JP3232770B2 - 多層構造重合体、その製造方法及び該重合体含有帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

多層構造重合体、その製造方法及び該重合体含有帯電防止性樹脂組成物

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JP3232770B2 JP09924993A JP9924993A JP3232770B2 JP 3232770 B2 JP3232770 B2 JP 3232770B2 JP 09924993 A JP09924993 A JP 09924993A JP 9924993 A JP9924993 A JP 9924993A JP 3232770 B2 JP3232770 B2 JP 3232770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性能を有する
多層構造重合体及びその製造方法並びに該多層構造重合
体を含有した帯電防止性樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に熱可塑性樹脂は、電気抵抗が大き
く摩擦、剥離によって容易に帯電しやすく、ゴミやホコ
リを吸引して外観を損なう等、成形品、シート、フィル
ム、繊維等の分野で様々なトラブルの原因となってい
る。このような帯電しやすい熱可塑性樹脂に帯電防止性
を付与する方法として、種々の帯電防止剤を内部に練り
込む、コロナ処理のごとく表面処理、表面塗布法、帯電
防止性単量体を共重合させる化学的改質法などがある。 【0003】帯電防止性をなるべく永続させ、しかも帯
電防止剤による樹脂特性の低下を抑制するため、重合体
による帯電防止性の付与が提案される様になって来た。
例えば、特開昭55-36237号公報には、共役ジエン又は及
びアクリル酸エステルとポリアルキレンオキサイド基を
有する単量体を主成分とするゴム幹重合体を内層とし、
ビニル単量体又はビニリデン単量体をグラフト共重合し
て得られるグラフト共重合体、及び該グラフト共重合体
と熱可塑性樹脂とからなる制電性樹脂組成物が開示され
ている。さらに、上記制電性樹脂組成物を改良するもの
として、特開昭56-118446号公報には、さらに各種界面
活性剤を添加したものが開示されている。 【0004】特開昭 57-3809号公報には、エチレン系不
飽和単量体を重合した幹粒子に、共役ジェン又は/及び
アクリル酸エステルとポリアルキレンオキサイド単量体
をグラフト重合し、続いてさらにエチレン系不飽和単量
体をグラフト重合した多層型制電性樹脂及び該多層型制
電性樹脂と熱可塑性樹脂とからなる制電性樹脂組成物が
開示されている。特開昭 60-195143号公報には、ゴム状
重合体の存在下又は不存在下にビニル系単量体類を重合
してなるビニル系重合体の存在下に、ポリアルキレンオ
キサイド鎖を有するビニル系単量体を主成分とする単量
体類を乳化重合してなる重合体複合物と、ビニル系重合
体とからなる制電性樹脂組成物が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら帯電防止
剤内部に練り込む法や表面塗布法では、表面に存在する
帯電防止剤が水で洗われたり、摩擦等取扱ううちに除去
してしまい、効果が失われる。また、帯電防止剤が表面
にブリードすることにより粘着性が出てゴミやホコリの
付着が起こり好ましくない。 【0006】特開昭55-36237号公報、特開昭 56-118446
号公報、特開昭 57-3809号公報などの多層制電性樹脂の
構成成分の1つであるポリアルキレンオキサイド基を有
する単量体は、制電性、つまり帯電防止性を発現させる
成分ではあるものの、樹脂本来の耐熱性や機械的物性を
低下させる。 【0007】そこで本発明は、該ポリアルキレンオキサ
イド基を有する単量体の単位使用量当りの帯電防止性能
をなるべく多く発現させ、ひいては樹脂の耐熱性や機械
的物性の低下を抑制する樹脂を提供する。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、(a) 80〜9
9.5重量%のエチレン性不飽和単官能単量体と0.5
〜20重量%のエチレン性不飽和基を2個以上を有する
多官能単量体との架橋重合体でTgが50℃以上のもの
から形成される最内層が全体の10〜50重量%;(b)
共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた、少な
くとも一種の単量体単位からなり、Tgが10℃以下で
ある軟質重合体で形成される第二層が全体の5〜25重
量%;(c) ポリアルキレンオキサイド鎖を有する不飽和
単量体を主成分とする単位からなりTgが10℃以下で
ある重合体で形成される第三層が全体の10〜40重量
%;(d) エチレン性不飽和単官能単量体単位からなり、
Tgが50℃以上である重合体で形成される最外層が全
体の10〜50重量%;からなる多層構造重合体を提供
するもの及び、 【0009】(A) 80〜99.5重合%のエチレン性不
