JP3240814B2 - 二次電池及びその処理方法 - Google Patents

二次電池及びその処理方法

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JP3240814B2 JP4537194A JP4537194A JP3240814B2 JP 3240814 B2 JP3240814 B2 JP 3240814B2 JP 4537194 A JP4537194 A JP 4537194A JP 4537194 A JP4537194 A JP 4537194A JP 3240814 B2 JP3240814 B2 JP 3240814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は使用済みの二次電池とそ
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム電池に代表される高エネルギー
密度型電池は、反応活性なアルカリ金属などの負極活物
質や水によって分解しやすいLiPF6,LiAsF6
どを含有する電解液を使用している。また、正極中には
再生可能な金属成分を多量に含むものが使用されてい
る。しかし、使用済みリチウム電池などの多数の電池を
工業的に処理するための方法、あるいは電池の処理装置
に関する報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電池の需要は年々拡大
しており、特に二次電池に使用される化学物質の有効利
用、ならびに電池による環境汚染の問題が問題となって
いる。例えば、リチウム電池に使用されているリチウム
や遷移金属元素などは、再利用すべき有価物質である。
また、充放電可能なリチウム二次電池は、コンピュータ
のバックアップ電源や小型家庭用電気機器の電源として
年々普及しつつあり、電力貯蔵用または電気自動車用の
電源としての需要も将来見込まれている。したがって、
使用済み電池に含まれる化学物質による環境汚染の抑制
や電池に使用される資源の有効利用を図るために、電池
の処理方法と電池材料の再生方法を開発しなければなら
ない。
【0004】リチウム電池に代表されるアルカリ金属を
利用した高エネルギー密度型電池は、大気または水に対
して不安定な電池活物質や電解液を含むため、電池容器
を破壊する際の雰囲気ガスの管理に注意を要する。例え
ばリチウム電池の負極には、リチウム金属,リチウム合
金,リチウムを電気化学的に挿入した炭素化合物などが
利用されており、いずれの化合物も水と激しく反応して
水素ガスを発生する。またLiPF6 などのフッ素化合
物を含有する非水電解液は、空気中に含まれる水分と反
応し、五フッ化リン,フッ化水素などの有害ガスを発生
することがある。したがって、アルカリ金属を利用した
高エネルギー密度型電池の容器を破壊し、電池構成部材
を露出するために、外界のガスの乾燥状態を制御しなけ
ればならない。
【0005】高エネルギー密度型電池を安全に不活性化
処理するためには、乾燥した不活性ガス,窒素ガスまた
は空気の雰囲気下で電池を解体し、電池活物質や電解液
を分解する必要がある。また、そのような電池の活性成
分の急激な分解を抑制し、また分解時間を可能な限り短
縮するために、分解速度を制御できる電池処理方法が求
められる。さらに、電池処理後に得られる廃処理液など
に含まれる有価物質の濃度が低いと、濃縮プロセスが必
要になるので、有価物質の再生効率の向上と電池処理時
間の短縮のために、有価物質の含有量に応じた電池処理
液の分別回収が望まれる。
【0006】本発明は、安全性と効率性に優れた二次電
池及びその処理方法と再利用可能な化学物質の回収方
法、ならびに電池の処理装置を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】高エネルギー密度型電池
に含まれる電池活物質や電解液などの活性物質を安全に
かつ効率的に分解し、回収するためには、その目的物質
の分解速度を制御しながら、電池を処理する必要があ
る。本発明の電池処理方法の長所は、負極活物質に対し
て反応性を有する物質を含む処理液、または反応性を有
する物質の蒸気を含む処理ガスを用い、処理液または処
理ガスの供給速度,濃度,温度などを調節することによ
り負極活物質の分解速度を制御できる点である。また電
解液については、適当な洗浄液を用いて別に回収する。
【0008】本発明の電池処理装置は、乾燥した不活性
ガス,窒素ガスまたは空気などの雰囲気下で電池の活性
物質を処理するための処理室を備えている。処理室と装
置外部の間を電池が移動する際に、外界の水分が処理室
に混入することを防ぐ必要がある。そのために、真空ポ
ンプを用いてガス雰囲気を大気から乾燥ガスへ置換可能
な準備室を利用する方法がある。この方法ではまず、準
備室の開閉口を開けて電池を準備室内へ移し、開閉口を
閉じてから、準備室内部の大気を排気し、乾燥した雰囲
気ガスを導入する。ついで、準備室と処理室を分離する
開閉口を開けて電池を処理室へ搬入する。この方法では
処理室は外界に対して開放になることがないので、処理
室内の乾燥状態の維持がほぼ完全なものとなる。また電
池処理装置の操作性と運転コスト,電池処理時間の短縮
のために、電池を出し入れするための搬入口に乾燥ガス
のエアーカーテン機構をもつ準備室を設置し、上述のガ
ス置換方式よりも簡便な方法で処理室内部の乾燥状態を
維持することも可能である。
【0009】つぎに、上で述べた電池処理液と処理装置
を用いて、アルカリ金属などの高反応性物質を用いた高
エネルギー密度型電池の不活性化処理のプロセスを説明
する。まず、目的の電池を本発明の装置外で完全に放電
させる。電池の放電方法には、抵抗器を介して電池の正
極と負極の端子を短絡させるか、食塩や希薄酸を含む水
溶液に浸漬させる。後者の方法は、電池容器の腐食を伴
って電池が放電されるので、多数のAAサイズ級の小型
電池を容器ごと破砕し、一度に処理することが可能にな
る。このような方法で電池を放電させた後、電池を準備
室を経由して処理室へ搬送する。準備室と処理室にベル
トコンベアなどの駆動式輸送機を設置すると、準備室と
処理室の間での電池の移動が容易になる。準備室はエア
ーカーテン方式またはガス置換方式のいずれの場合であ
っても、準備室へ乾燥した雰囲気ガスを流通させるため
に、ガス供給系とガス排出系が必要である。また、電池
の不活性化処理中に発生する水素ガスなどの可燃性ガ
ス、あるいはPF5 などの有毒ガスを処理室から排出す
るために、処理室にも同様なガス供給系とガス排出系を
要する。このように処理室内の乾燥状態を管理した状態
で、カッターミキサーまたはハンマークラッシャーなど
のように電池を容器ごと破砕する機能をもつ電池破砕
機、あるいはダイヤモンドカッターなどのように電池の
容器を切断し電池構成部材を取り出す機能をもつ電池解
体機によって、電池容器から電池構成部材を露出させ
る。処理室には処理液または処理ガスの供給系と排出系
を接続する。電池容器から電池構成部材を露出させた
後、洗浄液を用いて電池容器,電極,セパレーター等に
含まれている電解液を除去する。洗浄液にはヘキサン,
ベンゼン、エーテルなどの非プロトン性有機溶媒が適し
ている。ここで生じた廃洗浄液を蒸留することによっ
て、電解質の回収が可能である。つぎに、電池活物質の
最初の不活性化処理では、低反応性液体の含有量の多い
処理液を用いる。当然、低反応性液体単独の使用も可能
である。あるいは、希薄な水蒸気を含む窒素ガスや空気
を処理室内部へ導入し、負極活物質を徐々に分解する。
例えば、リチウム電池などのアルカリ金属の分解処理の
際、エタノール,プロパノール,ブタノール等の低級ア
ルコールが利用可能である。処理の方法は、電極を処理
液に浸漬するか、その処理液を電極にスプレー状に吹き
付ける。この分解液は処理室に接続した液供給系から導
入され、使用済みの処理液は液排出系によって処理室か
ら排出される。負極の処理中に発生する水素ガスの濃度
は、爆発限界値以下にする必要があり、望ましくは4%
以下がよい。処理室内部に蓄積した水素ガスは、処理室
へ導入した不活性ガス,窒素ガスまたは空気などの雰囲
気ガスと共に、処理室から速やかに排出される。ガス排
出系にガス分離器を取り付け、水素ガスを回収する。ま
たアルコールなどの低反応性液体を使用しない場合、処
理初期で水蒸気濃度の低い処理ガスを負極に接触させ、
徐々に負極を分解させることができる。
【0010】大型の高エネルギー型電池または多数の小
