JP3233546B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
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Description
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に
関する。
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情
報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記
録媒体)に画像を記録していくように構成されている。
前記記録装置は、記録方式により、インクジェット式、
ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分
けることができる。
する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリ
アルタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記
録位置にセットした後、被記録材に沿って移動するキャ
リッジ上に搭載した記録手段)によって画像を記録(主
走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り
(被記録材搬送)を行い、その後に再び停止した被記録
材に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという
動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行わ
れる。一方、被記録材の搬送方向の副走査のみで記録す
るラインタイプの記録装置においては、被記録材を所定
の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行った
後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、さらに、次
の行の記録を一括して行うという動作を繰り返すことに
より、被記録材全体の記録が行われる。
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行う
ものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高
精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別
の処理を必要とせずに記録することができ、ランニング
コストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少
なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記
録するのが容易であるなどの利点を有している。中で
も、紙幅方向に多数の吐出口を配列したフルマルチタイ
プの記録手段を用いるライン型のものは、記録の一層の
高速化が可能である。
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。一
方、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、
近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(OHP
等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のバン
チ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)な
どを使用することが要求されるようになってきた。
に、記録ヘッドの吐出口に付着した増粘インクや塵埃な
どを除去して安定したインク吐出機能を維持または回復
するための回復装置が装着されている。この回復装置
は、記録ヘッドの吐出口のインク乾燥を防ぐためのキャ
ップと、インクを吐出口から吸引するためのポンプ手段
とを有しており、このポンプ手段としては主にプランジ
ャタイプのものが使用されている。この種のポンプ手段
は、シール部材としてのピストンのみをシリンダ内で往
復移動させ、ピストンの往行程で発生する負圧によって
記録ヘッドからのインクをシリンダ内へ吸引し、復行程
でシリンダ内のインクを排出系へ排出するように構成さ
れている。
段)の構成及び動作を模式的に示す平面断面図である。
図11〜図13において、シリンダ・ピストン方式の吸
引手段は、密閉されたシリンダ101内をピストン10
2が矢印A方向に移動することで、該シリンダ内の初期
体積が密閉状態のまま増加することにより、該シリンダ
内に負圧が発生し、該シリンダ101に設けられたイン