飽和単官能単量体と0.5〜20重量%のエチレン性不
飽和基を2個以上有する多官能単量体との単量体混合物
を、水性媒体中で重合させて最内層の重合体粒子を形成
させ、(B) 次に該最内層の重合体粒子の存在する水性媒
体に、共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた
少なくとも1種の単量体を加えて、被覆重合させ二層重
合体粒子を形成させ、(C) 次に、該二層重合体粒子の存
在する水性媒体に、ポリアルキレンオキサイド鎖を有す
る不飽和単量体を主成分とする不飽和単量体を加えて、
被覆重合させ三層重合体粒子を形成させ、(D) 続いて、
該三層重合体粒子の存在する水性媒体に、少なくとも1
種のエチレン性不飽和単官能単量体を加えて、被覆重合
させ最外層を形成させ、しかも各層を形成する単量体類
の比率が(A)の最内層重合体の割合が10〜50重量%
であり、(B) の二層目の重合体の割合5〜25重量%で
あり、(C) の三層目の重合体の割合が、10〜40重量
%であり、(D) の最外層の割合が10〜50重量%とす
ることを特徴とする多層構造重合体の製造方法を提供す
るもの、さらに 【0010】熱可塑性樹脂100重量部と〔請求項1〕
に記載の多層構造重合体40〜100重量部とからなる
帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。 【0011】本発明の多層構造重合体の最内層を形成す
る重合体を構成するエチレン性不飽和単官能単量体と
は、いわゆる硬質重合体を構成する単量体であって、例
えばメタアクリル酸メチルに代表されるメタアクリル酸
アルキルエステル;メタアクリルアミド、塩化ビニル、
酢酸ビニル、アクリルニトリルに代表されるビニル化合
物;スチレンに代表される芳香族ビニル;アルキルビニ
ルエーテル、アルキルビニルケトン、2−ヒドロキシ
(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニリデンなどの少
なくとも一種である。 【0012】エチレン性不飽和基を2個以上有する多官
能単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノ
ナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
デカエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエ
チレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基を
アクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの:ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、などの他の2価アルコールの水
酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したも
の:ビスフェノールAまたはビスフェノールAのアルキ
レンオキサイド付加物又はこれらのハロゲン置換体の両
末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化
したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の多価アルコールをアクリル酸又はメタクリル酸
でエステル化したもの;及びこれらの2価アルコール又
は多価アルコールの末端水酸基にグリシジルアクリレー
ト又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付
加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタール
酸、フタール酸又はこれらのハロゲン置換体等の二塩基
酸又はこれらのアルキレンオキサイド付加物にグリシジ
ルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキ
シ基を開環付加させたもの;アリールメタクリレート、
ジビニルベンゼン等が挙げられる。 【0013】該多管能単量体の量は、最内層を形成する
重合体が架橋構造となればよく、最内層を構成する単量
体のうち0.5〜20重量%程度である。好ましくは
0.5〜10重量%程度である。 【0014】なお最内層を形成する重合体のTgが50
℃以上というのは、いわゆる硬質重合体を表わすもので
ある。好ましくは50℃〜120℃である。 【0015】最内層は、該多層構造体を用いた加工成形
時、該多層構造体自体の分断・崩壊を防ぐための部分で
あり、さらには該多層構造重合体を含む樹脂組成物の耐
熱性、機械的強度低下を抑制する部分でもある。このた
め、該多層構造重合体中10〜50重量%程度必要であ
る。好ましくは20〜50重量%、さらに好ましくは3
0〜40重量%である。あまり多いと加工成形性が低く
なる。 【0016】第二層は、Tgが10℃以下、好ましくは
