JP3231277B2 - アナログfifoメモリ装置 - Google Patents

アナログfifoメモリ装置

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JP3231277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログCMOS−
LSIに関するものであり、特にアナログFIFOメモ
リ内部で発生する固定パターンノイズを低減する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】周知のようにCMOS−LSI技術は発
展を遂げているが、アナログCMOS−LSI設計の分
野において用いられる素子の1つにアナログFIFOメ
モリがある。アナログFIFOメモリとは、デジタルF
IFOメモリと同様にアナログ信号を一定時間だけ遅延
させて出力する素子である。
【0003】図22はアナログFIFOメモリの基本構
成を示す図である。図22に示すように、アナログFI
FOメモリは基本的には入力バッファ、出力バッファ、
記憶素子(メモリセル)及びアドレスカウンタから構成
される。アナログFIFOメモリは、アドレスカウンタ
から出力されるメモリセル選択信号に従って記憶素子を
指定し、指定した記憶素子に記憶されたアナログ信号値
を電圧又は電荷の形で出力バッファを介して出力し、次
にその時点で入力バッファに入力されている電圧値又は
電荷量を記憶素子に書き込む。すなわちアナログFIF
Oメモリは、アドレスカウンタで指定されたメモリセル
に対していわゆるリードモディファイライト動作を行
う。アドレスカウンタは通常巡回カウンタになってお
り、アナログFIFOメモリはアドレスが一巡する期間
だけ信号を遅延させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アナログFIFOメモ
リでは、通常、記憶素子として容量素子を用いるが、容
量素子はノイズの影響を受けやすいので、アナログFI
FOメモリの入力電圧Vinには、ノイズが容量に蓄積さ
れることによって生じるオフセット電圧Vnoiseが加わ
る。またこのオフセット電圧Vnoise は記憶素子の物理
的な位置によってばらつくことが知られている。すなわ
ち、出力電圧Vout は記憶素子のアドレスをnとすると
以下の式で表すことができる。 Vout=Vin+Vnoise(n)
【0005】すなわち、オフセット電圧Vnoiseは記憶
素子のアドレスnの関数としてあらわされる。このよう
なオフセット電圧Vnoise(n) は一般的に固定パターン
ノイズと呼ばれる。
【0006】図23はアナログFIFOメモリにおいて
固定パターンノイズが現れる理由を説明するための図で
ある。アナログFIFOメモリは一般的には複数の記憶
素子(通常は容量素子を用いる)が並列に接続されたメ
モリバスを並列に接続して構成される。図23(a)で
は、4つのメモリバスを2つのマルチプレクサを用いて
並列接続して構成したアナログFIFOメモリを示して
いる。図23(a)に示すアナログFIFOメモリで
は、アナログ信号の通過する経路は記憶されるメモリバ
ス毎に4つに分類される。この場合、各マルチプレクサ
の内部に用いられるアナログスイッチによって生じるク
ロックフィードスルーやスイッチオフ時の寄生電荷が記
憶素子に漏れてオフセット電圧として記憶素子に蓄えら
れる。この漏れ量はアナログスイッチ毎に微妙に異なる
ため、出力信号には図23(b)に示すようなオフセッ
ト電圧が加わることになる。これがいわゆる固定パター
ンノイズである。
【0007】このような固定パターンノイズは、アナロ
グFIFOメモリをTV信号処理に用いようとすると
き、大きな障害となる。
【0008】TV信号の場合には、人間の目が明るさに
対して非常に敏感であるために、信号に対する雑音の比
のスペックが−60dB以下と極めて厳しく、アナログ
FIFOメモリの固定パターンノイズがこのスペックを
満たさなければTV画像上にノイズとして見えてしま
う。
【0009】一方、スイッチング素子のオフセットは寄
生抵抗、寄生容量、又はスイッチングの微妙なタイミン
グに起因するものであるが、その厳密な解析は未だでき
ていないのが現状であり、オフセットのばらつきをなく
すことは極めて困難である。しかも、通常のLSIの製
造プロセスに由来する素子特性のばらつきを考慮する
と、製造プロセスによって固定パターンノイズノイズを
TV信号のスペック以下に抑え込むのはほとんど不可能
である。
【0010】したがって、アナログFIFOメモリをT
V信号処理に用いたときには、このような固定パターン
ノイズによってTV画像上にノイズが現れてしまい、画
質が劣化してしまうという問題があった。
【0011】これまでにもアナログFIFOメモリの開
発例はあるが(K.Matsui,T.Matsuuraet al.,"CMOS v
edeo Filters Using Switched Capacitor 14MHz Circui
ts",IEEE J.Solid-State Circuits,pp.1096-1101,198
5.,Ken A.Nishimura,Paul R.Gray,"A Monolithic Anal
og Video Comb Filter in 1.2-um CMOS",IEEE Jour
nal of Solid-State Circuits,VOL.28,NO.12,pp1331-13
39,DECEMBER 1993.) 、このような固定パターンノイズ
が発生するため、TV信号処理には実用化されていな
い。この問題は、最初の報告から実に10年以上も未解決
のまま今日にいたっている。
【0012】前記の問題に鑑み、本発明は、アナログF
IFOメモリ内部で生じた固定パターンノイズが信号成
分に与える影響を低減することができるアナログFIF
Oメモリ装置を提供することを目的とするものであり、
特にTV信号処理に用いた場合のTV画質に対する悪影
響を解消することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明が講じた解決手段は、アナログ信
号を記憶する複数の記憶素子を有し、入力したアナログ
信号を所定時間遅延させて入力順に出力するアナログF
IFOメモリを備えたアナログFIFOメモリ装置とし
て、前記アナログFIFOメモリの出力信号に対し、前
記アナログFIFOメモリ内部で生じた固定パターンノ
イズの周波数が信号帯域よりも高周波側に遷移するよ
う、周波数変調する変換を行う出力側変換部と、前記ア
ナログFIFOメモリの入力信号に対し、前記出力側変
換部の変換と逆の変換を行う入力側変換部とを備え、前
記入力側変換部は、前記アナログFIFOメモリの信号
入出力タイミングに同期して、前記アナログFIFOメ
モリの入力信号に対して正転操作及び反転操作を交互に
行うものであり、前記出力側変換部は、前記アナログF
IFOメモリの信号入出力タイミングに同期して、前記
アナログFIFOメモリの出力信号に対して正転操作及
び反転操作を交互に行うものであり、かつ、前記アナロ
グFIFOメモリは、保持する信号数である遅延段数が
可変に構成されており、当該アナログFIFOメモリ装
置は、前記出力側変換部の出力信号を、前記アナログF
IFOメモリの遅延段数が偶数及び奇数のいずれか一方
であるときは反転する一方、他方であるときは反転しな
