JP3237423B2 - 片面溶接裏当てロボット - Google Patents

片面溶接裏当てロボット

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JP3237423B2
JP3237423B2 JP29896694A JP29896694A JP3237423B2 JP 3237423 B2 JP3237423 B2 JP 3237423B2 JP 29896694 A JP29896694 A JP 29896694A JP 29896694 A JP29896694 A JP 29896694A JP 3237423 B2 JP3237423 B2 JP 3237423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大径鉄管の片面自動
溶接において、管内面からの初層溶接時に管外面より溶
接の裏当てを行うロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の大径管の溶接では作業者が管の内
外面から溶接を行っている。このため大径管がトンネル
内内張管の場合には、地盤と管外面との間に作業員が立
ち入れるようにするため大径のトンネルを掘削する必要
があり、このための土木工事に多くのコストと工期を要
している。このような状況から溶接施工の省人化、高速
化、簡素化を目指して片面自動溶接機の開発が行われて
おり、それと並行して初層溶接で必要となる裏当て工程
を行う自動機の開発が進められている。
【0003】初層溶接の裏当てを行う自動裏当て装置と
して、特開平5−318184号が開示されている。こ
の装置は、被溶接管の外面に予め装置移動用のレールを
設置し、このレールに沿って溶接機に同期して走行する
もので、裏当て装置の移動用モータの出力軸をギヤ及び
自在継手を介して裏当てテープの送りローラに接続し連
動させることにより、装置の走行速度と同じ速度で裏当
てテープを送り出すようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方式では
溶接すべき管体毎に管外面に対して装置走行用のレール
を設置する必要があり、それだけコストと工期の増大を
招く。また、管体の材質によってはレールの取付の際の
溶接により管に割れが発生する恐れがあり、このため例
えば、ハイテン70材以上の管体の場合にはレール溶接
の際に管体の予熱が必要となるなど、余分な作業が増え
るという問題もある。また、従来の装置は裏当てテープ
の送りのために走行系モータとテープ送りローラとをギ
ヤ及び自在継手を介して接続した構造であるため、構造
が非常に複雑であるという難点があり、加えて、走行ロ
ーラとレールとの間に滑りが生じた場合、裏当てテープ
も管面との間に滑りを生じてしまい、良好な溶接を行う
ことができなくなるという問題がある。
【0005】したがって、この発明の第一の目的は、管
外面にレールを設置することなく管外面を走行すること
ができる片面溶接裏当てロボットを提供することにあ
る。また、この発明の第二の目的は、管外面にレールを
設置することなく管外面を走行することができるだけで
なく、裏当てテープの送りを走行速度と同期させるのに
特別な連動機構を必要とせず、また、走行ローラに滑り
が生じた場合でも裏当てテープと管面との間に滑りを生
じさせることなく良好な初層溶接を行うことができる片
面溶接裏当てロボットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の片面溶接裏当てロボットは以下のような構
成を有する。 (1) 移動用の駆動手段を有する台車と、格納された裏当
てテープを順次繰り出し、これを管面に押し付けて裏当
てする手段を有し、前記台車に搭載される裏当て装置と
からなり、前記台車は前後左右に走行用の駆動輪を有す
るとともに、各駆動輪にアキシャル型のリング状永久磁
石が同心状に組み込まれ、且つ開先部を跨ぐ左右の駆動
