JP3235533B2 - 電力回生回路の制御装置 - Google Patents

電力回生回路の制御装置

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JP3235533B2
JP3235533B2 JP25060897A JP25060897A JP3235533B2 JP 3235533 B2 JP3235533 B2 JP 3235533B2 JP 25060897 A JP25060897 A JP 25060897A JP 25060897 A JP25060897 A JP 25060897A JP 3235533 B2 JP3235533 B2 JP 3235533B2
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弘紀 清水
晃 角
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神鋼電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,インバータ方式電
力回生回路のアーム短絡防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第2図は例えば特開昭61−73584
号公報に記載された従来のこの種の電力回生回路を示し
たものである。図において,1は3相(U,V,W相)
の交流電源,2は限流リアクトル,3は電流検出器(変
流器)CT,4はPWM制御される電力回生回路,5は
平滑用のコンデンサ,6はインバータ,7は誘導電動機
である。電力回生回路4は6個のトランジスタTr1〜T
r6をブリッジ接続してなり,各トランジスタにはダイオ
ードDが逆並列接続されている。インバータ6も6個の
トランジスタTr をブリッジ接続してなり,各トランジ
スタTr にはダイオードDが逆並列接続されている。1
0は電力回生回路4の制御装置であって,直流電圧指令
器11,電圧調整器12,正弦波発生器13,電流調整
器14,PWM信号発生器15,デッドタイム設定回路
15A,搬送波発生器16を備えている。なお,インバ
ータ6の制御回路は図示を省略してある。この構成にお
いて,力行運転時は,電力回生回路4は整流回路として
動作し,交流電源1からの交流をダイオードDを通して
直流に変換する。インバータ6はこの直流を指令された
電圧・周波数の交流に変換して誘導電動機7に給電す
る。誘導電動機7が駆動する負荷の状態が変化して該誘
導電動機7が発電動作に移行した場合,コンデンサ5の
電圧Vsdが直流電圧指令器11の指令電圧より大きくな
ると,発生電力はインバータ6のダイオードDを通し
て,電力回生回路4を通して交流電源1側へ回生され
る。この電力回生時,コンデンサ5の電圧と直流電圧指
令との偏差を増幅する電圧調整器12の出力が正弦波発
生器13で正弦波の電流指令is *に変換される。PW
M信号発生器15は,電流検出器3が検出する回生電流
s と正弦波の電流指令is *との偏差を,搬送波発生
器16が出力する搬送波と比較してPWM信号を作成
し,デッドタイム設定回路15Aを通したのち,ベース
駆動回路(図示しない)を介して電力回生回路4のトラ
ンジスタTr1〜Tr6に与える。電力回生回路4のトラン
ジスタTr1〜Tr6は,交流電源1の相電圧と同期して,
所定順序でオン/オフ駆動され,インバータ6から供給
される直流電力を交流電力に変換して交流電源1に回生
する。この場合,例えば,U相トランジスタTr1とU相
トランジスタTr4のON期間に重なりが生じるアーム短
絡を防ぐために,上記デッドタイム設定回路(遅延回
路)15Aを設けて,第3図に示す如く,アーム短絡防
止期間(デッドタイム)tdを確保するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,このように,
デッドタイムtdの設定により,アーム短絡を防止する
方法では,PWM演算が正弦波形より歪み,回生電流i
s の高調波成分が増加するという問題がある。デッドタ
イムtdの設定によらないアーム短絡防止方法として
は,正側トランジスタTr1を0°〜180°の範囲内
で,負側トランジスタTr4を180°〜360°の範囲
内でONさせる方法がある。第4図はこの方法で実施し
た回路例を示したもので,正弦波発生器13の出力極性
を判別する極性判別器17と,ゲート素子18a,18
bを有する選択回路18を設け,極性判別器17が送出
する極性判別信号(1,0)に基づき選択回路18で正
側トランジスタTr1または負側トランジスタTr4を選択
させる。しかし,この方法による場合は,回生電流is
が正弦波発生器13の出力である電流指令is *に対し
て位相遅れを生じると,位相差分だけトランジスタの正
しい選択が遅れることになり,電流波形に歪みが生じ,
高調波成分が増大するという問題がある。もちろん,上
記極性判別に,実際の回生電流is を用いれば,上記位
相遅れの問題は無くなるが,今度は,実際の回生電流i
s の大きさが零電流近傍になった場合,極性判別信号が
不能になって,トランジスタの選択ができず,制御の不
安定を招くという問題がでてくる。本発明は,上記従来
の問題を解消するためになされたもので,正負スイッチ
ング素子のスイッチング動作範囲を区別してアーム短絡
を防止する場合において,実電流の極性判別が難しい電
流領域における制御の不安定を防止することができる電
力回生回路の制御装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,スイッチング素子をブリッジ接続してなる
インバータ式電力回生回路をPWM制御する制御装置に
おいて,上記電力回生回路の交流電源側電流を検出する
電流検出器と,上記電流検出器の出力の正負極性を判別
する極性判別器と,PWM信号に対してアーム短絡を防
止するための期間であるデッドタイムを設定するデッド
タイム設定回路と,上記電力回生回路の同一相のアーム
の正側又は負側スイッチング素子を選択し,選択したス
イッチング素子にPWM信号を供給する選択回路と,上
