JP5979971B2 - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータを備える建築物に生じた長周期振動に基づき、そのエレベータの乗りかごの運転を行うエレベータの制御装置に関する。
エレベータを備える建築物に、初期微動(P波)および主要動(S波)による地震、長周期地震、強風によって揺れが生じた場合、そのエレベータの昇降路内においてロープ(メインロープ、ガバナロープ)や電気ケーブルが周囲の機器に引っ掛かるなどのエレベータの不具合の発生を防止するために、また、乗りかご内の乗客の安全を確保するために、乗りかごの運行速度を制限したり、乗りかごを最寄階に停止させて乗客に乗りかごから降りるよう案内を報知したりするなどの管制運転が行われる。
それらの管制運転を実行する従来のエレベータの制御装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この従来のエレベータの制御装置は、加速度センサにより検出された建築物の揺れ幅、その揺れの方向および周期と、風センサにより検出された風速および風向とに基づき、建築物の揺れが長周期地震によるものか、長周期地震を除く地震によるものか、風によるものかを判断するとともに、建築物の揺れの程度を第1レベルから第3レベルの3段階で判定し、また、風速を第1,第2レベルの2段階で判定し、それらの判定の結果に基づき、予め設定された10種類の管制運転の運転方式のうちの1種類を選択して管制運転を行うか、管制運転を行わないかを決定し、乗りかごを運転するようになっている。
前述の10種類の管制運転の運転方式のうち、第2レベルの強風により建築物に揺れが生じた場合の運転方式は、乗りかごを最寄階に停止させてその乗りかごから降りるよう乗客に案内を報知し、第2レベルから第1レベルに風が収まった場合に、速度を制限して(低速モードで)乗りかごの運行を再開する、というものである。
特開2008−137800号公報
強風を伴う天候は、長周期地震よりも長い時間継続されることが多く、その天候の間、断続的に強風により建築物に長周期振動が生じる。特許文献1に開示されたエレベータの制御装置は、強風により建築物に長周期振動が生じた場合に乗りかごを最寄階に、一時停止させる管制運転を行うものであるので、強風を伴う天候の間、乗りかごの運行を頻繁に最寄階に停止させて、エレベータの利便性を低下させてしまう。特に、風により長周期振動が生じやすい高層建築物において、乗りかごが停止した状態は、その高層建築物の利用者にとって移動手段がないことと略等しい状態であるため、その利用者に大きな損害を与える虞がある。
ところで、建築物に生じる長周期振動の揺れ幅の成長速度は、その長周期振動が長周期地震時によるものである場合よりも風によるものである場合の方が遅いので、風により建築物に長周期振動が生じた場合は、長周期地震により建築物に長周期振動が生じた場合よりも、乗りかごを停止させる緊急性は低い。
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、風による建築物の長周期振動時に管制運転によって乗りかごを停止させる頻度を、従来よりも抑えることができるエレベータの制御装置を提供することにある。
前述の目的を達成するために本発明のエレベータの制御装置は次のように構成されている。
〔1〕 本発明のエレベータの制御装置は、エレベータを備える建築物に生じた長周期振動の加速度を検出する長周期振動センサと、前記建築物に吹き付けられる風の風速を検出する風速センサと、前記長周期振動センサによる長周期振動の加速度検出の結果と前記風速センサによる風速検出の結果とのうちの少なくとも前記加速度検出の結果に基づき前記乗りかごを運転する長期振動時制御手段とを備え、前記長期振動時制御手段による前記乗りかごの運転方式の種類には、平常運転と、この平常運転よりも遅い運行速度で前記乗りかごを運行させる速度制限運転と、前記乗りかごを最寄階に一時停止させる最寄階停止運転と、最寄階に停止させた状態での前記乗りかごの運行休止とが含まれるエレベータの制御装置であって、前記長周期振動センサにより検出される長周期振動の加速度に基づき、その長周期振動の揺れ幅を、小さい順に第1レベルから第4レベルまでの4段階で判定する揺れ幅判定手段と、前記風速センサにより検出される風速が予め設定された閾値以上であるか否かを判定することによって、前記建築物に吹き付けられた風の風速が前記第4レベルの揺れ幅の長周期振動を前記建築物に生じさせる虞のある強風であるか否かを判定する風速判定手段とを備え、前記長期振動時制御手段は、前記平常運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第1レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を続行し、前記平常運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第2レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して前記速度制限運転を行い、前記平常運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第3レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して前記最寄階停止運転を行い、この最寄階停止運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その最寄階停止運転を中止して前記運行休止を行い、前記速度制限運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベル未満であると判定された場合に前記速度制限運転を続行し、前記速度制限運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に、前記速度制限運転を中止して前記運行休止を行い、前記最寄階停止運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベル未満であると判定された場合に、前記最寄階停止運転を中止して前記速度制限運転を行い、前記最寄階停止運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に、前記最寄階停止運転を中止して前記運行休止を行うことを特徴とする。