輪の互いに向き合う側でのリング状永久磁石の極が同極
であることを特徴とする片面溶接裏当てロボット。
【0007】(2) 上記(1)の片面溶接裏当てロボットに
おいて、裏当て装置が、裏当てテープの格納リールと、
回転用の駆動手段を有し、その回転により前記格納リー
ルから裏当てテープを繰り出し、且つこれを巻取る巻取
リールと、前記格納リールと巻取リール間で裏当てテー
プを管面に押し付けて裏当てする裏当て手段とを有する
ことを特徴とする片面溶接裏当てロボット。
【0008】
【作用】片面溶接裏当てロボットは、被溶接管の内面か
らの初層溶接において、溶接トーチ直下の管外面に溶接
金属を受けるための裏当てテープを供給する。請求項1
の片面溶接裏当てロボットでは、台車の各駆動輪はこれ
に組み込まれたリング状永久磁石により管外面に吸着
し、駆動輪を駆動させることにより管外面を走行でき
る。溶接時の裏当ての際には、台車は左右の駆動輪が開
先部を跨ぐようにして管外周を溶接方向に走行する。
【0009】永久磁石を鉄等の強磁性材料に吸着させる
と、強磁性材は永久磁石によって磁化される。溶接にお
いては、開先部が磁化されるとアークの向きが磁場によ
って影響を受け、正常に溶接できない場合がある。特
に、壁面走行型のロボットは自重を支えるためローラに
強力な永久磁石(例えば、1テスラ)を組み込む必要が
あり、単純にこのような強力な永久磁石を用いた場合に
は、アークへの影響は避けられない。一般には、アーク
への影響をなくすためには開先部の磁化を50〜60ガ
ウス以下に抑える必要がある。この点、本発明では各駆
動輪にアキシャル型のリング状永久磁石を同心状に組み
込み、且つ左右の駆動輪の互いに向き合う側でのリング
状永久磁石の極が同極となるように構成したので、開先
部を跨ぐ左右の駆動輪の永久磁石の磁力線は開先部を挟
んで互いに退け合う関係となり、このため左右の駆動輪
の永久磁石の磁力線は開先部から遠ざけられ、この結
果、開先部の磁化が50〜60ガウス以下に抑えるられ
る。このため、永久磁石によるアークへの影響をほとん
どない。
【0010】請求項2の片面溶接裏当てロボットによれ
ば、上記のような作用の他に以下のような作用が得られ
る。裏当て装置を構成する格納リールには裏当てテープ
がコイル状に格納され、この格納リールから繰り出され
た裏当てテープの一部は裏当て手段の押当て面を経由し
て巻取リールに巻取られている。溶接開始位置におい
て、裏当て手段は裏当てテープを溶接開始点の管外面に
押し当てる。溶接が開始されると、台車は移動用の駆動
手段により被溶接管外面を溶接方向に走行し、これと同
期して裏当て装置を構成する巻取リールがその回転用の
駆動手段により回転し、格納リールから裏当てテープを
繰り出させる。格納リールからの裏当てテープの繰り出
し速度は、巻取リールの回転用の駆動手段を制御するこ
とにより台車の走行速度に同期させる。
【0011】格納リールから繰り出された裏当てテープ
は、裏当て手段の押当て面に沿って摺動しながら溶接部
裏面に押し当てられ、次いで順次巻取リールに巻取られ
る。裏当てテープは溶接部裏面に押し当てられた際に溶
接アークを受けるため、焼損し管面に焼き付けを起こす
が、巻取リールの回転駆動によって巻取リールと裏当て
手段間に定テンションがかけられるため、管面に焼き付
いた裏当てテープは容易に引き剥がされ、巻取リールに
巻取られる。したがって、裏当てテープの巻取が遅れて
テープが管面に対して滑ることもなく、裏当てテープの
送りを台車の走行と正確に同期させることができる。ま
た、台車の移動と裏当てテープの送りがそれぞれ独立し
た駆動手段により行われるため、何らかの原因で台車が
走行面に対して滑りを生じた場合でも、裏当てテープは
これと関係なく溶接部裏面に送給され、したがって溶接
に支障を来すことはない。
【0012】
【実施例】図1ないし図10は本発明の一実施例を示す
もので、図1は本発明の片面溶接裏当てロボットの全体
構成および使用状態を示す説明図、図2はロボットの平
面図、図3は同じく側面図、図4は同じく正面図であ
