を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波モータは摩擦接触型のモータであ
り、起動特性が不安定である。第7図はこの現象を説明
する図であって、横軸に入力電圧VR、縦軸に超音波モー
タの回転数Nをとってある。
【0007】 停止している超音波モータにその入力電圧VRを0から
徐々に大きくして印加する時、電圧VR1で微速回転を始
める場合と、電圧VR1よりも大きい電圧VR2で初めて起動
し起動後にはある程度の速度で回転する場合とがある。
このような現象は、温度等の環境の違いや使用回数等の
履歴によって生ずるし、あるいは、製造ロットの違い等
によって生ずる。そこで、この起動時の現象も一種の振
動逸脱状態とみなして上述した方式で起動させることも
考えられるが、駆動周波数をいったん共振周波数よりも
高い領域まで上げその後正規の周波数に低下させるた
め、起動時にタイムラグが生じる。
【0008】 本発明の技術的課題は、起動時にタイムラグなしに超
音波モータの起動特性を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る駆動制御回路は、圧電素子を有し、
該圧電素子の励振により振動を発生し、かつ前記振動に
応じた電圧を発生するモニタ電極を有する振動子と、該
振動子に加圧接触され前記振動により駆動される相対運
動部材とを備えた超音波モータの駆動制御に用いられ、
前記圧電素子に少なくとも2つの駆動電圧を印加する駆
動制御回路であって、前記駆動電圧と前記モニタ電極か
ら得られる電圧との位相差を検出する位相差検出手段
と、モータへの起動指令が出力されているとき、前記位
相差検出手段で検出される位相差に基づいて、前記振動
子が振動逸脱状態にあるか、通常運転状態である非振動
逸脱状態にあるかに応じた比較信号を出力する比較手段
と、前記モータへの起動指令の立ち上がりに応答して前
記駆動電圧を前記非振動逸脱状態として定められる値よ
りも高い値に設定するとともに、前記モータへの起動指
令の立ち上がり後は、前記比較手段から非振動逸脱状態
に応じた比較信号が出力されると、前記駆動電圧を前記
非振動逸脱状態として定められる値に設定するととも
に、前記比較手段から振動逸脱状態に応じた比較信号が
出力されると、前記駆動電圧を前記非振動逸脱状態とし
て定められる値よりも高い値に設定する駆動電圧設定手
段とを備えることを特徴とする。
【0010】 (2)本発明に係る超音波モータは、上記駆動制御回路
を有することを特徴とする。
【0011】
【作用】
比較手段は、駆動電圧とモニタ電極から得られる電圧
との位相差を比較し、振動子が振動逸脱状態にあるか、
通常運転状態である非振動逸脱状態にあるかに応じた比
較信号を出力する。モータへの起動指令の立ち上がりに
応答して駆動電圧を非振動逸脱状態として定められる値
よりも高い値に設定する。モータへの起動指令の立ち上
がり後は、比較手段から非振動逸脱状態に応じた比較信
号が出力されると、駆動電圧を非振動逸脱状態として定
められる値に設定する。比較手段から振動逸脱状態に応
じた比較信号が出力されると、駆動電圧を非振動逸脱状
態として定められる値よりも高い値に設定する』
【0012】 なお、本発明の構成を説明する各項では、本発明を分
かり易くするために実施例の図を用いたが、これにより
本発明が実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
第1図〜第5図により一実施例を説明する。ここで
は、超音波モータMTの入力電圧と、超音波モータMTから
得られるモニタ電圧VMとの位相差を検出し、この位相差
が所定範囲外のときに振動逸脱状態と判定して、正常時
の定格電圧よりも高い臨界電圧を越える電圧を印加する
ことにより正常な振動状態に直ちに回復させるととも
に、起動時にも同様にその臨界電圧を越える電圧を印加
して立上り特性を向上させたものである。
【0014】 この起動時の臨界電圧は次のような値として設定され
る。 この種の超音波モータにおいては、使用環境や使用回
数等の使用条件許容範囲内において確実に起動を開始す
