JP2957666B2 - 果樹のマルチシート - Google Patents

果樹のマルチシート

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は果樹の糖度を高めるために敷設する果樹のマ
ルチシートに関するものである。
【従来の技術】
従来、果樹や果菜類が熟す前から水分を制限すること
により果実の糖度を高められることが知られており、一
部の栽培農家において、ハウス栽培では給水制限が行わ
れ、露地栽培では株元に雨水の浸透を防止するためにビ
ニルシートなどのマルチシートを敷き詰めることが行わ
れている。ところが、ビニルシートなどは通気性がない
ため、地面に敷き詰めることにより地中の酸素が不足し
て根が窒息状態になり、根腐れなどを起こし樹勢が衰
え、翌年の結果が少なくなると共に場合によっては枯死
することもある。そこで、最近、防水性で通気性、透湿
性のある微多孔質フイルムを果樹のマルチシートに使用
することも行われている。また、マルチシートとして吸
水率が少なくとも100%である親水性繊維の不織布また
はその不織布を加工したシートを敷設して地中の水分を
吸収・発散させて地面を乾燥させると共に、そこに蓄積
する余剰の肥料や水溶性物質を吸い上げて地中の濃度を
低下させることが、特開昭63−216409号公報、特開昭63
−216411号公報などに提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
従来のマルチシートの使用は果実の糖度向上に効果を
もたらすが、通気性が殆どないため地中のガスや湿気が
抜けず酸素不足となり、更に地中温度の上昇のために根
痛みを生じ、樹勢の低下をもたらす。そうした弊害を防
ぐために、天候の状況に応じてマルチシートを剥がして
地中の湿気を抜き、温度上昇を抑えるなどの作業に手間
がかかる。また、微多孔質フィルムも通気性が不十分で
あり、作業の省力化にはさほど期待出来ない。一方、親
水性繊維を主体にした繊維で作られた不織布シートは通
気性、透水性の高いシートであり、湿りすぎの土壌の乾
燥にはある程度の効果があるが、雨水や露を通して、果
樹の水分管理が出来ないため、果実の糖度向上には効果
をもたらさない。 本発明は、天候が変化しても剥がす必要がなく敷き放
しにしても果樹の根痛みを防止し、果実の糖度を高める
ことが出来るマルチシートを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
本発明は、遮光性物質を含有する疎水性熱可塑性重合
体のメルトブローン極細繊維不織布シートであって、該
メルトブローン極細繊維不織布シートの少なくとも一面
が緻密化されており、シートの耐水度が500mmH2O以上、
通気度が2cc/cm2/sec以上であることを特徴とする果樹
のマルチシートであり、また、疎水性熱可塑性重合体の
メルトブローン極細繊維不織布シートと遮光性物質を含
有する高通気性シートの積層シートであって、シートの
耐水度が500mmH2O以上、通気度が2cc/cm2/sec以上であ
ることを特徴とする果樹のマルチシートである。 本発明のメルトブローン極細繊維不織布を形成する疎
水性重合体は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−
4−メチルペンテン−1、エチレンプロピレン共重合
体、エチレンオクテン共重合体、エチレンブテン共重合
体などのポリオレフイン、塩素化ポリエチレン、フッ素
化ポリエチレンなどのポリオレフイン誘導体、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リヘキサメチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ポリカーボネートなどから選ばれた1種類または2種類
以上の熱可塑性重合体である。また、メルトブローン不
織布を単独でマルチシートとして用いる場合には、重合
体には遮光性物質、例えば、カーボンブラック、酸化チ
タン、酸化アルミニウム、その他金属酸化物、金属塩、
アルミニウム粉末、銅粉末、その他金属粉末などから選
ばれた粉末を重合体に対して0.7〜15重量%添加する。
これらの添加粉末は遮光性以外に保温性、耐候安定性な
どを付与することを考慮して選択することが好ましい。
メルトブローン不織布を、遮光性物質を添加した高通気
性の補強シートと積層する場合にはメルトブローン不織
