JP3234711B2 - 酸化物の融液保持方法および酸化物結晶の作製方法 - Google Patents

酸化物の融液保持方法および酸化物結晶の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物の融液保持およ
び結晶成長に関し、特に、イットリウム系またはランタ
ノイド系元素系酸化物超電導体の融液保持および結晶の
作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Y系酸化物超電導体(YBa2 Cu3
7-X 、以下Y123と示す)は、臨界温度90Kを有す
る高温超電導材料として注目されている。その超電導電
子デバイスの作製には、大型単結晶基板の作製技術の確
立が望まれる。しかしながら、Y123が包晶凝固反応
であること、フラックスとなるBaO−CuO系融液の
反応性が高くるつぼ内での保持が困難であること等の理
由により、Y123の大型単結晶を得ることはかなり困
難である。
【0003】一般に、包晶凝固反応による結晶の作製に
はフラックス法が適している。そのため、従来より、Y
123結晶の作製においてもアルミナや白金のるつぼを
用い、BaO−CuO系融液をフラックスとしてフラッ
クス法による結晶成長が主として試みられてきた。しか
し、フラックス法では、融液中の結晶核の生成を制御す
ることができず、多数の結晶核が生じるため、大きな結
晶を安定して作製することはかなり困難である。前述の
ように、BaO−CuO系融液の反応性が高く、るつぼ
内での保持が困難であることも大きな問題である(参考
文献:J.Crystal Growth,114,1991,p269,K.Watanabe;お
よびJ.Crystal Growth,121,1992,p531,S.Elizabeth et.
al)。
【0004】一方、Si、GaAs等の半導体の大型単
結晶の作製に用いられている引き上げ法は、融液中から
大型単結晶を制御性よく作製するのに適した方法であ
る。しかし、引き上げ法のY123製造への応用は、前
述の包晶凝固の問題、融液の反応性の問題から困難であ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Y123単結晶を引き
上げ法で成長させる場合、BaO−CuO系融液のるつ
ぼ内での保持が第1に問題となる。融液を収容するため
のるつぼをどのような材料で形成するかは、最も大きな
課題の1つである。白金等の貴金属のるつぼでは、融液
との反応性が高く、るつぼに穴があき使用できない。ほ
とんどの耐火セラミックスでは、融液がしみ出したり、
るつぼをはい上がってあふれ出したりして融液が著しく
減少してしまう。
【0006】一方、MgO(マグネシア)単結晶およ
び、十分緻密でかさ密度の高いMgO焼結体で作製され
たるつぼは、BaO−CuO系融液を保持することが可
能である。MgOからなるるつぼでは、穴があいたり、
融液がしみ出したり、あるいはあふれ出したりすること
がなく、融液を安定して保持できる。しかし、この場
合、長期間融液を保持するに従って、Mgが融液中に混
入していき、作製する結晶の特性を低下させてしまうと
いう問題がある。
【0007】山田らは、イットリアるつぼを用い、かつ
2 BaCuO5 相を溶質の供給源として融液と共存さ
せることにより、引き上げ法でY123の単結晶を連続
的に成長することに成功している(参考文献:1993
年第54回応用物理学会学術講演会、29P-ZK-7、山田
他;およびPysica C in print, Y.Yamada, Y.Shiohar
a)。Y23 (イットリア)焼結体からなるるつぼを
使用すれば、不純物の混入を避けることができる。しか
しながら、イットリアるつぼには、融液がそこからあふ
れ出してしまうという問題がある。図6に、Y23
つぼ61を使用することによる融液63のあふれ出し状
態を模式的に示す。図6のような状態になるため、長期
間安定して結晶成長を続けることは不可能となる。山田
および塩原による応用物理、第62巻、第5号(199
3)p459〜462は、イットリアるつぼについて、
BaO−CuO系の融液は濡れ性と反応性が非常に高い
のでるつぼ内の融液が壁をはい上がって外に流れ出して
しまい、液面の低下が生じることを記載している。また
同文献は、育成状態を一定に保ち、長時間育成を実現す
るためには、融液の保持方法が重要な課題であることを
示している。
【0008】融液の安定的保持と不純物の混入防止を同
時に満足するるつぼは、これまでに知られていない。そ
のため、良質な大型結晶の作製も困難であった。
【0009】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたものであり、本発明の目的は、不純物の汚染
なく酸化物原料融液を安定に保持することと、それによ
り良質で大型のイットリウム系またはランタノイド系酸
化物結晶を作製することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従う酸化物の融
液保持方法は、R(Rはイットリウムまたはランタノイ
ド系元素)、バリウム(Ba)、銅(Cu)および酸素
(O)からなる酸化物系の融液を所定の温度において保
持する方法であって、第1の材料からなる第1のるつぼ
部分に酸化物系の融液を収容し、上記第1のるつぼ部分
を、少なくとも融液を収容する間、第2の材料からなる
第2のるつぼ部分内に保持する。この方法において、第
1の材料は、上記R、バリウムおよび銅からなる群から
選択される1つまたは2つ以上の元素の酸化物であっ
