JP3237698U - 掛け布団 - Google Patents

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拓哉 石田
高央 近藤
恵美子 成田
拓也 丹羽
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株式会社サンデシカ
拓也 丹羽
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Abstract

【課題】就寝中の布団内での快適な環境と布団全体の均一な風合いを維持することが可能であって、肌への負荷を軽減する掛け布団を提供することを目的とする。【解決手段】中綿部が、ポリエステル綿から成る第1充填材と、前記第1充填材を被包し、綿わたより成る第2充填材とから構成され、前記中綿部を封入可能な側地が、80番手以上の綿糸で織成されたサテン生地で構成され、前記側地の面上の複数個所で、前記側地の一方の面から、前記側地に封入された前記中綿部を介して、前記側地の他方の面まで貫通して縫合し、等間隔に千鳥配置された和綴じ部を有する掛け布団を提供する。【選択図】図2

Description

本考案は、寝具用の掛け布団に関する。
一般に、寝具用の掛け布団は、中綿部とこれを封入して収容する側地とから構成される。近年、質の良い睡眠をサポートするために、前記掛け布団の素材、構造を改良した掛け布団が提案されている。
たとえば、保温性、放湿性及び軽量性を改善するために、袋状に形成された外側生地の内部に、シート状の中綿とシート状のポリウレタンフォームとが積層されている掛け布団が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、寝床内の暖かい状態を長く保持するとともに、湿度を一定に保持し、寝床内の環境を短時間で快適にするために、極細繊維による綿層と、吸湿発熱繊維による綿層との多層構造の掛け布団が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2020-141850 特開2014-200464
前記従来技術は、いずれも、就寝中に布団内での快適な環境を維持するために、前記中綿部を異なる素材の多層構造としたものであるため、多層構造の中綿部の上下で表出する素材が異なっていた。したがって、掛け布団の全体的な風合いが均一性に欠けるという問題があった。特に、少なくとも、多層構造の一方の素材の吸湿性が高いと、結果として掛け布団全体の重さが増し、体感的にも不快感が増し、快眠を阻害するおそれがあった。
また、掛け布団は、就寝中、常時肌に直接触れるものであるため、乳幼児の肌、さらには過敏肌、敏感肌への影響が大きいが、前記従来技術では直接的に肌のケアに関する提案はなされていない。
本明細書における開示は、上記課題を解消させるためのものであり、就寝中の布団内での快適な環境の維持とともに、布団全体の均一な風合いを維持することが可能な掛け布団を提供することを第1の目的とする。また、肌への負荷を軽減する掛け布団を提供することを第2の目的とする。
本明細書において開示する掛け布団の一態様は、ポリエステル綿から成る第1充填材と、前記第1充填材を被包し、綿わたより成る第2充填材とから構成される中綿部を有する。
この構成によれば、中綿部の第2充填材が第1充填材を被包しているため、側断面が3層構造となる。
前記第2充填材は、断面形状が凹状の2つの綿わた部材の凹面側周縁部で対向合体し、前記第1充填材の被包が可能な内部空間を形成するようにしてもよい。
また、前記第1充填材と前記第2充填材とは、同一重量としてもよい。
さらに、前記掛け布団は、前記側地の面上の複数個所で、前記側地の一方の面から、前記側地に封入された前記中綿部を介して、前記側地の他方の面まで貫通して縫合し、等間隔に千鳥配置された和綴じ部を有する構成としてもよい。
なお、前記側地の縁辺部から所定幅の額部を介して、前記和綴じ部を包囲するキルティング縫成部を有する構成としてもよい。
本明細書において開示する掛け布団の一態様は、80番手以上の純綿糸で織成されたサテン生地で構成され、前記中綿部を封入可能な側地を有する。
この構成によれば、就寝時に肌が触れる側地が、純綿糸で織成されたサテン生地で構成される。
本考案にかかる掛け布団は、就寝中の布団内での快適な環境の維持とともに、布団全体的な均一な風合いを維持することができるという効果を有する。また、肌への負荷を軽減することができるという効果を奏する。
図1は、本明細書で開示する掛け布団の上面図である。 図2は、図1A-A線の側断面図である。 図3は、和綴じ部の模式的側面図である。
以下、図面を参照しながら本明細書による開示を実施するための形態を説明する。先に説明した実施形態に対応する構成要素を後続の実施形態が有する場合には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、各実施形態において構成の一部のみを説明している場合、当該構成の他の部分については先行して説明した実施形態の参照符号を使用する場合がある。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示していない場合でも、特に当該組み合わせに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。また、図中の各部材、構成品の大きさは、説明を容易とするため適宜強調されており、実際の寸法、部材間および構成品間の比率を示すものではない。
図1は、本明細書で開示する掛け布団1の上面図であり、図2は、掛け布団1における図1A-A線の側断面図であり、図3は、和綴じ部15の模式的側面図である。以下、図1から図3により、掛け布団1の構成を説明する。
掛け布団1は、側地11と側地11に封入される中綿部16とから構成される。本実施の形態では、側地11は、側地表面11aと側地裏面11bの2つの生地を縁辺部12で縫い合わせて中綿部16を封入可能な空間を形成している。側地11、特に、側地裏面11bは、就寝時に肌が触れる面になる。そこで、細糸、望ましくは80番手以上の純綿糸で織成されたサテン生地で構成されたもので織成されたものが好ましい。
掛け布団1の使用とともに、中綿部16の偏りを阻止するために、側地11の面上の複数個所で、側地表面11a(側地の一方の面)から、側地11に封入された中綿部16を介して、側地裏面11b(側地の他方の面)まで貫通して縫合し、等間隔に千鳥配置された和綴じ部15が形成されている。
