JP3236040B2 - 排気ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の製造方法

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JP3236040B2
JP3236040B2 JP29720391A JP29720391A JP3236040B2 JP 3236040 B2 JP3236040 B2 JP 3236040B2 JP 29720391 A JP29720391 A JP 29720391A JP 29720391 A JP29720391 A JP 29720391A JP 3236040 B2 JP3236040 B2 JP 3236040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス中のNOx
(窒素酸化物)を浄化する排気ガス浄化用触媒の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料消費率の低いリーンバーンエ
ンジンの開発が進められている。このリーンバーンエン
ジンは、エンジン燃焼室を酸素過剰雰囲気下(リーン)
に置いて運転されている。その際、エンジンより排出さ
れる排気ガスの中で、NOxは人体および環境に有害で
あるため、このNOxを浄化して大気中への放出を防が
なければならない。
【0003】NOxを浄化するにあたり、自動車などに
搭載される移動式のエンジンの場合、エンジンから延び
る排気ガスの排気路に触媒を設置し、この触媒によりN
Oxの浄化を行うことが実用的である。
【0004】従来、NOxを浄化する触媒として、三元
触媒が良く知られている。ところが、上記三元触媒は、
リーンバーンエンジンの排気ガスに対してはNOxを浄
化することができなかった。
【0005】そこで、リーンバーンエンジンに対応で
き、NOxを効果的に浄化し得る排気ガス浄化用触媒と
して、ゼオライトに銅をイオン交換担持してなる銅イオ
ン交換ゼオライト触媒や、金属活性種担持γ−アルミナ
触媒が開発された。これらの排気ガス浄化用触媒は、多
孔質材料上にNOxの還元反応を促進させる金属活性種
が多量に担持されてなるものであり、実験室段階では9
0%を超える高いNOx浄化率を得ることができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
排気ガス浄化用触媒は、ゼオライトやγ−アルミナの多
孔質材料に金属活性種を担持させて触媒剤を形成し、こ
の触媒剤を酸性バインダとともにスラリー化した状態で
担体にコーティングするようにして製造されているが、
酸性バインダのためにスラリーが酸性になり、多孔質材
料上の金属活性種が溶出してしまい、金属活性種の担持
量が減少してNOx浄化性能が低下するという問題があ
る。
【0007】また、上記従来の排気ガス浄化用触媒を製
造する際、多孔質材料に金属活性種を担持するにあた
り、多孔質材料を金属活性種の溶液とともに攪拌するこ
とにより行っているが、多孔質材料の細孔中に存在する
空気がこの細孔内へ金属活性種の溶液が浸透することを
阻害するため、金属活性種の担持量が減少してNOx浄
化性能が低下するという問題もある。
【0008】本発明はこのような諸点に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、多孔質材料上の金属
活性種の担持量を向上させて、高いNOx浄化性能を発
揮し得る排気ガス浄化用触媒の製造方法を提供しようと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、多孔質材料に触媒として活
性を呈する金属活性種を担持させてなる触媒剤を、酸性
バインダとともにスラリー化してスラリーを形成し、こ
のスラリーを担体にコーティングする排気ガス浄化用触
媒の製造方法において、上記触媒剤とバインダとを含む
スラリーは塩基性になるように調整して担体にコーティ
ングする構成とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、スラリーを塩基性に調整するにあた