い信号反転手段を備えているものである。
【0014】請求項1の発明によると、出力側変換部に
よる周波数変調によって、アナログFIFOメモリ内部
で生じた固定パターンノイズの周波数は信号帯域よりも
高周波側に遷移され、かつ、信号成分の周波数特性は変
化しないので、固定パターンノイズと信号成分とを周波
数的に分離することができる。したがって、信号成分に
影響を及ぼすことなく、固定パターンノイズが信号成分
に与える影響を低減することができる。また、固定パタ
ーンノイズは、出力側変換部によって、アナログFIF
Oメモリの信号入出力タイミングに同期して正転操作及
び反転操作が交互に行われるので、アナログFIFOメ
モリの信号入出力動作の半分の周波数の変調を受けるこ
とになる。一方、当該アナログFIFOメモリ装置の入
力信号は、入力側変換部によって、アナログFIFOメ
モリの信号入出力タイミングに同期して正転操作及び反
転操作が交互に行われると共に、出力側変換部によっ
て、アナログFIFOメモリの信号入出力タイミングに
同期して正転操作及び反転操作が交互に行われるので、
当該アナログFIFOメモリ装置の出力信号は入力信号
に対して正相又は逆相の信号になるだけである。すなわ
ち、信号成分は周波数変調を受けない。このため、固定
パターンノイズの周波数がアナログFIFOメモリの信
号入出力動作の半分の周波数だけ高周波側に遷移する。
したがって、固定パターンノイズと信号成分とを周波数
的に確実に分離することができる。さらに、アナログF
IFOメモリの遅延段数に拘わらず、出力信号を正相出
力及び逆相出力のいずれかに常に固定することができ
る。
【0015】また、請求項2の発明が講じた解決手段
は、アナログ信号を記憶する複数の記憶素子を有し、入
力したアナログ信号を所定時間遅延させて入力順に出力
するアナログFIFOメモリを備えたアナログFIFO
メモリ装置として、前記アナログFIFOメモリの出力
信号に対し、前記アナログFIFOメモリ内部で生じた
固定パターンノイズのレベルが信号レベルに対して圧縮
されるよう、電圧変換を行う出力側変換部と、前記アナ
ログFIFOメモリの入力信号に対し、前記出力側変換
部の変換と逆の変換を行う入力側変換部とを備え、前記
入力側変換部は、前記アナログFIFOメモリの入力信
号に対し、対数関数に従った電圧変換を行うものであ
り、前記出力側変換部は、前記アナログFIFOメモリ
の出力信号に対し、前記入力側変換部における電圧変換
で用いた対数関数の逆関数である指数関数に従った電圧
変換を行うものである。
【0016】請求項2の発明によると、出力側変換部に
おける電圧変換によってアナログFIFOメモリ内部で
生じた固定パターンノイズのレベルは信号レベルに対し
て圧縮され、かつ、信号成分のレベルは変化しないの
で、固定パターンノイズと信号成分とを電圧レベル的に
分離することができる。したがって、信号成分に影響を
及ぼすことなく、固定パターンノイズが信号成分に与え
る影響を低減することができる。
【0017】また、請求項3の発明が講じた解決手段
は、TV信号の遅延用に用いられるアナログFIFOメ
モリ装置として、アナログ信号を記憶する複数の記憶素
子及び信号の入出力を行う記憶素子を順に指定するカウ
ンタを有し、入力したアナログ信号を所定時間遅延させ
て入力順に出力するアナログFIFOメモリと、TV画
像において前記アナログFIFOメモリ内部で生じた固
定パターンノイズが視覚的に除去されるよう,前記アナ
ログFIFOメモリの記憶素子とTV画像上の位置との
対応をTV画像の更新毎に変えるべく、TV垂直同期信
号に基づいて、TV画像の更新毎に異なるタイミングで
前記アナログFIFOメモリのカウンタをリセットする
リセット手段とを備えているものである。
【0018】請求項3の発明によると、リセット手段に
よってアナログFIFOメモリのカウンタをTV画像の
更新毎に異なるタイミングでリセットすることによっ
て、アナログFIFOメモリの記憶素子とTV画像上の
位置との対応が、TV画像において固定パターンノイズ
が視覚的に除去されるように変化する。したがって、固
定パターンノイズが信号成分に与える影響をTV画像上
で視覚的に低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明の基本的な原理につ
いて説明する。
【0020】図1は本発明に係るアナログFIFOメモ
リ装置における固定パターンノイズ低減の原理を説明す
るための図である。図1に示すように、本発明に係るア
ナログFIFOメモリ装置は、アナログFIFOメモリ
101に入力される信号Vin(t,v) に対して前処理とし
て変換Fを行う入力側変換部102と、アナログFIF
Oメモリ101から出力された信号に対して前処理の逆
変換F-1を行う出力側変換部103とを備えている。
【0021】図1に示すようなアナログFIFOメモリ
装置では、入力信号Vin(t,v) は入力側変換部102に
よる変換F及び出力側変換部103による逆変換F-1
よって結果的には変換の影響を受けずにそのまま出力さ
れるが、アナログFIFOメモリ101内部で生じた固
定パターンノイズN(t,v) は出力側変換部103による
逆変換F-1によってF-1(N(t,v) )と変換されて出力
される。したがって、出力側変換部103の出力は、 Vin(t,v) +F-1(N(t,v) ) となる。すなわち、出力側変換部103における逆変換
-1をうまく設定すれば固定パターンノイズが信号に及
ぼす影響を低減できるわけである。しかも入力側変換部
102における変換Fを出力側変換部103における逆
変換F-1と逆の変換に設定すれば入力信号Vin(t,v) に
は何ら影響を与えることはない。
【0022】アナログFIFOメモリの出力側における
逆変換F-1を、アナログFIFOメモリ内部で生じた固
定パターンノイズが信号成分に与える影響を低減するた
めの変換とみなせば、アナログFIFOメモリの入力側
における変換Fが、この変換の逆変換に相当することに
なる。
【0023】本発明は、このような原理に基づき、変換
F及び逆変換F-1を時間(又は周波数)、電圧、さらに
は人間の視覚の観点から設定することによって、アナロ
グFIFOメモリ内部で発生する固定パターンノイズが
信号に及ぼす影響を低減するものである。
【0024】(第1の実施形態) 本発明の第1の実施形態に係るアナログFIFOメモリ
装置は、変換F及び逆変換F-1を時間(又は周波数)の
観点から設定したものである。すなわち、アナログFI
FOメモリ内部で生じる固定パターンノイズは低周波成
分として発生しやすいことに着目し、いわゆるチョッパ
回路の原理をアナログFIFOメモリに応用することに
よって固定パターンノイズを高周波成分に追いやり、し
かる後にフィルタを用いてこれを取り除くというもので
ある。
【0025】図2は本実施形態に係るアナログFIFO
メモリ装置の構成の概略を示す図である。図2に示すよ
うに、本実施形態に係るアナログFIFOメモリ装置は
アナログFIFOメモリ1の入力側及び出力側にそれぞ
れ乗算器2,3を備えており、さらに出力側乗算器3の
出力信号の高周波成分を除去する低域通過フィルタ4を
備えている。
【0026】図3は図2に示す本実施形態に係るアナロ
グFIFOメモリ装置における信号及び固定パターンノ
イズの波形を示す図である。図3において、(a)は入
力信号S1、(b)はアナログFIFOメモリ1の出力
信号のうちの信号成分S2、(c)は出力側乗算器3の
