JP3240214U - エッチング装置 - Google Patents

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【課題】本考案の課題は、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用するエッチング装置において、エッチング液を循環して使用する場合に、残渣が発生することなく、均一で安定的なエッチング処理ができるエッチング装置を提供することである。【解決手段】エッチング装置が、樹脂組成物層を除去するためのエッチングユニットを有し、エッチングユニットが、樹脂組成物を有する被処理物が浸漬処理される、エッチング液が入ったディップ槽と、ディップ槽にエッチング液を供給する供給ポンプと、ディップ槽からオーバーフローしたエッチング液を回収する貯蔵タンクを有し、貯蔵タンクが、エッチング液吸込口及びエッチング液回収口を有し、貯蔵タンクの底面に対し、エッチング液吸込口がエッチング液回収口よりも高い位置に設置されていることを特徴とするエッチング装置。【選択図】図5

Description

本考案は、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用するエッチング装置に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴って、回路基板において、微細配線形成や熱膨張係数の低下が強く求められている。その中で、絶縁材料の低熱膨張係数化の手段として、絶縁材料を高充填化する、すなわち、絶縁材料における無機充填材の含有量を高くする方法が知られている。さらに、絶縁材料として、エポキシ樹脂、フェノールノボラック系硬化剤、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂等を含み、耐湿性に優れたアルカリ不溶性樹脂の使用が提案されている。これらの無機充填材及びアルカリ不溶性樹脂を含む絶縁性の樹脂組成物は、耐熱性、誘電特性、機械強度、耐化学薬品性等に優れた物性を有し、回路基板の外層表面に用いられるソルダーレジストや多層ビルドアップ配線板に用いられる層間絶縁材料として広く使用されている。
図1は、回路基板上において半田付けする接続パッド3以外を、樹脂組成物層4で覆ったソルダーレジストパターンの概略断面構造図である。図1に示す構造はSMD(Solder Masked Defined)構造と言われ、樹脂組成物層4の開口部が接続パッド3よりも小さいことを特徴としている。図2に示す構造は、NSMD(Non Solder Masked Defined)構造と言われ、樹脂組成物層4の開口部が接続パッド3よりも大きいことを特徴としている。
図1又は図2における樹脂組成物層4の開口部は、樹脂組成物層の一部を除去することによって形成される。無機充填材及びアルカリ不溶性樹脂を含む樹脂組成物を含有してなる樹脂組成物層を除去するエッチング方法として、エッチング液として40℃のヒドラジン系薬液を使用した浸漬処理によって行うエッチング方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1における樹脂組成物の全固形分に対して、無機充填材の好ましい含有量が30~90質量%であり、より好ましい含有量が50~85質量%であることが記載されている。
浸漬処理によるエッチング方法では、ディップ槽におけるエッチング液中で、エッチングによって除去された、無機充填材及びアルカリ不溶性樹脂を含む樹脂組成物が沈殿分離する。図3は、樹脂組成物を除去するのに使用したエッチング液を分液漏斗に入れ、沈殿分離の状態を確認した際の写真である。図3のエッチング液は、エッチング液層5と、アルカリ不溶性樹脂が多く分散された樹脂組成物分散層6と、無機充填材を多く含んだ無機充填材溶解層7とに分離されることが分かる。エッチング液層5、樹脂組成物分散層6、無機充填材溶解層7は、それぞれエッチング性能が異なるため、エッチング液を循環して使用しようとする場合、エッチング液の均一性が重要になる。不均一なエッチング液でエッチングを行うと、部分的に樹脂組成物層の残渣が発生し、ソルダーレジストパターンを形成する際に、接続パッド部の接触不良の原因となり、生産における歩留まりの低下に繋がるという問題が発生することがあった(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2018/088345号パンフレット 特開2020-41099号公報
本考案の課題は、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用するエッチング装置において、エッチング液を循環して使用する場合に、残渣が発生することなく、均一で安定的なエッチング処理ができるエッチング装置を提供することである。
本考案者らは、下記考案によって、これらの課題を解決できることを見出した。
(1)アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用するエッチング装置において、
エッチング装置が、樹脂組成物層を除去するためのエッチングユニットを有し、
エッチングユニットが、樹脂組成物を有する被処理物が浸漬処理される、エッチング液が入ったディップ槽と、ディップ槽にエッチング液を供給する供給ポンプと、ディップ槽からオーバーフローしたエッチング液を回収する貯蔵タンクを有し、
貯蔵タンクが、エッチング液吸込口及びエッチング液回収口を有し、
貯蔵タンクの底面に対し、エッチング液吸込口がエッチング液回収口よりも高い位置に設置されていることを特徴とするエッチング装置。
(2)樹脂組成物に対する無機充填材の含有量が、30~85質量%であることを特徴とする上記(1)記載のエッチング装置。