この「〔1〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置において、長周期振動時制御手段は平常運転中に、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第1レベルであると判定された場合に、風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を続行する。また、長周期振動時制御手段は平常運転中に、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第2レベルであると判定された場合に、風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して速度制限運転を行う。また、長周期振動時制御手段は平常運転中に、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合に、風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して最寄階停止運転を行う。また、長周期振動時制御手段は、平常運転から最寄階停止運転を開始した後、その最寄階停止運転中に、揺れ幅判定手段により揺れ幅を第4レベルであると判定された場合に、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。つまり、「〔1〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置は、平常運転中に建築物に長周期振動が生じた場合に、その長周期振動が風によるものであるか否かに関係なく、その長周期振動の揺れ幅が第1〜第4レベルの何れであるかに基づき、平常運転、速度制限運転、最寄階停止運転および運行休止の何れか1つの運転方式を選択して乗りかごの運転を実行することができる。
また、「〔1〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置において、長周期振動時制御手段は速度制限運転中に、風速判定手段により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、その速度制限運転を続行する。また、長周期振動時制御手段は最寄階停止運転中に、風速判定手段により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、最寄階停止運転を中止して速度制限運転を行う。一方、長周期振動時制御手段は速度制限運転中に、風速判定手段により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、その速度制限運転を中止して運行休止を行う。また長周期振動時制御手段は最寄階停止運転中に、風速判定手段により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。このように「〔1〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置は、風速が強風であっても、揺れ幅が第4レベル未満の場合には、運行休止を行うことなく、速度制限運転を行い、揺れ幅が第4レベルに達してから乗りかごを最寄階に停止させる。つまり、「〔1〕」に記載のエレベータの制御装置は、建築物に生じる長周期振動が風によるものである場合、長周期地震による場合よりも揺れ幅の成長速度が遅く、乗りかごを停止させる緊急性は長周期地震時よりも低いことから、揺れ幅が第4レベルに達するまでは、乗りかごの停止よりも運行を優先する。これにより、「〔1〕」に記載のエレベータの制御装置は、風による建築物の長周期振動時に管制運転によって乗りかごを停止させる頻度を、従来よりも抑えることができる。
〔2〕 本発明のエレベータの制御装置は、前述の本発明のエレベータの制御装置において、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第2レベル以上であると判定された状態での経過時間が、長周期地震の収束時間よりも長い時間として予め設定された基準時間に達した否かを判定する揺れ時間判定手段を備え、前記長期振動時制御手段は、前記揺れ時間判定手段により前記経過時間が前記基準時間に達したと判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベル未満であると判定された場合に前記速度制限運転を続行し、前記揺れ時間判定手段により前記経過時間が前記基準時間に達したと判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に前記運行休止を行うことを特徴とするものであってもよい。
この「〔2〕」に記載された本発明のエレベータの制御装置において、基準時間は、長周期地震の収束時間よりも長い時間として予め設定されたものであるので、建築物に生じた長周期振動が基準時間以上継続した場合には、その長周期振動の原因は長周期地震以外のものである。そして、建築物に長周期振動を生じさせる原因は、長周期地震と風の2種類であるから、長周期地震以外の原因は、風ということになる。つまり、揺れ時間判定手段は、揺れ幅が第2レベル以上であると判定された状態での経過時間が基準時間に達したか否かを判定することによって、建築物に生じた長周期振動の原因が強風でない風であるか否かを判定することになる。
そして、長周期振動時制御手段は、揺れ時間判定手段により経過時間が基準時間に達したと判定され、かつ、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、揺れ幅が第2レベルであると判定されたことに基づいて行っていた速度制限運転を続行する。一方、長周期振動時制御手段は、揺れ時間判定手段により経過時間が基準時間に達したと判定され、かつ、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、揺れ幅が第2レベルであると判定されたことに基づいて行っていた速度制限運転を中止して、運行休止を行う。これにより、強風でない風により建築物に第4レベルの揺れ幅の長周期振動が生じた場合においても、長周期振動に起因するエレベータの不具合の発生を防止でき、乗りかご内の乗客の安全を確保できる。
〔3〕 本発明のエレベータの制御装置は、前述の本発明のエレベータの制御装置において、地震発生の予測を緊急で報知する地震予報信号、および、地震発生を緊急で報知する地震報知信号の少なくとも一方を、所定の発信源から受信する受信装置を備え、前記長周期振動時制御手段は、前記受信装置による前記地震予報信号および前記地震報知信号の何れかの受信後に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第1レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記平常運転を行い、前記受信後に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第2レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記速度制限運転を行い、前記受信後に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第3レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記最寄階停止運転を行い、前記受信後の前記最寄階停止運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルと判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記運行休止を行うことを特徴とするものであってもよい。
