JP3234940B2 - 薄肉鋼板補強構造体 - Google Patents
薄肉鋼板補強構造体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄肉鋼板の裏面に補強
性樹脂塗膜層が形成されている薄肉鋼板補強構造体に関
する。特に、軽量化、自動化が要請される車両用鋼板
(車体板金)に好適な発明である。
性樹脂塗膜層が形成されている薄肉鋼板補強構造体に関
する。特に、軽量化、自動化が要請される車両用鋼板
(車体板金)に好適な発明である。
【0002】
【従来の技術】昨今、自動車の車体軽量化のために、従
来にもまして、薄肉鋼板(通常、1mm以下)を使う傾向
にある。
来にもまして、薄肉鋼板(通常、1mm以下)を使う傾向
にある。
【0003】しかし、薄肉鋼板をドアパネル等の大面積
部位に使用すると、剛性が不足して耐デント性が低下す
ると言う問題点があった。
部位に使用すると、剛性が不足して耐デント性が低下す
ると言う問題点があった。
【0004】このため、ドアパネル(薄肉鋼板)の裏面
に粘着性を有するプリプレグシートをセットし、該プリ
プレグシートを電着炉等で熱硬化一体化させたドアパネ
ル(薄肉鋼板)の補強構造体がある(特開平6−171
001号公報等参照)。ここでプリプレグとは、ガラス
繊維マットに半硬化状態(B段階)のエポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂を含浸させて、鋼板等に対する自己接着さ
せたものを言う。
に粘着性を有するプリプレグシートをセットし、該プリ
プレグシートを電着炉等で熱硬化一体化させたドアパネ
ル(薄肉鋼板)の補強構造体がある(特開平6−171
001号公報等参照)。ここでプリプレグとは、ガラス
繊維マットに半硬化状態(B段階)のエポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂を含浸させて、鋼板等に対する自己接着さ
せたものを言う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の薄肉鋼
板補強構造体の場合、下記のような問題点があった。
板補強構造体の場合、下記のような問題点があった。
【0006】補強構造体の施工は、自動化が困難で、
施工工数が嵩む。
施工工数が嵩む。
【0007】ガラス繊維マットが剛直なため、昨今の
ドアアウタパネルのような湾曲面を有する場合、該湾曲
面に対するプリプレグに十分に追従させることが困難
で、施工工数が嵩むとともに、靱性における補強効果に
おいて問題が発生し易い。
ドアアウタパネルのような湾曲面を有する場合、該湾曲
面に対するプリプレグに十分に追従させることが困難
で、施工工数が嵩むとともに、靱性における補強効果に
おいて問題が発生し易い。
【0008】施工部位の形状に合わせてプリプレグシ
ートをトリミングする必要があり、施工工数費が嵩むと
ともに、トリミングによる材料ロスが発生する。
ートをトリミングする必要があり、施工工数費が嵩むと
ともに、トリミングによる材料ロスが発生する。
【0009】本発明は、上記にかんがみて、施工工数及
び材料ロスが削減できる薄肉鋼板補強構造体を提供する
ことを目的とする。
び材料ロスが削減できる薄肉鋼板補強構造体を提供する
ことを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、剛性及び靱性におけ
るバランスのとれた補強効果も十分に有する薄肉鋼板補
強構造体を提供することにある。
るバランスのとれた補強効果も十分に有する薄肉鋼板補
強構造体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄肉鋼板補
強構造体は、下記構成により解決するものである。
強構造体は、下記構成により解決するものである。
【0012】薄肉鋼板の裏面に補強性樹脂塗膜層が形成
されている薄肉鋼板補強構造体であって、前記補強性樹
脂塗膜層が、エポキシ樹脂系塗料(軟質タイプのみを除
く。)で形成されている。
されている薄肉鋼板補強構造体であって、前記補強性樹
脂塗膜層が、エポキシ樹脂系塗料(軟質タイプのみを除
く。)で形成されている。
【0013】ここで、エポキシ樹脂系塗料のベース樹脂
が、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と液状の軟質タイプ
エポキシ樹脂を必須成分とするものであることが、剛性
及び靱性の双方におけるバランスのとれた補強効果が得
られて望ましい。
