JP3239681B2 - 片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置 - Google Patents

片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置

Info

Publication number
JP3239681B2
JP3239681B2 JP09428295A JP9428295A JP3239681B2 JP 3239681 B2 JP3239681 B2 JP 3239681B2 JP 09428295 A JP09428295 A JP 09428295A JP 9428295 A JP9428295 A JP 9428295A JP 3239681 B2 JP3239681 B2 JP 3239681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backing
pad
self
welding
traveling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09428295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08267292A (ja
Inventor
友二 藤沢
修 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP09428295A priority Critical patent/JP3239681B2/ja
Publication of JPH08267292A publication Critical patent/JPH08267292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3239681B2 publication Critical patent/JP3239681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大径鉄管等の片面自
動溶接において管内面からの初層溶接時に管外面より溶
接の裏当てを行う機能と、溶接後に行なわれる溶接部の
非破壊検査において大径鉄管等の所定の位置にX線用フ
ィルムを配給する機能とを兼ね備えた装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、大径鉄管をトンネル内に敷設する
場合、トンネルと管外面との間に足場を組み立てて作業
者による溶接や検査等の作業が行われている。このよう
な従来の方法では、地盤と管外面との間に足場を組み立
てるためにトンネルを大きめに掘削する必要があり、こ
のための土木工事に多くのコストと工期を要している。
このような状況から、溶接施工や溶接後の検査の省人
化、高速化、簡素化を目指して片面自動溶接機やX線検
査装置の開発が行われており、それと並行して初層溶接
で必要となる裏当て工程を行う自動機やX線検査用のフ
ィルムを管面に対して配給する自動機の開発が進められ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来知られて
いる装置は初層溶接時の裏当てやX線用フィルムの配給
等のような単一機能を有する専用機であり、例えば、初
層溶接時の裏当て機能とX線用フィルムの配給機能を兼
ね備えた装置は全く知られていない。また、従来知られ
ている自動裏当て装置やX線用フィルムの配給装置には
以下のような問題がある。
【0004】まず、初層溶接時の裏当てを行う自動裏当
て装置に関して、特開平5−318184号公報に示さ
れる装置が知られている。この装置は、大径鉄管の外面
に予め装置移動用のレールを設置し、このレールに沿っ
て溶接機に同期して走行するもので、裏当て装置の移動
用モータの出力軸をギヤ及び自在継手を介して裏当てテ
ープの送りローラに接続し連動させることにより、装置
の走行速度と同じ速度で裏当てテープを送り出すように
したものである。
【0005】しかし、この方式では溶接すべき管体毎に
管外面に対して装置走行用のレールを設置する必要があ
り、それだけコストと工期の増大を招く。また、管体の
材質によってはレール取付の際の溶接により管に割れが
発生する恐れがあり、このため例えば、ハイテン70材
以上の管体の場合にはレール溶接の際に管体の予熱が必
要となるなど、余分な作業が増えるという問題もある。
また、この従来装置は裏当てテープの送りのために走行
系モータとテープ送りローラとをギヤ及び自在継手を介
して接続した構造であるため、構造が非常に複雑である
という難点があり、加えて、走行ローラとレールとの間
に滑りが生じた場合、裏当てテープも管面との間に滑り
を生じてしまい、良好な溶接を行うことができなくなる
という問題がある。
【0006】また、X線探傷や超音波探傷等により溶接
部の検査を行う際に用いられる装置(例えば、管壁面に
X線フィルムを貼り付けたり、探査等を行う装置)とし
て、永久磁石を装備したローラにより管壁面に吸着しつ
つ管体の外面を周方向に走行する無軌道型の磁気吸着式
走行装置が知られている。しかし実際には、走行ローラ
に単に磁石を取付けただけの構造では、各走行ローラを
3次元曲面である管面に常に適切に吸着させることが難
しく、走行の途中で磁石による吸着が不十分となって検
査車が管面から落下してしまうという問題がある。
【0007】また、このような磁気吸着式走行装置を裏
当て装置に適用することが考えられるが、裏当て装置は
管内面側の自動溶接機と正確に同期して移動させる必要
があり、しかも、管の目違い等に応じて軌道修正のため
の操舵を行う必要があるため、単純に無軌道型の磁気吸
着式走行方式を採用した場合、自動溶接機との正確な同
期ができなかったり或いは溶接線から外れたりするトラ
ブルを生じ、溶接機のトーチ直下に裏当てテープを適切
に供給、保持することができなくなる。さらに、走行ロ
ーラに付設された磁石の磁場により溶接アークが影響を
受け、正常な溶接ができなくなるという問題もある。
【0008】また、特開昭62−66146号公報では
多連型の磁石付き走行ローラを備えた自走式検査車によ
る非破壊検査システムが提案されている。このシステム
では、自走式検査車はX線用フィルムパックを保持して
磁石付き走行ローラにより管面に吸着しながらX線撮影
位置まで移動し、管内側のX線照射器からのX線照射に
よって検査車に保持されたX線用フィルムパックを露光
し、溶接部等のX線撮影を行う。そして、このような1
回の撮影が済むと、検査車を操作者の元まで帰還させて
X線用フィルムパックを回収し、検査車に新たなX線用
フィルムパックを装着した後、次のX線撮影位置まで移
動させてX線撮影を行なうものであり、これを繰り返す
ことによりX線撮影による管全周の非破壊検査を行う。
【0009】しかし、この従来装置は、1回のX線撮影
毎に検査車をX線用フィルムの回収と交換のために作業
者の元に帰還させる必要があり、作業が煩雑で時間がか
かる欠点がある。また、検査車がX線フィルムパックを
保持したままX線撮影が行われるため、X線用フィルム
と管面との間に隙間ができ、このため撮影されたX線写
真の画質が鮮明さに欠けるという問題もある。
【0010】したがって、本発明の第一の目的は、無軌
道型の磁気吸着式走行方式を採用することで、レールを
設置することなく管壁面等の被走行面を走行することが
できるとともに、初層溶接時の裏当て機能と溶接部のX
線撮影において管外面等にX線用フィルムを配給する機
能とを兼ね備え、しかも、裏当てテープ等のテープ体の
送りを走行速度と同期させるのに特別な連動機構を必要
とせず、また、走行ローラに滑りが生じた場合でもテー
プ体と被走行面との間に滑りを生じさせることがなく、
さらに、X線用フィルムの配給に際しては、X線用フィ
ルムをX線撮影位置の管壁面等に密着した状態に配給す
ることができるとともに、1回のX線撮影毎にX線用フ
ィルムの回収及び交換を行う必要がなく、能率的なX線
撮影を行うことができる装置を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、以下のような
課題を解決することにある。 管壁面等の被走行面に磁石付き走行ローラで適切に
吸着し、被走行面を常に安定して走行することができる
装置を提供すること 初層溶接時の裏当ての際に自動溶接機と正確に同期
して移動できるとともに、管の目違い等に応じて軌道修
正のための操舵を容易に行うことができる装置を提供す
ること 走行ローラに付設された磁石の磁場が裏当て時に溶
接アークに悪影響を与えない装置を提供すること 万が一磁石付き走行ローラの被走行面への吸着が不
十分となって被走行面から脱落しても、地面への落下を
防止することができる装置を提供すること
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような構成を有する。 (1) 複数の磁石付き走行ローラとその駆動手段を備
え、磁石付き走行ローラで管壁面等の被走行面に吸着し
ながら走行することができる自走台車と、該自走台車に
搭載されるテープ体押当て装置とからなり、該テープ体
押当て装置は、テープ体の格納リールと、回転用の駆動
手段を有し、その回転により前記格納リールからテープ
体を繰り出し、且つこれを巻取る巻取リールと、前記格
納リールと巻取リール間でテープ体を被走行面に押し当
てるための昇降可能な押当て手段とからなり、該押当て
手段は、脱着により相互に交換可能な裏当てパッドとX
線用フィルムの押当てパッドとを備えている、片面溶接
裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フィルム配給
機能を有する装置。
【0013】(2) 上記(1)の装置において、自走台車
が少なくとも前後左右の四輪が駆動する磁石付き走行ロ
ーラを備え、各走行ローラは台車幅方向揺動可能に構成
されるとともに、少なくとも台車前部または台車後部の
走行ローラがサスペンション機構を備えている、片面溶
接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フィルム配
給機能を有する装置。 (3) 上記(1)または(2)の装置において、自走台車が
少なくとも前後左右の四輪が駆動する磁石付き走行ロー
ラを備え、自走台車の各走行ローラにアキシャル型のリ
ング状永久磁石が同心状に組み込まれ、且つ左右の走行
ローラの互いに向き合う側でのリング状永久磁石の極が
同極である、片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のため
のX線用フィルム配給機能を有する装置。 (4) 上記(1)、(2)または(3)の装置において、自
走台車の前部および/または後部に、溶接機側のマーカ
を開先部の隙間を通じて撮影できるテレビカメラを設け
た、片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用
フィルム配給機能を有する装置。
【0014】(5) 上記(1)、(2)、(3)または(4)の
装置において、裏当てパッドのパッド面の裏当てテープ