て、上記所定の温度よりも10℃以上高い融点を有し、
室温から上記所定の温度よりも10℃高い温度までの温
度範囲において構造相転移を起こさず、かつ、室温から
上記所定の温度よりも10℃高い温度までの温度範囲に
おいて融液中への溶解度が10atm%(またはモル
%)以下、好ましくは5atm%(またはモル%)以下
である材料からなる。また第2の材料は、酸化物系の融
液に対して融解および化学反応を実質的に起こさず、第
1の材料よりも安定して融液を保持できる材料からな
る。この第2のるつぼ部分により、融液の移動が抑制さ
れる。
【0011】また、上記融液保持方法を用いて、酸化物
結晶の作製方法が提供される。この方法は、R(Rはイ
ットリウムまたはランタノイド系元素)、バリウム、銅
および酸素からなる酸化物系の融液から、RBa2 Cu
37-X (0≦X≦1)の構造を有する酸化物結晶を作
製する方法であって、第1の材料からなる第1のるつぼ
部分に酸化物系の融液を収容し、第1のるつぼ部分を、
少なくとも融液を収容する間、第2の材料からなる第2
のるつぼ部分内に保持し、第2のるつぼ部分により融液
の移動を抑制しながら、第1のるつぼ部分に収容される
融液に引き上げ軸の先端に設けられた種結晶を接触させ
た後、回転する引き上げ軸により融液から酸化物結晶を
引き上げていくことを特徴とする。この方法において、
第1の材料は、上述したとおり、R、バリウムおよび銅
からなる群から選択される1つまたは2つ以上の元素の
酸化物であって、上記所定の温度よりも10℃以上高い
融点を有し、室温から上記所定の温度よりも10℃高い
温度までの温度範囲において構造相転移を起こさず、か
つ室温から前記所定の温度よりも10℃高い温度までの
温度範囲において上記融液中への溶解度が10atm%
(またはモル%)以下、好ましくは5atm%(または
モル%)以下である材料からなる。また第2の材料は、
酸化物系の融液に対して融解および化学反応を実質的に
起こさず、第1の材料よりも安定して融液を保持できる
材料よりなる。この方法は、酸化物超電導体結晶の作製
に適用することができる。
【0012】本発明の重要な特徴は、融液を直接保持す
る第1のるつぼ部分を、第2のるつぼ部分内に保持した
ことである。図1に示すように、たとえば、これらのる
つぼを二重るつぼの構造とすることができる。第1のる
つぼ部分である内るつぼ1は、第2のるつぼ部分である
外るつぼ2内に収容される。これらのるつぼは、別体と
してそれぞれ設けることができ、図に示すように配置さ
れる。外るつぼ2は内るつぼ1の周囲を囲むように設け
られている。この場合、2つのるつぼの間には隙間3が
設けられている。この間隔は、内るつぼが外るつぼに束
縛されず、ある程度膨張できるように設けられる。たと
えば、内るつぼの外側面1aと外るつぼの内側面2aと
の間隔は、1mm〜10mm、より好ましくは2mm〜
5mmとすることができる。2つのるつぼの熱膨張係数
がかなり異なる場合、間隔が1mm以下となると、内る
つぼの膨張等により外るつぼが割れてしまうおそれがあ
る。一方、その間隔が10mm以上となると、内るつぼ
から流出する融液の量が多くなり、内るつぼに収容され
る融液の液面が低下しすぎるという問題が生じるように
なる。
【0013】一方、2つのるつぼ部分間にこのような隙
間を設けることなくるつぼを構成してもよい。たとえ
ば、図2に示すように、第1のるつぼ部分11の外側に
第2のるつぼ部分12が密着していてもよい。また、こ
れらの部分は一体的に形成することができる。このよう
な構成の場合、第2の部分は、第1の部分に近い熱膨張
係数を有していることが望ましい。そのため、たとえ
ば、第2の部分を、その組成が内側から外側に(外側か
ら内側に)向かって徐々に変化する複合材料で形成する
こともできる。この場合、第2の部分において、第1の
部分に近いほど、第1の部分に近い組成を有する構成と
することができる。
【0014】本発明において、第1のるつぼ部分は、た
とえば、元素Rを含む酸化物焼結体、より具体的には、
酸化イットリウム(Y23 )、酸化サマリウム(Sm
2 3 )またはPrBaO3 等から好ましく形成するこ
とができる。
【0015】ここで、第1のるつぼ部分を形成する第1
の材料の選択方法を、Y、Ba、Cuからなり、そのモ
ル比が1:60:100である酸化物の融液を1020
℃で保持する場合を例にとって説明する。まず、内るつ
ぼから融液中への不純物の混入を防止するため、酸化物
を構成する元素のうち1つまたは2つ以上の元素の酸化
物を選択する。すなわち、Y、Ba、Cuの3種の元素
のうち、1種、2種または3種の元素の組合わせからな
る酸化物を選択する。そのような酸化物には、たとえ
ば、Y23 、BaO、CuO、BaCuO2 、Ba2
CuO3 、Y2 Cu25 、Y2 BaCuO5 等があ
る。一方、内るつぼを構成する物質は、少なくとも融液
保持温度まで安定してるつぼとしての形状を保っている
必要がある。そのため、第1の材料は、融点が少なくと
も融液保持温度よりも10℃以上高く、かつ室温から融
液保持温度よりも10℃高い温度までの温度領域におい
て構造相転移を起こさない物質を選択しなければならな
い。融液保持温度が1020℃である場合、第1の材料
は、融点が1030℃以上であり、室温から1030℃
の間で構造相転移を起こさない物質でなければならな
い。上記の物質の中で、BaCuO2 、Ba2 CuO3
の融点は、それぞれ約1016℃、約920℃であるた
め、これらの物質を第1の材料として使用することはで
きない。そして、第1の材料が、融液に溶解してしまわ