この「〔3〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置において、所定の発信源とは、気象庁の発信装置、および、気象庁からの情報を1次配信として2次配信を行う公官庁やエレベータの監視センタ等に設けられた発信装置である。また、地震予報信号とは例えば緊急地震速報であり、地震報知信号とは例えば地震情報である。
〔3〕に記載の本発明のエレベータの制御装置においては、受信装置による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後に、長周期振動時制御手段は、風速センサによる風速検出の結果に関係なく、すなわち、風により建築物に長周期振動が生じているか否かに関係なく、揺れ幅判定手段により判定された揺れ幅のレベルが第1〜第4レベルの何れであるかに基づいて、平常運転、速度制限運転、最寄階停止運転および運行休止のうちから1つの運転方式を選択して実行する。
特に、「〔3〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置は、受信装置による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後に、揺れ幅判定手段により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段は、速度制限運転ではなく最寄階停止運転を選択して実行する。つまり、「〔3〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置は、受信装置による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後、揺れ幅判定装置により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合には、建築物に生じた長周期振動が長周期地震によるものであり、風による長周期振動時よりも乗りかごを停止させる緊急性が高いと決め付けて、速度制限運転よりも最寄階停止運転を優先して行う。したがって、「〔3〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置は、長周期地震時に風が吹いていた場合に、乗りかごの運行を停止よりも優先してしまうことを回避することができる。
〔4〕 本発明のエレベータの制御装置は、前述の本発明のエレベータの制御装置において、前記長周期振動センサにより検出可能な振動の周期よりも短い周期の地震動を感知する地震感知器と、前記地震感知器により地震が感知された場合に、前記長周期振動時制御手段による前記乗りかごの運転よりも優先して地震時管制運転を行う地震時制御手段とを備えることを特徴とするものであってもよい。
この「〔4〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置において、地震感知器は、長周期振動センサにより検出可能な振動の周期よりも短い周期の地震動、すなわち初期微動(P波)または主要動(S波)を感知するものであり、地震時管制運転は、例えば最寄階停止運転または運行休止である。「〔4〕」に記載の本発明のエレベータの制御装置は、長周期地震よりも短い周期の地震時に、その地震に起因するエレベータの不具合の発生を防止でき、乗りかご内の乗客の安全を確保できる。
本発明のエレベータの制御装置は、前述のように、風による建築物の長周期振動時に管制運転によって乗りかごを停止させる頻度を、従来よりも抑えることができる。したがって、風による建築物の長周期振動時において管制運転によりエレベータの利便性が低下することを従来よりも抑えることができる。
本発明のエレベータの制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。 図1に示した第1の実施形態により行われる乗りかごの運転に係る処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示したフローチャートに続く処理であって、強風時管制運転に係る緒理の流れを示すフローチャートである。 本発明のエレベータの制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。 図4に示した第2の実施形態により行われる乗りかごの運転に係る処理の流れを示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
本発明のエレベータの制御装置の第1の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
第1の実施形態が適用されるエレベータは、図1に示すように、巻上機1のシーブ2に巻き掛けられた主ロープ4と、この主ロープ4の一端に吊り下げられた乗りかご5と、主ロープ4の他端に吊り下げられたカウンタウェイト6とを備える。
巻上機1において、電動モータ3によりシーブ2が駆動されると、そのシーブ2の回転方向に応じて乗りかご5は上方向または下方向に運行され、これと並行してカウンタウェイト6は乗りかご5と逆方向に移動する。
第1の実施形態は、長周期振動センサ10と、揺れ幅判定装置11と、風速センサ12と、風速判定装置13と、エレベータ制御盤20とを備える。揺れ幅判定装置11、風速センサ12、風速判定装置13およびエレベータ制御盤20は何れもCPU、RAM、ROMを備え、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータを用いて、RAMを演算領域として処理を行うものである。揺れ幅判定装置11は本発明の揺れ幅判定手段であり、風速判定装置13は本発明の風速判定手段である。
長周期振動センサ10は、エレベータの機械室(図示省略)内に設定されている。この長周期振動センサ10は、建築物に発生した長周期振動(例えば周期の検出範囲:2〜10秒)の加速度(数Gal)を検出し、検出した加速度に相応する加速度信号(電気信号)を揺れ幅判定装置11に出力するようになっている。揺れ幅判定装置11は、長周期振動センサ10からの加速度信号に示される加速度と、予め記憶された建築物の固有周期とに基づき、エレベータにおける主ロープ4、ガバナロープ(図示省略)、電気ケーブル(図示省略)などの長尺物の昇降路に対する揺れ幅を予測演算し、算出された揺れ幅を小さい順に第1〜第4レベルの4段階で判定し、その判定の結果を無電圧接点により電気信号に変換してエレベータ制御盤20に出力するものである。