型電池を処理する場合、一種類の処理液を添加しただけ
では、負極活物質の表面に蓄積した反応生成物が処理液
と未反応の活物質の反応を阻害するために、未反応の活
物質が残ることがある。この問題を解決するために、上
述の低反応性物質とメタノールや水などの高反応性物質
を混合した処理液を使用し、負極処理の初期では、前者
の組成を大きくし、負極活物質の分解速度が低下するに
つれて後者の組成を高めて、負極の分解処理の継続を図
ることが可能である。また水のみを負極処理物質として
用いた場合、負極の分解が進行するにつれて、水蒸気濃
度を高めることにより、負極の分解反応を効率的に継続
することができる。以上に述べた操作を実施するために
は、複数の処理液を貯蔵する処理液貯蔵容器と処理液の
供給口からなる処理液供給系または処理ガス供給系、な
らびに使用済み処理液の排出口と廃液貯蔵容器からなる
廃液排出系を備えた処理室が必要である。処理液の供給
系は複数の処理物質の混合比を制御できるように流量制
御器を設置する。また水蒸気で負極を処理する場合、処
理ガス供給系に水蒸気濃度を制御する機能を有する加湿
器が取り付ける。処理液または処理ガスを処理室へ導入
するための供給口は噴霧器やノズルを用い、処理室に複
数の供給口を設けるか、複数の処理室に異なる処理液ま
たは処理ガスを導入する供給口を設け、段階的に反応性
の高い処理液と処理ガスを用いて電池を処理することが
できる。各処理室のガス雰囲気は、使用する処理液の水
分濃度まで乾燥すればよい。
【0011】上述の電池処理装置の操作を自動化するこ
とは、電池処理の効率化と処理時の安全性向上に必要で
ある。装置の自動化のために、処理液およびガスの供給
量と排出量を制御する流量制御器,処理室内部の圧力,
温度,水素濃度などを測定するセンサー、センサーによ
ってモニターした処理室の状態に応じて、処理液とガス
の流量制御器を制御する演算処理器を設置する。流量制
御器は、電池処理装置の準備室と処理室に接続した処理
液の供給管と排出管の途中に備え付ける。センサーは処
理室内部に設置し、温度センサー,赤外線センサーある
いは水素センサーなどを使用する。処理室内の温度,水
素濃度などの測定データはセンサーから演算制御器に伝
達される。演算制御器は、測定データの解析結果に応じ
て流量制御器を作動させ、処理液または不活性ガスの供
給量と排出量を調節する。電池の処理プロセスの途中で
異常な分解反応が起こった時には、処理液の導入を瞬時
に停止するか、多量の不活性液体を分解中の活性物質に
加えて、分解反応を抑制することができる。また、過剰
に発生した水素等の可燃性ガスを速やかに装置外に排出
することも容易である。このような制御システムを装置
に組み込むことによって電池処理装置の操作を自動化
し、その結果電池の分解処理プロセスの効率化と安全性
の向上が図れる。
【0012】電池を処理した廃液から有価物質を回収す
るためのコストは、電池処理装置から排出される廃処理
液中に含まれる目的物質の濃度によって決定される。目
的物質をその濃度が低い廃液から回収するには、廃液の
濃縮プロセスが必要になり、回収コストが高くなる。本
発明の電池処理装置の各処理室から排出される廃処理液
を分別回収し、有価物質の濃度の低い処理液のみに濃縮
処理をおこない、全廃処理液から有価物質を回収するこ
とができる。また有価物質の種類によっては、高濃度の
廃液のみを再生処理し、残りの廃液は通常の廃棄処理を
おこなうことも可能である。このように、本発明の電池
処理装置は、異なる濃度をもつ有価物質の廃処理液を分
別回収でき、有価物質の再生処理過程の低コスト化が図
れる。
【0013】
【作用】本発明の装置を用いることによって、高エネル
ギー密度型電池に含まれる電池活物質あるいは電解液を
安全にかつ効率的に不活性化することができる。
【0014】負極活物質と反応する一種類の反応性物質
を用いる場合、負極と反応しない溶媒と反応性物質から
なる処理液、または負極と反応しないガスと反応性物質
の蒸気からなる処理ガスを負極に接触させ、負極処理の
初期段階では、処理液または処理ガスに含まれる反応性
物質の濃度を低くすることにより、処理液の反応性を低
減し、負極に含まれる活物質の急激な分解反応を抑制す
る。電池処理が進行するにつれて分解生成物が負極活物
質の表面に蓄積し、次第に活性物質の分解速度が低下す
る。このような場合、反応性物質の濃度を高めて処理液
の反応性を増大させることによって、電池活物質の分解
速度を再び促進し、活性物質の不活性化に要する処理時
間を短縮することができる。例えばリチウム金属を分解
処理する場合、エタノール,プロパノール等の低級アル
コールなどのプロトン性物質、あるいは前記アルコール
をヘキサン,ベンゼンなどの不活性溶媒に溶解させた混
合液を用いる。リチウム金属の分解処理における第一段
階では、低級アルコールとリチウムを反応させる。この
反応の生成物は水素ガスとリチウムアルコラートであ
る。処理中に発生した水素ガスの濃度が爆発限界以下に
なるように、リチウム金属の分解速度を制御する必要が
ある。リチウムアルコラートは未反応のリチウム金属表
面に付着し、次第にリチウム分解反応速度を低下させ
る。この分解反応を再び進行させるために、処理液を加
熱し処理液の反応性を高める方法,負極を機械的に振動
させる方法、あるいは負極を浸漬する処理液の撹拌によ
り、リチウムアルコラートを剥離させて未反応の負極活
物質を露出させる方法がある。
【0015】負極を分解する反応物質として水のみを用
いる場合、不活性ガス,窒素または空気に水蒸気を混合
した処理ガスを負極に接触させて、負極活物質を分解す
ると、分解の初期では、水蒸気濃度を低くして処理ガス
の反応性を低減し、急激な負極活物質の分解を抑制す
る。負極分解速度が低下するにつれて、水蒸気濃度を増
加させて負極分解反応を継続する。最後に水を負極に直
接添加し、分解反応を完了させる。この方法によると、
処理液コストの低減,廃処理液による環境負荷の低減に
有効である。
【0016】負極活物質に対して反応の異なる複数の反
応性物質を用いる場合、負極処理の初期段階に低反応性
物質の濃度を高めて、緩やかに負極活物質を分解する。
分解速度が低下するにつれて、次第に高反応性物質の濃
度を高めて、負極活物質の分解反応を継続する。リチウ
ム金属を分解処理する場合、エタノール,プロパノール
等の低級アルコールが低反応性液体の代表例であり、メ
タノール,水が高反応性液体の例である。特に、水は負
極活物質と反応する働きの他に、負極表面に蓄積するリ
チウムアルコーラートを溶解させ負極内部の活物質を露
出させる働きもあるので、上述の処理液中に含まれる水
濃度を変えると、処理液の反応性を効果的に調節するこ
とができる。
【0017】
【実施例】
実施例1 図1は、1個の処理室1とその両側に2個の準備室2
a,2bを連結した電池処理装置であり、本発明の基本
的な構成になっている。処理室1と準備室2a,2bの
外寸法は、それぞれ1m×1m×2.5mと0.5m×
0.5m×1m である。準備室2a,2bは外側に開閉
板を有する搬送口3a,3bを取り付け、準備室の気密
性を保つ。また準備室2a,2bと処理室1の間にも、
開閉板を有する搬送口4a,4bがある。電池と電池構
成部品等を輸送するために、本装置内部にベルトコンベ
アー5を設置した。処理室1と準備室2a,2bに、雰
囲気ガスの乾燥と供給の機能を有するガス供給器6,ガ
ス供給管7a,7b,7cおよび開閉弁8a,8b,8
cを具備する3組のガス供給系が接続してある。本実施
例では雰囲気ガスとして窒素ガスを使用した。また、電
池処理時に処理室1で発生した水素ガスを回収するため
に、開閉弁8dを有するガス排出管10を通して、処理
室1内部のガスをガス分離器9へ輸送し、ガス分離器9
で水素を分離する。回収した水素ガスは、開閉弁8fを
有する輸送管13に連結した主成ガス貯蔵容器14に回
収した。水素ガスを貯蔵するために、生成ガス貯蔵容器
14にLaNi5 などの水素吸蔵合金を入れた。また、
ガス分離器9で残った窒素ガスは、ガス輸送ポンプ12
と開閉弁8eを有する輸送管11を介して、ガス供給器
6へ輸送した。負極の分解処理時には、開閉弁8b,8
d,8eを開けて、ポンプ12を連続的に駆動させて窒
素を循環させた。
【0018】本実施例で処理する電池は、正極にLiC
oO2 ,負極にリチウム−鉛合金,電解質としてLiP
6 を溶解させた有機電解液を用いた5個の3Whリチ
ウム二次電池である。電池の形状は、直径18mmφ,長
