JP3231980B2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機に関
し、特に、遊技部内に弾発した打球を始動口に向かって
流下させる案内路を設けたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のパチンコ機では、弾発し
た打球が流下する遊技部のほぼ中央に位置する表示装置
と、この表示装置の周囲を縁取る飾り縁と、この飾り縁
の下方に位置し、打球の入賞に基づいて前記表示装置を
用いた別遊技を開始させる始動口と、遊技部内に弾発し
た打球を始動口に向かって流下させる案内路を備えたも
のが知られている。

【０００３】このパチンコ機の遊技盤に設けた案内路に
は、種々の構造のものがあるが、その代表的な一例とし
ては、飾り縁の左右側方から、それぞれ飾り縁の下部中
央に向かって打球を導く案内部材を設け、両案内部材の
間隔内の下方に始動口が位置するようにしたものがあ
る。また、案内路の他の例としては、飾り縁の左右側方
にそれぞれ設けた打球の受入口と、この受入口に連通す
るとともに、始動口の上方に位置する打球の排出口とを
備えてたものがある。

【０００４】そして、このような従来のパチンコ機で
は、始動口に打球が入賞することにより、表示装置を用
いた別遊技を開始することができ、この別遊技におい
て、いわゆる大当たりという賞態様を構成すると、多く
の賞球を獲得できる等、遊技者にとって有利な特別遊技
を行うことができる。このため、遊技者は、より多くの
打球を始動口に入賞させるよう遊技を行うこととなる。
そこで、始動口への入賞の期待を持たせて遊技の興趣を
高めるため、遊技部内に弾発した打球の一部を案内路に
より始動口に向かって流下させている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のパチンコ機では、案内路により、打球の流下方向を変
更し、打球を始動口に向かって流下させているとはい
え、案内路により変更された打球の以後の流下経路はほ
ぼ同様であった。このため、打球の流下経路が単純で意
外性がなく、遊技の興趣を高めることができないという
問題があった。

【０００６】そこで、本発明は、上記した従来の技術の
有する問題点に鑑み提案され、以下の点を目的とする。
すなわち、請求項１記載の発明の目的とするところは、
打球の流下経路に変化を持たせることができる案内路を
設けることにより、遊技の興趣を高めることができるパ
チンコ機を提供することにある。

【０００７】また、請求項１記載の発明の目的とすると
ころは、打球の流下方向にさらに変化を持たせて、より
一層、遊技の興趣を高めることができるパチンコ機を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものであり、以下にその内容を図面に
示した実施例に基づいて説明する。請求項１記載の発明
は、弾発した打球が流下する遊技部(40)のほぼ中央に位
置する表示装置(50)と、この表示装置(50)の周囲を縁取
る飾り縁(10)と、この飾り縁(10)の下方に位置し、打球
の入賞に基づいて前記表示装置(50)を用いた別遊技を開
始させる始動口(60)とを備えたパチンコ機において、上
記飾り縁(10)の下部には、前記遊技部(40)を流下する打
球を受け止める導入口(263)と、前記導入口(263)が受け
止めた打球を前記始動口(60)に向かって放出させる左右
一対の手前側案内路(260,260)と、前記左右の手前側案
内路(260,260)の奥側に位置し、各手前側案内路(260)が
受け止めた打球の一部が流入する一対の連通口路(271,2
71)と、前記各連通口(271,271)の打球の流下方向の下方
に形成され、流入した打球を前記始動口(60)に向かって
放出させる奥側案内路(270,270)とを備え、前記左右の
各手前側案内路(260,260)には、各手前側案内路(260,26
0)が受け止めた打球の一部を奥側案内路(270,270)に向
かって流下させる振分片(267,267)をそれぞれ設け、前
記各連通口(271,271)には、前記振分片(267,267)によっ
て流下方向に変化を与えられた打球の奥側案内路(270,2
70)又は手前側案内路(260,260)から手前側案内路(260,2
60)又は奥側案内路(270,270)への流入を困難にさせる仕
切壁(273,273)をそれぞれ形成したことを特徴とする。

【０００９】したがって、上記した請求項１記載の発明
によれば、次のような作用を奏する。

【００１０】すなわち、請求項１記載の発明では、遊技
部(40)内に弾発された打球は、風車(160）や障害釘等に
衝接しながら遊技部(40)内をアウト口(150)に向かって
流下する。そして遊技部(40)を流下する打球のうち、一
部の打球は、表示装置(50)の周囲を縁取る飾り縁(10)の
外周を回り込んで、手前側案内路(260)に受け止められ
て、始動口(60)に向かって流下する。