風速センサ12は、建築物の頂部、上部の外壁などに設けられ、建築物に吹き付けられる風の風速を検出し、検出した風速に相応する風速信号(電気信号)を風速判定装置13に出力するようになっている。風速判定装置13は、風速センサ12からの風速信号に示される風速が予め設定された風速以上であるか否かを判定することによって、建築物に吹き付けられた風の風速が第4レベルの揺れ幅の長周期振動を建築物に生じさせる虞のある強風であるか否かを判定し、その判定の結果を無電圧接点により電気信号に変換してエレベータ制御盤20に出力するようになっている。
エレベータ制御盤20は、コンピュータプログラムにより設定された長周期振動時制御手段23を備える。この長周期振動時制御手段23は、長周期振動センサ10による長周期振動の加速度検出の結果と風速センサ12による風速検出の結果とのうちの少なくとも加速度検出の結果に基づき乗りかご5を運転するものである。この長周期振動時制御手段23は、乗りかご5の運転に際し、予め記憶された複数種類の運転方式のうちから1つの運転方式を選択する。それら複数種類の運転方式は、平常運転と、この平常運転よりも遅い運行速度で、すなわち速度を制限して乗りかご5を運行させる速度制限運転と、乗りかご5を最寄階に一時停止させる最寄階停止運転と、最寄階に停止させた状態での乗りかご5の運行休止とを含む。
長周期振動時制御手段23は、平常運転中に揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第1レベルであると判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、その平常運転を続行する。また、長周期振動時制御手段23は、平常運転中に揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第2レベルであると判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、平常運転を中止して速度制限運転を行う。また、長周期振動時制御手段23は、平常運転中に揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、平常運転を中止して最寄階停止運転を行う。この最寄階停止運転中に揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。
また、長周期振動時制御手段23は、速度制限運転中に、風速判定装置13により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、その速度制限運転を続行する。また、長周期振動時制御手段23は速度制限運転中に、風速判定装置13により風速を強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、その速度制限運転を中止して運行休止を行う。また、長周期振動時制御手段23は最寄階停止運転中に、風速判定装置13により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、その最寄階停止運転を中止して速度制限運転を行う。また、長周期振動時制御手段23は最寄階停止運転中に、風速判定手段により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。
エレベータ制御盤20は、コンピュータプログラムにより設定された揺れ時間判定手段21を備える。この揺れ時間判定手段21は、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第2レベル以上であると判定された状態での経過時間をCPUのクロック周波数に基づき計時し、その経過時間が長周期地震の収束時間よりも長い時間として予め設定された基準時間(例えば10分)に達した否かを判定するものである。なお、基準時間は、長周期地震の収束時間よりも長い時間に予め設定されたものであるので、建築物に生じた長周期振動が基準時間以上継続した場合には、その長周期振動の原因は長周期地震以外のものである。そして、建築物に長周期振動を生じさせる原因は、長周期地震と風の2種類であるから、長周期地震以外の原因は、風ということになる。したがって、揺れ時間判定手段21は、揺れ幅が第2レベル以上であると判定された状態での経過時間が基準時間に達したか否かを判定することで、建築物に生じた長周期振動の原因が強風でない風であるか否かを判定することになる。
長周期振動時制御手段23は、揺れ時間判定手段21により経過時間が基準時間に達したと判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、揺れ幅が第2レベルであると判定されたことに基づいて行っていた速度制限運転を続行する。また、長周期振動時制御手段23は、揺れ時間判定手段21により経過時間が基準時間に達したと判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、揺れ幅が第2レベルであると判定されたことに基づいて行っていた速度制限運転を中止して、運行休止を行う。
エレベータ制御盤20は、コンピュータプログラムにより設定された収束判定定手段22を備える。この収束判定定手段22は、揺れ幅判定装置11により判定された揺れ幅が第2レベル以上から第1レベルに低下したことを、揺れの収束と判定するものである。
第1の実施形態は、長周期振動センサ10により検出可能な振動の周期よりも短い周期の地震動(加速度)を感知する地震感知器として、P波感知器14とS波感知器15とを備える。P波感知器14は、長周期振動センサ10により検出可能な振動の周期よりも短い周期の縦揺れの地震動である初期微動(P波)を感知したときに、P波感知信号(電気信号)をエレベータ制御盤20に出力するものである。S波感知器15は、長周期振動センサ10により検出可能な振動の周期よりも短い周期の横揺れの地震動である主要動(S波)を感知したときに、S波感知信号(電気信号)をエレベータ制御盤20に出力するものである。なお、P波およびS波の地震の加速度は、長周期地震の加速度よりも大きく10〜100Gal程度である。
エレベータ制御盤20は、コンピュータプログラムにより設定された地震時制御手段24を備える。この地震時制御手段24は、P波感知器14またはS波感知器15により地震動が感知された場合に、長周期振動時制御手段23による乗りかご5の運転よりも優先して地震時管制運転を行う。具体的には、地震時制御手段24は、P波感知器14からのP波感知信号をエレベータ制御盤20が入力した場合に最寄階停止運転を行い、S波感知器15からのS波感知信号をエレベータ制御盤20が入力した場合に、乗りかご5を最寄階に停止させた状態で運行休止を行う。これにより、長周期地震よりも短い周期の地震時(初期微動時、主要動時)に、その地震に起因するエレベータの不具合の発生を防止でき、乗りかご内の乗客の安全を確保できる。
