JP3231454B2 - 高温用潤滑剤組成物 - Google Patents
高温用潤滑剤組成物Info
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Description
おいて、圧延に供される潤滑剤組成物に関し、特に継目
無鋼管のマンドレルミル圧延のマンドレルバーに塗布す
る潤滑剤組成物に関する。
滑剤組成物としては、鉱油や重油、潤滑油、グリースま
たはこれらに黒鉛粉末を混合した物等が知られている。
一方、継目無鋼管製造におけるメインの圧延機であるマ
ンドレルミルでは、圧延素管内にマンドレルバーを挿入
し6〜8スタンドの連続ミルで圧延するため、マンドレ
ルバーと圧延材間の相対すべりが大きくマンドレルバー
上には潤滑剤が不可欠である。潤滑剤は圧延前のマンド
レルバー上に予め塗布し潤滑剤被膜を形成して使用され
る。この場合、潤滑剤組成物としては、当初上述のよう
なものが使用されていたが、熱的に不安定なことから十
分な潤滑性能を発揮できず、その後特開昭58−470
96号公報に開示されるような、黒鉛粉末と樹脂バイン
ダーよりなる黒鉛系潤滑剤が使用されるようになり、そ
の潤滑性能が改善されてきた。
キッシュ黒鉛に分類され、天然黒鉛はさらに鱗状黒鉛と
土状黒鉛に分類される。市販の固体潤滑ハンドブックに
よると人造黒鉛、キッシュ黒鉛、鱗状黒鉛は黒鉛純度が
95%以上と高く、その結晶化度に優れており、純度8
0〜90%程度の土状黒鉛に較べて潤滑性能に優れてい
るといわれている。これまで特開昭58−47096号
公報に示すような安価な土状黒鉛よりなる潤滑剤がマン
ドレルミルでは使用されてきた。さらに、特開昭61−
24168号公報に示すような人造黒鉛、キッシュ黒
鉛、鱗状黒鉛を単独に使用した高温用潤滑剤が開発さ
れ、潤滑性能の向上が図られている。
上を目的にマンドレルバーを拘束して一定速度に制御し
た圧延法が主流となり、また圧延鋼種としても13Cr
鋼をはじめとする合金鋼が圧延法で製造されるに至り、
マンドレルバーと圧延材間のすべり状況はより過酷とな
っている。さらに、圧延鋼種拡大のためには、ミル能力
上、前段スタンドのみならず後段スタンドでも強圧下を
する必要が生じてきており、従来の土状黒鉛や人造黒鉛
等をはじめとする黒鉛系潤滑剤では十分に満足できる性
能を発揮できず、操業上大きな問題となっている。
ンドレルバーと圧延材間のすべり状態を緩和するため、
潤滑剤組成物として、従来の黒鉛系潤滑剤よりもより潤
滑性能が良くて、同一マンドレルバー上で数回圧延され
ても、つまり後段スタンドでもその潤滑性能の劣化の少
ない潤滑剤組成物を提供することを目的とする。
決するため、土状黒鉛が有する潤滑性能持続効果を利用
し、潤滑性能の向上およびその持続性を向上させること
を特徴とする。即ち、本発明の要旨とするところは、黒
鉛粉末100重量部に対して樹脂バインダーが2〜70
重量部で形成される高温用潤滑剤において、黒鉛粉末と
してキッシュ黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛の1種または2
種以上を基準黒鉛としたものに土状黒鉛を基準黒鉛/土
状黒鉛の重量比で9/1〜5/5の割合で添加混合する
ことを特徴とする高温用潤滑剤組成物である。
人工的に結晶化させた黒鉛、キッシュ黒鉛とは高炉等で
発生する純度95%以上の黒鉛、鱗状黒鉛とは天然に産
する純度97%以上の黒鉛、土状黒鉛とは、天然に産す
る純度85〜90%の黒鉛と定義する。樹脂バインダー
とは、水溶性或いは水分散性有機高分子化合物と定義す
る。
て詳細に説明する。黒鉛系潤滑剤組成物の潤滑性能は、
それを構成する黒鉛の種類、バインダー樹脂の種類に左
右されるものと考えられる。そこで、発明者らは、黒鉛
系潤滑剤組成物において黒鉛の種類が潤滑性能に与える
影響について詳細に検討した。黒鉛の種類としては、人
造黒鉛、鱗状黒鉛、キッシュ黒鉛、土状黒鉛等があり、
各々黒鉛純度、不純物、酸化開始温度等が異なる。一般
に、黒鉛中の純度が高いほど、不純物が少ないほど、ま
た酸化開始温度が高いほど潤滑性能が優れると言われて
いる。発明者らも黒鉛純度が95%以上と高い人造、鱗
状、キッシュ黒鉛が潤滑性能に優れること、逆に黒鉛純
度が低く、不純物の多い土状黒鉛では潤滑性能が悪いこ
とを確認した。
ため、図1に示すような潤滑剤試験機にて潤滑剤を塗布
した工具を加熱片に数回押込み、その潤滑性能(摩擦係
数)の各押込みパスでの変化を検討した。これまでマン
ドレルミルの後段スタンドを想定して、数回圧延時の潤
滑性能、つまり各種黒鉛の持続性を塑性変形を与えた実
際に近い条件で評価した例はない。発明者らはその評価
を行い、人造黒鉛、鱗状黒鉛、キッシュ黒鉛は高純度の
ため黒鉛がへき開しやすく確かに初期の潤滑性能は良好
であるが、最初にへき開が進行するため、数回の使用に
ともない潤滑性能が劣化しやすいことが明らかになっ
た。一方土状黒鉛では、初期の潤滑性能は低純度のため
他の黒鉛に比べて悪いものの、使用に伴う摩擦係数の劣
化はなくかえって摩擦係数が低位に安定することをはじ
めて見いだした。
造、鱗状、キッシュ各黒鉛に土状黒鉛を適量添加混合す
ることにより、初期の潤滑性能をさほど落とさず、その
持続性を大幅に改善できることを明らかにした。この場