【００１１】また、この手前側案内路(260)に受け止め
られた打球の一部は、奥側案内路(270)内に流入し、始
動口(60)に向かって放出される。そして、放出された打
球が、始動口(60)に入賞した場合には、表示装置(50)を
用いた別遊技が開始される。さらに、この別遊技におい
て、いわゆる大当たりという賞態様を構成すると、多く
の賞球を獲得できる等、遊技者にとって有利な特別遊技
を行うことができる。

【００１２】このため、請求項１記載の発明では、遊技
部(40)内を流下する打球の一部は、手前側案内路(260)
により直接始動口(60)に向かって案内されたり、あるい
は手前側案内路(260)から更に奥側案内路(270)に流入し
て始動口(60)に向かって案内されるので、打球の流下経
路に変化が生じ、遊技の興趣を高めることができる。さ
らに、請求項１記載の発明では、左右の各手前側案内路
(260)に設けた振分片(267)により、手前側案内路(260)
が受け止めた打球のうち、一部の打球が奥側案内路(27
0)に向かって流下させられるが、その打球の全てが連通
口(271)を通って奥側案内路(270)を導かれるのではな
く、その途中に設けられた仕切壁(273)にぶつかって再
び手前側案内路(260)に戻ってしまう可能性もあるな
ど、複雑な打球の動きを期待することができる。

【００１３】このため、打球の流下経路に更に変化を生
じさせて、遊技の興趣をさらに高めることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１は、パチンコ機の遊技盤表面
に設けた飾り縁の一部省略分解斜視図、図２は飾り縁を
設けた遊技盤の正面図、図３は遊技盤の表面に配設した
飾り縁の正面図、図４は図３におけるＡ−Ａ断面図、図
５は図３におけるＢ−Ｂ断面図、図６は飾り縁の平面図
を各々示す。

【００１５】図１，２中、10は、本発明に係るパチンコ
機の遊技盤20の表面に設けた飾り縁10である。この飾り
縁10を設けた遊技盤20は、詳細には図示しないが、パチ
ンコ機の前面枠の表面に配設されており、図２に示すよ
うに、ガイドレール30等で囲まれた遊技部40のほぼ中央
に設けた表示装置50と、この表示装置50の周囲を縁取る
飾り縁10と、この飾り縁10の下方に設けられ、打球の入
賞に基づいて表示装置50を用いた別遊技を開始させる始
動口60とを備えている。

【００１６】遊技部40内には、始動口60の下方に、特別
遊技時に打球を受け入れ易い状態に開放して、多量の打
球を入賞させることができる大入賞口70を設け、飾り縁
10の左側には、打球が通過すると、普通図柄表示装置
（後述）を所定時間だけ図柄変動を開始させる通過ゲー
ト80が設けてある。また、遊技部40内には、その他の一
般入賞口として、飾り縁10の上部に天入賞口90を設け、
始動口60の左右に左入賞口100及び右入賞口110を設け、
大入賞口70の左右に左下入賞口120と右下入賞口130とを
設けてある。

【００１７】また、遊技部40の下部には、いずれの入賞
口(60,70,90等)にも入賞しない打球を遊技盤20裏側に排
出するアウト口150が設けてある。さらに、遊技部40内
には、打球の流下経路を変更させるための風車160…
や、複数の障害釘が配設されている。また、表示装置50
の上方の飾り縁10には、始動口60への入賞記憶を４個ま
で表示する記憶表示器170が設けてある。

【００１８】さらに、記憶表示器170の上方の飾り縁10
には、向かって中央右側には、特定の図柄が停止表示さ
れ場合に、始動口60を、打球を受け入れ易い状態に変換
する普通図柄表示部171が、向かって左側には、前記通
過ゲート80への入球を４個まで記憶して表示する記憶表
示部172が設けてある。上記した飾り縁10を、図１，３
〜６に基づき、更に詳しく説明する。

【００１９】図３は飾り縁10の正面図、図４は図３にお
けるＡ−Ａ断面図、図５は図３におけるＢ−Ｂ断面図、
図６は飾り縁10の平面図をそれぞれ示す。この飾り縁10
は、前記表示装置50の周囲を縁取るもので、遊技盤20の
表面に取り付ける本体枠180と、この本体枠180の裏側に
取り付ける補助枠190と、この補助枠190の裏側に取り付
けて、装飾ランプ200等を保持する左右一対の装飾補助
枠210,210と、本体枠180の前面上部に取り付けるととも
に、上部に天入賞口90を有する前面装飾枠220とを備え
ている。