出力信号のうちの信号成分S3、(d)はアナログFI
FOメモリ1内部で生じた固定パターンノイズN1、
(e)は出力側乗算器3の出力信号のうちの固定パター
ンノイズ成分N2である。
【0027】入力側乗算器2及び出力側乗算器3はアナ
ログFIFOメモリ1の入力信号及び出力信号に対して
アナログFIFOメモリ1の信号入出力タイミングに同
期して(すなわちアナログFIFOメモリ1を駆動する
クロック信号に同期して)正転操作及び反転操作を交互
に繰り返し行う。すなわち、入力側乗算器2及び出力側
乗算器3によっていわゆるチョッパ操作が行われる。
【0028】このような操作により、図3(a)〜
(c)に示すように、入力信号S1の波形は入力側乗算
器2によって一旦変調されるものの、出力側乗算器3に
よって再び変調されることによって、元の信号波形のま
ま出力される。しかしながら、アナログFIFOメモリ
1内部で生じた固定パターンノイズは出力側乗算器3に
よる変調しかうけないので、通常であれば図3(d)に
示すような固定パターンノイズN1が出力されるところ
を、正転操作及び反転操作を交互にうけるために、出力
側乗算器3から出力される固定パターンノイズ成分N2
は図3(e)に示すような波形になる。
【0029】これを周波数スペクトルで見ると図4のよ
うになる。すなわち、チョッパ操作を行わない場合は図
4(a)に示すように信号帯域内に固定パターンノイズ
のスペクトルがあるので信号と固定パターンノイズとを
分離することはできないが、本実施形態のようにチョッ
パ操作を行うと、図4(b)に示すように信号帯域の外
に固定パターンノイズのスペクトルを追いやることがで
きるので、低域通過フィルタ(LPF)4によって固定
パターンノイズ成分を取り除くことが可能になる。
【0030】ここで重要なことは、アナログFIFOメ
モリ1の信号入出力タイミングと入力側及び出力側乗算
器2,3の正転操作と反転操作との切り替えタイミング
とを同期させることである。これにより、入力側及び出
力側乗算器2,3の操作の切替え時にアナログFIFO
メモリ1の信号入出力が行われないようにすることがで
き、乗算器2,3による反転操作における過渡的な信号
がアナログFIFOメモリ1に記憶されることを防止す
ることができる。通常のチョッパ回路ではこのような同
期は不必要であるが、本実施形態においてはアナログF
IFOメモリ1の入出力タイミングと入力側及び出力側
乗算器2,3の正転操作と反転操作との切り替えタイミ
ングとの同期は必須である。これにより、入力信号波形
を完全に保ちつつチョッパ操作を行うことが可能にな
る。
【0031】図2では、アナログFIFOメモリ1の駆
動クロック信号(周波数fclk )と入力側及び出力側乗
算器2,3の駆動信号(周波数fclk /2)とを同期さ
せることにより、アナログFIFOメモリ1の信号入出
力タイミングと入力側及び出力側乗算器2,3の正転操
作と反転操作との切り替えタイミングとを同期させてい
る。
【0032】このとき、入力信号S1として図3(a)
に示すようなDC成分が入力されたと仮定する。すると
入力側乗算器2を通過してアナログFIFOメモリ1に
書き込まれる信号は図3(b)に示すように周波数fcl
k /2で変調された信号S2になる。この信号S2はア
ナログFIFOメモリ1から出力されると出力側乗算器
3によって同様に変調されるため、図3(c)に示すよ
うに元のDC成分に変換される。すなわち、入力時に施
した操作と全く逆の操作を出力時に行うことによって入
力信号波形が完全に復元される。
【0033】なお入力信号S1が、入力側で正転されか
つ出力側で正転される操作又は入力側で反転されかつ出
力側で反転される操作を受ける場合は、出力信号S3は
正相出力信号になり、一方、入力信号S1が、入力側で
正転されかつ出力側で反転される操作又は入力側で反転
されかつ出力側で正転される操作を受ける場合は、出力
信号S3は逆相出力信号になるが、いずれの場合でも、
信号と固定パターンノイズとを周波数的に分離すること
ができる。
【0034】図5は本発明の第1の実施形態に係るアナ
ログFIFOメモリ装置の回路構成を示す図である。図
5において、10はアナログFIFOメモリ、21は入
力信号に対して正転操作及び反転操作を交互に行う入力
側信号反転手段としての第1のアナログ乗算器、22は
第1のアナログ乗算器21の正転操作及び反転動作を切
替制御する信号を生成出力する第1の分周器、26はア
ナログFIFOメモリ10から出力された信号に対して
正転操作及び反転操作を交互に行う出力側信号反転手段
としての第2のアナログ乗算器、27は第2のアナログ
乗算器26の正転操作及び反転操作を切替制御する信号
を生成出力する第2の分周器、28は第2のアナログ乗
算器26の出力信号から高周波成分を除去する低域通過
フィルタである。第1及び第2の分周器22,27はア
ナログFIFOメモリ10を駆動するクロック信号を分
周することによって第1及び第2のアナログ乗算器2
1,26の制御信号を生成するものであり、Dフリップ
フロップ22a,27aを用いた簡易な構成によって実
現されている。
【0035】第1のアナログ乗算器21及び第1の分周
器22によって入力側変換部20が構成されており、第
2のアナログ乗算器26及び第2の分周器27によって
出力側変換部25が構成されている。
【0036】アナログFIFOメモリ10は、複数の記
憶素子(メモリセル)11とそれぞれ接続された複数の
メモリバス12、信号の入出力を行うメモリバス12の
アドレスを指示する第1のアドレスデコーダ13、信号
の読み書きを行うメモリセル11のメモリバス12にお
けるアドレスを指示する第2のアドレスデコーダ14、
第1のアドレスデコーダ13によって指示された一のメ
モリバス12に信号を入力する入力側マルチプレクサ1
5、第1のアドレスデコーダ13によって指示された一
のメモリバス12から信号を出力する出力側マルチプレ
クサ16、外部から与えられたクロック信号を計数し、
この計数データに基づいて第1及び第2のアドレスデコ
ーダ13,14に信号の読み書きを行うメモリセル11
を指示するカウンタ17、入力バッファ18、及び出力
バッファ19を備えている。
【0037】本実施形態に係るアナログFIFOメモリ
装置の動作について説明する。
【0038】入力信号は第1のアナログ乗算器21に入
力され、第1のアナログ乗算器21は第1の分周器22
から生成出力された制御信号の論理レベルに従って入力
信号を交互に正転又は反転してアナログFIFOメモリ
10に入力する。
【0039】アナログFIFOメモリ10では、外部か
ら与えれられるクロック信号に同期してリードモディフ
ァイライト動作が行われる。カウンタ17によって信号
の読み書きを行うメモリセル11が指示されると、第1
のアドレスデコーダ13によって一のメモリバス12の
アドレスが指示されると共に第2のアドレスデコーダ1
4によって前記一のメモリバス12における一のメモリ
セル11のアドレスが指示される。出力側マルチプレク
サ16は第1のアドレスデコーダ13によって指示され
た前記一のメモリバス12から、第2のアドレスデコー
ダ14によって指示された前記一のメモリセル11に記
憶された信号を読み出す。読み出された信号は出力バッ
ファ19を介してアナログFIFOメモリ10から出力
される。
【0040】一方、アナログFIFOメモリ10に入力
された信号は、入力バッファ18を介して入力側マルチ