ないことも、必要条件となる。そのため、第1の材料
は、室温から融液保持温度よりも10℃高い温度までの
温度領域において、融液中への溶解度が10%以下、好
ましくは5%以下であることが必要となる。すなわち、
融液に溶解する第1の材料の成分の濃度が、10atm
%以下、好ましくは5atm%以下に抑えられることが
必要である。融液におけるY、Ba、Cuのモル比が
1:60:100の場合、この組成の融液に対して、B
aO、CuO、Y2 Cu25 の各物質は溶解度が高
い。そのため、これらの物質からなるるつぼに融液を保
持しようとしても、融液へのるつぼ材の溶解が進行し、
融液の組成が時間とともに大きく変化し、さらにはるつ
ぼそのものが破壊されてしまう。したがって、この例に
おける組成の酸化物を1020℃で保持しようとすれ
ば、使用できる第1の材料は、Y23 またはY2 Ba
CuO5 である。原理的には、どちらの酸化物でもるつ
ぼとしての使用が可能であるが、この両者の比較では、
原料が容易に得られやすいこと、るつぼとしての成形が
しやすいこと等から、Y23 がより有利である。他の
組成の融液に対しても、上述したと同様の選択方法が適
用される。
【0016】また、本発明の酸化物結晶の作製方法にお
いて、第1の材料の選択方法もほぼ同様にして行なうこ
とができる。たとえば、YBa2 Cu37-X の構造を
有する結晶を作製する場合、この物質の包晶温度は約1
010℃であり、フラックスとしてBaOおよびCuO
を用い、Y、Ba、Cuのモル比が約1:60:100
の融液を結晶成長のため用いることができる。したがっ
て、上述の融液保持方法と同様に、第1の材料として、
23 またはY2 BaCuO5 が選択される。
【0017】一方、本発明において、第2のるつぼ部分
を形成する第2の材料は、融液に対して融解および化学
反応を実質的に起こさない材料から形成される。第2の
るつぼ部分は、融液を保持する間、融解または化学反応
によって、第2のるつぼ部分の固体形状が変化せず、そ
のまま保持されている。また、上述した従来のるつぼの
ように化学反応によって融液が第2のるつぼ部分の内壁
をはい上がることもない。以上述べてきたことより、本
発明において、「融解および化学反応を実質的に起こさ
ない」とは、第2のるつぼ部分の固体形状が保持され、
かつ融液のはい上がりが起こらない範囲で、融解および
化学反応が起こらないことを意味する。第2の材料にお
いて、第2のるつぼ部分の固体形状が保持され、融液の
はい上がりが認められない限り、わずかな融解または化
学反応は許容される。
【0018】第2の材料は、融液に溶解しないものであ
ることが好ましいが、わずかにしか溶解しないものも、
本発明において用いることができる。融液中に溶解する
第2の材料成分の濃度は、1atm%以下が好ましく、
0.5atm%以下がより好ましい。したがって、融液
に対する第2の材料の溶解度は、1%以下が好ましく、
0.5%以下がより好ましい。さらに、第2のるつぼ
は、融液をその中へ浸透させない材料から形成すること
が望ましいが、融液の保持に影響を与えない範囲におい
て、わずかな浸透が生じてもよい。なお、本発明におい
て「融解」は、固体状態の物質が液体状態に相転移する
ことを指し、「溶解」は、液体に気体、液体、または固
体が混合して均一な液相を形成する現象を指す。
【0019】以上の見地から、第2の材料として、酸化
マグネシウム(MgO)が好ましく用いられる。そして
第2のるつぼ部分は、酸化マグネシウムの単結晶または
焼結体から好ましく形成される。融液の浸透を防止する
点からは、MgO単結晶が好ましいが、容易に入手し得
る点においてMgO焼結体がより望ましい。製造条件に
よっては焼結体は多孔質になりやすく、あまりポーラス
なものは融液を顕著に浸透させるため好ましくない。こ
の点から、MgO焼結体を用いる場合、そのかさ密度は
95%以上であることが好ましい。かさ密度が95%以
上のMgO焼結体は、融液の浸透を抑制する上で第2の
るつぼ部分により適しており、本発明の目的をより効果
的に達成する。
【0020】本発明において第1の材料としてY23
を用いた場合、Y23 は、たとえばY、Ba、Cuお
よびOからなる融液と化学反応を起こし、融液は内壁を
はい上がっていく。しかし、第2の材料、たとえばMg
Oは、融液と実質的に反応せず、融液を第1の材料より
もより安定に保持することができる。第2の材料からな
るるつぼ部分により、融液の移動、たとえば第1のるつ
ぼ部分からのあふれ出しによる融液面の低下は抑制され
る。第2のるつぼ部分により、第1のるつぼ部分に収容
される融液の液面は、より安定に保持される。第2のる
つぼ部分は、第1のるつぼ部分よりも液面をより安定さ
せて融液を保持できる材料からなるが、たとえば第2の
るつぼ部分は、100時間以上、好ましくは200時間
以上、より好ましくは250時間以上、固体形状を変化
させず、融液の液面を安定に保持できる材料から形成さ
れる。これらの時間の間、たとえば液面の高低変化は2
mm以下、より好ましくは1mm以下に抑えられる。
【0021】本発明に従う融液の保持方法および酸化物
結晶の作製方法において、融液の組成、第1の材料およ
び第2の材料の組合わせは、たとえば次のとおりとする
ことができる。酸化物系の融液が、イットリウム
(Y)、バリウム(Ba)、銅(Cu)および酸素
(O)からなる場合、第1の材料を酸化イットリウム
(Y23)の焼結体、第2の材料を酸化マグネシウム
(MgO)の焼結体とすることができる。この場合、Y
Ba2 Cu37-X (0≦X≦1)の構造を有する酸化
