JP3236017B2 - 走査光学装置 - Google Patents

走査光学装置

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、走査光学装置に関するものであり、特に画
像書き込み開始位置の検出装置の配置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来、走査光学装置では、第9図に示したように、半
導体レーザーなどの光源1からの光を、コリメーターレ
ンズ2を用いて集光したのち、その集光された光束をポ
リゴンミラーなどを用いた偏向器3によって、被走査面
5上を走査するように偏向し、さらにその光束をfθレ
ンズなどの走査レンズ4を用いて、被走査面上に結像さ
せるようにして光のスポツトを形成しながら、そのスポ
ツトが被走査面上を走査されるにつれて、画像情報に基
づいた変調を加えることで、画像の形成を行っている。
このような走査光学装置では、被走査面上で、画像の
書き込み開始位置を検出するために、被走査面上の画像
書き始めの位置、またはそれと等価な位置に、光センサ
ー8を直接またはスリツト7などを通しておき、光セン
サーの位置(またはスリツト上)をスポツトが通りすぎ
る瞬間に、光センサーから発せられる電気信号を基にし
て、画像書き込み開始信号を得ている。
そして、第10図に示すように、ポリゴンミラーの回転
につれて、スリツト7上にあるレーザースポツト13が、
時間と共に移動して行くとする。このとき、スリツトの
後におかれている光センサーからの出力は、第11図にあ
るように、スポツトがスリツトの影から出て行くにした
がって、増加して行く。この出力が増加して行く時間
(立ち上がり時間)の間で、画像書き込み開始信号を発
生させることになる。
この場合、画像書き込み開始位置検出装置は、画像書
き込み領域外に配置する必要がある。
〔発明が解決しようとしている課題〕
しかしながら、画像書き込み開始位置検出装置の検出
精度は、おもに検出装置から出力される信号の立ち上が
り時間によっており、立ち上がり時間が遅いと、レーザ
ーの少しの光量変動が、書き出しタイミングの大きさ差
になってしまい、書き出し開始位置がバラつくので画像
品質が劣化する。したがって、従来の走査光学系では、
立ち上がり時間を短くするために、偏向器から光センサ
ー(またはスリツト)までの距離を、充分にに離して、
光センサー(またはスリツト)上を走査するレーザー光
の走査スピードを大きくしてあった。
そのため、画像書き込み開始位置検出装置を配置する
ために広い空間が必要となり、走査系全体が大きくなっ
てしまっていた。
このために、画像書き込み開始位置検出装置に入射す
る光路中に、折り返しミラー12などを配置して、走査系
全体が小さくまとまるように工夫がされていた。こうし
た配置の場合、折り返しミラーが走査系や画像形成装置
全体の振動をうけて、かえった画像書き込み開始位置の
検出精度が悪化したりする問題があった。ミラーの振動
の影響は、光路中にレンズ系を加えて、ミラーとセンサ
ーを光学的に共役な配置とすることで補正できるが、検
出装置の部品点数が増え、構成が複雑になるという問題
があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明による走査光学装置では、偏向器から光センサ
ーに至る光路中に、光路長を短縮化するための光学系を
配置して、画像書き込み開始位置の検出精度を落とす事
なく、画像書き込み開始位置検出装置が必要とする空間
を小さく抑えたものである。本発明のよる走査光学装置
は、光源と、前記光源からの光束を偏向器の反射面上に
線像として入射させる第1光学系と、前記偏向器の反射
面で偏向された光束を前記被走査面上に結像させる第2
光学系と、光センサーと、前記偏向器の反射面から前記
光センサーまでの光路中に配置した第3光学系と、前記
光センサーの出力を用いて前記被走査面上の画像書き込
み開始位置を検出する画像書き込み開始位置検出装置よ
りなる走査光学装置であって、 前記偏向器の反射面から該光センサーまでの光路長が
前記偏向器の反射面から前記被走査面までの光路長より
も短く、 前記第2光学系としてアナモフィックな光学系を用い
て前記偏向器の反射面と前記被走査面を共役な配置と
し、 前記第3光学系は、前記第2光学系の光学作用を受け
ずに独立したアナモフィックな光学系であり、 前記第3の光学系の焦点距離は、前記第2の光学系の
焦点距離より短いことを特徴とする。
〔実施例〕
第1図に本発明による走査光学装置を説明するための
第一の参考例を示す。1は半導体レーザーなどの光源で
あり、2は光源からの光を集光するレンズであり、3は
ポリゴンミラーによる偏向器、4は走査レンズであり、
5は被走査面であって、この位置に感光ドラムなどの記
録材料が置かれることなる。
半導体レーザー1を発したレーザーは、集光レンズ2
によって集光された後、ポリゴンミラー3によって偏向
され、走査レンズ4を通して被走査面上に結像し、レー
ザースポツトを形成する。レーザースポツトは、ポリゴ
ンミラーの回転につれて、図上で上から下に向かって被
走査面上を走査されることになる。
画像書き込み開始位置検出装置は、画像書き込み領域
外の画像書き出し側に置かれている。レーザーは、画像
書き込みを行う直前にレンズ6を通って、スリツト7の
置かれた位置にレーザースポツトを形成し、光センサー
8に入射する。ポリゴンミラーから、光センサーまでの
光路長lSは、レンズ7を配置したことにより、ポリゴン
ミラーから被走査面までの距離ldに比べて、 となるように構成されている。
このため走査系全体は、コンパクトな構成となってい
る。
さて、画像書き込み開始位置検出装置の検出精度だ
が、これはおもに検出装置から出力される信号の立ち上
がり時間によっている。すなわち、光センサーに入射す
るレーザー光の光量が、急激に変化するようになってい
ればよい。
ここで、ポリゴンミラーの回転速度ωとして、走査レ
