JP3236597B2 - Icカード用カード基材の製造方法及び製造用金型 - Google Patents
Icカード用カード基材の製造方法及び製造用金型Info
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Description
ド基材の製造方法及びその製造方法を実施するために直
接使用されるICカード用カード基材の製造用金型に関
する。
用凹部を形成し、この埋設用凹部にICモジュールを埋
設して製造される。カード基材は、従来では、硬質塩化
ビニル積層体などで構成され、このカード基材に埋設用
凹部を形成するため、エンドミルなどの手段で切削加工
される。
必要とし、製造能率があまり高く取れないという問題が
ある。この問題を解決するために、本願の出願人によっ
て、射出成形法でICカード用カード基材を製造するこ
とが提案されている。この提案に係る成形法では、図4
に示すように、型締めされた状態でキャビティ6を形成
する下型16と、ICモジュールの埋設用凹部20を形
成する金型凸部22が設けられた上型14とを使用す
る。樹脂のゲート12は、キャビティ6の端部に設けて
あり、このゲート12から溶融樹脂をキャビティ6内に
注入して射出成形を行なう。そして、成形品の冷却後に
型開きをして図5に示す形状の成形品を取り出し、ゲー
ト12の跡12aを切断除去して、ICカード用カード
基材18を製造する。このような方法によると、埋設用
凹部20が形成されたICカード用カード基材18を効
率よく製造できる。
れるICカード用カード基材18は、厚みが0.76〜
0.84mmと薄く、しかも埋設用凹部20に埋設され
るICモジュールの厚みが0.55〜0.65mm程度
あるので、最も薄い部分では0.2mm程度の厚みしか
ない。このために、ゲート12から注入される樹脂が金
型凸部22の裏側に回り込みにくくなり、また、樹脂の
流れ方向に沿って図5に示すようにウエルドライン24
が形成される。
ト12から注入される樹脂は金型凸部22の存在する薄
肉部分で減速し、30%充填時には樹脂は薄肉部分より
も厚肉部分に流れるレーストラック現象を生じ、50%
充填時には樹脂は反対側から薄肉部分に流れ込み、ゲー
ト12からの樹脂と合流して空気だまりを発生する。空
気だまりが発生すると、樹脂の表面に荒れや焼けが生じ
る。また、70%充填時には薄肉部分は完全に充填さ
れ、ゲート12からの流れが逆流となってウエルドライ
ン24が形成され、このウエルドライン24は90%充
填時まで移動することが確認される。
ると、成形後のICカード用カード基材の薄肉部に反り
を発生させ、ウエルドライン24の部分で曲げ負荷に対
して弱くなる。この場合、樹脂の流れをスムーズにして
ウエルドラインの発生を防止するには、金型の温度を上
昇させることも考えられるが、金型の温度を高くする
と、樹脂が焼けて劣化することがあり、また、成形後の
冷却時間が長くなる。
れ、その目的は、曲げ強度および成形性の良好なICカ
ード用カード基材を製造することができるICカード用
カード基材の製造方法とそれに用いる製造用金型とを提
供することにある。
に、本発明のICカード用カード基材の製造方法は、キ
ャビティに対して溶融樹脂を注入する部分であるフィル
ム状のゲートが、ICモジュール埋設用凹部を形成する
ための金型突部から最も遠い位置のキャビティ内側壁に
形成してあり、このゲートが形成してある前記キャビテ
ィ内側壁に対して前記金型突部を隔てて対向するキャビ
ティ内側壁に、前記キャビティに連続する空間であるオ
ーバーフロー空間が形成してあるICカード用カード基
材の製造用金型を用いて、ICカード用カード基材を射
出成形法により製造するICカード用カード基材の製造
方法において、溶融樹脂を、前記キャビティ内に充填す
るように、前記フィルム状のゲートから注入して射出成
形を行い、成形品から前記ゲートの樹脂部分および前記
オーバーフロー空間の樹脂部分を除去する工程を有す
る。好適には、前記フィルム状のゲートは、前記キャビ
ティの幅方向に幅広になっており、前記オーバーフロー
空間の厚さは、前記キャビティの厚さと同等程度であ
る。
製造用金型は、ICカード用カード基材を射出成形法に
より製造する製造用金型であって、キャビティに対して
溶融樹脂を注入する部分であるフィルム状のゲートが、
ICモジュール埋設用凹部を形成するための金型突部か
ら最も遠い位置のキャビティ内側壁に形成してあり、こ
のゲートが形成してある前記キャビティ内側壁に対して
前記金型突部を隔てて対向するキャビティ内側壁に、前
記キャビティに連続する空間であるオーバーフロー空間
