JP3233779U - 連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡 - Google Patents

連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】励起スポットと損失光スポットを素早く高精度で集束させる、連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡を提供する。
【解決手段】連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡10であって、二光子イメージングユニット100とSTEDイメージングユニット200を備え、厚いサンプルの場合、二光子イメージングユニット100を用い、サンプルの表層における興味がある領域の場合、STEDイメージングユニット200を用いることができ、連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡にSTEDイメージングと二光子イメージングという2種の機能を集積させる。
【選択図】図1

Description

本考案は、顕微光学イメージングの技術分野に関し、特に、連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡に関する。
超解像度光学顕微鏡法では、イメージングの解像度が光回折の限界を超え、そのイメージング解像度が従来の光学顕微鏡よりもはるかに高く、近年の研究の焦点となっており、さまざまなタイプのものが現れる。誘導放出抑制(Stimulated Emission Depletion、STED)顕微鏡法は、初めて提案されており直接光回折の限界を克服する遠視野光学顕微鏡法であり、レーザー共焦点顕微イメージングに基づくものであり、他のタイプの超解像度顕微鏡法に比べて、イメージングの速度が高く、生細胞をイメージングすることができ、生物医学の研究においてより精細な構造を検出できる。
STEDイメージングは、解像度が極めて高いものの、イメージング深度が低く、二光子顕微イメージングは、解像度が悪いが、近赤外光を用いるため、イメージング深度が高く、しかしながら、現在、厚いサンプルの場合、二光子イメージングを用い、サンプルの表層の興味がある領域の場合、STED超解像度イメージングを用い得る、STEDイメージングと二光子イメージングとの2種の機能を集積させた複合顕微鏡についての報告はまだ提案されていない。
これを鑑み、従来技術に存在している欠陥に対して、励起スポットと損失光スポットを素早く高精度で集束させ得る、連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡を提供することが求められる。
上記の目的を達成させるために、本考案は下記の技術案を採用する。
連続光損失を用いた二光子刺激発光損失複合顕微鏡であって、二光子イメージングユニットとSTEDイメージングユニットを備え、
前記二光子イメージングユニットは、フェムト秒レーザー、第1反射鏡、第2反射鏡、第1レンズと第2レンズからなるビームエキスパンダ、第3反射鏡、第1ダイクロイックミラー、λ/4スライド、第4反射鏡、XYスキャンガルバノメータ、走査レンズ、チューブレンズ、第2ダイクロイックミラー、対物レンズ、サンプルを置くための3次元ナノ変位プラットフォーム、フィルタ、第5反射鏡、第3レンズ、及び光電子増倍管を含み、
前記フェムト秒レーザーから放射されたフェムト秒レーザー光は、前記第1反射鏡と前記第2反射鏡によって反射され、前記第1レンズと前記第2レンズからなるビームエキスパンダに入り、光ビームは、前記第2レンズから射出された後、前記第3反射鏡によって反射され、前記第1ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第1ダイクロイックミラーを透過した後、前記λ/4スライドに入り、さらに前記第4反射鏡によって反射され、前記XYスキャンガルバノメータに入り、前記XYスキャンガルバノメータから射出された光ビームは、前記走査レンズと前記チューブレンズを順に経て前記第2ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーを透過した光ビームは、前記対物レンズに入り、且つ前記対物レンズによって前記3次元ナノ変位プラットフォーム上にあるサンプルに集束され、サンプルから放射された蛍光は、前記対物レンズによって収集された後、前記第2ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーによって反射され、前記フィルタに入り、前記フィルタは、入射したレーザー光を抑制し、且つ蛍光を透過し、前記フィルタを透過した蛍光は、前記第5反射鏡によって反射され、前記第3レンズに入り、前記第3レンズによって集束された光ビームは、前記光電子増倍管に入り、それにより、二光子イメージング蛍光信号の検出を実現し、