布にはこれら遮光性物質の添加は必ずしも必要ではな
く、紡糸性の点からはメルトブローン不織布に遮光性物
質を添加しないことが好ましい。 次に、疎水性重合体組成物は通常のメルトブローン紡
糸装置を用いて溶融し、溶融重合体の一定量をダイから
吐出させ、その溶融重合体を高圧気体流で平均繊維直径
約0.1〜5.0μmの極細繊維流として紡出・搬送し、その
繊維流を捕集体に集積してメルトブローン極細繊維不織
布とする。この不織布の重量は、単一不織布で使用する
場合は平均重量100〜1000g/m2、他の高通気性シートと
積層して使用する場合は平均重量15〜200g/m2のメルト
ブローン極細繊維不織布とする。得られた不織布は少な
くとも一面をカレンダー掛け、プレスあるいは熱プレス
などの処理を施して緻密化あるいは部分融着し、必要に
応じて耐水度を高めるための処理剤を付与して高耐水性
不織布シートとする。また、メルトブローン極細繊維不
織布シートは他の高通気性シート、例えば、通常の短繊
維を湿式法あるいは乾式法で作った短繊維不織布、また
はスパンボンド法長繊維不織布、織布、編布などの布
帛、またはこれら布帛にはバインダー繊維あるいはバイ
ンダー樹脂で繊維の少なくとも一部が固定された布帛な
どから選ばれた少なくとも1種類の高通気性シートを積
層一体化した積層シートとする。そして、このメルトブ
ローン極細繊維不織布シートまたは積層シートは、耐水
度が500mmH2O以上であって、通気度が2cc/cm2/sec以
上、透湿度が2500g/m2/24hr以上の特性値を満足したも
のである。これらシートの特性値が上記の条件を満足し
ない場合は、果樹のマルチシートとして使用しても雨水
の浸透、地中水分の過多の解消など栽培地の十分な管理
ができず、果実の糖度を向上させることも、出荷管理を
行うこともできない。 この、不織布シートまたは積層シートから選ばれたマ
ルチシートは果樹の根元部分あるいは根元とその周囲の
地面に敷設するが、敷設面積、敷設方法などは果実の栽
培経過・状態で適宜選択すればよい。 次に、本発明を図面で説明する。 第1図は本発明のマルチシートを敷設した状態を示す
図で、1は果樹、2は栽培地、3はマルチシートであ
る。第2図ないし第4図は本発明のマルチシートの断面
模式図であり、第2図はメルトブローン極細繊維不織布
シートの断面図で、3はマルチシート、4は不織布、5
は不織布の緻密化部分であり、第3図はメルトブローン
極細繊維不織布シートの一面に高通気性シートを積層し
た積層シートの断面図で、3はマルチシート、4は不織
布シート、6は高通気性シートであり、第4図はメルト
ブローン極細繊維不織布シートの両面に高通気性シート
を積層した積層シートの断面図で、4は不織布シート、
6、6′は高通気性シートである。
【作用】
本発明は、メルトブローン極細繊維不織布シートまた
はメルトブローン極細繊維不織布シートと高通気性シー
トの積層シートであって、耐水度が500mmH2O以上、通気
度が2cc/cm2/sec以上、透湿度が2500g/m2/24hr以上の特
性値を満足したものを果樹のマルチシートとして使用す
ることで、地中の酸素を欠乏させることなく、雨水など
による地中水分の変動を規制し、地中の湿気を発散さ
せ、温度上昇を抑制して十分な果樹栽培地の管理を行う
ことができ、果実の糖度を向上させることができる。更
に、遮光性を有するため、雑草の成長を抑制することが
できる。
【実施例】
次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で説明す
る。なお、実施例中の部および%はことわりのない限
り、重量に関するものである。 耐水度はJIS L−1092「繊維製品の防水性試験方
法」、通気度はJIS L−1096 6.27.1 A法「一般織物試験
方法」の通気性の項、透湿度はJIS Z−0208「防湿包装
材料の透湿度試験方法」に基づいて測定した値である。 実施例1 メルトインデックス(以下MIとする)12g/10分のポリ
プロピレンにカーボンブラック2部、耐候安定剤0.8部
を添加した重合体組成物を溶解押出機に仕込み、ノズル
直径0.3mmの孔を1mm間隔で一列に配列し、その両側にス
リット状気体噴出口を設けたダイを用い、溶融紡糸温度
280℃、噴射気体温度300℃、気体圧力0.5Kg/cm2、紡糸
孔当たりの吐出量0.2g/分で紡糸して、平均繊維直径3.8
μmの極細繊維流を形成させ、紡糸孔下約25cmの位置に