る電圧値が存在する。この電圧値の最下限を臨界電圧
(第7図に例えばVR3で示す)と呼ぶ。そして、臨界電
圧を越える電圧は第7図にVRAで示され、その最適値を
実験によって求めることができる。
【0015】 次に、入力電圧とモニタ電圧VMの位相差から振動逸脱
状態を判定し得る点について説明する。
【0016】 第5図は超音波モータMTの入力周波数fとモニタ電圧
VMとの関係を表わす図である。A−B−C−D−E−F
−G間は正常な振動状態時の特性で共振特性を示してい
る。このうち、C−D間は超音波モータMTを制御し易い
範囲であって通常使用領域である。A−B−C間および
Aよりも高周波数側で使用可能であるが、回転速度が非
常に遅くなるので高い回転精度は得にくい。また、D−
E−F−G間も使用可能であるが、共振周波数f3の近傍
であるために動作が不安定になりやすい。さらに共振周
波数f3よりも低い周波数f2においては特性も非常に不安
定であり、G−H間はGからHへの方向にのみ動作点の
移動がなされる。
【0017】 一方、I−H−J間は振動逸脱状態時の特性であり、
上述したようにGからHに動作点が移動して振動逸脱状
態に入ると、超音波モータの回転が停止するばかりか、
I−H−Jのように周波数を単に上下させるだけではも
はやA〜Gの正常な振動状態に回復しない。
【0018】 すなわち、この種の超音波モータMTは強いヒステリシ
ス特性を有していることがわかる。
【0019】 第6図は、入力周波数fと、超音波モータMTの入力電
圧とモニタ電圧VMの位相差Δθとの関係を表わす図であ
り、周波数f1〜f8は第5図に対応しており、またアルフ
ァベットの小文字のa〜jの点も第5図のA〜Jと対応
している。第6図からわかるように、入力周波数fと位
相差Δθとの特性も第5図と同様にa−b−c−d−e
−f−gとi−h−jとの2モードに分かれており、ま
た超音波モータMTは、A−B−C−D−E−F−G間で
はその入力電圧の大きさを変えても位相差Δθの値はあ
まり大きく変わらないという特性を持っているので、こ
の位相差Δθを検出し、この位相差Δθの値に基づいて
振動逸脱状態が正常な振動状態かを判別できる。
【0020】 第1図は一実施例の全体構成を示す。 超音波モータMTの圧電素子には電圧入力用の電極1A,1
Bと、接地用電極1Cと、モニタ電圧検出用の電極1Dとが
それぞれ形成されている。各電極とその機能および圧電
素子との関係に関しては、本出願人による特開昭59−20
4477号公報等により公知であるのでその説明は省略す
る。
【0021】 このような超音波モータMTの駆動制御回路は、振動逸
脱状態判別回路20と、電源回路30とから成り、モニタ電
圧VMと一対の入力電圧の一方が波形整形器41,42を介し
て振動逸脱状態判別回路20に入力されている。振動逸脱
状態判別回路20は、位相検出器21と、ローパスフィルタ
22と、比較器23と、閾値電圧源24とを備える。一方、電
源回路30は、デューティ設定器31と、発振器32と、位相
シフト回路33と、パワーアンプ34,35とを備える。
【0022】 電極1Aへの入力電圧と電極1Dからのモニタ電圧VMは各
々波形整形器41,42に入力されロジック信号に変換され
て位相検出器21に入力される。位相検出器21は入力電圧
とモニタ電圧VMとの位相差Δθを算出してローパスフィ
ルタ22に入力し、ローパスフィルタ22で位相差Δθに応
じた電圧VLPFに変換される。ここで、位相差Δθと電圧
VLPFとの関係は第2図に示すとおりである。なお、起動
時は位相検出器21の出力はないので位相差0を示す信号
が入力される。比較器23は、ローパスフィルタ22からの
入力VLPFと閾値電圧源24の出力Vka,Vkbとを比較して、
振動逸脱状態か正常な振動状態かを判別する。
【0023】 比較器23の出力はデューティ設定器31に入力され、発
振器32のパルス出力を加工してデューティ比の異なるパ
ルスを作成して入力電圧の設定を行う。ここで、振動逸
脱状態時および起動時の入力電圧が、正常な振動状態時
の入力電圧(定格電圧)に比べ高くなるように、つまり