和綴じ部15は、図3で示すとおり、例えば、多本取り(本実施の形態では4本取り)で折り返して倍数(本実施の形態では8本)でまとめて締結部15aで締結し、側地表面11a上に先端部15bを揃えて束ねればよい。締結部15aから先端部15bまでは、例えば5~5.5cmの長さで揃えて束ねれば意匠的に見栄えがよい。
中綿部16の前記偏りを阻止する方法としては、側地11全体をステッチによって、縦横に矩形状の連続模様(例えば格子状)で形成するキルティング加工が一般的である。しかしながら、キルティング加工を施すと、多数の細かい区画領域の四方をステッチによって線状に抑え込むため、中綿部16の本来の風合いと嵩高を損なうおそれがある。
和綴じ部15は、前記キルティング加工による線状の抑え込みと異なり、点で抑えるため、キルティング加工よりも、中綿部16の風合いと嵩高を維持することが可能になる。さらに、和綴じ部15を等間隔の千鳥配置とすることで、中綿部16の四方への偏りを効率よく阻止することができる。なお、本実施の形態では、和綴じ部15の数が4つであるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、布団の表面積、中綿部16の厚みなどにより、適宜、和綴じ部15の数を決定すればよい。
一方、中綿部16が側地11の縁辺部12近傍に偏った場合には、和綴じ部15での阻止は難しくなる。特に、就寝中は、掛け布団1の長手方向中央を頂点として、左右に下り傾斜になるため、中綿部16の自重により、徐々に縁辺部12に向かう可能性が高い。そこで、縁辺部12から所定幅の額部13を介して、和綴じ部15を包囲するキルティング縫成部14を施す構成としている。すなわち、掛け布団1は、中綿部16の偏在の阻止と中綿部16を構成する充填材の本来の風合い及び嵩高の維持とを両立させるために、就寝中の体上に被さる部分(側地11の中央部)の和綴じ部15とその外周のキルティング縫成部14との2つの異なる構成を備える。
なお、本実施の形態では、額部13は、側地表面11aの縁辺部12からキルティング縫成部14の間の所定幅で形成されているが、例えば、側地裏面11bからふき返して額部13を形成する構成としてもよい(図示せず)。
図2で示すとおり、中綿部16は、第1充填材16aと第1充填材16aを被包する第2充填材16bとから構成されている。第1充填材16aの素材は、ポリエステル綿であり、第2充填材16bの素材は、綿わた(いわゆるオーガニックわた)である。第1充填材16aが、第2充填材16bによって被包されることにより、素材としては2重構造であるが、側断面は3層構造(側地表面11a側の第2充填材16bと第1充填材16aと側地裏面11b側の第2充填材16b)になっている。なお、本実施の形態では、第2充填材16bは、断面形状が凹状の2つの綿わた部材の凹面側周縁部で対向合体し、第1充填材16aの被包が可能な内部空間を形成している。
一般に、第1充填材16aの素材であるポリエステル綿は、綿わたと比べて軽量かつ嵩高があり、さらに、復元性も高い。また、吸湿性が低いため、乾燥しやすい反面、蒸れやすいという欠点もある。一方、第2充填材16bの素材である綿わたは、肌触りがよく、特に、乳幼児など敏感肌、過敏肌に対する影響が少ない。一方で、吸湿性が高いため、ひとたび湿気を吸うと、重さが増し、乳幼児などには就寝中の体に対する負荷が高くなり、良質な睡眠を阻害するおそれがある。
そこで、中綿部16は、湿気や汗などが次第に中心部に向かう内部の第1充填材16aには、吸湿性が低いポリエステル綿を使用し、肌に近い外周部の第2充填材16bには、天然由来の綿わたを使用する2重構造としている。なお、第1充填材16aと第2充填材16bとは、同一重量(たとえば、各々200g)としても、第2充填材16bが被包材となっているため、第1充填材16aよりも、全体の厚みが薄く引き延ばされるため、吸湿による重さの偏りが分散され、重量感という前記不具合は軽減される。また、第2充填材16bを被包材とすることで、第1充填材16aは、外部に表出せず、肌への影響を軽減することができる構成になっている。
以上のような構成により、掛け布団1は、乳幼児の肌、過敏肌又は敏感肌に好適であって、良好な吸湿性及び軽量性を提供することができる。
この明細書で開示された技術は、前記実施形態に制限されない。すなわち、例示的に示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。また、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。さらに、開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、実用新案登録請求の範囲の記載によって示され、さらに実用新案登録請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
1 掛け布団
11 側地
11a 側地表面
11b 側地裏面
12 縁辺部
13 額部
14 キルティング縫成部
15 和綴じ部
16 中綿部
16a 第1充填材
16b 第2充填材

Claims (6)

  1. ポリエステル綿から成る第1充填材と、前記第1充填材を被包し、綿わたより成る第2充填材とから構成される中綿部を有する掛け布団。
  2. 前記第2充填材は、断面形状が凹状の2つの綿わた部材の凹面側周縁部で対向合体し、前記第1充填材の被包が可能な内部空間を形成する請求項1記載の掛け布団。
  3. 前記第1充填材と前記第2充填材とは、同一重量である請求項1又は請求項2記載の掛け布団。
  4. 80番手以上の純綿糸で織成されたサテン生地で構成され、前記中綿部を封入可能な側地を有する請求項1又は請求項2記載の掛け布団。
  5. 前記側地の面上の複数個所で、前記側地の一方の面から、前記側地に封入された前記中綿部を介して、前記側地の他方の面まで貫通して縫合し、等間隔に千鳥配置された和綴じ部を有する請求項4記載の掛け布団。
  6. 前記側地の縁辺部から所定幅の額部を介して、前記和綴じ部を包囲するキルティング縫成部を有する請求項5記載の掛け布団。
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