ク吸引口101Aをピストン102が通過した時(図1
2)にシリンダ内に発生した負圧によってインク吸引口
101Aよりインクあるいは空気をピストン102より
上流側(図示右側)の空間103に吸い込むことが可能
となる。
引口101Aにキャップ104を接続し、このキャップ
により記録ヘッドを密閉した状態で前記ピストン102
を作動させ、ピストン102がインク吸引口101Aを
通過することで、記録ヘッドよりインクを吸引すること
ができる。このインク吸引によって、記録ヘッドの吐出
口に発生するインク吐出不良を解消し、インク吐出の正
常化(回復処理)を行うことができる。
等のない時、あるいは記録装置不使用時に、記録ヘッド
のインク吐出口の乾燥防止やインク吐出口へのゴミの付
着を防止するために、該記録ヘッド吐出口面にキャップ
を当接させて吐出口を密封するキャッピング動作が自動
的に実施される。このキャッピング動作だけでは、記録
ヘッドからのインク吸引(吸引回復処理)は行われな
い。
の回復装置においては、キャッピング終了時のシリンダ
101内でのピストン102の停止位置は、図13に示
すようなインク吸引口101Aより上流側(図示右側)
の位置になる。なお、記録ヘッドから吸引されたインク
は、先ず図12における空間103に導入され、次いで
ピストン102を引き上げる際(図中で右向きに移動す
る時)、ピストン102とピストン軸105に設けられ
たガタ部を通してピストン102の左側空間106へ移
動させられ、そこからシリンダ外へ排出される。その場
合、吸引されたインクが全てシリンダ外へ排出されるわ
けでなく、インクの表面張力等により、図12及び図1
3に示す様に一部のインクは空間103及び106のシ
リンダ内壁等に残インク107として付着することにな
る。
来のインクジェット記録装置においては、装置本体に記
録ヘッドが装着されていない時に記録データがなくて自
動キャッピングされた場合、あるいは、記録装置の不使
用時にキャッピングされた状態で記録装置を傾けたり輸
送を行うような場合、さらには、キャップを下側にして
記録装置を持ち運んだりするような場合に、シリンダ内
の前記残インク107がインク吸引口101Aを通して
キャップ104より流れ出し(図13中の符号108で
示す流出インク)、記録装置内部を汚染するという問題
がある。特に小型のポータブルタイプの記録装置では、
持ち運びが容易な為このようなインク流出により装置内
部を汚染する現象が顕著であった。これに起因して、記
録装置を持ち運んだ後で記録を開始すると被記録材(記
録用紙)がインクで汚れたり、記録装置からインクが漏
れて手や机を汚染するという問題が生じる。
みてなされたものであり、本発明の目的は、記録装置に
記録手段が装着されていない場合でもキャッピング動作
することでキャップからのインク漏れを防止することが
できるとともに、記録装置に記録手段が装着されている
場合には、キャッピング状態における温度変化等に起因
するキャップ内気液の体積膨張によって吐出口内へ空気
を押し込むという現象(吐出不良の原因となる)を無く
すことができるインクジェット記録装置を提供すること
である。
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
において、記録手段の吐出口面に対し押圧されて該吐出
口面をキャッピングするキャップと、該キャップ内に連
通するインク吸引口を有するシリンダ内でピストンを移
動させることにより該インク吸引口を開閉して負圧吸引
するポンプと、を備え、前記記録手段が記録装置に装着
されていないときに、前記吐出口面のキャッピング終了
時の前記ピストンの停止位置を前記インク吸引口を塞ぐ
位置とし、前記記録手段が記録装置に装着されていると
きに、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピスト
ンの停止位置を前記インク吸引口を塞がない位置とする
構成により、上記目的を達成するものである。
おいて、前記記録手段が記録装置に装着されているとき
に、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピストン
の停止位置を、前記インク吸引口より上流側の位置と
し、該インク吸引口を前記シリンダの大気開放側へ連通
させる構成とすることにより、一層効率よく、上記目的
を達成するものである。
する。図1は本発明を適用するのに好適なインクジェッ
ト記録装置の一構成例を示す模式的斜視図である。図1
において、インクジェット記録ヘッド(記録手段)1
は、ガイドシャフト3とガイドレール4に摺動自在なキ
ャリッジ2に搭載され、該キャリッジ2は、キャリッジ
モータ5の回転によりモータプーリ6及びタイミングベ
ルト7を介して往復駆動可能になっている。このキャリ
ッジ2の移動方向は、前記キャリッジモータ5の回転方