上述した臨界電圧を越える値となるように設定される。
デューティ設定器31の出力は、位相シフト回路33を介し
てπ/2だけ位相の異なる高周波数信号にされ、さらにパ
ワーアンプ34,35により増幅した後に圧電素子の電極1A,
1Bに入力電圧として印加される。
【0024】 次に各ブロックの詳細を第3図および第4図により説
明する。
【0025】 第3図により各回路の詳細を説明する。 位相検出器21は、ナンドゲート21a,21bと、インバー
タ21c,21dと、抵抗21e,21fと、コンデンサ21g,21hとで
構成される微分回路21A、4つのナンドゲート21i〜21l
から成るRSフリップフロップ21B、およびアンドゲート2
1mを有する。このアンドゲート21mの一方の入力端子に
は超音波モータの動作/停止信号が入力される端子T1が
接続されていて、端子T1にハイレベル動作信号が入力さ
れるとアンドゲート21mがオンし、ローレベル停止信号
が入力されるとオフされる。このように構成される位相
検出器21は、入力電圧とモニタ電圧VMの位相差Δθを検
出し、それに応じたパルス幅のパルス信号を出力する。
【0026】 ローパスフィルタ22は、抵抗22aとコンデンサ22bとか
ら成り、上記位相差Δθを表わす入力パルス信号に比例
した電圧を出力する。
【0027】 比較器23および閾値電圧源24は、一対のコンパレータ
23a,23bと、一対の可変抵抗器23c,23dと、ナンドゲート
23eとを有する。一対の可変抵抗器23c,23dで上下の閾値
Vka,Vkbを設定し、VLPFがその範囲内にあるか否かをコ
ンパレータ23a,23bで比較検出する。
【0028】 デューティ設定器31は、一対のアナログスイッチ31a,
31bと、可変抵抗器31c,31dと、インバータ31eと、コン
パレータ31fと、一対のナンドゲート31g,31hから成るRS
フリップフロップ31iと、インバータ31j,抵抗31k,コン
デンサ31l,ナンドゲート31mで構成される微分回路31n
と、スイッチングトランジスタ31oと、コンデンサ31p
と、抵抗31qとから成る。このデューティ設定器31は、
位相差Δθが所定の範囲内のときはRSフリップフロップ
31iの出力aとして小さいデューティ比のパルスを出力
する。逆に位相差Δθが所定の範囲外のときはRSフリイ
ップフロップ31jの出力aとして大きいデューティ比の
パルスを出力する。
【0029】 位相シフト回路33は、一対のDフリップフロップ33a,
33bと、アンドゲート33c〜33nと、インバータ33oと、オ
アゲート33p,33qとから成る。この位相シフト回路33
は、デューティ比設定回路31の出力パルスを1/4倍し、
端子T2,T1からそれぞれ入力されるCW/CCW信号や動作/
停止信号に従ってパワーアンプ34,35にそれぞれ+π/2
あるいは−π/2の位相差を持つ信号を出力する。
【0030】 パワーアンプ34,35は、それぞれMOSトランジスタ34a,
34b,35a,35bと、トランス34c,35cとから成り、位相シフ
ト回路33からの信号を増幅して圧電体1bの電極1A,1Bに
入力電圧を入力する。
【0031】 第4図の信号波形図を参照して動作を説明する。波形
整形器41,42は、入力電圧(第4図(a))とモニタ電
圧VM(第4図(b))をロジック信号に変換する(第4
図(c),(d))。波形整形器41,42の出力は微分回
路21Aにて各々微分パルスとされ、RSフリップフロップ2
1Bに入力される。このRSフリップフロップ21Bの出力は
第4図(e)となり、入力電圧とモニタ電圧V・の位相
差Δθに対応したパルス幅のパルス出力となる。このパ
ルス出力をローパスフィルタ22に入力すると、その出力
電圧VLPFは、第4図(f)に示すように入力電圧とモニ
タ電圧VMの位相差Δθに比例した電圧出力となる。この
電圧VLPFは比較器23に入力され、電圧VLPFが閾値電圧V
ka,Vkbの範囲内にある場合は、コンパレータ23a,23bの
出力は共にハイレベルとなり、ナンドゲート23eの出力
はローレベルとなる。Vka,Vkbの範囲内に出力電圧VLPF