送り方向前部及び後部の各位置にそれぞれ光検出器を設
け、該光検出器の受光出力に基づき裏当てパッドの溶接
進行方向における溶接トーチとの相対位置を検出する第
1の位置検出機構と、自走台車の前部及び後部の各位置
に、被走行面側に投光する投光手段と被走行面側からの
反射光を受光すべき光検出器とを台車幅方向で適当な間
隔をおいて各1対設け、該光検出器が検出する反射光の
照度または光検出器の受光出力に基づき、被走行面に引
かれた操舵用ベースラインとその外側の被走行面とを判
別することで裏当てパッドの溶接線に対する回頭または
/および横ずれを検出する第2の位置検出機構と、前記
第1の位置検出機構及び第2の位置検出機構による位置
検出情報に基づいて、裏当てパッドが溶接トーチ直下に
位置するよう自走台車の走行速度制御及び操舵を行う制
御手段とを有する、片面溶接裏当て機能及び非破壊検査
のためのX線用フィルム配給機能を有する装置。
【0015】(6) 上記(5)の装置において、裏当てパ
ッドのパッド面の裏当てテープ送り方向前部及び後部の
各位置に設けられる光検出器が、裏当てパッド幅方向で
適当な間隔をおいて配される少なくとも1対の光検出器
からなる、片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のための
X線用フィルム配給機能を有する装置。 (7) 上記(5)または(6)の装置において、第2の位置
検出機構における投光手段及び光検出器が光電スイッチ
により構成されている、片面溶接裏当て機能及び非破壊
検査のためのX線用フィルム配給機能を有する装置。
【0016】(8) 上記(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)または(7)の装置において、押当てパッド
が、X線用フィルムを装着したテープ体に付されたマー
クを検出できる検出手段を有している、片面溶接裏当て
機能及び非破壊検査のためのX線用フィルム配給機能を
有する装置。 (9) 上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)
または(8)の装置において、自走台車が、大径管等の外
周にリング状に巻かれたロープを挿通させるためのガイ
ドを有している、片面溶接裏当て機能及び非破壊検査の
ためのX線用フィルム配給機能を有する装置。
【0017】
【0018】
【作用】請求項1ないし9に記載の装置では、これを初
層溶接時の裏当て装置として用いる場合には、テープ体
押当て装置に裏当てテープが装着されるとともに、押当
て手段には裏当てパッドが取付けられる。一方、X線用
フィルムの配給装置として用いる場合には、テープ体押
当て装置にX線用フィルムを備えたテープ体が装着され
るとともに、押当て手段には前記裏当てパッドに代えて
X線用フィルムの押当てパッドが取付けられる。自走台
車は磁石付きの走行ローラで被溶接体(以下、大径鉄管
を例に説明する)の壁面に吸着しながらその外面を自走
することができる。
【0019】初層溶接時の裏当て装置として用いる場
合、装置は、大径管の内面からの初層溶接において溶接
トーチ直下の管外面に溶接金属を受けるための裏当てテ
ープを供給する。装置を構成する格納リールには裏当て
テープがコイル状に格納され、この格納リールから繰り
出された裏当てテープの先端は裏当てパッドのパッド面
を経由して巻取リールに巻取られている。溶接開始位置
において裏当てパッドを管面方向に下降させ、裏当てパ
ッドが裏当てテープを溶接開始点の管外面に押し当てた
状態とする。溶接が開始されると、自走台車は走行ロー
ラで管壁面に吸着しながら管外面を溶接方向に移動し、
これと同期して巻取リールがその回転用の駆動手段によ
り回転し、格納リールから裏当てテープを繰り出させ
る。格納リールからの裏当てテープの繰り出し速度は、
巻取リールの回転用の駆動手段を制御することにより自
走台車の走行速度に同期させる。
【0020】格納リールから繰り出された裏当てテープ
は、裏当てパッドのパッド面に沿って摺動しながら溶接
部裏面に押し当てられ、次いで順次巻取リールに巻取ら
れる。裏当てテープは溶接部裏面に押し当てられた際に
溶接アークを受けるため、焼損し管面に焼き付けを起こ
すが、巻取リールの回転駆動によって巻取リールと裏当
てパッド間に定テンションがかけられるため、管面に焼
き付いた裏当てテープは容易に引き剥がされ、巻取リー
ルに巻取られる。したがって、裏当てテープの巻取が遅
れてテープが管面に対して滑ることもなく、裏当てテー
プの送りを自走台車の走行と正確に同期させることがで
きる。また、自走台車の移動と裏当てテープの送りがそ
れぞれ独立した駆動手段により行われるため、何らかの
原因で自走台車の走行ローラが走行面に対して滑りを生
じた場合でも、裏当てテープはこれと関係なく溶接部裏
面に送給され、したがって溶接に支障を来すことはな
い。
【0021】X線用フィルムの配給装置として用いる場
合、格納リールには長手方向で適宜間隔をおいてX線用
フィルムを装着したテープ体がコイル状に格納され、こ
の格納リールから繰り出されたテープ体の先端は押当て
パッドのパッド面を経由して巻取リールに巻取られてい
る。X線撮影開始位置において押当てパッドを管面方向
に下降させ、押当てパッドによりテープ体のX線用フィ
ルムが装着された部分を管面に押し当て、X線用フィル
ムを管面に密着させる。X線撮影後、押当てパッドを上
昇させるとともに、テープ体を所定の長さ分だけ巻取リ
ールに巻取り、自走台車を次のX線撮影位置まで移動さ
せ、再び押当てパッドを下降させてX線用フィルムを管
面に押し当てX線撮影を行う。以上の手順を繰り返すこ
とにより、管全周のX線撮影を行う。
【0022】請求項2に記載の装置では、自走台車は少
なくとも前後左右の四輪が駆動する磁石付きの走行ロー
ラを備えているとともに、各走行ローラは台車幅方向で
の揺動が可能であり、且つ少なくとも台車前部または台
車後部の走行ローラがサスペンション機構を備えている
ため、駆動ローラである4輪の走行ローラは管壁面の曲
率や凸凹等に拘りなく、それぞれが管壁面に対して常に
直角に接触し、このため付設された磁石により管壁面に
確実に吸着する。このため自走台車は管壁面を無軌道で
安定して走行することができる。
【0023】初層溶接時の裏当ての際には、自走台車は
左右の磁石付き走行ローラが開先部を跨ぐようにして管
外周を溶接方向に走行する。ところで、永久磁石を鉄等
の強磁性材料に吸着させると、強磁性材は永久磁石によ
って磁化される。溶接においては、開先部が磁化される
と溶接アークの向きが磁場によって影響を受け、正常に
溶接できなくなる場合がある。特に、磁気吸着式の自走
台車の場合にはその自重を支えるためローラに強力な磁
力の永久磁石(例えば、1テスラ)を組み込む必要があ
り、単純にこのような強力な永久磁石を用いた場合に
は、溶接アークへの影響は避けられない。一般には、溶
接アークへの影響をなくすためには開先部の磁化を50
〜60ガウス以下に抑える必要がある。
【0024】この点、請求項3に記載の装置では、各走
行ローラにアキシャル型のリング状永久磁石を同心状に
組み込み、且つ左右の走行ローラの互いに向き合う側で
のリング状永久磁石の極が同極となるように構成したの
で、開先部を跨ぐ左右の走行ローラの永久磁石の磁力線
は開先部を挟んで互いに退け合う関係となり、このため
左右の走行ローラの永久磁石の磁力線は開先部から遠ざ
けられ、この結果、開先部の磁化が50〜60ガウス以
下に抑えられる。このため、永久磁石による溶接アーク
への影響をほとんどない。
【0025】請求項4に記載の装置では、台車に設けら
れたテレビカメラによって、溶接機に付設されたマーカ
を開先部の隙間を通じて撮影し、これを作業者がモニタ
ーで観察することにより、自走台車の速度調節及び操舵
を行う。なお、上記のテレビカメラは溶接部の裏波の検
査用としても用いることができる。請求項5に記載の装
置を使用する場合、初層溶接に先立って大径管の開先部
近傍の管外周面には開先部に沿うように操舵用ベースラ
インが引かれる。装置は、裏当てパッドの中心が溶接開
始位置での溶接トーチ直下に位置するよう大径管の外面
側にセットされる。溶接が開始されると、装置は管内面
側の溶接トーチと同期して、溶接進行方向に走行を開始
する。
【0026】この走行中、第1の位置検出機構を構成す
る裏当てパッドの前部及び後部の各位置に設けられた光
検出器が、裏当てテープの透過した溶接光もしくは裏当
てテープの赤熱発光を受光し、この光検出器の受光出力
に基づき裏当てパッドの溶接進行方向における溶接トー
チとの相対位置が検出される。例えば、溶接トーチが前
部の光検出器よりも溶接進行方向前方に位置する場合に
は、前部の光検出器の受光出力が大きく、後部の光検出
器の受光出力が小さくなり、一方、溶接トーチが前部の
光検出器と後部の光検出器との間に位置する場合には、
両光検出器の受光出力はともに大きくなる。したがっ
て、各光検出器の受光出力を特定のしきい値(溶接光ま
たは赤熱発光の受光の有無を判別するしきい値)と比較
することにより、或いは前部と後部の光検出器の受光出
力を直接比較することにより、裏当てパッドの溶接進行
方向における溶接トーチとの相対位置が検出できる。
【0027】すなわち、各光検出器の受光出力をしきい
値と比較する方式では、例えば、前部及び後部の光検出
器の受光出力が、溶接光または裏当てテープの赤熱発光
の受光の有無を判別するしきい値と比較され、“受光有
り”または“受光無し”の二値に変換される。そして、
前部の光検出器の受光出力が“受光有り”とされ、後部
の光検出器の受光出力が“受光無し”とされた場合に
は、溶接トーチが前部の光検出器よりも前方にあること
が検知される。一方、前部及び後部の光検出器の受光出
力がともに“受光有り”とされた場合には、溶接トーチ
は前部及び後部の光検出器の間に位置していることにな
る。
【0028】一方、前部及び後部の光検出器の受光出力
を直接比較する方式では、例えば、前部及び後部の光検
出器の受光出力が比較されてその偏差が求められ、この
偏差が特定のしきい値と比較され、偏差がしきい値より
も大である場合には溶接トーチが前部の光検出器よりも
前方にあることが検知され、一方、偏差がしきい値より
も小である場合には溶接トーチが前部及び後部の光検出
器の間に位置していることが検知される。また、請求項
7に記載の装置のように、前部および後部に各1対の光
検出器を設けることにより、裏当てパッドが溶接線に対
して左右どちらかに偏ったり或いは回頭したりしても、
左右いずれかの光検出器が溶接光等を捉えることがで
き、高い検出精度が得られる。
【0029】また、裏当てパッドの溶接線に対する左右
方向での位置ずれや回頭は、第2の位置検出機構により
検出される。開先部近傍の管外周面には、光の反射率が
管面よりも十分に大きいテープまたは塗料を用いて操舵
用ベースラインが形成されており、且つこの操舵用ベー
スラインの幅は前部及び後部における各1対の光検出器
による検出部間の間隔よりも若干狭くなっている。投光
手段から可視光または赤外線などを信号光として管面側
に投光し、管面側で反射した光を各投光手段に対応した
光検出器で受光する。
【0030】左右1対の光検出器による検出部間の間隔
