JP3232777B2 - アルミニウム無電解メッキ法 - Google Patents

アルミニウム無電解メッキ法

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JP3232777B2 JP12370393A JP12370393A JP3232777B2 JP 3232777 B2 JP3232777 B2 JP 3232777B2 JP 12370393 A JP12370393 A JP 12370393A JP 12370393 A JP12370393 A JP 12370393A JP 3232777 B2 JP3232777 B2 JP 3232777B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物をアルミニウム
の薄膜で被覆して対象物の耐食性ならびに耐磨耗性を向
上させるための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは、種々の物体を被覆して
耐食性ならびに耐磨耗性を向上させるのに有用な材料で
あることはよく知られている。アルミニウムは硬度と強
度との両方を兼ね備えている。アルミニウムの表面に硬
く靱性に富んだ酸化膜が形成された場合には腐食に対し
ても高い抵抗力が得られる。アルミニウムによる被覆
は、非水性の溶媒または溶融塩から電気化学的に形成す
ることができるし、溶融金属の溶射あるいはイオンプレ
ーティングによる被覆によっても形成することができ
る。これらの生成方法を用い適切な条件を選ぶことによ
り、高い靱性と硬度をそなえまた大きな耐食性を持ちか
つ孔のない優れたアルミニウム被覆を得ることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
種々の方法は注記すべき欠点を有している。電気化学的
な付着法は電流を通過させることを要するので、1)被
覆されるべき対象物に電極を取り付けることが必要であ
り、2)対象物自体が導電性であることが必要である。
電極を取り付ける結果、電極を取り付けた箇所には電気
メッキが行われず、電気メッキを再度行うか或るいは適
宜のタッチアップ等の事後処理を行って電気メッキが行
われずに残っている箇所を被覆することが必要となる。
また、対象物自体が導電性でない場合にはアルミニウム
電気メッキに先立って対象物表面に導電層を形成してや
ることが必要となる。さらにまた、電気メッキはその本
質として電力の供給を必要としこのためコストが高価と
なる。
【0004】溶融アルミニウムを溶射する方法は、高温
に加熱することと、対象物に溶融アルミニウムを吹きつ
けるための複雑なスプレーガンを必要とする。また、吹
きつけられた溶融アルミニウムは対象物表面に接触して
急冷されるので、対象物表面の微細な孔までも完全に被
覆することは困難である。また、イオンプレーティング
法は、電気メッキ法や溶射法にくらべて更にコストが高
くなる。従って、この方法は、コストを考慮しなくても
良いような特殊な用途にしか使用しえない。
【0005】本発明は、基板に電流を通じることを要さ
ず、アルミニウムを高温に加熱して溶融ことを要さず、
また複雑かつ高価な電離(イオン化)装置を用いること
を要さずに、よく知られたアルミニウム被覆の利点を発
揮させることができるようにすることを目的としてい
る。本発明によれば、無電解メッキによって、ピンホー
ルの無い薄いアルミニウム被膜を基板上に形成すること
ができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、MCl
が飽和した(但しMはイオンを形成する金属元素)金属
MAlCl4溶融塩中にアルミニウム金属を溶解させ、
そこに基板を浸漬することにより金属アルミニウムの薄
膜を前記基板の表面に付着させる。アルミニウムは、固
相のアルミニウムまたはアルミニウム合金を溶融塩中に
懸濁させることにより溶融塩中に溶解されてもよく、こ
の場合前記アルミニウムまたはアルミニウム合金は、粉
体、粒体、ショット、ペレット、線状、棒状、タブレッ
ト、チップ、塊状、シートあるいは箔のいずれかのかた
ちのものであってもよい。アルミニウムを溶解させる他
の方法として、主にアルミニウムまたはアルミニウム合
金でできた容器中に収容することにより溶解を行っても
よい。前記溶融塩中のM+イオンは、Li+,Na+
+,Rb+,Cs+、NH4 +単独あるいは複数であって
もよい。前記溶融塩の温度が、200〜600℃の範囲
にあることが望ましい。前記アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の表面を、硝酸あるいは硝酸を含む酸の混合
物で処理することにより活性化することが望ましい。
【0007】
【作用】MAlCl4型の溶融塩は、今までも、種々の
対象物に対してアルミニウムメッキを施すために用いら
れてきた。しかしながら、本発明以前においては、MC
lが飽和したMAlCl4溶融塩(M+イオンがLi+
Na+,K+,Rb+,Cs+あるいはNH4 +それぞれが単
独あるいは複数)では、浴が充分高温に加熱されてもア
ルミニウムが自然に溶解するという現象は認識されてい
なかった。このような溶解が如何なるメカニズムで行わ
れるのかは未だ明確ではないが、おそらくはMAlCl
4のAl3+イオンと金属アルミニウムと均等化反応の結
果還元されたアルミニウム錯体が生じることによるもの
と思われる。このような反応は、ガリウムやインジウム
についてはよく知られているが、アルミニウムに関して
は、特に高温にするかあるいは気相を用いる場合以外に
ついては知られていなかった。
【0008】アルミニウムの溶融塩中への溶解のメカニ
ズムにはかかわりなく、溶解されたアルミニウム種の安
定性はそれほど高くない。そのような安定性の欠如の結
果、基板を溶融塩の浴に浸漬した場合には基板の表面に
溶解アルミニウムが自然に付着する。換言すれば無電解
メッキが行われるのである。アルミニウムの溶解反応と
付着反応とは平衡して起こる。従って金属アルミニウム