前記STEDイメージングユニットは、前記フェムト秒レーザー、前記第1反射鏡、前記第2反射鏡、前記第1レンズと前記第2レンズからなる前記ビームエキスパンダ、前記第3反射鏡、連続レーザー、第6反射鏡、第7反射鏡、第8反射鏡、位相板、前記第1ダイクロイックミラー、前記λ/4スライド、前記第4反射鏡、前記XYスキャンガルバノメータ、前記走査レンズ、前記チューブレンズ、前記第2ダイクロイックミラー、前記対物レンズ、前記サンプルを置くための3次元ナノ変位プラットフォーム、前記フィルタ、前記第5反射鏡、第4レンズ、ピンホール、及びアバランシェダイオードを備え、前記第5反射鏡は、所在する光路の外に移動可能であり、
前記フェムト秒レーザーから放射されたフェムト秒レーザー光は、前記第1反射鏡と前記第2反射鏡によって反射され、前記第1レンズと前記第2レンズからなるビームエキスパンダに入り、光ビームは、前記第2レンズから射出された後、前記第3反射鏡によって反射され、前記第1ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第1ダイクロイックミラーを透過して励起光を形成し、
前記連続光レーザーから放射されたレーザー光は、前記第6反射鏡と前記第7反射鏡を経た後、前記第8反射鏡に入り、前記第8反射鏡を経た後、前記位相板に入り、前記位相板を透過した光ビームは、前記第1ダイクロイックミラーによって反射されて損失光となり、且つ前記励起光と前記損失光は、前記第1ダイクロイックミラーを経て集束され、集束された光ビームは、前記λ/4スライドに入って偏光調整され、前記第4反射鏡によって反射され、前記XYスキャンガルバノメータに入り、前記XYスキャンガルバノメータから射出された光ビームは、前記走査レンズと前記チューブレンズTLを順に経た後、前記第2ダイクロイックミラーに入り、前記第2ダイクロイックミラーを透過した光ビームは、前記対物レンズに入り、且つ前記対物レンズによって前記3次元ナノ変位プラットフォーム上にあるサンプルに集束され、サンプルから放射された蛍光は、前記対物レンズによって収集された後、前記第2ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーによって反射され、前記フィルタに入り、前記フィルタは、入射されたレーザー光を抑制し、蛍光を透過し、前記第5反射鏡は所在する光路の外に移動され、前記フィルタを透過した蛍光は、前記第4レンズに直接入り、前記第4レンズの焦点位置でのピンホールに集束され、前記ピンホールから射出された光ビームは、前記アバランシェダイオードに入り、それにより、STEDイメージング蛍光信号の検出を実現する。
いくつかの好適な実施例では、前記第1反射鏡、前記第2反射鏡、第3反射鏡、第4反射鏡、第5反射鏡、第6反射鏡、及び前記第7反射鏡はいずれもXY軸の周りに角度を調整できる。
いくつかの好適な実施例では、前記第1反射鏡及び前記第2反射鏡の角度をXY軸の周りに調整することにより、フェムト秒レーザー光から放射された光ビームは、前記複合顕微鏡に素早くアクセスできる。
いくつかの好適な実施例では、前記第6反射鏡及び前記第7反射鏡の角度をXY軸の周りに調整することにより、連続光レーザーから放射された光ビームは、前記複合顕微鏡に素早くアクセスできる。
いくつかの好適な実施例では、前記第3反射鏡の角度をX軸又はY軸の周りに調整し、X方向又はY方向における励起光スポットの位置を調整し、光軸のZ方向に沿って前記第2レンズの位置を調整し、Z方向における励起光スポットの位置を調整することにより、励起光スポットと損失光スポットを精度よく重なり合わせる。
いくつかの好適な実施例では、前記第2レンズの光軸の、z方向に沿う位置が調整可能である。いくつかの好適な実施例では、前記位相板上の位相分布は、0〜2πのらせん分布である。
いくつかの好適な実施例では、二光子イメージング蛍光信号を検出する際に、前記XYスキャンガルバノメータは光ビームを走査して移動させ、前記3次元ナノ変位プラットフォームが動かない。
いくつかの好適な実施例では、STEDイメージング蛍光信号を検出する際に、前記XYスキャンガルバノメータは移動走査を行わず、ゼロ位置に留まり、前記3次元ナノ変位プラットフォームは、サンプルの走査移動を連行し、イメージングを実現する。
いくつかの好適な実施例では、前記フェムト秒レーザー及び前記連続光レーザーは、前記連続光損失を用いた二光子刺激発光損失複合顕微鏡に取り外し可能に取り付けられる。
本考案では、上記技術案による利点は以下のとおりである。