【００２０】上記本体枠180は、図１，３に示すよう
に、ほぼ中央に表示装置50の前面側が位置する表示開口
181を有する枠状の部材で、上部裏側には、天入賞口90
への入賞球を流下させる天入賞球流下路182を設け、上
部には複数の装飾ランプ200を取り付けるための装飾ラ
ンプ取付孔183…を設け、表示開口181の左右側部には断
面半球状の装飾ランプカバー230,230を取り付け、上部
表面には記憶表示器カバー240や、円形の装飾ランプカ
バー250が取り付けてある。

【００２１】上記補助枠190は、図１，３に示すよう
に、ほぼ中央に表示装置50の前面側を挿通するための表
示装置挿通開口191を開設した枠状の部材で、枠面に
は、複数の装飾ランプ挿通孔192が開設してある。この
補助枠190は、その裏面側に、液晶表示装置からなる表
示装置50が表示装置挿通開口191及び本体枠180の表示開
口181内に位置するように取り付けてある。

【００２２】また、上記飾り縁10の下部には、図１〜５
に示すように、遊技部40を流下する打球を受け止め、こ
の受け止めた打球を前記始動口60に向かって放出させる
左右一対の手前側案内路260,260と、この左右の手前側
案内路260の奥側に位置し、各手前側案内路260が受け止
めた打球の一部が流入し、流入した打球を前記始動口60
に向かって放出させる奥側案内路270とを設けてある。

【００２３】まず、図１〜５に基づき、手前側案内路26
0を説明する。この手前側案内路260は、図１〜５に示す
ように、本体枠180の下部前面と、本体枠180の下部前面
の左右に取り付けた左右一対の案内部材261,261により
構成されており、本体枠180の下部の左右側方から本体
枠180の下部の中央に向かって下り傾斜している。

【００２４】この案内部材261,261は、それぞれ、前面
に設けた案内壁262と、左右の端部に設けた打球の導入
口263と、中央側開放端に設けた打球の導出口264と、裏
面側に設けた開放面265とを備えており、その間隔内の
下方に始動口60が位置するようにして、本体枠180に取
り付けられている。上記した導出口264が位置する中央
側開放端266は、斜め下方に向かって傾斜しており、導
出口264から放出される打球は、始動口60に向かって流
下する。

【００２５】次に、図１〜５に基づき、奥側案内路270
を説明する。この奥側案内路270は、図１〜５に示すよ
うに、本体枠180の表示開口181の内底面により構成され
ており、表示開口181の左右側方から表示開口181の中央
に向かって下り傾斜している。この奥側案内路270は、
表示開口181の底面の左右両端部に設けられ、案内部材2
61の開放面265と連通して打球を受け入れる連通口271,2
71と、表示開口181の内底面の中央前面に設けられ、始
動口60の上方に位置して打球を導出する中央開口272と
を備えている。

【００２６】また、左右の連通口271と中央開口272との
間には、表示開口181の内底面の前面に、手前側案内路2
60と奥側案内路270とを仕切る仕切壁273を立設してあ
る。また、図５に示すように、中央開口272に面した本
体枠180の底面には、補助枠190の裏側から中央開口272
の中央部前面側に向かって下り傾斜する案内溝274が設
けてある。この案内溝274により、中央開口272から放出
される打球が始動口60に向かって流下する可能性を、よ
り一層高めることができる。

【００２７】また、図１，５に示すように、手前側案内
路260を構成する案内部材261に設けた案内壁262の上端
部であって、案内部材261を流下する打球が接触可能な
高さ位置に、導入口263側から導出口264側に向かって斜
めに突出する振分片267が設けてある。この振分片267
は、手前側案内路260が受け止めた打球のうち、一部の
打球を奥側案内路270に向かって流下させるためのもの
である。

【００２８】次に、上記した手前側案内路260及び奥側
案内路270により、打球が始動口60に向かって流下する
様子を説明する。遊技部40を流下する打球が飾り縁10の
左右下部に設けた手前側案内路260の導入口263に受け入
れられると、その打球は、手前側案内路260内を導出口2
64に向かって流下し、導出口264から始動口60に向かっ
て放出される。また、手前側案内路260により受け止め
られた打球が振分片267に接触すると、その打球は、奥
側案内路270側に流下方向が変更され、一部は、開放面2
65から連通口271を介して奥側案内路270に向かって流下
する。