さ70mmの円筒型である。まず、これらの円筒型電池
を、図1に示した電池処理装置の外部で、10Ωの抵抗
器を介して電池を短絡させて完全に放電させる。搬送口
3aを開けて、上記の電池15を準備室2aの内部にあ
るベルトコンベアー5に置き、搬送口3aを閉じる。つ
ぎに開閉弁8aを閉じ、ガス排気管16aに取り付けた
開閉弁17aを開け、排気ポンプ18aを動かし、準備
室2aの中に存在する空気を排気する。準備室2aが真
空になってから開閉弁17aを閉じ、ポンプ18aを停
止する。次いで、ガス供給管7aから準備室2aへ乾燥
窒素ガスを供給する。その後、搬送口4aを開けて、電
池15を処理室1へ移動し、搬送口4aを閉じる。処理
室1でハンマークラッシャーとカッターミキサーを具備
した電池破砕機19を用いて電池15の容器を破砕し、
底面に金網を張った金属製容器20に破砕物を収納し
た。破砕に要した時間は20分であった。本実施例で
は、電池破砕物に付着している電解液の洗浄にヘキサン
を使用した。ヘキサンを貯えた液体貯蔵容器21aと処
理室1は、開閉弁22a,液体輸送ポンプ23aおよび
噴霧器24aを備えた液供給管25aによって連結され
ている。噴霧器24aから1lのヘキサンを、毎分10
0mlで金属製容器20に収納した電池破砕物に吹き付
け、電解液を洗い落した。処理室1の底面は円錐状に加
工しており、噴霧器24aから供給される洗浄液を集
め、開閉弁26aを取り付けた処理液排出管27aを通
して、廃液貯蔵容器28aに保存した。つぎに、ベルト
コンベアー5を駆動させて、金属製容器20を噴霧器2
4bの下まで運んだ。開閉弁22bを開け、液輸送ポン
プ23bを動かして、液体貯蔵容器21bに蓄えたエタ
ノールを、毎分100mlで破砕物に噴霧した。エタノ
ールを負極に添加すると、リチウム合金が分解し始め、
水素ガスが発生した。発生した水素ガスは、窒素ガスと
共にガス排出管10を通してガス分離器9まで排出し
た。ガス分離器9で回収した水素は、開閉弁8fを開け
たガス輸送管13から、LaNi5 合金を含む生成ガス
貯蔵容器14に蓄えた。ガス分離器9で残った窒素ガス
は、輸送管11を経てガス供給器6に戻した。エタノー
ル添加後、負極表面に白色のリチウムアルコラートが析
出するにつれて、負極とエタノールの反応速度が遅くな
り、約25分後に処理室1での水素濃度が0.5% 以下
まで低下し、約45分後に破砕物から水素発生が観察さ
れなくなったので、開閉弁26bを開けて液排出管27
bから、廃処理液を廃液貯蔵容器28bへ移した。開閉
弁17b,ポンプ18bおよびガス排出管16bを備え
たガス排気系によって、準備室2b内部の大気を排出
し、開閉弁17bを閉じてから、開閉弁8cを開けてガ
ス供給管7cから乾燥窒素を準備室2bへ導入する。準
備室2bが乾燥窒素で満たされてから、搬送口4bの開
閉板を開け、エタノール処理済みの破砕物を入れた金属
製容器20を準備室2bへ移し、搬送口4bの開閉板を
閉じた後に搬送口3bの開閉板を開けて、破砕物を入れ
た金属製容器20を取り出した。以上の操作によって、
5個の3Whリチウム二次電池15の処理に要した全時
間は約1.6 時間であり、エタノールによる負極分解時
間は45〜47分であった。廃液貯蔵容器28bに回収
したリチウムイオンを含むエタノール溶液の体積は、
4.3〜4.4lであった。この廃液を蒸留し、電解精錬
によってリチウム電池に含まれていた全リチウム金属の
80%を回収した。また、廃液貯蔵容器28aに溜めた
LiPF6 のヘキサン溶液は、真空蒸留によって95%
のLiPF6を回収できた。
【0019】実施例2 実施例1で処理した同一仕様の円筒型リチウム二次電池
を、予め食塩などの塩水溶液中で放電させてから、図1
の電池処理装置で50個の電池を処理した。まず、リチ
ウム二次電池5個を水2l当り食塩50gを溶解させた
食塩水溶液中に浸漬した。浸漬時間は2日間である。こ
の処理によって電池容器の一部に腐食が進行した。実施
例1と同じ手順でこれらの電池を処理室1へ運び入れ、
ハンマークラッシャーとカッターミキサーを具備した電
池破砕機19を用いて破砕し、底面に金網を張った金属
製容器20に破砕物を収納した。電池の破砕に要した時
間は20〜23分であり、実施例1とほぼ同じ時間内
で、10倍の個数の電池を破砕できた。本実施例のよう
に、処理する電池の容器を塩化ナトリウム,塩化カリウ
ムなどの塩を含む水溶液または塩酸の希釈水溶液中で腐
食させると、処理する電池数が増加しても電池破砕工程
の時間を短縮できた。液体貯蔵容器21aに貯蔵したヘ
キサンを、毎分100mlで20分間、電池破砕物に添
加して、破砕物に付着している電解液を洗浄し、廃洗浄
液を廃液貯蔵容器28aに保存した。引き続き、液体貯
蔵容器21bに蓄えたエタノールを毎分100mlで電
池破砕物に添加し、負極活物質を分解した。エタノール
添加1時間後に、電池破砕物から水素の発生が観察され
なくなったので、搬入口3bから破砕物を取り出した。
エタノール処理の際、処理室1での水素濃度は4%以内
であった。本実施例で使用した処理装置によって、50
個の3Whリチウム二次電池15の処理に要した全時間
は約1.8〜2.0時間であり、そのうちエタノールによ
る負極分解時間は1.0〜1.1時間であった。廃液貯蔵
容器28bに回収したリチウムイオンを含むエタノール
溶液の体積は、9.5〜9.71であった。電解精錬によ
って処理前のリチウム電池に含まれているリチウム金属
の77%を回収した。また、廃液貯蔵容器28aに溜め
たLiPF6 のヘキサン溶液は、真空蒸留によって93
%のLiPF6 を回収できた。
【0020】実施例3 実施例1と同一仕様の5個のリチウム二次電池を用意
し、図1に示したヒーター29を作動させて、電池処理
時間の短縮化を図った。電解液回収用の洗浄液とLi合
金負極の処理液は、それぞれヘキサンとエタノールであ
る。実施例1と同じ手順で、ハンマークラッシャーとカ
ッターミキサーを具備した電池破砕機19を用いて電池
を粉砕し、その破砕物を金網付き金属製容器20に収納
する。噴霧器24aより1lのヘキサンを、毎分100
mlで破砕した電池部品に添加した。廃洗浄液は廃液貯
蔵容器28aに貯蔵した。ついで、電池破砕物を収納し
ている金属製容器20を噴霧器24bの真下に置いた。
はじめにヒーターをオフにして、噴霧器24bより室温
のエタノールを毎分100mlで電池破砕物に噴霧し
た。エタノールの添加量は1lであった。続いてヒータ
ーをオンにして、毎分100mlで40℃のエタノール
を電池破砕物に噴霧し、破砕物から水素発生が観察され
なくなるまでエタノールを添加した。反応に要した時間
は19〜20分になり、40℃のエタノール消費量は約
2lであった。したがって、エタノールによる負極分解
時間は約30分、全エタノール消費量は3lになった。
実施例1と比較すると、エタノール処理時間で約15分
間短縮され、エタノール消費量も1.51 の節約になっ
た。また、負極処理中において処理室1の内部の水素濃
度は4%以内にあり、水素の爆発の危険性はなく、安全
に負極を分解することができた。廃液貯蔵容器28aに
保存した廃洗浄液を真空蒸留することにより、電池に含
まれていた総量に対して95%のLiPF6 を回収し
た。さらに廃液貯蔵容器28bに保存した廃処理液を電
解精錬によって、電池中の全含有量に対して97%のリ
チウム金属を回収できた。
【0021】実施例4 実施例3のようにエタノール処理液を加熱する方法の替
わりに、処理液を撹拌しても電池処理時間を短縮でき
た。図1の装置を用い、実施例1と同一仕様のリチウム
二次電池5個を処理した。実施例1と同じ手順で放電し
たリチウム二次電池を処理室1にてハンマークラッシャ
ーとカッターミキサーを具備した電池破砕機19で破砕
し、金網付きの金属製容器20にその電池破砕物を入れ
た。液体貯蔵容器21aから供給されるヘキサンでこの
破砕物を洗浄後、電池破砕物を底板付き金属製容器20
へ移し換え、液体供給管25bに接続している噴霧器2
4bを取り外し、液体供給管25bの末端から毎分1l
でエタノールを金属製容器20に直接流し込んだ。次
に、エタノールと電池破砕物を入れた金属製容器20の
中に、回転式撹拌機を挿入してエタノールを撹拌した。
破砕物から水素発生が見られなくなってから金属製容器
20から処理液のみを、液排出管27bを通して廃液貯
蔵容器28bへ流し込んだ。電池処理に使用したエタノ
ール量は2lであったが、エタノールによる分解時間は
35〜38分になり、全体の電池処理時間は1.3〜1.
