JP3231491U - 給水マット - Google Patents
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Abstract
【課題】光の輻射伝熱による加熱を抑制することで、給水マットの乾燥を抑制すると同時に、水や液肥の乾燥による消費を抑制し、給水マットが乾燥した場合には、給水マットが過熱状態となって植物の根の焼けることを防止する給水マットを提供する。【解決手段】単糸繊度が2.2デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維から構成される第1のウエブで構成される保水層1と、単糸繊度が0.5デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維で構成される第2のウエブで構成される吸水拡散層2とが積層されて、これら積層された保水層1と吸水拡散層2との構成繊維が相互に三次元的に交絡されており、かつ吸水拡散層1側のL値が50以上、バイレック法で測定された吸水性が30mm/10分以上、厚みが1mm以上7mm以下である。【選択図】図1
Description
本考案は鉢花栽培時や野菜類の育苗時などに利用される給水マットに関するものである。
従来の鉢物栽培は、ハウス内で多数の鉢物を並べ、人力または自動システムにより鉢物の上から水や液肥などの供給作業を行なっている。しかしながら、人力によるものは作業に手間がかかり、スプリンクラーなどの自動システムによるものは風の影響により均一に供給されないという問題がある。また、これらの供給方法は、鉢の上部より行うため、鉢物の花および葉が水などにより破損することがある。このような破損があると、大切に育てた植物が出荷できなくなり大きな損害を被るおそれがある。
近年、上述した問題点をさけるため、鉢の下に底面灌水用不織布を敷いて水平方向より水や液肥を供給する方法が主流となっている(特許文献1、2)。この方法では、供給された水や液肥などが直接植物に当たらないため、鉢物の花や葉に被害が生ずることが無いという利点がある。底面灌水用不織布への水や液肥などの供給は、底面灌水用不織布へ水や液肥などを含浸させる方法がとられている。
底面灌水マットを構成する不織布としては、汚れや藻などが目立ち難いという理由で表面が黒色の給水マットが主流である。
しかしながら黒色の給水マットは、光が輻射伝熱しやすく、輻射伝熱により加熱されやすい性質がある。このため黒色の給水マットは、高温状態となり、乾燥しやすい性質がある。この性質により、給水マットに含浸された水や液肥は蒸発しやすく、その水や液肥の消費量が増加しやすい。さらに給水マットが乾燥した際には、給水マットが過熱状態となって植物の根が焼ける恐れがある。
そこで本考案では、給水マットへの光の輻射伝熱による加熱を抑制することで、給水マットの乾燥を抑制すると同時に、乾燥による水や液肥の消費を抑制し、もし給水マットが乾燥した場合には、給水マットが過熱状態となって植物の根が焼けるということを防止する給水マットを提供することを課題とする。
本考案の給水マットは、単糸繊度が2.2デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維で構成される目付が100g/m2以上500g/m2以下である第1のウエブで構成される保水層と、単糸繊度が0.5デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維で構成される目付が30g/m2以上70g/m2以下である第2のウエブで構成される吸水拡散層とが積層されて、これら積層された保水層と吸水拡散層との構成繊維が相互に三次元的に交絡されており、かつ前記吸水拡散層側のL値が50以上、バイレック法で測定された吸水性が30mm/10分以上、厚み1mm以上7mm以下であることを主要な特徴とする。
このような給水マットであると、十分な量の水を保持するための保水層と、水を吸い込んでマットの表面方向に拡散させる吸水拡散層とが積層されているため、保水作用と吸水拡散作用とを併せ持つことになり、確実に保水したうえでマットの全面に偏りなく水を行き渡らせることが可能となる。また保水層と吸水拡散層との構成繊維がニードリングなどにより相互に三次元的に交絡されているため、これら両層の間での十分な水の行き来が確保される。なお使用時には、吸水拡散層が上側になるようにしてマットを敷き、その上に鉢物を乗せる。そして給水マットにおいて光を受ける吸水拡散側のL値が50以上であるため、光が輻射伝熱しにくく、輻射伝熱による給水マットの加熱が抑制される。
本考案の給水マットによると、吸水拡散層が根切りシートで覆われていることが好適である。
給水マットの吸水拡散層は、構成繊維に三次元的な交絡が施されているが、植物の根が、吸水拡散層に侵入して、その繊維の三次元的な交絡が施された部位に絡みつくことがある。根切りシートで給水マットの吸水拡散層を覆うことにより、マットへの根の侵入を確実に防止することができる。
本考案の給水マットは、植物の底面灌水用として使用することが好適である。
このように給水マットを植物の底面灌水用として使用することで、水や液肥などを植物に直接当てることなく供給できる。そのため鉢物の花や葉に被害が生ずることを防止することができる。
