JP3110709U - 乳幼児用枕 - Google Patents
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Abstract
【課題】乳幼児の生理的変化に対応し、より良い睡眠環境を導き出す発汗性能に優れ、しかも後頭部の発育を阻害しない枕を得る。
【解決手段】頭頂支持部と首当接部との間に凹み部を設けてなる乳幼児用枕であって、凹み部は詰め物を含まないか、もしくは貫通孔とされ、頭頂支持部を水分吸排出機能を有する仕切り布により上下に吸湿機能室と排湿機能室に分け、吸湿機能室と首当接室とに吸湿性綿を充填し、排湿機能室に柔軟なパイプ状詰め物を充填した。
【選択図】図3
【解決手段】頭頂支持部と首当接部との間に凹み部を設けてなる乳幼児用枕であって、凹み部は詰め物を含まないか、もしくは貫通孔とされ、頭頂支持部を水分吸排出機能を有する仕切り布により上下に吸湿機能室と排湿機能室に分け、吸湿機能室と首当接室とに吸湿性綿を充填し、排湿機能室に柔軟なパイプ状詰め物を充填した。
【選択図】図3
Description
本考案は、生後間もない新生児から3歳児ぐらいまでの乳幼児用枕に関する。
乳幼児用枕としては、乳幼児の後頭部が圧迫されて扁平になるのを防止する所謂ドーナッツ型枕が広く使用されている。これらのドーナッツ型枕は、肌になじみの良い柔軟な綿を詰め物として形成されているのが普通である。しかしながら、身体が未成熟であり、生理的変化が激しく、発汗量のきわめて多い乳幼児には、枕にも特別の配慮が必要である。
成人用の枕としては、快適な睡眠を得るための種々の工夫がなされており、枕本体を仕切り布によって小室に分割し、分割された小室内に異なる充填材を収納した枕は知られている。(特許文献1参照。)また、枕内部を仕切り、その一部にカットパイプ等の充填物を充填した枕も知られている。(特許文献2参照。)しかしながら、これらの枕は、いずれも成人を対象とするものであって、乳幼児が使用することの出来るものではない。
実用新案登録第3076706号公報
実開平6−17559号公報
乳幼児は、大人より睡眠中もよく動き、発汗量も多いことが特徴である。乳幼児は新陳代謝が非常に活発なため、沢山の栄養と水分とが必要であり、大人の3倍もの水分を摂取する。そのため、発汗量も多く、大人の2〜3倍の汗をかき、特に寝付くとき、表面部位の発汗が増えるので、吸汗し、汗の発散効果の高い枕が求められている。また、生後3ヶ月位までは体温調節機能が未発達なので、汗の水分で身体が冷え、体温が低下することが原因で寝冷えにつながることもある。また、乳幼児用枕は、直接皮膚に触れるので、弱い皮膚を刺激しない柔らかさも必要である。
これに鑑みて本考案は、乳幼児の生理的変化に対応し、より良い睡眠環境を導き出す枕、即ち発汗性に優れ肌触りのよい枕であり、しかも乳幼児の後頭部の発育を阻害しない枕を提供することを目的とする。
これに鑑みて本考案は、乳幼児の生理的変化に対応し、より良い睡眠環境を導き出す枕、即ち発汗性に優れ肌触りのよい枕であり、しかも乳幼児の後頭部の発育を阻害しない枕を提供することを目的とする。
本考案の枕は、頭頂支持部と首当接部との間に凹み部を設けてなる乳幼児用枕であって、凹み部は詰め物を含まないかもしくは貫通孔とされ、頭頂支持部を水分吸排出機能を有する仕切り布により上下に吸湿機能室と排湿機能室に分け、吸湿機能室と首当接室とに吸湿性綿を充填し、排湿機能室に柔軟なパイプ状詰め物を充填した。仕切り布は、吸湿性、速乾性に優れた、湿気が充填された吸湿性綿よりパイプ状詰め物の充填された排湿機能室に向って水分を発散させる布であって、横断面形状W形ポリエステルフィラメントを織成した布を用いることが出来る。柔軟なパイプ状詰め物は、軟質ポリエチレン及びまたはポリプロピレンよりなる直径5〜7mm、カット長5〜10mm、肉厚0.2〜0.5mmのパイプ状詰め物であることが好ましい。また、排湿機能室に充填される柔軟なパイプ状詰め物の充填容積は、吸湿機能室に充填される吸湿性綿の充填容積以下とする。
本考案の乳幼児用枕は、直接肌に触れる部分には、肌触りの良い綿素材を使用するが、肌に触れることのない排湿機能室を水分吸排出機能を有する仕切り布によって区画し、この部分に特定の柔軟なパイプ状詰め物を充填することによって、乳幼児の頭部からの発汗をまず柔軟な吸湿性綿素材で吸収し、仕切り布を通して汗をパイプ層に吸い上げ、迅速に気化させるものであるので、皮膚に優しく、乳幼児の生理的変化に適した枕である。更に、本考案の枕は、乳幼児の後頭部が接する枕中央下部には詰め物をせずに、枕の側地のみ、または内部を貫通させて乳幼児の後頭部が扁平になるのを防止している。
