JP3237914B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP3237914B2
JP3237914B2 JP24073192A JP24073192A JP3237914B2 JP 3237914 B2 JP3237914 B2 JP 3237914B2 JP 24073192 A JP24073192 A JP 24073192A JP 24073192 A JP24073192 A JP 24073192A JP 3237914 B2 JP3237914 B2 JP 3237914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加熱により可視光部に吸
収を有する画像と近赤外部に吸収を有する画像を任意に
形成することのできる偽造・複製が困難であり、かつ真
偽の区別を容易に行うことのできる感熱記録材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年のように各種カード類等の著しい普
及に伴い、種々の偽造や改ざん、不正使用の危険性が考
えられ、それに対応した常に新しい不正防止技術が求め
られている。
【0003】証券、乗車券、定期券、馬券、プリペイド
カードなどの偽造や改ざんを防止するための種々の方法
が提案されている。磁気的な方法として基材に磁気記録
層を設け、情報を記録する際に、磁気密度や信号の符号
化方式を変更し、一般の装置では読み書き出来ないよう
にする方法、磁気バーコード等の固定データを設ける方
法、また磁気記録層の上に磁気シールド層を設ける方法
等がある。また視覚を利用した方法として、光の干渉を
利用して、光を当てると立体像が浮かび上がるホログラ
ムを利用した方法、蛍光インキを使って目に見えないよ
うにパターン印0刷し、紫外線を当てると蛍光を発し、
パターンが目視で確認できるような隠し文字印刷を施す
方法等がある。また光学読み取りを利用したものも広く
用いられている。例えばカード等の表面に画像情報を記
録し、バーコード、OMR、OCR等により情報を読み
取る方法がある。しかし画像情報そのものが目視で確認
できるため容易に偽造や改ざんを行うことができる。
【0004】これらを改良したものとして特開昭63−
116286号公報、特開昭64−87397号公報、
特開平4−70394号公報には可視光域以外の特定波
長域の光を吸収する色素等の物質を予めストライプ状、
バーコード状に印刷または塗布する方法が示されてい
る。このような方法ではストライプ状、バーコード状に
印刷または塗布した部分は目視では判定し難く、可視光
域以外の特定波長域の光を検出する光学読取装置でのみ
しか読み取ることができないため、簡便には偽造や改ざ
んを行なうことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法でもカード等に予めパターンを印刷する必要があ
るため、印刷時の煩雑性からどうしても特定の限られた
パターンに制約されてしまうといった問題点を含んでい
る。また可視情報を入れるためには感熱発色層、熱転写
受像層等を別に設けなくてはいけない。本発明は、必要
な可視情報を任意に記録する事が出来ると同時に、目視
では判別できないが、光学読取装置では判別できるパタ
ーンをランダムな部分に任意に形成することのできる、
よりセキュリティ性の高い新しい記録材料を提供する事
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、装置の小型
化・メンテナンス不要を特徴とする感熱記録方式で上記
の条件を満たす記録材料について種々検討を加えた結
果、支持体上に、電子受容性化合物及び、該電子受容性
化合物との反応により近赤外部に吸収をもつ色素を形成
する電子供与性化合物を含有する第1の感熱発色層と、
電子受容性化合物及び、該電子受容性化合物との反応に
より近赤外部に実質的に吸収をもたない色素を形成する
電子供与性化合物を含有する第2の感熱発色層とを順次
積層することにより、目的とした感熱記録材料を得るこ
とができた。
【0007】本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッド
印字、あるいはレーザー光を照射すること等、熱的印字
方法により必要な可視情報を第2の感熱発色層上の任意
の部分に印字記録する事が出来ると同時に、第1の感熱
発色層により、近赤外部に吸収を持つパターンをランダ
ムな状態で任意の部分に形成することができる。すなわ
ち、低温で印字した場合は上層にある第2の感熱発色層
が発色し可視情報として認識でき、高温で印字した場合
は上層の第2の感熱発色層と下層にある第1の感熱発色
層とが同時に発色するため可視情報としての認識と共に
近赤外部に吸収を持つ色素画像が形成される。近赤外部
とは700nm〜1300nmの波長領域を示す。すな
わち第1の感熱発色層で形成される近赤外部に吸収をも
つ色素はこの波長領域に吸収を有するため、この波長領
域の機械的な読取りが可能であるが、第2の感熱発色層
で形成される近赤外部に実質的に吸収をもたない色素は
この波長領域にほとんど吸収を有せず、この波長領域の
機械的な読取りをなんら阻害しないものである。偽造・
改ざん防止の効果を高めるためには可視情報の画像と近
赤外部に吸収を持つ画像との色相が同一であることが識
別を困難にするため、より好ましい。
【0008】すなわち可視情報画像を与える上層の第2
の感熱発色層の発色色相と、近赤外部に吸収を持つ画像
を与える下層にある第1の感熱発色層の発色色相が同一
であるか、または上層の第2の感熱発色層が黒色に発色
することが好ましい。下層にある第1の感熱発色層の発
色色相が特に黒色でなくても、上層の第2の感熱発色層
の黒色との混色で、視覚上、可視情報画像の黒色と識別
がつかなければ良い。
【0009】従来の感熱記録材料の中に、2種類の電子
供与性化合物を別々の感熱発色層に含有させ印字温度の
違いにより、2種の異なった色相に発色する2色感熱記
録材料が知られている。例えば特開昭49−65239
号公報に開示されている。しかしながら、この2色感熱
記録材料は2種の異なった色相を形成させると共に可視
画像を得ることのみを特徴としており、セキュリティ性
はまったくない。
【0010】本発明による感熱記録材料の下層の第1の
感熱発色層に含有させる近赤外部に吸収を持つ色素を形
成する電子供与性化合物の具体例を以下に例示するが、
これらに限定されるものではない。
【0011】3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレ
ン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノ)フタ
リド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9
−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノ)フタリド等
のフルオレン系化合物、3,3−ビス[2´−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−2´−(p−メトキシフェニ
ル)ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリ
ド、3,3−ビス[2´−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−2´−(p−メトキシフェニル)ビニル]−4,
5,6,7ーテトラブロモフタリド、3,3−ビス[2
´−(p−メトキシフェニル)−2´−(p−ピロリジ
ノフェニル)ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロ
フタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−
トルエンスルフォニルメタン、ビス(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−p−トルエンスルフォニルメタン、ビス
(p−ジメチルアミノスチリル)−ベンゼンスルフォニ
ルメタン、1,1−ビス[2´,2´−(p−ジメチル
アミノフェニル)ビニル]−2,2−ジニトリルエタン
等のジビニル系化合物、
【0012】2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ
−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニ
リノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチル
アミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエ
チルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−p−
(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオ
ラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノア
ニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−
(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオ
ラン等のフルオラン系化合物等が挙げられる。これらの
電子供与性化合物は単独または2種以上混合して使用さ
れる。
【0013】本発明による感熱記録材料の上層の第2の
感熱発色層に含有させる近赤外部に吸収を持たない色素
を形成する電子供与性化合物としては一般に感圧記録紙
や感熱記録紙に用いられているものがある。具体例を以
下に例示するが、これらに限定されるものではない。
【0014】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオ
レットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)
フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル
インドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインド
ール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−
ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチ
ルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド
等のトリアリールメタン系化合物、
【0015】4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニ
ル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェ
ニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフ
ェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合
物、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p
−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−
ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4
−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、 3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリ
ル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキ
シル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン等のキサンテン系
化合物、
【0016】ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化
合物、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルス
ピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフ
トピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メ
チルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3
−プロピルスピロベンゾピラン等のスピロ系化合物を挙
げることができ、これらは単独もしくは2種以上混合し
て使うことができる。
【0017】本発明による感熱記録材料の下層の第1の
感熱発色層及び上層の第2の感熱発色層に含有させる電
子受容性化合物としては一般に感熱紙に用いられる酸性
物質であれば、同一種でも異なった種類でも特に制限さ
れない。これらの電子受容性化合物としては例えばフェ
ノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジ
アリールチオ尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多
価金属塩を用いることができる。
【0018】また、特に好ましいものはフノール誘導体
で、具体的には、p−フェニルフェノール、p−ヒドロ
キシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベン
ゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、1,1−ビ
ス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−
ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(p−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ
−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロ
ピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシ
フェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、
【0019】4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビ
ス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,
2′−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエ
ーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−
3,5−ジオキサヘプタン、p−ヒドロキシ安息香酸ベ
ンジル、p−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−
ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食
子酸ステアリル、サリチルアニリド、5−クロロサリチ
ルアニリド等を挙げることができ、これらは単独もしく
は2つ以上混合して使うことができる。またこれらの電
子受容性化合物は電子供与性化合物に対して10〜40
0重量%用いることが好ましく、さらに、30〜250
重量%用いることがより好ましい。
【0020】本発明による感熱記録材料の第1、及び第
2の感熱発色層に用いられるバインダーとしては、デン
プン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリ
ル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸
エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレ
イン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ス
チレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタ
ジエン共重合体アクリル酸メチル/ブタジエン共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックスなど
があげられる。各々の感熱発色層のバインダーを除く全
固型分に対して1〜40重量%、好ましくは3〜20重
量%用いられる。
【0021】また、本発明による感熱記録材料の第1、
及び第2の感熱発色層の熱応答性を向上させるために熱
可融性物質を含有させることができる。60℃〜180
℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜140
℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に
用いられている増感剤を使用することも出来る。これら
の化合物としてはN−ヒドロキシメチルステアリン酸ア
ミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどの
ワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフト
ール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキ
シビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3
−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メ
トキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メト
キシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸
ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−
メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエ
ステル誘導体等が挙げられ、単独あるいは併用して使用
することができる。十分な熱応答性を得るためには、電
子供与性化合物に対して30〜700重量%用いること
が好ましく、さらに、50〜550重量%用いることが
より好ましい。
【0022】また各々の感熱発色層には各種の添加物を
添加することが出来る。例えば、顔料としては、ケイソ
ウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケ
イ素、水酸化アルミニウム等の無機顔料、尿素ーホルマ
リン樹脂等の有機顔料が挙げられる。レーザー光を熱変
換する無機および有機の赤外線吸収剤、その他にヘッド
摩耗防止、スティッキング防止などの目的でステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化
ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス
等のワックス類、また、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系などの紫外線吸収剤、さらに界面活性剤、蛍光染
料などが必要に応じて添加される。
【0023】本発明による感熱記録材料に使用される支
持体としては紙が主として用いられるが、紙のほかに各
種不織布、織布、合成樹脂フィルム、ラミネート紙、合
成紙、金属箔等、あるいはこれらを組み合わせた複合シ
ートを目的に応じて任意に用いることができる。また、
感熱記録層を保護するために上層の第2の感熱発色層の
上に単層あるいは複数層からなるオーバーコート層を設
けたり、第1の感熱記録層と支持体との間に単層あるい
は複数層からなる顔料あるいは樹脂を含むアンダーコー
ト層を設けたり、第1の感熱発色層と第2の感熱発色層
との間に中間層を設けることもできる。更に支持体の感
熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防
止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けること
もできるなど、一般の感熱記録材料の製造に於ける種々
の公知技術を用いることができる。
【0024】
【作用】本発明による感熱記録材料を低エネルギーで印
字すると上層に位置する感熱発色層が発色し可視光域の
みに吸収を持つ可視画像が得られる。さらに高エネルギ
ーで印字すると上層と共に下層に位置する感熱発色層が
発色し近赤外部に吸収をもつ可視画像が得られる。印字
には通常のサーマルヘッドあるいはレーザー光照射が使
用できるため任意の部分に可視光域のみに吸収を持つ可
視画像と近赤外部に吸収をもつ可視画像を形成させるこ
とが可能である。両者の発色色相が同一あるいは近似し
ていれば目視による区別は不可能であり、近赤外光を用
いた読み取り装置を用いると両者間を明確に識別するこ
とが出来る。すなわち目視では判別できないパターンを
ランダムな状態で任意に形成することができる。よって
偽造・変造が行なわれた場合、容易に判別がつき偽造・
変造防止により効果的であり、よりセキュリティ性の高
い新しい記録材料を提供する事が出来る。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお以下に示す部及び%はいずれも重量基準