本考案の給水マットによれば、十分な量の水を保持するための保水層と、水を吸い込んで給水マットの表面方向に拡散させる吸水拡散層とが、三次元的に交絡して積層されている。したがって給水マットは、確実に保水したうえで給水マットの全面に偏りなく水を行き渡らせることができる。また保水層と吸水拡散層との間の耐剥離性を保持したうえで両層の間での十分な水の行き来を確保できる。さらに給水マットの吸水拡散層側のL値が50以上であるため、光の輻射伝熱による給水マットの加熱が抑制され、これに伴い給水マットの温度上昇が抑制され、給水マットの乾燥が抑制される。給水マットの乾燥が抑制されることで、給水マットの乾燥による水や液肥の消費が抑制される。また光の輻射伝熱による加熱が抑制されることで、給水マットが乾燥した際に、給水マットが過熱状態となり難く、植物の根が焼けることを防止することができる。
以下、本考案を詳細に説明する。まず保水層のウエブについてであるが、熱可塑性合成繊維を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステルなどのエステル系、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのアミド系などのポリマーや、これらのブレンド物などが用いられる。また繊維としては、これらのポリマー100%からなる中実あるいは中空構造の他に、二種以上のポリマーが複合したものを用いることもできる。この繊維の複合形態としては、サイドバイサイド型、芯鞘型、中空芯鞘型などを使用できる。また長繊維、短繊維の何れも使用できる。
この保水層に用いる熱可塑性合成繊維の単糸繊度は、2.2デシテックス以上7.8デシテックス以下の範囲にあることが必要である。単糸繊度が2.2デシテックス未満の場合は、繊維が細すぎるために開繊積層した後のウエブの構成繊維の三次元的な交絡のためのたとえばニードリング工程で繊維が交絡しすぎ、でき上ったウエブは、風合が硬く、密度の大きなものとなる。またこのような2.2デシテックス未満の繊維で得られたウエブを保水層とした場合は、単糸繊度が小さいため繊維間の空隙が少なく、水を保持する体積が小さくなり、後述の所要の保水性が得られなくなる。
一方、単糸繊度が7.8デシテックスを超える場合は、繊維が太すぎるために三次元的交絡工程で繊維間の交絡が不十分になり構成繊維同士が良好に交絡一体化されず、さらに繊維間の空隙が大きすぎて保水しようとしてもすぐ排水され、同様に後述の所要の保水性が得られなくなる。
また保水層は、その目付を100g/m2以上500g/m2以下とする必要があり、その厚みを0.8mmから6mmの範囲とすることが好ましい。これらにより、所要の機械的強度が得られ、また同様に後述の所要の保水性が得られる。
マットの保水能力すなわち保水性は、JIS−L−1913−2010 6.9.2に規定される測定法で測定したときの保水率が500%以上であることが好ましい。これ以下では保水量が不足して植物へ十分に水を供給できにくくなる。本考案では保水層を上述のように構成することで、このようにマットの保水性を200%以上とすることができる。一方で保水率が大きすぎると根腐れが発生する。本考案では、保水層の厚みの上限値を好ましくは5.0mmとすることで、保水層の保水率が過大とならないようにしている。
また保水層はたとえばニードリングによって構成繊維が三次元的に交絡している必要があるが、そのニードリングの回数は、保水層を構成するウエブの単糸繊度が上述のように2.2テシテックス以上7.8デシテックス以下の範囲であるという条件のもとで、50回/cm2〜150回/cm2とするのが、三次元的に交絡した形態を得るのに好ましい。なお本考案の三次元的交絡とはウエブの厚み方向にも立体的に繊維が交絡していることをいう。
次に、吸水拡散層のウエブについて説明する。この吸水拡散層のウエブを構成する熱可塑性合成繊維の材料およびその形態は、上述の保水層のウエブを構成する繊維の材料およびその形態と同様とすることができる。
この吸水拡散層のウエブを構成する熱可塑性合成繊維の単糸繊度は、0.5デシテックス以上7.8デシテックス以下の範囲にあることが必要である。単糸繊度が0.5デシテックス未満の場合は、耐候性や強度の点で問題がある。また単糸繊度が7.8デシテックスを超えて大きいと、後述のようにその後に保水層と積層して両者の構成繊維をニードリング工程などにより相互に三次元的に交絡させる際に、繊維間の交絡が不十分になって層間の耐剥離性が不十分になる。
また吸水拡散層は、その目付を30g/m2以上70g/m2以下とする必要があり、吸水拡散層を構成する繊維同士が集積した状態で熱圧接されたものであることが好ましい。これにより保水層と吸水拡散層とを積層して一体化させて給水マットとした際に、給水マットは、所要の機械的強度を有し、また後述のように所要の吸水性が得られる。
吸水拡散層側のL値は、50以上であることが必要である。給水マットにおいては、吸水拡散層が外部からの光を受ける。吸水拡散層に吸収される光、もしくは吸水拡散層を透過して保水層に吸収される光が、給水マットを加熱する。このためL値が50以上となるよう吸水拡散層を作製することで、給水マットに照射される光のうち、吸水拡散層が反射する光の割合が上がり、吸水拡散層に吸収される光、および吸水拡散層を透過する光の割合が下がるため、給水マットの加熱が抑制される。その結果、給水マットが乾燥した際に、給水マットが過熱状態となることを防止することができる。