(3)エッチング液が、5~50質量%のアルカリ金属水酸化物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載のエッチング装置。
アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用するエッチング装置において、エッチング液を循環して使用する場合に、残渣が発生することなく、均一で安定的なエッチング処理ができるエッチング装置を提供することができる。
ソルダーレジストパターンの一例を示す概略断面構造図である。 ソルダーレジストパターンの一例を示す概略断面構造図である。 エッチング液中に無機充填材及びアルカリ不溶性樹脂を含む樹脂組成物が沈殿分離した状態を示した写真である。 本考案のエッチング装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法の一例を表す断面工程図である。 本考案のエッチング装置の一例を示す概略断面構造図である。
以下、本考案のエッチング装置について詳細に説明する。
本考案のエッチング装置は、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用できる。エッチング処理の一例として、ソルダーレジストパターンの形成方法について、図4を用いて説明する。このソルダーレジストパターンの形成方法では、回路基板上にある半田接続パッド3の一部又は全部が樹脂組成物層4から露出したソルダーレジストパターンを形成することができる。
工程(I)では、絶縁層2と銅箔3′を有する銅張積層板の表面にある銅箔3′をエッチングによりパターニングすることによって導体パターンを形成し、半田接続パッド3を有する回路基板1を形成する。
工程(II)では、回路基板1の表面において、全面を覆うように銅箔9付きの樹脂組成物層4を形成する。樹脂組成物層4は、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含んでいる。
工程(III)では、銅用のエッチング液によって、樹脂組成物層4上の銅箔9をエッチング処理によりパターニングし、樹脂組成物層エッチング用の金属マスク8を形成する。
工程(IV)では、金属マスク8を介し、樹脂組成物用のエッチング液によって、半田接続パッド3の一部又は全部が露出するまで、樹脂組成物層4をエッチングする。
工程(V)では、銅用のエッチング液によって、金属マスク8をエッチング処理により除去し、半田接続パッド3の一部又は全部が樹脂組成物層4から露出したソルダーレジストパターンを形成する。
これによって、図4(V)に示すような、樹脂組成物層4の残渣の無い、SMD構造又はNSMD構造のレジストパターンを形成することができる。
本考案において、樹脂組成物用のエッチング液は、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング処理するためのエッチング液であり、ヒドラジン系エッチング液、高濃度のアルカリ金属水酸化物を含有するアルカリ水溶液等が使用できるが、高濃度のアルカリ金属水酸化物を含有するアルカリ水溶液(以下、「高濃度のアルカリ金属水酸化物を含有するアルカリ水溶液」を「アルカリ金属水酸化物系エッチング液」と記す場合がある)であることが好ましい。アルカリ不溶性樹脂はアルカリ水溶液に溶解しない性質を有するため、本来アルカリ水溶液によって除去することはできない。しかし、本考案に係わるエッチング液を使用することによって、アルカリ不溶性樹脂を含む樹脂組成物を除去することができる。本考案で好適に使用できる高濃度のアルカリ金属水酸化物を含有するアルカリ水溶液を用いた場合には、樹脂組成物中の無機充填材が、高濃度のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液によって溶解除去されるため、アルカリ不溶性樹脂を含む樹脂組成物をエッチング処理することができる。
アルカリ金属水酸化物系エッチング液におけるアルカリ金属水酸化物の含有量は、5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。アルカリ金属水酸化物の含有量が5質量%未満である場合、無機充填材の溶解性が乏しい場合があり、アルカリ金属水酸化物の含有量が50質量%を超えた場合、アルカリ金属水酸化物の析出が起こりやすいことから、液の経時安定性に劣る場合がある。アルカリ金属水酸化物の含有量は、より好ましくは15~45質量%であり、さらに好ましくは20~40質量%である。
アルカリ金属水酸化物系エッチング液に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、着色剤、界面活性剤、消泡剤、有機溶媒等を適宜添加することもできる。有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。この中で、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等は、アルカリ不溶性樹脂の膨潤性が大きく好ましい。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。アルカリ金属水酸化物として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、本考案に係わるアルカリ金属水酸化物系エッチング液は、アルカリ金属水酸化物に加えて、1質量%以上50質量%以下のエタノールアミン化合物を含有することが好ましい。エタノールアミン化合物を含有するアルカリ金属水酸化物系エッチング液を使用した場合、エタノールアミン化合物が樹脂組成物中に浸透することにより、樹脂組成物の膨潤が促進され、無機充填材の溶解除去が加速され、樹脂組成物の除去速度が上がる。