は操舵用ベースラインの幅よりも若干広いため、装置が
溶接線に対して横ずれや回頭しないで走行している場合
には、前部及び後部の左右1対の光検出器は操舵用ベー
スライン外側の管面からの反射光を受光する。一方、装
置が溶接線に対して横方向にずれたり或いは回頭してい
る場合には、いずれかの光検出器が操舵用ベースライン
からの反射光を受光することになる。そして、操舵用ベ
ースライン外側の管面からの反射光と操舵用ベースライ
ンからの反射光はその照度が大きく異なるため、この照
度の違いに基づき或いは光検出器の受光出力に基づき操
舵用ベースラインとその外側の管面とを判別できる。
【0031】したがって例えば、前部左側の光検出器と
後部右側の光検出器のうちの一方若しくは両方が操舵用
ベースラインを検出した場合、第2の位置検出機構は装
置とこれを構成する裏当てパッドが溶接線に対して右方
向に回頭したことを検知する。また、前部右側の光検出
器と後部右側の光検出器の両方が操舵用ベースラインを
検出した場合、装置とこれを構成する裏当てパッドが溶
接線に対して左側に偏ったことを検知する。同様にし
て、1つ以上の光検出器による操舵用ベースラインの検
出により、装置及びこれを構成する裏当てパッドの左方
向への回頭や右側への横ずれが検知される。
【0032】第2の位置検出機構を構成する投光手段と
光検出器は、反射型の光電スイッチにより構成すること
ができ、この光電スイッチを用いることにより上記のよ
うな横ずれや回頭を検出を最も簡易に行うことができ
る。すなわち、この光電スイッチは反射光の照度により
ON・OFFするため、所定の照度以上の光を受光した
場合(つまり、操舵用ベースラインからの反射光を受光
した場合)にのみONとなるような光電スイッチを用い
ることにより、管面と操舵用ベースラインとを容易に判
別することができる。また、このような光電スイッチで
はなく、各光検出器の受光出力を所定のしきい値と比較
することで、操舵用ベースラインと管面とを判別するよ
うにすることもできる。
【0033】以上のような第1の位置検出機構及び第2
の位置検出機構による位置検出が逐次行われ、かかる位
置検出情報が制御手段に出力され、裏当てパッドが溶接
トーチ直下に位置するような自走台車の走行速度制御お
よび操舵が行われる。制御手段は第1の位置検出機構に
よる位置検出情報に基づき、自走台車の走行を例えば以
下のように制御する。すなわち、溶接トーチが前部の光
検出器よりも前方にあることが検知された場合には、裏
当てパッドは溶接トーチに対して若干遅れていることに
なるため、自走台車を駆動して装置を前進させ、裏当て
パッドが溶接トーチ直下に位置するようにする。また、
溶接トーチが前部及び後部の光検出器の間に位置してい
ることが検知された場合には、自走台車の走行を一時停
止するか或いは減速する。
【0034】また、他の制御例としては、溶接トーチが
前部の光検出器よりも前方にあることが検知された場合
には自走台車の走行速度を増大させ、一方、溶接トーチ
が前部及び後部の光検出器の間に位置していることが検
知された場合には自走台車を減速させる。また、制御手
段は第2の位置検出機構による位置検出情報に基づき、
自走台車の左右の走行ローラの回転数を制御し、或いは
自走台車が特別なステアリング機構を有している場合に
はこれを制御し、自走台車の進行方向を調整(操舵)す
ることで裏当てパッドの溶接線に対する横ずれまたは回
頭若しくはその両方を修正する。
【0035】請求項8に記載の装置では、X線用フィル
ムが装着されたテープ体の各X線用フィルムと対応した
位置に予めマークを付しておき、格納リールから繰り出
されるテープ体に付されたマークを押当てパッドに設け
られた検出手段で検出し、この検出に基づきテープ体の
送りを止めてX線用フィルムが押当てパッドの真下に位
置できるようにする。
【0036】請求項9に記載の装置では、大径管の外周
にリング状に巻かれたロープが自走台車のガイドに挿通
され、自走台車はロープをガイドで保持した状態で大径
管外面を周方向に走行し、この走行中ロープはガイド内
を摺動する。したがって、万が一走行ローラの磁石によ
る吸着が不十分になって装置が管壁面から脱落しても、
装置はロープに沿って大径管の下側まで滑り落ちるだけ
で済み、ロープによって保持されるため地面に落下する
ことはない。
【0037】
【実施例】図1ないし図23は本発明の装置の一実施例
を示すもので、図1は装置全体の平面図、図2は同じく
正面図、図3は同じく側面図である。この装置は、磁石
付き走行ローラで管壁面に吸着しながら走行することが
できる自走台車1と、この自走台車に搭載されるテープ
体押当て装置2とを備えている。前記自走台車1は、台
車本体100(台車の本体フレーム)の前後左右に駆動
輪である走行ローラ5a1,5a2,5b1,5b2を有し
ている。この自走台車1の走行ローラ及びその駆動機構
の構造については後に詳述する。
【0038】前記テープ体押当て装置2は、テープ体a
(裏当てテープa1またはX線用フィルムが装着された
テープ体a2)の格納リール3と、テープ体aの巻取リ
ール4と、両リール間でテープ体aを管面に押し付ける
昇降可能な押当て手段6とを備えており、この押当手段
6は、脱着により相互に交換可能な裏当てパッド7(図
7ないし図9参照)とX線用フィルムの押当てパッド8
(図10参照)とを有している。前記格納リール3、押
当て手段6及び巻取リール4は台車進行方向に直列した
状態で自走台車1に取り付けられている。
【0039】前記格納リール3と巻取リール4は、自走
台車1上のブラケット14,15に回転可能に軸支9,
10されるとともに、装置をX線用フィルムの配給に用
いる際に両リール中に巻かれたX線用フィルムがX線に
感光しないようにするため、全体が保護カバー12,1
3で覆われ、その一部にテープ体aを通過させるための
スリット(図示せず)が形成されている。この保護カバ
ー12,13はX線を透過させない鉛材等で構成するこ
とが好ましい。自走台車1には巻取リール4の回転駆動
手段であるモータ11が設けられ、巻取リール4は台車
走行用の駆動系とは関係なくモータ11により回転駆動
される。そして、この巻取リール4の回転駆動により格
納リール3からテープ体aが繰り出され、このテープ体
aは押当て手段6を経由した後巻取リール4に巻き取ら
れる。
【0040】図4ないし図6は、格納リール3の詳細を
示しており、この格納リール3には、当該リールと押当
て手段6(裏当てパッド7または押当てパッド8)間で
のテープ体aの弛みを防止するため、そのフリーな回転
を抑制する制動手段が付設されている。すなわち、上記
のようなテープ体aの弛みによる送給上のトラブルを防
止するためには、テープ体aがモータ11の駆動によっ
て巻取リール4側から牽引された場合にのみ格納リール
3から繰り出されるようにすることが好ましく、このた
め格納リール3に対して適当な回転力が外部から加えら
れた場合にのみ格納リール3の回転を許容するような制
動手段を設けている。
【0041】この実施例では、図4に示すように格納リ
ール3を軸支してしている支持軸16にディスクブレー
キ17を設けている。支持軸16の端部に外嵌したスリ
ーブ18の一端にはフランジ19を介してブレーキシュ
ー20が設けられており、スリーブ18が台車本体10
0に立設された固定板21の挿通孔22に挿通すること
で、前記ブレーキシュー20は固定板21の側面に接触
している。さらに、前記挿通孔22から突出したスリー
ブ18の他端側には付勢用のコイルスプリング23が外
装され、このコイルスプリング23は、各端部がスリー
ブ18の端部に形成されたフランジ部24と前記固定板
21に係止されることで、スリーブ18を反格納リール
方向に付勢し、ブレーキシュー20を固定板21に適当
な圧力で押し付け、格納リール3の回転に対して適当な
制動を加えられるようにしてある。
【0042】また、格納リール3の胴部25にはテープ
体aを係止するための係止機構26が設けられている
(図4及び図5参照)。この係止機構26は、格納リー
ルの胴部25の一部に切欠状に形成された段部27と、
この段部27に埋め込まれたスリーブ29と、テープ係
止用の鋸歯部280を有し、前記段部27上に配置され
る係止部材28と、一端部が前記係止部材28に連結さ
れ、他端側が前記スリーブ29に挿通したネジ付き軸3
0と、スリーブ29から突出したネジ付軸30のネジ部
に螺装された締付部材31とから構成され、係止部材2
8の鋸歯部280と段部27との間にテープ体aの端部
を挾み込み、締付部材31をスリーブ29に対して締め
付けることにより、段部27と鋸歯部280との間でテ
ープ体aを確実に係止できるようにしてある。なお、巻
取リール4にも同様の係止機構が設けられている。
【0043】さらに、格納リール3には、図5及び図6
に示すようなテープ体aの残量計測機構32が付設され
ている。この残量計測機構32は、保護カバー12の側
方に固定されたポテンションメータ33と、保護カバー
12を貫通してその内方に延出したポテンションメータ
33の回転軸34と、この回転軸34の先端に固定され
たアーム35と、一端がアーム35の先端に固定され、
他端が格納リール3の幅方向中央側に延出した支持軸3
6と、この支持軸36に回転可能に支持されたローラ3
7と、前記回転軸34に外装され、その各端部391,
392が保護カバー12の外側に固定された係止部38
とアーム35の側部にそれぞれ係止されたアーム付勢用
のコイルスプリング39とから構成され、コイルスプリ
ング39によってアーム35を格納リール3の胴部方向
に付勢することで、ローラ37を格納リール3の胴部2
5に巻かれたテープ体aのコイルの外面に押し付け、こ
の時のアーム35の回転角度を回転軸34を介してポテ
ンションメータ33で検出することにより、格納リール
3にコイル状に巻かれたテープ体aの残量を検出できる
ようにしてある。
【0044】前記押当て手段6は、テープ体aを管面に
押し付けて裏当てするための裏当てパッド7(及びこれ
と交換可能な押当てパッド8)、テープ体進行方向にお
ける裏当てパッド7(及びこれと交換可能な押当てパッ
ド8)の前後においてテープ体aをガイドするガイドロ
ーラ40,41、裏当てパッド7(及びこれと交換可能
な押当てパッド8)及びガイドローラ40,41をフレ
ーム42を介して昇降可能に保持する保持装置43等か
ら構成され、この押当て手段6は格納リール3と巻取リ
ール4の中間位置の自走台車1上に配置される。図7な
いし図10は押当て手段6の詳細を示すもので、図7は
裏当パッドを装着した状態を示す部分断面正面図、図8
は同じく部分断面側面図、図9はガイドローラ及びその
保持機構を示す縦断面図、図10は裏当てパッド7に代
えて押当てパッド8を装着した状態を示す部分側面図で
ある。
【0045】前記保持装置43は自走台車1上の支持プ
レート44に立設された架台45と、この架台45を構
成する1対の脚部451に上下方向スライド可能に取付
けられたスライド板46と、各上端が前記スライド板4
6に固定された1対の保持軸47と、前記スライド板4
6の中央に固定された固定ナット48と、上端側及び下
端がそれぞれ架台45の上部と支持プレート44に回転
自在に軸支され、そのネジ部が前記固定ナット48に螺
