JP2001294378A - 昇降機用ドライブ装置 - Google Patents

昇降機用ドライブ装置

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JP2001294378A JP2000108154A JP2000108154A JP2001294378A JP 2001294378 A JP2001294378 A JP 2001294378A JP 2000108154 A JP2000108154 A JP 2000108154A JP 2000108154 A JP2000108154 A JP 2000108154A JP 2001294378 A JP2001294378 A JP 2001294378A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PWMサイクロコンバータにより構成すると
ともに、外部装置を必要とせずに三相又は単相交流電
源、直流電源のいずれでも非常用電源として接続できる
ようにする。 【解決手段】 三相交流電源1の位相を検出する入力電
源位相検出回路27とは別に、非常用電源の位相を検出
する非常用電源位相検出回路28を設ける。位相検出回
路切り替え設定器30は、予め行われた設定に従い、非
常用電源位相検出回路28からの位相情報または固定位
相情報生成回路29からの固定位相情報のいずれかを選
択する。位相検出回路切り替え器31は、通常運転時は
入力電源位相検出回路27の位相情報を選択し、電源異
常時には位相検出回路切り替え設定器30からの各非常
用電源の位相情報を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇降機システムの
運転を制御するための昇降機用ドライブ装置に関し、特
にパルス幅変調(PWM)制御方式を用いたPWMサイ
クロコンバータを適用した昇降機用ドライブ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の昇降機システムでは、PWMイン
バータにより構成された昇降機用ドライブ装置が用いら
れていた。また、昇降機システムでは、電源に欠相、停
電、電源不平衡等の異常が発生した場合でも昇降機の運
転を継続するために非常用電源が設けられている。
【0003】非常用電源が三相交流電源である場合の従
来の昇降機システムを図2に示す。この従来の昇降機シ
ステムは、三相交流電源1と、電源切り替え器20と、
電源異常検出装置9と、非常用三相交流電源装置10
と、PWMインバータにより構成されている昇降機用ド
ライブ装置6と、制動ユニット7と、制動抵抗器8と、
モータ3と、昇降機マシン4とから構成されている。
【0004】また、昇降機用ドライブ装置6は、ダイオ
ード整流回路40と、IGBT(Insulated Gate Bipol
ar Transistor)41と、ゲートドライバ42と、制御
コントローラ43と、平滑コンデンサ44と、突入電流
制限用抵抗45と、スイッチ46とから構成されてい
る。
【0005】三相交流電源1は、電源切り替え器20を
介して昇降機用ドライブ装置6のダイオード整流回路4
0の入力側に接続されている。ダイオード整流回路40
で整流された直流電圧は、突入電流制限用抵抗45また
はスイッチ46を介した後に平滑コンデンサ44により
平滑されIGBT41に供給されている。IGBT41
は、ゲートドライバ42からのゲート信号に従い、供給
された直流電圧をスイッチ制御しモータ3の制御を行っ
ている。
【0006】突入電流制限用抵抗45は、平滑コンデン
サ44への突入電流を制限するためのものであり、スイ
ッチ46は、通常運転時に突入電流制限用抵抗45を短
絡するためのものである。
【0007】また、回生運転時に、回生エネルギを消費
するために昇降機用ドライブ装置6の正母線と負母線と
の間に制動ユニット7と制動抵抗器8が接続されてい
る。
【0008】また、電源異常検出装置9は、三相交流電
源1の三相電圧を入力とし、三相交流電源1に欠相、停
電、電源不平衡等の異常が発生したことを検出すると、
電源異常検出信号を出力する。
【0009】電源切り替え器20は、電源異常検出信号
が入力されていない場合、三相交流電源1からの三相出
力電圧(R、S、T)をそのままダイオード整流回路4
0に出力し、電源異常検出信号が入力された場合、非常