り、アンモニア水の添加により行う構成とするものであ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載の発明において、酸性バインダとして水和アル
ミナを用いるとともに、スラリーを加熱して上記水和ア
ルミナをゲル化することによりスラリーの粘度を調整す
る構成とするものである。
【0012】請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至
請求項3のいずれか一に記載の発明において、多孔質材
料はゼオライト又はアルミナである構成とするものであ
る。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
スラリーが塩基性に調整されることにより、酸性バイン
ダによるスラリーの酸性化を防止できるため、多孔質材
料からの金属活性種の溶出が防止され、排気ガス浄化用
触媒上の金属活性種の担持量が増加する。
【0014】請求項2記載の発明では、アンモニアは揮
発性であるため、スラリーを担体にコーティングした後
の排気ガス浄化用触媒上に金属成分であるNaが残存し
ないので、活性種以外の金属の存在による活性低下を防
止できる。
【0015】請求項3記載の発明では、スラリーは塩基
性になることにより粘度が低下するが、加熱されてゲル
化した水和アルミナにより粘度が保持されるので、スラ
リーは担体へ容易に担持される。
【0016】請求項4記載の発明では、多孔質材料をゼ
オライト又はアルミナとしたものにおいて、上記請求項
1乃至請求項3のいずれか一に記載された発明の作用が
得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について説明す
る。
【0018】排気ガス浄化用触媒を製造するにあたり、
まず、γ−アルミナや結晶質でミクロ細孔を有する金属
含有シリケート等の多孔質材料に対して、Cu,Mn,
Co,Ni等の金属活性種を担持させて触媒剤を形成す
る。次に、この触媒剤を、水、および酸性バインダの1
種である水和アルミナとともにスラリー化してスラリー
を形成する。この時、水和アルミナを加える前に、スラ
リーが塩基性になるよう、スラリーのpHを調整する。
このスラリーをコーディエライト等でできたハニカム担
体にコーティングする。
【0019】上記多孔質材料としての金属含有シリケー
トは、ZSM−5,モルデナイト等のゼオライトが望ま
しいが、これ以外に、他のアルミナシリケートや、Si
−Tb−O,Si−Mn−O,Si−Nd−O等のシリ
ケートを使用しても良い。
【0020】また、上記酸性バインダとしては、水和ア
ルミナが望ましいが、シリカゾル等他の酸性バインダを
使用しても良い。
【0021】スラリーを塩基性に調整する方法は、例え
ば、スラリーにアンモニア水を添加することにより行
う。スラリーは塩基性になることにより粘度が低下する
が、その対策としては、スラリーを加熱してスラリー中
の水和アルミナをゲル化するようにする。加熱されたス
ラリーの温度は、アンモニア水を添加する場合は、アン
モニアの蒸発を抑え塩基性を保つために約50℃以下で
あることが望ましい。
【0022】なお、スラリーを塩基性に調製する方法
は、アンモニア水の添加による以外に、有機塩基化合物
もしくはそれらをアセトン,アルコール等の水溶性溶媒
に溶解したもの(トリエチルアミン,トリメチルアミン
等)からなるアルカリ水溶液を添加しても良いし、これ
ら有機塩基化合物をガス状にしてスラリーに吹き込むよ
うにしても良い。但し、使用するアルカリ分として、N
aOH,KOH等熱により分解しにくいものや、NaC
3等のように熱により分解しても金属分が残存してし
まうものは、あまり好ましくない。
【0023】また、スラリーのpHは、8以上の値であ
ることが望ましいが、8以下の塩基性の値であっても良
い。
【0024】次に、本実施例の作用について説明する。
スラリーが塩基性に調整されることにより、酸性バイン
ダによるスラリーの酸性化を防止できるため、触媒剤か
らの金属活性種の溶出が防止され、排気ガス浄化用触媒
上の金属活性種の担持量が増加する。その結果、排気ガ