設けた捕集装置の網状面上に捕集し、平均重量21g/m2
極細繊維不織布を得た。この不織布は表面温度105℃の
カレンダーロールでプレスし、緻密化不織布シート(不
織布シート〔I〕とする)を得た。 一方、カーボンブラック2部、耐候安定剤0.8部を添
加したMI=1g/10分のポリプロピレンを紡糸温度280℃で
溶融紡糸し、エジエクターノズルを用いて引き取り、捕
集ネツト上に目標重量50g/m2の繊維ウエブ(繊維ウエブ
−1)と、目標重量70g/m2の繊維ウエブ(繊維ウエブ−
2)となるように堆積させて2枚のスパンボンド長繊維
不織布を得た。このスパンボンド長繊維不織布は上記不
織布シート〔I〕の両面に積層してカレンダーロールで
熱プレスし、緻密化と不織布シートとの一体化処理をし
て平均重量143g/m2の積層シート〔I〕を得た。この積
層シートは耐水度738mmH2O、通気度5.2cc/cm2/sec、透
湿度7250g/m2/24hrの特性値を有していた。 得られた積層シート〔I〕を、丘陵地の南斜面にある
みかん栽培地の上部、中部、下部の各10本の果樹にマル
チシートとして敷設した。その結果、無敷設栽培地のみ
かんの色着きと、色着き時期には殆ど変わりが無いが、
実の太りがよく、収穫時の糖度が前者が平均11度であっ
たのに対して、シート敷設栽培地のものは平均13.5度で
あって、甘いみかんが得られた。特に、丘陵地の下部で
は糖度差が大きく、無敷設栽培地が平均10度であるのに
対して、敷設栽培地が平均13度と、地中水分の多くなる
部分で敷設効果が大きい。更に、果樹の根痛みによる樹
勢の低下も見られなかった。 また、積層シート〔I〕は1シーズンの使用後でも十
分再使用できる強度性能を保持した状態にあった。 比較のために、金属粉を配合して製膜した遮光性シル
バービニルシートを10本の果樹に敷設したところ、地温
の上昇、地中の酸素不足などのため根痛みが著しく、落
果や実の成熟不良のものが発生し、糖度の上昇効果は殆
ど認められなかった。 実施例2 実施例1の積層シート〔I〕を白桃畑の敷き藁の上に
マルチシートとして敷設して白桃栽培をした。その結
果、盛夏時の地温上昇の抑制、水分の管理が容易にな
り、実の太りが良く、通常栽培の白桃の平均糖度13度に
対して、シート敷設栽培の白桃の平均糖度15度と高いも
のであった。
【発明の効果】
本発明の果樹のマルチシートを果樹の根元部分あるい
はその周囲に敷設使用することで、外気の急激な変動や
雨水などによる地中水分の変動を規制して十分な果樹の
栽培管理ができ、根痛みを防止し、果実の糖度を向上さ
せて出荷管理を容易に行うことができる。また、長期間
敷き放しにしても果樹を傷めることがないため、天候の
変化に応じて敷いたり剥がしたりする必要がなく省力化
できる。更に、遮光性によりマルチシート下部の雑草の
成長を抑制するため除草作業が少なくてすみ省略化でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマルチシートを敷設した状態を示す
図、第2図ないし第4図は本発明のマルチシートの断面
模式図であり、第2図はメルトブローン極細繊維不織布
シートの断面図、第3図はメルトブローン極細繊維不織
布シートの一面に高通気性シートを積層した積層シート
の断面図、第4図はメルトブローン極細繊維不織布シー
トの両面に高通気性シートを積層した積層シートの断面
図である。 1……果樹、2……地面、3……マルチシート、 4……メルトブローン極細繊維不織布シート、 5……不織布の緻密化部分、 6、6′……高通気性シート。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮光性物質を含有する疎水性熱可塑性重合
    体のメルトブローン極細繊維不織布シートであって、該
    メルトブローン極細繊維不織布シートの少なくとも一面
    が緻密化されており、シートの耐水度が500mmH2O以上、
    通気度が2cc/cm2/sec以上であることを特徴とする果樹
    のマルチシート。
  2. 【請求項2】疎水性熱可塑性重合体のメルトブローン極
    細繊維不織布シートと遮光性物質を含有する高通気性シ
    ートの積層シートであって、シートの耐水度が500mmH2O
    以上、通気度が2cc/cm2/sec以上であることを特徴とす
    る果樹のマルチシート。
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