用電源として設定されている非常用三相交流電源装置1
0の電圧をダイオード整流回路40へ出力する。
【0010】この従来の昇降機用ドライブ装置では、電
源異常が発生すると電源異常検出装置9から電源異常検
出信号が出力され、電源切り替え器20により昇降機用
ドライブ装置6に入力される電圧が三相交流電源1から
非常用三相交流電源装置10に切り替えられるようにな
っている。
【0011】同様に、非常用電源が単相交流電源である
場合の、PWMインバータにより構成された昇降機用ド
ライブ装置6が使用された昇降機システムを図3に示
す。
【0012】図3では、非常用単相交流電源装置11の
2相(R’、S’)の出力電圧が電源切り替え器20に
入力されている。
【0013】同様に、非常用電源が蓄電池であるバック
アップ直流電源の場合の、PWMインバータにより構成
された昇降機用ドライブ装置6が使用された昇降機シス
テムを図4に示す。
【0014】蓄電池12は、昇降機用ドライブ装置6の
正母線および負母線にダイオード52及び蓄電池用スイ
ッチ51を介して接続される。また、三相交流電源1は
三相交流電源用スイッチ50を介してダイオード整流回
路40に接続されている。
【0015】この従来の昇降機システムでは、電源異常
検出装置9により三相交流電源1の異常が検出されて電
源異常検出信号が出力されると、三相交流電源用スイッ
チ50が遮断され、蓄電池用スイッチ51が投入され
る。
【0016】同様に、非常用電源が大容量コンデンサで
あるバックアップ直流電源の場合に、PWMインバータ
により構成された昇降機用ドライブ装置6が使用された
昇降機システムを図5に示す。この従来の昇降機システ
ムでは、大容量コンデンサ14が昇降機用ドライブ装置
6の正母線及び負母線に直接接続されていて、切り替え
は不要となる。
【0017】図2から図5に示したPWMインバータに
より構成された昇降機用ドライブ装置6を用いた従来の
昇降機システムは、回生運転のために制動ユニット7や
制動抵抗器8を必要とした。そのため、構造的にも大き
く、また回生エネルギを無駄に生じるといった問題を有
していた。
【0018】また、非常用電源が三相交流電源10であ
る場合と、単相交流電源11である場合と、蓄電池12
又は大容量コンデンサ14等の直流電源である場合で、
それぞれシステム構成の形態を変更しなければならない
という問題を有していた。
【0019】さらに、従来の昇降機用ドライブ装置6で
は、非常運転を行うためには、電源切り替え器20およ
び電源異常検出装置9を昇降機用ドライブ装置の外部に
設けなければならないためシステム構成が複雑となって
しまうという問題点を有していた。
【0020】また、近年、モータを制御するためのドラ
イブ装置として、PWMサイクロコンバータの実用化が
検討されている。PWMサイクロコンバータは、入力電
源と出力電源とが、直接双方向に流れることができる双
方向スイッチを介して直接接続されている。また、PW
Mサイクロコンバータでは、欠相、停電、電源不平衡等
の入力電源の異常が発生し通常の運転を維持することが
できなくなった場合には、運転を停止しなければならな
かった。電源の異常が発生した場合に運転を停止するP
WMサイクロコンバータにより構成されている昇降機用
ドライブ装置5を用いた昇降機システムを図6に示す。
【0021】この昇降機システムは、三相交流電源1
と、昇降機用ドライブ装置5と、モータ3と、昇降機マ
シン4とから構成されている。
【0022】また、昇降機用ドライブ装置5は、入力フ
ィルタ21と、電源異常検出回路26と、入力電源位相
検出回路27と、入力電源レベル検出回路25と、制御
コントローラ33と、ゲートドライバ23と、双方向ス
イッチモジュール22とから構成されている。
【0023】三相交流電源1は、入力フィルタ21を介
して双方向スイッチモジュール22に接続されている。
双方向スイッチモジュール22は、入力フィルタ21を
介して入力された三相交流電源1の三相電圧(R、S、
T)と三相の出力電圧との間の全ての組合わせを接続す
る9つの双方向スイッチにより構成されている。そし
て、双方向スイッチモジュール22の出力は、モータ3
の各相に接続されている。
【0024】制御コントローラ33は、入力電源レベル
検出回路25および入力電源位相検出回路27から入力
される情報に基いて、ゲートドライバ23へゲート信号