る。片側溶接裏当てロボットAは、図1に示すように被
溶接管p(鉄管)の内面からの初層溶接において溶接ト
ーチb直下の溶接金属を管の外側から裏当てテープaで
受けとめるもので、被溶接管pの外面を溶接方向に移動
可能な台車1と、この台車に搭載される裏当て装置2と
から構成されている。
【0013】前記台車1は、前後左右に駆動輪3a1
3a2,3b1,3b2を有している。図5及び図6は各
駆動輪3(3a1,3a2,3b1,3b2)及びその駆動
機構の詳細を示しており、駆動輪3は1対のローラ体4
A,4Bを車軸5で一体に連結した構造からなり、ま
た、各ローラ体4(4A,4B)のローラ本体は、リン
グ状の永久磁石6とこれを両側から挟む鋼製のリング状
のローラ部材7とから構成され、したがって、リング状
の永久磁石6は駆動輪3に対して同心状に組み込まれた
構成となっている。
【0014】前記ローラ体4のローラ面は永久磁石6の
部分が全周に亘って凹陥し、永久磁石6が管面に直接接
触しないようにしてある。これは永久磁石6が管面に疵
を付けないようにするためである。また、ローラ面を構
成するローラ部材7の表面には、電気的な絶縁およびス
リップ防止のためゴムライニング8が施してある。この
ゴムライニング8としては、例えば、厚さ0.5mm程
度のウレタンゴムが用いられる。また、磁石による吸着
力の増加とローラの軽量化のために、ローラ部材7はロ
ーラ面側の部位70を厚肉に、それ以外の部位71を薄
肉に構成してある。
【0015】駆動輪3はその車軸5がベアリングを介し
てフレーム10に回転自在に支持され、このフレーム1
0がサスペンション機構9を介して台車1に保持されて
いる。このサスペンション機構9は、台車側に設けられ
るガイド筒11と、フレーム10に立設され、前記ガイ
ド筒11にスライド可能に嵌挿したスライド体12と、
このスライド体12に外装され、上下端が台車1側とフ
レーム10側にそれぞれ係合したスプリング13とから
構成されている。また、図6に示すように各フレーム1
0は、その側端部がピン22により台車1の本体に上下
方向揺動可能に連結され、各駆動輪3の上下方向での揺
動を許容しつつ、駆動輪3が台車1から脱落しないよう
連結している。このように各駆動輪3が独立したサスペ
ンション機構9を備えているため、各駆動輪3は曲面で
ある管外面に適切に吸着し、台車1は管外面にをガイド
なしに安定して走行できる。
【0016】なお、各駆動輪3の車軸5には、動力伝達
用のスプロケット14が取り付けられている。駆動輪3
は左右それぞれにおいて前輪と後輪が1つのモータによ
り駆動されるようになっている。図6はこの駆動機構を
示すもので、左右各々の駆動用モータ15A,15Bの出
力軸は、かさ歯車16、歯車17、スプロケット18、
チェーン19、スプロケット20,21及び前記スプロ
ケット14を介して駆動輪3a1,3b1及び駆動輪3a
2,3b2に連絡され、各駆動輪3を駆動する。
【0017】このような駆動機構とすることにより、仮
に各駆動輪3を構成するローラ体4A,4Bのうちの1
つが何らかの原因で外れても、台車1自体は正常な走行
が可能である。また、左右別々の駆動モータを備えたこ
とにより、左右の駆動輪3の回転数に差を与えることに
よって操舵を行うことができる。ローラ体4A,4Bに
適用するリング状の永久磁石6としては、図11に示す
ようにリングの半径方向に磁化したラジアル型磁石と、
図12に示すようにリングの軸方向に磁化したアキシャ
ル型磁石とが考えられるが、本発明では、一個のリング
状永久磁石のN極から出た磁束が被溶接管(鉄管)を介
して同じリング状永久磁石のS極に収束するアキシャル
型を用いる。さらに、本発明では左右の駆動輪3a1
駆動輪3a2の互いに向き合う側でのリング状永久磁石
の極を、また、同じく駆動輪3b1と駆動輪3b2の互い
に向き合う側でのリング状永久磁石6の極を、それぞれ
同極となるように構成している。
【0018】図7はこのように構成した駆動輪3a1