−70℃〜10℃の軟質重合体であればよい。この軟質
重合体を形成させるものとしては、例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリルオクチル、アクリル酸ノニルな
どのアクリル酸アルキルエステル類単位;1.3−ブタ
ジエン、イソプレン、1.3−ペンタジエン、クロロプ
レンなどの共役ジエン類単位を主成分とする重合体が該
当する。上記のアクリル酸アルキルエステル類や共役ジ
エンと共重合させ得る単量体単位としては、スチレン、
アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、メタアクリ
ル酸アルキルエステルがある。 【0017】第二層は、第三層を拡張させ、第三層が少
くても帯電防止性能を充分発現させるためのものであ
る。つまり該多層構造重合体を、熱可塑性樹脂に含有さ
せ、帯電防止性を付与させる際に、該多層構造重合体が
少量でも充分な効果を発現させる機能を有する。このた
め、該多層構造重合体中5〜25重量%程度必要であ
る。好ましくは5〜15重量%、さらに好ましくは5〜
10重量%である。あまり多いと、該多層構造重合体自
体あるいは、該多層構造重合体を分散含有した熱可塑性
樹脂の耐熱性や、機械的強度が低くなる。 【0018】第三層目は、ポリアルキレンオキサイド鎖
を有する不飽和単量体単位を主成分とし、Tgが10℃
以下、好ましくは−70℃〜10℃の重合体である。ポ
リアルキレンオキサイド鎖を有する不飽和単量体単位と
しては、ポリアルキレンオキサイド鎖の一方端に、不飽
和二重結合を有する基が結合したもので、該不飽和二重
結合を有する基とは、ビニル基、アリル基、(メタ)ア
クロイル基、などである。もう一方端は、特に限定はな
いが水素、炭素数が9以下の炭化水素基、スルホン酸
基、カルボン酸基、リン酸基及びこれら酸基の塩などが
ある。 【0019】ポリアルキレンオキサイド鎖としては、下
記〔化1〕で表わされる。 【0020】 【化1】−O-(- R−O-)n - 式中Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、5
〜50程度、好ましくは9〜25である。 【0021】第三層目の重合体を構成するのは、ポリア
ルキレンオキサイド鎖を有する不飽和単量体単位単独で
もよいが、該単量体は、重合反応性が比較的低いことか
ら、重合反応性の高い他の不飽和単量体単位との共重合
体でもよい。該共重合する不飽和単量体単位としては、
該共重合体のTgが10℃以下となればよく、例えば前
記第二層目を構成する単量体単位があげられる。なお、
第三層目の該共重合体中のポリアルキレンオキサイド鎖
を有する不飽和単量体単位の比率は、少なくとも40重
量%が必要で、好ましくは50重量%以上である。 【0022】第三層目は、帯電防止性を付与する層であ
り、該多層構造重合体中10〜40重量%程度必要であ
る。好ましくは15〜30重量%である。 【0023】最外層は、エチレン性不飽和単官能単量体
単位からなり、Tgが50℃以上の硬質重合体である。
好ましくは50℃〜120℃である。該単量体は、例え
ば前記最内層を形成するエチレン性不飽和単官能単量体
として例示しているものがあげられる。 【0024】該最外層は、該多層構造重合体を熱可塑性
樹脂中に分散させる際に、相溶性を発現させるためのも
のであり、使途に応じて上記単量体を選択すればよい。
該多層構造重合体中該最外層は、10〜50重量%であ
る。好ましくは20〜50重量%である。 【0025】該多層構造重合体は、平均粒径が0.05
〜1μが熱可塑性樹脂中に分散させるのに適している。 【0026】本発明の多層構造重合体を製造するには、
周知の水性媒体中で、最内層、第二層、第三層、最外層
を構成する前記単量体類を順次重合し、被覆して行く方
法がある。 【0027】例えば、周知の乳化剤と水溶性重合開始剤
を用いた周知の多段階乳化重合法で順次重合を進めて行
く方法、あるいは、最内層だけは乳化剤と油溶性重合開
始剤を用いてミクロ懸濁重合方法を用い、以降は、水溶
性重合開始剤を用いた多段階の乳化重合法で順次重合を
進めて行く方法がある。いずれにしても用いる単量体類
を前記の最内層、第二層、第三層、最外層として、特定
された種類と量比に従って周知の方法により重合し、被
覆して行けばよい。 【0028】該多層構造重合体の粒径は、上記方法によ
るものは0.05μ〜1μ程度である。 【0029】このようにして得られた多層構造重合体
は、単独で成形加工に供しても良いが、熱可塑性樹脂中
に混合分散させて帯電防止性の樹脂組成物とすることが
できる。 【0030】該帯電防止性樹脂組成物に用いる熱可塑性
樹脂としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アクリルニトリル系樹脂などであり、なかでも該多
層構造重合体の最外層と相溶性の良いものが特に好まし
い。 【0031】該熱可塑性樹脂と該多層構造重合体との比
率は、前者100重量部に対して、後者40〜100重