合の土状黒鉛の最適添加量としては、人造、鱗状、キッ
シュ黒鉛の1種或いは2種以上を混合した基準黒鉛と土
状黒鉛の重量比が9/1〜5/5である。この重量比が
9/1より大きくなると持続効果を十分に発揮できず、
この比が5/5より小さくなると土状黒鉛本来の潤滑性
が顕著となり、初期潤滑性能への悪影響が無視できなく
なる。
しては、黒鉛本来の潤滑性能及び工具側への付着性を考
慮して1μm 〜20μm の範囲が好ましい。また、潤滑
剤を構成する樹脂バインダーを黒鉛100重量部に対し
て2〜70重量部としたのは、2重量部より少ないと良
好な潤滑膜が形成されず、70重量部より多いと黒鉛粉
末の潤滑性能が阻害され、発煙が多くなり環境上問題と
なるためである。
配合される増粘剤、消泡剤、防腐剤、極圧剤、防錆剤の
ような添加剤を配合することができる。なお、使用時の
粘度は10〜2000cpの範囲に調整することが好まし
い。
機にて各種黒鉛成分で試作した潤滑剤組成物について摩
擦係数及びその持続性を評価検討した。なお、バインダ
ー樹脂としては水溶性高分子樹脂を用い、黒鉛100に
対して樹脂40の重量割合で配合した。潤滑剤試験機
は、図1に示すように加熱炉3にて加熱した試験片2を
セット後回転させ、予め潤滑剤を塗布した円柱状工具1
をこの試験片に連続して数回押込み加工を行う機構にな
っている。この試験機にて各種潤滑剤組成物について押
込回数3回の試験を行い、トルク値および各パスのトル
ク変化により、潤滑剤の潤滑性能およびその持続性を評
価した。なお、試験条件としては、試験片材質は普通
鋼、加熱温度1200℃、各パスの押込量0.5mm、潤
滑剤塗布厚約50μm で行った。表1に試作潤滑剤組成
と表2に試験時の各パスの潤滑性能を土状黒鉛の1回目
の押込み時を1とした時の摩擦係数比で示した。
と、土状黒鉛を添加することにより添加しない場合に比
べて初期潤滑性能(押込み1回目)をほとんど劣化する
ことなく持続性(押込み3回目)を10〜20%改善で
きる。
ルミルの後段スタンドの潤滑切れを防止し、全スタンド
を通して安定した圧延が可能となり、圧延トラブルの低
減、成品寸法精度の向上、内面疵の低減などその工業上
の効果は大きい。
する試験機の構成を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 黒鉛粉末100重量部に対して樹脂バイ
ンダーが2〜70重量部で形成される高温用潤滑剤にお
いて、黒鉛粉末としてキッシュ黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒
鉛の1種または2種以上を基準黒鉛としたものに土状黒
鉛を基準黒鉛/土状黒鉛の重量比で9/1〜5/5の割
合で添加混合することを特徴とする高温用潤滑剤組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5605793A JP3231454B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 高温用潤滑剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5605793A JP3231454B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 高温用潤滑剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264088A JPH06264088A (ja) | 1994-09-20 |
JP3231454B2 true JP3231454B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=13016458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5605793A Expired - Lifetime JP3231454B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 高温用潤滑剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3231454B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DK1652877T3 (da) * | 2004-10-27 | 2012-04-02 | Sgl Carbon Se | Slidbestandigt glidemateriale, som omfatter grafit og et harpiksbindemiddel |
JP6464353B2 (ja) * | 2014-12-12 | 2019-02-06 | 黒崎播磨株式会社 | 剥離材及びその施工方法 |
-
1993
- 1993-03-16 JP JP5605793A patent/JP3231454B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06264088A (ja) | 1994-09-20 |
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