JP3232846B2 - キャリア - Google Patents

キャリア

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JP3232846B2
JP3232846B2 JP01241394A JP1241394A JP3232846B2 JP 3232846 B2 JP3232846 B2 JP 3232846B2 JP 01241394 A JP01241394 A JP 01241394A JP 1241394 A JP1241394 A JP 1241394A JP 3232846 B2 JP3232846 B2 JP 3232846B2
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広志 芝野
智晴 西川
浩一 武中
英明 安永
綾乃 瀬尾
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ミノルタ株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電潜像を現像するた
めの二成分現像剤に使用されるキャリア、特にバインダ
ー樹脂中に磁性粉を分散してなるキャリアに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機あるいはプリンタ
ー等に使用される現像剤として、トナーおよび鉄粉等の
磁性キャリアからなる二成分現像剤が知られている。こ
のような二成分現像剤を使用した現像方法においては、
キャリア粒子間の磁気強度が大きすぎて磁気ブラシの穂
が硬くなり、黒べたの画像中に白スジが発生する等の問
題が生じる。また、鉄粉キャリアではキャリア自体の体
積固有電気抵抗が低いため、連続使用等により現像剤中
のトナー濃度が低下すると、静電潜像担持体上の電荷が
キャリアを介して逃げてしまって潜像が乱れ、画像に欠
損等が生じたり、現像スリーブからキャリアへの電荷の
注入によりキャリアが画像部に付着したりする問題が生
じる。また、鉄粉等の硬いキャリアが静電潜像担持体に
付着すると、残留トナーを除去する際に静電潜像担持体
表面を傷付けることがある。
【0003】このような問題を解決するために磁性微粉
末をバインダー樹脂中に分散してなるバインダー型キャ
リアが提案されている。バインダ−型キャリアは、鉄粉
等のキャリアに較べて一般に現像装置における磁場中で
の磁化が低く、ソフトな穂を形成することができ、キャ
リアによる白スジのない優れた画像を得られる利点を有
している。
【0004】近年、二成分現像剤を使用する複写機、プ
リンタ等の画像形成装置が広く普及するに従ってその用
途も多種多様に広がってきている。そして画像品質への
要求も厳しくなってきており、画質の良否がトナー粒径
に左右されるため、小粒径トナーの使用が提案されてき
ている。トナーの粒径を小さくすると、トナ−単位体積
当りの比表面積が増大し、現像剤の流動性が劣化した
り、トナ−の荷電の立ち上がりが低下したりするという
問題が生じる。トナ−の荷電性の問題を解消するにはキ
ャリアを小粒径にすることが有効である。しかし、キャ
リアの小粒径化では、現像剤の流動性の低下の問題は何
等解決されず逆に助長される傾向にあり、さらに、キャ
リアが静電潜像担持体に付着し画像上に現像されてしま
うキャリア付着の問題も生じてしまう。キャリア付着を
防止するにはキャリアの飽和磁化を高くすることが考え
られるが、単に飽和磁化を高くしただけでは、磁気ブラ
シの穂が堅くなり、ハーフトーン画像に白スジが生じた
り、細線の再現性が低下したりする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、上述した
問題を解消することを目的とするものであり、トナ−に
対する荷電性および流動性を向上させるとともに、キャ
リア付着を防止し、さらに細線の再現性に優れたキャリ
アを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、二成分現像
剤に用いるキャリアにおいて、バインダー樹脂中に磁性
粉末を分散してなり、平均粒径35〜50μm、飽和磁
化55emu/g以上の第1粒子と、バインダー樹脂中
に磁性粉末を分散してなり、平均粒径80〜150μ
m、飽和磁化50emu/g以下および残留磁化10e
mu/g以下である第2粒子とからなり、第1粒子の含
有量が30〜70重量%であるキャリアに関する。
【0007】本発明に使用するキャリアは、バインダー