ス浄化用触媒のNOx浄化性能を向上させることができ
る。
【0025】また、スラリーのpHの調整に使用するア
ンモニアは揮発性であるため、スラリーを担体にコーテ
ィングした後の排気ガス浄化用触媒上には金属成分であ
るNaが残存しないので、活性種以外の金属の存在によ
る活性低下を防止できる。
【0026】さらに、スラリーは塩基性になることによ
り粘度が低下するが、加熱されたスラリー中の水和アル
ミナがゲル化することによりスラリーの粘度が保持され
るので、スラリーを担体へ容易に担持できるようにな
る。
【0027】以下、上記第1実施例の具体例を比較例と
ともに列挙し、さらにその作用について述べる。
【0028】比較例1〜16 多孔質材料としてゼオライトの一種であるZSM−5を
使用し、銅をイオン交換担持してなる触媒剤を作った。
この触媒剤5gおよび水15mlに対して、酸性バインダ
として水和アルミナをそれぞれ10wt%、20wt%、3
0wt%加えて3種のスラリーを形成した。また、酸性バ
インダを加えないブランクテスト用のスラリーとして、
上記触媒剤5gと水15mlのみでスラリーを形成した。
さらに、上記4種類のスラリーに対して様々な条件で調
製を行った。この調製は、それぞれ温度を室温に保ち攪
拌時間を30分、1時間、2時間と変えた場合、および
温度を50℃に保ち2時間攪拌した場合とで行った。
【0029】具体例1〜12 多孔質材料としてゼオライトの一種であるZSM−5を
使用し、銅をイオン交換担持してなる触媒剤を作った。
この触媒剤5gおよび水15mlに対して、28%アンモ
ニア水1mlを添加するとともに、酸性バインダとして水
和アルミナをそれぞれ10wt%、20wt%、30wt%加
えて3種のスラリーを形成した。さらに、上記3種類の
スラリーに対して様々な条件で調製を行った。この調製
は、それぞれ温度を室温に保ち攪拌時間を30分、1時
間、2時間と変えた場合で行った。なお、上記アンモニ
ア水1mlを直接スラリーに添加する代りに、アンモニア
ガスをスラリーに対して5分間吹き込むようにしても良
い。
【0030】上記比較例1〜16および具体例1〜12
の各スラリー調整後の触媒剤についてイオン交換率を測
定したところ、表1に示す結果を得た。すなわち、比較
例13〜16のブランクテストに比べて、水和アルミナ
を加えた場合の比較例1〜12において触媒剤のイオン
交換率は大幅に低下した。しかし、具体例1〜12の触
媒剤は、スラリーにアンモニア水を加えたことにより、
スラリーの酸化が防止され、ブランクテストと同程度の
イオン交換率を得ることができた。また、イオン交換率
は、水和アルミナの量、攪拌時間およびスラリーの温度
にほとんど影響されないことが分かった。なお、このイ
オン交換率は、ゼオライト中のアルミナ量を基準にして
これと結合した銅イオン量から割り出したものであり、
水和アルミナ中のアルミ分を除外して計算した。
【0031】図1は、水和アルミナ10wt%を用いてス
ラリーを形成した場合(比較例1〜4に相当)aと、さ
らにアンモニア水を添加してスラリーを形成した場合
(具体例1〜4に相当)bについて、スラリーの温度と
粘度との関係を示す。この図1からも分かるように、上
記比較例1〜12および具体例1〜12の各スラリーを
ハニカム担体に担持させ触媒を作ろうとしたところ、比
較例1〜12については容易に担持できたが、具体例1
〜12については、スラリーの粘度が足りず、ハニカム
担体に担持するのが困難であった。そこで、具体例1〜
12のスラリーを40〜50℃まで加熱したところ、ス
ラリーの粘度が高まり、担持が可能になった。なお、具
体例1〜12のスラリーは、40℃以下では粘度が上昇
せず、50℃以上ではアンモニアの蒸発が著しくなって
塩基性を保つことが困難になった。
【0032】次に、上記比較例1〜12および具体例1
〜12のスラリーが担持された各触媒について、NOx
浄化性能をテストした。そのテスト結果を、最高活性点
におけるNOx浄化率として表1に示す。なお、各触媒
には、触媒剤の量が同一になるようスラリーを担持させ
た。また、テスト用の反応ガスの組成は、NOxを20