4時間であった。処理液の撹拌によって実施例1よりも
電池処理時間を短縮できた。廃液貯蔵容器28aに保存
した廃洗浄液を真空蒸留することにより、電池に含まれ
ていた総量に対して95%のLiPF6 を回収した。さ
らに廃液貯蔵容器28bに保存した廃処理液を電解精錬
によって、電池中の全含有量に対して96%のリチウム
金属を回収できた。
【0022】実施例5 図1に示した開閉弁22bを液体の流量調節機能をもつ
流量調節器22bに取り替え、電池処理時の処理液供給
の自動制御をおこなった。処理室1内部の水素濃度を検
出する機能をもつ水素センサー30を、処理室1の内部
に設置した。水素センサー30は、信号入力ケーブル3
1を介して演算制御器32に接続した。また、演算制御
器32と流量調節器22bと液供給ポンプ23bは、そ
れぞれ信号出力ケーブル33a,33bで接続した。水
素センサー30は処理室1内部の水素濃度を測定し、そ
の測定値に比例した電気信号を演算制御器32へ伝達す
る。演算制御器32は、水素センサー30から送られる
電気信号を演算処理し、その処理結果に応じた電気信号
を流量調節器22bまたは液供給ポンプ23bへ伝達
し、それらの動作を制御する。本実施例では、演算制御
器32のメモリ部に予め水素濃度許容値と処理液の総供
給量を記憶させ、演算制御器32の演算処理条件を下に
示した(1),(2),(3),(4)のように設定した。
【0023】(1) 処理室1内部の水素濃度が水素濃度許
容値よりも小さいとき、演算制御器32は流量調節器2
2bを制御して、処理液供給量を増加させる。本実施例
では、乾燥ガス中の水素濃度が0〜4%の範囲で、水素
濃度に対しエタノール供給量を毎分0〜100mlの範
囲内で逆比例させた。
【0024】(2)エタノールを電池構成材料へ毎分10
0mlで添加し、処理室1の内部における1分間の平均
水素濃度が0.01% 未満になったときに、エタノール
の供給を停止する。
【0025】(3) 水素センサー30から演算制御器32
へ伝達された電気信号が、水素濃度許容値を急激に超え
た場合、信号出力ケーブル33aと33b介して流量調
節器22bを閉じ、処理液供給ポンプ23bを停止し
て、エタノールの供給を停止する。本実施例での水素濃
度許容値は10%とした。
【0026】(4) 演算制御器32は処理液供給量を積算
し、その積算値を演算制御器32のメモリ部に記憶す
る。
【0027】(5) (4)の積算値が、演算制御器32のメ
モリ部に記憶させた処理液の供給量上限値に達したとき
に、信号出力ケーブル33bと33a介して流量調節器
22bを閉じ、処理液供給ポンプ23bを停止する。本実
施例での供給量上限値は5lとした。
【0028】以上の条件下で図1の装置を運転させ、実
施例1と同じ仕様のリチウム二次電池5個15を電池破
砕機19で破砕し、エタノール処理液で電池の負極活物
質を分解した結果、液体貯蔵容器21bから供給したエ
タノール量は4lであった。電池を処理装置に入れ、処
理済み破砕物を部品を処理装置から取り出すまでに、
1.4〜1.5時間を要した。廃液貯蔵容器28aに保存
した廃洗浄液の真空蒸留により、電池に含まれていた総
量に対して95%のLiPF6 を回収し、廃液貯蔵容器
28bに保存した廃処理液を電解精錬によって、電池中
の全含有量に対して95〜97%のリチウム金属を回収
できた。本実施例では、実施例1と比較して電池処理時
間の短縮や処理液使用量の低減が可能になるとともに、
電池処理時での無人化,自動化が可能であることが示さ
れた。
【0029】実施例6 図1に示した電池処理装置の水素センサー30の代わり
に、温度センサー、あるいは赤外線を感知する機能を有
する赤外線センサーおよび温度センサーを取り付けて、
実施例1で使用した同一仕様の円筒型リチウム二次電池
5個を処理した。本実施例では図1に示した開閉弁22
bを処理液流量調整器22bに置き換えた。温度センサ
ー30によって処理室1の内部温度を測定し、測定値に
比例した電気信号を信号入力ケーブル31を介して演算
制御器32へ入力した。赤外線センサー30は、解体し
た電池の負極を収納する金属製容器20とその周辺の赤
外線をモニターし、赤外線強度に比例した電気信号を演
算制御器32に伝達する。演算制御器32は、センサー
30から送られる電気信号に応じて、演算処理を実行す
る。例えば、温度センサーを用いた場合、室温から40
℃までの範囲で、処理室1の内部温度が上昇したとき、
液体貯蔵容器21bに貯蔵されたエタノールの流速を毎
分50から0mlに減少するように、演算制御器32は
信号出力ケーブル33aを介して電気信号を流量制御器
22bに送る。処理室1の内部温度が40℃以上になっ
たときは、流量制御器22bを完全に閉じ、信号出力ケ
ーブル33bを介して電気信号を液輸送ポンプ23bへ伝
達し、モーター23bを停止する。赤外線センサーを用
いた場合、金属製容器20付近の赤外線強度を演算制御
器32にて温度へ変換し、上述の温度センサーと同じよ
うに流量制御器22bと液輸送ポンプ23bを制御し、
処理液の流速を増減させた。赤外センサー30を備えた
図1の電池処理装置を用いて、上記のリチウム電池を処
理した結果、液体貯蔵容器21bから供給したエタノー
ル量は3.6〜3.8lであった。負極をエタノールで分
解している際、処理室1内部の水素濃度は、3〜4%以
内に制御できた。またリチウム二次電池を処理装置に入
れ、処理済み破砕物を部品を処理装置から取り出すまで
に、1.3〜1.4時間を要した。上述の赤外センサー3
0の替わりに、温度,圧力あるいは発熱量を計測する機
能をもつセンサーを具備した図1の電池処理装置を用い
ると、負極をエタノールで分解している際、処理室1内
部の水素濃度は、1〜5%以内に制御できた。上述のい
ずれのセンサーを用いても、処理室1内部で電池処理時
に急激な発熱反応が起こったときに、処理液供給量の調
節が可能であった。とりわけ赤外線センサーを用いた場
合に、電池処理時における局所的な発熱に応答して、電
池処理時の温度変化に鋭敏な処理液の供給制御が可能で
あった。
【0030】実施例7 図1に示した電池処理装置の液体貯蔵容器21bと液輸
送ポンプ23bを、それぞれ湿度調節機能をもつ水蒸気
発生器21bと水蒸気ガス輸送ポンプ23bに置き換
え、実施例1で処理した同一仕様の円筒型リチウム二次
電池5個を処理した。水蒸気発生器21bは空気をキャ
リアーガスとして用い、湿度を可変できる装置であり、
ポンプ23bによって処理室1へ加湿した空気を導入し
た。まず実施例1と同様に、5個の円筒型リチウム二次
電池を電池破砕機19で破砕し、破砕物を底面に金網を
付けた金属製容器20に入れた。噴霧器24bは高さを
調節できるように液体供給管25bに伸縮式の継ぎ手を
取り付け、その先端に噴霧器24bを装着した。噴霧器
24bを電池破砕物を収納した金属製容器20へ接近さ
せ、湿度60%の水蒸気ガスを、毎分500mlの流量
で破砕物に吹き付けた。破砕物から徐々に水泡が発生
し、負極活物質の分解が起こった。10分後、ヒーター
29にスイッチを入れ、水蒸気ガスを70℃まで加熱し
た。同じ流量で水蒸気ガスを破砕物にさらに30分間吹