が形成してある。好適には、前記フィルム状のゲート
は、前記キャビティの幅方向に幅広になっており、前記
オーバーフロー空間の厚さは、前記キャビティの厚さと
同等程度である。
壁に形成してあるフィルム状のゲートを通して金型のキ
ャビティ内に注入される。そして、キャビティ内に注入
された溶融樹脂は、ゲートが形成してあるキャビティ内
側壁とは反対側のキャビティ内側壁方向に流れ、射出成
形が行われる。フィルム状のゲートにより射出成形を行
うことで、幅狭のゲートにより射出成形を行う場合に比
べ、曲げ強度および成形性などの点で良好な射出成形品
としてのICカード用カード基材が得られる。
1〜図3を参照して説明する。図1は本実施の形態の構
成を示す断面部分を含む説明図であり、図2は図1のA
−A断面図であり、図3は本実施の形態で製造されるI
Cカード用カード部材の斜視図である。
材の製造用金型を、本実施の形態に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るICカード用カ
ード基材の製造用金型30は、上型32と下型34から
構成される。上型32と下型34との割面には、ICカ
ード用カード基材を成形するためのキャビティ33が形
成してある。そして、上型32には、ICモジュールが
埋設される埋設用凹部50(図3参照)を形成するため
の金型突部42が設けてあり、金型の型締め状態では、
この金型突部42が、キャビティ33内に突出するよう
にしてある。
るキャビティ33に対して溶融樹脂を注入する部分であ
るゲート39が、上型32に形成してある金型突部42
から最も遠い位置のキャビティ内側壁30aに形成して
ある。ゲート39の形状は、例えば図2に示すように、
キャビティ33の幅方向に沿って細長い、フィルム状の
ゲートであることが好ましい。幅広のゲートで射出成形
を行う方が、幅狭のゲートで射出成形を行う場合より
も、曲げ強度および成形性などの点で良好な射出成形品
としてのカード基材が得られる。また、フィルム状のゲ
ート39は、金型突部42に対して最も遠い位置に位置
するキャビティ内側壁30aに形成することで、曲げ強
度および成形性などの点で良好な射出成形品としてのカ
ード基材が得られる。
ート39が形成してあるキャビティ内側壁30aに対向
するキャビティ内側壁30bに、キャビティ33に連続
する空間であるオーバーフロー空間35が形成してあ
る。オーバーフロー空間35の大きさは、特に限定され
ないが、キャビティ33の幅に対して約1/3〜2/3
角程度の大きさであることが好ましい。この空間35の
大きさが余りに大きいと、材料の無駄となり、余りに小
さいと、ウェルドラインなどを防止する効果が少なくな
る傾向にある。また、この空間35の厚さは、特に限定
されないが、キャビティ33の厚さと同等程度であるこ
とが望ましい。
ャビティ33に連続して形成することで、後述するよう
に、金型突部42の背後にも、ゲート39から注入され
た溶融樹脂が、なだらかな圧力勾配を取って回り込み、
薄肉となっている金型突部42の近傍に、空気だまりや
ウエルドラインを生じることがなくなる。
付けてある。射出機40の種類は特に限定されず、イン
ライン・スクリュー式、プランジャ式などが例示され
る。図示する射出機40は、プランジャ式の射出成形機
であり、供給管41に対して油圧シリンダ43駆動のプ
ランジャ43aが移動自在に挿通してある。また、供給
管41の外周にはヒータ44が装着してあり、供給管内
を流れる樹脂の温度を一定にしている。供給管41に
は、たとえばトーピード41aが配置してあり、この供
給管41内には、ホッパ45から樹脂が、供給可能な構
造になっている。
金型を使用して、ICカード用カード基材を製造するに
は、上型32と下型34との割面相互を、図示せぬ型締
器で圧接型締めした状態で、射出機40により、ゲート
39からキャビティ33内へ溶融樹脂の注入が行われ
る。
えばABS樹脂などで構成される成形材を供給し、ヒー
タ44により供給管41内を約250°C程度に加熱す
ると共に、油圧シリンダ43のプランジャ43aを作動
させて、溶融樹脂をトーピード41aで狭められた流路
を通過させ、フィルム状のゲート39から高圧でキャビ
ティ33内に射出注入する。キャビティ33内に射出注
入された溶融樹脂は、なだらかな圧力勾配を取ってキャ
ビティ33内に流動充填され、金型突部42部分で急激
な圧力変化及びこれに伴う速度変化を起こすことなくキ
ャビティ33内を流動し、側壁30bに達した樹脂は、
オーバーフロー空間35内に充填される。
を、金型突部42までの距離が長い金型の内側壁30a