記電流検出器の出力と所定の設定値に基づいて,上記選
択回路に入力する信号を上記極性判別器の出力,もしく
は上記デッドタイム設定回路の出力に切換える切換手段
とを具備してなることを特徴とする電力回生回路の制御
装置として構成されている。従って,検出された回生電
流である実電流が零電流近傍にある場合,スイッチング
素子の短絡を防止するためのデッドタイムをPWM信号
に設けて回生電力の制御を行うことができるので,零電
流近傍においても,実電流の極性に対応するスイッチン
グ素子を確実に選択することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化したものであ
って,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。第1図は,本発明の実施の形態に係る電力回生回路
の制御装置を示したもので21は切換レベルの設定値L
S0を送出する切換レベル設定器,22は切換信号作成
器であって,正の値を有する回生電流is について,
回生電流is が設定値LS0を越えている場合には,
切換スイッチ23を側へ切換える切換信号を送出し,
回生電流is が設定値LS0以下である場合には,切
換スイッチ23を側へ切換える切換信号を送出する。
負の値を有する回生電流is については切換スイッチ
23による切換えは行われず,極性判別器17によって
トランジスタの選択が行われる。尚,極性判別器17
は,図2に記載されている通り,入力が負の値を取る間
はその出力が常に零となるように設定されており,極性
判別器17に入力される回生電流is が負の値を取る
場合,その電流の絶対値が零近傍となっても出力の値は
零のままである。また,切換手段は切換レベル設定器2
1,切換信号作成器22,切換スイッチ23により構成
されている。他の構成はデッドタイム設定回路15aを
有する前記第2図の構成と同じである。この構成におい
ては,正の値を有する回生電流is について,回生電
流isが切換レベル設定器21の設定値LS0以上であ
る間,若しくは回生電流isが負の値である間は,切換
スイッチ23の接点は側に設定され,極性判別器17
は,回生電流is の極性を判別し,この極性判別信号
が選択回路18に入力されるので,PWM信号発生器1
5より出力されるPWM信号と上記極性判別信号とに基
づいて,上記極性が正極性である場合には,ゲート素子
18aをゲートしてトランジスタTr1選択され
WM信号がTr1に入力される。極性が負極性である場
合には,ゲート素子18bをゲートしてトランジスタT
r4選択されPWM信号がTr1に入力される。
の値を有する回生電流is について,回生電流is
が切換レベル設定器21の設定値LS0以下になると,
切換スイッチ23の接点が側へ切換わるので,デッド
タイム設定器15Aの出力が選択回路18に入力され
る。このように,PWM信号とデッドタイム設定器15
Aの出力される信号に基づいて,立上がりがtdだけ遅
延されたPWM信号の反転信号がゲート素子18bを通
してトランジスタTr4へ与えられる。従って,正の値
を有する回生電流is について,回生電流is が零
電流近傍になった場合に,切換スイッチ23がデッドタ
イム設定回路15A側を選択するように設定値LS0を
設定しておけば回生電流is <LS0になると,デッ
ドタイムtdによるアーム短絡防止動作が行われるか
ら,実電流is が零電流近傍のレベルである場合に
も,制御の安定を確保して,アーム短絡を避けることが
できる。
【0006】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り,同一アーム
の正負スイッチング素子の動作範囲を区別し,実電流の
極性に応じて正または負のスイッチング素子を選択する
アーム短絡防止方法において,実電流が小電流領域にあ
る場合には,デッドタイム設定によるアーム短絡防止を
行う構成としたもので,実電流が小電流領域にある場合
にも,電力回生回路のスイッチング動作を不安定にする
ことなく,アーム短絡を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る電力回生回路の
制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】 従来の電力回生回路の制御装置を示すブロッ
ク図。
【図3】 上記従来例におけるデッドタイム設定による
アーム短絡防止を説明するための図。
【図4】 従来の電力回生回路の制御装置の他の例を示
すブロック図。
【符号の説明】
4…電力回生回路 13…正弦波発生器 15…PWM信号発生器 15A…デッドタイム設定回路 16…搬送波発生器 17…極性判別器 18…選択回路 18a,18b…ゲート素子 21…切換レベル設定器 22…切換信号作成器 23…切換スイッチ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子をブリッジ接続してな
    るインバータ式電力回生回路をPWM制御する制御装置
    において, 上記電力回生回路の交流電源側電流を検出する電流検出
    器と,上記電流検出器の出力の正負極性を判別する極性
    判別器と,PWM信号に対してアーム短絡を防止するた
    めの期間であるデッドタイムを設定するデッドタイム設
    定回路と,上記PWM信号と上記極性判別器の出力信号
    との論理積,又は上記PWM信号と上記デッドタイム設
    定回路の出力信号との論理積に基づいて,上記電力回生
    回路の同一相のアームの正側又は負側のスイッチング素
    子を選択し,選択したスイッチング素子に上記PWM信
    号を供給する選択回路と,上記電流検出器の出力と所定
    の設定値に基づいて,上記選択回路に入力する信号を上
    記極性判別器の出力,もしくは上記デッドタイム設定回
    路の出力に切換える切換手段とを具備してなることを特
    徴とする電力回生回路の制御装置。
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