き付けた。つぎに、水蒸気発生器21bの加湿とキャリ
アーガスの供給を停止し、水蒸気発生器21bから水の
みを供給し、ポンプ23bから毎分100mlの水を電
池破砕物に添加した。廃水は輸送管27bを経由して廃
液貯蔵容器28bに蓄えた。約15分後に破砕物上で水
の分解が完全に停止したので、準備室2bから電池破砕
物を取り出した。本実施例において電池処理に要した時
間は、実施例2と同様に50〜60分であり、使用した
水は1.5〜2l であった。廃液貯蔵容器28bに蓄え
た廃水を蒸留した後に、電解法によりリチウム金属を回
収した。回収率は円筒型リチウム二次電池5個に含まれ
る全リチウム量の95%であった。本実施例ではアルコ
ールを使用しないので、処理液コストを低減でき、さら
に廃処理液の廃棄の問題を回避することができる。
【0031】実施例8 本実施例は、実施例1よりも電池処理時間を短縮するた
めに、図1に示した準備室2a,2bをエアーカーテン
機構をもつ電池処理装置を用いた。搬送口3a,3b,
4a,4bは、スライド式の開閉板を具備している。本
装置では、ガス貯蔵容器6を乾燥空気の供給機6に置き
換え、処理室1と準備室2a,2bに乾燥空気を常時供
給できるようにした。さらに、ガス排出ポンプ18a,
18bを図2に示した電池処理装置から取り外して使用
した。搬送口3aを開くときに、乾燥空気供給機6から
準備室2aへ乾燥空気を吹き込み、開閉弁17aを開け
てガス排出管16aから乾燥空気を装置外部へ排出させ
た。このエアーカーテン機構によって、装置外部の湿っ
た空気が処理室1へ混入しにくくした。処理済みの電池
構成部品を準備室2bから取り出す際も、乾燥空気供給
機6から準備室2bへ乾燥空気を吹き込み、開閉弁17
bを開けたガス排出管16bへ流通させた。実施例1と
同じ使用のリチウム二次電池5個を用意し、実施例3と
同様にヒーター29を用いて電池を処理した。エタノー
ルによる負極の処理に要した時間は、実施例3と同様に
25〜30分であり、電池の破砕時間も変化がなかっ
た。さらに電池破砕物にエタノールを反応させている際
の処理室1内部の水素濃度は、4%以下であった。本実
施例では準備室2a,2bのガス置換が不要になったた
め、全体の処理時間が1時間に短縮できた。
【0032】実施例9 図2は、図1に示した装置に独立した3組の液供給系と
液排出系を設置した電池処理装置である。処理室1の上
部に2枚の仕切り板34a,34bを設けて、処理液供
給のために三ヶ所の作業領域を確保し、処理室1の上方
に噴霧器24a,24b,24cを設けた。液体貯蔵容
器21aに電解液洗浄用のヘキサンを蓄え、開閉弁22
aと液輸送ポンプ23aをもつ液輸送管25aを通し
て、噴霧器24aより処理室1へヘキサンを導入した。
液体貯蔵容器21bと21cの各々には、負極を分解す
るためにエタノール、10wt%の水を含むエタノール
を貯蔵し、開閉弁22b,22cと液輸送ポンプ23
b,23cをもつ液輸送管25b,25cを通して、各処理
液を噴霧器24b,24cより処理室1へ導入した。ま
た、仕切られた領域で使用した洗浄液または処理液を個
別に回収できるように、処理室1の底面の3ヶ所を円錐
状に加工し、各くぼみ部分に3個の廃液排出管27a,
27b,27cを取り付けた。このような廃液回収の別
の方法として、ベルトコンベアー5の下の処理室1の底
面に、2枚の仕切り板を立てて、廃液の混合を防ぎ、そ
れぞれの噴霧器から添加された廃液を分別回収すること
も可能である。上述の廃液排出管27a,27b,27
cにそれぞれ開閉弁26a,26b,26cを取り付けた。
処理室1,準備室2aと2bに供給する乾燥空気は、空
気を乾燥する機能を有するガス供給器6から装置内へ導
入した。電池処理装置の準備室2a,2bには、ガス供
給器6からガス輸送管7aを通して乾燥空気を連続的に
供給し、開閉弁17aを開けてガス排出管16aより排
出した。本実施例で取り扱うリチウム電池は、正極にL
iCoO2 、負極にリチウムイオンを電気化学的に挿入
・脱離可能な炭素,電解液としてLiPF6 をエチレン
カートネートと1,2−ジメトキシエタンの等体積混合
液に溶解させた有機電解液を用いた角形リチウム二次電
池である。この電池の寸法は50mm×80mm×40mm、
定格容量は30Whであり、本実施例にて処理する電池
の個数は5個である。まず、図2に示した電池処理装置
の外部で、10Ωの抵抗器を用いて電池15を完全に放
電させる。準備室2aに取り付けたスライド式開閉板3
aを開け、電池15を準備室2aに置き、開閉板3aを
閉じてから開閉板4aを開けて、処理室1へ運ぶ。処理
室1にダイヤモンドカッターとカッターミキサーを備え
た電池解体機19を設置した。電池解体器19のダイヤ
モンドカッター用いて、電池容器の上部を切断し、電池
15の上部を取り除いて電池構成部材を取り出す。セパ
レーター,電池容器および電極に付着している電解液
は、噴霧器24aからヘキサンを供給し、洗い落した。
廃洗浄液は液排出管27aから廃液貯蔵容器28aに保
存した。洗浄した負極は、電池解体機19のカッターミ
キサーを用いて細かく切断し、底面に金網が付いている
金属製容器20に収納した。その他の電池部材はベルト
コンベアー5に載せたままにした。ベルトコンベアー5
を駆動させて、金属製容器20が噴霧器24bの真下に
移動させ、噴霧器24bから液体貯蔵容器21bにある
エタノールを噴霧する。この工程でのエタノール供給量
は5l、処理時間は50分を要した。エタノール添加時
での処理室1の水素濃度は4%以下であった。処理開始
後、約40分以降では、白色のリチウムアルコラートが
析出するにつれて、水素が発生しにくくなり、処理室1
の内部の水素濃度が0.1% 以下になった。エタノール
の供給を停止した後、ベルトコンベアー5を駆動させ
て、負極を入れた金属製容器20を噴霧器24cの下ま
で運んだ。ここでは、液体貯蔵容器21cから10wt
%の水を含むエタノール混合液を負極に噴霧した。負極
中に含まれる未反応の合金が再び分解し始め、水素ガス
が発生した。この操作で使用した処理液の容量は2l、
処理時間は20分であった。つぎに、開閉板4bを開け
て金属製容器20と電極部材を準備室2bへ移した。続
いて、開閉板4bを閉じた後に開閉板3bを開いて、処
理した全電池部材を取り出した。以上の操作によって、
5個の10Whリチウム二次電池の負極を不活性化する
ために要した時間は、2.2〜2.3時間になった。ま
た、負極の処理に要したエタノールの全体積は約7lで
あった。本実施例の全処理工程で、処理室1の水素濃度
は4%以下に抑えられ、図2の装置を用いて大型リチウ
ム電池を安全に処理できた。廃液貯蔵容器28aの廃液
を真空蒸留して、5個の電池中に含まれる全LiPF6
量の95%を回収できた。また廃液貯蔵容器28bと2
8cから得られた廃液を蒸留し、電解精錬によって処理
した全電池に含まれるリチウムの87%を回収できた。
リチウム金属の回収率は、廃液貯蔵容器28bより55
%、廃液貯蔵容器28cより32%であった。図1で処
理したリチウム二次電池の10倍のエネルギー容量をも