と等電位のアルミニウム膜を形成するような厚さに付着
アルミニウム層の厚さが制限される。この結果、均一
な、ピンホールの無い、薄いアルミニウム被覆層が形成
され、基板中の微細な孔を覆い充填する。基板を浴から
取り出したあと水洗することにより過剰の電解液が容易
に取り除かれる。他のアルミニウムメッキにおける場合
と同様に、例えば陽極酸化や異金属によるメッキなどの
後続処理を行うことが可能である。
【0009】
【実施例】(実施例1) アルミニウムマグネシウム合金製の容器中のKClが飽
和したKAlCl4の浴を450℃に加熱する。浴に溶
融塩を充填するのに先立ち、浴の表面を硝酸酸50%弗
化水素酸50%を含む酸混合液でエッチングする。この
浴中にニッケル基板を48時間浸漬する。走査型電子顕
微鏡で観察することにより、均一かつ平滑なアルミニウ
ムの被覆が形成されていることがわかる。上記の処理さ
れたニッケル基板の表面を蛍光X線による元素分析を行
いその結果を図1に示す。強いアルミニウムのピークが
存在することがはっきりとわかる。上記の処理を施さな
いニッケル基板の表面を蛍光X線による元素分析を行
い、その結果を図2に示す。その基板においてはアルミ
ニウムが存在しないことが明瞭に理解されるであろう。
【0010】(実施例2) ニッケル容器中にNaClが飽和したNaAlCl4
浴を作成し、酸素濃度が1ppm以下、水分濃度が1p
pm以下のアルゴン不活性雰囲気のグローブボックス中
において400℃まで加熱する。この溶融塩浴に20個
のアルミニウムペレットを投入する。このアルミニウム
ペレットは、予め、りん酸80%硝酸10%を含む酸混
合液で処理され、イオンを除去した水で洗い次いで乾燥
したものである。浴を400℃に設定し平衡状態で数日
間保持する。炭素鋼基板を脱脂し、標準的な方法で化学
的にエッチングし、乾燥してからグローブボックス中に
搬入する。基板を浴中に浸漬し24時間放置してから浴
から取り出す。室温まで冷却した後、被覆された基板を
不活性雰囲気のグローブボックスから取り出し、イオン
を除去した水を用い数分間ビーカー中で煮沸することに
より洗浄し、真空中において乾燥する。走査型電子顕微
鏡で観察すると均一かつ平滑なアルミニウムの被覆が形
成されていることがわかる。
【0011】(実施例3) ステンレス鋼製の容器中にLiClが飽和したLiAl
Cl4の浴を250℃に加熱する。ロッドの形態をなす
10グラム以上のアルミニウムをこの溶融塩浴に加え
る。このアルミニウムロッドは、予め、希釈された硝酸
で処理したものである。この浴中にネオヂウムー鉄ーほ
う素基板を48時間浸漬してから取り出す。走査型電子
顕微鏡で観察すると、均一かつ平滑なアルミニウムの被
覆が形成されていることがわかる。
【0012】
【発明の効果】本発明は、基板に電流を通じることを要
さず、アルミニウムを高温に加熱して溶融ことを要さ
ず、また複雑かつ高価な電離(イオン化)装置を用いる
ことを要さずに、よく知られたアルミニウム被覆の利点
を発揮させることを可能にする。本発明の条件に従え
ば、無電解メッキによって、ピンホールの無い薄い均一
なアルミニウム被膜を基板上に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム無電解メッキ法で処理したニッケ
ル基板の表面の蛍光X線による元素分析結果の図。
【図2】アルミニウム無電解メッキ法で処理していない
ニッケル基板の表面の蛍光X線による元素分析結果の
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−19635(JP,A) 特開 平4−26778(JP,A) 特開 昭61−64370(JP,A) 特開 昭61−68177(JP,A) 特公 昭41−20682(JP,B1) 特公 昭46−42203(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MClが飽和した(但しMはイオンを形
    成する金属元素)MAlCl4溶融塩中にアルミニウム
    金属を溶解させ、そこに基板を浸漬することにより金属
    アルミニウムの薄膜を前記基板の表面に付着させること
    を特徴とするアルミニウム無電解メッキ法。
  2. 【請求項2】 前記溶融塩浴が固相のアルミニウムまた
    はアルミニウム合金を溶融塩中に懸濁して生成されたも
    のであり、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金
    が、粉体、粒体、ショット、ペレット、線状、棒状、タ
    ブレット状、チップ状、塊状、シート状あるいは箔の単
    独あるいは複数の形態のものであることを特徴とする請
    求項1記載のアルミニウム無電解メッキ法。
  3. 【請求項3】 前記溶融塩浴が、溶融塩を、主にアルミ
    ニウムまたはアルミニウム合金でできた容器中に収容す
    ることにより生成されたものであることを特徴とする請
    求項1に記載のアルミニウム無電解メッキ法。
  4. 【請求項4】 前記溶融塩中のM+イオンが、Li+、N
    +、K+、Rb+、Cs+、NH4 +の単独あるいは複数で
    あることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム無
    電解メッキ法。
  5. 【請求項5】 前記基板がアルミニウムによって効果的
    に被覆される前記溶融塩の温度が、200〜600℃で
    あることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム無
    電解メッキ法。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウムまたはアルミニウム合
    金の表面を、硝酸あるいは硝酸を含む酸の混合物で処理
    し活性化することを特徴とする請求項2に記載のアルミ
    ニウム無電解メッキ法。
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