向を変えることで行われる。
有するインクジェットヘッドエレメント1Bと該ヘッド
エレメントにインクを供給するためのインクタンク1C
とを一体化した構成を有している。ヘッドエレメント1
Bの前面には複数の吐出口が配列された吐出口面が設け
られている。前記記録ヘッド1としては、カラー記録が
可能なカラー記録ヘッド部と黒色記録専用のモノクロ記
録ヘッドが準備され、ユーザの好みに合わせてキャリッ
ジ2に対して各々着脱可能となっている。また、記録に
よりインクが消費された時には該インクタンク1Cのみ
を記録ヘッド1に対して着脱することもできる。前記記
録ヘッド1のヘッドエレメント1Bは、制御回路からの
信号に基づいて列状に配置された複数個の吐出口からイ
ンクを記録用紙等の被記録材8へ吐出して記録を行うよ
うに構成されている。
B)は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するイン
クジェットヘッドであって、熱エネルギーを発生するた
めの電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録
ヘッド1は前記電気熱変換体によって印加される熱エネ
ルギーにより生じる膜沸騰により気泡の成長、収縮によ
って生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐
出させ、記録を行うものである。
(ヘッドエレメント)1Bの構造を模式的に示す部分斜
視図である。図2において、被記録材8と所定の隙間
(例えば、約0.5 〜2.0 ミリ程度) をおいて対面する吐
出口形成面81には、所定のピッチで複数の吐出口82
が形成され、共通液室83と各吐出口82とを連通する
各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを
発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が
配設されている。本例においては、記録ヘッド1は、前
記吐出口82がキャリッジ2の走査(移動)方向と交叉
する方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ2に搭
載されている。こうして、画像信号または吐出信号に基
づいて対応する電気熱変換体85を駆動(通電)して、
液路84内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧
力によって吐出口82からインクを吐出させる記録ヘッ
ド1が構成されている。
を密封するための弾性材料で形成されたキャップ9は塩
素化ブチルゴムその他の弾性を有する適宜な材料で形成
される。図3はキャップ9及び吸引ポンプを模式的に示
す平面断面図である。図1及び図3において、前記キャ
ップ9はキャップホルダー10に一体的に保持されてい
る。前記キャップホルダー10はシリンダ11から一体
的に伸びた腕部11Aに回転自在に保持されている。吸
引ポンプのシリンダ11の内部にはゴムなどの弾性体で
作られたピストン12が摺動自在に嵌挿されている。そ
して、ピストン軸13を駆動してピストン12を摺動さ
せることにより、シリンダ11内に負圧を発生する吸引
ポンプが構成されている。ピストン軸13及びピストン
12の動作の詳細は後述する。
ョイント部9Aが形成されており、このジョイント部9
Aをシリンダ11のジョイント部11Bに締め代をもっ
て圧入することにより、シリンダ11とキャップ9はシ
ールされた状態で結合される。また、シリンダ11に設
けたジョイント部11Bの内部にはシリンダ内とキャッ
プ9を連通するインク吸引口11Cが設けられている。
取り付け構造を示す模式的側面図であり、図5は図4の
キャップ9の正面図である。次に、図4及び図5を参照
して、記録ヘッド1に対してキャップ9を圧接及び離隔
する動作について説明する。図3〜図5において、キャ
ップホルダー10に一体的に保持されたキャップ9はシ
リンダ11と密閉を持って連結されており、更にキャッ
プホルダー10はシリンダ11に対してシリンダ腕部1
1Aに支点10Aを中心に回転自在に保持されている。
ここで、キャップ9とシリンダ11はジョイント部9
A、11Bで連結(接続)されているものの、ジョイン
ト部9Aは例えば塩素化ブチルゴム等の弾性体でキャッ
プ9と一体に形成されており、また、L型で変形自在に
形成されているので、キャップホルダー10の回転に対
して何ら支障になることはない(図4)。
ー10の下部には異径圧縮コイルバネ14がプラテン1
5とキャップホルダー10の間に装着されている。この
圧縮コイルバネ14により、キャップホルダー10は常
に記録ヘッド1側に付勢されている。ここで、シリンダ
11はプラテン15によってシリンダ軸心回りに回転自
在に支持されている。従って、シリンダ11及びキャッ
プ9はシリンダ軸心を中心として異径圧縮コイルバネ1
