JP2010034142A - 多層配線板の製造方法、多層配線板および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導体回路と絶縁性樹脂層を組合せてなる多層配線板の製造方法であって、少なくとも、(1)導体回路が形成された回路基板の導体回路面とキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの絶縁性樹脂面とが対峙するように張り合わせて熱圧着する工程、(2)該キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートのキャリアフィルムをつけたままで熱処理し、絶縁性樹脂の硬化度を80%以上95%以下とする工程、(3)絶縁性樹脂にレーザー照射することによりビアホールを形成する工程、(4)その後、さらに熱処理を行うことにより絶縁性樹脂を硬化する工程、を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
【選択図】図1
Description
サブトラクティブ法とは、銅張積層板を用い、銅箔の回路部分にエッチングレジストを形成し銅箔をエッチングで除去することにより回路形成を行う方法である。しかしながら、エッチングによる回路形成は、エッチングレジストに対して水平方向にも除去部分が広がってしまうため、エッチングレジストに忠実な回路形成は困難である。
アディティブ法とは、メッキレジストに沿ってメッキにより導体回路を成長させた後、メッキレジストを剥離し回路形成を行う方法である。このため、メッキレジストに忠実な回路形成を行うことができる。以上の点から、微細化が要求される半導体パッケージ用多層配線板においては、アディティブ法が一般的に使われている。
しかし、アディティブ法では微細な回路形成は可能であるが、絶縁層を積層、加工する場合の問題として、絶縁層のレーザーによるビアホール加工性が悪く、また、部品実装のリフロー工程などの熱履歴を繰り返すことにより発生する多層配線板の膨れが挙げられる。(例えば、特許文献1参照。)
[1] 導体回路と絶縁性樹脂層を組合せてなる多層配線板の製造方法であって、少なくとも、
(1)導体回路が形成された回路基板の導体回路面とキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの絶縁性樹脂面とが対峙するように張り合わせて熱圧着する工程、
(2)該キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートのキャリアフィルムをつけたままで熱処理し、絶縁性樹脂の硬化度を80%以上95%以下とする工程、
(3)絶縁性樹脂にレーザー照射することによりビアホールを形成する工程、
(4)その後、さらに熱処理を行うことにより絶縁性樹脂を硬化する工程、
を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
[2] 前記キャリアフィルムが熱可塑性フィルムである前記[1]項に記載の多層配線板の製造方法。
[3] レーザー照射によるビアホール形成前に絶縁性樹脂シートのキャリアフィルムを剥離する工程を含む前記[1]または[2]項に記載の多層配線板の製造方法。
[4] 工程(1)〜(4)および導体回路を形成する工程を複数回行う前記[1]〜[3]項のいずれか1項に記載の多層配線板の製造方法。
[5] 前記[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の多層配線板の製造方法により製造されたことを特徴とする多層配線板。
[6] 前記[5]項に記載の多層配線板に半導体素子を搭載したことを特徴とする半導体装置。
(1)導体回路が形成された回路基板の導体回路面とキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの絶縁性樹脂面とが対峙するように張り合わせて熱圧着する工程、
(2)該キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートのキャリアフィルムをつけたままで熱処理し、絶縁性樹脂の硬化度を80%以上95%以下とする工程、
(3)絶縁性樹脂にレーザー照射することによりビアホールを形成する工程、
(4)その後、さらに熱処理を行うことにより絶縁性樹脂を硬化する工程、
を含むものであり、この製造方法で作製した多層配線板は、レーザーによるビアホール加工性に優れ、部品実装のリフロー工程などの熱履歴を繰り返すことによる多層配線板の膨れが抑制され、歩留まり低下を抑制できるものである。
以下、図面を用いて本発明の製造方法について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
まず、(1)導体回路が形成された回路基板の導体回路面とキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの絶縁性樹脂面とが対峙するように張り合わせて熱圧着する工程(工程(1))を説明する。
工程(1)に係る導体回路が形成された回路基板は、例えば、コア基板となる絶縁層1の両面に銅箔層2が張られた両面銅張り積層板(図1(a))の銅箔層2上にエッチングレジスト(図示せず)を形成し、エッチングにより導体回路3を形成し、エッチングレジストを剥離して得られる導体回路3が形成された回路基板である(図1(b))。