プレクサ15に入力される。入力側マルチプレクサ15
は第1のアドレスデコーダ13によって指示された前記
一のメモリバス12に入力信号を入力する。信号入力さ
れた前記一のメモリバス12は、第2のアドレスデコー
ダ14によって指示された前記一のメモリセル11に入
力信号を記憶させる。
【0041】アナログFIFOメモリ10の出力信号は
第2のアナログ乗算器26に入力され、第2のアナログ
乗算器26は第2の分周器27から生成出力された制御
信号の論理レベルに従ってアナログFIFOメモリ10
の出力信号を交互に正転又は反転して出力する。第2の
アナログ乗算器26の出力信号のうち低周波ノイズ成分
は低域通過フィルタ28によって除去される。
【0042】図6はアナログFIFOメモリ10の信号
読み書き動作及び第1及び第2のアナログ乗算器21,
26の正転操作と反転操作との切替動作のタイミングを
示すタイミングチャートである。図6に示すように、ア
ナログFIFOメモリ10では、カウンタ17によって
指示されたメモリセル11に蓄えられた信号をまず読み
出し、次にこの信号読み出しを行ったメモリセル11に
信号を書き込む。すなわち、いわゆるリードモディファ
イライト動作を行う。
【0043】アナログFIFOメモリ10の信号読み書
き動作に同期して、第1及び第2のアナログ乗算器2
1,26は正転操作及び反転操作を交互に繰り返し行
う。この同期は、第1及び第2のアナログ乗算器21,
26を、アナログFIFOメモリ10を駆動するクロッ
ク信号を第1及び第2の分周器22,27によって分周
して生成した信号によって制御することによって実現さ
れる。第1及び第2の分周器22,27は共に2分周器
を構成するので、アナログFIFOメモリ10を駆動す
るクロック信号の周波数をfclk とすると、第1及び第
2のアナログ乗算器21,26に与えられる制御信号の
周波数はfclk /2になる。したがって、アナログFI
FOメモリ10内部で生じる固定パターンノイズは第1
及び第2のアナログ乗算器21,26によるチョッパ操
作によってfclk /2だけ高周波側にシフトする。この
ため、固定パターンノイズと信号帯域とを分離するため
には、以下の条件を満たすことが好ましい。 fclk >4×fsignal ここで、fsignalは信号帯域の上限周波数である。
【0044】なお図6では、第1のアナログ乗算器2
1,26の正転操作及び反転操作は常に同じであるの
で、アナログFIFOメモリ10の遅延段数が偶数であ
るときは出力信号は正相出力信号になる一方、アナログ
FIFOメモリ10の遅延段数が奇数であるときは出力
信号は逆相出力信号になるが、いずれの場合でも信号と
固定パターンノイズとを周波数的に分離することができ
る。
【0045】また、第1のアナログ乗算器21が正転操
作を行うときは第2のアナログ乗算器26は反転操作を
行う一方、第1のアナログ乗算器21が反転操作を行う
ときは第2のアナログ乗算器26は正転操作を行うよう
に制御してもかまわない。この場合には、アナログFI
FOメモリ10の遅延段数が偶数であるときは出力信号
は逆相出力信号になる一方、アナログFIFOメモリ1
0の遅延段数が奇数であるときは出力信号は正相出力信
号になるが、この場合でもいずれのときも信号と固定パ
ターンノイズとを周波数的に分離することができる。
【0046】なお、本実施形態で採用したチョッパ操作
は低周波ノイズを除去するときには有効に作用するが、
高周波ノイズに対しては有効ではない。例えばアナログ
FIFOメモリ10から周波数fclk /2の高周波ノイ
ズが発生したとすると、本実施形態のような周波数fcl
k /2の変調をかけた場合にはこの高周波ノイズは逆に
低周波ノイズになってしまい、信号帯域と重なってしま
うためうまく除去できない。すなわち本実施形態は、ア
ナログFIFOメモリ10で発生する固定パターンノイ
ズは低周波であることに着目して実現したものである。
この点について説明する。
【0047】図7はアナログFIFOメモリ10におけ
るメモリセルのアドレッシングの例を示す図であり、1
1はメモリセル、12はメモリバスである。同図中、
(a)はメモリバス12に対して垂直方向にアドレッシ
ングを行う垂直アドレッシング、(b)はメモリバス1
2に対して平行にアドレッシングを行う平行アドレッシ
ングを示している。アナログFIFOメモリ10が、n
個のメモリセル11にそれぞれ接続されたm個のメモリ
バス12によって構成されているものとすると、図7
(a)に示すような垂直アドレッシングの場合には固定
パターンノイズはfclk /mの周波数成分を持ち、図7
(b)に示すような平行アドレッシングの場合には固定
パターンノイズはfclk /nの周波数成分を持つ。mや
nは通常十分大きな数になるので、固定パターンノイズ
の周波数はアナログFIFOメモリ10を駆動するクロ
ック周波数fclk に比べて十分低いものとみなすことが
できる。したがって、本実施形態で採用したチョッパ操
作は固定パターンノイズを除去するのに効果的に作用す
る。
【0048】図8は本実施形態に係るアナログFIFO
メモリ装置の変形例を示す図であり、アナログFIFO
メモリ10の遅延段数を可変にした場合に本実施形態を
応用したものである。図8において、低域通過フィルタ
28の後段に信号反転手段29が付加された以外は、図
5に示す本実施形態に係るアナログFIFOメモリ装置
と同様の構成からなる。信号反転手段29は、アナログ
FIFOメモリ10の遅延段数が変わっても、入力信号
に対する出力信号の位相が一定になるようにするもので
ある。この変形例では、信号反転手段29は、アナログ
FIFOメモリ10の遅延段数を制御する信号を入力と
し、アナログFIFOメモリ10の遅延段数が奇数のと
きのみ、低域通過フィルタ28から出力された信号を反
転する。
【0049】図5に示す本実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置では、アナログFIFOメモリ10にお
ける遅延段数が偶数の場合には、入力信号は、第1のア
ナログ乗算器21によって反転されてアナログFIFO
メモリ10に入力されたときはアナログFIFOメモリ
10から出力されると第2のアナログ乗算器26によっ
て反転される一方、第1のアナログ乗算器21によって
正転されてアナログFIFOメモリ10に入力されたと
きはアナログFIFOメモリ10から出力されると第2
のアナログ乗算器26によって正転される。したがっ
て、出力信号は入力信号に対して正相出力になる。
【0050】ところがアナログFIFOメモリ10にお
ける遅延段数が奇数の場合には、入力信号は、第1のア
ナログ乗算器21によって反転されてアナログFIFO
メモリ10に入力されたときはアナログFIFOメモリ
10から出力されると第2のアナログ乗算器26によっ
て正転される一方、第1のアナログ乗算器21によって
正転されてアナログFIFOメモリ10に入力されたと
きはアナログFIFOメモリ10から出力されると第2
のアナログ乗算器26によって正転される。したがっ
て、出力信号は入力信号に対して逆相出力になる。
【0051】したがって、アナログFIFOメモリ10
の遅延段数を可変にした場合には、出力信号はアナログ
FIFOメモリ10における遅延段数に応じて正相と逆
相とに切り替わってしまう。
【0052】そこで、図8に示す本実施形態の変形例で
は、低域通過フィルタ28の後段に信号反転手段29を
