JP3232026B2 - エレベータ用かごの揺すり低減装置 - Google Patents
エレベータ用かごの揺すり低減装置Info
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Description
りを検出すると共に、検出したかごの揺れ増幅を低減さ
せて振幅が共振した場合の故障発生を防止するエレベー
タ用かごの揺すり低減装置に関する。
によって回転駆動する巻上機1と、巻上機1に巻回され
た主ロープ2と、主ロープ2の一端に固定されかつ上下
方向に伸びるレール3に案内されつつ巻上機1の回転に
基づいて昇降するかご4と、主ロープ2の他端に固定さ
れた釣合重り5とを備えたエレベータ6が知られてい
る。
6では、かご4が昇降している最中に、かご4内の利用
者が故意に膝を屈伸運動させ、かご4が縦方向に揺れて
振動が発生すると、かご4の下部に設けられた防振ゴム
7やかご4の上部(若しくは下部)に設けられた振動吸
収装置8、或は、主ロープ2等の弾性系の固有振動数と
共振してしまい、調速機(図示せず)が動作したり、か
ご4の非常停止装置が作動してかご4内に乗員が閉じ込
められた状態となってしまうという問題が生じていた。
で、縦軸はかご4の速度、V1はかご4の定格速度、横
軸は時間を示す。かご4は通常は符号Aに示したような
速度波形で利用者を利用階まで搬送する。この際、利用
者が人為的に膝の屈伸等によってかご4を縦方向に連続
的に揺らし、防振ゴム7や振動吸収装置8或は主ロープ
2等の弾性系の固有振動数と共振した場合には、図8に
示すように、かご4の速度が周期的に変化して次第に縦
方向の振動が増幅してしまう。
速度の約1.3倍(図8のポイントP)に達すると、調
速機の異常であると検出スイッチが検出してかご4を電
気的に停止させるため、かご4内の利用者を閉じ込めた
状態となる。
ッキや油圧配管内の作動油がロープ式の弾性系に追加さ
れるので、ロープ式のエレベータに比べてかご速度変化
の振幅が増幅し易いため、極端な例では、エレベータが
停止中であってもこの縦方向の揺すり周波数と弾性系の
固有振動が共振すると調速機が動作してしまう場合があ
る。これらの故障は、自然復旧しないため、保守員が現
地到着して機械的に復旧させる迄、かご4内の利用者は
閉じ込められた状態となる。
者が、人為的な膝の屈伸などで縦方向に連続的に揺する
と、防振ゴム7や振動吸収装置8或は主ロープ2の固有
振動数に共振してかご4の速度が周期的に変化したり、
縦方向の振動が増幅して閉じ込め故障が発生する場合が
ある。
であって、段階を追って人為的な揺すりを低減すること
ができ、これにより悪質な揺すりに対しては危険を未然
に防止することができるばかりでなく、揺すり周波数を
打ち消す速度指令やかご速度を定格速度を基準に減速さ
せることで閉じ込め故障を防止することができるエレベ
ータ用かごの揺すり低減装置を提供することを目的とす
る。
め、請求項1に記載の発明は、かご速度指令信号を出力
する速度指令部と、前記かごの停止を含めた速度を検出
する速度検出器と、該速度検出器からの検出信号に基づ
いて人為的且つ継続的な前記かごの縦揺すりを検出する
かご揺れ検出部と、前記速度指令部からの速度指令信号
と前記かご揺れ検出部からのかご揺れ検出信号とに基づ
いて前記かごを昇降させるための駆動手段を制御するエ
レベータ制御部とを備えたエレベータ用かごの揺すり低
減装置において、前記エレベータ制御部は、前記かごの
揺すりが規定値よりも大きい場合にはかご速度を減少さ
せ、その後においても前記かごの揺すりが減少しなけれ
ば前記かごの揺すりを相殺させ、さらに前記かごの揺す
りが相殺されない場合にはかご速度を定格速度よりも所
定値以下にまで減少するよう、段階的に前記駆動手段を
制御することを要旨とする。
の揺すり低減装置の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
低減装置の説明図、図2は揺すり低減装置の具体的な動
作を表すフローチャート図である。
は3相交流電源11から供給された交流電源をコンバー
タ(図示せず)で平滑した後に再び可変電圧・可変周波
数の交流電源に電力変換するインバータ(パワートラン
ジスタ)、13は電動機としての巻上モータ、14は巻
上機、15は巻上機14に巻回された主ロープ、16は
主ロープ15の一端に固定されたかご、17は主ロープ
15の他端に固定された釣合重り、18はかご16の昇
降を案内すると共にその昇降の際の水平方向の揺れを防