本考案に係わるアルカリ金属水酸化物系エッチング液において、エタノールアミン化合物の含有量が1質量%未満の場合、アルカリ不溶性樹脂の膨潤性が乏しく、エタノールアミン化合物の含有量が0質量%の場合と比較して、樹脂組成物の除去速度が変わらない。エタノールアミン化合物の含有量が50質量%を超えた場合、水に対する相溶性が低くなり、相分離が起こりやすいことから、エッチング液の経時安定性に劣る場合がある。エタノールアミン化合物の含有量は、より好ましくは5~40質量%であり、さらに好ましくは10~35質量%である。
上記エタノールアミン化合物としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン等どのような種類でもよく、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。代表的なアミン化合物の一例としては、第一級アミンである2-アミノエタノール;第一級アミンと第二級アミンの混合体(すなわち、一分子内に第一級アミノ基と第二級アミノ基とを有する化合物)である2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール;第二級アミンである2-(メチルアミノ)エタノール、2-(エチルアミノ)エタノール;第三級アミンである2,2′-メチルイミノジエタノール(別名:N-メチル-2,2′-イミノジエタノール)、2,2′-エチルイミノジエタノール(別名:N-エチル-2,2′-イミノジエタノール)、2-(ジメチルアミノ)エタノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。中でも、2-アミノエタノール及び2-(2-アミノエチルアミノ)エタノールがより好ましい。
ヒドラジン系エッチング液として、例えば、ヒドラジン一水和物を使用したエッチング液が挙げられる。また、ヒドラジン一水和物と共にエチレンジアミンを併用することもできる。ヒドラジン一水和物は、強い還元性を有し、本考案に係わる樹脂組成物を分解除去することができる。しかし、毒物及び劇物取締法の劇物に該当し、人体の健康に対して有害で、環境への負荷も大きいため、アルカリ金属水酸化物系エッチング液を使用することが好ましい。
本考案に係わるエッチング液はアルカリ水溶液である。エッチング液に使用される水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。
本考案に係わるエッチング処理において、エッチング液の温度は、60~90℃の範囲であることが好ましい。樹脂組成物の種類、樹脂組成物層の厚み、樹脂組成物を除去するエッチング処理を施すことによって得られるパターンの形状等によって、最適温度が異なるが、エッチング液の温度は、より好ましくは60~85℃であり、さらに好ましくは70~85℃である。
本考案に係わる樹脂組成物における無機充填材の含有量は、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対して30~85質量%であることが好ましい。無機充填材の含有量が30質量%未満である場合、樹脂組成物全体に対して、アルカリ金属水酸化物系エッチング液によって溶解されるサイトとしての無機充填材が少なすぎるため、エッチングが進行しない場合がある。無機充填材の含有量が85質量%を超えると、樹脂組成物の流動性の低下により、可撓性が低下する傾向があり、実用性に劣る。
本考案において、無機充填材としては、例えば、シリカ、ガラス、クレー、雲母等のケイ酸塩;アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ等の酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩等が挙げられる。また、無機充填材としては、さらにホウ酸アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。これらの中で、シリカ、ガラス、クレー及び水酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物は、エッチング液への溶解性が高いことから、より好ましく用いられる。シリカは低熱膨張性に優れる点でさらに好ましく、球状溶融シリカが特に好ましい。無機充填材として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本考案に係わる樹脂組成物には、無機充填材に加えて有機充填材を含有することもできる。有機充填材を含有する場合、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対して有機充填材の含有量が5~30質量%程度が好ましい。有機充填材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレン-プロピレン共重合体(FEP)、パーフルオロアルコキシ重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(TFE/CTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)からなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本考案に係わるアルカリ不溶性樹脂について説明する。アルカリ不溶性樹脂は、アルカリ水溶液に対して溶解又は分散されないという性質以外は、特に限定されない。具体的には、アルカリ水溶液に対して溶解するために必要なカルボキシル基含有樹脂等の含有量が非常に少ない樹脂であり、樹脂中における遊離カルボキシル基の含有量の指標となる酸価(JIS K2501:2003)としては、40mgKOH/g未満である。より具体的には、アルカリ不溶性樹脂は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂を硬化させる熱硬化剤とを含む樹脂である。