装されたスクリュー軸49と、このスクリュー軸49を
回転駆動させるため架台45に保持される昇降駆動用の
モータ50と、このモータ50の駆動力をスクリュー軸
49に伝えるための歯車51,52とから構成され、前
記1対の保持軸47がフレーム42の上面に連結されて
いる。この保持装置43では、モータ50でスクリュー
軸49を回転させることにより固定ナット48がスクリ
ュー軸49に対して上下方向で昇降するため、固定ナッ
ト48とスライド板46及び保持軸47を介して一体で
あるフレーム42も、台車本体100に対して昇降する
ことになる。
【0046】前記フレーム42の下部中央には裏当てパ
ッド7が脱着可能に保持され、また、フレーム42の下
部両端にはガイドローラ40,41がそれぞれ回転自在
に取り付けられている。裏当てパッド7(または押当て
パッド8)は付勢用(及び緩衝用)のコイルスプリング
53を介してフレーム42に脱着可能に取り付けられて
いる。図8はその取付構造の詳細を示しており、フレー
ム42には、上下端が開放し且つ下部にスプリング収納
用の大径部540を有するガイド筒54が立設されると
ともに、このガイド筒54の内部には、下端に裏当てパ
ッド7(または押当てパッド8)を脱着可能に連結すべ
き取付部56を有するスライド体55がガイド筒長手方
向にスライド可能に嵌装されている。
【0047】スライド体55の中間部にはコイルスプリ
ングの端部を係止するためのフランジ550が設けられ
ている。そして、大径部540内にはスライド体55に
外装されたコイルスプリング53が配され、このコイル
スプリング53の一端が前記大径部540の端部の段部
に、また他端が前記フランジ550にそれぞれ係止され
ている。したがって、裏当てパッド7(または押当てパ
ッド8)の押当て時においては、スライド体55と一体
の裏当てパッド7(または押当てパッド8)がコイルス
プリング53により管面方向に付勢されることになる。
また、ガイド筒54の上端には適当な長さのガイドスリ
ット541が形成され、一方、スライド体55の上端に
は前記ガイドスリット541にスライド可能に係合する
突片57が設けられており、前記ガイドスリット541
に突片57をガイドさせることにより、スライド体55
及びこれと一体の裏当てパッド7(または押当てパッド
8)のガイド筒54に対する回転とガイド筒54からの
脱落を防止している。
【0048】裏当てパッド7はその上面中央部に連結部
58を有し、この連結部58を前記前記スライド体55
の端部の取付部56に脱着可能に嵌合し、連結ピン60
で係止することにより、フレーム42に保持される。ま
た、裏当てパッド7は使用中に温度が上昇するために熱
伝導の高い材料(通常は銅製)で構成されており、この
ようなパッドを冷却するため、内部に冷媒流通用の通路
61を設けるとともに、この通路61に冷却ガス或いは
冷却水等の冷媒を供給する注入口62を設け、この注入
口62にホース等を接続して外部から冷媒を供給できる
ようにしてある。また、裏当てパッド7のパッド面69
には、裏当てテープa1を案内するための溝が形成され
ている。
【0049】また、図10に示される押当てパッド8に
ついても、裏当てパッド7と同様に上面中央部に連結部
59を有し、この連結部59を前記スライド体55の端
部の取付部56に脱着可能に嵌合し、連結ピン60で係
止することにより、フレーム42に保持される。また、
この押当てパッド8のパッド面70にも、X線用フィル
ムが装着されたテープ体a2を案内するための溝が形成
されている。また、押当てパッド8も、X線を遮蔽する
鉛材等で構成されている。
【0050】前記ガイドローラ40,41は、それぞれ
裏当てパッド7(または押当てパッド8)のテープ体進
行方向の前後の位置において、フレーム42の端部に回
転自在に軸支63,64されている。図9はこれらガイ
ドローラの取付構造をガイドローラ40を例に示したも
ので、ガイドローラ40は緩衝用のコイルスプリング6
5を介して軸支されている。すなわち、フレーム42に
はガイドローラの保持軸67を支持するための支持部材
66が図示しないスライド機構により上下スライド可能
に取り付けられ、この支持部材66とフレーム42間に
緩衝用のコイルスプリング65を介在させている。そし
て、ガイドローラ40の保持軸67は前記支持部材66
に固定され、保持軸67にベアリングを介してローラ本
体400が回転可能に保持されている。また、ガイドロ
ーラ40は、テープ体aの幅方向でのずれを防止するた
め、その両端に鍔部401を有している。このような構
造はガイドローラ41についても全く同様である。
【0051】裏当てテープa1は溶接部裏面に押し当て
られた際に溶接アークを受けるため、焼損し管面に焼き
付けを起こす。このような管面への焼き付けに対して
は、巻取リール4の回転駆動により巻取リール4と押当
て手段6間の裏当てテープa1に定テンションがかけら
れるため、管面に焼き付いた裏当てテープa1は容易に
引き剥がすことが可能であるが、このような焼き付いた
テープをより確実且つ速やかに引き剥がすためには、裏
当てテープa1を押当て手段6による押当て部から角度
をつけて引き剥がすようにすること、つまり、押当て手
段6から離れる裏当てテープa1を大きな角度で巻取リ
ール側に方向転換させるようにすることが好ましい。
【0052】このための条件を図11に基づいて説明す
ると、巻取リール4の胴部68(巻取ドラム部)の外周
に関する仮想接線であって、且つ巻取リール4側におい
て押当て手段6から裏当てテープa1が離れる地点(こ
の実施例ではガイドロール41の外周部)を通過する仮
想接線xと、押当て手段6の押当て面(裏当てパッド7
のパッド面69)と平行な仮想直線yとのなす巻取リー
ル側での角度θを、巻取リール4によるテープ巻取の支
障を生じない範囲で大きくすることが好ましい。具体的
にはこの角度θは45〜90°程度とすることが好まし
い。
【0053】次に、自走台車1の走行ローラ及びその駆
動機構について説明する。図12及び図13は各走行ロ
ーラ5(5a1,5a2,5b1,5b2)及びその駆動機
構の詳細を示しており、各走行ローラ5は1対のローラ
体71A,71Bを車軸72で一体に連結した構造から
なり、また、各ローラ体71(71A,71B)のロー
ラ本体は、リング状の永久磁石73とこれを両側から挟
む鋼製のリング状のローラ部材74とから構成され、し
たがって、リング状の永久磁石73は走行ローラ5に対
して同心状に組み込まれた構造となっている。
【0054】前記各ローラ体71(71A,71B)の
ローラ面は永久磁石73の部分が全周に亘って凹陥し、
永久磁石73が管面に直接接触しないようにしてある。
これは永久磁石73が管面に疵を付けないようにするた
めである。また、ローラ面を構成するローラ部材74の
表面には、電気的な絶縁およびスリップ防止のためゴム
ライニングが施してある。このゴムライニングとして
は、例えば、厚さ0.5mm程度のウレタンゴムが用い
られる。また、磁石による吸着力の増加とローラの軽量
化のために、ローラ部材74はローラ面側の部位740
を厚肉に、それ以外の部位741を薄肉に構成してあ
る。
【0055】各走行ローラ5は、その車軸72を支持す
る軸受体75a,75bを介して台車幅方向揺動可能に
構成されるとともに、台車前部の走行ローラ5a1,5
2がサスペンション機構76を備えている。以下これ
を詳細に説明すると、まず、台車前部の走行ローラ5a
1,5a2と台車後部の走行ローラ5b1,5b2は、それ
ぞれ車軸72がベアリング(図示せず)を介してボック
ス状の軸受体75a,75bに回転自在に支持されてい
る。
【0056】台車前部の走行ローラ5a1,5a2をそれ
ぞれ支持する1対の軸受体75aは、同軸受体後方の台
車本体部分に連結ピン77を介して連結されている(図
13参照)。この連結ピン77は、その一端部を台車本
体100に上下方向回動可能に枢着78するとともに、
その他端部側に軸受体75a側のピン挿通孔79をピン
周方向回動可能に外挿し、且つピン端部に抜け止め用の
係止部材80を設けることにより、軸受体75aを台車
本体100に連結している。連結ピン77の軸線の延長
線は、走行ローラ5a1,5a2の車軸72の長手方向中
心と交っており、このため軸受体75aは、連結ピン7
7の枢着部78を支点として上下方向揺動可能であると
ともに、車軸72の長手方向中心を支点として台車幅方
向揺動可能である。
【0057】一方、各軸受体75aの上部には、ブラケ
ット81及びピン82を介して走行ローラの脚部83が
台車前後方向揺動可能に立設され、この脚部83はサス
ペンション機構76を介して台車本体100に連結され
ている(図12参照)。前記サスペンション機構76
は、脚部83の先端と台車本体100側との間に介装さ
れたコイルスプリング84により構成されている。この
コイルスプリング84の上部及び下部は、脚部83に対
向するようにして台車本体100側に設けられた軸部8
5と前記脚部83の上端にそれぞれ外装され、コイルス
プリング84の上下端部は軸部85の基端と脚部83の
中間部にそれぞれ設けられたフランジ86,87で係止
されている。
【0058】走行ローラ5a1,5a2は上記サスペンシ
ョン機構76により台車本体100に対して上下動可能
であり、また、この上下動に応じて軸受体75aが枢着
部78及びピン82を支点として揺動し、走行ローラの
上下動を妨げないため、適切なサスペンション作用が得
られる。また、走行ローラ5a1,5a2の脚部83はサ
スペンション機構を構成するコイルスプリング84を介
して台車本体100に連結され、且つ軸受体75aは車
軸72の長手方向中心を支点として台車幅方向揺動可能
であるため、走行ローラ5a1,5a2は、前記コイルス
プリング84を長手方向で変形させることにより車軸7
2の長手方向中心を支点として台車幅方向での揺動が可
能である。
【0059】一方、台車後部の走行ローラ5b1,5b2
をそれぞれ支持する1対の車受体75bは、その前後部
を台車本体100の部材にピン88,89を介して台車
幅方向揺動可能に支持されている(図13参照)。上記
ピン88,89の軸線の延長線は走行ローラ5b1,5
2の各車軸72の長手方向中心と交っており、したが
って、走行ローラ5b1,5b2は各車軸72の長手方向
中心を支点として台車幅方向での揺動が可能である。
【0060】走行ローラ5は自走台車1の左右それぞれ
において前輪と後輪が1つのモータにより駆動されるよ
うになっており、各走行ローラ5の車軸72には、動力
伝達用のスプロケット90が取り付けられている(図1
3参照)。左右各々の駆動用モータ91A,91Bの出力
軸910は、かさ歯車92、歯車93、スプロケット9
4、チェーン95、スプロケット96,97及び前記ス
プロケット90を介して走行ローラ5a1,5b1及び走
行ローラ5a2,5b2に連絡され、各走行ローラ5を駆
動する。このように左右別々の駆動モータを備えたこと
により、左右の走行ローラ5a1及び5b1と5a2及び
5b2の回転数に差を与えることによって自走台車の操
舵を行なうことができる。
【0061】ローラ体71A,71Bに適用するリング
状の永久磁石73としては、図24に示すようにリング