本考案の枕1を図面を参照して説明する。
図1Aは、丸型の乳幼児用枕1、図1Bは長方形の乳幼児用枕1を示す平面図であるが、枕1の平面形状はこれら丸型或いは長方形に限らず任意に選定することが出来る。図1AのI−I線断面図である図2A及び枕1の部分切欠斜視図である図3A,Bに示すごとく、乳幼児用枕1は、同形の表側地2と裏側地3とその中間の仕切り布4とを三重に重ね、その周縁を縫製5し、袋体を構成すると共に、平面視中央位置から使用時の肩側に近づいた位置を環状に縫着し、詰め物はせずに環状区画の内部を凹み部7、即ち乳幼児の後頭部支え部とする。凹み部7は、図2Aのように表裏地2,3間に仕切り布4を挟んで縫着しても、或いは表裏地2,3のみとしても良い。更に、図2Bに示すように凹み部7は、周囲を環状に縫着し、環状区画の内部は貫通した空間を有する円形窓状に構成することも出来る。枕の表側地2、裏側地3としては、綿素材の経編メリヤスのような肌触りが良く、通気性に富んだ素材を使用する。
図1Aは、丸型の乳幼児用枕1、図1Bは長方形の乳幼児用枕1を示す平面図であるが、枕1の平面形状はこれら丸型或いは長方形に限らず任意に選定することが出来る。図1AのI−I線断面図である図2A及び枕1の部分切欠斜視図である図3A,Bに示すごとく、乳幼児用枕1は、同形の表側地2と裏側地3とその中間の仕切り布4とを三重に重ね、その周縁を縫製5し、袋体を構成すると共に、平面視中央位置から使用時の肩側に近づいた位置を環状に縫着し、詰め物はせずに環状区画の内部を凹み部7、即ち乳幼児の後頭部支え部とする。凹み部7は、図2Aのように表裏地2,3間に仕切り布4を挟んで縫着しても、或いは表裏地2,3のみとしても良い。更に、図2Bに示すように凹み部7は、周囲を環状に縫着し、環状区画の内部は貫通した空間を有する円形窓状に構成することも出来る。枕の表側地2、裏側地3としては、綿素材の経編メリヤスのような肌触りが良く、通気性に富んだ素材を使用する。
本考案の乳幼児用枕1は、図1A,Bに示すごとく、前記凹み部7の左右に延びる分画線8,8によって、後頭部を支える凹み部7を中心にして頭頂部を支える頭頂支持部9と枕使用者の肩側に近い首当接部10とに分けている。また、図1Cに示すごとく、分画線8を、凹み部7に近接した直線、または図1Dに示すごとく、凹み部7に接した直線8のいずれかとして頭頂支持部9と首当接部10を有する枕1を構成することも出来る。
分画線8,8における構成の第一の例は、図3Aに示す如く表側地2、仕切り布4、裏側地3を重ねた状態で表側地2と仕切り布4との間に詰め物14を置き、表側地2から裏側地3までキルトしている。表裏側地2,3間に介在する仕切り布4は、頭頂支持部9内のみとしても、或いは枕全面に延在しても良い。頭頂支持部9内の仕切り布4が分画線8,8を越え首当接部10内に及んでいるときは、仕切り布4は、表側地2または裏側地3(図2Aに図示)と重ね合わせた状態として使用される。従って、枕1の内部が分画線8、8及び仕切り布4によって、凹み部7を除いて3室に分割されることになる。
分画線8,8における構成の第一の例は、図3Aに示す如く表側地2、仕切り布4、裏側地3を重ねた状態で表側地2と仕切り布4との間に詰め物14を置き、表側地2から裏側地3までキルトしている。表裏側地2,3間に介在する仕切り布4は、頭頂支持部9内のみとしても、或いは枕全面に延在しても良い。頭頂支持部9内の仕切り布4が分画線8,8を越え首当接部10内に及んでいるときは、仕切り布4は、表側地2または裏側地3(図2Aに図示)と重ね合わせた状態として使用される。従って、枕1の内部が分画線8、8及び仕切り布4によって、凹み部7を除いて3室に分割されることになる。