4により回転力が与えられることになる。
シリンダ制御部11Dが一体的に形成されており、シリ
ンダ制御部11Dの先端はポンプカムギア16のカム部
16Aに当接している。従って、シリンダ11の回転位
置は、ポンプカムギア16のカム部16Aによってシリ
ンダ制御部11Dの回転位置を規制することにより設定
される。すなわち、ポンプカムギア16の回転駆動して
カム部16Aに沿ってシリンダ制御部11Dを揺動させ
ることにより、シリンダ11を介してキャップ9を揺動
させ、それによってキャップ9による記録ヘッド1のキ
ャッピング及びキャッピング解除が可能となる。
E FEED)ギア17と選択的に接続可能になってお
り、不図示の紙送りモータの駆動を不図示のギア列を介
しLFギア17に伝え、キャリッジ2の動きでクラッチ
動作(不図示)を行うことにより、紙送りモータの駆動
をポンプカムギア16にに伝えることが可能となる。な
お、ここで、ポンプカムギア16には一部欠歯部16B
(図1)を設けてあるので、キャリッジ2がクラッチ動
作を行わないと、LFギア17の伝達が切れ、ポンプカ
ムギア16に駆動が伝わらないことになる。
の動きについて説明する。図3において、ポンプカムギ
ア16はシリンダキャップギア18と連結(噛み合い)
されている。すなわち、キャリッジ2がクラッチ動作を
行うことで、LFギア17の駆動がポンプカムギア16
に伝わりさらにシリンダキャップギア18に伝わること
になる。更に、シリンダキャップギア18の内壁に設け
たボス18Aをピストン軸13に設けたリード溝13A
に嵌合させ、またピストン軸13の先端に設けた溝13
Bにシリンダ11に設けたガイド11Eを係合させてピ
ストン軸13の回転を止めることにより、ポンプカムギ
ア16の回転運動をピストン軸13の直線運動に変換す
ることが可能となる。
ャリッジ2によるクラッチ動作を制御することにより、
シリンダ11の回転動作および回転位置、つまりキャッ
プ9の記録ヘッド1に対する位置(圧接または離隔)お
よび動作タイミングを制御することができる。ピストン
軸13には軸と一体で形成された2つのフランジ部13
C、13Dが設けられている。これらのフランジ部13
C、13Dの間にピストン12がセットされている。こ
のピストン12は中心部に貫通孔のあるいわゆるドーナ
ツ形状をしている。
はシリコンゴム、NBRゴム等が用いられる。当然、シ
リンダ11及びピストン12は円筒形状をしており、シ
リンダ11の内径に対してピストン12の外径の方が大
きく、ある締め代(おおよそ、0.2mm〜0.5mm
程度)を持っている。従って、ピストン12の移動時で
も、シリンダ内壁とピストン外壁との間にはシール性
(密封性)を保持されている。
り、シリンダシール19の外径はシリンダ11の内径と
シール性(密封性)を持っており、かつシリンダシール
19の内径はピストン軸13とシール性(密封性)を保
っている。20はシリンダワッシャであり、シリンダ1
1に設けた段差部で係止されている。
はリブ12Aが全周にわたって前記フランジ部13Cに
対向して設けられており、更にピストン12の内径はピ
ストン軸13の外径より大きく、その間にガタ(隙間)
が設けられている。更にピストン軸13に設けられた2
つのフランジ部13C、13Dの間の距離に対してピス
トン12の幅の方が小さくなっている。これらのガタ
(隙間)はインク吸引口11Cから吸引したインクをピ
ストン12の移動を利用して排出するためのものであ
り、その詳細は後述する。
とおりであり、この状態では、ピストン軸13が引き上
げられ、ピストン12は左側のフランジ部13Dに押さ
れて図3の位置(図示右側へ移動した位置)にある。次
に吸引信号がMPUから出されると、キャリッジ2がラ
ッチ動作を行い、LFギア17からポンプカムギア16
およびシリンダキャップギア18に駆動が伝わり、シリ
ンダキャップギア18の回転がピストン軸13の直線運
動になる。
ン12の動きを説明するための模式的縦断面図である。
図3に示す吸引ポンプのイニシャル状態からピストン軸
13が図中左方向に移動すると、図6に示す様にフラン
ジ部13Cがピストン側面のリブ12Aに圧接し、ピス
トン12より右側の空間11Fが密閉状態になる。更に
ピストン軸13が左に進むことで、空間11Fは密閉状
態のまま体積が増加するため、空間11Fは徐々に大気
圧以下(負圧状態)になる。この負圧はピストン軸13
(ピストン12)の移動とともに徐々に大きくなり、ピ
ストン12の側面の端部がインク吸引口11Cを通過す
る時(図7の時)の吸引力が最大になる。
が連通することで、最大となった吸引力によってインク
吸引口11C及びキャップ9を介して外部よりインクあ
るいは空気が空間11Fに流入する。こうしてインクあ
るいは空気が空間11Fに流入すると、該空間11F内
の負圧の程度が弱まって解消されることになる。ここ