物結晶を引き上げ法により作製することができる。融液
がサマリウム(Sm)、Ba、CuおよびOからなる場
合、第1の材料を酸化サマリウム(Sm23 )の焼結
体、第2の材料をMgO焼結体とすることができる。こ
の場合、SmBa2 Cu37-X (0≦X≦1)の構造
を有する酸化物結晶を引き上げることができる。融液が
プラセオジム(Pr)、Ba、CuおよびOからなる場
合、第1の材料をPrBaO3 焼結体、第2の材料をM
gO焼結体とすることができる。この場合、PrBa2
Cu37-X (0≦X≦1)の構造を有する酸化物結晶
を引き上げることができる。このようにして、本発明に
従い、酸化物超電導体の結晶を作製することができる。
【0022】本発明において、原料の加熱融解、融液の
保持および酸化物結晶の作製を、銀、銀合金および銀化
合物からなる群から選択される材料の蒸気を含む雰囲気
下で行なうことができる。後に示すように、これらの材
料の蒸気、特に銀の蒸気は、融液の液面の移動(下降)
およびるつぼ成分の融液中への溶解を抑制するように作
用する。これらの材料を供給するため、上述したような
第1のるつぼ部分(内るつぼ)と第2のるつぼ部分(外
るつぼ)の間に、銀、銀合金、銀化合物からなる群から
選択される材料を収容することができる。
【0023】また、本発明において第1のるつぼ部分を
保持した第2のるつぼ部分は、酸化マグネシウムの焼結
体または単結晶からなる部材、たとえば支持柱を介して
支持されることが望ましい。これは、第2のるつぼから
の融液の浸透がわずかに起こった場合、融液と反応しな
い材料によってるつぼを支持することが融液を安定に保
持する上で望ましいからである。第2のるつぼ部分は、
このような支持部材のみに接触していることが望まし
い。
【0024】なお、本発明において、イットリウム系ま
たはランタノイド系元素系酸化物超電導体の結晶を作製
する場合、フラックスとしてBaO−CuO融液を用
い、これに、たとえばY2 BaCuO5 、Sm2 BaC
uO5 、またはPrBaO3 をそれぞれ溶解させ、原料
引き上げのための原料融液を調製することができる。
【0025】
【作用】本発明において、融液は、第1の材料からなる
第1のるつぼ部分に収容される。第1の材料は、次の性
質を有するため、融液に不純物の汚染をもたらさず、ま
た融液を保持する間、るつぼとしての形状を安定に保持
している。
【0026】(1) R、バリウムおよび銅からなる群
から選択される1つまたは2つ以上の元素の酸化物から
なる。
【0027】(2) 融液を保持する温度よりも10℃
以上高い融点を有する。 (3) 室温から融液を保持する温度よりも10℃高い
温度までの温度範囲において構造相転移を起こさない。
【0028】(4) 室温から融液を保持する温度より
も10℃高い温度までの温度範囲において、融液中への
溶解度が10%以下、好ましくは5%以下である。
【0029】一方、これらの性質を備える第1のるつぼ
部分において、融液がその内壁をはい上がり、外にあふ
れ出すことがある。これにより、融液面は低下していく
が、以下により具体的に示すように、この現象は第2の
るつぼ部分によって顕著に抑制することができる。第2
のるつぼ部分に、融液に対して融解および化学反応を実
質的に起こさず、第1の材料よりも安定して(たとえば
融液面を安定して)融液を保持できる材料、特にMg
O、を用いれば融液の移動を効果的に抑制することがで
きる。その作用機構は明らかではないが、第1のるつぼ
部分に収容される原料が、融解または半融解状態であふ
れ出し、第2のるつぼ部分にさしかかると、融液の移動
はそこで抑制され、凝固していく。これにより、融液の
移動は抑制されていき、第1のるつぼ部分内の融液が一
定量減少した後は、その中の融液量は一定に保たれ、融
液面も一定の高さに保たれる。また、第2のるつぼ部分
は、第1のるつぼ部分の外側に設けられ、融液が接触す
ることはあってもごくわずかである。したがって、第2
のるつぼ部分からの不純物が融液に混入することはほと
んどなく、あったとしてもごく微量である。これによ
り、不純物の汚染のない状態で、融液は安定に保持され
る。そして、そのような融液から良好な特性、特に結晶
性を有する酸化物結晶を引き上げ法により安定して作製
することができる。
【0030】
【実施例】本発明の融液保持方法について図面を参照し
ながら以下に説明する。
【0031】図3に、本発明に従う融液保持方法を実施
するための装置について一具体例を示す。装置におい
て、中央には第1のるつぼ部分としての内るつぼ21が
設けられ、内るつぼ21は第2のるつぼ部分としての外
るつぼ22内に保持される。内るつぼ21と外るつぼ2
2との間には、Agの融液24が保持されている。ま
た、外るつぼ22は、MgO単結晶からなる支持柱25
によって支持されている。支持柱25は、Al23
26上におかれ、該皿26は、断熱材からなる支持台2
8上におかれている。また、Al23 皿26上には、
Agの融液27がさらに収容される。外るつぼ22の周
りには電気ヒータ29が設けられ、これにより融液が所
定の温度に保持されるようになっている。これらの装置
は断熱材20によって囲まれている。このような装置に
おいて、原料が内るつぼ21内に収容され、融液23と
して保持される。
【0032】実施例1 以上に示した装置において、Y、Ba、Cuのモル比が
約1:60:100の融液を次のようにして保持した。
まず、Y、BaおよびCuのモル比が1:60:100
となるように酸化イットリウム、炭酸バリウムおよび酸
化銅を混合し、880℃で40時間仮焼結した。次い