そして、工程(1)では、キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートを導体回路3と対峙させるように張り合わせて熱圧着する(図1(c))。キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートを張り合わせて熱圧着する方法としては、真空ラミネート、真空プレスなどの方法で積層したりする方法が挙げられる。ここで、キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートは、キャリアフィルム5と絶縁性樹脂4から構成されており、絶縁性樹脂4は、熱処理により硬化する前の絶縁性樹脂である。
なお、本発明でいう絶縁性樹脂の硬化度(工程(2)および工程(4)において同様)とは、まず、絶縁性樹脂4を熱処理した後の絶縁性樹脂6表面を適量削り取り、DSC(示差走査熱分析)にて10℃/分の条件で測定する。次に、得られた発熱量A(J/g)を熱圧着前のフィルム状態である絶縁性樹脂のDSCにて得られる発熱量B(J/g)を基
準として下記式にて計算して得られたものである。
硬化度(%)={(発熱量B−発熱量A)/(発熱量B)}×100
工程(2)で熱処理した後の絶縁性樹脂6の硬化度は、80%以上95%以下が好ましく、さらに好ましくは85%以上90%である。なお、工程(2)では、硬化前の絶縁性
樹脂の種類により、熱処理温度および熱処理時間を適宜選択して、硬化度を調節することができる。
ここで、硬化度を上記の範囲とする理由は、硬化度を下限値以上にすることでデスミア工程における耐薬品性を良好にするためである。さらに下限値未満とすると絶縁性樹脂の硬化度が低くなりビアホール形成時にクラックなどが発生しやすくなってしまう。また、硬化度を上限値以下とする理由としては、これ以上硬化が進むとスミア除去が困難になること、メッキとの密着が困難になることなどが挙げられる。
このように、工程(2)を行うことにより、硬化度が上記範囲の絶縁性樹脂6が形成された回路基板を得る。
次いで、キャリアフィルム5を剥離する工程を行った後、絶縁性樹脂6の所定の位置にレーザー照射によりビアホール7を形成する工程(工程(3))を行う(図1(e))。レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、エキシマレーザなどを使用することができる。
なお、上記では、工程(3)を行う前に、キャリアフィルムを剥離する工程を行う旨を説明したが、キャリアフィルムを剥離する工程を行わずに、絶縁性樹脂6にキャリアフィルム5が付いたままで、レーザーを照射して、工程(3)を行うこともできる。
つまり、本発明における多層配線板の製造方法の形態例としては、
(A)工程(1)→工程(2)→工程(3)→導体回路11を形成する工程→工程(4)、
(B)工程(1)→工程(2)→工程(3)→工程(4)→導体回路を形成する工程、が挙げられる。
先ず、レーザー照射によるビアホール底に発生する樹脂残渣除去のため、工程(3)を行った後、デスミア工程を行う(図示せず)。デスミア工程は、膨潤工程、樹脂エッチング工程、中和工程からなる。膨潤工程とは、水溶性有機溶剤と苛性ソーダなどの強アルカリを含む処理液を用いて樹脂表面を改質するために行う工程である。樹脂エッチング工程とは、過マンガン酸溶液の酸化作用を利用して樹脂表面を酸化除去(酸化エッチング)行うことにより、その表面に微細な凹凸を形成するために行う工程である。また、中和工程とは、硫酸を主成分とする酸溶液を用い、前記樹脂エッチング工程中で付着した過マンガン酸溶液を除去する工程である。これらの工程により、ビアホール底に発生する樹脂残渣除去と絶縁性樹脂表面の粗化が行われ、絶縁性樹脂層表面に形成される導体回路との密着性向上が可能となる。
その後、レジスト膜9を形成した後(図2(g))、電解めっきにより導体層10を形成する(図2(h))。
このようにして、絶縁性樹脂6上に、導体回路11を形成させ多層配線板が得られる。
そして、更に、層数に応じて工程(1)〜工程(4)および導体回路11を形成させる工程を繰り返すことにより4層数以上の多層配線板が得られる。
多層配線板の最外層には、絶縁性の保護膜を形成する。例えば、ソルダーレジストなどが挙げられる。
その後、絶縁性樹脂24を硬化させ(図3(c2))、所定の位置にレーザー照射することによりビアホール27を形成する(図3(d2))。
上記の方法でビアホール27を形成させた場合、硬化前の絶縁性樹脂24が露出した状態(図3(b2))で、熱処理による硬化工程を行う。
上記キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの絶縁性樹脂4は、硬化前の絶縁性樹脂であり、絶縁性を有すれば、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂などの熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。
このほか、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、無機充填材、有機充填材、カップリング剤などの添加剤を適宜配合することができる。
本発明で用いられる絶縁性樹脂は、上記成分を有機溶剤などにより溶解および/または分散させた絶縁性樹脂ワニスを、上記キャリアフィルムの離型処理が施さされた面側に形成される。キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの形成には、例えばコンマコーター、ナイフコーターなど各種塗工装置を用いて塗工する方法、噴霧ノズルなどの各種スプレー装置を用いて塗工する方法、などが挙げられる。これらの中でも、各種塗工装置を用いて、絶縁性樹脂ワニスをキャリアフィルムに塗工する方法が好ましい。これにより、簡易的な装置で厚み精度に優れた絶縁性樹脂4を形成することができる。その後、必要に応じて、常温または加温下で乾燥させることにより、絶縁性樹脂ワニスを調製する際に用いた有