量部程度である。この比率は、該樹脂組成物に要求され
る帯電防止性と、機械的強度や耐熱性とのバランスから
定めればよい。 【0032】該熱可塑性樹脂と該多層構造重合体とから
帯電防止性樹脂組成物とするには、通常の樹脂の混合方
法が全て適用できる。例えば、両者をV型ブレンダー、
ヘンシェルミキサー、タンブラー等で混合し、ミキシン
グロール、バンバリーミキサー、一軸,二軸のスクリュ
ー押出機などで、溶融混練する方法がある。 或いは、
該熱可塑性樹脂を構成する単量体、そのシロップに該多
層構造重合体を分散させ、これを懸濁重合、塊状重合す
る方法もある。この時、必要に応じて、安定剤、滑剤、
可塑剤、染顔料、充填剤等を添加することもできる。 【0033】この様にして得られた樹脂組成物は、熱可
塑性樹脂を成形加工する種々の方法に適用して成形品と
することができる。 【0034】 【発明の効果】本発明の多層構造重合体は、熱可塑性樹
脂のなかに分散混入させることにより、該熱可塑性樹脂
の物性にあまり変化を与えることなく、優れた帯電防止
性を付与できる。しかも、その帯電防止性が、該熱可塑
性樹脂が水やその他の物質との接触や摩擦によっても低
下することがない。 【0035】 【実施例】以下、本発明と実施例により更に説明する。
実施例中の部及び%はすべて重量基準である。実施例で
示す物性の評価法は、以下の通りである。 ・帯電圧の半減期;50mm×50mm×3mmの試験片を2
3℃、50%湿度の状態に24時間放置した後、同雰囲
気中でスタティックオネストメーター(宍戸商会製)を
用いて印加電圧10kv、印加時間1分、テーブル回転数
1300rpmの条件で測定する。 ・表面及び体積の固有抵抗;50mm×50mm×3mmの試
験片を23℃、50%湿度の状態に24時間放置した
後、同雰囲気で極超絶縁計(東亜電波工業製SM−10
E型)を用いて測定した。 ・熱変形温度(HDT);ASTM D638に準じ
て、90℃3時間アニールした試験片で測定した。 ・曲げ弾性率;ASTM D−790に準じて測定し
た。 ・ガラス転移温度;示差走査熱量計(精工電子工業社製
DS−10)を用いて測定した。なお、各層の重合体の
値は、個別にその層を形成する各成分と同一なものを同
一条件で重合して得たものを測定した。 【0036】実施例1 還流凝縮器付き重合器に水225部を仕込み、窒素雰囲
気中攪拌しながら、メチルメタクリレート20部、ジビ
ニルベンゼン0.2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.2部、水26部、過硫酸ナトリウム0.0
5部、よりなる混合物を添加し、70℃1時間保持して
重合を行い最内層を作成した。この最内層のTgは10
3℃であった。 【0037】続いて、ブチルアクリレート4部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部、水10部、
過硫酸ナトリウム0.05部、を添加し、70℃で3時
間保持して、二層目の重合を行った。この二層目の重合
体のTgは−54℃であった。 【0038】続いて、ブチルアクリレート8部、メトキ
シポリエチレングリコールメタクリレート(ポリエチレ
ングリコール単位数16)8部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.1部、水10部、過硫酸ナトリウ
ム0.07部、を添加し、70℃で3時間保持して三層
目の重合を行った。この三槽目の重合体のTgは−62
℃であった。 【0039】続いて、メチルメタクリレート20部、ラ
ウリルメルカプタン0.2部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部、水25部、過硫酸ナトリウム
0.02部、を添加し、70℃で1時間保持し、最外層
の重合を行った。最内層の重合体のTgは102℃であ
った。 【0040】生成した重合体ラテックスを硫酸マグネシ
ウム水溶液で塩析した後、脱水、洗浄、乾燥して4層の
多層構造重合体を得た。該多層構造重合体のクロロホル
ムで抽出された部分、つまり最内層を除いた第二層、第
三層、最外層を合せた重合体の極限粘度は0.32dl/g
(25℃,濃度1%)あった。 【0041】得られた多層構造重合体40部と、懸濁重
合で得られたメタアクリル樹脂ビーズ(スミペックスB
MHO住友化学工業(株)製)60部をヘンシェルミ
キサーで混合後、20mmφベント付一軸押出機((株)
東洋精機製作所製)を用い、シリンダー温度200〜2
50℃でペレット化した。このペレットを射出成形機
((株)名機製作所製M−140)で試験片を作成し
た。評価結果を〔表1〕に示す。 【0042】比較例1 実施例1において、第二層目及び第三層目に代えて、ブ
チルアクリレート12部、メトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート8部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.2部、水20部、過硫酸ナトリウム0.