を出力している。ゲートドライバ23は、制御コントロ
ーラ33から入力されたゲート信号に基いて双方向スイ
ッチモジュール22の各双方向スイッチを駆動してい
る。
【0025】入力電源レベル検出回路25は、三相交流
電源1の各相の電圧値をそれぞれ検出している。入力電
源位相検出回路27は、三相交流電源1のうちの2相を
入力とし、三相交流電源1の位相を検出している。電源
異常検出回路26は、三相交流電源1に欠相、停電、不
平衡といった電源異常が発生した場合に、電源異常検出
信号32を制御コントローラ33に出力する。
【0026】制御コントローラ33は、電源異常検出信
号32を入力すると、双方向スイッチモジュール22を
停止させるために、ゲートドライバ23に停止用ゲート
信号を出力する。
【0027】これまで、上記で説明したPWMサイクロ
コンバータにより構成された昇降機システムはなかった
が、この昇降機システムでは、電源異常が発生した場
合、運転の停止が自動的に行われ、また、電源回生運転
が可能なため、制動ユニットや制動抵抗器が不要であっ
た。しかし、上記で説明した、PWMサイクロコンバー
タにより構成した昇降機用ドライブ装置(図6)では、
入力電源位相検出回路27が1つしか備えられていない
ため、入力電源の位相情報を知ることができなければ制
御を行うことができないPWMサイクロコンバータで
は、非常用電源を用いた非常運転ができないという問題
点を有していた。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の昇降機
用ドライブ装置では、下記のような問題点があった。 (1)PWMインバータを用いた場合では、電源回生運
転ができないため制動ユニットや制動抵抗器が必要とな
り、回生エネルギが無駄に消費され、またその構造は大
きくなってしまう。 (2)非常運転を行うためには、電源切り替え器、電源
異常検出装置を昇降機用ドライブ装置の外部に設ける必
要があり、システム構成が複雑になってしまう。 (3)非常用電源の種類に応じてシステム構成の形態を
変更しなければならない。 (4)図6に示したような、入力電源位相検出回路が1
つしか備えられていないPWMサイクロコンバータを用
いた場合では、非常用電源を用いた非常運転を行うこと
ができない。
【0029】本発明の目的は、電源回生機能を有し、三
相交流電源が異常となった時に、非常用電源として、三
相又は単相交流電源、蓄電池又は大容量コンデンサ等の
直流電源のいずれでもシステム構成を変更せずに運転可
能とする昇降機用ドライブ装置を提供することである。
【0030】また、本発明の他の目的は、非常運転を行
うために、電源切り替え器、電源異常検出装置を昇降機
用ドライブ装置の外部ではなく昇降機用ドライブ装置内
に設けた昇降機用ドライブ装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の昇降機用ドライブ装置は、三相交流電源の
三相電圧と、三相の出力電圧との間をそれぞれ接続する
9つの双方向スイッチにより構成されている双方向スイ
ッチモジュールと、前記双方向スイッチモジュールに入
力される三相交流電圧のうちの2相を入力とし、その位
相の検出を行っている入力電源位相検出回路とを有す
る、PWMサイクロコンバータにより構成されている昇
降機用ドライブ装置において、前記三相交流電源の電源
異常を検出した場合に電源異常検出信号を出力する電源
異常検出回路と、前記電源異常検出信号が入力されてい
ない場合には前記三相交流電源からの三相出力電圧を前
記双方向スイッチモジュールへ出力し、前記電源異常検
出信号が入力された場合には非常用電源として設定され
ている電源の出力電圧を前記双方向スイッチモジュール
へ出力する電源切り替え器と、前記非常用電源の位相の
検出を行っている非常用電源位相検出回路と、固定位相
情報を生成して出力している固定位相情報生成回路と、
予め行われた設定に従い、前記非常用電源位相検出回路
からの位相情報または前記固定位相情報生成回路からの
固定位相情報のいずれかを選択して出力する位相検出回
路切り替え設定器と、前記電源異常検出信号が入力され
た場合には前記位相検出回路切り替え設定器から出力さ
れる位相情報を選択して出力し、前記電源異常検出信号
が入力されていない場合には前記入力電源位相検出回路
から出力される位相情報を選択して出力している位相検