本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡は、二光子イメージングユニットとSTEDイメージングユニットを備え、厚いサンプルの場合、二光子イメージングユニットを用い、サンプルの表層の興味がある領域の場合、STED超解像度イメージングユニットを用いることができ、本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡は、STEDイメージングと二光子イメージングとの2種の機能を集積させ、最先端の生物医学研究のために強力なツールを提供する。
本考案の実施例又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、無論、以下の説明における図面は本考案の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
本考案の実施例に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡の構造模式図である。 本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡の対物レンズの焦点での励起スポットの光強度分布である。 本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡の対物レンズの焦点での損失光スポットの光強度分布である。
以下、本考案の実施例の図面を参照しながら、本考案の実施例の技術案を明瞭かつ完全に説明するが、無論、説明する実施例は、本考案の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本考案の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに得たすべてのほかの実施例は、本考案が保護する範囲に属する。
図1は、本考案の実施例に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡10の構造模式図を示し、二光子イメージングユニット100とSTEDイメージングユニット200を備える。
前記二光子イメージングユニット100は、フェムト秒レーザー110、第1反射鏡M1、第2反射鏡M2、第1レンズL1と第2レンズL2からなるビームエキスパンダ、第3反射鏡M3、第1ダイクロイックミラーDM1、λ/4スライド120、第4反射鏡M4、XYスキャンガルバノメータ130、走査レンズSL、チューブレンズTL、第2ダイクロイックミラーDM2、対物レンズOL、サンプルを置くための3次元ナノ変位プラットフォーム140、フィルタF1、第5反射鏡M5、第3レンズL3、及び光電子増倍管150を備える。
本考案の実施例に係る二光子イメージングユニット100の作動方式は以下のとおりである。
前記フェムト秒レーザー110から放射されたフェムト秒レーザー光は、前記第1反射鏡M1と前記第2反射鏡M2によって反射され、前記第1レンズL1と前記第2レンズL2からなるビームエキスパンダに入り、光ビームは、前記第2レンズL2から射出された後、前記第3反射鏡M3によって反射され、前記第1ダイクロイックミラーDM1に入り、且つ前記第1ダイクロイックミラーDM1を透過した後、前記λ/4スライド120に入り、さらに前記第4反射鏡M4によって反射され、前記XYスキャンガルバノメータ130に入り、前記XYスキャンガルバノメータ130から射出された光ビームは、前記走査レンズSLと前記チューブレンズTLを順に経て前記第2ダイクロイックミラーDM2に入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーDM2を透過した光ビームは、前記対物レンズOLに入り、且つ前記対物レンズOLによって前記3次元ナノ変位プラットフォーム140にあるサンプルに集束され、サンプルから放射された蛍光は、前記対物レンズOLによって収集された後、前記第2ダイクロイックミラーDM2に入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーDM2によって反射され、前記フィルタF1に入り、前記フィルタF1は、射入したレーザー光を抑制し、且つ蛍光を透過し、前記フィルタF1を透過した蛍光は、前記第5反射鏡M5によって反射され、前記第3レンズL3に入り、前記第3レンズL3によって集束された光ビームは、前記光電子増倍管(PMT)150に入り、それにより、二光子イメージング蛍光信号の検出を実現する。
なお、二光子イメージング蛍光信号を検出する際に、前記XYスキャンガルバノメータは光ビームを走査して移動させ、前記3次元ナノ変位プラットフォームが動かない。
前記STEDイメージングユニット200は、前記フェムト秒レーザー110、前記第1反射鏡M1、前記第2反射鏡M2、前記第1レンズL1と前記第2レンズL2からなる前記ビームエキスパンダ、前記第3反射鏡M3、連続レーザー210、第6反射鏡M6、第7反射鏡M7、第8反射鏡M8、位相板220、前記第1ダイクロイックミラーDM1、前記λ/4スライド120、前記第4反射鏡M4、前記XYスキャンガルバノメータ130、前記走査レンズSL、前記チューブレンズTL、前記第2ダイクロイックミラーDM2、前記対物レンズOL、前記サインプルを置くための3次元ナノ変位プラットフォーム140、前記フィルタF1、前記第5反射鏡M5、第4レンズL4、ピンホール230、及びアバランシェダイオード240を備え、前記第5反射鏡M5は、所在する光路の外に移動可能である。