駆動輪3a2、駆動輪3b1と駆動輪3b2が被溶接管p
に吸着した際の磁力線24の状態を示したもので、各駆
動輪3にアキシャル型のリング状永久磁石6を同心状に
組み込み、且つ左右の駆動輪3a1と駆動輪3a2の互い
に向き合う側でのリング状永久磁石6の極を、また、同
じく駆動輪3b1と駆動輪3b2の互いに向き合う側での
リング状永久磁石6の極を、それぞれ同極となるように
構成しているので、開先部23を跨ぐ左右の駆動輪3の
永久磁石6の磁力線が開先部23を挟んで互いに退け合
う関係となり、左右の駆動輪3の永久磁石6の磁力線は
開先部23から遠ざけられ、これによって永久磁石6に
よる開先23の磁化が極く低く抑えられる。したがっ
て、アークへの影響はほとんどない。
【0019】次に、裏当て装置2の詳細について説明す
る。前記裏当て装置2は、裏当てテープaの格納リール
25と、裏当てテープaの巻取リール26と、両リール
間で裏当てテープaを管面に押し付けて裏当てする裏当
て手段27とを備えており、これら格納リール25、裏
当て手段27及び巻取リール26は台車進行方向に直列
した状態で台車1に取り付けられている。
【0020】前記格納リール25と巻取リール26は、
台車1上のブラケットに回転可能に軸支37,38され
ている。台車1には巻取リール26の回転駆動手段であ
るモータ28が設けられ、巻取リール26は台車走行用
の駆動系とは関係なくモータ28により回転駆動され
る。そして、この巻取リール26の回転駆動により格納
リール25から裏当てテープaが繰り出され、この裏当
てテープaは裏当て手段27を経由した後巻取リール2
6に巻取られることになる。
【0021】なお、格納リール25には、このリール2
5と裏当て手段27(本実施例では裏当てパッド31)
間での裏当てテープaの弛みを防止するため、そのフリ
ーな回転を抑制する制動手段を付設することが好まし
い。すなわち、上記のような裏当てテープaの弛みによ
る送給上のトラブルを防止するためには、裏当てテープ
aがモータ28の駆動によって巻取リール26側から牽
引された場合にのみ格納リール25から繰り出されるよ
うにすることが好ましく、このためには、格納リール2
5に対して適当な回転力が外部から加えられた場合にの
み格納リール25の回転を許容するような制動手段を設
けることが好ましい。この制動手段としては、例えば、
格納リール25の回転部に接触するブレーキシューを台
車側に設ける等の構成を採ることができる。
【0022】裏当て手段27は、裏当てテープaを管面
に押し付けて裏当てするための裏当てパッド31、この
裏当てパッド31の前後(裏当てテープ進行方向におけ
る裏当てパッド31の前後)において裏当てテープaを
ガイドするガイドローラ33,34、裏当てパッド31
及びガイドローラ33,34をフレーム40を介して昇
降可能に保持する保持装置32等から構成され、この裏
当て手段27は格納リール25と巻取リール26の中間
位置の台車1上に配置される。図8ないし図10は裏当
て手段27の詳細を示すもので、図8は側面図、図9は
図8中のIX−IX線に沿う矢視断面図、図10は図8
中のX−X線に沿う矢視断面図である。
【0023】前記保持装置32はモータ或いはシリンダ
装置等からなる駆動手段と、この駆動手段により駆動す
る、被溶接管の中心方向に進退可能な保持ロッド39と
を有し、その本体が台車1に固定されている。前記保持
ロッド39の先端にはフレーム40が取り付けられ、こ
のフレーム40の中央に裏当てパッド31が、また、両
端にガイドローラ33,34がそれぞれ取り付けられて
いる。裏当てパッド31は付勢用(及び緩衝用)のスプ
リング35を介してフレーム40に取り付けられてい
る。図10はその取付構造の詳細を示しており、フレー
ム40には、上下端が開放し且つ下部にスプリング収納
用の大径部410を有するガイド筒41が立設され、こ
のガイド筒41の内部に裏当てパッド31に連結された
スライド体42がガイド筒長手方向スライド可能に装着
されている。
【0024】スライド体42の中間部にはスプリングの