の半径方向に磁化したラジアル型磁石と、図25に示す
ようにリングの軸方向に磁化したアキシャル型磁石とが
考えられるが、本発明では、一個のリング状永久磁石の
N極から出た磁束が大径鉄管を介して同じリング状永久
磁石のS極に収束するアキシャル型を用いる。さらに、
本発明では左右の走行ローラ5a1と走行ローラ5a2
互いに向き合う側でのリング状永久磁石73の極を、ま
た、同じく走行ローラ5b1と走行ローラ5b2の互いに
向き合う側でのリング状永久磁石73の極を、それぞれ
同極となるように構成している。
【0062】図14はこのように構成した走行ローラ5
1と走行ローラ5a2、走行ローラ5b1と走行ローラ
5b2が大径管pに吸着した際の磁力線98を示したも
ので、各走行ローラ5にアキシャル型のリング状永久磁
石73を同心状に組み込み、且つ左右の走行ローラ5a
1と走行ローラ5a2の互いに向き合う側でのリング状永
久磁石73の極を、また、同じく走行ローラ5b1と走
行ローラ5b2の互いに向き合う側でのリング状永久磁
石73の極を、それぞれ同極となるように構成している
ので、開先部99を跨ぐ左右の走行ローラ5の永久磁石
6の磁力線98が開先部99を挟んで互いに退け合う関
係となり、左右の走行ローラ5の永久磁石73の磁力線
は開先部99から遠ざけられ、これによって永久磁石7
3による開先部99の磁化が極く低く抑えられる。した
がって、溶接アークへの影響はほとんどない。
【0063】次に、本発明装置を裏当て装置として使用
する場合の位置検出機構について説明する。装置は、溶
接進行方向における裏当てパッド7の位置検出を行う第
1の位置検出機構と、溶接線に対する左右方向での裏当
てパッド7の位置検出を行う第2の位置検出機構を備え
ている。前記第1の位置検出機構は、裏当てパッド7の
パッド面69に設けられる光検出器(光電受光素子)を
用いて位置検出を行う。図15は裏当てパッド7及びそ
の保持構造を示すもので、同図(a)は側面図、同図
(b)は裏当てパッド7のパッド面69を示す図面であ
る。
【0064】裏当てパッド7のパッド面69の裏当てテ
ープ送り方向の前部及び後部の各位置には、裏当てパッ
ド幅方向で適当な間隔をおいて1対の光電受光素子10
1a1,101a2と光電受光素子101b1,101b2
が埋め込まれている。この光電受光素子101はフォト
ダイオード、フォトトランジスタ、CdS素子等、受光
量に応じた電気信号を出力する素子である。各光電受光
素子101は、パッド面69に形成された取付孔の内部
に挿入され、取付孔の上面を耐熱ガラス等の透明な封止
材で封止することによりパッド面69に埋設されてい
る。光電受光素子101は取付孔の内部に挿入され、且
つ封止材がパッド面と面一に取付孔を封止しているた
め、パッド面69には取付孔等による段差が無く、した
がって、裏当てテープa1はパッド面69上を円滑に摺
動することができる。
【0065】なお、この実施例では光電受光素子101
は裏当てパッド7の前部及び後部でそれぞれ1対ずつ配
置しているが、例えば、前部及び後部でそれぞれ複数対
の光電受光素子101を配置してもよく、これにより万
一いずれかの光電受光素子が破損した場合でも適切に対
応できる。
【0066】裏当てパッド7の前部及び後部の各位置に
おける光電受光素子101の数は任意であり、したがっ
て、前部及び後部の各位置において各1個の光電受光素
子101を設けることも可能である。しかし、この場合
には装置の横ずれや回頭により裏当てパッド7が溶接線
に対して左右方向に偏ると、光電受光素子101による
溶接光等の適切な検知ができなくなるおそれがある。そ
こで、この実施例では前部及び後部の各位置において裏
当てパッド幅方向に1対の光電受光素子101a1,1
01a2及び101b1,101b2を配することによ
り、裏当てパッド7が溶接線に対して左右方向に偏って
いる場合でも、溶接光等を適切に捉えることができるよ
うにしている。
【0067】また、この実施例では、左右1対の光電受
光素子101の受光出力を加算して位置検出に用いるこ
とを前提としているため、左右の光電受光素子101a
1,101a2及び101b1,101b2を裏当てパッド
7の中心から十分に離すことができ、このため裏波ビー
ドに悪影響を与えず、また裏当てテープa1が溶接アー
クにより焼き切れても各光電受光素子101が直接アー
クを受けることがなく、各光電受光素子101の破損が
適切に防止される。また、裏当てパッド7の前部及び後
部の各位置の光電受光素子101は、左右でそれぞれ2
個以上設けることも可能である。
【0068】図17は第1の位置検出機構を構成する検
出系のブロック図であり、102a及び102bは前部
及び後部の各1対の光電受光素子101a1,101a2
及び101b1,101b2の受光出力を加算する加算
器、103a及び103bはフィルタ、104a及び1
04bは設定器105a及び105bで設定されたしき
い値と前記加算された受光出力とを比較し、“受光有
り”または“受光無し”を出力する比較器、106は比
較器104a及び104bからの出力に基づき、裏当て
パッド7の溶接進行方向における溶接トーチbとの相対
位置を検出する判別回路である。
【0069】前記第2の位置検出機構は、自走台車1の
前部及び後部の各位置に配される投光手段及び光検出器
(光電受光素子)と管外面に引かれた操舵用ベースライ
ンとを用いて位置検出を行う。この実施例では、投光手
段及び光検出器は反射型の光電スイッチ107により構
成されている。図1及び図16に示すように、自走台車
1の一方の側部の前部及び後部の各位置には、台車幅方
向で適当な間隔をおいた1対の光電スイッチ107
1,107a2及び107b1,107b2を取付ステー
108a,108bを介して設けている。これら光電ス
イッチ107は、その投光手段が可視光または赤外線等
の信号光を管面側に投光し、管面側で反射した光を受光
検出する反射型の光電スイッチである。
【0070】開先部近傍の管外周面には、光の反射率が
管面より十分に大きいテープまたは塗料等を用いて操舵
用ベースラインBが形成されており、また、前部及び後
部における各1対の光電スイッチ107a1及び107
2、光電スイッチ107b1及び107b2による検出
部間の間隔は、操舵用ベースラインBの幅よりも若干大
きめに構成されている。この各光電スイッチ107は反
射光の照度により出力がON・OFFするものであり、
所定の照度以上の光を受光した場合(つまり、操舵用ベ
ースラインBからの反射光を受光した場合)にのみON
となるような光電スイッチが用いられる。図18は第2
の位置検出機構を構成する検出系のブロック図であり、
109は光電スイッチ107a1,107a2,107b
1,107b2からの出力に基づき、裏当てパッド10の
横ずれまたは/及び回頭を検出する判別回路である。
【0071】次に、押当てパッド8に付設されたマーク
検出手段について説明する。図19は押当てパッド8及
びその保持構造を示すもので、同図(a)は側面図,同
図(b)は押当パッド8のパッド面70を示す図面であ
る。押当てパッド8のパッド面70にはテープ体a2
付されたマークを検出するためのセンサ110(例え
ば、透過型センサ)が埋め込まれている。テープ体a2
には長手方向で適宜間隔をおいてX線用フィルム131
が装着されるとともに、この各X線用フィルム131に
対応した位置にマーク130(例えば、複数の穴、レー
ザマーカ、インクジェット等)が付されており、このマ
ーク130を前記センサ110が検出し、この検出に基
づきテープ体a2の送りを停止できるようにしてある。
【0072】台車本体100の両側部の各2箇所には、
大径管pに巻かれたロープを挿通させるためのガイド1
11が設けられている(図1ないし図3参照)。図1
2、図20及び図21は各ガイド111の詳細を示して
おり、各ガイド111は、台車本体100の側部に固定
されたガイド本体112と、このガイド本体112にピ
ン113を介して回動可能に取り付けられた回動部材1
14とを有している。これらガイド本体112と回動部
材114は、それぞれガイド孔の一部を構成すべき半円
状の切欠き部116a,116b有しており、回動部材
114をガイド本体112側に回動させた際に両切欠き
部116a,116bによりガイド孔115が形成され
るようにしてある。また、ガイド本体112のガイド孔
の一部を構成する部分(切欠き部116aが形成された
部分)の部材117は電気絶縁性の滑材(例えば、超高
分子ポリエチレン)により構成され、ワイヤロープ
1,w2がガイド孔115内を円滑に摺動できるように
するとともに、装置側の電流が大径管側に流れないよう
に絶縁している。
【0073】また、ガイド本体112には前記回動部材
114をロックするためのロックレバー118がピン1
19を介して回動可能に取り付けられ、このロックレバ
ー118の係止段部120が回動部材114の先端上部
に係合することで、ガイド本体112側に回動した回動
部材114をロックできるようにしてある。ロックレバ
ー118と台車本体100の側部との間には、ロックレ
バー118をロック状態に保持するための付勢用コイル
スプリング121が設けられている。したがって、回動
部材114を反ガイド本体方向に回動させた状態で、切
欠き部116a内にワイヤロープw1(またはw2)を位
置させた後、回動部材114をガイド本体方向に回動さ
せ、しかる後ロックレバー118で回動部材114をロ
ックすることにより、ワイヤロープw1(またはw2)が
ガイド孔115に挿通した状態とすることができる。
【0074】自走台車1の前部及び後部には、走行して
いる管壁面を撮影するための工業用テレビカメラ122
A〜122Cとこれらテレビカメラに付随する照明装置
123A〜123Cが、台車本体100の前方及び後方
に延出した取付フレーム124を介して設けられている
(図1ないし図3参照)。なお、このテレビカメラ12
2A〜122Cは、後述するように自走台車の位置検出
や溶接部の裏波検査用として好適に利用でき、特に、前
者に利用する場合には、管内側の溶接機に付設されたマ
ーカを開先部の隙間を通じて撮影できるような位置に取
付けられる。さらに図22及び図23に示すように、台
車本体100上には支持フレームを介して固定されたポ
テンショメータ129(またはエンコーダ)と、その回
転軸127に取り付けられた振り子126とからなる傾
斜計125が設けられ、この傾斜計125からの出力で
装置の管周方向における位置を検知できるようにしてい
る。
【0075】また、図において128は台車本体100
上に設けられた制御装置であり、自走台車1やテープ体
押当て装置2の制御はこの制御装置128を介して遠隔
操作により行われ、また、工業用テレビカメラ122A
〜122Cによる映像や傾斜計125からの出力も制御
装置128を経由して作業者のいる操作盤に送られる。
【0076】
【0077】次に、図1ないし図23に示す実施例の装
置Aの使用法を説明する。図26及び図27は、装置A
を大径管pの初層溶接を行う際の裏当て装置として用い
る場合の実施状況を示しており、この場合には、押当て
手段6に裏当てパッド7が取り付けられ、また、大径管
pの開先近傍の管外周面には開先部99に沿うように操