吸水拡散層側のL値は、吸水拡散層の繊維を好ましくは白色に着色することにより調整することができる。吸水拡散層の繊維を着色する方法としては、繊維を紡糸する際に、酸化チタンなどの顔料を繊維の材料に混合して紡糸する方法や、紡糸後に酸化チタンなどの顔料を繊維と混合して繊維をコーティングする方法などがある。吸水拡散層のL値は、繊維を構成する樹脂の種類に応じた酸化チタンの混合量に比例して高くなる。
吸水拡散層のウエブは、たとえば上記熱可塑性合成繊維を開繊、集積した後、熱圧接ロールで繊維間を圧接することにより得られる。
保水層と吸水拡散層とを積層して一体化させる際には、たとえばニードリングによる三次元的な交絡処理を行う。図1は、このようなニードリング処理によって作製された本考案の給水マットの構造を模式的に示す。図中、15は給水マット、1は保水層、2は吸水拡散層、3はニードリング処理が施された繊維である。
このニードリング処理によって、保水層1と吸水拡散層2とが確実に一体化され、両者の耐剥離性が十分なものとなる。この目的のため、ニードリングの回数は、上述のように50回/cm2〜150回/cm2とするのが好ましい。またニードリング処理により、保水層1と吸水拡散層2との構成繊維が相互に三次元的に交絡されることで、これら保水層1と吸水拡散層2との間での十分な水の行き来が確保される。さらに吸水拡散層2はあらかじめL値が50以上となるよう着色されているので、給水マット15の吸水拡散層2側は、L値が50以上となる。これにより給水マット15に光が照射された際に、光が輻射伝熱しにくく、輻射伝熱による加熱が抑制される。
給水マット15の吸水拡散能力すなわち吸水性は、JIS−L−1907−2010 7.1.2に規定されるバイレック法で測定した値が30mm/10分以上であることが必要である。本考案では吸水拡散層2を上述のように構成することで、このように給水マット15の吸水性を30mm/10分以上とすることができるのである。30mm/10分未満であると、水を吸い込んで給水マット15の表面方向に拡散させる吸水拡散作用が不十分になって、この給水マット15の全面に偏りなく水を行き渡らせることが困難になる。さらに吸水性を向上させたものが必要なときには、親水性油剤、たとえばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどポリエーテル系化合物を配合した油剤をウエブに付着させれば良い。またウエブに吸水性を有する樹脂を付着させるのも好ましい。給水マット15の厚みは、JIS−L−1913−2010 6.1に規定されるA法で測定した値が1mm以上7mm以下であることが必要である。このように構成することで、給水マットは、保水して、その吸水拡散作用により、その全面に偏りなく水を行き渡らせて、その上に載置された鉢物が枯れず、かつ根腐れしない量の水を鉢物に供給することができる。
本考案によれば鉢物から伸びる根自体がマットに絡み付くのを防止するために、吸水拡散層を根切りシートで覆うことが好適である。この根切りシートは、単糸繊度が0.5デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維からなり、バイレック法で測定された吸水性が50mm以上であり、通気度が200cc/cm2/s以下である不織布であることが好ましく、この不織布は平滑な面を有することが好適である。
この根切りシートを構成する熱可塑性合成繊維の材料は、上述の保水層1や吸水拡散層2のウエブを構成する繊維の材料と同様とすることができる。そして、上記熱可塑性合成繊維を開繊、積層した後のウエブを、平滑性を有する熱圧接パターンで熱圧接してなるシートや、このシートに吸水性を有する樹脂を付与したシートや、さらにはカレンダーロールでこれらのシートの繊維間を熱圧接していっそう平滑性を向上させたシートなどとすることで、上述の平滑な面を有するものとすることができる。そして単糸繊度が上述の0.5デシテックス以上7.8デシテックス以下である場合に、所要の吸水性と通気度とが得られて、給水マット15の水を鉢物に供給でき、根切りシートが平滑な面を有することにより所要の根切り効果を達成できることになる。
すなわち、単糸繊度が0.5デシテックス未満であると、耐候性や強度の点で問題が生じやすく、また単糸繊度が7.8デシテックスを超えると、熱圧接により得られたシートの繊維間の空隙が大きくなりすぎ、根が侵入して繊維に絡み付くことになって、この根を切らなければ鉢物を動かせなくなるという問題が生じやすい。また鉢物の下に設置するマットもしくはシートの繊維が三次元的に交絡していると、植物の根が、その繊維の三次元的に交絡している部位に侵入しやすいが、根切りシートの面は平滑であるため、根切りシートへの根の侵入を防止することができる。
根切りシートが給水マット15の水を支障なく鉢物に供給するためには、上述のようにバイレック法で測定された吸水性が50mm以上であることが好ましい。吸水性を向上させるために、吸水拡散層2の場合と同様の親水性油剤をシートに付着させてもよい。また根の侵入を防止するための所要の根切り効果を発揮するためには、上述のように通気度が200cc/cm2/s以下であることが好ましい。この根切りシートの通気度は、根の侵入を防止するための目安となる繊維間の空隙量を表すもので、これを200cc/cm2/s以下にするためには、熱圧着面積を多くするか、熱圧着ロールの温度や線圧を上げれば良い。あるいは、カレンダーロールで加工する場合には、そのロール温度を高くするか、その線圧を上げれば良い。カレンダーロールで熱圧接されたシートにアクリル系の樹脂を付着させると、さらに吸水性能と根切り性能とを同時に向上させることができる。