で、ピストン12がインク吸引口11Cを通過する時に
記録ヘッド1に対してキャップ9が密閉するようにポン
プカムギア16に設けられたカム部16Aを形成するこ
とにより、インク吸引が可能となる。
クを排出する動作について説明する。前述の様に記録ヘ
ッド1より吸引したインクはシリンダ内の空間11Fに
(その壁面等に付着して)滞留しているが、次にLFギ
ア17を逆転することによりピストン軸13を引き上げ
方向(図中右向き、すなわち矢印B方向)に移動させる
と、ピストン軸13のフランジ部13C、13D間の距
離に対してピストン12の幅が小さく、さらにピストン
12の内径がピストン軸13の外径より大きいため、ピ
ストン軸13(ピストン12)の引き上げ(右向きの移
動)に伴いピストン12とピストン軸13との間のガタ
(隙間)を通って、空間11Fにあったインクがピスト
ン12の左側の空間11Hに移動することになる(図8
中の矢印Cの流れ)。
2)の往復動作を繰り返すうちに、徐々にシリンダ11
の端部11Gよりインクが排出されることになる。シリ
ンダ11より排出されたインクはプラテン15内に収め
られた不図示の廃インクシートに吸収されることにな
る。しかしながら、吸引ポンプ内(シリンダ11内)に
吸引されたインクが全て廃インクシートに吸収されるわ
けではなく、図9に示すようにインクの一部はシリンダ
11内に残る。これは、インクの表面張力等でシリンダ
内壁等にインク21が付着するためである。
1内に残インク21が存在する状態でかつピストン12
が図9の位置にあるままで、記録装置を運搬したり、記
録装置を傾けて設置したりすると、シリンダ11内のイ
ンクがインク吸収口11Cを通ってキャップ9より記録
装置本体内に流出することになる。そこで、本発明に関
連する構成を有する参考例では、図10に示すように、
キャッピング動作終了時にピストン12をインク吸引口
11Cと整合する位置(インク吸引口11Cを閉じる位
置)に停止させ、それによってシリンダ11内の残イン
ク21が漏れ出すことが防止されている。こうすること
により、記録装置の運搬時や設置時において、シリンダ
11内の残インク21がキャップ9から洩れるインク漏
れを無くすことができ、残インク21が運搬時や設置時
にキャップから流出することを無くすことができ、記録
装置内部のインク汚染を防止することが可能となる。
本体に装着されている場合に、吐出口面のキャッピング
終了時にピストンの停止位置がインク吸引口を塞ぐ位置
であるように構成したが、これでは、次のような理由か
ら解決すべき技術的課題が未だに残されたままであっ
た。その理由は、記録ヘッド1が装着された状態でキャ
ッピング時にインク吸引口11Cをピストン12で塞ぐ
と、キャッピング状態でキャップ9内は完全密閉状態と
なり、記録装置の設置環境における温度変化が激しいよ
うな場合、キャップ9内のインク体積が膨張し記録ヘッ
ド内(吐出口82内)に空気を押し込む可能性があると
いう第1の理由、並びに、ピストン12の幅を大きくと
れない場合、部品公差の積み上げによって、インク吸引
口11Cに対するピストンの停止位置精度が悪くなり、
キャッピング終了時にピストンがインク吸引口を通過し
てしまうことが生じ、インク吸引を行わないキャッピン
グ状態でもインク吸引を実行してしまうことになるとい
う第2の理由に依るものである。
記録装置の一実施例によれば、記録手段(記録ヘッド)
1から被記録材8へインクを吐出して記録を行うインク
ジェット記録装置において、記録手段の吐出口面81に
対し押圧されて該吐出口面をキャッピングするキャップ
9と、該キャップ内に連通するインク吸引口11Cを有
するシリンダ11内でピストン12を移動させることに
より該インク吸引口を開閉して負圧吸引するポンプと、
を備え、前記記録手段が記録装置に装着されていないと
きに、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピスト
ン12の停止位置を前記インク吸引口11Cを塞ぐ位置
とし、前記記録手段が記録装置に装着されているとき
に、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピストン
12の停止位置を前記インク吸引口11Cを塞がない位
置とするように構成される。
ヘッドが装着されている場合は、キャッピング終了時、
ピストン12の停止位置はインク吸引口11Cより上流
側で停止させる(図6参照)ように選定させる。その場
合、シリンダ11内の残インク19は、記録ヘッド1が
キャップ9でキャッピングされている為、更にシリンダ
11のインク排出側が大気開放されている為、記録ヘッ
ド1への空気押し込みもない。そして、記録装置本体に
記録ヘッド1が装着されていないことを記録装置が検知
した場合には、ピストン12の停止位置をインク吸引口
11Cを塞ぐ位置にすることにより、キャップ9よりの