ンズの焦点距離をfとすると、被走査面上でのレーザー
スポツトの走査速度vは、 v=f×ω となる。このとき、被走査面上でのレーザースポツトの
直径をdとすると、被走査面上での光量の立ち上がり時
間tは、 t=d/v である。
本参考例の走査光学系では、スリツト上での走査速度
はレンズ6があって光路長が短くなった分だけ遅くなっ
ており、走査レンズ4とレンズ6による合成焦点距離を
fbとすると、 fb<f である。従って、スリツト上での走査速度をvb、スポツ
ト系をdb、立ち上がり時間をtbとすると、 vb=fb×ω tb=db/vb となり、 vb<v の関係になっている。
ところで、レーザーのスポツト径は、レーザーの波長
λと、光学系の有効Fno.に比例しており、 d∝λ×Fno. となっている。
本参考例の場合、被走査面上での有効Fno.と、スリツ
ト上での有効Fno.は異なっており、概ねそれぞれの焦点
距離f、fbに比例している。そのため、被走査面上のレ
ーザースポツト形と、スリツト上のレーザースポツト形
は同様に概ね比例しており、 f:fb≒d:db となっている。この関係から、立ち上がり時間t、tbに
ついては、 t≒tb であり、光センサーが被走査面相当位置にある場合と大
きく変わらない。そのため画像書き込み開始位置検出装
置の検出精度は、大きく変化することはない。
この様子を、第2図と第3図で示す。スリツト上に形
成されているスポツト9の径は、レンズ6によって焦点
距離がfbと小さくなっているため、有効Fno.が小さくな
り、小さなスポツト径となっている。また走査速度が小
さくなっているため、同い時間間隔でみても、従来のも
のよりも移動速度が遅くなっている。一方で、光センサ
ーからの出力の立ち上がり時間は、余り大きな差はみら
れない。
第4図に本発明による走査光学装置を説明するための
第二の参考例を示す。本参考例では、レンズ6のあと
で、直接光センサー8上にレーザースポツトを形成する
ようになっている。したがって、画像書き込み開始位置
の検出は、光センサーの端部で行われることになる。
第5図に本発明による走査光学装置を説明するための
第三の参考例を示す。本参考例では、走査レンズ4を通
過する前の光束をレンズ6を通して光センサー8上にレ
ーザースポツトを形成している。
第6図に本発明による走査光学装置の第一の実施例を
示す。本実施例では、シリンドリカルレンズ10を用いて
ポリゴンミラー3の反射面上に線像を作り、走査レンズ
4にアナモフイツクな光学系をもちいて、ポリゴンミラ
ーと被走査面を共役な配置にしてポリゴンミラーの面だ
おれを補正している光学系の場合であり、レンズ11にア
ナモフイツクな光学系をもちいて、光センサー8に入射
する光束が主走査断面、副走査断面とも良好な結像関係
を保つようにしている。第7図と第8図にその様子を示
す。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、本発明による走査光学装置では、
偏向器から光センサーに至る光路中に、光路長を短縮化
するための光学系を配置して、画像書き込み開始位置の
検出精度を落とす事なく、画像書き込み開始位置検出装
置が必要とする空間を小さく抑えたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による走査光学装置の第一の参考例を示
す図、 第2図は本発明でのスリツト上のスポツトの走査の様子
を示す図、 第3図は本発明での光センサーからの出力を示す図、 第4図は本発明による走査光学装置の第二の参考例を示
す図、 第5図は本発明による走査学装置の第三の参考例を示す
図、 第6図は本発明による走査光学装置の第一の実施例を示
す図、 第7図は第一の実施例の光学系の主走査側光路図、 第8図は第一の実施例の光学系の副走査側光路図、 第9図は従来の走査光学装置を示す図、 第10図は従来の走査光学装置でのスリツト上のスポツト
の走査の様子を示す図、 第11図は従来の走査光学装置での光センサーからの出力
を示す図である。 1……半導体レーザー 2……コリメーターレンズ 3……ポリゴンミラー 4……走査レンズ 5……被走査面 6……レンズ 7……スリツト 8……光センサー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源からの光束を偏向器の反
    射面上に線像として入射させる第1光学系と、前記偏向
    器の反射面で偏向された光束を前記被走査面上に結像さ
    せる第2光学系と、光センサーと、前記偏向器の反射面
    から前記光センサーまでの光路中に配置した第3光学系
    と、前記光センサーの出力を用いて前記被走査面上の画
    像書込み開始位置を検出する画像書き込み開始位置検出
    装置よりなる走査光学装置であって、 前記偏向器の反射面から該光センサーまでの光路長が前
    記偏向器の反射面から前記被走査面までの光路長よりも
    短く、 前記第2光学系としてアナモフィックな光学系を用いて
    前記偏向器の反射面と前記被走査面を共役な配置とし、 前記第3光学系は、前記第2光学系の光学作用を受けず
    に独立したアナモフィックな光学系であり、 前記第3の光学系の焦点距離は、前記第2の光学系の焦
    点距離より短いことを特徴とする走査光学装置。
  2. 【請求項2】前記画像書き込み開始検出装置は、入射光
    束の結像点近くにスリットをもち、該スリットを通過し
    た光束が前記光センサーに入射する構成になっている特
    許請求の範囲第1項記載の走査光学装置。
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JPH0915517A (ja) * 1995-06-28 1997-01-17 Nec Corp レーザ走査用光学装置
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