JP2010174315A - 被膜を有するマグネシウム合金部材およびその製造方法 - Google Patents

被膜を有するマグネシウム合金部材およびその製造方法 Download PDF

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裕之 星
Keiichi Itakura
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Abstract

【課題】 マグネシウム合金上に有害物質を使用しない方法を用いて高耐食性を有し且つ金属質感及びカラーバリエーションに富んだ被膜を形成し、更に生産性が良くリサイクル性も良好なめっき膜を提供することを目的とする。
【解決手段】 本願第一の発明は被膜を有するマグネシウム合金部材であり、マグネシウム合金からなる母材と、該母材側から順に亜鉛めっき皮膜とアルミニウムめっき皮膜とを有し、亜鉛が母材側に浸透していることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

マグネシウム合金の高耐食被膜形成方法及びそれを用いて製造したマグネシウム合金部材に関する。
マグネシウムはアルミニウムに比べて密度が約2/3と軽く、薄板とした時の強度が強いことから実用化が期待されている。ところが、マグネシウム及びその合金は非常に錆びやすい性質を持っているため、防錆のための表面処理が必要となる。現在、マグネシウム合金の表面処理には主に塗装が用いられているが、金属質感を持つ表面処理も要求されており、めっきによる表面処理が注目されている。
アルミニウム被膜の製膜方法としては溶融めっきが一般的であるが、マグネシウムの融点(650℃)はアルミニウムの融点(660.2℃)よりも低いため、めっき中に素地のマグネシウムが溶解する。別の製膜方法としては蒸着がよく知られているが、製膜速度が遅いためマグネシウム上に十分な耐食性をもつ厚さの膜を形成するには長時間を必要とする。一方、実用化された例は少ないものの低温で短時間にアルミニウムを製膜する方法として電気アルミニウムめっき法がある。電気アルミニウムめっき法は、めっき膜に環境および人体に影響を与える重金属を含まないことから、古くから研究が行われている。水溶液中におけるアルミニウム電析の電位は水素発生の電位よりも卑であるため、水溶液からめっきを行う場合、アルミニウムの電析より優先して水の電気分解が生じる。従って、水溶液からの電気アルミニウムめっきは不可能とされており、溶媒にはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン等の非水溶媒が使用されている。アルミニウム源となる溶質には、アルミニウムハロゲン化物やアルキルアルミニウムが用いられる。これらの溶質は水分と反応しやすく、空気中の水分を容易に吸収するため、電気アルミニウムめっきでは雰囲気の制御が重要である。
アルミニウムめっき膜の表面は、陽極酸化することで高耐食性を持つ被膜とすることができる。また、陽極酸化後に着色を行うことで、様々な外観を持つ被膜を形成することができる。
特許2751530号 特開2006−233315号 特願2007−178771号 特願2008−100765号
マグネシウム合金表面には自然酸化による酸化膜が生成するため、マグネシウム合金にめっきを行うには前処理による酸化膜の除去が重要となる。ところが、上述のように電気アルミニウムめっき液は水分の影響を受けやすい特性をもっているため、被めっき物が充分乾燥した状態でめっきしなければならない。従って、酸化膜を除去し、且つ乾燥により自然酸化膜を生成しない前処理が必要となる。
特許文献1では、酸化防止膜として亜鉛/銅めっきを用い、マグネシウム合金に亜鉛/銅/ニッケル/アルミニウムの4層構造を持つめっき膜の形成方法が報告されている。これらのめっきプロセスではマグネシウム酸化膜除去のための前処理でクロム酸等の物質を含有する液を使用し、銅めっき工程では青酸を含有する液を使用しており自然環境への影響や作業の安全性に課題がある。