インク流出を防ぐことが可能となる(図10参照)。こ
のようにすることにより、ピストン12の小型化が図ら
れ、装置全体の小型化が可能とともに、設計の自由度を
大幅に高めることが可能になる。
出口面81を弾性体のキャップ9でキャッピングし、キ
ャップ9と連通する吸引ポンプを有し、該吸引ポンプは
前記キャップ9と連通するインク吸引口11Cを有し、
ピストン12の移動により負圧を発生させ、前記インク
吸引口11C及び前記キャップ9を介して記録ヘッド1
の吐出口82よりインクを吸引することが可能な構成
(吸引回復装置)において、記録ヘッド1が記録装置に
装着されていない場合には、キャッピング終了時のピス
トン停止位置を前記インク吸引口11Cを塞ぐ位置に設
定し、記録ヘッド1が記録装置に装着されている場合に
は、キャッピング終了時のピストン停止位置を前記イン
ク吸引口11Cを塞がない位置(本実施例では図6のイ
ンク吸引口11Cより上流側の位置)に設定するので、
記録装置本体に記録ヘッド1が装着されていない場合に
運搬されたり、キャップを下にして設置されたような場
合でも、シリンダ11内の残インク21がキャップ9よ
り流出する(漏れ出す)ことを防ぐことができ、記録装
置内部の漏洩インクによる汚染を防止することができ
る。つまり、前述の実施例の構成によれば、記録装置に
記録手段(記録ヘッド)1が装着されていない場合でも
キャッピング動作をすることでキャップ9からのインク
漏れを防止することができ、記録装置に記録手段が装着
されている場合には、キャッピングによってキャップ内
を完全密閉にしてしまうことがないため、温度変化等に
起因するキャップ内気液の体積膨張によって吐出口82
内へ空気を押し込むという現象(吐出 不良の原因とな
る)を無くすことができる。
ヘッド)を主走査方向に移動させるシリアル記録方式の
場合を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全
幅または一部をカバーする長さのライン記録手段を用い
て副走査のみで記録するライン記録方式の場合にも、同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。また、本発明は、1個の記録手段で記録する単
色の記録装置の他、異なる色で記録する複数の記録手段
を用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃
度で記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、さ
らには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。
ンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用い
る場合、あるいは記録ヘッドとインクタンクを別体に
し、その間をインク供給用のチューブ等で接続する場合
など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのよう
な場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得
られるものである。
の場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用
いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用でき
るが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
る方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式に
よれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからで
ある。
1の発明によれば、記録手段から被記録材へインクを吐
出して記録を行うインクジェット記録装置において、記
録手段の吐出口面に対し押圧されて該吐出口面をキャッ
ピングするキャップと、該キャップ内に連通するインク
吸引口を有するシリンダ内でピストンを移動させること
により該インク吸引口を開閉して負圧吸引するポンプ
と、を備え、前記記録手段が記録装置に装着されていな
いときに、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピ
ストンの停止位置を前記インク吸引口を塞ぐ位置とし、
前記記録手段が記録装置に装着されているときに、前記
吐出口面のキャッピング終了時の前記ピストンの停止位
置を前記インク吸引口を塞がない位置とする構成とした
ので、記録装置に記録手段が装着されていない場合で
も、キャッピング動作を行うことでキャップからのイン
ク漏れを防止することができ、それによって記録装置内
