JP3231707U - 蓋付ポケット - Google Patents
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Abstract
【課題】衣服に取り付けるポケットであって、スマートフォンなどの通信端末を専用に収納するための補助収納部を有するポケットを提供する。【解決手段】主収容部1と、該主収容部の内側に主収容部より小さい補助収納部2と、主収容部と補助収容部の開口部2Aを覆う蓋3とを有して、蓋の一部に、蓋を被せた状態で被収納品50を補助収納部へ投入できるスリット3bを形成したポケットAであって、補助収納部の開口部に、補助収納部の内側に膨らみ、被収納品の上端を抑える逆止部2xを設けた。【選択図】図2
Description
本考案は、上衣やズボンなどの衣服に取り付けるポケットであって、特にスマートフォンなどの通信端末を専用に収納するための補助収納部を有するポケットに関する。
野外の作業現場において、連絡や記録のためスマートフォンをはじめとする各種通信端末を日常的に使用するようになっており、上衣やズボンなど作業着のポケットにそれらを収納する機会が増えている。通常型のポケットでは、ポケットより小型の通信端末を収納した場合には、中で深く沈んだり、また、ポケットの中で傾いたりしてしまい、円滑な出し入れができない。このため、ポケットの中に、さらに小さい補助収納部を設けて、この部分にこれら通信端末を専用に収納する構造が知られている。
特に、蓋付ポケットの場合は、通信端末の出し入れには蓋の開け閉めを行う必要があり、通信端末の出し入れが煩雑な作業となるため、これを解決する構造として、以下の文献に記載される構造が提案されている。
上記特許文献1のポケットは、ポケットの蓋の縫い合わせ部にスリットを形成して、蓋を開けずに携帯電話をポケット内の補助収納部に投入できる構造が開示されている。しかし、かかる構造では、衣服装着者がかがみ込むなどして、姿勢を変えた場合、携帯電話がスリットを通してポケットから外に脱落することが考えられる。
蓋付ポケットの構造とは異なるが、上記特許文献2には、ポケットの開口部に収納部内面に段部を設け、携帯電話の下部を補助ポケットに差し込むことにより傾けて収納し、携帯電話の上端をこの段差で抑えることにより形態電話の脱落を防止する構造が開示されている。
しかしながら、補助ポケットは、衣服の内側に形成される切りポケットであり、縫製に余分な工程が必要とされる。また、段差は被服の厚みのみによって形成されるために、携帯電話が補助ポケットにより傾いて収納されなければ脱落防止の段差として機能しない。
そこで、本考案の目的は、補助収納部に携帯電話など被収納物を挿入するスリットを有する蓋付ポケットにおいて、簡単な構造で、被収納物の脱落防止ができるポケットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案のポケットは、主収容部と、該主収容部の内側に前記主収容部より小さい補助収納部と、前記主収容部と前記補助収容部の開口部を覆う蓋とを有して、前記蓋の一部に、前記蓋を被せた状態で被収納品を前記補助収納部へ投入できるスリットを形成したポケットであって、前記補助収納部の開口部に、前記補助収納部の内側に膨らみ、前記被収納品の上端を抑える逆止部を設けたことを特徴とする。
本考案の蓋付ポケットによれば、補助収納部の開口部に膨らみ、補助収納部に収納されるスマートフォンなどの被収納品の上端を抑える逆止部により、該被収納品のスリットからの脱落を防止することができる。
本考案の第一実施形態を、図1及び図2を用いて説明する。図1によって、同実施形態の、補助収納部を有するポケットの全体構造を説明し、図2(a)及び(b)によって、同補助収納部の逆止構造を説明する。
図1に示すように、本考案のポケットAは、例えばズボンの側面に取り付けられるサイドポケットであって、主収納部1とその内側に設ける補助収納部2と両者の開口部を覆う蓋3とから構成されている。
主収納部1は、布地1aをその輪郭1bに沿って、ステッチ1dにより衣服の服地20の表面に縫い付けることで構成され、高さ22.0cm、幅18.5cmの外形を有する。布地1aは中央縦方向に2つのマチ1cを形成し、中に被収納部を入れた際に主収納部1が立体的に膨らむようになっている。
補助収納部2は、布地1aの内側に、他の布地2aを同様に輪郭2bに沿って、ステッチ2dにより服地20に縫い付けることで構成される、高さ16.0cm、幅10.6cmの外形を有する。補助収納部2のサイズは、スマートフォンなど通信端末50を完全に収納できるように決定され、さらに、後述するように同通信端末を収納したうえで、通信端末50の上端が開口部2Aの折り返し部2xより下側に位置するように決定される。