特許文献2には青酸、クロム酸などの有害物質を使用しない前処理プロセスを用いてニッケルめっきを行い、更に電気アルミニウムめっきを行うことによりニッケル/アルミニウムの二層構造を持つめっき膜の形成方法が報告されているが、アルミニウムめっき液の腐食性が強いためニッケルめっき膜のピンホールを通してマグネシウム合金からなる素地が溶出し、その結果ニッケルめっき膜の密着性が低下することがある。
特許文献3及び特許文献4ではマグネシウム合金に導電性陽極酸化処理又は導電性化成処理を行い、更に電気亜鉛めっきを行うことで酸化防止膜を得る方法が報告されているが、いずれも水溶液を用いた処理であるため水洗・乾燥不足による化成液の残渣が生じ、異種金属をめっきした場合に電食により素地の腐食を促進させる恐れがある。
本発明では、マグネシウム合金上に有害物質を使用せず、且つ酸等の残留物がなく高耐食性を有し、且つ金属質感及びカラーバリエーションに富んだ被膜を形成することを目的とする。
本発明では、マグネシウム合金上に拡散浸透めっき法により亜鉛被膜を形成し、更に電気アルミニウムめっきを行うことで上記課題を解決した。アルミニウムめっきの下地として拡散浸透亜鉛めっきを行うことで、腐食性の強いアルミニウムめっき液とマグネシウム素材との反応を防止するとともに、マグネシウム合金上に優れた密着性を持つ被膜を形成することができる。亜鉛めっき膜はアルミニウムめっき膜と似た銀色を呈しており、アルミニウムめっき膜が傷付いた際に亜鉛めっき膜が露出しても顕著な色調変化はない。また、AZ系マグネシウム合金は亜鉛及びアルミニウムを含有しているので、廃棄の際にめっき膜を剥離することなく再溶解してもリサイクルが可能となる。リサイクルの際にアルミニウムめっき膜の陽極酸化膜を除去したいときはアルカリ性溶液で溶かすことで容易に除去できる。
すなわち本願第一の発明は被膜を有するマグネシウム合金部材であり、マグネシウム合金からなる母材と、該母材側から順に亜鉛めっき皮膜とアルミニウムめっき皮膜とを有し、亜鉛が母材側に浸透していることを特徴とする。
本発明では、前記アルミニウムめっき皮膜の一部(表面)を酸化皮膜とすると耐食性が更に向上する。
本願第二の発明は被膜を有するマグネシウム合金部材の製造方法であり、マグネシウム合金上に拡散浸透めっき法によって亜鉛皮膜を形成し、その上に電気めっきによってアルミニウム皮膜を形成することを特徴とする。
本発明では、前記アルミニウム皮膜の一部(表面)を酸化して酸化皮膜とすることが好ましい。
AZ31、AZ91等のマグネシウム合金は卑な金属でありpH<12の水溶液中で溶解し易い。従って、亜鉛めっきなどの酸性水溶液を用いためっきを行う場合には耐酸性の保護膜を形成する必要がある。保護膜としては水分や酸などが残留しない方法が好ましい。また、続けて電気アルミニウムめっきを行うためには導電性のある金属をコーティングすることが好ましい。マグネシウム合金に水分や酸の残留無しに直接金属をコーティングする方法として拡散浸透めっきや溶融めっき、溶射などが挙げられる。これらはいずれも処理中に試料が高温に曝され、融点の低いマグネシウム合金が溶解する恐れがあるが、拡散浸透めっきは比較的低温での処理が可能であり、マグネシウム合金への電気めっきの前処理として適している。拡散浸透亜鉛めっき膜の厚さは5〜20μmが好ましい。膜厚が5μm未満では亜鉛めっき膜にピンホールが多いため電気アルミニウムめっきの際にマグネシウム素地を腐食する可能性がある。一方、膜厚が20μmを超えると亜鉛めっき膜の効果が飽和し、重量増加によりマグネシウムによる軽量化の効果が小さくなる。
アルミニウムめっき膜厚は10〜100μmであることが好ましい。膜厚が10μm未満になると、アルミニウムめっき膜のピンホールが顕著となり、後の表面酸化の際に亜鉛めっきしたマグネシウム合金素地を侵食する恐れがある。また、膜厚が100μmを超えると試料エッジにおける瘤状電析が顕著となる。
アルミニウムめっき膜の表面を酸化して形成するアルミニウム酸化膜の厚さは10nm以上が好ましい。10nm未満ではアルミニウムめっき膜の酸化が生じ、外観にムラを生じやすくなる。
本発明を用いれば、マグネシウム合金上に金属光沢とカラーバリエーションを持ち、且つ耐食性の良い被膜を得ることができる。