アルカリ水溶液としては、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物を含有する水溶液、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物を含有する水溶液が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、エポキシ樹脂としては、さらにビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有するものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。熱硬化剤として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記硬化剤に加え、さらに硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン化合物、有機ホスホニウム塩化合物、イミダゾール化合物、アミンアダクト化合物、3級アミン化合物等が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、熱硬化剤としてシアネートエステル樹脂を使用する場合には、硬化時間を短縮する目的で、硬化触媒として用いられている有機金属化合物を添加してもよい。有機金属化合物としては、有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等が挙げられる。
上述したように、本考案に係わるエッチング液を使用して、アルカリ不溶性樹脂及び30~85質量%の無機充填材を含む樹脂組成物をエッチングすると、樹脂組成物中の無機充填材が高濃度のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液によって溶解除去されることによって、樹脂組成物の除去が進行する。さらに、本考案に係わるエッチング液がエタノールアミン化合物を含む場合には、エタノールアミン化合物が樹脂組成物中に浸透することにより、樹脂組成物の膨潤が促進され、無機充填材の溶解除去が加速される。
本考案のエッチング装置について図面を用いて詳細に説明する。図5は、本考案のエッチング装置の一例を示す概略断面構造図であり、樹脂組成物を有する被処理物が搬送ロール対13によって、ディップ槽11中のエッチング液10に浸漬した状態で搬送され、樹脂組成物のエッチング処理を行うエッチング装置である。
本考案のエッチング装置は、樹脂組成物をエッチング液によって除去するエッチングユニット20を有する。エッチングユニット20は、樹脂組成物を有する被処理物が浸漬処理される、エッチング液10が入ったディップ槽11と、ディップ槽11にエッチング液10を供給する供給ポンプ(エッチング液供給用ポンプ、図示せず)と、ディップ槽11からオーバーフローしたエッチング液10を回収する貯蔵タンク15を有する。貯蔵タンク15は、ディップ槽11へエッチング液を供給するためのタンクともなる。すなわち、エッチングユニット20は、エッチング液10を循環して使用するユニットである。樹脂組成物を有する被処理物として、樹脂組成物層4が形成された基板12を例示した。
エッチング液10は、装置下部の貯蔵タンク15のエッチング液吸込口16からエッチング液供給用ポンプ(図示せず)によって、エッチング液供給管17を介してディップ槽11に供給され、オーバーフローさせる。オーバーフローしたエッチング液10は、エッチング液回収管19、19′を介して貯蔵タンク15へと送られ、エッチング液回収口18より貯蔵タンク15に戻る。オーバーフローしたエッチング液10には、それぞれエッチング性能の異なる、図3で説明したエッチング液層5及び樹脂組成物分散層6が含まれ、また、無機充填材溶解層7も含まれる場合がある。そして、エッチング液供給ポンプへと通じているエッチング液吸込口16の位置が、エッチング液回収管19、19′を介して貯蔵タンク15へと通じているエッチング液回収口18の位置よりも、高い位置に設置されていることにより、貯蔵タンク15に回収されたエッチング液層5、樹脂組成物分散層6及び無機充填材溶解層7が、不均一なままディップ槽11に再度供給されることを防ぐことができる。なお、エッチング液吸込口16の最下部の高さとエッチング液回収口18の最上部の高さの差は、100mm以上であることが好ましい。
本考案において、搬送ロール対13の形状及び材質は、基板12を搬送することができるものであれば規制はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、PTFE等が利用できる。また、搬送ロール対13の設置位置及び数は、基板12を搬送することができれば、特に図5に示される設置位置及び数に限定されるものではない。
以下、実施例によって本考案をさらに詳しく説明するが、本考案はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
無機充填材として、球状溶融シリカ60質量%、エポキシ樹脂として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂10質量%、熱硬化剤として、フェノールノボラック型シアネート樹脂10質量%、硬化促進剤として、トリフェニルホスフィン1質量%、その他、カップリング剤、レベリング剤を加え、全量を100質量%としたものに、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンを媒体として混合し、液状樹脂組成物を得た。