00ppm、HCを6000ppm・C、O2を8%、COを
0.18%、CO2を8.4%とし、反応ガスを空間速
度SV=25000h-1で流した。その結果、比較例1
〜12の触媒に比べて、具体例1〜12の触媒のNOx
浄化率は大幅に向上した。
【0033】
【表1】
【0034】比較例17〜32 多孔質材料として高比表面積のγ−アルミナを使用し、
これに銅を含浸させて銅担持触媒剤を作った。この触媒
剤10gおよび水25mlに対して、比較例1〜12と同
様にして3種のスラリーを形成した。また、ブランクテ
スト用のスラリーとして、上記触媒剤10gと水25ml
のみでスラリーを形成した。さらに、上記4種類のスラ
リーに対して、比較例1〜16と同じ条件で調製を行っ
た。
【0035】具体例13〜24 多孔質材料として高比表面積のγ−アルミナを使用し、
これに銅を含浸させて銅担持触媒剤を作った。この触媒
剤10gおよび水25mlに対して、具体例1〜12と同
様にして3種のスラリーを形成した。さらに、上記3種
類のスラリーに対して、比較例1〜12と同じ条件で調
製を行った。
【0036】上記比較例17〜32および具体例13〜
24の各スラリー調整後の触媒剤について銅の担持率を
測定したところ、表2に示す結果を得た。すなわち、比
較例29〜32のブランクテストに比べて、水和アルミ
ナを加えた場合の比較例17〜28において触媒剤の担
持率は大幅に低下した。しかし、具体例13〜24の触
媒剤は、スラリーにアンモニア水を加えたことにより、
スラリーの酸化が防止され、ブランクテストと同程度の
担持率を得ることができた。また、銅等の金属活性種の
担持率は、水和アルミナの量、攪拌時間およびスラリー
の温度にほとんど影響されないことが分かった。なお、
この担持率は、触媒剤中の銅の重量%であり、水和アル
ミナ中のアルミ分を除外して計算した。
【0037】図2は、水和アルミナ10wt%を用いてス
ラリーを形成した場合(比較例17〜20に相当)c
と、さらにアンモニア水を添加してスラリーを形成した
場合(具体例13〜16に相当)dについて、スラリー
の温度と粘度との関係を示す。この図2からも分かるよ
うに、上記比較例17〜28および具体例13〜24の
各スラリーをハニカム担体に担持させ触媒を作ろうとし
たところ、比較例17〜28については容易に担持でき
たが、具体例13〜24については、スラリーの粘度が
足りず、ハニカム担体に担持するのが困難であった。そ
こで、具体例13〜24のスラリーを40〜50℃まで
加熱したところ、スラリーの粘度が高まり、担持が可能
になった。なお、具体例13〜24のスラリーは、40
℃以下では粘度が上昇せず、50℃以上ではアンモニア
の蒸発が著しくなって塩基性を保つことが困難になっ
た。
【0038】次に、上記比較例17〜28および具体例
13〜24のスラリーが担持された各触媒について、上
記具体例1〜12と同様にしてNOx浄化性能をテスト
した。その結果を、最高活性点におけるNOx浄化率と
して表2に示す。表2に示すように、比較例17〜28
の触媒に比べて、具体例13〜24の触媒のNOx浄化
率は大幅に向上した。
【0039】
【表2】
【0040】以下に、本発明の第2実施例について説明
する。
【0041】排気ガス浄化用触媒を製造するにあたり、
まず、金属含有シリケートやγ−アルミナ等の多孔質材
料に対して、Cu,Mn,Co,Ni等のうち少なくと
も1種類以上の金属活性種を含んだ溶液を加え攪拌する
ことにより、上記金属活性種を上記多孔質材料に担持さ
せて触媒剤を形成する。上記金属活性種の溶液と上記多
孔質材料を攪拌する際に、多孔質材料を脱気しながら行
う。その後、上記第1実施例と同様にしてスラリーを形
成し、このスラリーを調製した後、ハニカム担体にコー
ティングする。
【0042】次に、本実施例の作用について説明する
と、金属活性種を多孔質材料に担持させるにあたり、多
孔質材料を脱気しながら金属活性種溶液と多孔質材料と
を攪拌することより、多孔質材料の細孔中にあって金属
活性種溶液の浸透を阻害していた空気が除去されるた
め、細孔中まで金属活性種溶液が浸透し、金属活性種の
担持量が増加する。その結果、排気ガス浄化用触媒のN