なお、エレベータ制御盤20は、最寄階停止運転により乗りかご5を最寄階に一時停止させた後、その最寄階停止運転を中止して平常運転または速度制限運転を行う準備段階として、エレベータにおける異常の有無を自己診断する異常確認運転を行う自己診断手段25を備える。
第1の実施形態は、図2に示す処理を行うことによって、長周期振動時の乗りかご5の運転方式を平常運転、速度制限運転、最寄階停止運転および運行休止のうちから選択して実行するようになっている。その処理の流れを次に説明する。
エレベータ制御盤20は乗りかご5の平常運転中(スタート)に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第1レベルであると判定された場合(ステップS1でYESの場合)、エレベータ制御盤20において、長周期振動時制御手段23は、その平常運転を続行する(リターン)。ステップS2において揺れ幅が第1レベルでなく、第2レベルであると判定された場合(「ステップS1でNO→ステップS2でYES」の場合)には、長周期振動時制御手段23は平常運転を中止して速度制限運転を行う(ステップS3)。
ステップS2において揺れ幅が第2レベルでないと判定された場合(ステップS2でNOの場合)、その揺れ幅は第3レベル以上である判定されたことになる。この場合、長周期振動時制御手段23は平常運転を中止して最寄階停止運転を行う(ステップS7)。この最寄階停止運転中に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合(ステップS8でYESの場合)、長周期振動時制御手段23は最寄階に乗りかご5を停止させた後に最寄階停止運転を中止して、運行休止を行う(ステップS9)。
前述のステップS3において速度制限運転が開始された後、風速判定装置13により風速が強風であると判定された場合(ステップS4でYESの場合)、長周期振動時制御手段23は、図3に示す処理、すなわち強風時管制運転(後述)に係る処理を行う(A)。
ステップS4において風速判定装置13により風速が強風でないと判定された場合(ステップS4でNO)に、エレベータ制御盤20において揺れ時間判定手段21は、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第2レベル以上と判定された状態の経過時間が基準時間に達したか否か、すなわち、第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続したか否かの判定を行う(ステップS5)。このステップS5において第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続したと判定された場合(ステップS5でYESの場合)、すなわち、長周期振動の原因が強風でない風であると判定された場合、長周期振動時制御手段23は、強風時管制運転(後述)に係る処理を行う(A)。
ステップS5において第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続しなかったと判定された場合(ステップS5でNOの場合)、エレベータ制御盤20において収束判定定手段22は、揺れが収束したか否かの判定を行う(ステップS6)。このステップS6において揺れが収束したと判定された場合(ステップS6でYESの場合)、すなわち、揺れ幅判定装置11により判定された揺れ幅が第1レベルであった場合に、長周期振動時制御手段23は速度制限運転を中止して、運転方式を平常運転に復帰させる(リターン)。
前述のステップS8において揺れ幅が第4レベルでないと判定された場合(ステップS8でYESの場合)であって、ステップS10において風速判定装置13により風速が強風であると判定された場合(ステップS10でYESの場合)には、エレベータ制御盤20において自己診断手段25は異常確認運転を行い(ステップS11)、エレベータに異常がなければ、長周期振動時制御手段23は、強風時管制運転に係る処理(後述)を行う(A)。
ステップS10において風速が強風でないと判定された場合(ステップS10でNOの場合)、エレベータ制御盤20は、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第2レベル以上と判定された状態の経過時間が基準時間に達したか否か、すなわち、第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続したか否かの判定を行う(ステップS12)。このステップS12において第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続したと判定された場合(ステップS12でYESの場合)、すなわち、長周期振動の原因が強風でない風であると判定された場合、エレベータ制御盤20において自己診断手段25は異常確認運転を行い(ステップS11)、エレベータに異常がなければ、長周期振動時制御手段23は、強風時管制運転に係る処理(後述)を行う(A)。
ステップS12において第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続しなかったと判定された場合(ステップS12でNOの場合)、エレベータ制御盤20において収束判定定手段22は、揺れが収束したか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13において揺れが収束したと判定された場合(ステップS13でYESの場合)、すなわち、揺れ幅判定装置11により判定された揺れ幅が第1レベルであった場合に、自己診断手段25は異常確認運転を行い(ステップS14)、エレベータに異常がなければ運転方式を平常運転に復帰させる(リターン)。
強風時管制運転について、図3を用いて次に説明する。
図3に示すように、強風時管制運転においては、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合(ステップS15でYESの場合)に、エレベータ制御盤20において長周期振動時制御手段23は運行休止を行う(ステップS16)。つまり、ステップS3において速度制限運転が開始された後に、ステップS15において揺れ幅が第4レベルであると判定された場合(ステップS15でYESの場合)には、長周期振動時制御手段23は、その速度制限運転を中止して運行休止を行う。また、ステップS7において最寄階停止運転が開始された後に、ステップS15において揺れ幅が第4レベルであると判定された場合(ステップS15でYESの場合)には、長周期振動時制御手段23は、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。
ステップS15において揺れ幅が第4レベルでないと判定された場合(ステップS15でNOの場合)、エレベータ制御盤20は速度制限運転を行う(ステップS17)。つまり、ステップS3において速度制限運転が開始された後に、ステップS15において揺れ幅が第4レベルでないと判定された場合(ステップS15でNOの場合)には、長周期振動時制御手段23は、その速度制限運転を続行する。また、ステップS7において最寄階停止運転が開始された後に、ステップS15において揺れ幅が第4レベルでないと判定された場合(ステップS15でNOの場合)には、長周期振動時制御手段23は、その最寄階停止運転を中止して速度制限運転を行う。