止する案内レール、19はかご16の上部に設けられた
速度検出器、20はかご16の上部に設けられた振動吸
収装置、21はかご16の上部に設けられた秤用乗り過
ぎ警告ブザー、22はかご16の下部に設けられた衝撃
吸収用の防振ゴムである。
信号を周波数に置き換える信号処理部、24は信号処理
部23で置き換えられた周波数が0.5〜3Hz程度で
あった場合にはかご16の縦揺れが人為的なものである
ことを検出するかご揺れ検出部、25はかご16の定格
速度を周波数で記憶する速度テーブル記憶部、26は信
号処理部23並びに速度テーブル記憶部25からの出力
信号に基づいて速度指令信号を出力する速度指令部、2
7はかご揺れ検出部24並びに速度指令部26からの出
力信号が入力されるCPUとしてのエレベータ制御部、
28は巻上モータ13を流れる電流が正弦波となるよう
に制御すると共に巻上モータ13を流れる交流電流をト
ルク成分と励磁成分とに分けて零〜数十Hzまでインバ
ータ12を制御するPWM(パルス幅変調)制御回路で
ある。
減装置の動作を図2のフローチャートに基づいて説明す
る。
者による人為的な縦揺れが発生したかどうかの判断を行
う。即ち、膝の屈伸等による縦揺すりの周波数は0.5
〜3Hz程度なので、速度検出器19からの速度信号を
信号処理部23で周波数に置き換えた出力信号に基づい
てかご16に人為的な揺すりが発生しているか否かをか
ご揺れ検出部24が検知し、人為的な揺すりが発生して
いない場合にはこのままこのルーチンを監視し、人為的
な揺すりが発生している場合にはステップS2へと移行
する。
処理部23で周波数に置き換えた出力信号に基づいてか
ご16が昇降中であるか否かが速度指令部26によって
判断される。即ち、かご16は停止しているにも係わら
ずかご16に揺すりが発生している場合には、例えば、
かご16内で利用者が故意に膝を屈伸運動させていると
判断して速度制御は行わずにステップS3へと移行し、
かご16が昇降中の場合には速度制御を行うためにステ
ップS4へと移行する。
16が停止中であるために速度制御を行わない代わりに
人為的な揺すりを止めさせる為に注意を促す目的でエレ
ベータ制御部27から秤用乗り過ぎ警告ブザー19に警
報信号を出力してブザーを鳴動させた後、その揺すりを
継続して監視するためにステップS1へとループする。
16の最高速度を定格速度の約70%(0.7倍)程度
まで減少させるようにエレベータ制御部27からPWM
制御回路28へと指令信号が出力され、この指令信号に
基づいて巻上モータ13の駆動力が減少されてステップ
S5へと移行する。尚、駆動力減少ルーチンにより、か
ご16の揺すりによるかご速度変化、即ち、揺すりの振
幅も相対的に減少するので、かご速度は調速機(図示せ
ず)が動作する定格速度の約1.3倍より低下する。
ップS4のルーチン後、かご揺れ検出部24が人為的な
揺すりの停止を検出した場合、若しくは、揺すりに減少
傾向が見られたと判断した場合には利用者が揺すりを止
めたと判断してステップS1へとループし、また、かご
揺れ検出部24が人為的な揺すりの継続を検出した場
合、若しくは、揺すりに減少傾向が見られないと判断し
た場合にはステップS6へと移行する。尚、ステップS
4のルーチン前のかご16の振幅値をエレベータ制御部
27から記憶手段(図示せず)に記憶させ、ステップS
4でのルーチン後の現在の振幅値とステップS4でのル
ーチン前の振幅値とをエレベータ制御部27で比較する
ことで引き続き揺すりによる振幅値に減少傾向が見られ
ないと判断してもよい。
技術で説明したように、揺すりが増幅することと相俟っ
て、ステップS4で速度制限をしたにも拘らず揺すりが
継続しているため、かご揺れ検出部24からの出力信号
に基づいてこの揺すりを相殺するようにPWM制御回路
28を制御してステップS7へと移行する。尚、この
際、エレベータ制御部27は、かご速度は定格速度(ス
テップS4のルーチン後のため、約0.7倍)に収束す
るようにPWM制御回路28へ駆動指令信号を出力す
る。
中において、半波はかご速度が増加中で一方の半波はか
ご速度が減少中であるが、エレベータ制御部27はこの
かご速度が定格速度の約0.7倍に収束するようにPW
M制御回路28へ駆動指令を出力する。
プS4でのルーチン前のかご16の振幅が定格速度の約
0.7倍に収束する分に見合っただけの速度指令信号を
出力するため、かご速度が増加中の時は定格速度の約
0.7倍の時の速度指令より少なく、かご速度が減少中