端部を係止するためのフランジ420が設けられてい
る。そして、大径部410内にはスライド体42に外装
されたスプリング35が配され、このスプリング35の
一端が前記大径部410の端部の段部に、また他端が前
記フランジ420にそれぞれ係合している。したがって
裏当て時においては、スライド体42と一体の裏当てパ
ッド31がスプリング35により管面方向に付勢される
ことになる。また、ガイド筒41の上端には適当な長さ
のガイドスリット411が形成され、一方、スライド体
42の上端には前記ガイドスリット411にスライド可
能に係合する突片421が設けられており、このガイド
スリット411に突片421をガイドさせることによ
り、スライド体42及びこれと一体の裏当てパッド31
のガイド筒41に対する回転とガイド筒41からの脱落
を防止している。
【0025】裏当てパッド31は前記スライド体42の
端部に連結部材43を介して脱着可能に連結されてい
る。裏当てパッド31は焼損が激しいため、このように
脱着可能とし交換できるようにしてある。また、裏当て
パッド31は使用中に温度が上昇するために熱伝導の高
い材料(通常は銅製)で構成されており、このようなパ
ッドを冷却するため、内部に冷媒流通用の通路48を設
けるとともに、この通路48に冷却ガス或いは冷却水等
の冷媒を供給する注入口49を設け、この注入口49に
ホース等を接続して外部から冷媒を供給できるようにし
てある。
【0026】前記ガイドローラ33,34は、それぞれ
裏当てパッド31の裏当てテープ進行方向の前後の位置
において、フレーム40の端部に回転自在に軸支44,
45されている。図9はこれらガイドローラの取付構造
をガイドローラ34を例に示したもので、ガイドローラ
34は緩衝用のスプリング47を介して軸支されてい
る。すなわち、フレーム40にはガイドローラの保持軸
を支持するための支持部材46が図示しないスライド機
構によりスライド可能に取り付けられ、この支持部材4
6とフレーム40間に緩衝用のスプリング47を介在さ
せている。そして、ガイドローラ34の保持軸340は
前記支持部材46に固定され、保持軸340にベアリン
グを介してローラ本体341が回転可能に保持されてい
る。また、ガイドローラ34は、裏当てテープaの幅方
向でのずれを防止するため、その両端に鍔部342を有
している。このような構造は、ガイドローラ33につい
ても全く同様である。
【0027】裏当てテープaは溶接部裏面に押し当てら
れた際に溶接アークを受けるため、焼損し管面に焼き付
けを起こす。このような管面への焼き付けに対しては、
巻取リール26の回転駆動により巻取リール26と裏当
て手段27間の裏当てテープaに定テンションがかけら
れるため、管面に焼き付いた裏当てテープaは容易に引
き剥がすことが可能であるが、このような焼き付いたテ
ープをより確実且つ速やかに引き剥がすためには、裏当
てテープaを裏当て手段27による押当て部から角度を
つけて引き剥がすようにすること、つまり、裏当て手段
27から離れる裏当てテープaを大きな角度で巻取リー
ル側に方向転換させるようにすることが好ましい。
【0028】このための条件を図3に基づいて説明する
と、巻取リール26の巻取ドラム部260の外周に関す
る仮想接線であって、巻取リール26側において裏当て
手段27から裏当てテープaが離れる地点(この実施例
ではガイドロール34の外周部)を通過する仮想接線x
と、裏当て手段27の押当て面(この実施例では裏当て
パッドの押当て面310)と平行な仮想直線yとのなす
巻取リール側での角度θを、巻取リール26によるテー
プ巻取の支障を生じない範囲で大きくすることが好まし
い。具体的にはこの角度θは40〜90°程度とするこ
とが好ましい。その他図面において、36は台車の駆動
手段やモータ28及び保持装置32等の制御を行う制御
装置である。
【0029】次に、上記実施例の片面溶接裏当てロボッ
トの使用法を説明する。被溶接管pの内面から溶接トー
チbにより初層溶接を行うに当たり、片面溶接裏当てロ