った電池を、図2の電池処理装置によって連続的に電池
を処理することも可能で、電池1個当りの処理時間を短
縮し、処理時に発生する水素もLaNi5 合金を入れた
生成ガス貯蔵容器14に回収して、電池処理の安全性を
確保できる。また、各処理室から廃処理液を別々のタン
クに蓄えたために、電解質とリチウムの分別回収による
再生利用が可能になり、高濃度のリチウムイオンを含有
する廃液貯蔵容器28bに貯蔵した廃液の蒸留工程を簡
単に済み、分別回収によって廃液の濃縮過程のコストを
低減できる。
【0033】実施例10 正極にV613 ,負極にLi金属,固体高分子電解質と
してポリエチレンオキシドとLiCF3SO3の混合物を
用いた円筒型3Whリチウム二次電池を、図2に示した
電池処理装置を用いて処理した。実施例9と同じ手順
で、上記のリチウム二次電池5個を処理室1へ搬送し、
ハンマークラッシャーとカッターミキサーを備えた電池
破砕機19を用いて電池を粉砕し、底面に金網を張った
金属製容器20に入れる。液体貯蔵容器21aに貯蔵し
たヘキサンを噴霧器24aから電池破砕物に噴霧した。
廃洗浄液は液排出管27aから廃液貯蔵容器28aに保
存した。続いて、ベルトコンベアー5を駆動させて、金
属製容器20を噴霧器24bの真下まで移動させ、噴霧
器24bから液体貯蔵容器21bにあるエタノールを噴
霧する。この工程でのエタノール供給量は2l、処理時
間は20分間を要した。エタノールの添加を開始して約
15分経過後では、白色のリチウムアルコラートが電池
破砕物上に析出し、水素発生速度がおそくなった。つぎ
に、ベルトコンベアー5を駆動させて、電池破砕物を入
れた金属製容器20を、噴霧器24cの下まで運んだ。
ここでは、液体貯蔵容器21cから10wt%の水を含
むエタノール混合液を負極に噴霧した。負極中に含まれ
る未反応のリチウム金属が再び分解しはじめ、水素ガス
の発生が観測された。この操作で使用した処理液の容量
は2l、処理時間は20分間であった。つぎに、開閉板
4bを開けて、電池破砕物が入った金属製容器20を準
備室2bへ移した。続いて、開閉板4bを閉じ開閉板3
bを開けて、処理した全電池破砕物を取り出した。本実
施例で、負極のLi金属の処理に約4lのエタノールを
消費し、処理時間は1.3〜1.4時間であった。本実施
例の負極処理中において、処理室1内部の水素濃度は4
%以下であったことから、図2の装置を用いて固体電解
質を用いたリチウム二次電池も安全に処理することでき
る。廃液貯蔵容器28aの廃液を真空蒸留して、5個の
電池中に含まれる全LiPF6 量の90%を回収でき
た。また廃液貯蔵容器28bと28cから得られた廃液
を蒸留し、電解精錬によって処理した全電池に含まれる
リチウムの94%を金属として回収できた。リチウム金
属の回収率は、廃液貯蔵容器28bより61%、廃液貯
蔵容器28cより33%であった。
【0034】実施例11 図3は、2個の処理室1a,1bとエアーカーテンの機
構をもつ3個の準備室2a,2b,2cを交互に連結し
た電池処理装置である。処理室1aと1bの外寸法は1
m×1m×2.5m 、準備室2a,2b,2cの外寸法
は0.5m×0.5m×1mである。準備室2aと2cの外
側、処理室と準備室が接している所に、スライド式開閉
板3a,3b,4a,4b,4c,4dがある。本装置
は、空気を乾燥する機能を有するガス供給器6を備えて
あり、各処理室と準備室へ乾燥空気を供給する。処理室
1aと1b,準備室2a,2bおよび2cへ乾燥空気を
送るガス供給管は、それぞれ7b,7d,7a,7c,
7eであり、各供給管に開閉弁8b,8d,8a,8
c,8eを取り付けた。ガス供給器6よりガス供給管7
a,7c,7eを通じて、各準備室2a,2b,2cに
乾燥空気を連続的に供給し、ガス排出管16a,16
b、16cより排出した。また、処理室1a,1bとガ
ス分離器9の間を、それぞれガス排出管10a,10b
で接続し、各ガス排出管の途中に開閉弁8fまたは8g
を取り付けた。電池処理時に処理室1aと1bで発生し
た水素をガス分離器9で分離する。ガス分離器9で回収
した空気をガス供給器6へ戻すために、輸送管11,ガ
ス輸送ポンプ12および開閉弁8hを設け、回収した水
素は、開閉弁8iを有する輸送管13で連結された生成
ガス貯蔵容器14に貯蔵した。生成ガス貯蔵容器14に
LaNi5 などの水素吸蔵合金を入れた。電池を処理液
で処理しているとき、使用している処理室1aまたは1
bに接続したガス供給管7bと7dに取り付けた開閉弁
8b,8dおよびガス輸送管11に付いている開閉弁8
hを開き、ポンプ12を駆動させて乾燥空気を循環させ
た。
【0035】本実施例で処理する電池は、正極にLiC
oO2 ,負極にLi合金,電解質としてLiPF6 を溶
解させた有機電解質を用いた角型リチウム二次電池であ
る。電池の寸法は、50mm×80mm×40mm、定格容量
は30Whで、処理する電池の個数は5個である。電池
の集電体には、0.1mm のステンレスエキスパンドメタ
ルを使用した。まず10Ωの抵抗器を用いて、これらの
電池15を電池処理装置の外部で完全に放電させ、開閉
板3aを開けて準備室2aの中へ電池を移し、開閉板3
aを閉じる。開閉板4aを開けて、電池15をダイヤモ
ンドカッターとカッターミキサーを備えた電池解体機1
9の下まで運ぶ。ここで電池解体機19のダイヤモンド
カッターを動かして、電池容器の上部を切り取る。切断
した電池容器の上部を取り外し、電池構成部材を取り出
す。ヘキサンを貯えた液体貯蔵容器21aから開閉弁2
2a,液供給ポンプ23aを経由し噴霧器24aより2
lのヘキサンを毎分200mlで噴霧し、電解液がしみ
こんでいる電極、セパレータおよび電池容器内部を洗浄
する。洗浄後、負極をカッターミキサーを用いて細かく
切断し、底面に金網を付けた金属製容器20に収納し、
負極以外の電池構成部品と電池容器をベルトコンベアー
5の上に置く。廃洗浄液は、開閉弁27aを開け、廃液
貯蔵容器28aに保存した。処理室1aで使用する処理
液は、2−プロパノールとエタノールであり、それらを
別々に液体貯蔵容器21bと21cに蓄え、両者の混合
比は流量調節機能を有する開閉弁22b,22cを調節
して制御する。処理液はポンプ23bによって処理液供
給管25bを経由し、噴霧器24bから処理室1aの内
部へ導入される。まず、開閉弁22cを完全に閉じて、
開閉弁22bのみを開けて2−液体貯蔵容器21bから
2−プロパノールを噴霧器24bから噴霧し、金属製容
器20に収納した負極中のリチウム合金を処理する。次
いで、液体貯蔵容器21cの開閉弁22cを徐々に開
け、同時に2−液体貯蔵容器21bの開閉弁22bを徐
々に閉じて、処理液中のエタノール濃度を増加させる。
このとき処理液の流量は、常に毎分100mlに制御し
た。処理液中のエタノール含有量が20分後に0%から
100%になるように、エタノール濃度の増加率を毎分
5%に設定した。20分後に開閉弁22bが完全に閉
じ、液体貯蔵容器21cからエタノールのみが供給さ
れ、さらにエタノールのみを負極に5分間添加した。こ
こで使用した2−プロパノールは1l、エタノールは1.