である。
【0026】実施例1 感熱記録材料の作成 (A)第1の感熱記録層の感熱塗液の作成 発色体が近赤外部に吸収を持つ電子供与性化合物として
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピ
ロ−3´−(6´−ジメチルアミノ)フタリド25部を
2.5%ポリビニルアルコール水溶液80部と共にボー
ルミルで24時間粉砕し、ロイコ染料分散液を得た。次
いで電子受容性化合物として2,2−ビス(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパン40部を2.5%ポリビニルア
ルコール水溶液60部と共にボールミルで24時間粉砕
し、顕色剤分散液を得た。増感剤として2−ベンジルオ
キシナフタレン55部を2.5%ポリビニルアルコール
水溶液120部と共にボールミルで24時間粉砕し、分
散液を得た。
【0027】上記3種の分散液を混合した後、攪拌下、
炭酸カルシウム50%分散液100部、10%ポリビニ
ルアルコール水溶液170部、水124部を加え第1の
感熱記録層の感熱塗液を作成した。
【0028】(B)第2の感熱記録層の感熱塗液の作成 発色体が可視光部に吸収を持ち、近赤外部に吸収を持た
ない電子供与性化合物として3−ジ−n−ブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン25部を2.5
%ポリビニルアルコール水溶液80部と共にボールミル
で24時間粉砕し、ロイコ染料分散液を得た。次いで電
子受容性化合物として2,2−ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン40部を2.5%ポリビニルアルコー
ル水溶液60部と共にボールミルで24時間粉砕し、顕
色剤分散液を得た。増感剤として2−ベンジルオキシナ
フタレン55部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液
120部と共にボールミルで24時間粉砕し、分散液を
得た。
【0029】上記3種の分散液を混合した後、攪拌下、
炭酸カルシウム50%分散液100部、10%ポリビニ
ルアルコール水溶液170部、ステアリン酸亜鉛40%
分散液25部、水140部を加え第2の感熱記録層の感
熱塗液を作成した。
【0030】(C)感熱記録材料の作成 坪量40g/m2の原紙に第1の感熱記録層の感熱塗液
(A)を固形分塗抹量として9g/m2となるように塗抹
し、更にその上に第2の感熱記録層の感熱塗液(B)を
固形分塗抹量として9g/m2となるように塗抹し、感熱
記録材料を作成した。
【0031】実施例2 実施例1で用いた3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノ)
フタリドの替わりに3,3−ビス[2´−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−2´−(p−メトキシフェニル)
ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリドを用
いて第1の感熱記録層を作成した以外は実施例1と同様
にして感熱記録材料を作成した。
【0032】実施例3 実施例1で用いた3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノ)
フタリドの替わりに2−クロロ−3−メチル−6−p−
(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオ
ランを用いて第1の感熱記録層を作成した以外は実施例
1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0033】実施例4 実施例1で用いた3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオランの替わりに3−ジエチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオランを用いて第2の
感熱記録層を作成した以外は実施例1と同様にして感熱
記録材料を作成した。
【0034】比較例1 実施例1で用いた3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノ)
フタリドの替わりに3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いて第1の感熱記録
層を、さらに3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオランの替わりに3−ジエチルアミノ
−7−ジベンジルアミノフルオランを用いて第2の感熱
記録層を作成した以外は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作成した。
【0035】試験 実施例1〜4及び比較例1により得られた感熱記録材料
をG3ファクシミリ印字試験機を用いて印加電圧26
V、通電時間0.6ミリ秒の低エネルギー条件で印字
し、次に別の部分に印加電圧26V、通電時間0.9ミ
リ秒の高エネルギー条件で印字した。得られた各々の画
像の色相と可視光域の580nm及び近赤外光域の78
0nmでの各々の吸光度を測定し、表1にまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】表1より明らかなように、実施例1〜4
の本発明による感熱記録材料は、低エネルギーで印字し
て得られた発色画像と高エネルギーで印字して得られた
発色画像を比較すると、同一色相でありながら、可視光
域での吸光度は共にほとんど変化しないが、近赤外光域
での吸光度は低エネルギー印字では低く、高エネルギー
印字では高いことがわかる。よって通常は低エネルギー
で印字し、必要なパターンを高エネルギー印字すること
により、目視では両者間の識別は出来ないが、近赤外光
を用いた光学読取装置を用いると両者間を明確に識別す
ることが出来る。しかし、比較例1による感熱記録材料
は、低エネルギーで印字して得られた発色画像と高エネ
ルギーで印字して得られた発色画像は共に近赤外光域で
の吸光度が低く光学読取装置で両者間を識別することは
できない。
【0038】よって本発明による感熱記録材料は、印字
した時に形成される近赤外部の特定のパターンを認識し
ておくことにより偽造・変造が行なわれた場合、容易に
判別がつく。また近赤外部の特定のパターンは1枚づつ
でも変更することが可能であり偽造・変造防止により効
果的である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子受容性化合物及び、該
    電子受容性化合物との反応により近赤外部に吸収をもつ
    色素を形成する電子供与性化合物を含有する第1の感熱
    発色層と、電子受容性化合物及び、該電子受容性化合物
    との反応により近赤外部に実質的に吸収をもたない色素
    を形成する電子供与性化合物を含有する第2の感熱発色
    層とを順次積層することを特徴とする感熱記録材料。
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