ボットAは、被溶接管pの溶接開始位置に台車1の左右
の駆動輪3が開先部23を跨ぐようにして置かれ、各駆
動輪3はその永久磁石6により管面に吸着し、台車1を
管面に保持する。この状態で、格納リール25には裏当
てテープaがコイル状に格納され、その格納リール25
から繰り出された裏当てテープaの先端はガイドローラ
33、裏当てパッド31及びガイドローラ34を経由し
て巻取リール26に巻取られており、また、裏当てパッ
ド31は保持装置32及び付勢用のスプリング35で裏
当てテープaを溶接開始点の管外面に押し当てている。
【0030】溶接が開始されると、台車1は駆動輪3が
磁石の作用で管面に吸着した状態で管外面を溶接方向に
移動し、これと同期して巻取リール26がモータ28に
より回転し、格納リール25から裏当てテープaを繰り
出させる。格納リール25からの裏当てテープaの繰り
出し速度は、モータ28を制御することにより台車1の
走行速度に同期させる。この溶接では、先に述べたよう
に開先部23を跨ぐ左右の駆動輪3a1と駆動輪3a2
駆動輪3b1と駆動輪3b2の永久磁石6の磁力線が開先
部23を挟んで互いに退け合う関係となるため、左右の
駆動輪3の永久磁石6の磁力線は開先部23から遠ざけ
られ、これによって永久磁石6による開先部23の磁化
が極く低く抑えられ、永久磁石6が溶接に悪影響を及ぼ
すことはない。
【0031】一方、格納リール25から繰り出された裏
当てテープaは、ガイドローラ33にガイドされること
で、裏当てパッド31の角部等に接触することなく裏当
てパッド31の押当て面310に円滑に導かれ、この裏
当てパッド31の押当て面310に沿って摺動しながら
溶接部裏面に押し当てられる。次いで、裏当てテープa
は押当て面310から離れ、ガイドローラ34を介して
巻取リール方向に導かれるが、この際ガイドローラ34
によりガイドされることで、裏当てパッド31の角部等
に接触することなく、円滑に方向転換して巻取リール2
6方向に導かれ、巻取リール26に順次巻取られる。
【0032】裏当てテープaは溶接部裏面に押し当てら
れた際に溶接アークを受けるため、焼損し管面に焼き付
けを起こすが、巻取リールの回転駆動により巻取リール
26と裏当てパッド31間に定テンションがかけられる
ため、管面に焼き付いた裏当てテープaは容易に引き剥
がされ、巻取リール26に巻取られる。また、前記仮想
接線xと仮想直線yとのなす角度θが40〜90°に制
限されている場合には、裏当てテープaが管面から大き
な角度で引き剥がされるため、焼き付いたテープをより
確実且つ速やかに引き剥がすことができる。したがっ
て、裏当てテープaの巻取が遅れてテープが管面に対し
て滑ることもなく、裏当てテープaの送りを台車1の走
行と正確に同期させることができる。
【0033】また、台車1の移動と裏当てテープの送り
を行う巻取リール26の回転がそれぞれ独立した駆動手
段により行われるため、何らかの原因で台車1が走行面
に対して滑りを生じた場合でも、裏当てテープaはこれ
と関係なく溶接部裏面に送給されることになる。また、
格納リール25がそのフリーな回転を抑制する制動手段
を有している場合には、裏当てテープaは巻取リール側
から牽引された時だけ格納リール25から繰り出される
ため、格納リール25と裏当てパッド31間での裏当て
テープaの弛みが防止され、裏当てテープ送給上のトラ
ブルも防止される。
【0034】なお、ロボットAの操作は電気ケーブルで
接続された操作盤より遠隔操作で行われる。また、被溶
接管内部の溶接装置と本発明を構成する台車1の速度同
期は、例えば、溶接装置側にレーザ光の発光部を設ける
とともに、台車1側にその受光部を設け、開先ルートギ
ャップの隙間を通したレーザ光によりON−OFFの信
号を得て同期状態の判定を行い、これに基づく台車1の
速度制御により行うことができる。
【0035】以上述べた本発明の構成及び実施例からし
て、請求項2に記載の本発明のより好ましい態様が以下