で、焼結物を内径50mm、外径60mm、深さ45m
mのY23 焼結体からなる内るつぼに入れ、次に内る
つぼを内径65mm、外径75mm、深さ45mmのM
gO焼結体からなる外るつぼに入れた。内るつぼと外る
つぼの間には少量のAgを充填した。そして、Al2
3 皿にMgO単結晶製の支持柱を立て、Agを入れて支
持柱の上に外るつぼをのせた。
【0033】これらを炉内にセットし、ヒータにより約
1020℃に加熱し、内るつぼ中の原料を融解した。こ
のとき、Agは十分に溶融し、るつぼ周辺はAg蒸気雰
囲気となっていた。
【0034】この状態で保持していると、融液は内るつ
ぼと徐々に反応し、るつぼ内壁をはい上がり、その外側
へあふれ出す。この反応により、内るつぼからYが融液
に溶けだしていくが、Yは融液の構成元素であり、汚染
の原因とはならない。
【0035】参考として、表1に、Y23 焼結体から
なるるつぼの融液から採取した試料中のMg濃度と、他
の材料からなるるつぼに保持された融液から採取した試
料中のMg濃度を比較して示す。試料を採取した融液の
表面温度はいずれも約1000℃であった。表1から、
本発明に基づく二重るつぼの実施例では、外るつぼから
の汚染はなく、Mgによる融液の汚染がY23 焼結体
るつぼのみを用いた場合とほぼ同等のレベルに抑えられ
ていることが明らかである。
【0036】
【表1】
【0037】内るつぼからあふれ出した融液は、MgO
焼結体からなる外るつぼと接触するが、MgOは融液と
ほとんど反応しないため、外るつぼからは融液はあふれ
出すことなく保持される。この結果、内るつぼ内の融液
は、融解後の数時間から数十時間の間は、ゆっくりと減
少し、液面は初期の高さから数mm低下するが、その後
は安定した状態を維持することができる。外るつぼと内
るつぼの二重構造は、この組成の融液保持について優れ
た性能を有しているといえる。
【0038】図4に、上述した二重るつぼ、Y23
結体るつぼ単体、MgO焼結体るつぼ単体、およびMg
O単結晶るつぼ単体をそれぞれ用いて、Ag雰囲気下に
おいて融液を保持した場合の融液面の低下量について経
時的変化を示す。併わせて、Agなしの状態でY23
焼結体るつぼのみを用いて融液を保持した場合の、液面
の低下量について経時的変化を示す。いずれの場合も、
るつぼの内径は約50mm、融液の表面温度は約100
0℃であった。図2より以下のことが明らかである。A
gなしの状態でY23 焼結体るつぼ単体に融液を保持
した場合(●で示す)、最も急速に液面が下降する。Y
23 焼結体るつぼ単体をAg雰囲気下で使用すること
により(□で示す)、融液保持状態は改善されるが十分
とはいえない。さらにMgO焼結体るつぼ単体あるいは
MgO単結晶るつぼ単体をAg雰囲気下で使用すると
(○、黒四角でそれぞれ示す)、液面の下降をほぼ抑制
することが可能となる。一方、本発明に基づくY23
焼結体内るつぼとMgO焼結体外るつぼの組合わせ(黒
三角)では、初期の急激な減少分を除くと、MgO焼結
体るつぼ単体とほぼ同等の融液保持能力を有しているこ
とがわかる。
【0039】上述したように、MgOるつぼを使用した
場合は、Mgが融液中に不純物として混入するため好ま
しくない(表1参照)。したがって、融液の安定的な保
持、融液中への不純物の混入防止という点から、二重る
つぼが最も優れているといえる。
【0040】実施例2 Sm、Ba、CuおよびOからなる酸化物の融液保持方
法を以下に具体的に説明する。図3と同様の構成を有す
る装置において、Sm、Ba、Cuのモル比が約1:2
4:40である酸化物融液を保持した。まず、Sm、B
aおよびCuのモル比が1:24:40となるように酸
化サマリウム、炭酸バリウムおよび酸化銅を混合し、8
80℃で40時間仮焼結した。得られた材料を内径50
mm、外径60mm、深さ45mmのSm23 焼結体
からなる内るつぼに入れた。次に、内るつぼを内径65
mm、外径75mm、深さ45mmのMgO焼結体から
なる外るつぼに入れ、内るつぼと外るつぼの間に少量の
Agを充填した。Al2 3 皿にMgO単結晶製のるつ
ぼ支持柱を立て、さらにAgを入れて、支持柱の上に外
るつぼをのせた。これらを炉内にセットし、ヒータによ
り約1050℃に加熱し、内るつぼ中の原料を融解し
た。このとき、Agは十分に溶融し、るつぼ周辺はAg
蒸気雰囲気となっていた。
【0041】この状態で保持していると、融液は内るつ
ぼと徐々に反応し、るつぼ内壁をはい上がり、外側へと
あふれ出すが、その後液面の低下は見られなくなり、安
定した状態で約120時間融液を保持することができ
た。また、融液表面から採取した試料中のMg濃度を分
析した結果、Mgは検出限界レベルであり、MgO外る
つぼからの不純物混入はほぼ完全に抑制できていること
が明らかとなった。以上の結果から、Sm23 焼結体
からなる内るつぼとMgO焼結体からなる外るつぼの組
合わせが、融液の安定保持および不純物混入防止という
点から優れた性能を有していることが明らかとなった。
【0042】実施例3 Pr、Ba、Cuからなる酸化物の融液保持方法につい
て以下に具体例を説明する。図3と同様の構成を有する
装置において、Pr、Ba、Cuのモル比が約1:4
0:120である酸化物融液を保持した。まず、Pr、
BaおよびCuのモル比が1:40:120となるよう
に酸化プラセオジム、炭酸バリウムおよび酸化銅を混合
し、880℃で40時間仮焼結した。得られた材料を内
径50mm、外径60mm、深さ45mmのPrBaO
3 焼結体からなる内るつぼに入れ、次に内るつぼを内径
65mm、外径75mm、深さ45mmのMgO焼結体