また、上述したように補助収納部2は、主収納部1より小さい外形を有するが、その開口部2A近傍の上部は、主収納部1の開口部1Aの上端より高い位置に配置され、補助収納部2の上部が主収納部1の開口部1Aの上方に露出する。そして、補助収納部2の開口部2Aは後述する蓋3のスリット3bに近接する。
また、後述する蓋3を開くことにより、開口部2A近傍の上部は露出する。このため、使用者が蓋3を開いてポケットに被収容物を投入しようとすると、被収納物が主収納部1の上方に露出する補助収納部2の上部外側に当たり、主収納部1との間隔を開くため、被収納物を確実に主収納部1に収納することができる。
蓋3は、上端左右が服地20の表面に縫い付けられて、ヒンジ部3aとなる。このヒンジ部3a、3aの間は、スリット3bが形成される。このスリット3bは、補助収納部2の幅とほぼ同一の長さを有し、蓋3を閉めていても、このスリット3bを通して、補助収納部2に通信端末50を挿入できる構造となっている。なお、蓋3の裏面には、面ファスナー4aが取り付けられており、主収納部1の第1布地1aの表面に取り付けられた面ファスナー4bとともに蓋止め部4を形成して、蓋3が簡単には開かない構造となっている。
図2(a)に、ポケットAの断面図を示すが、上述したように、主収納部1の第1布地1aの内側に補助収納部2の第2布地2aが取り付けられ、さらに蓋3がこれら主収納部1及び補助収納部2のそれぞれの開口部1A、2Aを覆うように取り付けられている。
そして、蓋3の上端、蓋3を開閉するヒンジ部3aの位置であって、補助収納部2の開口部2Aと連続する位置にスリット3bが形成される。このため、スリット3bを通して挿入されるスマートフォンなどの通信端末50は、その近傍に開口部2Aを有する補助収納部2に確実に収納されることとなる。
補助収納部2を構成する第2布地2aの上端は、内側に1.0cmの幅をもって2回折り畳まれて、三ツ巻構造と呼ばれる折り返し部2xとなっている。すなわち、この折り返し部2xは、第1折り込み代2x1、第2折り込み代2x2、そして第2布地2a本体と、布が三重となる構造を有している。
そして、この折り返し部2xは、折り返した両端2yが、第2生地2aにステッチ2dにより布地2aに縫い付けられて固定されている。このため、折り返し部2xの両端は潰れ、かつ折り込み代2x1、2x2が開くことはないが、それ以外の部分はそれぞれが互いに固定されておらず、フリーとなっているため、折り込み代2x1、2x2の復元力により三重になった布は密着せず、補助収納部2の開口部2Aの内側に膨らみ、張り出すこととなる。なお、折り返し部2xは補助収納部2の内側に張り出す構造であればよいため、折り込み代2x1、2x2同士は縫合してもよい。
図2(b)にこの状態における、補助収納部2の開口部2A近傍の部分的な断面斜視図を示す。補助収納部2に通信端末50を投入すると、内側に膨らんだ開口部2Aの折り返し部2xが通信端末50の上端50aに覆い被さる。このため、装着者が姿勢を変化させて通信端末50が開口部2Aから外へ出そうになっても、この折り返し部2xの下端2x3が通信端末50の上端50aを抑える逆止部となって、通信端末50が開口部2Aから脱落することを防止する。
なお、通信端末を取り出す際は、スリット3bから、または蓋3を開いて直接、補助収納部2に指を入れることで、折り返し部2xが押し潰され、通信端末50の上端50aの覆い被さりが解除されるので、円滑に通信端末50を取り出すことができる。
以上説明したように、本考案の実施態様によれば、補助収納部2を構成する布地2aの上端に折り返し部2xを形成することで、これを逆止部とすることができ、収納した通信端末50の落下を確実に防止することができる。
(その他の実施形態)
図3を用いて、本件考案の第二実施形態を説明する。第一実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図3を用いて、本件考案の第二実施形態を説明する。第一実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
同図は、第二実施形態のポケットBの断面図を示す。同図に示すように、本実施形態では、第一実施形態で設けた補助収納部2の開口部2Aに形成した折り返し部の代わりに、逆止部としてのフラップ片5を設けるものである。
フラップ片5は、二重に織り込んだ短冊状の布片5aを、その折り目を下端として、フラップ片5の上端を服地20に縫い付けたものである。
フラップ片5は上端を服地20に縫い付けても、二重の厚みのため下端が浮き上がり、補助収納部2の内側に張り出す。このため、補助収納部2内に通信端末50を挿入した場合、その上端50aをフラップ片5が覆い、その脱落を防止することができる。
なお、このフラップ片5の取付け位置は、多様な位置を選択することができる。例えば、蓋3の裏面に設けてもよく、また、補助収納部2の布片2aの裏側(補助収納部2の内側)に設けることもできる。