設けて、アナログFIFOメモリ10における遅延段数
が奇数になるときにのみ信号反転手段29によって出力
信号を反転するように構成している。これにより、アナ
ログFIFOメモリ10の遅延段数に拘わらず、入力信
号に対して常に正相出力信号を得ることができる。
【0053】なお、信号反転手段29はアナログFIF
Oメモリ10の遅延段数が偶数のときのみ、低域通過フ
ィルタ28から出力された信号を反転するようにしても
よい。このときは、入力信号に対して常に逆相出力信号
を得ることができる。
【0054】さらに、第1のアナログ乗算器21が正転
操作を行うときは第2のアナログ乗算器26は反転操作
を行う一方、第1のアナログ乗算器21が反転操作を行
うときは第2のアナログ乗算器26は正転操作を行うよ
うに制御した場合でも、信号反転手段29を設けること
によって同様の効果が得られる。この場合には、信号反
転手段29がアナログFIFOメモリ10の遅延段数が
偶数のときのみ低域通過フィルタ28から出力された信
号を反転するようにしたときは、入力信号に対して常に
正相出力信号を得ることができ、信号反転手段29がア
ナログFIFOメモリ10の遅延段数が奇数のときのみ
低域通過フィルタ28から出力された信号を反転するよ
うにしたときは、入力信号に対して常に逆相出力信号を
得ることができる。
【0055】また本実施形態では、アナログFIFOメ
モリ10がアナログ差動信号を扱う場合には、アナログ
乗算器21,26の代わりに図9に示すような簡易な構
成の信号反転回路を用いることができる。図9におい
て、31a,31bは信号入力端子、32は制御信号入
力端子、33a,33bは信号出力端子、34a,34
b,34c,34dはスイッチ、35a,35bはサン
プルホールド回路(SH)である。信号の正転操作の場
合はスイッチ34a,34dをオン状態にすると共にス
イッチ34b,34cをオフ状態にしてサンプルホール
ド回路35a,35bに信号を入力する一方、信号の反
転操作の場合はスイッチ34b,34cをオン状態にす
ると共にスイッチ34a,34dをオフ状態にしてサン
プルホールド回路35a,35bに極性を反転して信号
を入力する。スイッチ34a〜34dの切り替えは端子
32に入力される制御信号によって制御される。このよ
うな簡単な構成によって、信号出力端子33a,33b
に現れる信号の極性を所定のタイミングで反転すること
ができる。
【0056】(第2の実施形態) 本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した
チョッパ操作を並列構成のアナログFIFOメモリ装置
に応用するものである。
【0057】図10は第1の実施形態で説明したチョッ
パ操作を並列構成のアナログFIFOメモリ装置に応用
した場合を示す図であり、同図中、(a)は概略構成を
示す図、(b)は(a)に示すアナログFIFOメモリ
装置における,アクセスするメモリと乗算器の操作との
対応を示すタイミングチャートである。図10(a)に
示すアナログFIFOメモリ装置は第1及び第2のアナ
ログFIFOメモリ1a,1bを備えており、第1及び
第2の切替手段5,6によって信号の入出力の切替を行
い、第1のアナログFIFOメモリ1aと第2のアナロ
グFIFOメモリ1bとに順に交互にリードモディファ
イライト動作を行う。並列構成のアナログFIFOメモ
リ装置は、複数個のアナログFIFOメモリを巡回して
動作させることによって各アナログFIFOメモリに要
求される動作速度を低く抑えることができる。
【0058】並列構成のアナログFIFOメモリ装置
は、通常、偶数個のアナログFIFOメモリを用いて構
成されることが多い。この場合、第1の実施形態で説明
したようなチョッパ操作によって正転操作と反転操作と
を交互に行うと、各アナログFIFOメモリについては
常に同じ操作が行われることになる。例えば図10
(b)に示すように、第1のアナログFIFOメモリ1
aがアクセスされるときは入力側及び出力側乗算器2,
3によって常に正転操作が行われる一方、第2のアナロ
グFIFOメモリ1bがアクセスされるときは入力側及
び出力側乗算器2,3によって常に反転操作が行われ
る。
【0059】したがって、偶数個のアナログFIFOメ
モリからなる並列構成のアナログFIFOメモリ装置で
は、チョッパ操作を行う場合には、各アナログFIFO
メモリの入出力信号に対する操作は正転操作又は反転操
作のいずれかに固定されるので、各アナログFIFOメ
モリの入出力信号に対してクロック周期ごとに交互に正
転操作及び反転操作を切り替える必要はない。すなわ
ち、正転操作及び反転操作を交互に行う手段を用いなく
てもチョッパ操作と同等の処理を行うことができる。
【0060】図11は本発明の第2の実施形態に係るア
ナログFIFOメモリ装置の構成を示す図であり、並列
構成のアナログFIFOメモリ装置に対して、アナログ
乗算器等の正転操作及び反転操作を交互に行う手段を用
いないでチョッパ操作を実現したものを示す図である。
図11において、41a及び41bは第1及び第2のア
ナログFIFOメモリであり、図5に示す第1の実施形
態に係るアナログFIFOメモリ装置におけるアナログ
FIFOメモリ10と同様の構成からなる。また、42
は第1のアナログFIFOメモリ41aと第2のアナロ
グFIFOメモリ41bとに入力信号を振り分ける切替
手段、43は入力信号を反転して第1のアナログFIF
Oメモリ41aに入力する入力側信号反転手段、44は
第1のアナログFIFOメモリ41bから出力された信
号を反転する出力側信号反転手段、45はサンプルホー
ルド回路、46は低域通過フィルタである。
【0061】図11に示すアナログFIFOメモリ装置
の動作を説明する。入力信号は切替手段42によって第
1のアナログFIFOメモリ41a又は第2のアナログ
FIFOメモリ41bに振り分けられる。第1及び第2
のアナログFIFOメモリ41a,41bはクロック信
号によって駆動され、第1のアナログFIFOメモリ4
1aには切替手段42によって振り分けられた入力信号
が入力側信号反転手段43によって反転されて入力され
る一方、第2のアナログFIFOメモリ41bには切替
手段42によって振り分けられた入力信号がそのまま入
力される。
【0062】第1のアナログFIFOメモリ41aの出
力信号は出力側信号反転手段44によって反転されてサ
ンプルホールド回路45に入力される一方、第2のアナ
ログFIFOメモリ41bの出力信号はそのままサンプ
ルホールド回路45に入力される。サンプルホールド回
路45は第1及び第2のアナログFIFOメモリ41
a,41bの出力信号を交互にサンプルホールドして出
力する。これにより、第1のアナログFIFOメモリ4
1aにおいて生じる固定パターンノイズは反転されて出
力される一方、第2のアナログFIFOメモリ41bに
おいて生じる固定パターンノイズはそのまま出力され
る。
【0063】したがって、第1及び第2のアナログFI
FOメモリ41a,41bがLSI上に合同なレイアウ
トパターンで設計されており、生じる固定パターンノイ
ズがほぼ同じであれば、低域通過フィルタ46に入力さ
れる固定パターンノイズは動作クロック毎に符号が反転
されて出力される。すなわち固定パターンノイズの周波
数は高周波に変調されるので、低域通過フィルタ46に
よって容易に除去することができる。
【0064】すなわち本実施形態では、第1のアナログ
FIFOメモリ41aの入力側に入力側信号反転手段4