がない場合は、コンパレータ23a,23bのいずれか一方の
出力がローレベルとなるためナンドゲート23eの出力は
ハイレベルとなる。
【0032】 ナンドゲート23eの出力はデューティ設定器31に入力
され、そのアナログスイッチ31aを制御する一方、イン
バータ31eを通って反転された信号によってアナログス
イッチ31bをも制御する。これらアナログスイッチ31a,3
1bは共に制御入力がローレベルの時に導通状態となる。
アナログスイッチ31a,31bにはそれぞれ可変抵抗器31c,3
1dで設定されたVTHaあるいはVTHbが入力されている。
今、入力電圧とモニタ電圧VMの位相差Δθに基づいてロ
ーパスフィルタ22の出力電圧VLPFがVkaとVkbの間にある
場合には、アナログスイッチ31aがオンしてVTHaが選択
され、それ以外の場合にはアナログスイッチ31bがオン
してVTHbが選択され、コンパレータ31fの非反転入力端
子に入力される。
【0033】 一方、発振器32は駆動周波数の4倍の周波数で発振し
ており、第4図(g)に示す方形波を出力する。この出
力は、ローレベルからハイレベルに立上がるときに微分
回路31nにて負のパルスに変換され、RSフリップフロッ
プ31iの出力aはハイレベルに、他方の出力bはローレ
ベルとなる。このとき、この出力bのローレベル信号に
より、スイッチングトランジスタ31oがオフ状態とな
る。すると、コンデンサ31pが抵抗31qを通じて充電さ
れ、コンデンサ31pの端子電圧Vcは時間とともに上昇す
る(第4図(i))。この端子電圧Vcはコンパレータ31
fの反転入力端子に入力される。コンデンサ31pが充電さ
れてコンパレータ31fの基準電圧を超えるとコンパレー
タ31fの出力は反転し、ハイレベルからローレベルとな
る。このコンパレータ31fの出力は、RSフリップフロッ
プ31iを構成するナンドゲート31gに入力されるため、RS
フリップフロップ31iの出力bが反転しハイレベルとな
る。この結果、スイッチングトランジスタ31oがオンし
コンデンサ31pは放電され、コンパレータ31fの出力は再
び反転してハイレベルになる。
【0034】 次に発振器33からの出力が次のサイクルで再びローレ
ベル→ハイレベルに立上がると、再び同じ動作を繰返
す。したがって、コンパレータ31fの非反転入力端子の
基準電圧の大きさに応じて、RSフリップフロップ31iの
出力aにおける“H"と“L"の時間の比率、すなわちデュ
ーティ比が変化する。つまり、コンパレータ31fの基準
電圧が高ければ“H"の時間が長くなり、逆に低ければ短
くなるので、アナログスイッチ31a,31bにより選択され
る電圧VTHa,VTHbをVTHa<VTHbとしておけば、入力電圧
とモニタ電圧VMの位相差Δθにより電圧VLPFがVkaとVkb
の間にあるときはRSフリップフロップ31iの出力aは
“H"が短く“L"が長くなり、電圧VLPFがVkaとVkbの範囲
外にあるときはその場合より“H"が長くなる。つまり、
振動逸脱状態が検出されるとき、および超音波モータ起
動時には大きなデューティ比が設定される。
【0035】 このようにデューティ比が設定された出力aは、位相
シフト回路33により周波数が1/4倍され、かつ、パワー
アンプ34,35を駆動するための信号に変換される。ここ
で、CW/CCW信号は方向切換入力、動作/停止信号は動
作,停止のための信号入力であり、共にロジック入力で
ある。そして、これらの入力によって超音波モータの回
転方向に応じた入力電圧の位相差(+π/2または−π/
2)が形成されるとともに、超音波モータの停止,駆動
が制御される。
【0036】 アンドゲート33k〜33nの出力は抵抗を介してMOSトラ
ンジスタ34a,34b,35a,35bのゲートにそれぞれ接続さ
れ、MOSトランジスタを駆動する。これらのMOSトランジ
スタはトランス34c,35cの1次側に接続され、このトラ
ンス34c,35cを駆動する。ここで、出力aの“H"の時間
の比率が大きくなると、すなわちデューティ比が大きく
なるとMOSトランジスタの“ON"時間が長くなり、トラン