この根切りシートは、給水マット15のユーザーが吸水拡散層2の上に被せることで使用できる。あるいは、製造工場で吸水拡散層2に接合させて、出荷前に一体化させることもできる。接合には、ステッチボンドや熱圧着処理やバインダー樹脂などを利用することができる。
なお上述の不織布に代えて、有孔フィルムで根切りシートを構成することもできる。この有孔フィルム製の根切りシートによっても、給水マット15の水を鉢物に供給できるとともに所要の根切り効果を達成することが可能である。
本考案の給水マット15は、植物の底面灌水マットとして使用することで、水や液肥などを植物に直接当てることなく供給できる。図2は、本考案の給水マット15の使用例を示すものである。ここで11は木枠であり、その内部には防水シート12が敷かれている。この防水シート12の上に、本考案の給水マット15が敷かれている。また給水マット15における吸水拡散層2の上には上述の根切りシート16が敷かれ、その上に鉢物17が載置されている。18は灌水チューブである。
次に本考案の給水マット15を実施例によってさらに具体的に説明する。なお以下において、給水マット15の性能測定評価及びポリマー特性の測定は、下記の方法で行なった。
(1)吸水拡散層のL値:
色彩色差計(データプロセッサ DP−300、測定ヘッド CR−310:ミノルタ社製)を用い、吸水拡散層側を測定した。測定の際は、測定個所を変えて4個所測定し、得られた値の平均値をL値とした。
(2)目付:
JIS−L−1913−2010 6.2に規定されるA法で測定した。
(3)厚み:
JIS−L−1913−2010 6.1で測定した。
(4)光による輻射伝熱による給水マット15の表面温度変化:
図3のように室温25℃の室内に、高さA(=200mm)の支持台21を明るさ100ルクスに設定した面に設置し、その上に1辺が200mmの正方形横断面の給水マット15を載置した。給水マット15を載置した支持台21の面から高さB(=300mm)の位置にレフランプ22を設置した。レフランプ22の明るさは、支持台21の設置部付近に設置された照度計23により計測した。そしてあらかじめ支持台21の設置部付近つまり照度計23での明るさが2000ルクスとなるようレフランプ22を調整した。その後に、レフランプ22を消灯して、支持台21の設置部付近の温度が室温近傍で安定した後のレフランプ22の再点灯時を時間的な基準つまり0minとして、0、1、5、10min経過時に給水マット15の表面温度を測定した。
(5)吸水性:
JIS−L−1907−2010 7.1.2に規定されるバイレック法で測定した。
(6)保水率:
JIS−L−1913 2010 6.9.2に規定される保水率で測定した。
(7)ポリマーの極限粘度:
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、20℃にて測定した。
(1)吸水拡散層のL値:
色彩色差計(データプロセッサ DP−300、測定ヘッド CR−310:ミノルタ社製)を用い、吸水拡散層側を測定した。測定の際は、測定個所を変えて4個所測定し、得られた値の平均値をL値とした。
(2)目付:
JIS−L−1913−2010 6.2に規定されるA法で測定した。
(3)厚み:
JIS−L−1913−2010 6.1で測定した。
(4)光による輻射伝熱による給水マット15の表面温度変化:
図3のように室温25℃の室内に、高さA(=200mm)の支持台21を明るさ100ルクスに設定した面に設置し、その上に1辺が200mmの正方形横断面の給水マット15を載置した。給水マット15を載置した支持台21の面から高さB(=300mm)の位置にレフランプ22を設置した。レフランプ22の明るさは、支持台21の設置部付近に設置された照度計23により計測した。そしてあらかじめ支持台21の設置部付近つまり照度計23での明るさが2000ルクスとなるようレフランプ22を調整した。その後に、レフランプ22を消灯して、支持台21の設置部付近の温度が室温近傍で安定した後のレフランプ22の再点灯時を時間的な基準つまり0minとして、0、1、5、10min経過時に給水マット15の表面温度を測定した。
(5)吸水性:
JIS−L−1907−2010 7.1.2に規定されるバイレック法で測定した。
(6)保水率:
JIS−L−1913 2010 6.9.2に規定される保水率で測定した。
(7)ポリマーの極限粘度:
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、20℃にて測定した。
(実施例1)
融点260℃、極限粘度[η]=0.68のポリエチレンテレフタレートを、孔径0.35mm、ホール数160の紡糸口金を用いて、溶融温度285℃で吐出した。そして、紡糸速度4500m/分でエアーサッカーにて吸引し、その後に金網ネット上に捕集し、空気延伸後の単糸繊度が3.3デシテックスのポリエステル長繊維ウエブを得た。このようにして、仕上目付200g/m2、厚さ1.8mmの保水層用ウエブを作製した。