3を設けると共に第2のアナログFIFOメモリ41b
の入力側には信号反転手段を設けないことによって、図
5に示す第1の実施形態に係るアナログFIFOメモリ
装置における入力側変換部20と同等の機能を実現して
いるといえる。また、第1のアナログFIFOメモリ4
1aの出力側に出力側信号反転手段44を設けると共に
第2のアナログFIFOメモリ41bの出力側には信号
反転手段を設けないことによって、図5に示す第1の実
施形態に係るアナログFIFOメモリ装置における出力
側変換部25と同等の機能を実現しているといえる。し
たがって、分周器及びアナログ乗算器のような正転操作
及び反転操作を交互に行う手段が不要なので、回路構成
が簡易になる。
【0065】なお、入力側信号反転手段43は第1及び
第2のアナログFIFOメモリ41a,41bのいずれ
の入力側に設けてもかまわないし、出力側信号反転手段
44は第1及び第2のアナログFIFOメモリ41a,
41bのいずれの出力側に設けてもかまわない。
【0066】さらに、本実施形態ではアナログFIFO
メモリの個数は2としたが、偶数個のアナログFIFO
メモリを備えたアナログFIFOメモリ装置であれば同
様の構成によってチョッパ操作を実現することができ
る。すなわち、偶数個のアナログFIFOメモリの入力
側に、アクセス順の1つおきに信号反転手段を設けると
共に、出力側にアクセス順の1つおきに信号反転手段を
設ければよい。このような構成によって、正転操作及び
反転操作を交互に行う手段を用いないでチョッパ操作を
実現することができる。
【0067】(第3の実施形態) 本発明の第3の実施形態は、第2の実施形態に示した,
並列構成のアナログFIFOメモリ装置において正転操
作及び反転操作を交互に行う手段を用いないでチョッパ
操作を実現した構成を、アナログ差動信号を記憶しかつ
単独で動作するアナログFIFOメモリに応用したもの
である。
【0068】図12は本発明の第3の実施形態に係るア
ナログFIFOメモリ装置の構成を示す図である。図1
2において、アナログFIFOメモリ50はアナログ差
動信号を記憶するものであり、複数個のメモリセルがそ
れぞれ接続された偶数個のメモリバス51、入力側及び
出力側マルチプレクサ52,53、入力バッファ54、
及び出力バッファ55を備えている。入力側マルチプレ
クサ52は複数のメモリバス51のうち1つを選択して
入力バッファ54から入力信号を入力し、出力側マルチ
プレクサ53は複数のメモリバス51のうち1つを選択
して信号を読み出し、出力バッファ55に出力する。図
12では、外部から与えられるクロック信号を計数して
信号読み書きを行うメモリセルを指定するカウンタ並び
にメモリバス及びメモりセルのアドレスを指示するアド
レスデコーダを省略している。また58はアナログFI
FOメモリ50の出力信号から高周波成分を除去する低
域通過フィルタである。
【0069】図12に示すアナログFIFOメモリ50
において特徴的なのは、メモリバス51の正相及び逆相
入力端子と入力側マルチプレクサ52の出力端子との接
続が奇数番目のメモリバス51と偶数番目のメモリバス
51とで逆になっており、またメモリバス51の正相及
び逆相出力端子と出力側マルチプレクサ53の入力端子
との接続が、奇数番目のメモリバス51と偶数番目のメ
モリバス51とで逆になっていることである。実際には
メモリバス51の入出力端子は、メモリバス51毎に交
互に逆にレイアウトされる。
【0070】このため、奇数番目のメモリバス51で生
じた固定パターンノイズはそのまま出力される一方、偶
数番目のメモリバス51で生じた固定パターンノイズは
反転して出力される。
【0071】したがって、アナログFIFOメモリ50
のアドレッシングを図7(a)に示すようなメモリバス
51に対して垂直方向にアドレッシングを行う垂直アド
レッシングとすると、出力される固定パターンノイズは
クロック毎に符号が逆転することになる。すなわち各メ
モリバス51の内部で固定パターンノイズが発生してい
る場合には、メモリバス51毎に交互にレイアウトを逆
に配置することによって、固定パターンノイズの周波数
を高周波に変調することができる。したがって、第2の
実施形態と同様に低域通過フィルタ58によって固定パ
ターンノイズを容易に除去することができる。
【0072】すなわち本実施形態では、奇数番目のメモ
リバス51にはアナログ差動信号が正転入力されかつ偶
数番目のメモリバス51にはアナログ差動信号が反転入
力されるよう、入力側マルチプレクサ52と各メモリバ
ス51とを接続することによって、図5に示す第1の実
施形態に係るアナログFIFOメモリ装置における入力
側変換部20と同等の機能を実現しているといえる。ま
た、奇数番目のメモリバス51からアナログ差動信号が
正転出力されかつ偶数番目のメモリバス51からアナロ
グ差動信号が反転出力されるよう、出力側マルチプレク
サ53と各メモリバス51とを接続することによって、
図5に示す第1の実施形態に係るアナログFIFOメモ
リ装置における出力側変換部25と同等の機能を実現し
ているといえる。したがって、分周器及びアナログ乗算
器のような正転操作及び反転操作を交互に行う手段が不
要なので、回路構成が簡易になる。
【0073】なお、各メモリバス51と入力側マルチプ
レクサ52及び出力側マルチプレクサ53との接続は本
実施形態において示したものに限られるものではなく、
例えば、奇数番目のメモリバス51にはアナログ差動信
号が反転入力されかつ偶数番目のメモリバス51にはア
ナログ差動信号が正転入力されるよう、入力側マルチプ
レクサ52と各メモリバス51とを接続してもかまわな
いし、また、奇数番目のメモリバス51からアナログ差
動信号が反転出力されかつ偶数番目のメモリバス51か
らアナログ差動信号が正転出力されるよう、出力側マル
チプレクサ53と各メモリバス51とを接続してもかま
わない。すなわち、各メモリバス51が信号入力順に1
つおきに、アナログ差動信号が反転入力されるように入
力側マルチプレクサ52と接続されており、かつ、各メ
モリバス51が信号出力順に1つおきに、アナログ差動
信号が反転出力されるように出力側マルチプレクサ53
と接続されていれば、正転操作及び反転操作を交互に行
う手段を用いないでチョッパ操作を実現することができ
る。
【0074】(第4の実施形態) 本発明の第4の実施形態に係るアナログFIFOメモリ
装置は、TV信号の遅延用に用いられることを前提とし
て、第1の実施形態に係るアナログFIFOメモリ装置
に加えて、さらに、人間の視覚の特性を利用して固定パ
ターンノイズがTV画像上で見えないようにしたもので
ある。すなわち本実施形態は、信号に対する固定パター
ンノイズの影響を視覚的に除去するものであり、このた
めに第1の実施形態と同様にチョッパ操作を用いる。
【0075】図13は本実施形態において固定パターン
ノイズの影響をチョッパ操作により視覚的に除去する原
理を説明するための図であり、同図中、(a)はチョッ
パ操作なしの場合の固定パターンノイズ波形、(b)は
本実施形態においてチョッパ操作を行ったときの固定パ
ターンノイズ波形である。
【0076】本実施形態では、TV画像の更新タイミン
グに同期させてチョッパ操作を行い、チョッパ操作の周
期をTV画像の垂直同期信号の周期に合わせる。これに
より、図13(b)に示すように、固定パターンノイズ
成分の正負が画像毎に反転することになる。図13