のような構成であることが理解できる。 (1) 請求項2に記載の片面溶接裏当てロボットにおい
て、裏当て手段が、被溶接管の中心方向に進退可能な保
持ロッドを有し、台車に取り付けられる保持装置と、該
保持装置の保持ロッドに保持されるフレームと、該フレ
ームに取り付けられる裏当てパッドと、該裏当てパッド
の裏当てテープ進行方向の前後の位置で前記フレームに
取り付けられるテープガイド用のガイドローラと、前記
裏当てパッドとフレーム間に介在して裏当てパッドを被
溶接管方向に付勢する付勢手段とを備えた片面溶接裏当
てロボット。
【0036】(2) 請求項2に記載の片面溶接裏当てロボ
ットにおいて、巻取リールの巻取ドラム部の外周に関す
る仮想接線であって、巻取リール側において裏当て手段
から裏当てテープが離れる地点を通過する仮想接線x
と、裏当て手段の押当て面と平行な仮想直線yとのなす
巻取リール側での角度θが40〜90°である片面溶接
裏当てロボット。 (3) 上記(1)の片面溶接裏当てロボットにおいて、巻取
リールの巻取ドラム部外周に関する仮想接線であって、
巻取リール側においてガイドローラから裏当てテープが
離れる地点を通過する仮想接線xと、裏当て手段の押当
て面と平行な仮想直線yとのなす巻取リール側での角度
θが40〜90°である片面溶接裏当てロボット。 (4) 請求項2に記載の片面溶接裏当てロボット又は上記
(1)〜(3)の片面溶接裏当てロボットにおいて、格納リー
ルの自由な回転を阻止し、一定以上の回転力が外部から
加えられた場合にのみ格納リールの回転を許容する制動
手段を有している片面溶接裏当てロボット。
【0037】上記(1)の片面溶接裏当てロボットでは、
格納リールから繰り出された裏当てテープaは裏当てパ
ッド及びその前後のガイドローラを経由して巻取リール
に巻取られ、また、裏当てパッドは保持装置及びスプリ
ング等の付勢手段により裏当てテープaを管外面に押し
付けて裏当てする。格納リールから供給される裏当てテ
ープは裏当てパッド前面のガイドローラにガイドされる
ことで、裏当てパッドの角部等に接触することなく裏当
てパッドの押当て面に円滑に導かれ、また、押当て面か
ら離れる裏当てテープは裏当てパッド後面のガイドロー
ラによりガイドされることで、裏当てパッドの角部等に
接触することなく、円滑に方向転換して巻取リール方向
に導かれる。
【0038】また、上記(2)及び(3)の片面溶接裏当てロ
ボットでは、管面に焼き付けを起こした裏当てテープa
が管面から大きな角度で引き剥がされるため、焼き付い
たテープをより確実且つ速やかに引き剥がすことができ
る。また、上記(4)の片面溶接裏当てロボットでは、裏
当てテープは巻取リール側から牽引された時だけ格納リ
ールから繰り出されるため、格納リールと裏当て手段間
での裏当てテープの弛みが防止され、裏当てテープ送給
上のトラブルも防止される。
【0039】
【発明の効果】本願の請求項1に記載の発明によれば、
管外面にレールを設置することなく管壁面を走行させ適
切な自動裏当てを行うことができ、このため従来装置の
ようなレール設置に要していた作業を完全に省き、溶接
作業を簡略化して工期の短縮化とコストの低減を図るこ
とができる。特に、レールの溶接に予熱を行う必要があ
った高強度材の大径管の溶接では予熱工程が全く不要と
なるため、その効果は大きい。また、本発明では裏当て
装置を搭載した台車が磁気吸着により管外面を走行する
方式であるにも拘らず、磁気による溶接への悪影響が殆
どなく、溶接自体を適切に行うことができる。
【0040】また、本願の請求項2に記載の発明によれ
ば、上述した効果に加えて、従来装置のような複雑な連
動機構を用いる必要がないため装置の構造を簡素化する
ことができ、また、巻取リールと裏当て手段間に定テン
ションがかけられるため、焼損して管面に焼き付いた裏
当てテープを容易に引き剥がすことができ、このため裏
当てテープの巻取が遅れてテープが管面に対して滑るこ
ともなく、裏当てテープの送りを台車の走行と正確に同
期させることができる。また、台車の移動と裏当てテー