出回路切り替え器と、前記位相検出回路切り替え器から
出力された位相情報に基いて前記双方向スイッチモジュ
ールに対する制御を行っていて、前記電源異常検出信号
が入力されていない場合には、前記双方向スイッチモジ
ュールに対して三相入力運転し、前記電源異常検出信号
が入力されると、前記双方向スイッチモジュールの制御
方式を、三相入力運転から前記位相検出回路切り替え器
から出力される位相情報に応じた制御方式の運転に切替
える制御部とを有することを特徴とする。
【0032】本発明は、昇降機用ドライブ装置をPWM
サイクロコンバータにより構成しているので、昇降機用
ドライブ装置の外部に制動ユニットや制動抵抗器を接続
せずに電源回生運転ができる。また、入力電源位相検出
回路とは別に非常用電源位相検出回路を設けるとともに
固定位相情報生成回路を設け、位相検出回路切り替え器
によりにより使用する位相情報を選択するようにしたこ
とにより、三相交流電源、単相交流電源または直流電源
のいずれかの電源が非常用電源として設定された場合で
もシステム構成を変更することなく非常運転を行うこと
ができる。さらに、本発明では、電源切り替え器、電源
異常検出装置が昇降機用ドライブ装置内に設けられてい
るためシステム構成が簡単となる。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0034】図1は本発明の一実施形態の昇降機システ
ムの構成を示すブロック図である。図1において、図6
中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、
説明を省略するものとする。
【0035】本実施形態の昇降機用ドライブ装置2は、
図6に示した昇降機用ドライブ装置に対して、電源切り
替え器20と、非常用電源位相検出回路28と、固定位
相情報生成回路29と、位相検出回路切り替え設定器3
0と、位相検出回路切り替え器31を新たに設け、制御
コントローラ33の代わりに、内部のソフトウェアに変
更を加えた制御コントローラ24を備えるようにしたも
のである。
【0036】そして、本実施形態の昇降機システムで
は、非常用三相交流電源装置10、非常用単相交流電源
装置11、蓄電池12、大容量コンデンサ13のうちか
ら選択した1つの電源を非常用電源として予め選択して
おく。
【0037】電源切り替え器20は、電源異常検出信号
32が入力されていない場合、三相交流電源1からの三
相出力電圧(R、S、T)をそのまま入力フィルタ21
に出力し、電源異常検出信号32が入力された場合、非
常用電源として設定されている電源からの電圧を入力フ
ィルタ21へ出力する。
【0038】非常用電源位相検出回路28は、非常用電
源が非常用三相交流電源装置10である場合には、三相
出力電圧のうちの2相(R、S)を入力とし、その位相
の検出を行い、非常用電源が非常用単相交流電源装置1
1である場合には、その単相電圧(R’、S’)の位相
を検出し、検出した位相情報を位相検出回路切り替え設
定器30に出力する。
【0039】固定位相情報生成回路29は、固定位相情
報を生成して出力している。位相検出回路切り替え設定
器30は、予め行われた設定に従い、非常用電源位相検
出回路28からの位相情報または固定位相情報生成回路
29からの固定位相情報のいずれかを選択して位相検出
回路切り替え器31に出力する。
【0040】非常用電源として蓄電池12または大容量
コンデンサ13が選択された場合には、位相検出回路切
り替え設定器30を、固定位相情報生成回路29からの
固定位相情報を選択して出力するように設定しておく。
また、非常用電源として非常用三相交流電源装置10ま
たは非常用単相交流電源装置11が選択された場合に
は、位相検出回路切り替え設定器30を、非常用電源位
相検出回路28からの位相情報を選択して出力するよう
に設定しておく。
【0041】位相検出回路切り替え器31は、電源異常
検出信号32が入力されていない場合には、入力電源位
相検出回路27からの位相情報を選択して制御コントロ
ーラ24に出力し、電源異常検出信号32が入力された
場合には、位相検出回路切り替え設定器30からの出力
である各非常用電源の位相情報を選択して制御コントロ
ーラ24に出力する。
【0042】制御コントローラ24は、位相検出回路切
り替え器31から出力された位相情報に基いて双方向ス
イッチモジュール22に対する制御を行っていて、電源
異常検出信号32が入力されていない場合には、双方向
スイッチモジュール22に対して三相入力運転し、電源
異常検出信号32が入力されると、双方向スイッチモジ
ュール22の制御方式を、三相入力運転から位相検出回
路切り替え器31から出力される位相情報に応じた制御
方式の運転に切替える。
【0043】具体的には、制御コントローラ24は、位
相検出回路切り替え器31から出力される位相情報が三
相交流電源の位相情報の場合には、双方向スイッチモジ
ュール22の制御方式を三相入力運転とし、位相検出回
路切り替え器31から出力される位相情報が単相交流電
源の位相情報の場合には、双方向スイッチモジュール2
2の制御方式を単相入力運転とし、位相検出回路切り替
え器31から出力される位相情報が固定位相情報の場合
には、双方向スイッチモジュール22の制御方式を単相
入力運転とする。
【0044】次に、本実施形態の昇降機用ドライブ装置
2の動作について図1を参照して詳細に説明する。
【0045】先ず、電源異常が発生していない場合の動
作について説明する。電源異常が発生していない場合に
は、電源異常検出回路26から電源異常検出信号32が
出力されない。そのため、電源切り替え器20では三相
交流電源1からの三相出力電圧(R、S、T)がそのま
ま入力フィルタ21に出力され、位相検出回路切り替え
器31では、入力電源位相検出回路27からの位相情報
が選択されて制御コントローラ24に出力される。この
ことにより、入力電源位相検出回路27から出力される
位相情報に基づいて三相入力運転する制御が制御コント
ローラ24によって行われる。
【0046】次に、電源異常が発生した場合の動作につ
いて説明する。電源異常が発生した場合には、電源異常
検出回路26から電源異常検出信号32が出力される。
そのため、電源切り替え器20では非常用電源として設
定された電源の出力電圧が入力フィルタ21に出力さ
れ、位相検出回路切り替え器31では、位相検出回路切
り替え設定器30からの位相情報が選択されて制御コン
トローラ24に出力される。そして、制御コントローラ
24は、入力された位相情報に基づいて、設定されてい
る非常用電源の形態に応じた運転を行うような制御を行
う。
【0047】このことにより、電源異常時には、非常用
電源として非常用三相交流電源装置10、非常用単相交
流電源装置11、蓄電池12、大容量コンデンサ13等
の直流電源のいずれが設定されている場合でもモータ3
の運転が可能となる。
【0048】つまり、保安電源として三相又は単相の交
流電源、蓄電池等の直流電源が既に設置されている設備
の場合には、本実施形態の昇降機用ドライブ装置を用い
ることにより、新たに非常用電源を設けることなく、既
設の保安電源を利用することにより、非常時運転を可能
となる。
【0049】本実施形態の昇降機システムでは、電源切
り替え器20が昇降機用ドライブ装置2中に設けられて
いる場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、電源切り替え器20が昇降機用ドライ
ブ装置2の外側に設けられた場合でも同様に本発明を適
用することができるものである。この場合には、電源異
常検出信号32、三相交流電源1の三相電圧(R、S、
T)、非常用電源の2相電圧(R’、S’)を別途昇降
機用ドライブ装置2に入力することになる。
【0050】また、本実施形態では、4つの非常用電源
10〜13が備えられている場合について説明したが、
最低1つの非常用電源が備えられていれば本発明を適用
することができることは自明である。
【0051】さらに、非常用電源が蓄電池12または大
容量コンデンサ13等の直流電源のみの場合には、非常
用電源位相検出回路28および位相検出回路切り替え設
定器30を削除し、固定位相情報生成回路29から出力
された固定位相情報が位相検出回路切り替え器31に入
力されるようにしてもよい。同様にして、非常用電源が
非常用三相交流電源装置10または非常用単相交流電源
装置11のみの場合には、固定位相情報生成回路29お
よび位相検出回路切り替え設定器30を削除し、非常用
電源位相検出回路28から出力された位相情報が位相検
出回路切り替え器31に入力されるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、下記の
ような効果を有する。 (1)制動ユニットや制動抵抗器を必要とせずに電源回
生運転を行うことができる。 (2)電源切り替え器、電源異常検出装置を昇降機用ド
ライブ装置の外部に設けることなく非常運転を行うこと
ができシステム構成が簡単となる。 (3)システム構成を変更することなく、複数の非常用
電源を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PWMサイクロコンバータを適用した本発明の
一実施形態の昇降機システムの構成を示すブロック図で
ある。
【図2】PWMインバータを適用し、非常用電源が三相
交流電源である従来の昇降機システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図3】PWMインバータを適用し、非常用電源が単相
交流電源である従来の昇降機システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図4】PWMインバータを適用し、非常用電源が蓄電
池である従来の昇降機システムの構成を示すブロック図
である。
【図5】PWMインバータを適用し、非常用電源が大容
量コンデンサである従来の昇降機システムの構成を示す
ブロック図である。
【図6】PWMサイクロコンバータを適用した昇降機シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 1 三相交流電源 2 昇降機用ドライブ装置 3 モータ 4 昇降機マシン 5、6 昇降機用ドライブ装置 7 制御ユニット 8 制動抵抗器 9 電源異常検出装置 10 非常用三相交流電源装置 11 非常用単相交流電源装置 12 蓄電池 13、14 大容量コンデンサ 20 電源切り替え器 21 入力フィルタ 22 双方向スイッチモジュール 23 ゲートドライバ 24 制御コントローラ 25 入力電源レベル検出回路 26 電源異常検出回路 27 入力電源位相検出器 28 非常用電源位相検出回路 29 固定位相情報生成回路 30 位相検出回路切り替え設定器 31 位相検出回路切り替え器 32 電源異常検出信号 33 制御コントローラ 40 ダイオード整流回路 41 IGBT 42 ゲートドライバ 43 制御コントローラ 44 平滑用コンデンサ 45 突入電流制限用抵抗 46 スイッチ 50 三相交流電源用スイッチ 51 蓄電池用スイッチ 52 ダイオード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相交流電源の三相電圧と、三相の出力
    電圧との間をそれぞれ接続する9つの双方向スイッチに
    より構成されている双方向スイッチモジュールと、 前記双方向スイッチモジュールに入力される三相交流電
    圧のうちの2相を入力とし、その位相の検出を行ってい
    る入力電源位相検出回路とを有する、PWMサイクロコ
    ンバータにより構成されている昇降機用ドライブ装置に
    おいて、 前記三相交流電源の電源異常を検出した場合に電源異常
    検出信号を出力する電源異常検出回路と、 前記電源異常検出信号が入力されていない場合には前記
    三相交流電源からの三相出力電圧を前記双方向スイッチ
    モジュールへ出力し、前記電源異常検出信号が入力され
    た場合には非常用電源として設定されている電源の出力
    電圧を前記双方向スイッチモジュールへ出力する電源切
    り替え器と、 前記非常用電源の位相の検出を行っている非常用電源位
    相検出回路と、 固定位相情報を生成して出力している固定位相情報生成
    回路と、 予め行われた設定に従い、前記非常用電源位相検出回路
    からの位相情報または前記固定位相情報生成回路からの
    固定位相情報のいずれかを選択して出力する位相検出回
    路切り替え設定器と、 前記電源異常検出信号が入力された場合には前記位相検
    出回路切り替え設定器から出力される位相情報を選択し
    て出力し、前記電源異常検出信号が入力されていない場
    合には前記入力電源位相検出回路から出力される位相情
    報を選択して出力している位相検出回路切り替え器と、 前記位相検出回路切り替え器から出力された位相情報に
    基いて前記双方向スイッチモジュールに対する制御を行
    っていて、前記電源異常検出信号が入力されていない場
    合には、前記双方向スイッチモジュールに対して三相入
    力運転し、前記電源異常検出信号が入力されると、前記
    双方向スイッチモジュールの制御方式を、三相入力運転
    から前記位相検出回路切り替え器から出力される位相情
    報に応じた制御方式の運転に切替える制御部とを有する
    ことを特徴とする昇降機用ドライブ装置。
  2. 【請求項2】 外部に接続された電源切り替え器により
    選択された、三相交流電源の三相電圧または非常用電源
    からの出力電圧と、三相の出力電圧との間をそれぞれ接
    続する9つの双方向スイッチにより構成されている双方
    向スイッチモジュールと、 前記双方向スイッチモジュールに入力される三相交流電
    圧のうちの2相を入力とし、その位相の検出を行ってい
    る入力電源位相検出回路とを有する、PWMサイクロコ
    ンバータにより構成されている昇降機用ドライブ装置に
    おいて、 前記三相交流電源の電源異常を検出した場合に電源異常
    検出信号を出力する電源異常検出回路と、 前記非常用電源の位相の検出を行っている非常用電源位
    相検出回路と、 固定位相情報を生成して出力している固定位相情報生成
    回路と、 予め行われた設定に従い、前記非常用電源位相検出回路
    からの位相情報または前記固定位相情報生成回路からの
    固定位相情報のいずれかを選択して出力する位相検出回
    路切り替え設定器と、 前記電源異常検出信号が入力された場合には前記位相検
    出回路切り替え設定器から出力される位相情報を選択し
    て出力し、前記電源異常検出信号が入力されていない場
    合には前記入力電源位相検出回路から出力される位相情
    報を選択して出力している位相検出回路切り替え器と、 前記位相検出回路切り替え器から出力された位相情報に
    基いて前記双方向スイッチモジュールに対する制御を行
    っていて、前記電源異常検出信号が入力されていない場
    合には、前記双方向スイッチモジュールに対して三相入
    力運転し、前記電源異常検出信号が入力されると、前記
    双方向スイッチモジュールの制御方式を、三相入力運転
    から前記位相検出回路切り替え器から出力される位相情
    報に応じた制御方式の運転に切替える制御部とを有する
    ことを特徴とする昇降機用ドライブ装置。
  3. 【請求項3】 前記非常用電源が、三相交流電源、単相
    交流電源または直流電源のうちから選択されたいずれか
    1つの電源である請求項1または2記載の昇降機用ドラ
    イブ装置。
  4. 【請求項4】 三相交流電源の三相電圧と、三相の出力
    電圧との間をそれぞれ接続する9つの双方向スイッチに
    より構成されている双方向スイッチモジュールと、 前記双方向スイッチモジュールに入力される三相交流電
    圧のうちの2相を入力とし、その位相の検出を行ってい
    る入力電源位相検出回路とを有する、PWMサイクロコ
    ンバータにより構成されている昇降機用ドライブ装置に
    おいて、 前記三相交流電源の電源異常を検出した場合に電源異常
    検出信号を出力する電源異常検出回路と、 前記電源異常検出信号が入力されていない場合には前記
    三相交流電源からの三相出力電圧を前記双方向スイッチ
    モジュールへ出力し、前記電源異常検出信号が入力され
    た場合には非常用電源として設定されている非常用三相
    交流電源の出力電圧を前記双方向スイッチモジュールへ
    出力する電源切り替え器と、 前記非常用三相交流電源の位相の検出を行っている非常
    用電源位相検出回路と、 前記電源異常検出信号が入力された場合には前記非常用
    電源位相検出回路から出力される位相情報を選択して出
    力し、前記電源異常検出信号が入力されていない場合に
    は前記入力電源位相検出回路から出力される位相情報を
    選択して出力している位相検出回路切り替え器と、 前記位相検出回路切り替え器から出力された位相情報に
    基いて前記双方向スイッチモジュールに対して三相入力
    運転する制御部とを有することを特徴とする昇降機用ド
    ライブ装置。
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