【００２９】連通口271から奥側案内路270内に受け入れ
た打球は、中央開口272に向かって流下し、中央開口272
から始動口60に向かって放出される。このように、手前
側案内路260の導入口263に受け入れられた打球は、その
まま流下して導出口264から始動口60に向かって放出さ
れるものと、手前側案内路260から奧側案内路270を流下
して中央開口272から始動口60へ向かって放出されるも
のとがある。

【００３０】そして、打球の流下経路の変化が、振分片
267への接触具合などの片打球の流下位置の微妙な差に
より生じ、規則性を持たないことから、遊技者を飽きさ
せることがない。このようにして始動口60に向かって放
出された打球が始動口60に入賞すると、表示装置50を用
いた別遊技が開始される。

【００３１】なお、遊技部40内を流下する打球が通過ゲ
ート80を通過した場合には、普通図柄表示部171が、図
柄の変動を開始し、この普通図柄表示部171に特定の図
柄が停止表示され場合に、始動口60を、打球を受け入れ
易い状態に変換し、より始動口60に入賞し易くなる。

【００３２】

【発明の効果】本発明は、上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。請求
項１記載の発明では、遊技部内を流下する打球の一部
は、手前側案内路により直接始動口に向かって案内され
たり、あるいは手前側案内路からさらに奥側案内路に流
入して始動口に向かって案内される。

【００３３】したがって、前側案内路に受け入れられた
打球が、そのまま始動口に向かうのか、あるいはさらに
奥側案内路に向かうのか、という予測がつき難く、打球
の流下経路に変化を持たせて、遊技の興趣を高めること
ができる。また、請求項１記載の発明では、左右の各手
前側案内路に設けた振分片により、手前側案内路が受け
止めた打球の一部が奥側案内路に向かって流下させられ
るが、その打球の全てが連通口を通って奥側案内路を導
かれるのではなく、その途中に設けられた仕切壁にぶつ
かって再び手前側案内路に戻ってしまう可能性もあるな
ど、複雑な打球の動きを期待することができる。

【００３４】したがって、打球の流下経路にさらに変化
を持たせることができ、遊技の興趣をさらに高めること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機の遊技盤表面に設けた飾り縁の一部
省略分解斜視図である。

【図２】飾り縁を配設したパチンコ機の遊技盤の正面図
である。

【図３】遊技盤の表面に設配設した飾り縁の正面図であ
る。

【図４】図３におけるＡ−Ａ断面図である。

【図５】図３におけるＢ−Ｂ断面図である。

【図６】飾り縁の平面図である。

【符号の説明】

10 飾り縁 20 遊技盤 30 ガイドレール 40 遊技部 50 表示装置 60 始動口 70 大入賞口 80 通過ゲート 90 天入賞口 100 左入賞口 110 右入賞口 120 左下入賞口 130 右下入賞口 150 アウト口 160 風車 170 記憶表示器 171 普通図柄表示部 172 記憶表示部 180 本体枠 181 表示開口 182 天入賞球流下路 183 装飾ランプ取付孔 190 補助枠 191 表示装置挿通開口 192 装飾ランプ挿通孔 200 装飾ランプ 210 装飾補助枠 220 前面装飾枠 230 装飾ランプカバー 240 記憶表示器カバー 250 装飾ランプカバー 260 手前側案内路 261 案内部材 262 案内壁 263 導入口 264 導出口 265 開放面 266 中央側開放端 267 振分片 270 奥側案内路 271 連通口 272 中央開口 273 仕切壁 274 案内溝

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾発した打球が流下する遊技部のほぼ中
   央に位置する表示装置と、 この表示装置の周囲を縁取る飾り縁と、 この飾り縁の下方に位置し、打球の入賞に基づいて前記
   表示装置を用いた別遊技を開始させる始動口とを備えた
   パチンコ機において、 上記飾り縁の下部には、 前記遊技部を流下する打球を受け止める導入口と、 前記導入口が受け 止めた打球を前記始動口に向かって放
   出させる左右一対の手前側案内路と、 前記左右の手前側案内路の奥側に位置し、各手前側案内
   路が受け止めた打球の一部が流入する一対の連通口と、 前記各連通口の打球の流下方向の下方に形成され、流入
   した打球を前記始動口に向かって放出させる一対の奥側
   案内路とを備え、 前記左右の各手前側案内路には、 前記各手前側案内路が受け止めた打球の一部を奥側案内
   路に向かって流下させる振分片をそれぞれ設け、 前記各連通口には、前記振分片によって流下方向に変化
   を与えられた打球の奥側案内路又は手前側案内路から手
   前側案内路又は奥側案内路への流入を困難にさせる仕切
   壁をそれぞれ形成したことを特徴とするパチンコ機。