ス34c,35cの2次側に発生し超音波モータに入力される
入力電圧が大きくなる。逆に上記“H"の時間の比率が小
さく、すなわちデューティ比が小さくなれば、MOSトラ
ンジスタの“ON"時間が短くなり、入力電圧は小さくな
る。
【0037】 以上の様な動作となるため、VkaおよびVkbの電圧を適
切に定めることにより、このVkaとVkbで定まる範囲を逸
脱するときに振動逸脱状態を検出して入力電圧を正常時
の定格電圧よりも高い臨界電圧を越える値とし、以っ
て、簡単に正常な振動状態に回復できる。
【0038】 また、停止状態から動作状態とする場合、停止状態で
は動作/停止信号はローレベルであるため、アンドゲー
ト21mの出力が“L"となり、ローパスフィルタ22の出力
電圧VLPFが位相差Δθ=0に対応した出力となっている
ので、デューティ設定器31の出力aが大きいデューティ
信号を出力し、起動時の入力電圧は大となる。この高い
電圧を、上述した臨界電圧を越える値に設定してあるか
ら、どのような条件下でも起動指令信号が立上がると超
音波モータは瞬時に回転を始め、入力電圧の立上り時間
を短縮することが可能となる。
【0039】 なお以上では、起動時にも振動状態逸脱時と同一の電
圧を印加するようにしたが、それぞれ別々の値に設定し
てもよい。
【0040】 また以上では、入力電圧とモニター電圧の位相差から
振動逸脱状態を判別したが、圧電体に印加される周波
電圧の電圧値を検出する印加電圧値検出手段と、超音
波モータの回転数を検出する回転数検出手段と、圧電
体の変形に伴って発生するモニタ電圧を検出するモニタ
電圧値検出手段と、圧電体へ印加される周波電圧とモ
ニタ電圧との位相差を検出する位相差検出手段とを設
け、これらの各検出手段により、周波電圧が所定値以上
であること、回転数が零であること、モニタ電圧が所定
値以下であること、かつ位相差が所定値以下であること
が検出されると振動逸脱状態と判別するようにしてもよ
い。あるいは,,または,,で判別しても
よい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、比較手段は、駆動電圧とモニタ電極
から得られる電圧との位相差を比較し、振動子が振動逸
脱状態にあるか、通常運転状態である非振動逸脱状態に
あるかに応じた比較信号を出力する。そして、モータへ
の起動指令の立ち上がりに応答して駆動電圧を非振動逸
脱状態として定められる値よりも高い値に設定する。モ
ータへの起動指令の立ち上がり後は、比較手段から非振
動逸脱状態に応じた比較信号が出力されると、駆動電圧
を非振動逸脱状態として定められる値に設定する。比較
手段から振動逸脱状態に応じた比較信号が出力される
と、駆動電圧を非振動逸脱状態として定められる値より
も高い値に設定する。したがって、温度、湿度の変化、
圧力の変動、潤滑油の粘度変化などにより静摩擦力が変
動する摩擦接触型の超音波モータにおいて、超音波モー
タをすばやく所望の回転数まで立ち上げることが可能と
なる。さらに、振動逸脱状態を示す比較信号が出力され
たときも起動指令信号が立ち上がったときときと同様に
駆動電圧を高くして確実に起動するようにしたので、共
通の構成を用いて、振動逸脱状態時に速やかに通常運転
に復帰できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る装置の一実施例のブロック図
【図2】 位相差Δθとローパスフィルタの出力VLPFとの関係を表
わす図
【図3】 第1図の詳細を表わす図、
【図4】 第3図の各部信号のタイムチャート、
【図5】 入力周波数fとモニタ電圧VMとの関係を表わす図、
【図6】 入力周波数fと位相差Δθとの関係を表わす図、
【図7】 起動特性を説明する図である。
【符号の説明】
20:振動逸脱状態判別回路 30:電源回路 MT:超音波モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅沼 亮一 東京都品川区西大井1丁目6番3号 株 式会社ニコン大井製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−268474(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子を有し、該圧電素子の励振により