第2の例として次の如き構成のものがある。この縫製構造は、仕切り布4を表側地2及び裏側地3と同一形状に裁断するか、仕切り布4を頭頂支持部9から分画線8までの大きさとし、仕切り布4と裏側地3とを分画線8の位置で一体に縫着すると共に、上記のように凹み部7を環状に縫着する。この縫製により表側地2の下面は頭頂支持部9から首当接部10まで連続した吸湿機能室11となり、同室11の頭頂支持部9の下位には排湿機能室12が作られる。頭頂支持部9から首当接部10まで連続した吸湿機能室には詰め物14が、排湿機能室12にはパイプ状詰め物15が封入される。即ち、枕頭頂支持部9は仕切り布4で吸湿機能室11、排湿機能室12とに上下に分割され、首当接部10は、上側が表側地2よりなり、下側が裏側地3及び仕切り布4よりなるものとする。仕切り布4としては、後述するように、片面は水分を吸着し、他面で水分を発散させる布を使用し、吸湿機能室11に水分を吸着する面が位置し、排湿機能室12を形成する面に水分を発散させる面が位置するように用いる。枕1の区画された各室には、後述する詰め物を充填後、枕1の外周縁で枕表側地2、仕切り布4、枕裏側地3を一体に縫着する。
また、第3の縫製構造は、丸型枕の部分切欠図である図3Bに示すように、枕頭頂支持部9を吸湿機能室11、排湿機能室12に仕切り布4で上下に分割すると共に分画線8の位置にマチ布13を設け、枕内部を、凹み部7を除き3室に区画すると共に、図3Bに示すように、マチ布13は、仕切り布4と当接する端縁において仕切り布4と縫合13aし、表裏側地2,3とも上下両縁で一体に縫製する。
更に、図4に示すような頭頂支持部9にマチ布を有する形状としても良い。図4Aに示すように、頭頂支持部9に、頭頂を中心として枕1の周縁に沿って左右に延びるバルーン形状の頭頂部マチ布16を表側地2と裏側地3との間に縫着する。この構成の枕1は、図4AのII−II線断面図である図4Bに示すように、枕頭頂支持部9は、仕切り布4で枕頭頂支持部9を吸湿機能室11、排湿機能室12に上下に分割すると共に、吸湿機能室11、排湿機能室12はいずれも頭頂部マチ布16の部分で外気と接することになる。頭頂部マチ布16は、表裏側地2,3と同様の通気性に富んだ布地、または仕切り布4と同様の後述する水分吸排出機能を有する布を、水分を発散する面を外気に向けて用いる。このようなマチ布を有する構成の枕1は、頭頂部マチ布16部分が外気と接しているので、吸湿機能室11、排湿機能室12からの水分の発散をより効果的に行うことが可能となる。尚、図4Bにおいて示した例においても、凹み部7を貫通孔とすることができることは言うまでもない。
次に、枕内部の詰め物について説明する。枕使用時に乳幼児用枕1の乳幼児の頭に当接する部分、即ち、枕頭頂支持部9の吸湿機能室11、首当接部10の詰め物14としては、柔らかな肌触りで吸汗効果のある綿、ポリエステル綿等を使用する。枕頭頂支持部9の排湿機能室12には、パイプ状の詰め物15を充填する。パイプ状詰め物15は、排湿機能室12内の空気の流通を良好にすると共に吸湿機能室11、首当接部10内の湿気も吸引し、枕表面、即ち吸湿機能室11及び首当接部10で吸収された水分を気化させ、水分の発散を促進する。首当接部10は、分画線8,8に沿って表側地2、仕切り布4、裏側地3を一体に縫着するか、或いはマチ布13で分画しているので、枕頭頂支持部9の排湿機能室12とは別室として形成され、首当接部10へパイプ状詰め物15が混入することは無く、毛髪のない首筋部の皮膚を肌触りの良い柔らかな素材で保護することが出来る。
本考案の特徴は、枕1の上記構造と、仕切り布4及び枕頭頂支持部9の排湿機能室11に充填するパイプ状詰め物15の材質を選択し、汗の迅速な吸収、発散を実現したことにある。仕切り布4としては、吸湿性、速乾性に優れた水分吸排出機能を有する布であって、吸湿性綿に含まれた湿気を、パイプ状詰め物の充填された排湿機能室に向って発散させる布を使用する。例えば、スポーツ用衣料で使用されている横断面形状W形のポリエステルフィラメントを織成した、片面は水分を吸着し、他面で水分を発散させる布(商品名アクアジョブ,旭化成株式会社製)を使用することができる。この布の繊維は、一般のポリエステル糸の場合と較べ、毛細管効果が高いため、水分の粒が細かくなり、広範囲に素早く拡散され、気化される。この仕切り布4を、吸汗面が柔らかな綿素材詰め物14に接し、水分の発散面がパイプ状詰め物15と接するような状態で使用すると、綿素材詰め物14の吸収した汗の水分を、毛細管効果によってパイプ状詰め物側に吸い上げ、パイプ状詰め物15は空気の流通効果が優れるほか、乳幼児の頭の動きによるパイプ状詰め物15のポンプ効果と相俟って、汗の水分を迅速に外気中に発散させることが出来る。更に、本考案の枕は、乳幼児の後頭部が接する枕中央下部には詰め物をせずに、枕の側地のみ、または内部を貫通させて汗の発散を容易にすると共に、乳幼児の後頭部が扁平になるのを防止している。