樹脂中に磁性微粉末を分散してなるバインダー型キャリ
アを使用する。そして、バインダー型キャリアとして、
平均粒径、磁気特性の異なる第1粒子と第2粒子とを混
合して使用する。
【0008】第1粒子としては、平均粒径が35〜50
μmおよび飽和磁化55emu/g以上、好ましくは6
0〜65emu/gのものを使用する。飽和磁化が55
emu/gより小さいとキャリア付着が生じ易くなる。
このような第1粒子の使用によって、小粒径トナ−に対
する帯電安定性、細線およびハ−フト−ン再現性、耐久
性を向上させることができる。
【0009】第2粒子としては、平均粒径が80〜15
0μm、好ましくは90〜100μm、飽和磁化50
mu/g以下、好ましくは45〜50emu/gおよび
残留磁化10emu/g以下のものを使用する。飽和磁
化が50emu/gより大きいと流動性、細線再現性に
悪影響を及ぼす。また、残留磁化が10emu/gより
も大きいと現像ローラから回収されたキャリアの現像器
中での流動性が悪くなり、現像剤の片寄りや凝集物の発
生による複写画像の劣化の問題が生じる。上記特性を有
する第2粒子の使用によって、現像剤の流動性や凝集性
を向上させることができる。
【0010】そして、キャリア中に含有される第1粒子
の含有量を30〜70重量%、好ましくは30〜50重
量%に調整することにより、上述した流動性、キャリア
付着、帯電安定性および細線再現性等について優れた特
性を有するキャリアを得ることができる。
【0011】本発明において、最終的に得られたキャリ
アは、飽和磁化50〜60emu/g、平均粒径65〜
80μmという特性を有していることが好ましい。
【0012】本発明のキャリアに用いるバインダー樹脂
としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)
アクリル系樹脂、スチレンーアクリル共重合系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系
樹脂等が使用可能である。
【0013】本発明のキャリアに用いる磁性粉として
は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、これら
の金属と亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、
ビスマス、ベリリウム、マンガン、セレン、タングステ
ン、ジルコニウム、バナジウム等の金属との合金あるい
は混合物、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、等
の金属酸化物との混合物、および強磁性フェライト、マ
グネタイト並びにこれらの混合物が使用可能である。
【0014】これらの磁性粉の粒径は、バインダー中で
の均一分散の観点から一次粒径が5μm以下、好ましく
は2μm以下、より好ましくは0.1〜1μmであるこ
とが望ましい。
【0015】また、本発明のキャリアにおいては、カー
ボンブラック、シリカ、チタニア、アルミナ等の分散剤
を含有しても良い。分散剤を含有することによりバイン
ダ樹脂中の磁性粉の均一分散性を向上させることができ
る。分散剤の含有量はキャリアに対して0.01〜3重
量%とすることが好ましい。
【0016】本発明のキャリアは、例えばバインダ樹脂
と磁性粉を所定の混合比で加熱混合し、冷却後粉砕・分
級する方法、あるいはバインダ樹脂を溶剤に溶解し、こ
の樹脂溶液に磁性粉を分散させた後、スプレードライす
る方法等により製造することができる。
【0017】また、本願発明のキャリアは、分級工程の
後で加熱処理を行っても良い。加熱処理はキャリアを気
流中に噴出して瞬間的に加熱処理を施すことが望まし
く、このような加熱処理装置としては、例えばサフュー
ジングシステム(日本ニューマチック工業社製)等を使
用することができ、加熱温度は約150〜350℃程度
で行うことが好ましい。このような加熱処理により、キ
ャリアの表面状態を改質することができ、繰り返し使用
時にも磁性粉の脱離等のない優れた耐久性を有するキャ
リアを得ることができる。
【0018】本願発明のキャリアと組み合わせて使用す
るトナ−としては、体積平均粒径が9μm以下、好まし
くは4〜9μmの小粒径トナ−を使用することが高精細
画像再現性が向上の観点から望ましい。そして、このよ
うな小粒径トナ−と上記本発明のキャリアとを組み合わ
せて使用することにより、小粒径トナ−における流動性
の不足および帯電不良の問題を良好に向上させることが