Ox浄化性能を向上させることができる。また、多孔質
材料を脱気することにより、多孔質材料が微粉化するの
で、ハニカム担体へのコーティングを容易にすることが
できる。
【0043】さらに、上記第1実施例と同様、スラリー
が塩基性に調整されることにより、触媒剤からの金属活
性種の溶出が防止され、排気ガス浄化用触媒上の金属活
性種の担持量が増加するため、排気ガス浄化用触媒のN
Ox浄化性能を向上させることができる。
【0044】さらにまた、スラリーのpHの調整にアン
モニアを使用することにより、排気ガス浄化用触媒上に
は金属成分であるNaが残存しないので、活性種以外の
金属の存在による活性低下を防止できる。
【0045】その上、スラリーは塩基性になることによ
り粘度が低下するが、加熱されたスラリー中の水和アル
ミナがゲル化してスラリーの粘度が保持されるので、ス
ラリーを担体へ容易に担持できるようになる。
【0046】以下、上記第2実施例の具体例を比較例と
ともに列挙し、さらにその作用について述べる。
【0047】比較例33〜36 Cu,Co,Mn,Niの各酢酸塩溶液からなる金属活
性種溶液を用意し、上記各金属活性種溶液を、それぞれ
攪拌子、および多孔質材料として特定のケイバン比を有
するゼオライト(ZSM−5)とともに常圧の容器に入
れ、上記金属活性種溶液の温度を40〜90℃にしてス
ターラーで攪拌しながら、4〜48時間イオン交換を行
った。その後、ゼオライトを取りだし、濾過、洗浄した
後、乾燥させて触媒剤を得た。
【0048】具体例25〜28 比較例33〜36と同様の、各金属活性種溶液、撹拌
子、およびゼオライトを用意し、これらを減圧状態の保
持が可能な容器、例えば、ナス型フラスコに入れ、この
容器内を真空ポンプで脱気しながら、スターラーで攪拌
した。この脱気の際、容器内の気圧を20mmHg以下に、
金属活性種溶液の温度を20℃にそれぞれ保ち、8時間
以上脱気を行った。脱気中は、金属活性種溶液の突沸を
防ぐため、金属活性種溶液を常に撹拌した。その後、容
器内を常圧に戻し、比較例33〜36と同様の操作を行
って触媒剤を得た。
【0049】上記比較例33〜36および具体例25〜
28の各触媒剤に対して、金属活性種のイオン交換率を
測定したところ、表3に示す結果を得た。その結果、具
体例25〜28の各触媒剤は、比較例33〜36の各触
媒剤に比べて、イオン交換率が大幅に向上した。
【0050】また、上記比較例33〜36および具体例
25〜28の各触媒剤に対して、排気ガスに対するNO
x浄化性能をテストした。そのテスト結果を、最高活性
点におけるNOx浄化率として表3に示す。なお、テス
ト用の反応ガスの組成は、NOxを2000ppm、HC
を6000ppm・C、O2を8%、COを0.18%、C
2を8.4%、N2バランスとし、反応ガスを空間速度
SV=25000h-1で流した。その結果、比較例33
〜36の触媒剤に比べて、具体例25〜28の触媒剤の
NOx浄化率は大幅に向上した。
【0051】
【表3】
【0052】比較例37〜40 まず、多孔質材料としてγ−アルミナを得るための調製
を行った。すなわち、アルミニウムイソプロポオキシド
120gとヘキシレングリコール108gの混合液を1
20℃に保ち、ロータリーエバポレータを用いて4時間
撹拌した。その後、上記混合液を85℃にして水を加え
てゲル化させ、このゲルを80℃で16時間放置して熟
成させた。この熟成後、ロータリーエバポレータを用い
て減圧乾燥してγ−アルミナ前駆体を得た。このγ−ア
ルミナ前駆体を600℃で3時間熱処理し、多孔質材料
としてγ−アルミナを得た。次に、Cu,Co,Mn,
Niの各酢酸塩溶液からなる金属活性種溶液を用意し、
上記各金属活性種溶液を、それぞれ攪拌子、および上記
γ−アルミナとともに常圧の容器に入れ、上記金属活性
種溶液の温度を40〜90℃にして4〜48時間スター
ラーで攪拌し、上記金属活性種溶液を上記γ−アルミナ
に含浸させた。その後、γ−アルミナを取りだし、濾
過、洗浄した後、乾燥させて触媒剤を得た。
【0053】具体例29〜32 比較例37〜40と同様の、各金属活性種溶液、撹拌
子、およびγ−アルミナを用意し、これらを減圧状態の