舵用ベースラインBが引かれる。装置Aは、大径管pの
溶接開始位置に自走台車1の走行ローラ5が開先部99
を跨ぐようにして置かれ、裏当てパッド7の中心が溶接
開始位置での溶接トーチbの直下に位置するようセット
される。このようにセットされた装置Aは、各走行ロー
ラ5がその永久磁石73により管面に吸着し、自走台車
1を管面に保持する。またこの状態で、格納リール3に
は裏当てテープaがコイル状に格納され、その格納リ
ール3から繰り出された裏当てテープaの先端は、ガ
イドローラ40、裏当てパッド7及びガイドローラ41
を経由して巻取リール4に巻取られており、また、裏当
てパッド7は保持装置43及び付勢用のコイルスプリン
グ53で裏当てテープaを溶接開始点の管外面に押し
当てている。
【0078】溶接が開始されると、自走台車1は磁石付
きの走行ローラ5で管面に吸着しながら管外面を溶接方
向に移動し、これと同期して巻取リール4がモータ11
により回転し、格納リール3から裏当てテープa1が繰
り出される。格納リール3からの裏当てテープa1の繰
り出し速度は、モータ11を制御することにより自走台
車1の走行速度に同期させる。一方、格納リール3から
繰り出された裏当てテープa1は、ガイドローラ40に
ガイドされることで、裏当てパッド7の角部等に接触す
ることなく裏当てパッド7のパッド面69に円滑に導か
れ、この裏当てパッド7のパッド面69に沿って摺動し
ながら溶接部裏面に押し当てられる。次いで、裏当てテ
ープa1はパッド面69から離れ、ガイドローラ41を
介して巻取リール方向に導かれるが、この際ガイドロー
ラ41によりガイドされることで、裏当てパッド7の角
部等に接触することなく、円滑に方向転換して巻取リー
ル4方向に導かれ、巻取リール4に順次巻取られる。
【0079】裏当てテープa1は溶接部裏面に押し当て
られた溶接アークを受けるため、焼損し管面に焼き付け
を起こすが、巻取リールの回転駆動により巻取リール4
と裏当てパッド7間に定テンションがかけられるため、
管面に焼き付いた裏当てテープa1は容易に引き剥がさ
れ、巻取リール4に巻取られる。また、前記仮想接線x
と仮想直線yとのなす角度θが40〜90°に制限され
ている場合には、裏当てテープa1が管面から大きな角
度で引き剥がされるため、焼き付いたテープをより確実
に且つ速やかに引き剥がすことができる。したがって、
裏当てテープa1の巻取が遅れてテープが管面に対して
滑ることもなく、裏当てテープa1の送りを自走台車1
の走行と正確に同期させることができる。
【0080】また、自走台車1の移動と裏当てテープa
1の送りを行う巻取リール4の回転がそれぞれ独立した
駆動手段により行われるため、何らかの原因で自走台車
1が走行面に対して滑りを生じた場合でも、裏当てテー
プa1はこれと関係なく溶接部裏面に送給されることに
なる。また、格納リール3に付設された回転制動手段で
あるディスクブレーキ17の作用により、裏当てテープ
1は巻取リール側から牽引された時だけ格納リール3
から繰り出されるため、格納リール3と裏当てパッド7
間での裏当てテープa1の弛みが防止され、裏当てテー
プ送給上のトラブルも防止される。
【0081】この溶接では、先に述べたように開先部9
9を跨ぐ左右の走行ローラ5a1と走行ローラ5a2、走
行ローラ5b1と走行ローラ5b2の永久磁石73の磁力
線が開先部99を挟んで互いに退け合う関係となるた
め、左右の走行ローラの永久磁石73の磁力線は開先部
99から遠ざけられ、これによって永久磁石73により
開先部99の磁化が極く低く抑えられ、永久磁石73が
溶接に悪影響を及ぼすことはない。
【0082】また、自走台車1の走行制御は次のように
して行われる。自走台車1の走行中、第1の位置検出機
構を構成する光電受光素子101a1,101a2及び1
01b1,101b2が、裏当てテープa1を透過した溶
接光もしくは裏当てテープの赤熱発光を受光し、この光
電受光素子101の受光出力に基づき、裏当てパッド7
の溶接進行方向における溶接トーチbとの相対位置が検
出される。これを図17に基づき説明すると、前方の光
電受光素子101a1,101a2の受光出力は加算器1
02aで、また、後方の光電受光素子101b1,10
1b2の受光出力は加算器102bでそれぞれ加算され
る。それぞれの加算信号はフィルタ103a,103b
を通って比較器104a,104bに入力され、設定器
105a,105bで予め設定されたしきい値と比較さ
れ、“受光有り”、“受光無し”の二値に変換され、判
定回路106に入力される。
【0083】判定回路106では、比較器104a(前
部の光電受光素子101a1,101a2)からの出力が
“受光有り”で比較器104b(後部の光電受光素子1
01b1,101b2)からの出力が“受光無し”の場合
には、溶接トーチbが前部の光電受光素子101a1
101a2よりも前方に位置していることを判別し、制
御装置128に自走台車1を駆動させるような指令信号
を出す。一方、比較器104a(前部の光電受光素子1
01a1,101a2)からの出力と比較器104b(後
部の光電受光素子101b1,101b2)からの出力が
ともに“受光有り”の場合には、溶接トーチbが前部の
光電受光素子101a,101a2と後部の光電受光素
子101b1,101b2との間にあることを判別し、制
御装置128に自走台車1の走行を停止する指令信号を
出す。
【0084】また、この実施例のように、裏当てパッド
7の前部および後部に各1対の光電受光素子101
1,101a2及び101b1,101b2を設けること
により、裏当てパッド7が溶接線に対して左右どちらか
に偏っていたり或いは回頭したりしていても、左右いず
れかの光電受光素子101が溶接光等を捉えることがで
き、高い検出精度が得られる。なお、第1の位置検出機
構による位置検出は、本実施例に限定されるものではな
く、例えば、前部及び後部の光電受光素子101a1
101a2及び101b1,101b2の受光出力を図1
7と同様に加算した後、加算された両受光出力を比較器
で比較してその偏差を求め、この偏差を特定のしきい値
と比較して、例えば、偏差がしきい値よりも大である場
合には溶接トーチが前部の光電受光素子よりも前方にあ
ることを検知し、偏差がしきい値よりも小である場合に
は溶接トーチが前部及び後部の光電受光素子の間に位置
していることを検知することもできる。
【0085】また、第2の位置検出機構を構成する光電
スイッチ107a1,107a2,107b1,107b2
は投光手段から可視光または赤外線などを信号光として
管面側に投光し、管面側で反射した光を受光する。光電
スイッチ107は反射光の照度によりON・OFFし、
照度の大きい操舵用ベースラインBからの反射光を受光
した場合にのみONとなる。図18に示すように各光電
スイッチ107の出力は判別回路109に入力され、こ
の判別回路109では、例えば前部左側の光電スイッチ
107a1と後部右側の光電スイッチ107b2のうちの
一方もしくは両方からの出力があった場合、裏当てパッ
ド7が右方向に回頭したことを検知する。また、前部右
側の光電スイッチ107a2と後部右側の光電スイッチ
107b2の両方から出力があった場合、裏当てパッド
7が溶接線に対して左側に偏ったことを検知する。同様
にして、裏当てパッド7の左方向への回頭や溶接線に対
する右側への横ずれを検知する。
【0086】そして、これらの検知に応じて、判別回路
109から制御装置128に自走台車1を操舵する指令
信号、具体的には左右の走行ローラ5の回転数を制御す
る指令信号が出される。一方、全部の光電スイッチから
の出力がない場合には、裏当てパッド7は横ずれや回頭
することなく正規の位置及び姿勢にあることになる。制
御装置128は上記の第1及び第2の位置検知機構から
の指令信号に基づき、自走台車1の駆動装置(モータ)
を制御し、走行ローラ5の駆動、停止及び左右の走行ロ
ーラ5の回転数を調整する。
【0087】なお、装置Aの溶接機への追尾は、上記の
ような第1の位置検出機構を用いることなく、例えば溶
接機の前後に付設されたマーカを開先部99の隙間から
テレビカメラ122A〜122Cで撮影し、これをモニ
ターで観察することによっても行なうことができる。ま
た、装置Aの姿勢制御についても、上記のような第2の
位置検出機構を用いることなく、例えばテレビカメラ1
22A〜122Cで装置Aの前後の開先線と裏波とを撮
影し、この開先線と裏波が常にモニターの中心に位置す
るよう自走台車を操舵すことにより行なうことができ
る。
【0088】自走台車1は四輪駆動式の磁石付き走行ロ
ーラ5a1,5a2,5b1,5b2を備え、各走行ローラ
5は台車幅方向での揺動が可能であり、しかも台車前部
の走行ローラ5a1,5a2がサスペンション機構76を
備えているため、各走行ローラ5が3次元曲面である管
面に常に直角に接触することができ、このため磁石付き
の走行ローラ5は管壁面に確実に吸着し、自走台車1は
管面上を安定して走行する。
【0089】また、万が一磁石付き走行ローラ5の吸着
が不十分で装置が管壁面から脱落した場合でも地面に落
下して損傷しないようにするため、図27に示すように
自走台車1は大径管pに巻かれたロープをガイドとして
走行する。すなわち、大径管pの外周には突合せ溶接部
xを挟んで2本のワイヤロープw,wを若干緩めに
(装置が大径管pの下側でワイヤロープw,wから
ぶら下がっても装置が接地しない程度の緩さ)巻回して
ある。各ワイヤロープw,wは両端部をクリップ等
で繁ぎ、大径管pを外囲するリング状のロープに構成し
てある。なお、このワイヤロープw,wはその端部
を大径管に接続固定してもよい。
【0090】台車本体100に設けられた各ガイド11
1のガイド孔115にワイヤロープw1,w2を通し、こ
の状態で自走台車1を管周方向で走行させる。この走行
中、ワイヤロープw1,w2はガイド孔115内を摺動す
る。したがって、万が一走行中に走行ローラ5の管壁面
への吸着が不十分で装置が管壁面から脱落しても、装置
はワイヤロープw1,w2に沿って大径管pの下側まで滑
り落ちるだけで済み、ワイヤロープw1,w2によって保
持されるため地面に落下することはない。
【0091】次に、装置Aを溶接部のX線撮影を行う際
のX線用フィルムの配給装置として用いる場合には、押
当て手段6に裏当てパッド7に代えて押当てパッド8が
装着され、また、格納リール3にはX線用フィルムが装
着されたテープ体a2がコイル状に格納され、その格納
リール3から繰り出されたテープ体a2の先端は、ガイ
ドローラ40、押当パッド8及びガイドローラ41を経
由して巻取リール4に巻取られている。
【0092】図28はテープ体aの平面図であり、テ
ープ体aにはその長手方向で適宜間隔をおいてポケッ
ト部132が設けられ、この各ポケット部132にX線
用フィルム131が収納されている。隣り合うX線フィ
ルム131どうしの間隔は、任意のX線用フィルム13
1についてX線撮影を行った際に隣り合うX線用フィル
ムがX線により感光しないような間隔としている。
【0093】自走台車1を磁石付き走行ローラ5で管壁
面に吸着しながら突合せ溶接部xに沿って管外面を走行
させ、X線撮影位置(管内側にX線照射器がある位置)