からなる外るつぼに入れた。内るつぼと外るつぼの間に
少量のAgを充填した。Al 23 皿にMgO単結晶か
らなる支持柱を立て、さらにAgを入れて支持柱上に外
るつぼをのせた。内るつぼにPr23 ではなくPrB
aO3 を用いたのは、Pr23 では室温から1000
℃の間で酸素含有量が大きく変化するため体積変化が生
じ、るつぼ形状が破壊されてしまうからである。PrB
aO3 ではそのような構造変化は起こらない。これらを
炉内にセットし、ヒータにより約970℃に加熱し、内
るつぼ中の原料を融解した。このとき、Agは十分に溶
融し、るつぼ周辺はAg蒸気雰囲気となっていた。
【0043】この状態で保持していると、融液は内るつ
ぼと徐々に反応し、その内壁をはい上がり外側へとあふ
れ出すが、その後液面低下は見られなくなり、安定した
状態で約70時間融液を保持することができた。また、
融液表面から採取した試料中のMg濃度を分析した結
果、Mgは検出限界レベルであり、MgO外るつぼから
の不純物混入はほぼ完全に抑制できていることが明らか
となった。以上の結果から、PrBaO3 焼結体からな
る内るつぼとMgO焼結体からなる外るつぼの組合わせ
が、融液の安定保持および不純物混入防止という点から
優れた性能を有していることが明らかとなった。
【0044】なお、実施例1〜3において、加熱手段は
電気抵抗炉に限らず、高周波加熱装置等の他の手段を用
いることもできる。炉内の雰囲気は、大気雰囲気、低酸
素分圧雰囲気、低圧雰囲気等、自由に選択することがで
きる。
【0045】次に、本発明に従う酸化物結晶の作製方法
について図面を参照しながらより具体的に説明する。図
5は、本発明に従う結晶引き上げ法に用いる装置の一具
体例を示す模式図である。図5を参照して、装置の中央
には二重るつぼが設けられる。二重るつぼは、内るつぼ
31と外るつぼ32からなる。内るつぼ31と外るつぼ
32の間にはAgの融液34が保持される。外るつぼ3
2は、MgO単結晶からなる支持柱35によって支持さ
れ、支持柱35は、Al23 皿36上におかれる。該
皿36は、断熱材からなる支持台38上に設けられてい
る。Al23 皿36内にも、Agの融液37が収容さ
れる。外るつぼ32の周りには、電気ヒータ39が設け
られ、これにより融液が所定の温度に保持されるように
なっている。二重るつぼの上方にも、断熱材43が設け
られている。この装置において、内るつぼ31に収容さ
れる融液33から、引き上げ軸41により結晶40が引
き上げられる。結晶引き上げに際し、引き上げ軸41の
先端に設けられた種結晶42を融液に接触した後、引き
上げ軸を回転しながら、結晶40を引き上げていく。な
お、融液33は、元素Rの供給源である固相沈澱物33
aとフラックス33bとから構成することができる。
【0046】実施例4 Y123結晶を以下の手順で作製した。まず、内径50
mm、外径60mm、深さ45mmのY23 焼結体か
らなる内るつぼの下部に、固相沈澱物としてのY2 Ba
CuO5 (以下Y211と示す)を入れた。次いで、B
aとCuのモル比が3:5となるように炭酸バリウムと
酸化銅を混合し、880℃で40時間仮焼結した物質を
BaO−CuO融液の原料としてY211の上に入れ
た。次に内るつぼを内径65mm、外径75mm、深さ
45mmのMgO焼結体からなる外るつぼに入れ、内る
つぼと外るつぼとの間に少量のAgを充填した。Al2
3皿にMgO単結晶からなる支持柱を立て、さらにA
gを入れて支持柱上に外るつぼをのせた。これらを炉内
にセットし、ヒータにより約1000℃に加熱し、内る
つぼ中の原料を融解した。このとき、Agは十分に溶融
し、るつぼ周辺はAg蒸気雰囲気となった。また、Y2
11は内るつぼの底で固相沈澱物となっているが、Ba
O−CuO融液に溶解していき、Y、Ba、Cuのモル
比が約1:60:100の融液が得られるようになっ
た。この状態での融液の保持については実施例1で述べ
たとおりである。すなわち、不純物の混入を防止しなが
ら結晶作製のため融液が安定に保持される。
【0047】次に、融液の表面温度を980℃から10
10℃に保持し、種結晶を下端にセットした引き上げ軸
を120rpmで回転させながらゆっくりと下降し、種
結晶の下端を融液表面に接触させた。その後、引き上げ
軸を0.05〜0.2mm/hの速度で約80時間引き
上げることによって、10mm角で長さ8mmのY12
3結晶を成長させることができた。なお、引上げの間、
YはY211の固相から融液へと供給された。
【0048】実施例5 SmBa2 Cu37-X (0≦X≦1)(以下Sm12
3と示す)結晶の作製方法について具体的に説明する。
図5と同様の構成を有する装置を用いて結晶の作製を行
なった。固相沈澱物としてSm2 BaCuO5 (以下S
m211と示す)を用い、内るつぼにはSm23 焼結
体を用いた。まず、内径50mm、外径60mm、深さ
45mmのSm23 焼結体からなる内るつぼの下部に
Sm211を入れた。BaとCuのモル比が3:5とな
るように炭酸バリウムと酸化銅を混合し、880℃で4
0時間仮焼結した物質をBaO−CuO融液の原料とし
てSm211の上に入れた。次に、内るつぼを内径65
mm、外径75mm、深さ45mmのMgO焼結体から
なる外るつぼに入れ、内るつぼと外るつぼの間に少量の
Agを充填した。Al23 皿にMgO単結晶からなる
るつぼ支持柱を立て、Agを入れて支持柱上に外るつぼ
をのせた。これらを炉内にセットし、ヒータにより約1
060℃に加熱し、内るつぼ中の原料を融解した。この
とき、Agは十分に溶融し、るつぼ周辺はAg蒸気雰囲