実施例のアルミニウムめっき膜外観 碁盤目密着性試験結果 GD−OES結果 塩水噴霧試験結果
本発明のマグネシウム合金用高耐食コーティングについて、その一例を以下に述べる。なお、亜鉛めっき及びアルミニウムめっき液は実施例に記載のものに限らず、どのようなめっき液でも適用可能である。
(比較例1)
被めっき試料には、60mm×80mm×1mm厚のマグネシウム合金(AZ31)板を使用した。ジメチルスルホン5.0molに対して無水塩化アルミニウム1.0molを溶融させて作製しためっき液を用いて、試料に前処理無し(表面にマグネシウム合金の酸化物層を残したまま)に直接電気アルミニウムめっきを行ったが、電析物は黒色の粉状となり被膜を形成しなかった。
(実施例1)
マグネシウム合金板の表面の酸化膜をブラスト研磨にて除去後、亜鉛粉末と酸化亜鉛粉末の混合粉末中で400℃に加熱しながら回転させ厚さ約5μmの拡散浸透亜鉛めっき被膜を形成した。その上に比較例1と同じ電気アルミニウムめっき液により、3A/dm2の電流密度で約40μmのアルミニウムめっき膜を形成した。その結果、図1に示すような白色のアルミニウムめっき膜を得た。碁盤目密着性試験(JIS K 5400)の結果、図2に示すように被膜は剥離せず密着性は良好であった。図3に示すGD-OESによる成分分析結果より亜鉛めっき膜はマグネシウム母材中に浸透しており、これにより優れた密着性を有していたものと考えられる。100℃の熱水に1時間浸漬することにより約20nmの酸化膜を形成した後、塩水噴霧試験を行った結果を図4に示す。アルミニウムの酸化による膜の変色は認められるものの96時間以上錆の発生は認められず良好な耐食性を示した。
(実施例2)
マグネシウム合金上に実施例1と同じ方法で約10μmの亜鉛めっき膜を形成後、40μmの電気アルミニウムめっき膜を形成した結果、実施例1と同様に均一な白色の外観を持つアルミニウムめっき膜が生成した。更に、熱水酸化により約20nmの酸化膜を形成後は塩水噴霧試験144時間後も錆の発生は認められなかった。
(実施例3)
マグネシウム合金上に実施例1と同じ方法で約20μmの亜鉛めっき膜を形成後、40μmの電気アルミニウムめっき膜を形成した結果、実施例1と同様に均一な白色の外観を持つアルミニウムめっき膜が生成した。更に、熱水酸化により約20nmの酸化膜を形成後は塩水噴霧試験144時間後も錆の発生は認められなかった。
(比較例2)
マグネシウム合金上に実施例1と同じ方法で約1μmの亜鉛めっき膜を形成後、室温に放置することでピンホール部よりマグネシウム素材の腐食が認められた。その上に約40μmの電気アルミニウムめっき膜を形成した結果、腐食部分にフクレを生じた。
本発明により、有害物質を使用せず且つ酸等の残留物がなく高耐食性を有し、且つ金属質感及びカラーバリエーションに富んだ被膜を有するマグネシウム合金を提供することができる。

Claims (4)

  1. マグネシウム合金からなる母材と、該母材側から順に亜鉛めっき皮膜とアルミニウムめっき皮膜とを有し、亜鉛が母材側に浸透していることを特徴とする被膜を有するマグネシウム合金部材。
  2. アルミニウムめっき皮膜の一部を酸化皮膜とする請求項1に記載の被膜を有するマグネシウム合金部材。
  3. マグネシウム合金上に拡散浸透めっき法によって亜鉛皮膜を形成し、その上に電気めっきによってアルミニウム皮膜を形成することを特徴とする被膜を有するマグネシウム合金部材の製造方法。
  4. 前記アルミニウム皮膜の一部を酸化皮膜とする請求項3に記載の被膜を有するマグネシウム合金部材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015198045A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 株式会社オートネットワーク技術研究所 端子金具及びその製造方法
CN111020468A (zh) * 2019-12-20 2020-04-17 北京铁科首钢轨道技术股份有限公司 连续渗锌防腐研究方法

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