5lであり、負極の処理時間は25分であった。
【0036】つぎに開閉板4bを開けて、負極を収納し
た金属製容器20とその他の電池構成部品を準備室2b
へ移す。開閉板4bを閉じ、開閉板4cを開けて、負極
を収納した金属製容器20とその他の電池構成部品を処
理室1bへ搬送し、金属製容器20を噴霧器24cの真
下に置いた。液体貯蔵容器21dには10%の水を含む
エタノール混合液を貯蔵してあり、開閉弁22d,液体
輸送ポンプ23dをもつ輸送管25cを通じて、噴霧器
24cより25%の水を含むエタノール混合液を電池破
砕物へ添加した。処理液の添加量は毎分100mlとし
た。負極中のリチウム合金を完全に不活性化するために
要したエタノールは約2.5l 、処理時間は約25分で
あった。また処理室1bで生じた廃水は、廃液貯蔵容器
28cに移した。処理室1bでの負極処理が完了してか
ら、開閉板4dを開けて、負極を収納した金属製容器2
0と電池構成部材を処理室2cに運び入れ、開閉板4d
を閉じる。ついで開閉板3bを開けて、それらを準備室
2cから取り出した。
【0037】以上の操作によって、5個の30Whリチ
ウム二次電池の処理時間は、約1.9〜2.0 時間であっ
た。電池破砕物に処理液を添加しているときの処理室1
a,1bの水素濃度は常に4%以下であり、実施例1で
処理したリチウム二次電池の10倍のエネルギー容量を
もった電池も、図3の電池処理装置を用いることによっ
て、効果的に電池の不活性化処理ができた。また、廃液
貯蔵容器28aに保存したヘキサン廃液を真空蒸留する
ことによって、93%のLiPF6 を回収し、廃液貯蔵
容器28bと28cに保存されている廃処理液から、そ
れぞれ60%と30%のリチウムを回収した。
【0038】実施例12 図4は、2個の処理室1a,1bとエアーカーテンの機
構をもつ2個の準備室2a,2bを交互に連結した電池
処理装置である。本実施例では、実施例11と同一仕様
のリチウム電池を、エタノールと水を用いて処理した。
【0039】ガス供給器6aは空気を乾燥し乾燥空気を
輸送する機能を有し、ガス供給管7a,7b,7cを通
して、乾燥空気を処理室1aと準備室2a,2bへ供給
した。処理室1aにて発生した水素ガスは、ガス排出管
10aを通してガス分離器9へ輸送し、水素を分離しガ
ス生成ガス貯蔵容器14に蓄えた。生成ガス貯蔵容器1
4にLaNi5 などの水素吸蔵合金を入れた。水素を除
去した空気は装置外部へ排出した。処理室1aで電池を
処理している場合は、開閉弁8b,8eを開けておき、
ガス供給器6aから処理室1aへ、乾燥空気を連続的に
供給した。ガス供給器6bは、装置外部にある空気を吸
引し、空気を輸送する機能を有し、ガス供給管7dを通
して空気を処理室1bへ供給した。処理室1bにて発生
した水素ガスは、ガス排出管10bを通してガス分離器
9へ輸送し、水素を分離し生成ガス貯蔵容器14に蓄え
た。水素を除去した空気は装置外部へ排出した。処理室
1bで電池を処理している場合は、開閉弁8d,8fを
開けておき、ガス供給器6bから処理室1bへ、乾燥空
気を連続的に供給した。図4の装置に示した準備室2a
の外側、ならびに処理室1a,1bと準備室2a,2b
の間に、スライド式開閉板3a,4a,4b,4cがあ
る。
【0040】本実施例で処理する電池は、正極にLiC
oO2 ,負極にLi合金,電解質としてLiPF6 を溶
解させた有機電解質を用いた角型リチウム二次電池であ
り、実施例11と同一仕様の電池を5個用意した。ま
ず、これらの電池15を電池処理装置の外部で完全に放
電させ、開閉板3aを開けて準備室2aの中へ電池を移
し、開閉板3aを閉じる。開閉板4aを開けて、電池1
5をダイヤモンドカッターとカッターミキサーを備えた
電池解体機19の下まで運んだ。ここで電池解体機19
のダイヤモンドカッターを動かして、電池容器の上部を
切り取った。切断した電池容器の上部を取り外し、電池
構成部材を取り出した。ヘキサンを貯えた液体貯蔵容器
21aから開閉弁22a,液供給ポンプ23aを経由
し、噴霧器24aより毎分200mlで2lのヘキサン
を噴霧し、電解液がしみこんでいる電極、セパレータお
よび電池容器内部を洗浄した。洗浄後、電池解体機19
のカッターミキサーを用いて、負極を細かく切断し、底
面に金網を付けた金属製容器20に収納し、負極以外の
電池構成部品と電池容器をベルトコンベアー5の上に置
く。廃洗浄液は、開閉弁27aを開け廃液貯蔵容器28
aに保存する。処理室1aで使用する処理液は、エタノ
ールと水であり、それらを別々に液体貯蔵容器21bと
21cに蓄え、両者の混合比は流量調節機能を有する開
閉弁22b,22cを調節して制御した。処理液はポン
プ23bによって処理液供給管25bを経由し、噴霧器
24bから処理室1aの内部へ導入した。まず、液体貯
蔵容器21cに接続した開閉弁22cを閉じ、開閉弁2
2bのみを開けて、液体貯蔵容器21bからエタノール
を噴霧器24bから噴霧し、金属製容器20に収納した
負極中のリチウム合金を処理する。次いで、液体貯蔵容
器21cの開閉弁22cを徐々に開け、同時に液体貯蔵
容器21bの開閉弁22bを徐々に閉じて、処理液中の
含水量を増加させる。このとき処理液の流量は、常に毎
分100mlに設定した。処理液中の水の含有量が20
分後に0%から20%になるように、水含有量の増加率
を毎分1%に設定した。20分後に処理液の組成が80
%エタノール−20%水になり、この処理液をさらに5
分間、負極に添加した。ここで使用したエタノールは
2.2l、水は0.3lであり、負極の処理時間は25分
であった。
【0041】つぎに開閉板4bを開けて、負極を収納し
た金属製容器20とその他の電池構成部品を準備室2b
へ移す。ついで開閉板4bを閉じ開閉板4cを開けて、
負極を収納した金属製容器20とその他の電池構成部品
を、処理室1bの噴霧器24cの真下に移動させた。液体
貯蔵容器21dには水を貯蔵してあり、開閉弁22d,
液体輸送ポンプ23dをもつ輸送管25cを通じて、噴
霧器24cより破砕した負極へ水を添加した。負極中の
リチウム合金を完全に不活性化するために要した水は2
l、処理時間は0.3 時間であった。また処理室1bで
生じた廃水は、廃液貯蔵容器28cに移した。処理室1
bでの負極処理が完了してから、開閉板4dを開けて、
負極を収納した金属製容器20と電池構成部材を電池処
理装置の外へ運び出し、開閉板4dを閉じた。
【0042】以上の操作によって、5個の30Whリチ
ウム二次電池の処理時間は、約1.8〜1.9 時間で
あった。負極処理に要したエタノールと水の全容積は、
それぞれ2.2l,2.3lであった。この結果から、図
1と図2で処理したリチウム二次電池の10倍のエネル
ギー容量をもった電池も、図4の電池処理装置を用いる
ことによって、効果的に電池の不活性化処理ができた。
また、廃液貯蔵容器28aに保存したヘキサン廃液を真
空蒸留することによって、93〜94%のLiPF6を回
収し、廃液貯蔵容器28bと28cに保存されている廃
処理液から、それぞれ60%と30%のリチウムを回収
した。
【0043】
【発明の効果】本発明の電池処理方法と電池処理装置を
用いることによって、リチウム電池を安全に処理し、電
池に含まれる有価物質の再利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライド式開閉板からなる搬送口を具備した本
発明のリチウム電池処理装置である。
【図2】1個の処理室を2枚の仕切り板で区切った本発
明の他の実施例を示すリチウム電池処理装置である。
【図3】2個の処理室と3個の準備室を直列接続した本
発明の他の実施例を示すリチウム電池処理装置である。
【図4】2個の処理室と2個の準備室を直列接続した本
発明の他の実施例を示すリチウム電池処理装置である。
【符号の説明】
1,1a,1b…処理室、2a,2b,2c…準備室、
3a,3b,4a,4b,4c,4d…開閉板またはス
ライド式開閉板をもつ搬送口、5…ベルトコンベアー、
6,6a,6b,7a,7b,7c,7d,7e…ガス
供給器、8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,
8h,8i,17a,17b,17c,22a,22
b,22c、22d,26a,26b,26c…開閉
弁、9…ガス分離器、10,10a,10b…ガス排出
管、11…ガス輸送管、12…ガス輸送ポンプ、13…
生成ガス輸送管、14…生成ガス貯蔵容器、15…リチ
ウム二次電池、16a,16b,16c…ガス排出管、
18a,18b,18c…ポンプ、19…電池破砕機ま
たは電池解体機、20…金属製容器、21a,21b,
21c,21d…液体貯蔵容器または水蒸気発生器、2
3a,23b,23c、23d…液体輸送ポンプ、24
a,24b,24c…噴霧器、25a,25b,25c
…液体供給管、27a,27b,27c…廃液排出管、
28a,28b,28c…廃液貯蔵容器、29…ヒータ
ー、30…センサー、31…信号入力ケーブル、32…
演算制御器、33a,33b…信号出力ケーブル、34
a,34b…仕切り板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水本 守 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 堀場 達雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 米国特許4637928(US,A) 米国特許5352270(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 10/54 C22B 7/00

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属,上記アルカリ金属の合金ま
    たは上記アルカリ金属イオンの層間化合物のうち少なく
    とも1つを含む負極活物質を含んでなる負極と正極と非
    水電解液からなる非水電解液電池から上記負極を露出す
    る露出工程、および上記負極活物質と反応する物質を含
    有する処理液または上記負極活物質と反応する物質の蒸
    気を含有する処理ガスを上記露出した負極に接触させる
    接触工程を含み、上記接触工程は上記負極活物質量の分
    解量を制御する操作を含むことを特徴とする二次電池の
    処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の上記負極活物質と反応する
    物質が一種類以上のプロトン性物質からなり、かつ上記
    負極活物質の分解量を制御する操作が水素の発生量また
    は濃度を計測する操作を含むことを特徴とする二次電池
    の処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1ないし2記載の上記接触工程で使