融点260℃、極限粘度[η]=0.68のポリエチレンテレフタレートを、孔径0.35mm、ホール数160の紡糸口金を用いて、溶融温度285℃で吐出した。そして、紡糸速度4500m/分でエアーサッカーにて吸引し、その後に金網ネット上に捕集し、空気延伸後の単糸繊度が3.3デシテックスのポリエステル長繊維ウエブを得た。このようにして、仕上目付200g/m2、厚さ1.8mmの保水層用ウエブを作製した。
次に、融点260℃、極限粘度[η]=0.68のポリエチレンテレフタレートに酸化チタンを0.4質量%となるように混合し、孔径0.35mmの紡糸口金を用いて、溶融温度285℃で吐出した。そして、紡糸速度5000m/分でエアーサッカーにて吸引し、その後に金網ネット上に捕集し、空気延伸後の単糸繊度が3.3デシテックスのポリエステル長繊維ウエブを得た。これを210℃に加熱された表面フラットの熱圧接ロールを用いて線圧50kg/cmで圧接し、表面が平滑な吸水拡散層用ウエブを作製した。得られた吸水拡散層用ウエブの仕上目付は30g/m2、そのL値は88であった。
得られた保水層用ウエブと吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング処理によって両者を一体化させ、最終的な給水マット15を得た。詳細には、ニードルパンチ機械(針;オルガン社製PPD−1#40)にて、針密度すなわちニードリングの回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させた。得られた給水マット15は仕上目付230g/m2、厚み2mmであった。この実施例1の給水マット15と、後述する実施例2〜4および比較例1の給水マット15とに、レフランプ22の光を照射して加熱した場合の給水マット15の評価結果を、表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が200g/m2である保水層用ウエブと、実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が55g/m2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた実施例2の給水マットの仕上目付は255g/mm2、そのL値は88であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が100g/m2である保水層用ウエブと、実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が55g/m2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた実施例2の給水マットの仕上目付は155g/mm2、そのL値は88であった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が100g/m2である保水層用ウエブと、実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が30g/m2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた実施例2の給水マットの仕上目付は130g/mm2、そのL値は88であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が200g/m2である保水層用ウエブと、実施例1の方法から酸化チタンに代えてカーボンブラックを1.3質量%となるように混合したこと以外は同様の方法にて作製した仕上目付が50g/mm2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた比較例1の給水マットの仕上目付は250g/mm2、そのL値は35であった。
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が200g/m2である保水層用ウエブと、実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が55g/m2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた実施例2の給水マットの仕上目付は255g/mm2、そのL値は88であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が100g/m2である保水層用ウエブと、実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が55g/m2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた実施例2の給水マットの仕上目付は155g/mm2、そのL値は88であった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が100g/m2である保水層用ウエブと、実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が30g/m2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた実施例2の給水マットの仕上目付は130g/mm2、そのL値は88であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で作製した仕上目付が200g/m2である保水層用ウエブと、実施例1の方法から酸化チタンに代えてカーボンブラックを1.3質量%となるように混合したこと以外は同様の方法にて作製した仕上目付が50g/mm2の吸水拡散層用ウエブとを積層し、ニードリング回数を60回/cm2として処理し、繊維を三次元的に交絡させることにより調整した。