本考案の実施例に係るSTEDイメージングユニット200の作動方式は以下のとおりである。
前記フェムト秒レーザーから放射されたフェムト秒レーザー光は、前記第1反射鏡M1と前記第2反射鏡M2によって反射され、前記第1レンズL1と前記第2レンズL2からなるビームエキスパンダに入り、光ビームは、前記第2レンズL2から射出された後、前記第3反射鏡M3によって反射され、前記第1ダイクロイックミラーDM1に入り、且つ前記第1ダイクロイックミラーDM1を透過して励起光を形成し、
前記連続光レーザー210から放射されたレーザー光は、前記第6反射鏡M6と前記第7反射鏡M7を経た後、前記第8反射鏡M8に入り、前記第8反射鏡M8を経た後、前記位相板220に入り、前記位相板220を透過した光ビームは、前記第1ダイクロイックミラーDM1によって反射されて損失光となり、且つ前記励起光と前記損失光は、前記第1ダイクロイックミラーDM1を経て集束され、集束された光ビームは、前記λ/4スライドに入って偏光調整され、前記第4反射鏡M4によって反射され、前記XYスキャンガルバノメータ130に入り、前記XYスキャンガルバノメータ130から射出された光ビームは、前記走査レンズSLと前記チューブレンズTLを順に経た後、前記第2ダイクロイックミラーDM2に入り、前記第2ダイクロイックミラーDM2を透過した光ビームは前記対物レンズOLに入り、且つ前記対物レンズOLによって前記3次元ナノ変位プラットフォーム140にあるサンプルに集束され、サンプルから放射された蛍光は、前記対物レンズOLによって収集された後、前記第2ダイクロイックミラーDM2に入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーDM2によって反射され、前記フィルタF1に入り、前記フィルタF1は、射入されたレーザー光を抑制し、蛍光を透過し、前記第5反射鏡M5は所在する光路の外に移動され、前記フィルタF1を透過した蛍光は、前記第4レンズL4に直接入り、前記第4レンズL4の焦点位置でのピンホール230に集束され、前記ピンホール230から射出された光ビームは、前記アバランシェダイオード240(APD)に入り、それにより、STEDイメージング蛍光信号の検出を実現する。
なお、STEDイメージング蛍光信号を検出する際に、前記XYスキャンガルバノメータは移動走査を行わず、ゼロ位置に留まり、前記3次元ナノ変位プラットフォームは、サンプルの走査移動を連行し、イメージングを実現する。
いくつかの好適な実施例では、レーザー光が顕微鏡システムに結合して入力されるように、前記第1反射鏡、前記第2反射鏡、第3反射鏡、第4反射鏡、第5反射鏡、第6反射鏡、及び前記第7反射鏡はいずれもXY軸の周りに角度を調整できる。
具体的には、フェムト秒レーザー110については、それから放射された光ビームが自由空間で伝播し、XY軸の周りに角度を調整可能な第1反射鏡M1と第2反射鏡M2が使用され、M1とM2を調整することにより、フェムト秒レーザー光から放射された光ビームは顕微鏡システムに素早くアクセスでき、連続光レーザー210については、それから放射された光ビームが自由空間で伝播し、XY軸の周りに角度を調整可能な第6反射鏡M6と第7反射鏡M7が使用され、M6とM7を調整することにより、連続光レーザーから放射された光ビームは顕微鏡システムに素早くアクセスできる。
いくつかの好適な実施例では、前記位相板上の位相分布は0〜2πのらせん分布である。
いくつかの好適な実施例では、前記フェムト秒レーザー及び前記連続光レーザーは、前記連続光損失を用いた二光子刺激発光損失複合顕微鏡に取り外し可能に取り付けられる。
なお、本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡で使用されるフェムト秒レーザー光及び連続光レーザーは、両方ともに体積が大きく、顕微鏡の輸送や位置移動時に、これらのレーザーを顕微鏡から取り外す必要があり、フェムト秒レーザー光及び連続光レーザーが顕微鏡システムに素早く接続できるように、前記フェムト秒レーザー及び前記連続光レーザーが前記連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡に取り外し可能に取り付けられ、それにより、取り外しや輸送が簡便になる。
図2は、本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡において対物レンズの焦点での励起スポットの光強度分布(XY面とXZ面内の光強度分布)を示し、励起光が対物レンズを経た後、長い楕円形の中実三次元スポットとして集束される。