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)上に液状樹脂組成物を塗布した後、100℃で5分間乾燥して媒体を除去した。これによって、膜厚15μmで、アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物からなる、Aステージの樹脂組成物層を形成した。Aステージとは、エポキシ樹脂と熱硬化剤が硬化反応を開始する前の状態である。
続いて、厚み3μmの銅箔と剥離層とキャリア箔とがこの順に積層された剥離可能な金属箔を準備し、銅箔と上記樹脂組成物層が接触するように両者を熱圧着させた後、剥離層及びキャリア箔を剥離して、銅箔9付き樹脂組成物層4を得た。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、エポキシ樹脂ガラス布基材銅張積層板(面積200mm×250mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.1mm)の銅箔3′をエッチングによりパターニングすることによって導体パターンを形成し、回路基板1を形成した上に熱圧着式ラミネーターを使って、温度100℃、圧力0.4MPaで熱圧着し、回路基板1上に転写させた後、100℃で30分間加熱し、Bステージの樹脂組成物層4を形成した。Bステージとは、エポキシ樹脂と熱硬化剤の硬化反応が開始され、Cステージと呼ばれる完全硬化状態には至っていない、硬化反応の中間段階の状態である。
続いて、図4の工程(III)の示されているSMD構造又はNSMD構造となるように、銅用のエッチング液によって、樹脂組成物層4上の銅箔9をエッチング処理によりパターニングし、樹脂組成物層エッチング用の金属マスク8を形成する銅エッチング加工を実施し、金属マスク8付きの樹脂組成物層4を準備した。SMD構造又はNSMD構造は1組を1セットとして、200mm×250mmの基板上に等間隔に12箇所配置した。
次に、エッチング液として、水酸化カリウム30質量%、2-(メチルアミノ)エタノール30質量%、水40質量%の水溶液(液温度80℃)を用いて、貯蔵タンク15の底面に対し、エッチング液吸込口16がエッチング液回収口18よりも高い位置に設置されているエッチング装置(図5)にて、エッチング液10を循環させながら、樹脂組成物層4に対して、90秒間浸漬する条件でエッチング処理を行った。エッチング処理後、樹脂組成物層4の表面に残存付着したエッチング液10を純水によるスプレー処理によって洗浄した。
エッチング処理の安定性を評価するために、連続50枚エッチング処理を行い、1枚目、25枚目、50枚目において、金属マスク8を除去し、基板1上の12箇所について、図4(V)のSMD構造部分の長さa(マスク径100μm)を測定し、長さaが130μm±5μmで開口している箇所を、開口処理できていると判断し、下記基準にて評価した開口安定性の結果と、NSMD構造部分の残渣(NSMD残渣)を光学顕微鏡にて確認した結果を表1に示す。
(開口安定性)
○:開口処理ができている箇所が11箇所以上である。
△:開口処理ができている箇所が10箇所11箇所未満である。
×:開口処理ができている箇所が10箇所未満である。
(比較例)
比較例として、エッチング液吸込口16がエッチング液回収口18よりも低い位置に設置されているエッチング装置を使用した以外は、実施例と同様の基準にて評価を実施した結果も表1に記載する。
Figure 0003240214000002
表1の結果より明らかなように、貯蔵タンク15の底面に対し、エッチング液吸込口16がエッチング液回収口18よりも高い位置に設置されていることで、樹脂組成物層4の残渣が発生することなく、均一で安定的なエッチング処理ができることが分かる。
本考案のエッチング装置は、無機充填材が高い含有量で充填された耐熱性、誘電特性、機械強度、耐化学薬品性等に優れた絶縁樹脂組成物層をエッチング加工する用途に適用できる。例えば、多層ビルドアップ配線板、部品内蔵モジュール基板、フリップチップパッケージ基板、パッケージ基板搭載用マザーボード等における絶縁樹脂の微細加工に適用できる。
1 回路基板
2 絶縁層
3′ 銅箔
3 半田接続パッド、接続パッド
4 樹脂組成物層
5 エッチング液層
6 樹脂組成物分散層
7 無機充填材溶解層
8 金属マスク
9 銅箔
10 エッチング液
11 ディップ槽
12 基板
13 搬送ロール対
14 投入口
15 貯蔵タンク
16 エッチング液吸込口
17 エッチング液供給管
18 エッチング液回収口
19 エッチング液回収管
19′エッチング液回収管
20 エッチングユニット

Claims (3)

  1. アルカリ不溶性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物をエッチング液によってエッチング処理する際に使用するエッチング装置において、
    エッチング装置が、樹脂組成物層を除去するためのエッチングユニットを有し、
    エッチングユニットが、樹脂組成物を有する被処理物が浸漬処理される、エッチング液が入ったディップ槽と、ディップ槽にエッチング液を供給する供給ポンプと、ディップ槽からオーバーフローしたエッチング液を回収する貯蔵タンクを有し、
    貯蔵タンクが、エッチング液吸込口及びエッチング液回収口を有し、
    貯蔵タンクの底面に対し、エッチング液吸込口がエッチング液回収口よりも高い位置に設置されていることを特徴とするエッチング装置。
  2. 樹脂組成物に対する無機充填材の含有量が30~85質量%であることを特徴とする請求項1記載のエッチング装置。
  3. エッチング液が、5~50質量%のアルカリ金属水酸化物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のエッチング装置。
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