図4を用いて、本考案の第三実施形態を説明する。第一実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
同図に示すように、本実施形態のポケットCは、補助収納部2の折り返し部2xを、第一実施形態の三ツ巻構造に代えて単純に折り返した二重折構造としたものである。すなわち、この折り返し部2xは、第1折り込み代2x4と布地2a本体とにより布が二重になった構造となっている。折り返し部2xの両側2yは、折り返されて二重布になった状態でステッチ2dにより服地20に縫い付けられている。
このため、折り返し部2xの両端以外は、第1折り込み代2x4は布地2aに固定されておらず、補助収納部2の開口部2A内側に張り出す。このため、補助収納部2に通信端末50を投入すると、内側に膨らんだ開口部2Aの折り返し部2xの下端2x5が通信端末50の上端50aに覆い被さり、通信端末50の補助収納部2からの落下を防止する。なお、折り返し部2xの下端2x5は、解れ防止のためにステッチ処理して補強することができる。
補助収納部2の被収納品の落下を防止するための逆止部は、上述の実施形態に限られない。例えば、補助収納部2の開口部2A内側に膨らんで張り出す、金属羽根や摩擦係数の高いラバープレートや、また、服地20自体をプリーツ状に縫製してフラップ片を構成する等、被収納品50の上端に被さり、被収納物50がスリット3へ移動することを阻止する多様な構造を選択することができる。
また、上記第一実施形態乃至第三実施形態のポケットA乃至Cは、いずれも衣服の服地20外側に直接布地を縫い付けてポケットA乃至Cを構成したが、ポケットの裏地を有し、独立したポケットとして、これを衣服に取り付ける構造であってもよい。
さらに、主収納部1及び補助収納部2のサイズや形状、および蓋3のスリット3bの長さは、収納を目的とする被収納物の大きさによって自由に選択することができる。
A、B、C ポケット
1 主収容部
1A (主収納部の)開口部
2 補助収容部
2A (補助収納部の)開口部
2a (補助収納部の)布地
2d ステッチ(縫合線)
2x 折り返し部(逆止部)
2x1 第1折り返し代(三ツ巻構造)
2x2 第2折り返し代(三ツ巻構造)
3 蓋
3b スリット
5 フラップ片(逆止部)
20 衣服
50 通信端末(被収納品)
1 主収容部
1A (主収納部の)開口部
2 補助収容部
2A (補助収納部の)開口部
2a (補助収納部の)布地
2d ステッチ(縫合線)
2x 折り返し部(逆止部)
2x1 第1折り返し代(三ツ巻構造)
2x2 第2折り返し代(三ツ巻構造)
3 蓋
3b スリット
5 フラップ片(逆止部)
20 衣服
50 通信端末(被収納品)
Claims (6)
- 蓋を有する衣服のポケットであって、主収容部と、該主収容部の内側に前記主収容部より小さい補助収納部と、前記主収容部と前記補助収容部の開口部を覆う蓋とを有して、前記蓋の一部に、前記蓋を被せた状態で被収納品を前記補助収納部へ投入できるスリットを形成したポケットであって、前記補助収納部の開口部に、前記補助収納部の内側に膨らみ、前記被収納品の上端を抑える逆止部を設けたことを特徴とするポケット。
- 請求項1記載のポケットであって、前記逆止部は、前記補助収納部を構成する布片の上端を前記補助収納部の内側に折り返し、両端部のみを折り返し状態で固定した折り返し部であることを特徴とするポケット。
- 請求項2記載のポケットであって、前記折り返し部は2回折り返すことによって構成される、断面三つ巻形状を有することを特徴とするポケット。
- 請求項1記載のポケットであって、前記逆止部は、前記補助収納部の開口部に設けられる、下方に開くフラップ片であることを特徴とするポケット。
- 請求項4記載のポケットであって、前記フラップ片は布片を二つ折りにして、二重の厚みを持たせ、折り目を前記フラップ片の下端として上端を前記衣服の生地に縫い付けたものであることを特徴とするポケット。
- 請求項1乃至5のいずれか記載のポケットであって、前記補助収納部の上端は前記主収納部の上端より上に位置し、前記蓋を開いた際に前記補助収納部の上部が前記主収納部の開口部上に露出することを特徴とするポケット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021000431U JP3231707U (ja) | 2021-02-09 | 2021-02-09 | 蓋付ポケット |
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2021
- 2021-02-09 JP JP2021000431U patent/JP3231707U/ja active Active
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