図3は、本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡において対物レンズの焦点での損失光スポットの光強度分布(XY面とXZ面内の光強度分布)を示し、損失光が、対物レンズを経た後、柱状の中空三次元スポットとして集束される。
なお、STEDイメージングには、励起スポットと損失光スポットを三次元方向に精度よく重なり合わせる必要があり、損失光スポットの位置を基準(一定に維持)として、励起光スポットと精度よく重なり合うように励起光スポットの三次元位置を調整し、X軸又はY軸の周りに第3反射鏡M3の角度を調整することにより、励起光スポットのX方向又はY方向での位置を変えることができ、光軸のZ方向に沿って第2レンズL2の位置を調整することにより、励起光スポットのZ方向での位置を変えることができ、それにより、励起光スポットと損失光スポットを精度よく重なり合わせることができる。
本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡では、厚いサンプルの場合、二光子イメージングユニットを用い、サンプルの表層の興味がある領域の場合、STED超解像度イメージングユニットを用いることができ、本考案に係る連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡はSTEDイメージングと二光子イメージングとの2種の機能を集積させ、最先端の生物医学研究のために強力なツールを提供する。
もちろん、本考案の連続損失光を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡にはさまざまな置換や変形を加えることもでき、上記実施形態の特定の構造に制限されない。要するに、本考案の保護範囲は、当業者にとって明らかな置換、代替や変形を含むべきである。

Claims (10)

  1. 二光子イメージングユニットとSTEDイメージングユニットを備え、
    前記二光子イメージングユニットは、フェムト秒レーザー、第1反射鏡、第2反射鏡、第1レンズと第2レンズからなるビームエキスパンダ、第3反射鏡、第1ダイクロイックミラー、λ/4スライド、第4反射鏡、XYスキャンガルバノメータ、走査レンズ、チューブレンズ、第2ダイクロイックミラー、対物レンズ、サンプルを置くための3次元ナノ変位プラットフォーム、フィルタ、第5反射鏡、第3レンズ、及び光電子増倍管を含み、
    前記フェムト秒レーザーから放射されたフェムト秒レーザー光は、前記第1反射鏡と前記第2反射鏡によって反射され、前記第1レンズと前記第2レンズからなるビームエキスパンダに入り、光ビームは、前記第2レンズから射出された後、前記第3反射鏡によって反射され、前記第1ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第1ダイクロイックミラーを透過した後、前記λ/4スライドに入り、さらに前記第4反射鏡によって反射され、前記XYスキャンガルバノメータに入り、前記XYスキャンガルバノメータから射出された光ビームは、前記走査レンズと前記チューブレンズを順に経て前記第2ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーを透過した光ビームは、前記対物レンズに入り、且つ前記対物レンズによって前記3次元ナノ変位プラットフォーム上にあるサンプルに集束され、サンプルから放射された蛍光は、前記対物レンズによって収集された後、前記第2ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーによって反射され、前記フィルタに入り、前記フィルタは、入射したレーザー光を抑制し、且つ蛍光を透過し、前記フィルタを透過した蛍光は、前記第5反射鏡によって反射され、前記第3レンズに入り、前記第3レンズによって集束された光ビームは、前記光電子増倍管に入り、それにより、二光子イメージング蛍光信号の検出を実現し、
    前記STEDイメージングユニットは、前記フェムト秒レーザー、前記第1反射鏡、前記第2反射鏡、前記第1レンズと前記第2レンズからなる前記ビームエキスパンダ、前記第3反射鏡、連続レーザー、第6反射鏡、第7反射鏡、第8反射鏡、位相板、前記第1ダイクロイックミラー、前記λ/4スライド、前記第4反射鏡、前記XYスキャンガルバノメータ、前記走査レンズ、前記チューブレンズ、前記第2ダイクロイックミラー、前記対物レンズ、前記サンプルを置くための3次元ナノ変位プラットフォーム、前記フィルタ、前記第5反射鏡、第4レンズ、ピンホール、及びアバランシェダイオードを備え、前記第5反射鏡は、所在する光路の外に移動可能であり、