機溶媒や分散媒体を除去して、絶縁性樹脂表面のタック性をなくし、取り扱い性に優れたキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートとすることができる。
(実施例1)
1.絶縁性樹脂ワニスの調整
絶縁性樹脂ワニスは、ビスフェノールSエポキシ樹脂とビフェニルエポキシ樹脂との共重合体であり、末端部はエポキシ基を有しているフェノキシ樹脂(JER製YX8100重量平均分子量15,000)10重量部、ビスフェノールFの重合体であり、ビスフェノールAとビスフェノールFの共重合体であり、末端部はエポキシ基を有しているフェノキシ樹脂(EP−4275重量平均分子量35,000)10重量部、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、NC−3000、エポキシ当量275、重量平均分子量2000)20重量部、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30、重量平均分子量約700)20重量部、硬化触媒としてイミダゾール化合物(四国化成工業株式会社製、キュアゾール1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール))0.2重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、SO−25R、平均粒子径0.5μm)39.6重量部とエポキシシランカップリング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A−187)0.2重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。
上述の絶縁性樹脂ワニスを用いて、キャリアフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、SFB−38、厚さ38μm)上にコンマコーター装置で塗工し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥させ、厚さ40μmのキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートを作製した。
18μm厚の銅箔が両面に形成されたFR−5相当のガラスエポキシ樹脂銅張積層板(住友ベークライト製)を用い、両面に回路が形成された回路基板の両面に上記で作製したキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートを真空加圧式ラミネーター(名機製作所製、MVLP-500/600IIA)を用いてラミネートした。真空ラミネートは100℃、1.0MPaの条件で行い、加熱プレスは100℃、1.0MPaで行った。
その後、170℃で30分間熱処理し、前記絶縁性樹脂を熱硬化させた。この時の硬化度は、90%であった。硬化度の測定方法は、熱処理後の試料表面を適量削り取り、DSCにて10℃/分の条件で測定した。このとき、得られる発熱量を発熱量A(J/g)とした。次に、得られた発熱量A(J/g)を、熱圧着前のフィルム状態である絶縁性樹脂のDSCにて得られる発熱量B(J/g)を基準として下記式にて算出した。
硬化度(%)=(発熱量B−発熱量A)/(発熱量B)×100
次に、キャリアフィルムを物理的に剥離し、炭酸ガスレーザー加工機(三菱電機製、605GTXIII)を用いて、平均直径が80μm径のビアホールを形成した。
次に、デスミア工程を行った。膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップセキュリガントP)に浸漬し、さらに過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP))に浸漬後、中和して粗化処理を行った。
その後、50℃のクリーナ液(アトテックジャパン社製、クリーナセキュリガント902)に5分間、25℃のプレディップ液(アトテックジャパン社製、プレディップネオガントB)に90秒、35℃のアクチベータ液(アトテックジャパン社製、アクチベータネオガントB)に5分間、30℃のリデューサ液(アトテックジャパン社製、リデューサネオガ
ントWA)に5分間、35℃の無電解メッキ液(アトテックジャパン社製、MSK−DK)に20分間、上記の順番で浸漬し無電解メッキを行った。次に、アニール150℃30分加熱処理をした。その後、電解メッキ(奥野製薬社製、OPC高純度硫酸銅メッキ)を行った。
次に、200℃60分間処理を行い、絶縁性樹脂を硬化させ、表面にソルダーレジスト層を形成して、4層の多層配線板を作製した。
上記作製した多層配線板を用いて、半田ボールが搭載された半導体チップを多層配線板に接合し、多層配線板と半導体チップとの隙間を封止樹脂組成物にて封止して半導体装置を作製した。作製した半導体装置を用いて以下の評価方法により評価して、表1に示した。
1.硬化度の測定
上記多層配線板作製時の工程(2)の熱処理後の絶縁性樹脂の硬化度を測定した。
硬化度の測定方法は、熱処理により絶縁性樹脂の硬化度を80%以上95%以下とする工程後の試料表面を適量削り取り、DSCにて10℃/分の条件で測定した。熱処理条件は、表に記載した条件で実施した。
このとき、得られる発熱量を発熱量A(J/g)とした。次に、得られた発熱量A(J/g)を圧着工程前の絶縁性樹脂のDSCにて得られる発熱量B(J/g)を基準として下記式にて算出した。
硬化度(%)=(発熱量B−発熱量A)/(発熱量B)×100
2.レーザー加工性(1)、(2)
上記多層配線板作製時の工程(3)のデスミア工程後のビア形状を観察した。評価項目は、樹脂残渣除去の可否、ビア壁面またはビアトップ周辺のクラックをSEM観察で確認した。樹脂残渣が観察されなかった場合を、樹脂残渣「○」と、樹脂残渣が観察された場合を、樹脂残渣「×」とした。また、ビア壁面およびビアトップ周辺のどこにもクラックの発生がなかった場合を、クラック「○」と、ビア壁面またはビアトップ周辺のどこかでもクラックの発生があった場合を、クラック「×」とした。