できる。
【0019】本発明に係るトナ−は、公知の方法により
製造したトナー、例えば懸濁重合法、粉砕法、マイクロ
カプセル法、スプレードライ法、メカノケミカル法等で
製造されたトナーが使用可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するがこ
れに限定されるものではない。
【0021】 (正帯電性トナ−の製造) 成 分 重量部 ・スチレン−n−ブチルメタクリレ−ト樹脂 100 (軟化点:132℃、ガラス転移点:60℃) ・カーボンブラック(MA#8:三菱化成工業社製) 8 ・ニグロシン染料(ボントロンN−01:オリエント化学工業社製) 5 ・低分子量ポリプロピレン(ビスコ−ル550P:三洋化成社製) 3 上記材料をボ−ルミルで十分混合した後、140℃に加
熱した二軸押し出し混練機で混練した。冷却した混練物
を粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した後風力分
級して平均粒径9μmのトナ−を得た。そして、このト
ナ−に対して疎水性シリカ(R972:日本アエロジル
社製)を0.1重量%添加し、ヘンシェルミキサーによ
り混合して正帯電性トナ−を得た。
【0022】(比較例1) 成 分 重量部 ・ポリエステル樹脂(タフトンNE1110:花王社製) 100 ・フェライト粉末(MFP−2:TDK社製) 700 ・カーボンブラック(ケッチェンブラック:ライオンアクゾ社製) 2 ・シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5 上記材料をヘンシェルミキサ−で十分混合し、加圧ニ−
ダ−で溶融・混練した後、冷却した混練物をジェットミ
ルで粉砕し、分級機(マルチプレックス)で分級した。
得られた粒子をサフュ−ジングシステムにより加熱処理
し平均粒径40μmのキャリアAを得た。キャリアAの
飽和磁化は58.7emu/g、残留磁化は15.6e
mu/g(外部磁場の強さ1KOeにおいて)であっ
た。なお、飽和磁化および残留磁化は直流磁化特性自動
記録装置(TYPE−3257:横河北辰電機社製)に
より測定した。
【0023】上記トナー製造例で得られたトナーとキャ
リアAとをトナ−濃度5重量%となるように混合して現
像剤を得た。この現像剤について、評価機として複写機
EP−5400(ミノルタカメラ社製)を使用して連続
1000枚の画出し評価を行った。
【0024】キャリアAを用いた現像剤では、画像への
キャリア付着の発生はなかったが、キャリア回収量が多
かった(1000枚複写につき0.5g)。また、ハ−
フト−ン再現性および細線再現性に優れており、耐刷後
も画質の変化およびトナ−カブリの発生もなかった。し
かしながら、現像剤の流動性が悪く、耐刷により現像器
奥側に現像剤が集中し、少量の凝集物が発生した。
【0025】(比較例2)キャリアAの製造において、
フェライト粉末の添加量を400重量部にする以外は同
様の材料を使用し、粉砕条件を変更する以外は同様の方
法で平均粒径90μmのキャリアBを得た。キャリアB
の飽和磁化は46.9emu/g、残留磁化は9.9e
mu/gであった。キャリアBについて比較例1と同様
にして評価を行った。
【0026】キャリアBを用いた現像剤では、画像への
キャリア付着の発生はなく、キャリア回収量も少なかっ
た(5mg以下/1000枚)。ハ−フト−ン再現性お
よび細線再現性が悪く、特にハ−フト−ンのキメが悪か
った。また、トナ−補給時にトナ−カブリが発生し、さ
らに耐刷後トナ−カブリが発生した。現像剤の流動性は
優れており、耐刷後も現像剤の片寄りや凝集は発生しな
かった。
【0027】(実施例1)キャリアAとキャリアBとを
重量比5:5の割合で混合しキャリアCを得た。キャリ
アCの平均粒径は53μm、飽和磁化は55.7emu
/g、残留磁化は13.2emu/gであった。キャリ
アCについて比較例1と同様にして評価を行った。
【0028】キャリアCを用いた現像剤では、画像への
キャリア付着の発生はなく、キャリア回収量も少なかっ
た(5mg以下/1000枚)。また、ハ−フト−ン再
現性および細線再現性は良好であり、耐刷後も画質の変
化は小さくトナ−補給時にもトナ−カブリは発生しなか
った。さらに、現像剤の流動性は優れており、耐刷後も
現像器奥側での現像剤の片寄りや凝集物は発生しなかっ
た。
【0029】(実施例2)キャリアAとキャリアBとを
重量比4:6の割合で混合しキャリアDを得た。キャリ
アDの平均粒径は60μm、飽和磁化は54.0emu