気となった。Sm211は内るつぼの底で固相沈澱物と
なっているが、BaO−CuO融液中に徐々に溶解し、
Sm、Ba、Cuのモル比が約1:24:40の融液が
得られた。この状態で、融液は安定して保持でき、結晶
作製に最も適した状態となった。
【0049】次に、融液の表面温度を1040℃から1
055℃に保持し、種結晶を下端にセットした引き上げ
軸を100rmpで回転させながらゆっくりと下降し、
種結晶の下端を融液表面に接触させた。その後、引き上
げ軸を0.1〜0.5mm/hの速度で約50時間引き
上げることによって、15mm角で長さ10mmのSm
123結晶を成長させることができた。なお、Smは、
Sm211固相から融液へと供給された。
【0050】実施例6 PrBa2 Cu37-X (0≦X≦1)(以下Pr12
3と示す)結晶の作製方法について説明する。図5と同
様の構成を有する装置において結晶作製を行なった。固
相沈澱物にはPrBaO3 (以下Pr110と示す)を
用い、内るつぼにはPrBaO3 焼結体を用いた。ま
ず、内径40mm、外径50mm、深さ40mmのPr
BaO3 焼結体からなる内るつぼの下部にPr110を
入れた。BaとCuのモル比が1:3となるように炭酸
バリウムと酸化銅を混合し、880℃で40時間仮焼結
した物質をBaO−CuO融液の原料としてPr110
の上に入れた。次に内るつぼを内径55m、外径65m
m、深さ45mmのMgO焼結体からなる外るつぼに入
れ、内るつぼと外るつぼの間に少量のAgを充填した。
Al23 皿にMgO単結晶からなるるつぼ支持柱を立
て、Agを入れて支持柱上に外るつぼをのせた。これら
を炉内にセットし、ヒータにより約1000℃に加熱し
内るつぼ中の原料を融解した。このとき、Agは十分に
溶融し、るつぼ周辺はAg蒸気雰囲気となった。Pr1
10は内るつぼの底で固相沈澱物となっているが、融液
に溶解していき、Pr、Ba、Cuのモル比が約1:4
0:120の融液をもたらした。この状態で、融液は安
定して保持され、結晶作製に最も適した状態となった。
【0051】次に、融液の表面温度を960℃から98
0℃に保持し、種結晶を下端にセットした引き上げ軸を
120rpmで回転させながらゆっくりと下降し、種結
晶の下端を融液表面に接触させた。その後、引き上げ軸
を上方向に0.05〜0.2mm/hの速度で約40時
間引き上げることによって、7mm角で長さ4mmのP
r123結晶を成長させることができた。なお、Pr
は、Pr110固相から融液へと供給された。
【0052】実施例4から6において、内るつぼと外る
つぼの間隔は、1mm〜10mm、望むらくは2mm〜
5mmが適当である。間隔が1mm以下となると、内る
つぼの膨張等により外るつぼが割れてしまうおそれがあ
り、間隔が10mm以上となると内るつぼから流出する
融液量が多くなり、融液が低下しすぎるという問題が生
じる。
【0053】引き上げ軸の回転数は、実施例4、5、6
でそれぞれ、120rpm、100rpm、120rp
mとなっているが、それらの回転数は限定されるもので
はなく、5〜200rpmの範囲の任意の回転数とする
ことができる。また、引き上げ速度も、実施例4〜6の
いずれの場合においても、0.01〜0.5mm/hの
範囲で任意の速度に設定することができる。種結晶はM
gOの単結晶にかぎらず、種々のものを使用することが
できる。たとえば、適当な面方位に加工したY123単
結晶、Sm123単結晶、Pr123単結晶等、種々の
ものを使用することができる。加熱手段は電気抵抗炉に
かぎらず、高周波加熱等の他の手段を用いることもでき
る。炉内の雰囲気は、大気雰囲気、低酸素雰囲気、低圧
雰囲気等、自由に選択することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
R(Rはイットリウムまたはランタノイド系元素)、B
a、CuおよびOからなる酸化物の融液を、るつぼから
の不純物の汚染のない状態で安定に保持することができ
る。また、このように融液を安定に保持できるようにな
った結果、RBa2 Cu37-X (0≦X≦1)の構造
を有する酸化物の結晶成長において、不純物濃度の低い
結晶を引き上げ法により連続的に安定して作製すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って融液を保持するためのるつぼの
一具体例を示す断面図である。
【図2】本発明に従って融液を保持するためのるつぼの
もう1つの具体例を示す断面図である。
【図3】本発明に従って酸化物の融液を保持するための
装置の一具体例を示す模式図である。
【図4】各種の材料からなるるつぼにおいてBaO−C
uO系融液を保持した場合の、融液面の経時的変化を示
す図である。
【図5】本発明に従って酸化物結晶を作製するための装
置の一具体例を示す模式図である。
【図6】従来のるつぼにおける融液のあふれ出し状態を
示す模式図である。
【符号の説明】