そして、ステップS17において開始された速度制限運転中に、エレベータ制御盤20において収束判定定手段22は、揺れが収束したか否かの判定を行う(ステップS18)。このステップS18において揺れが収束したと判定された場合、すなわち、揺れ幅判定装置11により判定された揺れ幅が第1レベルであった場合(ステップS18でYESの場合)、エレベータ制御盤20は、その速度制限運転を中止して、運転方式を平常運転に復帰させる(リターン)。
ステップS18において揺れが収束してないと判定された場合、すなわち、揺れ幅判定装置11により判定された揺れ幅が第2レベル以上であった場合、エレベータ制御盤20はルーチンをステップS17に戻す。
図2,図3に示した「ステップS1→リターン」、「ステップS1→ステップS2→ステップS3」、「ステップS1→ステップS2→ステップS7」から分かるように、長周期振動時制御手段23は、平常運転中に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第1レベルであると判定された場合には、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、その平常運転を続行し、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第2レベルであると判定された場合には、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して速度制限運転を行い、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合には、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して最寄階停止運転を行う。また、「ステップS1→ステップS2→ステップS7→ステップS8→ステップS9」から分かるように、長周期振動時制御手段23は、平常運転から最寄階停止運転を開始した後、その最寄階停止運転中に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合には、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。
つまり、第1の実施形態は、平常運転中に建築物に長周期振動が生じた場合には、その長周期振動が風によるものであるか否かに関係なく、その長周期振動の揺れ幅が第1〜第4レベルの何れであるかに基づき、平常運転、速度制限運転、最寄階停止運転および運行休止の何れか1つの運転方式を選択して実行することができる。
また、「ステップS3→ステップS4→ステップS15→ステップS17」から分かるように、速度制限運転中に、風速判定装置13により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その速度制限運転を続行する。また、「ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS15→ステップS17」から分かるように、速度制限運転中に、風速判定装置13により風速が強風でないと判定された場合であっても、揺れ時間判定手段21により長周期振動の原因が強風でない風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その速度制限運転を続行する。さらに、「ステップS7→ステップS8→ステップS10→ステップS11→ステップS15→ステップS17」から分かるように、最寄階停止運転中に、風速判定装置13により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その最寄階停止運転を中止して速度制限運転を行う。また、「ステップS7→ステップS8→ステップS10→ステップS12→ステップS11→ステップS15→ステップS17」から分かるように、最寄階停止運転中に、風速判定装置13により風速が強風でないと判定された場合であっても、揺れ時間判定手段21により長周期振動の原因が強風でない風であると判定し、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その最寄階停止運転を中止して速度制限運転を行う。
一方、「ステップS3→ステップS4→ステップS15→ステップS16」、「ステップS17→ステップS18→ステップS15→ステップS16」から分かるように、速度制限運転中に、風速判定装置13により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その速度制限運転を中止して運行休止を行う。また、「ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS15→ステップS16」から分かるように、速度制限運転中に、風速判定装置13により風速が強風でないと判定された場合であっても、揺れ時間判定手段21により長周期振動の原因が強風でない風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その速度制限運転を中止して運行休止を行う。また、「ステップS7→ステップS8→ステップS10→ステップS12→ステップS11→ステップS15→ステップS16」から分かるように、最寄階停止運転中に、風速判定装置13により風速が強風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。また、「ステップS7→ステップS8→ステップS10→ステップS12→ステップS11→ステップS15→ステップS16」から分かるように、最寄階停止運転中に、風速判定装置13により風速が強風でないと判定された場合であっても、揺れ時間判定手段21により長周期振動の原因が強風でない風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、その最寄階停止運転を中止して運行休止を行う。
これらのことから、第1の実施形態は、風速が強風である場合、または、風速が強風ではない状態において風が原因で建築物に長周期振動が発生している場合であって、揺れ幅が第4レベル未満の場合には、運行休止を行うことなく、速度制限運転を行う。つまり、建築物に生じる長周期振動が風によるものである場合、長周期地震時よりも揺れ幅の成長速度が遅く、乗りかご5を停止させる緊急性は長周期地震時よりも低いことから、第1の実施形態は、揺れ幅が第4レベルに達するまでは、乗りかご5の停止よりも運行を優先する。これにより、第1の実施形態は、風による建築物の長周期振動時に管制運転によって乗りかごを停止させる頻度を、従来よりも抑えることができ、したがって、風による建築物の長周期振動時において管制運転によりエレベータの利便性が低下することを、従来よりも抑えることができる。