が、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と液状の軟質タイプ
エポキシ樹脂を必須成分とするものであることが、剛性
及び靱性の双方におけるバランスのとれた補強効果が得
られて望ましい。
【0014】さらには、エポキシ樹脂系塗料に、補強剤
兼チキソトロピック付与剤としてシリカが添加されてな
ることが塗布作業性の見地から望ましい。
兼チキソトロピック付与剤としてシリカが添加されてな
ることが塗布作業性の見地から望ましい。
【0015】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明をおこなう。以下の説明で、特に断らない限
り、配合単位は重量単位とする。
詳細な説明をおこなう。以下の説明で、特に断らない限
り、配合単位は重量単位とする。
【0016】A.薄肉鋼板の裏面に補強性樹脂塗膜層が
形成されている薄肉鋼板補強構造体であって、補強性樹
脂塗膜層が、エポキシ樹脂系塗料(軟質タイプのみを除
く。)で形成されていることを基本的構成とする。
形成されている薄肉鋼板補強構造体であって、補強性樹
脂塗膜層が、エポキシ樹脂系塗料(軟質タイプのみを除
く。)で形成されていることを基本的構成とする。
【0017】ここで、薄肉鋼板は、とくに限定されず、
通常、0.1〜1.5mm、望ましくは、0.2〜0.8
mmの範囲内のものに適用する。当然、薄肉鋼板は、メッ
キ等の表面処理をしたものでもよい。
通常、0.1〜1.5mm、望ましくは、0.2〜0.8
mmの範囲内のものに適用する。当然、薄肉鋼板は、メッ
キ等の表面処理をしたものでもよい。
【0018】B.エポキシ樹脂系塗料のベース樹脂とし
ては、二液型・一液型のいずれでもよく、特に限定され
ないが、通常、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と液状の
軟質タイプエポキシ樹脂を必須成分とし、必要により反
応性希釈剤で適宜粘度に希釈されてなるものを使用す
る。
ては、二液型・一液型のいずれでもよく、特に限定され
ないが、通常、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と液状の
軟質タイプエポキシ樹脂を必須成分とし、必要により反
応性希釈剤で適宜粘度に希釈されてなるものを使用す
る。
【0019】(1) ここで、液状の硬質タイプエポキシ樹
脂としては、特に限定されないが、粘度(25℃)(JI
S K 7117の回転粘度計法;以下同じ)が、通常、500
0〜25000cPs、望ましくは、10000〜16
000cPsのものを使用する。粘度が低過ぎると、即
ち、低分子量であると、靱性を得難くなり、粘度が高す
ぎると、塗料を適宜粘度に調製し難く塗布作業性に問題
が発生し易くなる。
脂としては、特に限定されないが、粘度(25℃)(JI
S K 7117の回転粘度計法;以下同じ)が、通常、500
0〜25000cPs、望ましくは、10000〜16
000cPsのものを使用する。粘度が低過ぎると、即
ち、低分子量であると、靱性を得難くなり、粘度が高す
ぎると、塗料を適宜粘度に調製し難く塗布作業性に問題
が発生し易くなる。
【0020】(2) また、液状の軟質タイプエポキシ樹脂
としては、ゴム骨格エポキシ樹脂が塗膜に対する靱性に
おける補強効果(以下「靱性補強効果」)が高く望まし
いが、高粘度であるため、低粘度で、かつ、ある程度、
靱性補強効果を有するポリエーテル骨格エポキシ樹脂を
併用して粘度調整することが望ましい。反応性希釈剤の
みで、粘度調整を行うと、ゴム骨格エポキシ樹脂の補強
効果が減殺され、塗膜の強度が低下する。
としては、ゴム骨格エポキシ樹脂が塗膜に対する靱性に
おける補強効果(以下「靱性補強効果」)が高く望まし
いが、高粘度であるため、低粘度で、かつ、ある程度、
靱性補強効果を有するポリエーテル骨格エポキシ樹脂を
併用して粘度調整することが望ましい。反応性希釈剤の
みで、粘度調整を行うと、ゴム骨格エポキシ樹脂の補強
効果が減殺され、塗膜の強度が低下する。
【0021】両者の比率は、前者/後者=8/2〜3/
7(望ましくは7/3〜4/6)とする。
7(望ましくは7/3〜4/6)とする。
【0022】また、軟質タイプエポキシ樹脂の硬質エポ
キシ樹脂に対する配合比率は、硬質タイプ/軟質タイプ
=9/1〜5/5(望ましくは、8/2〜6/4)とす
る。
キシ樹脂に対する配合比率は、硬質タイプ/軟質タイプ
=9/1〜5/5(望ましくは、8/2〜6/4)とす
る。
【0023】硬質タイプが過少では剛性における補強効
果(以下「剛性補強効果」)を得難く、軟質タイプが過