の時は定格速度の約0.7倍の時の速度指令より多くエ
レベータ制御部27が速度指令を出力する。
ップS5と同様に、かご揺れ検出部24が人為的な揺す
りの停止を検出した場合、若しくは、揺すりに減少傾向
が見られたと判断した場合には利用者が揺すりを止めた
と判断してステップS1へとループし、また、かご揺れ
検出部24が人為的な揺すりの継続を検出した場合、若
しくは、揺すりに減少傾向が見られないと判断した場合
にはステップS8へと移行する。
ベータ制御部27から、かご16の最高速度を定格速度
の約40%程度にまで減少させる指令がPWM制御回路
28に出力されると共に、秤乗り過ぎ警告ブザー19を
鳴動させてステップS9へと移行する。尚、このステッ
プS8でのルーチンは、揺すりの振幅も相対的に減少さ
せて調速機が動作する定格速度の約1.3倍から遠避け
ると共に、かご16を揺すっている利用者に対して注意
を促し、この人為的な行為を止めさせる効果を有する。
0では、ステップS8でのルーチンによって再度の速度
制御が行われたため、かごを最寄階へ停止してドアを開
いた後通常運転させて、かご揺れ検出部24が人為的な
揺すりの停止を検出した場合、若しくは、揺すりに減少
傾向が見られたと判断した場合はS1へとループし、揺
すりに減少傾向が見られないと判断した場合はステップ
S11へと移行する。
ン後、再びステップS10の判断により依然として揺す
りが継続されて振幅値が減少しないため、この振幅値に
よって調速機が異常であると判断される定格速度の約
1.3倍の近傍にあるか否かが判断され、定格速度の約
1.3倍の近傍にない場合にはステップS8へとループ
され、定格速度の約1.3倍の近傍にあるときにはステ
ップS12へと移行する。
利用者に人為的且つ悪質な揺すりを停止させるためにか
ご16を階と階の間に停止させる。そして、この停止に
よって利用者は人為的且つ悪質な揺すりを停止すること
が考えられるので数秒後にかご16の通常運転を再開さ
せてステップS1へとループする。
のエレベータに適用した例を開示したが、例えば、図3
に示すように、油圧式のエレベータに適用することも可
能である。尚、図3において、上記実施の形態と同一の
構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
バルブ33或は油圧バルブ33と油圧ジャッキ34とを
結ぶ圧力配管35や油圧ジャッキ34の付近に設けられ
たジャッキ圧検出センサーである。
発生した場合、かご16の縦方向の揺すりによる振動は
主ロープ15を介して油圧ジャッキ34内の作動油に伝
達される。
変化の1周期中、半波のかご速度が増加中はジャッキ圧
検出センサー32は定格速度で走行中の時の圧力値より
も低い圧力値を示す。一方の半波であるかご速度が減少
中の時のジャッキ圧検出センサー32は定格速度で走行
中の圧力値よりも高い圧力値を示す。
ンサー32から出力される圧力値の変化、即ち、かご1
6の走行状態が上記実施の形態の図2のステップS1で
示した周波数で変化している場合にはかご16が揺すら
れていると判断することができるので、以降、図2と同
様のルーチンがなされる。
ップS6でかご速度の変化を打ち消し、かご速度が定格
速度の約0.7倍に収束する分に見合っただけの指令を
PWM制御回路28へと出力する。即ち、揺すり周波数
の1周期中、ジャッキ圧検出センサー32から送られて
くるジャッキ圧の値が定格速度の約0.7倍で走行中の
時の値より低い場合は定格速度の約0.7倍の時の速度
指令より多くエレベータ制御部27は速度指令を出力す
る。
倍で走行中の時の圧力値より高い場合には、エレベータ
制御部27は速度指令を少なく出力し、各々かご速度を
定格速度の約0.7倍へ収束させる。
19をかご16の上部ではなく、図4に示す様に巻上機
14の基台41に載置して主ロープ15の速度変化を測
定してもよい。この際の速度検出器19としては、光或
は赤外線式のものが考えられる。
は、上記実施の形態と同様に信号処理部23へと入力
し、その構成も上記実施の形態と同様である。この際の
かご16の揺すりによる振動は、主ロープ15へと伝播
するので、速度検出器19で検出された主ロープ15の
振動が上記実施の形態の揺すり周波数に該当する場合に
図2のフローチャートで示したルーチンが実行される。
の速度検出器19を調速機の取付台51に設置して調速
機ロープ53の速度変化を測定してもよい。図中、54
はかご速度が定格速度の約1.4倍になると機械的にか