に設け、内側壁30aに対向する内側壁30bにオーバ
ーフロー空間35を設けたために、前述のようにキャビ
ティ33内における樹脂の圧力勾配がなだらかになると
共に、全体の温度勾配もなだらかになる。このため、従
来のようにキャビティ33内の樹脂に空気だまりやウエ
ルドラインが発生せず、薄肉部分に反りや成形不良部分
がなくなる。したがって、使用時に受ける曲げ応力に対
して強い高品質のICカード用カード基材18が、短時
間で効率的に製造される。冷却後には、型開きを行い、
ゲート39の樹脂部分および内側壁30b位置でオーバ
ーフロー空間35内の樹脂部分を切断除去すれば、図3
に示すような高品質のICカード用カード基材18が短
時間で効率よく得られる。
ンの発生を防ぐために適したオーバーフロー空間部35
のサイズは、長さ8.6cm、幅5.4cm、埋設用凹
部以外の厚みが0.8mmのICカード用カード基材を
製造する場合で、平面形状が一辺が3cmの正方形であ
ることが確認された。また、ゲート39の幅は、キャビ
ティ33内に樹脂を圧力勾配を小さくして注入するため
には大きい方がよく、本実施の形態では3.6cmにし
てある。また、本発明者の実験によれば、キャビティ3
3内の樹脂の圧力分布温度分布は従来に比較して非常に
なだらかになり、最大剪断応力は約0.67Mpaと従
来よりも30〜40%低下することが確認された。な
お、上述した実施の形態では、上型にIC埋設用凹部を
形成する金型突部を設けた構成のものを説明したが、本
発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、下型に
金型突部を設けることも可能である。
ば、溶融樹脂はフィルム状のゲートを通して金型のキャ
ビティ内に注入され、この金型により、曲げ強度および
成形性などの点で良好な射出成形品としてのカード基材
を得ることができる。
金型の一実施の形態の構成を射出機との接続状態で示す
断面部分を含む説明図である。
凹部を持つICカード用カード基材の斜視図である。
要部の断面図である。
視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】キャビティに対して溶融樹脂を注入する部
分であるフィルム状のゲートが、ICモジュール埋設用
凹部を形成するための金型突部から最も遠い位置のキャ
ビティ内側壁に形成してあり、このゲートが形成してあ
る前記キャビティ内側壁に対して前記金型突部を隔てて
対向するキャビティ内側壁に、前記キャビティに連続す
る空間であるオーバーフロー空間が形成してあるICカ
ード用カード基材の製造用金型を用いて、ICカード用
カード基材を射出成形法により製造するICカード用カ
ード基材の製造方法であって、 溶融樹脂を、前記キャビティ内に充填するように、前記
フィルム状のゲートから注入して射出成形を行い、成形
品から前記ゲートの樹脂部分および前記オーバーフロー
空間の樹脂部分を除去することを特徴とするICカード
用カード基材の製造方法。 - 【請求項2】前記溶融樹脂を注入する部分である前記フ
ィルム状のゲートは、前記キャビティの幅方向に幅広に
なっており、前記オーバーフロー空間の厚さは、前記キ
ャビティの厚さと同等程度であることを特徴とする請求
項1記載のICカード用カード基材の製造方法。 - 【請求項3】ICカード用カード基材を射出成形法によ
り製造する製造用金型であって、 キャビティに対して溶融樹脂を注入する部分であるフィ
ルム状のゲートが、ICモジュール埋設用凹部を形成す
るための金型突部から最も遠い位置のキャビティ内側壁
に形成してあり、このゲートが形成してある前記キャビ
ティ内側壁に対して前記金型突部を隔てて対向するキャ
ビティ内側壁に、前記キャビティに連続する空間である
オーバーフロー空間が形成してあることを特徴とするI
Cカード用カード基材の製造用金型。 - 【請求項4】前記溶融樹脂を注入する部分である前記フ
ィルム状のゲートは、前記キャビティの幅方向に幅広に
なっており、前記オーバーフロー空間の厚さは、前記キ
ャビ ティの厚さと同等程度であることを特徴とする請求
項3記載のICカード用カード基材の製造用金型。
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2000
- 2000-07-03 JP JP2000200627A patent/JP3236597B2/ja not_active Expired - Lifetime
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