1部を添加し、5時間重合させて第二層目を形成させた
以外は、実施例1と同様に行い、三層構造重合体を得
た。以降実施例1と同様に行い評価した。結果を〔表
1〕に示す。この第二層目重合体のTgは−60℃であ
った。 【0043】実施例2 実施例1において、第三層目に用いたメトキシポリエチ
レングリコールモノメタクリレートを8部のかわりに5
部用いる以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を
〔表1〕に示す。この第三層目重合体のTgは−60℃
であった。 【0044】比較例2 第二層目の重合に用いた比較例1において、メトキシポ
リエチレングリコールを8部のかわりに5部用いる以外
は、比較例1と同様に行った。評価結果を〔表1〕に示
す。この第二層目重合体のTgは−59℃であった。 【0045】比較例3 実施例1で用いた懸濁重合で得られたメタアクリル樹脂
ビーズだけを用い、同様に評価した。結果を〔表1〕に
示す。 【0046】 【表1】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 285/00 C08L 51/00 C08L 101/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(a) 80〜99.5重量%のエチレン性不
    飽和単官能単量体と0.5〜20重量%のエチレン性不
    飽和基を2個以上を有する多官能単量体との架橋重合体
    でTgが50℃以上のものから形成される最内層が全体
    の10〜50重量%; (b) 共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた、
    少なくとも一種の単量体単位からなり、Tgが10℃以
    下である軟質重合体で形成される第二層が全体の5〜2
    5重量%; (c) ポリアルキレンオキサイド鎖を有する不飽和単量体
    を主成分とする単位からなりTgが10℃以下である重
    合体で形成される第三層が全体の10〜40重量%; (d) エチレン性不飽和単官能単量体単位からなり、Tg
    が50℃以上である重合体で形成される最外層が全体の
    10〜50重量%;からなる多層構造重合体。 【請求項2】(A) 80〜99.5重合%のエチレン性不
    飽和単官能単量体と0.5〜20重量%のエチレン性不
    飽和基を2個以上有する多官能単量体との単量体混合物
    を、水性媒体中で重合させて最内層の重合体粒子を形成
    させ、 (B) 次に該最内層の重合体粒子の存在する水性媒体に、
    共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた少なく
    とも1種の単量体を加えて、被覆重合させ二層重合体粒
    子を形成させ、 (C) 次に、該二層重合体粒子の存在する水性媒体に、ポ
    リアルキレンオキサイド鎖を有する不飽和単量体を主成
    分とする不飽和単量体を加えて、被覆重合させ三層重合
    体粒子を形成させ、 (D) 続いて、該三層重合体粒子の存在する水性媒体に、
    少なくとも1種のエチレン性不飽和単官能単量体を加え
    て、被覆重合させ最外層を形成させ、 しかも各層を形成する単量体類の比率が(A) の最内層重
    合体の割合が10〜50重量%であり、(B) の二層目の
    重合体の割合5〜25重量%であり、(C) の三層目の重
    合体の割合が、10〜40重量%であり、(D) の最外層
    の割合が10〜50重量%とすることを特徴とする多層
    構造重合体の製造方法。 【請求項3】熱可塑性樹脂100重量部と〔請求項1〕
    に記載の多層構造重合体40〜100重量部とからなる
    帯電防止性樹脂組成物。
JP09924993A 1992-05-06 1993-04-26 多層構造重合体、その製造方法及び該重合体含有帯電防止性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3232770B2 (ja)

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