また、「ステップS5→ステップS15→ステップS17」から分かるように、揺れ時間判定手段21により長周期振動の原因が強風ではない風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベル未満であると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、揺れ幅が第2レベルであることに基づいて行っていた速度制限運転を続行する。また、「ステップS5→ステップS15→ステップS16」、「ステップS12→ステップS11→ステップS15→ステップS16」から分かるように、揺れ時間判定手段21により長周期振動の原因が強風でない風であると判定され、かつ、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルであると判定された場合に、長周期振動時制御手段23は、揺れ幅が第2レベルであることに基づいて行っていた速度制限運転を中止して、運行休止を行う。これらにより、第1の実施形態は、強風でない風により建築物に長周期振動が生じた場合においても、長周期振動に起因するエレベータの不具合の発生を防止でき、また、乗りかご5内の乗客の安全を確保できる。
[第2の実施形態]
本発明のエレベータの制御装置の第2の実施形態について、図4,図5を用いて説明する。それら図4,図5に示したもののうち、図1,図2に示したものと同等のものに対しては、図1,図2で用いた符号と同じ符号を付してある。
第2の実施形態は、地震発生の予測を緊急で報知する地震予報信号、および、地震発生を緊急で報知する地震報知信号の少なくとも一方を、所定の発信源から通信網を介して受信する受信装置30を備える。所定の発信源とは、気象庁に設けられた発信装置、および、気象庁からの情報を1次配信として2次配信を行う公官庁やエレベータの監視センタ等に設けられた発信装置である。また、地震予報信号とは例えば緊急地震速報であり、地震報知信号とは例えば地震情報である。
また、第2の実施形態は、受信装置30に関連して、第1の実施形態におけるエレベータ制御盤20の代わりにエレベータ制御盤40を備える。このエレベータ制御盤40はコンピュータプログラムにより設定された受信時処理手段41を備える。この受信時処理手段41は、受信装置30による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、揺れ幅判定装置11による揺れ幅判定の結果に基づいて、長周期振動時制御手段23に乗りかご5の運転を行わせるものである。
具体的には、長周期振動時制御手段23は、受信装置30による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第1レベルであると判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、平常運転を行う。また、長周期振動時制御手段23は、受信装置30による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第2レベルであると判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、速度制限運転を行う。また、長周期振動時制御手段23は、受信装置30による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後に、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が前記第3レベルであると判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、最寄階停止運転を行う。また、エレベータ制御盤40は、受信装置30による地震予報信号および地震報知信号の何れかの受信後、最寄階停止運転中に揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第4レベルと判定された場合に、風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、運行休止を行う。
なお、長周期振動時制御手段23は、受信装置30により地震予報信号および地震報知信号の何れも受信されてない場合には、第1の実施形態におけるエレベータ制御盤20と同様に乗りかご5を運転する。
第2の実施形態は、図5に示す処理を行うことによって、乗りかご5の運転方式を平常運転、速度制限運転、最寄階停止運転および運行休止のうちから1つの運転方式を選択して実行するようになっている。その図5に示す処理の流れは、図2に示した処理にステップS20,S21が追加されたものである。
図5に示す処理の流れにおいては、「ステップS3→ステップS20→ステップS6→ステップS2→ステップS7」、「ステップS7→ステップS8→ステップ21→ステップS13→ステップS2→ステップS7」から分かるように、速度制限運転中または最寄階停止運転中に、受信装置30により地震予報信号および地震報知信号の何れかが受信された後、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合、エレベータ制御盤20は受信時処理手段41により、ステップS4,S5、またはステップS10,S12をスキップし、すなわち風速センサ12による風速検出の結果に関係なく、さらに言い換えると風速が強風か否かにも、第2レベル以上の揺れ幅が基準時間継続したか否かにも関係なく、長周期振動時制御手段23に最寄階停止運転を行わせる。
つまり、エレベータ制御盤40は、受信装置30により地震予報信号および地震報知信号の何れかが受信された後、揺れ幅判定装置11により揺れ幅が第3レベルであると判定された場合には、建築物に生じた長周期振動が長周期地震によるものであり、風による長周期振動時よりも乗りかご5を停止させる緊急性が高いと決め付けて、強風時管制運転における速度制限運転よりも最寄階停止運転を優先して行う。したがって、第2の実施形態は、長周期地震時に風が吹いていた場合に、乗りかご5の運行を停止よりも優先してしまうことを回避することができる。
なお、第2実施形態において、エレベータ制御盤40は、受信装置30により地震予報信号および地震報知信号の何れかが受信された後、エレベータ制御盤40は受信時処理手段41により、ステップS4,S5、またはステップS10,S12を1回のみスキップするが、受信装置30により地震の収束を報知する信号が受信されるまではステップS4,S5またはステップS10,S12のスキップを繰り返すよう受信時処理手段41が設定されていてもよい。
1 巻上機
2 シーブ
3 電動モータ
4 主ロープ
5 乗りかご
6 カウンタウェイト
10 長周期振動センサ
11 揺れ幅判定装置(揺れ幅判定手段)