1、21、31 内るつぼ 2、22、32 外るつぼ 11 第1のるつぼ部分 12 第2のるつぼ部分 24、27、34、37 Agの融液 25、35 るつぼ支持柱 26、36 Al23 皿 29、39 電気ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 並川 靖生 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 山田 容士 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 小山 敏 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 塩原 融 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (56)参考文献 特開 平6−321677(JP,A) 特開 平7−17797(JP,A) 特開 平7−10685(JP,A) 欧州特許出願公開573193(EP,A 1) BARILO S.N.et a l.,”Growth of bulk single crystals o f YBa2Cu3O7−d from a new type of cru cible,”Journal of Crsytal Growth,Vo l.119,1992,pp.403−406 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 EPAT(QUESTEL) WPI(DIALOG)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(前記Rはイットリウムまたはランタ
    ノイド系元素)、バリウム、銅および酸素からなる酸化
    物系の融液を所定の温度において保持する方法であっ
    て、 第1の材料からなる第1のるつぼ部分に、前記酸化物系
    の融液を収容し、 前記第1のるつぼ部分を、少なくとも前記融液を収容す
    る間、第2の材料からなる第2のるつぼ部分内に保持
    し、 前記第1の材料は、前記R、バリウムおよび銅からなる
    群から選択される1つまたは2つ以上の元素の酸化物で
    あって、前記所定の温度よりも10℃以上高い融点を有
    し、室温から前記所定の温度よりも10℃高い温度まで
    の温度範囲において構造相転移を起こさず、かつ、室温
    から前記所定の温度よりも10℃高い温度までの温度範
    囲において前記融液中への溶解度が10atm%以下で
    ある材料からなり、 前記第2の材料は、前記酸化物系の融液に対して融解、
    および化学反応を実質的に起こさず、前記第1の材料よ
    りも安定して前記融液を保持できる材料からなり、 前記第2のるつぼ部分により、前記融液の移動が抑制さ
    れることを特徴とする、酸化物の融液保持方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の材料が、前記Rの酸化物焼結
    体からなることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の材料が、酸化マグネシウムの
    焼結体または単結晶からなることを特徴とする、請求項
    1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記Rがイットリウムであり、前記第1
    の材料が酸化イットリウムの焼結体からなり、かつ前記
    第2の材料が酸化マグネシウムの焼結体からなることを
    特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記Rがサマリウムであり、前記第1の
    材料が酸化サマリウムの焼結体からなり、かつ前記第2
    の材料が酸化マグネシウムの焼結体からなることを特徴
    とする、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記Rがプラセオジムであり、前記第1
    の材料がPrBaO3の焼結体からなり、かつ前記第2
    の材料が酸化マグネシウムの焼結体からなることを特徴
    とする、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のるつぼ部分と前記第2のるつ
    ぼ部分とは別体のものであり、 前記第1のるつぼ部分の外側面と前記第2のるつぼ部分
    の内側面との間隔が1〜10mmの範囲内に収まるよ
    う、両者が配置されることを特徴とする、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 銀、銀合金および銀化合物からなる群か
    ら選択される物質の蒸気を含む雰囲気下において、前記
    融液を保持することを特徴とする、請求項1〜のいず
    れか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のるつぼ部分と前記第2のるつ
    ぼ部分の間に銀、銀合金および銀化合物からなる群から
    選択される材料が収容される、請求項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第1のるつぼ部分を保持した前記
    第2のるつぼ部分は、酸化マグネシウムの焼結体または
    単結晶からなる部材により支持されていることを特徴と
    する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の酸化物の融液保持方法により、前記第1のるつぼ部分
    に、前記R、バリウム、銅および酸素からなる酸化物系
    の融液を収容し、前記融液に、引き上げ軸の先端に設け
    られた種結晶を接触させた後、回転する前記引き上げ軸
    によって前記融液よりRBa 2 Cu 3 7-X (0≦X≦
    1)の構造を有する酸化物結晶を引き上げていくことを
    特徴とする、酸化物結晶の作製方法。
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