これにより得られた比較例1の給水マットの仕上目付は250g/mm2、そのL値は35であった。
表1から明らかなように、レフランプ22の光を給水マット15に照射して、1分後に実施例1〜4の表面温度はおよそ35℃で安定したのに対し、比較例1は1分経過後に52℃程度となっており、実施例1〜4よりも比較例1の方が、給水マット15の表面温度がおよそ17℃高い結果となった。この結果から給水マット15の温度変化は、実施例1〜4における仕上目付の差では違いが生じず、L値の違いに依存する。また多くの植物の組織は、その温度が50℃付近に達すると変性することから、給水マット15は植物にとっては過熱状態となっていたと言える。このような状況で比較例1の給水マット15上に、鉢物17が載置されていたとすれば、鉢物17の給水マット15との接触部付近が、給水マット15と同じ温度、もしくはそれと近い温度となる可能性があり、当該部位に植物の根があれば、その植物の根の組織が熱による変性すなわち根焼けを起こす可能性がある。このように給水マット15の吸水拡散層2側からのL値を50以上とすることで、光の輻射伝熱による加熱を抑制することができ、給水マット15の温度上昇を抑制することができる。これにより給水マット15の乾燥が抑制されて、水や液肥の乾燥による消費を抑制することができる。さらに給水マット15の乾燥時に過熱状態となり難く、植物の根焼けを防止することができる。
1 保水層
2 吸水拡散層
3 ニードリング処理が施された繊維
11 木枠
12 防水シート
15 給水マット
16 根切りシート
17 鉢物
18 灌水チューブ
21 支持台
22 レフランプ
23 照度計
A 支持台21の高さ
B 支持台21からレフランプ22までの高さ
2 吸水拡散層
3 ニードリング処理が施された繊維
11 木枠
12 防水シート
15 給水マット
16 根切りシート
17 鉢物
18 灌水チューブ
21 支持台
22 レフランプ
23 照度計
A 支持台21の高さ
B 支持台21からレフランプ22までの高さ
Claims (3)
- 単糸繊度が2.2デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維で構成され、目付が100g/m2以上500g/m2以下である第1のウエブで構成される保水層と、
単糸繊度が0.5デシテックス以上7.8デシテックス以下の熱可塑性合成繊維で構成され、目付が30g/m2以上70g/m2以下である第2のウエブで構成される吸水拡散層と、
が積層されて、
これら積層された保水層と吸水拡散層との構成繊維が相互に三次元的に交絡されており、かつ前記吸水拡散層側のL値が50以上、バイレック法で測定された吸水性が30mm/10分以上、厚みが1mm以上7mm以下であることを特徴とする給水マット。 - 前記吸水拡散層の表面が、根切りシートで覆われていることを特徴とする請求項1記載の給水マット。
- 請求項1または請求項2記載の給水マットにて構成されていることを特徴とする植物の底面灌水マット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021000255U JP3231491U (ja) | 2021-01-27 | 2021-01-27 | 給水マット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021000255U JP3231491U (ja) | 2021-01-27 | 2021-01-27 | 給水マット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3231491U true JP3231491U (ja) | 2021-04-08 |
Family
ID=75267763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021000255U Active JP3231491U (ja) | 2021-01-27 | 2021-01-27 | 給水マット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3231491U (ja) |
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2021
- 2021-01-27 JP JP2021000255U patent/JP3231491U/ja active Active
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