    前記フェムト秒レーザーから放射されたフェムト秒レーザー光は、前記第1反射鏡と前記第2反射鏡によって反射され、前記第1レンズと前記第2レンズからなるビームエキスパンダに入り、光ビームは、前記第2レンズから射出された後、前記第3反射鏡によって反射され、前記第1ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第1ダイクロイックミラーを透過して励起光を形成し、
    前記連続光レーザーから放射されたレーザー光は、前記第6反射鏡と前記第7反射鏡を経た後、前記第8反射鏡に入り、前記第8反射鏡を経た後、前記位相板に入り、前記位相板を透過した光ビームは、前記第1ダイクロイックミラーによって反射されて損失光となり、且つ前記励起光と前記損失光は、前記第1ダイクロイックミラーを経て集束され、集束された光ビームは、前記λ/4スライドに入って偏光調整され、前記第4反射鏡によって反射され、前記XYスキャンガルバノメータに入り、前記XYスキャンガルバノメータから射出された光ビームは、前記走査レンズと前記チューブレンズTLを順に経た後、前記第2ダイクロイックミラーに入り、前記第2ダイクロイックミラーを透過した光ビームは、前記対物レンズに入り、且つ前記対物レンズによって前記3次元ナノ変位プラットフォーム上にあるサンプルに集束され、サンプルから放射された蛍光は、前記対物レンズによって収集された後、前記第2ダイクロイックミラーに入り、且つ前記第2ダイクロイックミラーによって反射され、前記フィルタに入り、前記フィルタは、入射されたレーザー光を抑制し、蛍光を透過し、前記第5反射鏡は所在する光路の外に移動され、前記フィルタを透過した蛍光は、前記第4レンズに直接入り、前記第4レンズの焦点位置でのピンホールに集束され、前記ピンホールから射出された光ビームは、前記アバランシェダイオードに入り、それにより、STEDイメージング蛍光信号の検出を実現することを特徴とする連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  2. 前記第1反射鏡、前記第2反射鏡、第3反射鏡、第4反射鏡、第5反射鏡、第6反射鏡、及び前記第7反射鏡はいずれもXY軸の周りに角度を調整できることを特徴とする請求項1に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  3. 前記第1反射鏡及び前記第2反射鏡の角度をXY軸の周りに調整することにより、フェムト秒レーザー光から放射された光ビームは、前記複合顕微鏡に素早くアクセスできることを特徴とする請求項2に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  4. 前記第6反射鏡及び前記第7反射鏡の角度をXY軸の周りに調整することにより、連続光レーザーから放射された光ビームは、前記複合顕微鏡に素早くアクセスできることを特徴とする請求項2に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  5. 前記第2レンズの光軸の、z方向に沿う位置が調整可能であることを特徴とする請求項2に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  6. 前記第3反射鏡の角度をX軸又はY軸の周りに調整し、X方向又はY方向における励起光スポットの位置を調整し、光軸のz方向に沿って前記第2レンズの位置を調整し、Z方向における励起光スポットの位置を調整することにより、励起光スポットと損失光スポットを精度よく重なり合わせることを特徴とする請求項3に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  7. 前記位相板上の位相分布は、0〜2πのらせん分布であることを特徴とする請求項1に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  8. 二光子イメージング蛍光信号を検出する際に、前記XYスキャンガルバノメータは光ビームを走査して移動させ、前記3次元ナノ変位プラットフォームが動かないことを特徴とする請求項1に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  9. STEDイメージング蛍光信号を検出する際に、前記XYスキャンガルバノメータは移動走査を行わず、ゼロ位置に留まり、前記3次元ナノ変位プラットフォームは、サンプルの走査移動を連行し、イメージングを実現することを特徴とする請求項1に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
  10. 前記フェムト秒レーザー及び前記連続光レーザーは、前記連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の連続光損失を用いた二光子誘導放出抑制複合顕微鏡。
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