プの送りがそれぞれ独立した駆動手段により行われるた
め、何らかの原因で台車が走行面に対して滑りを生じた
場合でも、裏当てテープはこれと関係なく溶接部裏面に
送給されるため溶接に支障を来すこともなく、良好な初
層溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成および使用状況を
示す説明図
【図2】本発明の一実施例を示す平面図
【図3】本発明の一実施例を示す側面図
【図4】本発明の一実施例を示す正面図
【図5】本発明の一実施例における駆動輪の詳細を示す
半断面図
【図6】本発明の一実施例における駆動輪の駆動機構を
示す側面図
【図7】本発明の一実施例において駆動輪の永久磁石に
よる磁力線の状態を示す説明図
【図8】本発明の一実施例における裏当て手段の側面図
【図9】図8中のIX−IX線に沿う矢視断面図
【図10】図8中のX−X線に沿う矢視断面図
【図11】ラジアル型永久磁石の磁力線の方向を示す説
明図
【図12】アキシャル型永久磁石の磁力線の方向を示す
説明図
【符号の説明】
1…台車、2…裏当て装置、3,3a1,3a2,3
1,3b2…駆動輪、4A,4B…ローラ体、5…車
軸、6…永久磁石、7…ローラ部材、8…ゴムライニン
グ、9…サスペンション機構、10…フレーム、11…
ガイド筒、12…スライド体、13…スプリング、14
…スプロケット、15A,15B…駆動用モータ、16…
かさ歯車、17…歯車、18…スプロケット、19…チ
ェン、20,21…スプロケット、22…ピン、23…
開先、24…磁力線、25…格納リール、26…巻取リ
ール、27…裏当て手段、28…モータ、31…裏当て
パッド、32…保持装置、33,34…ガイドローラ、
35…スプリング、36…制御装置、37,38…軸支
部、39…保持ロッド、40…フレーム、41…ガイド
筒、42…スライド体、43…連結部材、44,45…
軸支部、46…支持部材、47…スプリング、48…通
路、49…注入口、70,71…部位、260…巻取ド
ラム部、310…押当て面、340…保持軸、341…
ローラ本体、342…鍔部、410…大径部、411…
ガイドスリット、420…フランジ、421…突片、A
…ロボット、p…被溶接管、a…裏当てテープ、b…溶
接トーチ、x…仮想接線、y…仮想直線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−318184(JP,A) 特開 昭61−257355(JP,A) 特開 平8−1383(JP,A) 特開 昭60−82291(JP,A) 実開 昭60−143359(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 37/06 B23K 9/028 B62D 57/024

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動用の駆動手段を有する台車と、格納
    された裏当てテープを順次繰り出し、これを管面に押し
    付けて裏当てする手段を有し、前記台車に搭載される裏
    当て装置とからなり、前記台車は前後左右に走行用の駆
    動輪を有するとともに、各駆動輪にアキシャル型のリン
    グ状永久磁石が同心状に組み込まれ、且つ開先部を跨ぐ
    左右の駆動輪の互いに向き合う側でのリング状永久磁石
    の極が同極であることを特徴とする片面溶接裏当てロボ
    ット。
  2. 【請求項2】 裏当て装置が、裏当てテープの格納リー
    ルと、回転用の駆動手段を有し、その回転により前記格
    納リールから裏当てテープを繰り出し、且つこれを巻取
    る巻取リールと、前記格納リールと巻取リール間で裏当
    てテープを管面に押し付けて裏当てする裏当て手段とを
    有することを特徴とする請求項1に記載の片面溶接裏当
    てロボット。
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