部のインク汚染を防止することができ、 記録装置に記録
手段が装着されているときには、キャッピングによって
キャップ内を完全密閉にしてしまうことがないため、温
度変化等に起因するキャップ内気液の体積膨張によって
吐出口内へ空気を押し込むという現象(吐出不良の原因
となる)を無くすことができるインクジェット記録装置
が提供される。
構成に加えて、前記記録手段が記録装置に装着されてい
るときに、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピ
ストンの停止位置を、前記インク吸引口より上流側の位
置とし、該インク吸引口を前記シリンダの大気開放側へ
連通させる構成としたので、一層効率よく上記効果を達
成できるインクジェット記録装置が提供される。
録装置の一構成例を示す模式的斜視図である。
的に示す部分斜視図である。
す模式的平面断面図である。
に示す側面図である。
した状態を示す模式的平面断面図である。
ンク吸引口を開いた瞬間の状態を示す模式的平面断面図
である。
してシリンダ内のインクを排出する状態を示す模式的平
面断面図である。
了した状態を示す模式的平面断面図である。
吸引口を閉塞した状態を示す模式的平面断面図である。
状態を示す模式的平面断面図である。
的平面断面図である。
す模式的平面断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 記録手段から被記録材へインクを吐出し
て記録を行うインクジェット記録装置において、 記録手段の吐出口面に対し押圧されて該吐出口面をキャ
ッピングするキャップと、該キャップ内に連通するイン
ク吸引口を有するシリンダ内でピストンを移動させるこ
とにより該インク吸引口を開閉して負圧吸引するポンプ
と、を備え、 前記記録手段が記録装置に装着されていないときに、前
記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピストンの停止
位置を前記インク吸引口を塞ぐ位置とし、前記記録手段
が記録装置に装着されているときに、前記吐出口面のキ
ャッピング終了時の前記ピストンの停止位置を前記イン
ク吸引口を塞がない位置とすることを特徴とするインク
ジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記記録手段が記録装置に装着されてい
るときに、前記吐出口面のキャッピング終了時の前記ピ
ストンの停止位置を、前記インク吸引口より上流側の位
置とし、該インク吸引口を前記シリンダの大気開放側へ
連通させることを特徴とする請求項1のインクジェット
記録装置。 - 【請求項3】 前記記録手段がインクを吐出するために
利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備え
ているインクジェット記録手段であることを特徴とする
請求項1または2のインクジェット記録装置。 - 【請求項4】 前記記録手段が前記電気熱変換体が発生
する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用し
て吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請求
項3のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5674095A JP3233546B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5674095A JP3233546B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | インクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08224882A JPH08224882A (ja) | 1996-09-03 |
JP3233546B2 true JP3233546B2 (ja) | 2001-11-26 |
Family
ID=13035931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5674095A Expired - Fee Related JP3233546B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3233546B2 (ja) |
-
1995
- 1995-02-21 JP JP5674095A patent/JP3233546B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08224882A (ja) | 1996-09-03 |
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