まで移動させる。この際、工業用テレビカメラ122A
〜122Cにより自走台車1の前後の管面が撮影され、
操作盤を操作する作業者はテレビカメラの映像を見なが
ら溶接部xに合わせて自走台車1の姿勢を制御する。ま
た、傾斜計125から送られてくるデータにより装置A
の管周方向における現在位置を知ることができ、これに
より装置AをX線用撮影位置まで正確に移動させること
ができる。また、操作盤に設けたデジタルスイッチで、
当該X線用撮影位置に対応する角度をプリセットし、こ
の設定角度と傾斜計125から出力されるデータとの差
分が0°になるまで自走台車1を走行させるようにすれ
ば、装置Aの自動位置決めを行うことができる。
【0094】このような装置AのX線撮影位置までの移
動とともに、テープ体a2に装着されたX線用フィルム
131が押当てパッド8のパッド面70の位置にくるよ
うにテープ体a2の繰り出しを行う。すなわち、巻取リ
ール4による巻取りによりテープ体a2を格納リール3
から繰り出し、押当てパッド8のパッド面70に設けら
れたセンサ110がX線用フィルム位置のマーク130
を検知した時点でテープ体a2の送り(巻取り)を停止
する。これにより、テープ体a2のX線用フィルム13
1は押当パッド8のパッド面70の真下に位置すること
となる。
【0095】X線撮影位置において、保持装置43によ
り押当てパッド8を下降させてそのパッド面70により
テープ体a2のX線用フィルム131を管面(突合せ溶
接部xを含む管面)に押し当てる。これによりX線用フ
ィルム131を管面に密着させた状態にセットすること
ができる。管内側のX線撮影器によるX線撮影後、押当
てパッド8を上昇させて押当てパッド8によるX線用フ
ィルム131の拘束を解除した後、自走台車1を次のX
線撮影位置まで移動させるとともに、上述したセンサ1
10によるマーク130の検出によりテープ体a2を所
定量だけ巻取リール側に送り、次のX線用フィルム13
1を押当てパッド8のパッド面70の真下に位置させ
る。そして、上述したと同じ手順でX線撮影を行い、こ
のような手順を繰り返すことにより管全周のX線撮影を
行なう。
【0096】なお、このようなX線撮影の際にも、先に
述べた初層溶接の裏当て時と同様に、自走台車1はその
走行ローラ5が管壁面に確実に吸着し、管面上を安定し
て走行することができる。また、同様に自走台車1は大
径管pに巻かれたワイヤロープw,wをガイド11
1に挿通した状態で管周方向を走行するため、走行中に
走行ローラ5の管壁面への吸着が不十分で装置が管壁面
から脱落しても地面に落下することはない。
【0097】
【0098】なお、本発明の装置は、テレビカメラ12
2A〜122Cを利用して溶接部を撮影し且つこれをモ
ニターで観察することにより、裏波検査用の装置として
も用いることができる。
【0099】
【発明の効果】以上述べた本発明の装置によれば、無軌
道型の磁気吸着式走行方式を採用することで、レールを
設置することなく管壁面等を走行することができるとと
もに、初層溶接時の裏当て機能と溶接部のX線撮影にお
いて管外面等にX線用フィルムを配給する機能とを兼ね
備えているため、両作業のためにそれぞれ専用機を用い
ていた従来に較べて設備コストを従来に較べ大幅に低減
させることができる。また、本発明の装置は、テープ体
の送りを走行速度と同期させるのに特別な連動機構を必
要としないため装置の構造を簡素化することができ、さ
らに、巻取リールと押当て手段間に定テンションがかけ
られるため、焼損して管面に焼き付いた裏当てテープを
容易に引き剥がすことができ、このため裏当てテープの
巻取りが遅れてテープが管面に対して滑ることもなく、
裏当てテープの送りを自走台車の走行と正確に同期させ
ることができる。
【0100】また、自走台車の移動と裏当てテープの送
りがそれぞれ独立した駆動手段によって行われるため、
何らかの原因で台車が走行面に対して滑りを生じた場合
でも、裏当てテープはこれと関係なく溶接部裏面に送給
されるため溶接に支障を来すこともなく、良好な初層溶
接を行うことができる。さらに、X線用フィルムの配給
に際しては、X線用フィルムをX線撮影位置の管壁面に
密着した状態に配給することができるため鮮明な画質の
X線写真を撮影することができ、また、1回のX線撮影
毎にX線用フィルムの回収及び交換を行う必要がなく、
能率的なX線撮影を行うことができる。また、特に請求
項2ないし8に記載の装置では、上記の効果に加えて以
下のような効果が得られる。
【0101】すなわち、請求項2に記載の装置によれ
ば、磁石付きの走行ローラを管壁面等に確実に吸着さ
せ、管壁面等を安定して走行することができる。また、
請求項3に記載の装置によれば、自走台車が磁気吸着に
より管壁面等を走行する方式であるにも拘らず、磁気に
よる溶接への悪影響が殆どなく、溶接自体を適切に行う
ことができる。また、請求項5ないし7に記載の装置に
よれば、管内面側の自動溶接機と正確に同期して移動で
きるとともに、管の目違い等に応じて軌道修正のための
操舵を容易に行うことができる。また、請求項8に記載
の装置によれば、テープ体に装着されたX線用フィルム
を押当てパッドのパッド面の真下に正確に位置させるこ
とができる。さらに、請求項9に記載の装置によれば、
万が一走行ローラの管壁面等に対する吸着が不十分にな
った場合でも、装置が地面に落下して損傷する等の事態
を適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例を示す平面図
【図2】本発明装置の一実施例を示す正面図
【図3】本発明装置の一実施例を示す側面図
【図4】本発明装置の一実施例において、格納リールを
一部断面した状態で示す正面図
【図5】本発明装置の一実施例において、格納リールを
一部断面した状態で示す側面図
【図6】本発明装置の一実施例において、格納リールに
付設された残量計測機構を一部断面した状態で示す正面
【図7】本発明装置の一実施例において、裏当てパッド
を装着した押当て手段を一部断面した状態で示す正面図
【図8】本発明装置の一実施例において、裏当てパッド
を装着した押当て手段を一部断面した状態で示す側面図
【図9】本発明装置の一実施例において、押当て手段を
構成するガイドローラ及びその保持機構を示す縦断面図
【図10】本発明装置の一実施例において、押当てパッ
ドを装着した押当て手段を示す側面図
【図11】本発明装置の一実施例において、巻取リール
と押当て手段との好ましい位置関係を示す説明図
【図12】本発明装置の一実施例において、走行ローラ
とその支持及び駆動機構を一部断面した状態で示す正面
【図13】本発明装置の一実施例において、走行ローラ
とその支持及び駆動機構を一部断面した状態で示す側面
【図14】本発明装置の一実施例において、走行ローラ
の永久磁石による磁力線を示す説明図
【図15】本発明装置の一実施例における裏当てパッド
の詳細を示す説明図
【図16】本発明装置の一実施例における第2の位置検
出機構の検出手段を示す正面図
【図17】本発明装置の一実施例における第1の位置検
出機構の検出系ブロック図
【図18】本発明装置の一実施例における第2の位置検
出機構の検出系ブロック図
【図19】本発明装置の一実施例における押当てパッド
の詳細を示す説明図
【図20】本発明装置の一実施例における自走台車に設
けられたガイドを示す平面図
【図21】本発明装置の一実施例における自走台車に設
けられたガイドを示す正面図
【図22】本発明装置の一実施例における傾斜計を示す
正面図
【図23】本発明装置の一実施例における傾斜計を示す
側断面図
【図24】ラジアル型永久磁石とその磁力線の方向を示
す説明図
【図25】アキシャル型永久磁石とその磁力線の方向を
示す説明図
【図26】 本発明装置を裏当て装置として使用した状態
を示す説明図
【図27】 本発明装置がワイヤロープにガイドされて走
行している状態を示す説明図
【図28】 X線用フィルムが装着されたテープ体を示す
平面図
【符号の説明】
1…自走台車、2…テープ体押当て装置、3…格納リー
ル、4…巻取リール、5a,5a,5b,5b
…走行ローラ、6…押当て手段、7…裏当てパッド、8
…押当てパッド、9,10…軸支部、11…モータ、1
2,13…保護カバー、14,15…ブラケット、16
…支持軸、17…ディスクブレーキ、18…スリーブ、
19…フランジ、20…ブレーキシュー、21…固定
板、22…挿通孔、23…コイルスプリング、24…フ
ランジ部、25…胴部、26…係止機構、27…段部、
28…係止部材、29…スリーブ、30…ネジ付軸、3
1…締付部材、32…残量計測機構、33…ポテンショ
ンメータ、34…回転軸、35…アーム、36…支持
軸、37…ローラ、38…係止部、39…コイルスプリ
ング、40,41…ガイドローラ、42…フレーム、4
3…保持装置、44…支持プレート、45…架台、46
…スライド板、47…保持軸、48…固定ナット、49
…スクリュー軸、50…モータ、51,52…歯車、5
3…コイルスプリング、54…ガイド筒、55…スライ
ド体、56…取付部、57…突片、58,59…連結
部、60…連結ピン、61…通路、62…注入口、6
3,64…軸支部、65…コイルスプリング、66…支
持部材、67…保持軸、68…胴部、69,70…パッ
ド面、71…ローラ体、72…車軸、73…永久磁石、
74…ローラ部材、75a,75b…軸受体、76…サ
スペンション機構、77…連結ピン、78…枢着部、7
9…ピン挿通孔、80…係止部材、81…ブラケット、
82…ピン、83…脚部、84…コイルスプリング、8
5…軸部、86,87…フランジ、88,89…ピン、
90…スプロケット、91…駆動用モータ、92…かさ
歯車、93…歯車、94…スプロケット、95…チェー
ン、96,97…スプロケット、98…磁力線、99…
開先部、100…台車本体、101a,101a
101b,101b…光電受光素子、102a,1
02b…加算器、103a,103b…フィルタ、10
4a,104b…比較器、105a,105b…設定
器、106…判定回路、107a,107a,10
7b,107b…光電スイッチ、108a,108
b…取付ステー、109…判別回路、110…センサ、
111…ガイド、112…ガイド本体、113…ピン、
114…回動部材、115…ガイド孔、116a,11
6b…切欠き部、117…部材、118…ロックレバ
ー、119…ピン、120…係止部材、121…コイル
スプリング、122A,122B,122C…テレビカ
メラ、123A,123B,123C…照明装置、12
4…フレーム、125…傾斜計、126…振り子、12
7…回転軸、128…制御装置、129…ポテンション
メータ、130…マーク、131…X線用フィルム、1
32…ポケット部、280…鋸歯部、391,392…
コイルスプリング端部、400…ローラ本体、401…
鍔部、451…脚部、540…大径部、541…ガイド
スリット、550…フランジ、740,741…ローラ
部材の部位、910…モータ出力軸、A…本発明装置、
B…操舵用ベースライン、a,a,a…テープ体、