レーザー加工性(1)は、デスミア工程の条件を、60℃の膨潤液に5分間、80℃の過マンガン酸ナトリウム水溶液に15分、40℃の中和液に5分として評価を行った。
レーザー加工性(2)は、デスミア工程の条件を、80℃の膨潤液に10分、80℃の過マンガン酸ナトリウム水溶液に20分、40℃の中和液に5分として評価を行った。
上記作製した多層配線板を用いて、最高温度260℃3秒のリフロー工程を30回実施し、多層配線板の膨れを確認した。膨れた時点で試験終了とし、膨れるまでの回数、膨れの程度で評価した。膨れの程度は多層配線板面積に対する膨れ面積の割合で30回・膨れなしを合格とし「○」、膨れ面積10%未満を「△」、10%以上を「×」とした。
同様の評価を半導体装置でも実施し、その結果は、多層配線板と同様の結果であった。
実施例1の170℃で30分間の熱処理を170℃で60分間とし、硬化度90%を95%に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1の170℃で30分間の熱処理を170℃で20分間とし、硬化度90%を85%に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に示した。
比較例1は、実施例1とは、キャリアフィルムの剥離を熱処理前に行う点が異なる。
すなわち、上記実施例1の多層配線板の製造方法において、キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートを回路基板にラミネートする工程までは、実施例1と同様の方法で行った。次に、キャリアフィルムを物理的に剥離し、170℃で45分間熱処理し、前記絶縁性樹脂層を熱硬化させた。この時の硬化度は、90%であった。以降の工程は実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に示した。
比較例1の170℃で45分間の熱処理を、170℃で60分間とし、硬化度90%を硬化度95%に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に
示した。
(比較例3)
比較例1の170℃で45分間の熱処理を、170℃で30分間とし、硬化度90%を硬化度85%に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に
示した。
実施例1の170℃で30分間の熱処理を、190℃で60分間とし、硬化度90%を硬化度98%に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に
示した。
(比較例5)
実施例1の170℃で30分間の熱処理を、170℃で15分間とし、硬化度90%を硬化度75%に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。評価結果を表1に
示した。
一方、比較例1、3および5では、デスミア条件の強いレーザー加工性(2)でクラックが発生した。また、比較例2および4では、デスミアの弱いレーザー加工性(1)において、樹脂残渣除去が不十分であった。
以上の結果より、本発明の多層配線板の製造方法では、ビア形成時のクラック、樹脂残渣の特性について、優れるものである。
リフロー性評価の結果、実施例1〜3では、リフロー工程回数30回実施後も、膨れはなく、耐熱性に優れるものであった。一方、比較例1〜2では30回実施前に膨れが発生した。
これより、本発明の製造方法において、リフロー時の多層配線板膨れ不良発生がリフロー工程30回実施後でも発生しないことから、多層配線板作製時の熱時膨れによる歩留まり低下を抑制することができるものである。また、より熱履歴の厳しい多層配線板の製造方法も期待できる。
2 銅箔層
3、23 導体回路
4、24 絶縁性樹脂(熱処理前)
5、25 キャリアフィルム
6、26 絶縁性樹脂(硬化度80%以上95%以下)
7、27 ビアホール
8 無電解めっき層
9 レジスト膜
10 導体層
11 導体回路
Claims (6)
- 導体回路と絶縁性樹脂層を組合せてなる多層配線板の製造方法であって、少なくとも、
(1)導体回路が形成された回路基板の導体回路面とキャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートの絶縁性樹脂面とが対峙するように張り合わせて熱圧着する工程、
(2)該キャリアフィルム付き絶縁性樹脂シートのキャリアフィルムをつけたままで熱処理し、絶縁性樹脂の硬化度を80%以上95%以下とする工程、
(3)絶縁性樹脂にレーザー照射することによりビアホールを形成する工程、
(4)その後、さらに熱処理を行うことにより絶縁性樹脂を硬化する工程、
を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 前記キャリアフィルムが熱可塑性フィルムである請求項1に記載の多層配線板の製造方法。
- レーザー照射によるビアホール形成前に絶縁性樹脂シートのキャリアフィルムを剥離する工程を含む請求項1または2に記載の多層配線板の製造方法。
- 工程(1)〜(4)および導体回路を形成する工程を複数回行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層配線板の製造方法により製造されたことを特徴とする多層配線板。
- 請求項5記載の多層配線板に半導体素子を搭載したことを特徴とする半導体装置。
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