JP3232783B2 - 多層構造重合体、その製造方法及び該重合体含有帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

多層構造重合体、その製造方法及び該重合体含有帯電防止性樹脂組成物

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JP3232783B2
JP3232783B2 JP14150493A JP14150493A JP3232783B2 JP 3232783 B2 JP3232783 B2 JP 3232783B2 JP 14150493 A JP14150493 A JP 14150493A JP 14150493 A JP14150493 A JP 14150493A JP 3232783 B2 JP3232783 B2 JP 3232783B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性能を有する
多層構造重合体及びその製造方法並びに該多層構造重合
体を含有した帯電防止性樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に熱可塑性樹脂は、電気抵抗が大き
く摩擦、剥離によって容易に帯電しやすく、ゴミやホコ
リを吸引して外観を損なう等、成形品、シート、フィル
ム、繊維等の分野で様々なトラブルの原因となってい
る。このような帯電しやすい熱可塑性樹脂に帯電防止性
を付与する方法として、種々の帯電防止剤を内部に練り
込む、コロナ処理のごとく表面処理、表面塗布法、帯電
防止性単量体を共重合させる化学的改質法などがある。 【0003】帯電防止性をなるべく永続させ、しかも帯
電防止剤による樹脂特性の低下を抑制するため、重合体
による帯電防止性の付与が提案される様になって来た。
例えば、特開昭55-36237号公報には、共役ジエン又は及
びアクリル酸エステルとポリアルキレンオキサイド基を
有する単量体を主成分とするゴム幹重合体を内層とし、
ビニル単量体又はビニリデン単量体をグラフト共重合し
て得られるグラフト共重合体、及び該グラフト共重合体
と熱可塑性樹脂とからなる制電性樹脂組成物が開示され
ている。さらに、上記制電性樹脂組成物を改良するもの
として、特開昭56-118446号公報には、さらに各種界面
活性剤を添加したものが開示されている。 【0004】特開昭 57-3809号公報には、エチレン系不
飽和単量体を重合した幹粒子に、共役ジェン又は/及び
アクリル酸エステルとポリアルキレンオキサイド単量体
をグラフト重合し、続いてさらにエチレン系不飽和単量
体をグラフト重合した多層型制電性樹脂及び該多層型制
電性樹脂と熱可塑性樹脂とからなる制電性樹脂組成物が
開示されている。特開昭 60-195143号公報には、ゴム状
重合体の存在下又は不存在下にビニル系単量体類を重合
してなるビニル系重合体の存在下に、ポリアルキレンオ
キサイド鎖を有するビニル系単量体を主成分とする単量
体類を乳化重合してなる重合体複合物と、ビニル系重合
体とからなる制電性樹脂組成物が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら帯電防止
剤内部に練り込む法や表面塗布法では、表面に存在する
帯電防止剤が水で洗われたり、摩擦等取扱ううちに除去
してしまい、効果が失われる。また、帯電防止剤が表面
にブリードすることにより粘着性が出てゴミやホコリの
付着が起こり好ましくない。 【0006】特開昭55-36237号公報、特開昭 56-118446
号公報、特開昭 57-3809号公報などの多層制電性樹脂の
構成成分の1つであるポリアルキレンオキサイド基を有
する単量体は、制電性、つまり帯電防止性を発現させる
成分ではあるものの、樹脂本来の耐熱性や機械的物性を
低下させる。 【0007】そこで本発明は、該ポリアルキレンオキサ
イド基を有する単量体の単位使用量当りの帯電防止性能
をなるべく多く発現させ、ひいては樹脂の耐熱性や機械
的物性の低下を抑制する樹脂を提供する。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、(a) 80〜9
9.5重量%のエチレン性不飽和単官能単量体と0.5
〜20重量%のエチレン性不飽和基を2個以上を有する
多官能単量体との架橋重合体でTgが50℃以上のもの
から形成される最内層が全体の10〜50重量%;(b)