b…溶接トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G21K 5/02 G21K 5/02 X (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/095 B23K 9/127 B23K 31/00 B23K 37/06 G21K 5/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁石付き走行ローラとその駆動手
    段を備え、磁石付き走行ローラで管壁面等の被走行面に
    吸着しながら走行することができる自走台車と、該自走
    台車に搭載されるテープ体押当て装置とからなり、該テ
    ープ体押当て装置は、テープ体の格納リールと、回転用
    の駆動手段を有し、その回転により前記格納リールから
    テープ体を繰り出し、且つこれを巻取る巻取リールと、
    前記格納リールと巻取リール間でテープ体を被走行面に
    押し当てるための昇降可能な押当て手段とからなり、該
    押当て手段は、脱着により相互に交換可能な裏当てパッ
    ドとX線用フィルムの押当てパッドとを備えている、片
    面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フィル
    ム配給機能を有する装置。
  2. 【請求項2】 自走台車が少なくとも前後左右の四輪が
    駆動する磁石付き走行ローラを備え、各走行ローラは台
    車幅方向揺動可能に構成されるとともに、少なくとも台
    車前部または台車後部の走行ローラがサスペンション機
    構を備えている、請求項1に記載の片面溶接裏当て機能
    及び非破壊検査のためのX線用フィルム配給機能を有す
    る装置。
  3. 【請求項3】 自走台車が少なくとも前後左右の四輪が
    駆動する磁石付き走行ローラを備え、自走台車の各走行
    ローラにアキシャル型のリング状永久磁石が同心状に組
    み込まれ、且つ左右の走行ローラの互いに向き合う側で
    のリング状永久磁石の極が同極である、請求項1または
    2に記載の片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のための
    X線用フィルム配給機能を有する装置。
  4. 【請求項4】 自走台車の前部および/または後部に、
    溶接機側のマーカを開先部の隙間を通じて撮影できるテ
    レビカメラを設けた、請求項1、2または3に記載の片
    面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フィル
    ム配給機能を有する装置。
  5. 【請求項5】 裏当てパッドのパッド面の裏当てテープ
    送り方向前部及び後部の各位置にそれぞれ光検出器を設
    け、該光検出器の受光出力に基づき裏当てパッドの溶接
    進行方向における溶接トーチとの相対位置を検出する第
    1の位置検出機構と、自走台車の前部及び後部の各位置
    に、被走行面側に投光する投光手段と被走行面側からの
    反射光を受光すべき光検出器とを台車幅方向で適当な間
    隔をおいて各1対設け、該光検出器が検出する反射光の
    照度または光検出器の受光出力に基づき、被走行面に引
    かれた操舵用ベースラインとその外側の被走行面とを判
    別することで裏当てパッドの溶接線に対する回頭または
    /および横ずれを検出する第2の位置検出機構と、前記
    第1の位置検出機構及び第2の位置検出機構による位置
    検出情報に基づいて、裏当てパッドが溶接トーチ直下に
    位置するよう自走台車の走行速度制御及び操舵を行う制
    御手段とを有する、請求項1、2、3または4に記載の
    片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フィ
    ルム配給機能を有する装置。
  6. 【請求項6】 裏当てパッドのパッド面の裏当てテープ
    送り方向前部及び後部の各位置に設けられる光検出器
    が、裏当てパッド幅方向で適当な間隔をおいて配される
    少なくとも1対の光検出器からなる、請求項5に記載の
    片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フィ
    ルム配給機能を有する装置。
  7. 【請求項7】 第2の位置検出機構における投光手段及
    び光検出器が光電スイッチにより構成されている、請求
    項5または6に記載の片面溶接裏当て機能及び非破壊検
    査のためのX線用フィルム配給機能を有する装置。
  8. 【請求項8】 押当てパッドが、X線用フィルムを装着
    したテープ体に付されたマークを検出できる検出手段を
    有している、請求項1、2、3、4、5、6または7に
    記載の片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線
    用フィルム配給機能を有する装置。
  9. 【請求項9】 自走台車が、大径管等の外周にリング状
    に巻かれたロープを挿通させるためのガイドを有してい
    る、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載
    の片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのX線用フ
    ィルム配給機能を有する装置。
JP09428295A 1995-03-28 1995-03-28 片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置 Expired - Fee Related JP3239681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09428295A JP3239681B2 (ja) 1995-03-28 1995-03-28 片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09428295A JP3239681B2 (ja) 1995-03-28 1995-03-28 片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08267292A JPH08267292A (ja) 1996-10-15
JP3239681B2 true JP3239681B2 (ja) 2001-12-17

Family

ID=14105909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09428295A Expired - Fee Related JP3239681B2 (ja) 1995-03-28 1995-03-28 片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3239681B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8244015B2 (en) 2006-11-22 2012-08-14 General Electric Company Methods and apparatus for detecting aneurysm in vasculatures
US8160395B2 (en) 2006-11-22 2012-04-17 General Electric Company Method and apparatus for synchronizing corresponding landmarks among a plurality of images
JP4976909B2 (ja) * 2007-04-25 2012-07-18 株式会社神戸製鋼所 片面溶接装置
US7991450B2 (en) 2007-07-02 2011-08-02 General Electric Company Methods and systems for volume fusion in diagnostic imaging
KR100951049B1 (ko) * 2007-12-31 2010-04-05 에스티엑스조선해양 주식회사 곡판 용접용 토치 슬라이드 및 동담금 발란싱 장치
KR100985112B1 (ko) * 2008-03-26 2010-10-05 이석재 용접백비드 차단용 테이프 부착장치
US8131044B2 (en) 2008-04-08 2012-03-06 General Electric Company Method and apparatus for determining the effectiveness of an image transformation process
CN108655542B (zh) * 2018-05-23 2020-06-19 宁波家禾节能科技有限公司 一种锅炉筒体智能焊接同步探伤检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08267292A (ja) 1996-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3239681B2 (ja) 片面溶接裏当て機能及び非破壊検査のためのx線用フィルム配給機能を有する装置
KR910001250B1 (ko) 파이프 원주 용접의 형광투시 검사법
KR20220036893A (ko) 협소부용 오비탈 무레일 용접 캐리지
JP3237426B2 (ja) 片面溶接用の自動裏当て装置
WO2002032611A1 (fr) Equipement de soudage de reproduction
JP2002202654A5 (ja)
JP3237423B2 (ja) 片面溶接裏当てロボット
JPH02104474A (ja) 管内溶接位置測定装置
JPH10193112A (ja) スタブ管自動溶接装置
JP3237422B2 (ja) 片面溶接裏当てロボット
JP7356377B2 (ja) 溶接装置
JPH08164855A (ja) 管壁面走行装置の落下防止方法
JPH08215841A (ja) 固定管の円周突合せ溶接装置
JPH04355612A (ja) 架空電線の自動損傷検出・補修装置
JPH0680421B2 (ja) 水圧鉄管の現場溶接継手検査システム
JP2008264864A (ja) 片面溶接装置
JP2021133393A (ja) 溶接装置
JP3183092B2 (ja) 非破壊検査に用いられる自走式x線用フィルム取付装置
JPS59169669A (ja) 溶接装置
JPH0463385B2 (ja)
JP3530328B2 (ja) 配管自動溶接方法とその装置
JPS6025333Y2 (ja) 自動溶接装置
KR200365772Y1 (ko) 택 용접부를 인식하는 용접장치
JP3875942B2 (ja) ロール体受取装置及びロール紙搬送装置
JPS644849B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees