JP3232761B2 - レーザーマーキング装置 - Google Patents

レーザーマーキング装置

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JP3232761B2
JP3232761B2 JP08205993A JP8205993A JP3232761B2 JP 3232761 B2 JP3232761 B2 JP 3232761B2 JP 08205993 A JP08205993 A JP 08205993A JP 8205993 A JP8205993 A JP 8205993A JP 3232761 B2 JP3232761 B2 JP 3232761B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小径で曲率の高い円筒
形状の被加工部材の外周面にレーザーによりマーキング
するレーザーマーキング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒形状の被加工部材の外周面に
レーザーによりマーキングする装置が知られている。被
加工部材の径が大きく、径に比べてマーキングする文字
等が十分小さいと、マーキングする文字の変形も少なく
平板と同様に高速にマーキングできるという利点があ
る。一方、被加工部材の径が小さく曲率が大きいと、マ
ーキングされる文字の変形が顕著となる。この問題を解
決するため、被加工部材の外周面を長手軸方向に分割し
てマーキングするレーザーマーキング装置が考えられて
いる。このレーザーマーキング装置では、被加工部材を
固定して一分割面内の該当文字部分のマーキングが完了
するとレーザーの照射を停止し、次の分割面をマーキン
グ位置に回転してからレーザーの照射を再開し、以下次
々にマーキングしていく。また、実現されてはいない
が、被加工部材を回転させながらマ−キングするレーザ
ーマーキング装置も考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のレーザーマ−キング装置では、被加工部材の
外周面を分割してマーキングする装置の場合、一分割面
内の該当文字部分のマーキングが完了する度にレーザー
の照射を停止し、次の分割面をマーキング位置に回転し
てからレーザーの照射を再開するためマーキングの所要
時間が長くなるという問題がある。被加工部材を回転し
ながらマーキングする装置の場合、レーザーの照射速度
と被加工部材の回転速度との同期を合わせるのが複雑で
あり、プログラムの開発に多大の時間を要するという問
題がある。
【0004】本発明によるレーザーマーキング装置は、
平板にマーキングするのと同様に高速でかつ容易にレー
ザーによりマーキングするレーザーマーキング装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明のレーザーマーキング装置は、被加工部材を
回動可能に支持する支持部材と、前記被加工部材の回転
軸と直交する方向への前記支持部材の直線運動と、前記
被加工部材の回転運動とを連係して付与する運動手段
と、この運動手段の動作に応じて直線運動および回転運
動を連係して付与される前記被加工部材に対しレーザー
を照射してマーキングするレーザー手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0006】
【作用】本発明のレーザーマーキング装置では、被加工
部材を間欠回転運動させることなく、直線運動と回転運
動とを連係させて被加工部材に付与するため、被加工部
材が仮想平面を転がるような運動をし、この被加工部材
の運動に応じてレーザー手段がレーザーを照射して被加
工部材にマーキングする。
【0007】
【実施例】本発明によるレーザーマーキング装置の実施
例を図1および図2に示す。レーザーマーキング装置1
0は以下の構成を有する。円筒形状のホルダー22は、
円筒形状の被加工部材21を着脱可能であり、ベアリン
グ23を介して支持壁体24により回動可能に支持され
る。支持壁体24は支持台25上に固定され、支持台2
5と断面L字状を形成する。支持台25の支持壁体24
と平行な両端には貫通孔が形成され、この貫通孔と平行
に支持台25の中央部を貫通するねじ構造を有するねじ
孔が形成される。支持台25のねじ孔には、ねじ孔より
も長いねじ軸41が結合し、ねじ軸41の一端は軸受4
2に回動可能に支持され、もう一端はねじ軸41を回動
可能に支持する軸受43を貫通して直線ステージ45に
挿入される。軸受42および軸受43はプラットホーム
51上に固定される。支持台25の貫通孔にはそれぞれ
支持軸33が挿入され、2本の支持軸33の両端は、固
定部材34により固定される。支持台25は、プラット
ホーム51と一定間隔を保持して2本の支持軸33によ
り摺動可能に支持される。ワイヤー31は、ホルダー2
2の長手方向軸のほぼ中央の外周に沿って形成される円
状の溝を一巻きする。ステー32は、ワイヤー31の両
端に適切な引張力を加え、その両端を固定する。ベース
50は、その上にステー32、固定部材34、直線ステ
ージ45およびプラットホーム51を固定する。被加工
部材21にレーザーマーキングするレーザーヘッド60
は、被加工部材21の上方に、所定の間隔を置いて固定
される。
【0008】直線ステージ45には図示しないパルスモ
ーターが収容され、このパルスモーターの駆動力により
ねじ軸41が回動する。レーザーヘッド60のレーザー
を照射するプログラムは、平板をマーキングするときの
プログラムを使用し、パルスモーターの制御プログラム
は本実施例に合わせて開発したものである。
【0009】図3に、本発明の実施例を制御する電子制
御装置のブロック図を示す。文字データ203は、被加
工部材21にマーキングされる文字を表す。前進ディレ
イ値201、遅れ時間202、補正値204、後進ディ
レイ値205および停止時間206は、マーキングを制
御する値である。上記各データおよび値は、図示しない
キーボードから電子制御装置に入力される。このうち、
前進ディレイ値201、遅れ時間202、文字データお
よび補正値204は電子制御装置の演算回路70でデー
タ処理されて前進パルス数208および後退パルス数2
09が計算され、I/Oユニット72から図示しない制
御線を介して直線ステージ45内のパルスモータ74に
送られる。電子制御装置には、レーザーヘッド60のレ
ーザー照射の制御プログラムとパルスモーターの制御プ
ログラムが記憶されている。
【0010】前進ディレイ値201は、図1に示す被加
工部材21をマーキングしながら図1の矢印ア方向へ前
進させるときの送り速度を指定する値である。表1に示
す所要時間は、被加工部材の前進または後退に要する時
間を表す。図4に示す曲線300は、表1のディレイ値
と送り速度の関係をグラフ化したものであり、ディレイ
値をX、送り速度をYとすると、次式(1)で近似され
る。
【0011】Y=1333.5X-0.82 ・・・(1)
【0012】
【表1】 遅れ時間202は、被加工部材21がホルダー22に装
着される送りスタート位置からレーザーヘッドの真下の
レーザーマーキングスタート位置までの距離を指定する
値である。補正値204は、被加工部材21のマーキン
グが終了し、図1に示す矢印イ方向に後退し、送りスタ
ート位置に戻るときの送りスタート位置とのずれを補正
する値である。
【0013】後退ディレイ値205は、図1に示す矢印
イ方向に被加工部材21が後退するときの速度を指定す
る値であり、これ以外は前進ディレイ値と同じ意味を有
する。停止時間206は、被加工部材21の前進終了
後、後退が始まるまでのポーズ時間を指定する。
【0014】前進パルス数208および後退パルス数2
09は被加工部材21が前進または後退するときの移動
距離をパルス数で表す。パルス数が多いと移動距離が長
く、パルス数が少ないと移動距離が短い本実施例のレー
ザーマーキング装置10の作動条件を以下に述べる。本
実施例では、被加工部材21は、図5および図6に示す
ように、大径部21bの径a:14.3mm、大径部2
1bの高さb:6mm、大径部21bと小径部21cを
合わせた高さc:17mm、大径部21bの外周面21
aにマーキングする文字等の高さd:2mm、マーキン
グする大径部21bの外周の長さe:約45mmであ
る。
【0015】レーザーヘッド60の使用条件は、レーザ
ー光移動速度(以下「マーキング速度」という):10
0mm/sec(仕様上は2〜300mm/secの範
囲で対応する)、周波数:35Hz(仕様上は0〜3
9.9Hzの範囲で対応する)、電流値:17A(仕様
上は10〜20Aの範囲で対応する)、マーキング範
囲:100mm四方である。
【0016】直線ステージ45の駆動により直線運動す
る支持台25の送り速度は、マーキング速度を100m
m/sec、マーキングする文字等の高さdを2mmと
してマーキングする場合、適合する平均速度として1
4.7mm/sec(仕様上は5〜25mm/secの
範囲で対応する)に設定する。マーキング速度と送り速
度は一対一の相関関係にあり、マーキング速度が上がれ
ば送り速度が上がり、マーキング速度が下がれば送り速
度が下がる。また、被加工部材当りのレーザーマーキン
グの開始から完了までのマーキング時間が短かい場合、
マーキング速度が上がり、マーキング時間が長い場合、
マーキング速度が下がる。このように、被加工部材当り
のマーキング時間の設定によりマーキング速度と送り速
度の適合値が変化する。
【0017】本実施例のレーザーマーキング装置10の
作動を以下に述べる。図示しない電子制御装置に記憶さ
れたパルスモーターの制御プログラムにより直線ステ−
ジ45内のパルスモーターが回転し、このパルスモータ
ーがねじ軸41を駆動して回転させ、ねじ軸41とねじ
結合している支持台25が図1に示す矢印ア方向に前進
する。支持壁体24に回動可能に支持されるホルダー2
2とホルダー22に装着された被加工部材21も支持台
25とともに図1に示す矢印ア方向に前進する。このと
き、ホルダー22がワイヤ31に一巻きされているた
め、ホルダー22に装着された被加工部材21は、支持
台25と同一方向に直線運動するとともに直線運動と連
係して図7に示す矢印ウ方向に回転運動する。この場
合、被加工部材21が図1の矢印ア方向と同じ図7の矢
印ア方向に直線運動するとき、被加工部材21の外周面
21a上の点AはA→A’→A”、点BはB→B’→
B”、点CはC→C’→C”と回転移動する。レーザー
ヘッド60から照射されるレーザー60aも電子制御装
置に記憶されたレーザー照射の制御プログラムにより、
被加工部材21の運動とともにレーザーヘッド60内の
ミラーの角度変化にともない照射角度が変化し、入力さ
れた文字データがマーキングされる。あらかじめ入力さ
れた文字データは1回の前進運動ですべてマーキングさ
れる。
【0018】直線運動と回転運動を連係して付与される
被加工部材21は、図6に示すように、大径部21bの
外周面21aの展開面を転がるような運動をし、レーザ
ーヘッド60から見ると、1枚の平板と見なすことがで
きる。このため、平板にマーキングするプログラムが使
用でき、平板と同様に高速かつ容易にマーキングができ
る。
【0019】次に、本実施例のレーザーマーキング装置
10の制御を図8に示す制御フローに基づいて説明す
る。ステップ100では、入力データの電子制御装置内
での型宣言、マーキング文字の大きさ、マーキング文字
の間隔等を指定する。ステップ101では、マーキング
する文字データ3をキーボード等から入力する。ステッ
プ102では、ディスプレイ装置等に入力したマーキン
グ文字を表示する。ステップ103では、ステップ10
0で入力したマーキング文字の大きさ、マーキング文字
の間隔、ステップ101で入力したマーキング文字に従
い、マーキングする文字列長を計算する。ステップ10
4では、前進ディレイ値、遅れ時間、補正値、後進ディ
レイ値および停止時間等のデータが入力される。ステッ
プ105では、文字データ、前進ディレイ値、遅れ時間
および補正値が電子制御装置の演算回路において処理さ
れ、前進パルス数または後退パルス数が計算される。ス
テップ106では、被加工部材21のホルダー22ヘの
装着、入力データの正誤を確認し、マーキングが開始可
能ならステップ107へ進み、開始不能ならステップ1
01ヘ戻り上記データの再入力をオペレーターが指示す
る。
【0020】ステップ107〜ステップ109はパルス
モーターの制御プログラムとレーザー照射の制御プログ
ラムに従いレーザーマーキング装置10が自動運転する
ステップである。ステップ107では、被加工部材21
がホルダー22に装着される送りスタート位置から遅れ
時間が指定する距離を移動してレーザーヘッドの真下に
来る。そして、レーザーヘッド60からのレーザーの照
射によりマーキングがスタートする。被加工部材21
は、前進ディレイ値で指定される速度で図1に示す矢印
ア方向に文字列長だけ前進し、ステップ108では停止
時間だけ被加工部材21が停止する。停止した被加工部
材21は、ステップ109では、後退ディレイ値で指定
される速度で図1に示す矢印イ方向に文字列長だけ後退
してレーザーヘッド60の真下に移動し、遅れ時間が指
定する距離を移動して送りスタート位置に戻り、補正値
に従い最初の送りスタート位置とのずれを補正されて送
りスタート位置に正確に戻る。正しくマーキングされた
被加工部材21はホルダー22から外される。前回と同
じ文字をマーキンするかがステップ110で尋ねられる
ので、繰り返すときはステップ106ヘ戻り、違う文字
をマーキングするかマーキングを終了するときはステッ
プ111へ進む。違う文字をマーキングするときはステ
ップ101へ戻って新しい文字データを入力し、マーキ
ングを終了するときは処理終了となる。
【0021】本発明の実施例では、被加工部材の直線運
動と連係させて被加工部材を回転運動させるためにワイ
ヤーを使用したが、歯車、プーリーまたはタイミングベ
ルト等で直線運動と回転運動とを連係させることも可能
である。本発明の実施例では、レーザーヘッドのレーザ
ー照射の制御プログラムは平板をマーキングするときと
同じプログラムが使用できる。パルスモータの制御プロ
グラムは主にマーキング速度に合わせて、マーキング速
度と一対一に対応する支持台の送り速度を制御するもの
であるからプログラム構造が単純になる。このため、パ
ルスモータのプログラム開発が簡単になり、レーザー照
射の制御プログラムまたはパルスモータの制御プログラ
ムの変更も容易になるので、プログラムの開発工数およ
び保守変更の工数が削減できるという効果がある。
【0022】
【発明の効果】本発明のレーザーマーキング装置による
と、直線運動と回動運動とを連係させて被加工部材に付
与するため、平板にレーザーマーキングするのと同様に
高速かつ容易にレーザーマーキングできるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるレーザーマーキング装置
を示す正面図である。
【図2】図1に示すII方向矢視図である。
【図3】本発明の実施例によるレーザーマーキング装置
を制御する電子制御装置のデータおよび主要な構成要素
を示すブロック図である。
【図4】被加工部材の送り速度と入力するディレイ値と
の関係を示す特性図である。
【図5】本発明のレーザーマーキング装置でマーキング
する被加工部材の斜視図である。
【図6】図5に示す被加工部材の大径部の側面の展開図
である。
【図7】本発明を適用したレーザーマーキング装置によ
りマーキングされる被加工部材の直線運動と回転運動を
示す図2のVII 方向矢視模式図である。
【図8】本発明の実施例によるレーザーマーキング装置
の制御フローチャートである。
【符号の説明】
10 レーザーマーキング装置 21 被加工部材 22 ホルダー(支持部材) 23 ベアリング(支持部材) 24 支持壁体(支持部材) 25 支持台(支持部材) 31 ワイヤー(運動手段) 32 ステー(運動手段) 33 支持軸(運動手段) 41 ねじ軸(運動手段) 42 軸受(運動手段) 45 直線ステージ(運動手段) 60 レーザーヘッド(レーザー手段)
フロントページの続き (72)発明者 村田 明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−293681(JP,A) 実開 平2−70890(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/08 B23K 26/00 B41J 2/44 B41M 5/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工部材を回動可能に支持する支持部
    材と、前記被加工部材の回転軸と直交する方向への前記支持部
    材の直線運動と、前記被加工部材の回転運動と を連係し
    て付与する運動手段と、 この運動手段の動作に応じて直線運動および回転運動を
    連係して付与される前記被加工部材に対しレーザーを照
    射してマーキングするレーザー手段とを備えたことを特
    徴とするレーザーマーキング装置。
JP08205993A 1993-04-08 1993-04-08 レーザーマーキング装置 Expired - Lifetime JP3232761B2 (ja)

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JPH06285663A JPH06285663A (ja) 1994-10-11
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102019108297A1 (de) * 2019-03-29 2020-10-01 Weidmüller Interface GmbH & Co. KG Vorrichtung zum Markieren von aneinanderreihbaren elektrischen Geräten
CN115609156B (zh) * 2022-09-07 2024-08-20 福州大学 一种应用于超细金属丝表面微织构处理的激光打标机装置

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