少では靱性を得難く、剛性及び靱性におけるバランスの
取れた補強効果を得難い。
果(以下「剛性補強効果」)を得難く、軟質タイプが過
少では靱性を得難く、剛性及び靱性におけるバランスの
取れた補強効果を得難い。
【0024】(i) 上記ゴム骨格エポキシ樹脂とは、いわ
ゆる反応性エラストマーまたはゴム変性エポキシ樹脂と
称されるものであって、末端に酸やアミンを導入した液
状ゴムに、低分子量のエポキシ樹脂を反応させてエポキ
シ基を導入したものをいう。
ゆる反応性エラストマーまたはゴム変性エポキシ樹脂と
称されるものであって、末端に酸やアミンを導入した液
状ゴムに、低分子量のエポキシ樹脂を反応させてエポキ
シ基を導入したものをいう。
【0025】なお、ゴム骨格エポキシ樹脂としては、通
常、粘度2000〜90000cPs、望ましくは、2
500〜6000cPsのものを使用する。
常、粘度2000〜90000cPs、望ましくは、2
500〜6000cPsのものを使用する。
【0026】ゴム骨格エポキシ樹脂は、塗膜に靱性補強
効果を与えて、鋼板変形に追従するとともに、鋼板/塗
膜熱膨張率差を吸収する作用も担って、鋼板に対する密
着性も担保する。
効果を与えて、鋼板変形に追従するとともに、鋼板/塗
膜熱膨張率差を吸収する作用も担って、鋼板に対する密
着性も担保する。
【0027】液状ゴムとしては、液状NBR(ニトリル
ゴム)、液状CR(クロロプレンゴム)、液状BR(ブ
タジエンゴム)等をあげることができる。
ゴム)、液状CR(クロロプレンゴム)、液状BR(ブ
タジエンゴム)等をあげることができる。
【0028】具体的には、酸末端液状NBRやアミン末
端液状NBRに、低粘度のエポキシ樹脂(ビスフェノー
ルA)を反応させて調製したもの、例えば、「ハイカー
CTBN予備縮合エポキシ樹脂」、「ハイカーATBN
予備縮合エポキシ樹脂」等の商品名で、日本ゼオン株式
会社から上市されているものを好適に使用できる。
端液状NBRに、低粘度のエポキシ樹脂(ビスフェノー
ルA)を反応させて調製したもの、例えば、「ハイカー
CTBN予備縮合エポキシ樹脂」、「ハイカーATBN
予備縮合エポキシ樹脂」等の商品名で、日本ゼオン株式
会社から上市されているものを好適に使用できる。
【0029】(ii)ポリエーテル骨格エポキシ樹脂とは、
ポリエーテル(ポリグリコール)の末端に、エピクロロ
ヒドリン等を反応させてエポキシ基を導入したものを言
う。通常、粘度(25℃):30〜200cPs、エポ
キシ当量:150〜400、のものを使用できる。粘度
(25℃):55〜100cPs、エポキシ当量:30
5〜335で、「DER732」の商品名で、ダウ・ケ
ミカル株式会社から上市されているものを好適に使用で
きる。
ポリエーテル(ポリグリコール)の末端に、エピクロロ
ヒドリン等を反応させてエポキシ基を導入したものを言
う。通常、粘度(25℃):30〜200cPs、エポ
キシ当量:150〜400、のものを使用できる。粘度
(25℃):55〜100cPs、エポキシ当量:30
5〜335で、「DER732」の商品名で、ダウ・ケ
ミカル株式会社から上市されているものを好適に使用で
きる。
【0030】このポリエーテル骨格エポキシ樹脂は、ゴ
ム骨格エポキシ樹脂の靱性補強効果を減殺せずに、塗料
(主剤)粘度を低く調整できる作用を担う。
ム骨格エポキシ樹脂の靱性補強効果を減殺せずに、塗料
(主剤)粘度を低く調整できる作用を担う。
【0031】(3) 反応性希釈剤は、塗料(主剤)の粘度
を低く調整するために加えるものであるが、ポリエーテ
ル骨格エポキシ樹脂で粘度調整ができれば、必然的では
ない。
を低く調整するために加えるものであるが、ポリエーテ
ル骨格エポキシ樹脂で粘度調整ができれば、必然的では
ない。
【0032】通常、塗布態様に応じて、主剤の粘度(2
5℃)が1000〜8万cPsの、塗布後のタレ性を考
慮した場合は、望ましくは、5万〜8万cPsの範囲に
なる様に添加する。そのとき添加量は、硬質タイプ及び
軟質タイプの各粘度により異なるが、エポキシ樹脂10
0部に対して、0〜35部とする。
5℃)が1000〜8万cPsの、塗布後のタレ性を考
慮した場合は、望ましくは、5万〜8万cPsの範囲に
なる様に添加する。そのとき添加量は、硬質タイプ及び
軟質タイプの各粘度により異なるが、エポキシ樹脂10
0部に対して、0〜35部とする。
【0033】反応性希釈材としては、下記一官能性及
び多官能性のものを使用できる。
び多官能性のものを使用できる。
【0034】ブチルグリシジルエーテル、フェニルグ
リシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、
p−tert−ブチルグリシジルフェニルエーテル、3級カ
ルボン酸モノグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル等。
リシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、
p−tert−ブチルグリシジルフェニルエーテル、3級カ
ルボン酸モノグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル等。
【0035】1,4−ブタンジオールジグリシジルエ
−テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ−テ
ル、レゾルシノールジグリシジルエ−テル、シクロヘキ
サンジメタノールジグリシジルエ−テル、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエ−テル等。
−テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ−テ
ル、レゾルシノールジグリシジルエ−テル、シクロヘキ
サンジメタノールジグリシジルエ−テル、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエ−テル等。
【0036】(4) 硬化剤としては、エポキシ樹脂に使用
されているものなら特に限定されず、下記アミン系硬化
剤(ポリアミン)、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化
剤 を使用できる。
されているものなら特に限定されず、下記アミン系硬化
剤(ポリアミン)、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化
剤 を使用できる。
【0037】 脂肪族アミン…ジエチレントリアミン、エチレンジア
ミン、 芳香族アミン…ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルフォン、 第三アミン…ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミ
ダゾール 環状酸無水物…メチルテトラヒドロフタル酸無水物、
MTEヘキサヒドロフタル酸無水物、 直鎖状無水物…アジピン酸無水物 熱硬化型…ジシアンジアミド、BF3 アミン錯体、酸
ヒドラジド、 水硬化型…ケチミン、 UV硬化型…ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩 ここで、硬化剤としては、速硬性のものと遅硬性のもの
とを併用することが、、塗料取扱性及び塗布作業性の見
地から望ましい。
ミン、 芳香族アミン…ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルフォン、 第三アミン…ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミ
ダゾール 環状酸無水物…メチルテトラヒドロフタル酸無水物、
MTEヘキサヒドロフタル酸無水物、 直鎖状無水物…アジピン酸無水物 熱硬化型…ジシアンジアミド、BF3 アミン錯体、酸
ヒドラジド、 水硬化型…ケチミン、 UV硬化型…ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩 ここで、硬化剤としては、速硬性のものと遅硬性のもの
とを併用することが、、塗料取扱性及び塗布作業性の見
地から望ましい。
【0038】速硬性のものと遅硬性のものは、上記硬化
剤を適宜組み合わせてもよいが、通常、上記アミン系硬
化剤を変性した、即ち、ポリアミンとジカルボン酸を重
縮合させて得られる蒸気圧を低くしたポリアミドアミン
の内から、速硬性の低分子量ポリアミドアミンと遅硬性
の高分子量ポリアミドアミンとを併用することが柔軟な
塗膜を得易くて望ましい。
剤を適宜組み合わせてもよいが、通常、上記アミン系硬
化剤を変性した、即ち、ポリアミンとジカルボン酸を重
縮合させて得られる蒸気圧を低くしたポリアミドアミン
の内から、速硬性の低分子量ポリアミドアミンと遅硬性
の高分子量ポリアミドアミンとを併用することが柔軟な
塗膜を得易くて望ましい。
【0039】高分子量ポリアミドアミンとしては、粘度
(25℃)30cPs以上で、アミン価が100〜40
0のものを使用でき、具体的には、「トーマイド215
X・225X・235S」(富士化成社商品名)、「パ
ーサミド125」(ヘンケル白水社商品名)等を好適に
使用できる。
(25℃)30cPs以上で、アミン価が100〜40
0のものを使用でき、具体的には、「トーマイド215
X・225X・235S」(富士化成社商品名)、「パ
ーサミド125」(ヘンケル白水社商品名)等を好適に
使用できる。
【0040】また低分子量ポリアミドアミンとしては、
粘度(25℃)30cPs未満で、アミン価が400を
越えるのものを使用でき、具体的には、「ゼミナド25
0・2500」(ヘンケル白水社商品名)等を好適に使
用できる。
粘度(25℃)30cPs未満で、アミン価が400を
越えるのものを使用でき、具体的には、「ゼミナド25
0・2500」(ヘンケル白水社商品名)等を好適に使
用できる。
【0041】硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100部
に対して、通常、20〜80部、望ましくは、40〜6
0部とする。
に対して、通常、20〜80部、望ましくは、40〜6
0部とする。
【0042】C.次に、上記エポキシ樹脂塗料を用いて
本発明の薄肉板補強構造体を製造する方法について説明
をする。
本発明の薄肉板補強構造体を製造する方法について説明
をする。
【0043】(i) 上記要件を満たす主剤と硬化剤を混合
タンクで混合して、該混合タンクからエアスプレー等に
より、吊り下げたバックドア12のアウターパネル(被
塗布体)12a等の補強必要部位(斜線部位)Aに噴霧
塗布する(図1・2参照)。このときの補強性樹脂塗膜
層10の塗膜厚は、要求される補強強度により異なる
が、通常、1〜10mm、より普通には、2〜5mmとす
る。被塗布体には、必要により、脱脂処理等の前処理が
施してある。
タンクで混合して、該混合タンクからエアスプレー等に
より、吊り下げたバックドア12のアウターパネル(被
塗布体)12a等の補強必要部位(斜線部位)Aに噴霧
塗布する(図1・2参照)。このときの補強性樹脂塗膜
層10の塗膜厚は、要求される補強強度により異なる
が、通常、1〜10mm、より普通には、2〜5mmとす
る。被塗布体には、必要により、脱脂処理等の前処理が
施してある。
【0044】なお、本発明を適用可能な補強部位として
は、図3に示す各フロントドア14、リアドア16、ク
ォータパネル18の各補強必要部位(斜線部位)Aに適
用できる。
は、図3に示す各フロントドア14、リアドア16、ク
ォータパネル18の各補強必要部位(斜線部位)Aに適
用できる。
【0045】(ii)続いて、エポキシ樹脂を硬化させる。
硬化条件は、常温硬化タイプの場合は不要であるが、加
熱硬化タイプの場合は、例えば、150〜200℃×3
0〜10分とする。こうして、アウタパネル12aの裏
面に形成された補強性樹脂塗膜層10であるエポキシ樹
脂塗膜は、後述の実施例で支持される如く、剛性・靱性
におけるバランスのとれた補強効果が得られ、いわゆ
る、張り剛性及び耐デント性が向上する。
硬化条件は、常温硬化タイプの場合は不要であるが、加
熱硬化タイプの場合は、例えば、150〜200℃×3
0〜10分とする。こうして、アウタパネル12aの裏
面に形成された補強性樹脂塗膜層10であるエポキシ樹
脂塗膜は、後述の実施例で支持される如く、剛性・靱性
におけるバランスのとれた補強効果が得られ、いわゆ
る、張り剛性及び耐デント性が向上する。
【0046】そして、スプレーで塗布して補強塗膜を形
成した場合は、周縁の塗膜厚が徐変可能なため、薄肉鋼
板に樹脂収縮によるヒケや歪みが発生し難い。
成した場合は、周縁の塗膜厚が徐変可能なため、薄肉鋼
板に樹脂収縮によるヒケや歪みが発生し難い。
【0047】
【発明の作用・効果】本発明の薄肉鋼板補強構造体は、
上記の如く、薄肉鋼板の裏面にエポキシ樹脂系塗料によ
る補強性樹脂塗膜層が形成されていることにより、下記
のような作用・効果を奏する。
上記の如く、薄肉鋼板の裏面にエポキシ樹脂系塗料によ
る補強性樹脂塗膜層が形成されていることにより、下記
のような作用・効果を奏する。
【0048】エポキシ樹脂は、主剤の分子量、骨格構
造、及び、硬化剤の種類を選択することにより、必要な
強度(剛性・靱性のバランスが取れた)を有する補強性
樹脂塗膜層を、密着性良好に薄肉鋼板の所要部位に形成
できるため、従来のガラスマットプリプレグによる補強
の場合の、下記のような問題点が解決できる。
造、及び、硬化剤の種類を選択することにより、必要な
強度(剛性・靱性のバランスが取れた)を有する補強性
樹脂塗膜層を、密着性良好に薄肉鋼板の所要部位に形成
できるため、従来のガラスマットプリプレグによる補強
の場合の、下記のような問題点が解決できる。
【0049】補強構造体の施工は、自動化が困難で、
施工工数が嵩む。
施工工数が嵩む。
【0050】ガラス繊維マットが剛直なため、昨今の
ドアアウタパネルのような湾曲面を有する場合、該湾曲
面に対するプリプレグを十分に追従させることが困難
で、施工工数が嵩むとともに、靱性における補強効果に
おいて問題が発生し易い。
ドアアウタパネルのような湾曲面を有する場合、該湾曲
面に対するプリプレグを十分に追従させることが困難
で、施工工数が嵩むとともに、靱性における補強効果に
おいて問題が発生し易い。
【0051】施工部位の形状に合わせてプリプレグシ
ートをトリミングする必要があり、施工工数費が嵩むと
ともに、トリミングによる材料ロスが発生する。
ートをトリミングする必要があり、施工工数費が嵩むと
ともに、トリミングによる材料ロスが発生する。
【0052】従って、本発明の薄肉鋼板補強構造体は、
施工工数及び材料ロスが削減できるとともに、補強効果
も有する。
施工工数及び材料ロスが削減できるとともに、補強効果
も有する。
【0053】特に、補強性樹脂塗膜層をスプレー塗布に
より形成した場合は、周縁の塗膜厚が徐変可能なため、
薄肉鋼板に樹脂収縮によるヒケや歪みが発生し難い。
より形成した場合は、周縁の塗膜厚が徐変可能なため、
薄肉鋼板に樹脂収縮によるヒケや歪みが発生し難い。
【0054】また、エポキシ樹脂系塗料のベース樹脂
が、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と、液状の軟質タイ
プエポキシ樹脂とを必須成分とする場合は、更には、該
軟質タイプエポキシ樹脂として、ゴム骨格エポキシ樹脂
を含有するものを使用した場合は、剛性・靱性のバラン
スのとれた補強効果を得ることができる。
が、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と、液状の軟質タイ
プエポキシ樹脂とを必須成分とする場合は、更には、該
軟質タイプエポキシ樹脂として、ゴム骨格エポキシ樹脂
を含有するものを使用した場合は、剛性・靱性のバラン
スのとれた補強効果を得ることができる。
【0055】さらに、エポキシ樹脂系塗料中に、補強性
充填剤を添加した場合は、補強度が更に向上する。その
場合、補強性充填剤が、シリカ等のチキソトロピック性
を付与できるものの場合、塗布作業性(塗布直後の耐タ
レ性)を向上させることができる。
充填剤を添加した場合は、補強度が更に向上する。その
場合、補強性充填剤が、シリカ等のチキソトロピック性
を付与できるものの場合、塗布作業性(塗布直後の耐タ
レ性)を向上させることができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例及び比較例について説明をする。
実施例及び比較例について説明をする。
【0057】(i) 試験片の調製: 表1に示す処方の各エポキシ樹脂塗料を使用して、水平
においた薄板のSPCC鋼板(150mm長×25mm幅×
0.8mm厚さ)20の周囲に堰を設け、厚さ2mmの厚さ
でスプレー塗布した。そして、塗布して1時間経過後、
表示の条件で加熱硬化させて、補強性樹脂塗膜層10を
形成した。
においた薄板のSPCC鋼板(150mm長×25mm幅×
0.8mm厚さ)20の周囲に堰を設け、厚さ2mmの厚さ
でスプレー塗布した。そして、塗布して1時間経過後、
表示の条件で加熱硬化させて、補強性樹脂塗膜層10を
形成した。
【0058】なお、同様な大きさの吊り下げた鋼板につ
いても、約2mmになるようにスプレー塗布して、塗膜の
タレ性についても観察した。
いても、約2mmになるようにスプレー塗布して、塗膜の
タレ性についても観察した。
【0059】(ii)圧縮試験: 上記で得た各試験片を、図4に示すように、スパン間1
00mmの支点F、F間に、鋼板20を上にしてセット
し、圧縮速度500mm/min で荷重をかけた。そして、
各試験片の上降伏荷重及びそのときの変形量を測定し
た。
00mmの支点F、F間に、鋼板20を上にしてセット
し、圧縮速度500mm/min で荷重をかけた。そして、
各試験片の上降伏荷重及びそのときの変形量を測定し
た。
【0060】また、市販のガラス繊維エポキシ樹脂プリ
プレグ(3mmt)で補強したもの(従来例)、または、
補強レスの前述のSPCC鋼板(ブランク)についても
同様の試験を行った。
プレグ(3mmt)で補強したもの(従来例)、または、
補強レスの前述のSPCC鋼板(ブランク)についても
同様の試験を行った。
【0061】(iii) 試験結果及び評価: 試験結果を表1に示す。なお、従来例は、上降伏荷重:
11kg、変形量:4mm、ブランクは、上降伏荷重:3.
5kg、変形量:4mmであった。表1から、各実施例は、
少なくとも、従来のプリプレグ並みの補強効果を有する
ことが分かる。
11kg、変形量:4mm、ブランクは、上降伏荷重:3.
5kg、変形量:4mmであった。表1から、各実施例は、
少なくとも、従来のプリプレグ並みの補強効果を有する
ことが分かる。
【0062】また、軟質エポキシ樹脂のみの比較例で
は、ほとんど補強効果がないことが分かる。
は、ほとんど補強効果がないことが分かる。
【0063】更に、硬質エポキシ樹脂のみの場合に比し
て、軟質エポキシ樹脂併用の場合は、剛性・靱性にバラ
ンスのとれた補強効果が得られ、更に、補強性充填剤を
含有する場合は、補強効果(破壊強度)が増大している
ことが分かる。
て、軟質エポキシ樹脂併用の場合は、剛性・靱性にバラ
ンスのとれた補強効果が得られ、更に、補強性充填剤を
含有する場合は、補強効果(破壊強度)が増大している
ことが分かる。
【0064】また、シリカを配合した実施例3〜5は、
いずれも、塗膜タレがないことが分かる。
いずれも、塗膜タレがないことが分かる。
【0065】
【表1】
【図1】本発明を適用するバックドアのアウタパネルの
正面図
正面図
【図2】図1の2−2線部位断面図
【図3】本発明を適用する部位を示す車体板金の分離正
面図
面図
【図4】実施例における圧縮荷重試験の方法を示す説明
図
図
10 補強性樹脂塗膜層 12 バックドア 12a アウタパネル(被塗布体) A 補強性必要部位
フロントページの続き (72)発明者 辻 泰典 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 杉浦 賢司 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 河口 明世 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−265330(JP,A) 特公 昭58−24191(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08
Claims (4)
- 【請求項1】 薄肉鋼板の裏面に補強性樹脂塗膜層が形
成されている薄肉鋼板補強構造体であって、 前記補強性樹脂塗膜層が、エポキシ樹脂系塗料で形成さ
れており、かつ、前記エポキシ樹脂系塗料のベース樹脂
が、液状の硬質タイプエポキシ樹脂と、液状の軟質タイ
プエポキシ樹脂とを必須成分とすることを特徴とする薄
肉鋼板補強構造体。 - 【請求項2】 前記軟質タイプエポキシ樹脂として、ゴ
ム骨格エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項
1記載の薄肉鋼板補強構造体。 - 【請求項3】 前記エポキシ樹脂系塗料に、更に、補強
剤兼チキソトロピック付与剤としてシリカが添加されて
なることを特徴とする請求項1記載の薄肉鋼板補強構造
体。 - 【請求項4】 前記補強性樹脂塗膜層がスプレー塗布に
より形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の薄肉鋼板補強構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32881696A JP3234940B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 薄肉鋼板補強構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32881696A JP3234940B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 薄肉鋼板補強構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10166503A JPH10166503A (ja) | 1998-06-23 |
JP3234940B2 true JP3234940B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=18214422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32881696A Expired - Fee Related JP3234940B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 薄肉鋼板補強構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234940B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010037848A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Inax Corp | タイルパネル |
JP2010043501A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Inax Corp | タイル用目地材 |
WO2013188302A1 (en) * | 2012-06-13 | 2013-12-19 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Thermoplastic melt-mixed composition with amino acid heat stabilizer |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP32881696A patent/JP3234940B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10166503A (ja) | 1998-06-23 |
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