    振動を発生し、かつ前記振動に応じた電圧を発生するモ
    ニタ電極を有する振動子と、該振動子に加圧接触され前
    記振動により駆動される相対運動部材とを備えた超音波
    モータの駆動制御に用いられ、前記圧電素子に少なくと
    も2つの駆動電圧を印加する駆動制御回路であって、 前記駆動電圧と前記モニタ電極から得られる電圧との位
    相差を検出する位相差検出手段と、 モータへの起動指令が出力されているとき、前記位相差
    検出手段で検出される位相差に基づいて、前記振動子が
    振動逸脱状態にあるか、通常運転状態である非振動逸脱
    状態にあるかに応じた比較信号を出力する比較手段と、 前記モータへの起動指令の立ち上がりに応答して前記駆
    動電圧を前記非振動逸脱状態として定められる値よりも
    高い値に設定するとともに、前記モータへの起動指令の
    立ち上がり後は、前記比較手段から非振動逸脱状態に応
    じた比較信号が出力されると、前記駆動電圧を前記非振
    動逸脱状態として定められる値に設定するとともに、前
    記比較手段から振動逸脱状態に応じた比較信号が出力さ
    れると、前記駆動電圧を前記非振動逸脱状態として定め
    られる値よりも高い値に設定する駆動電圧設定手段とを
    備えることを特徴とする超音波モータの駆動制御回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超音波モータの駆動制御
    回路において、 前記駆動電圧設定手段は、前記モータへの起動指令の立
    ち上がり後、前記比較手段から非振動逸脱状態に応じた
    比較信号が出力されるまでは、前記駆動電圧を前記非振
    動逸脱状態として定められる値よりも高い値に設定する
    ことを特徴とする超音波モータの駆動制御回路。
  3. 【請求項3】圧電素子を有し、該圧電素子の励振により
    振動を発生し、かつ前記振動に応じた電圧を発生するモ
    ニタ電極を有する振動子と、該振動子に加圧接触され前
    記振動により駆動される相対運動部材と、前記圧電素子
    に少なくとも2つの駆動電圧を印加する駆動制御回路と
    を備えた超音波モータにおいて、 前記駆動電圧と前記モニタ電極から得られる電圧との位
    相差を検出する位相差検出手段と、 モータへの起動指令が出力されているとき、前記位相差
    検出手段で検出される位相差に基づいて、前記振動子が
    振動逸脱状態にあるか、通常運転状態である非振動逸脱
    状態にあるかに応じた比較信号を出力する比較手段と、 前記モータへの起動指令の立ち上がりに応答して前記駆
    動電圧を前記非振動逸脱状態として定められる値よりも
    高い値に設定するとともに、前記モータへの起動指令の
    立ち上がり後は、前記比較手段から非振動逸脱状態に応
    じた比較信号が出力されると、前記駆動電圧を前記非振
    動逸脱状態として定められる値に設定するとともに、前
    記比較手段から振動逸脱状態に応じた比較信号が出力さ
    れると、前記駆動電圧を前記非振動逸脱状態として定め
    られる値よりも高い値に設定する駆動電圧設定手段とを
    備えることを特徴とする超音波モータ。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の超音波モータにおいて、 前記駆動電圧設定手段は、前記モータへの起動指令の立
    ち上がり後、前記比較手段から非振動逸脱状態に応じた
    比較信号が出力されるまでは、前記駆動電圧を前記非振
    動逸脱状態として定められる値よりも高い値に設定する
    ことを特徴とする超音波モータ。
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