(b)において、実線は現画像における固定パターンノ
イズを示しており、破線は次画像における固定パターン
ノイズを示している。このように固定パターンノイズ成
分の正負が画像毎に反転すると、視覚的な平均値は0に
なる(図13(b)における一点鎖線)。すなわち人間
の視覚の特性によりフィルタがかかり、人間の目には固
定パターンノイズは見えなくなるので、固定パターンノ
イズの影響を視覚的に除去することができる。
【0077】このように本実施形態では、TV画像に現
れる固定パターンノイズに対して人間の視覚では知覚で
きない程度の高周波で変調をかけることによって、固定
パターンノイズの影響を視覚的に除去する。
【0078】図14は本実施形態に係るアナログFIF
Oメモリ装置の回路構成を示す図である。図14におい
て、図5に示す第1の実施形態に係るアナログFIFO
メモリ装置と共通の構成要素には図5と共通の符号を付
している。61は第3のアナログ乗算器、62はTV画
像の垂直同期信号SH 及びアナログFIFOメモリ10
を駆動するクロック信号を入力とし、第3のアナログ乗
算器61を制御する第1の制御信号Sa を生成出力する
第1の制御手段、66は第4のアナログ乗算器、67は
第1の制御信号Sa を入力とし、第4のアナログ乗算器
66を制御する第2の制御信号Sb を生成出力する第2
の制御手段、68はTV画像の垂直同期信号SH 及びア
ナログFIFOメモリ10を駆動するクロック信号を入
力とし、アナログFIFOメモリ10のカウンタ17の
リセット動作を制御する第3の制御手段である。
【0079】図14に示す本実施形態に係るアナログF
IFOメモリ装置の動作について説明する。
【0080】第1の制御手段62は、Dフリップフロッ
プ62aによってTV画像の垂直同期信号SH から第3
のアナログ乗算器61の正転操作と反転操作との切り替
えを制御する信号を生成し、この信号をDフリップフロ
ップ62bによってクロック信号でラッチして第1の制
御信号Sa として第3のアナログ乗算器61に入力す
る。アナログFIFOメモリ装置の入力信号は、まず第
3のアナログ乗算器61によって、第1の制御信号Sa
に従ってTV画像の垂直同期信号SH の周波数で変調さ
れる。第3のアナログ乗算器61によって変調された入
力信号は第1のアナログ乗算器21に入力され、第1の
アナログ乗算器21によってアナログFIFOメモリ1
0の駆動クロック信号の半分の周波数で変調されて、ア
ナログFIFOメモリ10に入力される。
【0081】アナログFIFOメモリ10から出力され
た信号は、まず第2のアナログ乗算器26によってアナ
ログFIFOメモリ10の駆動クロック信号の半分の周
波数で変調された後、低域通過フィルタ28によって高
周波成分が除去される。高周波成分が除去された信号
は、第4のアナログ乗算器66によって、第2の制御信
号Sb に従ってTV画像の垂直同期信号SH の周波数で
変調される。
【0082】ここでアナログFIFOメモリ装置の入力
信号が第3のアナログ乗算器61と第4のアナログ乗算
器66とによって受ける操作は逆の操作であり、また第
1の実施形態で説明したように第1のアナログ乗算器2
1と第2のアナログ乗算器26とによって受ける操作は
逆の操作であるので、アナログFIFOメモリ装置の入
力信号は第1〜第4のアナログ乗算器21,26,6
1,66による信号操作の影響を受けないで、アナログ
FIFOメモリ10の遅延段数分だけ遅延されて、入力
時と同じ波形で出力される。
【0083】ところがアナログFIFOメモリ10内部
で生じた固定パターンノイズは第2のアナログ乗算器2
6による変調操作を受けるので、その周波数は高周波側
にシフトし、したがって低域通過フィルタ28によって
除去される。さらにアナログFIFOメモリ10内部で
生じた固定パターンノイズは第4のアナログ乗算器66
によって画像毎に反転されるので、TV画像上では固定
パターンノイズの平均値しか目に見えなくなり、したが
って固定パターンノイズの影響は視覚的にも除去される
ことになる。
【0084】なお、入力信号はアナログFIFOメモリ
10の遅延時間だけ遅延されて出力される。したがっ
て、出力信号を正確に元の信号に戻すためには、第2の
制御信号Sb は第1の制御信号Sa よりもアナログFI
FOメモリ10の遅延時間だけ遅延させて第4のアナロ
グ乗算器に与える必要がある。このためアナログFIF
Oメモリ10のカウンタ17からその巡回周期に同期し
た信号を出力し、この信号を用いて第2の制御手段67
によって第1の制御信号Sa をアナログFIFOメモリ
10の遅延時間だけ遅延させて第2の制御信号Sb とし
て出力する。
【0085】図15はTV画像の垂直同期信号SH と第
1及び第2の制御信号Sa ,Sb との関係を表す信号波
形図である。図15に示すように、第2の制御信号Sb
は第1の制御信号Sa に比べてアナログFIFOメモリ
10の遅延時間だけ遅れている。これは、アナログFI
FOメモリ10の出力信号は入力信号に対してアナログ
FIFOメモリ10の遅延時間だけ遅れるため、第4の
アナログ乗算器66による乗算操作も第3のアナログ乗
算器61による乗算操作に比べてアナログFIFOメモ
リ10の遅延時間だけ遅延させる必要があるためであ
る。
【0086】アナログFIFOメモリ10の出力信号は
低域通過フィルタ28によって高周波成分が除去された
後、第4のアナログ乗算器66によって第2の制御信号
Sbの論理レベルに応じて正転操作及び反転操作を交互
に受けるので、完全に元の入力信号に戻される。
【0087】さらに本実施形態に係るチョッパ操作を有
効に行うためにはTV画像における固定パターンノイズ
が生じる位置を固定させる必要がある。図16はTV画
像の画素とアナログFIFOメモリのアドレスとの対応
関係を表す図である。通常、アナログFIFOメモリに
おける遅延時間とTV画像の水平ラインの周期とは同期
していないため、図16(a),(b)に示すように、
TV画像上の画素に対応するアナログFIFOメモリの
アドレスは画像毎に変化してしまう。したがって、TV
画像では固定パターンノイズは画像毎に流れるようなパ
ターンノイズとなって見えることになる。
【0088】そこで本実施形態では、Dフリップフロッ
プ68a及びNANDゲート68bからなる第3の制御
手段68を設け、第3の制御手段68によってTV画像
の垂直同期信号SH からアナログFIFOメモリ10の
カウンタ17のリセット信号を生成し、TV画像の垂直
同期信号SH に同期させてアナログFIFOメモリ10
のカウンタ17をリセットする。このような動作によっ
て、TV画像上における固定パターンノイズの生じる位
置を固定することができるので、固定パターンノイズの
影響を視覚的に確実に除去することができる。
【0089】なお本実施形態に係るチョッパ操作は、第
1の実施形態と組み合わせて実施するだけでなく、単独
で実施しても固定パターンノイズの影響を視覚的に除去
するのに十分な効果が得られる。
【0090】図17は本発明の第4の実施形態に係るア
ナログFIFOメモリ装置の変形例を示す図であり、本
実施形態に係るチョッパ操作を単独で実施するよう構成
されたものを示す図である。図17を図14と比較する
と、第1及び第2のアナログ乗算器21,26、第1及
び第2の分周器22,27並びに低域通過フィルタ28
が省かれており、第3のアナログ乗算器61によって変
調された入力信号がアナログFIFOメモリ10に入力