12 風速センサ
13 風速判定装置(風速判定手段)
14 P波感知器(地震感知器)
15 S波感知器(地震感知器)
20 エレベータ制御盤
21 揺れ時間判定手段
22 収束判定手段
23 長周期振動時制御手段
24 地震時制御手段
25 自己診断手段
30 受信装置
40 エレベータ制御盤
41 受信時処理手段

Claims (4)

  1. エレベータを備える建築物に生じた長周期振動の加速度を検出する長周期振動センサと、前記建築物に吹き付けられる風の風速を検出する風速センサと、前記長周期振動センサによる長周期振動の加速度検出の結果と前記風速センサによる風速検出の結果とのうちの少なくとも前記加速度検出の結果に基づき乗りかごを運転する長期振動時制御手段とを備え、前記長期振動時制御手段による前記乗りかごの運転方式の種類には、平常運転と、この平常運転よりも遅い運行速度で前記乗りかごを運行させる速度制限運転と、前記乗りかごを最寄階に一時停止させる最寄階停止運転と、最寄階に停止させた状態での前記乗りかごの運行休止とが含まれるエレベータの制御装置であって、
    前記長周期振動センサにより検出される長周期振動の加速度に基づき、その長周期振動の揺れ幅を、小さい順に第1レベルから第4レベルまでの4段階で判定する揺れ幅判定手段と、
    前記風速センサにより検出される風速が予め設定された閾値以上であるか否かを判定することによって、前記建築物に吹き付けられた風の風速が前記第4レベルの揺れ幅の長周期振動を前記建築物に生じさせる虞のある強風であるか否かを判定する風速判定手段とを備え、
    前記長期振動時制御手段は、
    前記平常運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第1レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を続行し、
    前記平常運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第2レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して前記速度制限運転を行い、
    前記平常運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第3レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その平常運転を中止して前記最寄階停止運転を行い、
    この最寄階停止運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、その最寄階停止運転を中止して前記運行休止を行い、
    前記速度制限運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベル未満であると判定された場合に前記速度制限運転を続行し、
    前記速度制限運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に、前記速度制限運転を中止して前記運行休止を行い、
    前記最寄階停止運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベル未満であると判定された場合に、前記最寄階停止運転を中止して前記速度制限運転を行い、
    前記最寄階停止運転中に、前記風速判定手段により風速が前記強風であると判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に、前記最寄階停止運転を中止して前記運行休止を行う
    ことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータの制御装置において、
    前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第2レベル以上であると判定された状態での経過時間が、長周期地震の収束時間よりも長い時間として予め設定された基準時間に達した否かを判定する揺れ時間判定手段を備え、
    前記長期振動時制御手段は、
    前記揺れ時間判定手段により前記経過時間が前記基準時間に達したと判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベル未満であると判定された場合に前記速度制限運転を続行し、
    前記揺れ時間判定手段により前記経過時間が前記基準時間に達したと判定され、かつ、前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルであると判定された場合に前記運行休止を行う
    ことを特徴とするエレベータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の発明において、
    地震発生の予測を緊急で報知する地震予報信号、および、地震発生を緊急で報知する地震報知信号の少なくとも一方を、所定の発信源から受信する受信装置を備え、
    前記長周期振動時制御手段は、
    前記受信装置による前記地震予報信号および前記地震報知信号の何れかの受信後に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第1レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記平常運転を行い、
    前記受信後に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第2レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記速度制限運転を行い、
    前記受信後に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第3レベルであると判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記最寄階停止運転を行い、
    前記受信後の前記最寄階停止運転中に前記揺れ幅判定手段により揺れ幅が前記第4レベルと判定された場合に、前記風速センサによる風速検出の結果に関係なく、前記運行休止を行う
    ことを特徴とするエレベータの制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のエレベータの制御装置において、
    前記長周期振動センサにより検出可能な振動の周期よりも短い周期の地震動を感知する地震感知器と、前記地震感知器により地震が感知された場合に、前記長周期振動時制御手段による前記乗りかごの運転よりも優先して地震時管制運転を行う地震時制御手段とを備える
    ことを特徴とするエレベータの制御装置。
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