ご16の非常停止を動作させる。尚、速度検出器19か
らの出力信号は信号処理部23へと入力されて、具体的
な動作は上記実施の形態と同様である。
規定値よりも大きい場合にはかご速度の減少を指令し、
それでも周波数が減少しなければ揺すり周波数を打ち消
すような速度指令を出力し、さらに周波数が減少しなけ
ればかご速度を定格速度の約40%まで減少指令を出力
し、その上で周波数が減少せずにかご速度が定格速度の
1.3倍に近ければかごを停止させる機能を具備させた
ことにより、段階を追って人為的な揺すりを低減するこ
とができ、これにより悪質な揺すりに対しては危険を未
然に防止することができるばかりでなく、揺すり周波数
を打ち消す速度指令やかご速度の定格速度を基準に減速
させることで閉じ込め故障を防止することで段階を追っ
て人為的な揺すりを止めさせる機能を持つことができ、
悪質な揺すりに対しては危険を未然に防止することがで
きる。
と、揺すり周波数を打ち消す速度指令やかご速度を定格
速度の約70%に減速させることで閉じ込め故障を防止
することができる。
かごの揺すり低減装置にあっては、エレベータ制御部
は、かごの揺すりが規定値よりも大きい場合にはかご速
度を減少させ、その後においてもかごの揺すりが減少し
なければかごの揺すりを相殺させ、さらにかごの揺すり
が相殺されない場合にはかご速度を定格速度よりも所定
値以下にまで減少するよう、段階的に駆動手段を制御す
ることにより、段階を追って人為的な揺すりを低減する
ことができ、これにより悪質な揺すりに対しては危険を
未然に防止することができるばかりでなく、かご速度を
定格速度を基準に減速させることで閉じ込め故障を防止
することができる。
減装置を示し、ロープ式のエレベータに適用した揺すり
低減装置の説明図である。
る。
減装置の応用を示し、油圧式のエレベータに適用した揺
すり低減装置の説明図である。
る。
である。
示す説明図である。
速度が増幅した場合の速度波形図である。
度検出器、24 かご揺れ検出部、26 速度指令部、
28 PWM制御回路。
Claims (4)
- 【請求項1】 かご速度指令信号を出力する速度指令部
と、前記かごの停止を含めた速度を検出する速度検出器
と、該速度検出器からの検出信号に基づいて人為的且つ
継続的な前記かごの縦揺すりを検出するかご揺れ検出部
と、前記速度指令部からの速度指令信号と前記かご揺れ
検出部からのかご揺れ検出信号とに基づいて前記かごを
昇降させるための駆動手段を制御するエレベータ制御部
とを備えたエレベータ用かごの揺すり低減装置におい
て、 前記エレベータ制御部は、前記かごの揺すりが規定値よ
りも大きい場合にはかご速度を減少させ、その後におい
ても前記かごの揺すりが減少しなければ前記かごの揺す
りを相殺させ、さらに前記かごの揺すりが相殺されない
場合にはかご速度を定格速度よりも所定値以下にまで減
少するよう、段階的に前記駆動手段を制御することを特
徴とするエレベータ用かごの揺すり低減装置。 - 【請求項2】 前記エレベータ制御部は、かご速度を定
格速度よりも所定値以下にまで減少した後においても前
記かごの揺すりが継続してかご速度が定格速度に対して
所定値付近に達した場合には前記かごを停止させるよう
に前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に
記載のエレベータ用かごの揺すり低減装置。 - 【請求項3】 前記エレベータ制御部は、前記かごの揺
すりに対する速度制御の実行を同時に警告を発すること
を特徴とする請求項1及び請求項2に記載のエレベータ
用かごの揺すり低減装置。 - 【請求項4】 前記エレベータ制御装置は、継続的な揺
すりに起因して前記かごを停止させた後、所定時間経過
後若しくは前記かごの揺すりの停止を検知した場合には
自動的に前記駆動手段を再駆動させることを特徴とする
請求項2に記載のエレベータ用かごの揺すり低減装置。
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Cited By (1)
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- 1997-05-19 JP JP12827497A patent/JP3232026B2/ja not_active Expired - Fee Related
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