共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた少なく
とも一種の単量体単位からなり、Tgが10℃以下であ
る軟質重合体で形成される第二層が全体の5〜25重量
%;(c) 25〜45重量%のポリエチレンオキサイド鎖
を有する不飽和単量体単位と70〜50重量%の共役ジ
エン及びアクリル酸エステルから選ばれた少なくとも一
種の単量体単位と、5〜10重量%の一分子中にエチレ
ン性不飽和基及び親水性基を有する有機化合物単位から
なり、Tgが10℃以下である軟質重合体で形成される
第三層が全体の10〜40重量%;(d) エチレン性不飽
和単官能単量体単位からなり、Tgが50℃以上である
重合体で形成される最外層が全体の10〜50重量%;
からなる多層構造重合体を提供するもの及び、 【0009】(A) 80〜99.5重合%のエチレン性不
飽和単官能単量体と0.5〜20重量%のエチレン性不
飽和基を2個以上有する多官能単量体との単量体混合物
を、水性媒体中で重合させて最内層の重合体粒子を形成
し、(B) 次に該最内層の重合体粒子の存在する水性媒体
に、共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた少
なくとも1種の単量体を加えて、被覆重合させて二層重
合体粒子を形成し、(C) 25〜45重量%のポリエチレ
ンオキサイド鎖を有する不飽和単量体と70〜50重量
%の共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた少
なくとも一種の単量体と、5〜10重量%の一分子中に
エチレン性不飽和基及び親水性基を有する有機化合物単
位を加えて被覆重合させて第三層重合体粒子を形成し、
(D) 続いて、該三層重合体粒子の存在する水性媒体に、
少なくとも1種のエチレン性不飽和単官能単量体を加え
て、被覆重合させて最外層を形成し、しかも各層を形成
する単量体類の比率が(A) の最内層重合体の割合が10
〜50重量%であり、(B)の二層目の重合体の割合5〜
25重量%であり、(C) の三層目の重合体の割合が、1
0〜40重量%であり、(D) の最外層の割合が10〜5
0重量%とすることを特徴とする多層構造重合体の製造
方法を提供するもの、さらに 【0010】熱可塑性樹脂100重量部と前述の該多層
構造重合体40〜100重量部とからなる帯電防止性樹
脂組成物を提供するものである。 【0011】本発明の多層構造重合体の最内層を形成す
る重合体を構成するエチレン性不飽和単官能単量体と
は、いわゆる硬質重合体を構成する単量体であって、例
えばメタアクリル酸メチルに代表されるメタアクリル酸
アルキルエステル;メタアクリルアミド、塩化ビニル、
酢酸ビニル、アクリルニトリルに代表されるビニル化合
物;スチレンに代表される芳香族ビニル;アルキルビニ
ルエーテル、アルキルビニルケトン、2−ヒドロキシ
(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニリデンなどの少
なくとも一種である。 【0012】エチレン性不飽和基を2個以上有する多官
能単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノ
ナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
デカエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエ
チレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基を
アクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの:ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、などの他の2価アルコールの水
酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したも
の:ビスフェノールAまたはビスフェノールAのアルキ
レンオキサイド付加物又はこれらのハロゲン置換体の両
末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化
したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の多価アルコールをアクリル酸又はメタクリル酸
でエステル化したもの;及びこれらの2価アルコール又
は多価アルコールの末端水酸基にグリシジルアクリレー
ト又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付
加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタール
酸、フタール酸又はこれらのハロゲン置換体等の二塩基
酸又はこれらのアルキレンオキサイド付加物にグリシジ
ルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキ
シ基を開環付加させたもの;アリールメタクリレート、
ジビニルベンゼン等が挙げられる。 【0013】該多管能単量体の量は、最内層を形成する
重合体が架橋構造となればよく、最内層を構成する単量
体のうち0.5〜20重量%程度である。好ましくは
0.5〜10重量%程度である。 【0014】なお最内層を形成する重合体のTgが50
℃以上というのは、いわゆる硬質重合体を表わすもので
ある。好ましくは50℃〜120℃である。 【0015】最内層は、該多層構造体を用いた加工成形
時、該多層構造体自体の分断・崩壊を防ぐための部分で
あり、さらには該多層構造重合体を含む樹脂組成物の耐
熱性、機械的強度低下を抑制する部分でもある。このた
め、該多層構造重合体中10〜50重量%程度必要であ
る。好ましくは20〜50重量%、さらに好ましくは3
0〜40重量%である。あまり多いと加工成形性が低く
なる。 【0016】第二層は、Tgが10℃以下、好ましくは
−70℃〜10℃の軟質重合体であればよい。この軟質
重合体を形成させるものとしては、例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリルオクチル、アクリル酸ノニルな
どのアクリル酸アルキルエステル類単位;1.3−ブタ
ジエン、イソプレン、1.3−ペンタジエン、クロロプ
レンなどの共役ジエン類単位を主成分とする重合体が該
当する。上記のアクリル酸アルキルエステル類や共役ジ
エンと共重合させ得る単量体単位としては、スチレン、
アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、メタアクリ
ル酸アルキルエステルがある。 【0017】第二層は、第三層を拡張させ、第三層が少
くても帯電防止性能を充分発現させるためのものであ
る。つまり該多層構造重合体を、熱可塑性樹脂に含有さ
せ、帯電防止性を付与させる際に、該多層構造重合体が
少量でも充分な効果を発現させる機能を有する。このた
め、該多層構造重合体中5〜25重量%程度必要であ
る。好ましくは5〜15重量%、さらに好ましくは5〜
10重量%である。あまり多いと、該多層構造重合体自
体あるいは、該多層構造重合体を分散含有した熱可塑性
樹脂の耐熱性や、機械的強度が低くなる。 【0018】第三層は、ポリアルキレンオキサイド鎖を
有する不飽和単量体単位、共役ジエン及びアクリル酸エ
ステルより選ばれた少なくとも一種の単量体単位、一分
子中にエチレン性不飽和基及び親水性基を有する有機化
合物単位からなるTgが10℃以下、好ましくは−70
℃〜10℃の軟質重合体である。 【0019】ポリアルキレンオキサイド鎖を有する不飽
和単量体としては、ポリアルキレンオキサイド鎖の一方
端に、不飽和二重結合を有する基が結合したもので、該
不飽和二重結合を有する基とは、ビニル基、アリル基、
(メタ)アクロイル基、などである。もう一方端は、特
に限定はないが水素、炭素数が9以下の炭化水素基、ス
ルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基及びこれら酸基の
塩などがある。 【0020】ポリアルキレンオキサイド鎖としては、下
記〔化1〕で表わされる。 【化1】−O-(- R−O-)n - 式中Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、5
〜50程度、好ましくは9〜25である。 【0021】第三層の該共重合体中のポリアルキレンオ
キサイド鎖を有する不飽和単量体単位の比率は25〜4
5重量%、好ましくは25〜40重量%である。25重
量%以下では帯電防止性性能が発現しにくくなり、又あ
まり多いと樹脂の耐熱性、機械的強度を損なう。 【0022】共役ジエン及びアクリル酸エステルより選
ばれた少なくとも一種の単量体単位は、前述の第二層の
共役ジエン類やアクリル酸アルキルエステル類の単位と
同一であり、第三層中の比率は、70〜50重量%、好
ましくは70〜55重量%である。 【0023】一分子中にエチレン性不飽和基と親水性基
を有する化合物としては、該親水性基はスルホン酸塩
基、カルボン酸基、リン酸塩基を有する有機化合物であ
る。なかでも帯電防止性の発現効果からスルホン酸塩基
を有するものが好ましい。又塩としてはNa,Kのごと
きアルカリ金属、アンモニウムなどである。例えば不飽
和ジカルボン酸の(メタ)アリルエステルスルホン酸
塩、具体的には、コハク酸ラウリル(メタ)アリルエス
テルスルホン酸ナトリウム、コハク酸ヘキサデシル(メ
タ)アリルエステルスルホン酸ナトリウム、コハク酸オ
クチルフェニル(メタ)アリルエステルスルホン酸カリ
ウム等である。又芳香族ビニルスルホン酸塩としてスチ
レンスルホン酸ナトリウム、3−ビニルトルエンスルホ
ン酸アンモニウム等である。又脂肪族ビニルスルホン酸
塩としてビニルスルホン酸ナトリウムが、アクリル系ス
ルホン酸塩として(メタ)アクリルアミドアルカンスル
ホン酸ナトリウム等がある。更には2−スルホエチルア
クリレート、2−スルホエチルα−エチルアクリレート
などのナトリウム塩のごとき不飽和モノカルボン酸のス
ルホエステル塩類がある。これらは一種でもよいし二種
以上合わせ用いてもよい。 【0024】一分子中にエチレン性不飽和基と親水性基
を有する化合物単位の第三層中の量比は、5〜10重量
%である。 【0025】第三層目は、帯電防止性を付与する層であ
り、該多層構造重合体中10〜40重量%程度、好まし
くは15〜30重量%必要である。 【0026】最外層は、エチレン性不飽和単官能単量体
単位からなり、Tgが50℃以上、好ましくは50℃〜
120℃の硬質重合体である。該単量体は、例えば前記
最内層を形成するエチレン性不飽和単官能単量体として
例示しているものがあげられる。 【0027】該最外層は、該多層構造重合体を熱可塑性
樹脂中に分散させる際に、相溶性を発現させるためのも
のであり、使途に応じて上記単量体を選択すればよい。
該多層構造重合体中該最外層は、10〜50重量%、好
ましくは20〜50重量%である。 【0028】該多層構造重合体は、平均粒径が0.05
〜1μのものが熱可塑性樹脂中に分散させるのに適して
いる。 【0029】本発明の多層構造重合体を製造するには、
周知の水性媒体中で、最内層、第二層、第三層、最外層
を構成する前記単量体類を順次重合し、被覆して行く方
法がある。 【0030】例えば、周知の乳化剤と水溶性重合開始剤
を用いた周知の多段階乳化重合法で順次重合を進めて行
く方法、あるいは、最内層だけは乳化剤と油溶性重合開
始剤を用いてミクロ懸濁重合方法を用い、以降は、水溶
性重合開始剤を用いて多段階の乳化重合法で順次重合を
進めて行く方法がある。いずれにしても用いる単量体類
を前記の最内層、第二層、第三層、最外層として、特定
された種類と量比に従って周知の方法により重合し、被
覆して行けばよい。ただ、第三層目の重合の際は、一分
子中にエチレン性不飽和基及び親水性基を有する有機化
合物単位が乳化剤の機能も発現するので、乳化剤の追添
は省略又は、ごくわずかでもよい。 【0031】該多層構造重合体の粒径は、上記方法によ
るものは0.05μ〜1μ程度である。 【0032】このようにして得られた多層構造重合体
は、単独で成形加工に供しても良いが、熱可塑性樹脂中
に混合分散させて帯電防止性の樹脂組成物とすることが
できる。 【0033】該帯電防止性樹脂組成物に用いる熱可塑性
樹脂としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アクリルニトリル系樹脂などであり、なかでも該多
層構造重合体の最外層と相溶性の良いものが特に好まし
い。 【0034】該熱可塑性樹脂と該多層構造重合体との比
率は、前者100重量部に対して、後者40〜100重
量部程度である。この比率は、該樹脂組成物に要求され
る帯電防止性と、機械的強度や耐熱性とのバランスから
定めればよい。 【0035】該熱可塑性樹脂と該多層構造重合体とから
帯電防止性樹脂組成物とするには、通常の樹脂の混合方
法が全て適用できる。例えば、両者をV型ブレンダー、
ヘンシェルミキサー、タンブラー等で混合し、ミキシン
グロール、バンバリーミキサー、一軸,二軸のスクリュ
ー押出機などで、溶融混練する方法がある。 或いは、
該熱可塑性樹脂を構成する単量体、そのシロップに該多
層構造重合体を分散させ、これを懸濁重合、塊状重合す
る方法もある。この時、必要に応じて、安定剤、滑剤、
可塑剤、染顔料、充填剤等を添加することもできる。 【0036】この様にして得られた樹脂組成物は、熱可
塑性樹脂を成形加工する種々の方法に適用して成形品と
することができる。 【0037】 【発明の効果】本発明の多層構造重合体は、熱可塑性樹
脂のなかに分散混入させることにより、該熱可塑性樹脂
の物性にあまり変化を与えることなく、優れた帯電防止
性を付与できる。しかも、その帯電防止性が、該熱可塑
性樹脂が水やその他の物質との接触や摩擦によっても低
下することがない。 【0038】 【実施例】以下、本発明と実施例により更に説明する。
実施例中の部及び%はすべて重量基準である。実施例で
示す物性の評価法は、以下の通りである。 ・帯電圧の半減期;50mm×50mm×3mmの試験片を2
3℃、50%湿度の状態に24時間放置した後、同雰囲
気中でスタティックオネストメーター(宍戸商会製)を
用いて印加電圧10kv、印加時間1分、テーブル回転数
1300rpmの条件で測定する。 ・表面及び体積の固有抵抗;50mm×50mm×3mmの試
験片を23℃、50%湿度の状態に24時間放置した
後、同雰囲気で極超絶縁計(東亜電波工業製SM−10
E型)を用いて測定した。 ・熱変形温度(HDT);ASTM D638に準じ
て、90℃3時間アニールした試験片で測定した。 ・曲げ弾性率;ASTM D−790に準じて測定し
た。 ・ガラス転移温度(Tg);示差走査熱量計(精工電子
工業社製DS−10)を用いて測定した。なお、各層の
重合体の値は、個別に、その層を形成する各成分と同一
なものを同一条件で重合して得たものを測定した。 【0039】実施例1 還流凝縮器付き重合器に水225部を仕込み、窒素雰囲
気中攪拌しながら、メチルメタクリレート20部、ジビ
ニルベンゼン0.2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.2部、水26部、過硫酸ナトリウム0.0
5部、よりなる混合物を添加し、70℃1時間保持して
重合を行い最内層を作成した。この最外層のTgは10
3℃であった。 【0040】続いて、ブチルアクリレート4部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部、水10部、
過硫酸ナトリウム0.05部、を添加し、70℃で3時
間保持して、二層目の重合を行った。この二層目のTg
は−54℃であった。 【0041】続いて、ブチルアクリレート8部、メトキ
シポリエチレングリコールメタクリレート(ポリエチレ
ングリコール単位数16)5部、コハク酸アルキル(炭
素数13)アリルエステルスルホン酸ナトリウム1部、
水10部、過硫酸ナトリウム0.07部、を添加し、7
0℃で3時間保持して三層目の重合を行った。この三層
目のTgは−65℃であった。 【0042】続いて、メチルメタクリレート20部、ラ
ウリルメルカプタン0.2部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部、水25部、過硫酸ナトリウム
0.02部、を添加し、70℃で1時間保持し、最外層
の重合を行った。最外層の重合体のTgは102℃であ
った。 【0043】生成した重合体ラテックスを硫酸マグネシ
ウム水溶液で塩析した後、脱水、洗浄、乾燥して4層の
多層構造重合体を得た。該多層構造重合体のクロロホル
ムで抽出された部分、つまり最内層を除いた第二層、第
三層、最外層を合せた重合体の極限粘度は0.34dl/g
(25℃,濃度1%)あった。 【0044】得られた多層構造重合体40部と、懸濁重
合で得られたメタアクリル樹脂ビーズ(スミペックスB
MHO住友化学工業(株)製)60部をヘンシェルミ
キサーで混合後、20mmφベント付一軸押出機((株)
東洋精機製作所製)を用い、シリンダー温度200〜2
50℃でペレット化した。このペレットを射出成形機
((株)名機製作所製M−140)で試験片を作成し
た。評価結果を〔表1〕に示す。 【0045】比較例1 実施例1において、三層目に用いたコハク酸アルキル
(炭素数13)アリルエステルスルホン酸ナトリウム1
部の代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.1部を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結
果を〔表1〕に示す。この三層目の重合体のTgは−6
0℃であった。 【0046】実施例2 実施例1において、三層目に用いたメトキシポリエチレ
ングリコールモノメタクリレートを5部のかわりに3部
用いる以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を
〔表1〕に示す。この三層目の重合体のTgは−58℃
であった。 【0047】比較例2 比較例1において、三層目の重合に用いたメトキシポリ
エチレングリコールを5部のかわりに3部用いる以外
は、比較例1と同様に行った。評価結果を〔表1〕に示
す。 【0048】比較例3 実施例1で用いた懸濁重合で得られたメタアクリル樹脂
ビーズだけを用いて同様に評価した。評価結果を〔表
1〕に示す。 【0049】 【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 285/00 C08L 51/00 C08L 101/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(a) 80〜99.5重量%のエチレン性不
    飽和単官能単量体と0.5〜20重量%のエチレン性不
    飽和基を2個以上を有する多官能単量体との架橋重合体
    でTgが50℃以上のものから形成される最内層が全体
    の10〜50重量%; (b) 共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた少
    なくとも一種の単量体単位からなり、Tgが10℃以下
    である軟質重合体で形成される第二層が全体の5〜25
    重量%; (c) 25〜45重量%のポリエチレンオキサイド鎖を有
    する不飽和単量体単位と,70〜50重量%の共役ジエ
    ン及びアクリル酸エステルから選ばれた少なくとも一種
    の単量体単位と、5〜10重量%の一分子中にエチレン
    性不飽和基及び親水性基を有する有機化合物単位からな
    り、Tgが10℃以下である軟質重合体で形成される第
    三層が全体の10〜40重量%; (d) エチレン性不飽和単官能単量体単位からなり、Tg
    が50℃以上である重合体で形成される最外層が全体の
    10〜50重量%;からなる多層構造重合体。 【請求項2】(A) 80〜99.5重合%のエチレン性不
    飽和単官能単量体と0.5〜20重量%のエチレン性不
    飽和基を2個以上有する多官能単量体との単量体混合物
    を、水性媒体中で重合させて最内層の重合体粒子を形成
    し、 (B) 次に該最内層の重合体粒子の存在する水性媒体に、
    共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた少なく
    とも1種の単量体を加えて、被覆重合させて二層重合体
    粒子を形成し、 (C) 次に、該二層重合体粒子の存在する水性媒体に、2
    5〜45重量%のポリエチレンオキサイド鎖を有する不
    飽和単量体と、70〜50重量%の共役ジエン及びアク
    リル酸エステルから選ばれた少なくとも一種の単量体
    と,5〜10重量%の一分子中にエチレン性不飽和基及
    び親水性基を有する有機化合物単位を加えて被覆重合さ
    せて三層重合体粒子を形成し、 (D) 続いて、該三層重合体粒子の存在する水性媒体に、
    少なくとも1種のエチレン性不飽和単官能単量体を加え
    て、被覆重合させて最外層を形成し、 しかも各層を形成する単量体類の比率が(A) の最内層重
    合体の割合が10〜50重量%であり、(B) の二層目の
    重合体の割合5〜25重量%であり、(C) の三層目の重
    合体の割合が、10〜40重量%であり、(D) の最外層
    の割合が10〜50重量%とすることを特徴とする多層
    構造重合体の製造方法。 【請求項3】熱可塑性樹脂100重量部と〔請求項1〕
    に記載の多層構造重合体40〜100重量部とからなる
    帯電防止性樹脂組成物。
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