/g、残留磁化は12.4emu/gであった。キャリ
アDについて比較例1と同様にして評価を行った。
【0030】キャリアDを用いた現像剤では、画像への
キャリア付着の発生はなく、キャリア回収量も少なかっ
た(5mg以下/1000枚)。また、ハ−フト−ン再
現性および細線再現性は良好であり、耐刷後も画質の変
化は小さくトナ−補給時にもトナ−カブリは発生しなか
った。さらに、現像剤の流動性は優れており、耐刷後も
現像器奥側での現像剤の片寄りや凝集物は発生しなかっ
た。
【0031】(実施例3)キャリアAとキャリアBとを
重量比3:7の割合で混合しキャリアEを得た。キャリ
アEの平均粒径は75μm、飽和磁化は52.2emu
/g、残留磁化は11.9emu/gであった。キャリ
アEについて比較例1と同様にして評価を行った。
【0032】キャリアEを用いた現像剤では、画像への
キャリア付着の発生はなく、キャリア回収量も少なかっ
た(5mg以下/1000枚)。また、ハ−フト−ン再
現性および細線再現性は良好であり、耐刷後も画質の変
化は小さくトナ−補給時にもトナ−カブリは発生しなか
った。さらに、現像剤の流動性は優れており、耐刷後も
現像器奥側での現像剤の片寄りや凝集物は発生しなかっ
た。
【0033】(比較例3)キャリアBの製造において、
フェライト粉末の添加量を700重量部にする以外は同
様の方法で平均粒径90μmのキャリアFを得た。キャ
リアFの飽和磁化は60.1emu/g、残留磁化は1
6.3emu/gであった。キャリアFについて比較例
1と同様にして評価を行った。キャリアFを用いた現像
剤では、画像へのキャリア付着の発生はなく、キャリア
回収量も少なかった(5mg以下/1000枚)。しか
し、ハ−フト−ン再現性および細線再現性が悪く、トナ
−カブリが発生した。
【0034】(比較例4)キャリアAの製造において、
フェライト粉末の添加量を400重量部にする以外は同
様の方法で平均粒径40μmのキャリアGを得た。キャ
リアGの飽和磁化は45.8emu/g、残留磁化は
9.6emu/gであった。キャリアGについて比較例
1と同様にして評価を行った。キャリアGを用いた現像
剤では、画像へのキャリア付着が大量に発生し、キャリ
ア回収量も多かった(0.5g以上/1000枚)。し
かし、ハ−フト−ン再現性および細線再現性等の画質は
優れていた。
【0035】(比較例5)キャリアFとキャリアGとを
重量比5:5の割合で混合しキャリアHを得た。キャリ
アHを用いた現像剤では、画像へのキャリア付着が多
く、キャリア回収量も多かった(0.5g以上/100
0枚)。また、ハ−フト−ン再現性および細線再現性等
の画質も悪く、トナ−カブリも発生した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、トナ−荷電性、流動
性、キャリア付着および細線再現性に対して優れた特性
を有するキャリアを提供することができる。
【0037】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬尾 綾乃 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 審査官 淺野 美奈 (56)参考文献 特開 昭62−38476(JP,A) 特開 昭60−131546(JP,A) 特開 昭58−114045(JP,A) 特開 昭61−29856(JP,A) 特開 昭58−140753(JP,A) 特開 昭59−192262(JP,A) 特開 昭60−229037(JP,A) 特開 昭60−35764(JP,A) 特開 平4−83274(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/10 - 9/107

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二成分現像剤に用いるキャリアにおい
    て、バインダー樹脂中に磁性粉末を分散してなり、平均
    粒径35〜50μm、飽和磁化55emu/g以上の第
    1粒子と、バインダー樹脂中に磁性粉末を分散してな
    り、平均粒径80〜150μm、飽和磁化50emu/
    g以下および残留磁化10emu/g以下である第2粒
    子とからなり、第1粒子の含有量が30〜70重量%で
    あることを特徴とするキャリア。
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