保持が可能な容器、例えば、ナス型フラスコに入れ、こ
の容器内を真空ポンプで脱気しながら、スターラーで攪
拌した。この脱気の際、容器内の気圧を20mmHg以下
に、金属活性種溶液の温度を20℃にそれぞれ保ち、8
時間以上脱気を行った。脱気中は、金属活性種溶液の突
沸を防ぐため、金属活性種溶液を常に撹拌した。その
後、容器内を常圧に戻し、比較例37〜40と同様の操
作を行って触媒剤を得た。
【0054】上記比較例37〜40および具体例29〜
32の各触媒剤に対して、金属活性種のイオン交換率を
測定したところ、表4に示す結果を得た。その結果、具
体例29〜32の各触媒剤は、比較例37〜40の各触
媒剤に比べて、イオン交換率が大幅に向上した。
【0055】また、上記比較例37〜40および具体例
29〜32の各触媒剤に対して、上記比較例33〜36
と同様にしてNOx浄化性能をテストした。そのテスト
結果を、最高活性点におけるNOx浄化率として表4に
示す。その結果、比較例37〜40の触媒剤に比べて、
具体例29〜32の触媒剤のNOx浄化率は大幅に向上
した。
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の排気ガス
浄化用触媒の製造方法によれば、スラリーが塩基性に調
整されることにより、触媒剤からの金属活性種の溶出が
防止され、排気ガス浄化用触媒上の金属活性種の担持量
が増加するので、排気ガス浄化用触媒のNOx浄化性能
を向上させることができる。
【0058】また、請求項2記載の排気ガス浄化用触媒
の製造方法によれば、スラリーのpHの調整に使用する
アンモニアは揮発性であるため、排気ガス浄化用触媒上
に金属成分であるNaが残存せず、活性種以外の金属の
存在による活性低下を防止できる。
【0059】また、請求項3記載の排気ガス浄化用触媒
の製造方法によれば、加熱されたスラリー中の水和アル
ミナがゲル化することによりスラリーの粘度が保持され
るので、スラリーを担体へ容易に担持させることができ
る。
【0060】また、請求項4記載の排気ガス浄化用触媒
の製造方法によれば、多孔質材料をゼオライト又はアル
ミナとしたものにおいて、上記請求項1乃至請求項3の
いずれか一に記載された発明の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法におい
て、触媒剤としてゼオライトを用いた場合のスラリーの
温度と粘度との関係を示すグラフである。
【図2】同じく、触媒剤としてγ−アルミナを用いた場
合のスラリーの温度と粘度との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/94 B01D 53/86

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質材料に触媒として活性を呈する
    属活性種を担持させてなる触媒剤を、酸性バインダとと
    もにスラリー化してスラリーを形成し、このスラリーを
    担体にコーティングする排気ガス浄化用触媒の製造方法
    において、上記触媒剤とバインダとを含むスラリーは塩
    基性になるように調整して担体にコーティングすること
    を特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 スラリーを塩基性に調整するにあたり、
    アンモニア水の添加により行う請求項1記載の排気ガス
    浄化用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸性バインダは水和アルミナであり、ス
    ラリーを加熱して上記水和アルミナをゲル化することに
    よりスラリーの粘度を調整する請求項1または請求項2
    記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 多孔質材料はゼオライト又はアルミナで
    ある請求項1又は請求項3のいずれか一に記載の排気ガ
    ス浄化用触媒の製造方法。
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