    用する処理液が一種類のプロトン性物質の液体、または
    二種類以上のプロトン性物質の液体の混合物であること
    を特徴とする二次電池の処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の上記
    接触工程で使用する処理液が一種類以上のプロトン性物
    質と上記負極活物質と反応しない溶媒の混合物であるこ
    とを特徴とする二次電池の処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の上記
    接触工程で使用する処理ガスが1種類以上のプロトン性
    物質の蒸気と非プロトン性ガスの混合物であることを特
    徴とする二次電池の処理方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の上記
    負極活物質の分解量を制御する操作が、上記負極活物質
    に接触させる処理液または処理ガスの単位時間あたりの
    供給量を変える操作を有することを特徴とする二次電池
    の処理方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の上記
    負極活物質の分解量を制御する操作が、負極に接触させ
    る処理液または処理ガスに含まれる一種類以上のプロト
    ン性物質の含有量を変える操作を含むことを特徴とする
    二次電池の処理方法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載の上記
    負極活物質の分解量を制御する操作が、上記負極活物質
    に接触させる処理液または処理ガスの温度を変える操作
    を有することを特徴とする二次電池の処理方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の上記
    負極活物質の分解量を制御する操作が、処理液または処
    理ガスを撹拌あるいは循環させる操作を有することを特
    徴とする二次電池の処理方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれかに記載の上
    記負極活物質の分解量を制御する操作が、上記負極を振
    動させる操作を有することを特徴とする二次電池の処理
    方法。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    上記非水電解液電池の上記負極活物質と反応した処理液
    または処理ガスを回収する工程が上記接触工程に含まれ
    るか、または上記接触工程の後に実施されることを特徴
    とする二次電池の処理方法。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11のいずれかに記載の
    上記露出工程が酸または無機塩を含む水溶液に上記非水
    電解液電池を浸漬する工程を含むことを特徴とする二次
    電池の処理方法。
  13. 【請求項13】請求項1ないし12のいずれかに記載の
    上記非水電解液電池から非水電解液を分離する工程が上
    記露出工程と上記接触工程の間に実施されることを特徴
    とする二次電池の処理方法。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13のいずれかに記載の
    上記非水電解液電池の構成部品を回収 する工程が上記接
    触工程の後に実施されることを特徴とする二次電池の処
    理方法。
  15. 【請求項15】非水電解液電池を出し入れ可能な搬送口
    を有し、上記非水電解液電池を分解処理する処理室,上
    記処理室の外部に設置され上記負極活物質に反応させる
    上記処理液を貯蔵する処理液貯蔵容器,上記処理室の外
    部に設置され上記負極活物質に反応させた廃液を貯蔵す
    る廃液貯蔵容器,上記処理液貯蔵容器と上記処理室を連
    結する第1の輸送管及び上記廃液貯蔵容器を上記処理室
    を連結する第2の輸送管とを具備し、上記第1の輸送管
    は上記処理室内に供給口を備え、上記処理液貯蔵容器か
    ら上記第1の輸送管を介して上記処理室に上記処理液が
    送られ、上記処理室で上記負極活物質と反応させ生じた
    廃液を上記第2の輸送管を介して上記廃液貯蔵容器に貯
    蔵する機能を有することを特徴とする二次電池の処理装
    置。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の上記処理液貯蔵容器
    が上記負極活物質と反応する物質を気化させる機能を有
    する蒸気発生器および不活性ガス,窒素ガスまたは空気
    と上記負極活物質と反応する物質の蒸気からなる混合ガ
    スを上記第1の輸送管に流通させるポンプを具備するこ
    とを特徴とする二次電池の処理装置。
  17. 【請求項17】請求項15または16に記載の上記第1
    及び第2の輸送管が流量制御器を具備したことを特徴と
    する二次電池の処理装置。
  18. 【請求項18】非水電解液電池を出し入れ可能な搬送口
    を有し、上記非水電解液電池を分解処理する処理室,上
    記処理室の外部にプロトン性物質の液体を貯蔵する第1
    の処理液貯蔵容器および負極活物質と反応しない溶媒を
    貯蔵する第2の処理液貯蔵容器を具備し、上記第1の処
    理液貯蔵容器及び上記第2の処理液貯蔵容器はそれぞれ
    輸送管を介して異なる流量制御器に接続され、上記異な
    る流量制御器から液体を排出するそれぞれの輸送管が一
    本の輸送管に連結された後に上記処理室に接続されてい
    ることを特徴とする二次電池の処理装置。
  19. 【請求項19】請求項18記載の上記輸送管が処理液ま
    たは処理ガスの温度を調節する機能を有する温度調節器
    を具備することを特徴とする二次電池の処理装置。
  20. 【請求項20】請求項18または19に記載の上記処理
    室がセンサーと演算処理器を具備しており、上記センサ
    ーは上記処理室内部のガス雰囲気または上記処理室に置
    かれた電池の化学的あるいは物理的状態を電気信号に変
    換し、電気ケーブルを介して上記電気信号を上記演算処
    理器へ伝達する機能を有しており、上記演算処理器は上
    記信号を演算処理し、流量制御器を制御する機能を有す
    ることを具備することを特徴とする二次電池の処理装
    置。
  21. 【請求項21】請求項18ないし20のいずれかに記載
    の上記センサーが処理室内部の圧力,温度,赤外線また
    はガス組成を測定する機能を有することを特徴とする二
    次電池の処理装置。
  22. 【請求項22】請求項18ないし21のいずれかに記載
    の上記処理室が外部に処理液を貯蔵する処理液貯蔵容器
    と負極活物質と反応した廃処理液を貯蔵する廃処理液貯
    蔵容器を具備し、かつ上記処理室の内部に供給口と排出
    口を有し、かつ上記処理液貯蔵容器と上記廃処理液貯蔵
    容器のそれぞれは輸送管を介して上記供給口と上記排出
    口に連結されていることを特徴とする二次電池の処理装
    置。
  23. 【請求項23】請求項18ないし22のいずれかに記載
    の上記処理室が外部に電解液を溶解する性質をもつ溶媒
    を貯蔵する洗浄液貯蔵容器と電解液を溶解した溶媒を貯
    蔵する廃洗浄液貯蔵容器を具備し、かつ上記処理室内部
    に一組の供給口と排出口を有し、上記供給口と上記排出
    口のそれぞれが、輸送管を介して上記洗浄液貯蔵容器と
    上記廃洗浄液貯蔵容器に接続されたことを特徴とする二
    次電池の処理装置。
  24. 【請求項24】請求項18ないし23のいずれかに記載
    の上記処理室内の底部が複数の仕切り板で分割され、か
    つ上記底部の各々に負極活物質と反応した廃処理液また
    は廃処理ガス、あるいは電解液を溶解した廃洗浄液を排
    出する排出口,上記処理室の外 部に設置した廃処理液貯
    蔵容器あるいは廃洗浄液貯蔵容器、および上記排出口と
    上記貯蔵容器を接続する輸送管を有することを特徴とす
    る二次電池の処理装置。
  25. 【請求項25】請求項18ないし24のいずれかに記載
    の上記処理室内の底部がすり鉢状の複数のくぼみ部分を
    有し、かつ上記くぼみ部分の各々に負極活物質と反応し
    た廃処理液または廃処理ガス、あるいは電解液を溶解し
    た廃洗浄液を排出する排出口,上記処理室の外部に設置
    した廃処理液貯蔵容器あるいは廃洗浄液貯蔵容器、およ
    び上記排出口と上記貯蔵容器を接続する輸送管を有する
    ことを特徴とする二次電池の処理装置。
  26. 【請求項26】請求項18ないし25のいずれかに記載
    の上記処理室内の上部が複数の仕切り板で分割され、上
    記処理液又は上記処理ガス、あるいは電解液を溶解する
    溶媒を供給する供給口,上記処理室の外部に設置した処
    理液貯蔵容器および洗浄液貯蔵容器、および上記貯蔵容
    器と上記供給口を連結する輸送管を有することを特徴と
    する二次電池の処理装置。
  27. 【請求項27】請求項18ないし26のいずれかに記載
    の上記処理室が上記処理室の外部に不活性ガス,窒素ガ
    スまたは空気を供給するポンプを有し、上記ポンプと上
    記処理室は輸送管で連結されていることを特徴とする二
    次電池の処理装置。
  28. 【請求項28】請求項18ないし27のいずれかに記載
    の上記搬送口が不活性ガス,窒素ガスまたは空気の流通
    させるエアーカーテンを備えていることを特徴とする二
    次電池の処理装置。
  29. 【請求項29】請求項28に記載の複数の上記処理室が
    上記処理室の搬送口を介して直列に連結し、末端に位置
    する処理室の搬送口にエアーカーテンを備えていること
    を特徴とする二次電池処理装置。
  30. 【請求項30】請求項27ないし29のいずれかに記載
    の上記処理室が不活性ガス,窒素ガス または空気を供給
    するポンプと上記ガスの輸送管を有する準備室またはエ
    アーカーテンの機能を有する準備室を具備し、複数の処
    理室が少なくとも1個の準備室を介して直列に連結して
    いることを特徴とする二次電池処理装置。
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JPH06338353A (ja) 1994-12-06

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