パイプ状詰め物15としては、軟質ポリエチレンまたはポリプロピレンパイプをカットして得られる柔軟なパイプ状詰め物で、直径3〜7mm、カット長5〜10mm、肉厚0.2〜0.5mmのものを好ましく使用することが出来る。パイプ状詰め物15のこれらの値は、実際に触感、通気、排気状態を調べて決定した。また、枕頭頂支持部9の吸湿機能室11に充填する詰め物14と、排湿機能室12に充填するパイプ状詰め物15の充填容積については、乳幼児用の枕であり、柔らかさが不可欠の要件であるため、パイプ状詰め物15の充填容積は吸湿性綿詰め物14の充填容積以下であることが好ましい。
上記したように、本考案の乳幼児用枕は、仕切り布とパイプ状詰め物を組み合わせて使用し、直接肌に接する部分には柔らかな吸湿性素材を使用しているので、首筋、肩共に痛みを感じることは全く無く、乳幼児の活発な動きによってパイプ状詰め物は通気を促すポンプ効果も有するので、多量の汗を迅速に逃がし、快適な睡眠を得ることができる。
1 枕
2 表側地
3 裏側地
4 仕切り布
5 縫製
6,13 マチ布
7 凹み部
8 分画線
9 頭頂支持部
10 首当接部
11 吸湿機能室
12 排湿機能室
13a 縫合
14 詰め物
15 パイプ状詰め物
16 頭頂部マチ布
2 表側地
3 裏側地
4 仕切り布
5 縫製
6,13 マチ布
7 凹み部
8 分画線
9 頭頂支持部
10 首当接部
11 吸湿機能室
12 排湿機能室
13a 縫合
14 詰め物
15 パイプ状詰め物
16 頭頂部マチ布
Claims (5)
- 頭頂支持部と首当接部との間に凹み部を設けてなる乳幼児用枕であって、凹み部は詰め物を含まないかもしくは貫通孔とされ、頭頂支持部を水分吸排出機能を有する仕切り布により上下に吸湿機能室と排湿機能室に分け、吸湿機能室と首当接室とに吸湿性綿を充填し、排湿機能室に柔軟なパイプ状詰め物を充填してなる枕。
- 仕切り布が、吸湿性、速乾性に優れた水分吸排出機能を有する布であって、吸湿性綿に含まれた湿気を、パイプ状詰め物の充填された排湿機能室に向って発散させることを特徴とする請求項1に記載の枕。
- 仕切り布が、横断面形状W形ポリエステルフィラメントを織成した布である請求項1または請求項2に記載の枕。
- 柔軟なパイプ状詰め物が、軟質ポリエチレン及びまたはポリプロピレンよりなる、直径3〜7mm、カット長5〜10mm、肉厚0.2〜0.5mmのパイプ状詰め物である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の枕。
- 排湿機能室に充填される柔軟なパイプ状詰め物の充填容積が、吸湿機能室に充填される吸湿性綿の充填容積以下である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の枕。
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JP2005001646U JP3110709U (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | 乳幼児用枕 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101322103B1 (ko) * | 2012-01-17 | 2013-10-28 | 연제영 | 수면 유도 베개 |
KR102253009B1 (ko) * | 2020-08-31 | 2021-05-17 | 오도향 | 영유아용 베개 |
KR20210125698A (ko) * | 2020-04-09 | 2021-10-19 | 정들매 | 유아용 베개 및 그 유아용 베개 제조방법 |
WO2022244310A1 (ja) * | 2021-05-19 | 2022-11-24 | 紀臣 角田 | 枕 |
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2005
- 2005-04-01 JP JP2005001646U patent/JP3110709U/ja not_active Expired - Fee Related
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