され、アナログFIFOメモリ10から出力された信号
は、直接、第4のアナログ乗算器66に入力されるよう
になっている。第3のアナログ乗算器61及び第1の制
御手段62によって入力側変換部60が構成されてお
り、第4のアナログ乗算器66及び第2の制御手段67
によって出力側変換部65が構成されている。図17に
示すような構成によって、TV画像において固定パター
ンノイズを視覚的に除去することができる。
【0091】(第5の実施形態) 本発明の第5の実施形態は、第4の実施形態と同様に、
人間の視覚の特性を利用して固定パターンノイズがTV
画像上で見えないようにするものであり、アナログFI
FOメモリ10のカウンタのリセットタイミングを外部
から制御することによって、第4の実施形態に係るチョ
ッパ操作と同等の効果を得るものである。
【0092】図18は本発明の第5の実施形態に係るア
ナログFIFOメモリ装置の構成を示す図である。図1
8において、図5に示す第1の実施形態に係るアナログ
FIFOメモリ装置と共通の構成要素には図5と共通の
符号を付している。71はTV画像の垂直同期信号SH
の立ち上がり又は立ち下がりエッジを計数する第1のカ
ウンタ、72はアナログFIFOメモリ10を駆動する
クロック信号を計数し、計数値が第1のカウンタ71の
計数値に応じた上限値に達したときアナログFIFOメ
モリ10のカウンタ17をリセットする第2のカウンタ
である。第1及び第2のカウンタ71,72によってリ
セット手段が構成されている。
【0093】図19は図18に示すアナログFIFOメ
モリ装置の動作を示すタイミングチャートである。図1
9に示すように、第1のカウンタ71はTV画像の垂直
同期信号SH の立ち下がりエッジを計数する。第1のカ
ウンタ71の計数値に応じて、第2のカウンタ72の計
数値の上限値が設定される。図19では、第1のカウン
タ71の計数値が“0”のときはm0が、“1”のとき
はm1が、“2”のときはm2が、“3”のときはm3
が、それぞれ第2のカウンタ72の計数値の上限値とし
て設定される。第2のカウンタ72はアナログFIFO
メモリ10を駆動するクロック信号を計数し、この計数
値が第1のカウンタ71の計数値に応じて設定した上限
値に達したときにリセット信号SR を立ち上げて、アナ
ログFIFOメモリ10のカウンタ17をリセットす
る。この結果、TV画像の垂直同期信号SH の立ち下が
りエッジからリセット信号SR の立ち上がりエッジまで
の時間はTV画像毎に異なることになる(時間t0 ,t
1 ,t2 ,t3 )。
【0094】このような動作によって、TV画像の画素
とカウンタ17によって指定されるアナログFIFOメ
モリ10のメモリアドレスとの関係は、第1のカウンタ
71の計数値に応じて画像毎にずれることになる。言い
換えると、固定パターンノイズは画像毎に変調されるこ
とになり、第1のカウンタ71は、固定パターンノイズ
の変調モードを画像毎に設定する役割を果たしていると
いうことができる。したがって、この変調が視覚的に適
当な周波数であれば、固定パターンノイズはTV画像上
では平均化されるので人間の目には見えなくなり、視覚
的に除去することができる。
【0095】(第6の実施形態) 図20は本発明の第6の実施形態に係るアナログFIF
Oメモリ装置の構成の概略を示す図である。本発明の第
6の実施形態は、電圧変換を利用して固定パターンノイ
ズのレベルを信号レベルに対して相対的に下げるもので
ある。
【0096】固定パターンノイズ等のノイズはその重畳
される信号自体の強度が小さい場合に特に目立ってしま
う。このため、入力信号が小さい場合には、これに応じ
て固定パターンノイズも小さく抑える必要がある。した
がって、入力信号が小さい場合は、入力信号のレベルを
前処理で上げた上でアナログFIFOメモリ1に入力
し、アナログFIFOメモリ1から出力された信号に対
して元のレベルに下げる処理を行うことによって、アナ
ログFIFOメモリ1内部で生じた固定パターンノイズ
のレベルを下げることができる。
【0097】すなわち図20に示すように、アナログF
IFOメモリ1の入力側に対数関数等を用いた非線形伸
張操作を行う非線形伸張回路80を入力側変換部として
設けると共に、出力側に指数関数等を用いた非線形圧縮
操作を行う非線形圧縮回路90を出力側変換部として設
けることによって、アナログFIFOメモリ1内部で発
生した固定パターンノイズを圧縮することが可能にな
る。非線形伸張回路80が行う非線形伸張操作は、入力
xに対して出力yが関数x=yよりも大きくなる関数を
用いたものであれば如何ようなものであってもよく、ま
た非線形圧縮回路90は非線形伸張回路80が行う伸張
操作の関数の逆関数を実現する回路である必要がある。
【0098】図20に示すアナログFIFOメモリ装置
では、入力信号に対しては低レベル域において非線形伸
張回路80によってレベルを上げてアナログFIFOメ
モリ1に入力し、アナログFIFOメモリ1の出力信号
に対しては逆に低レベル域において非線形圧縮回路90
によってレベルを下げる。
【0099】例えばアナログFIFOメモリ装置10内
部で生じる固定パターンノイズのレベルが4mVである
とする。このとき、入力信号のレベルが5mVであれ
ば、入力信号に対する固定パターンノイズの影響は極め
て大きいものになる。ここで、レベル5mVの信号に対
する非線形伸張回路80の電圧利得は4倍であり、かつ
レベル20mVの信号に対する非線形圧縮回路90の電
圧利得は1/4倍であるとすると、入力信号は非線形伸
張回路80によって20mVにレベル変換されてアナロ
グFIFOメモリ1に入力され、アナログFIFOメモ
リ1から出力されて非線形圧縮回路90によって5mV
に再びレベル変換される。これと共に、アナログFIF
Oメモリ1で発生した固定パターンノイズも非線形圧縮
回路90によって1mVにレベル変換される。したがっ
て、信号レベルは変わらずに固定パターンノイズのみが
4mVから1mVにレベル変換されたことになり、信号
に対する固定パターンノイズの影響を大幅に低減するこ
とができる。
【0100】図21は図20に示す非線形伸張回路80
及び非線形圧縮回路90の回路構成の例を示す図であ
り、同図中、(a)は非線形伸張回路80の回路構成
例、(b)は非線形圧縮回路90の回路構成例である。
【0101】図21(a)に示す非線形伸張回路80に
おいて、入力端子81から入力された信号は抵抗素子8
2によって電流に変換され、NPNトランジスタで構成
される非線形抵抗83に流れ込む。NPNトランジスタ
をダイオード接続すればそこに流れ込む電流に対して出
力電圧は対数関数的に変換されることはよく知られてい
る。したがって演算増幅器84の出力として出力端子8
5には入力信号が対数関数に従って変換されて出力され
る。
【0102】図21(b)に示す非線形圧縮回路90で
は、図21(a)と比較すると、抵抗素子93とNPN
トランジスタで構成された非線形抵抗92との接続関係
が逆になっている。したがって、入力端子91から入力
された信号は非線形抵抗92によって電流に変換される
時点で、指数関数的に変換される。この電流は抵抗素子
93に流れ込むので、この両端には入力信号が指数関数
的に変換された電圧が発生し、演算増幅器94の出力と
して出力端子95には入力信号が指数関数に従って変換
されて出力される。
【0103】なお、本実施形態では、アナログFIFO
メモリ1で生じる固定パターンノイズを圧縮できるだけ
でなく、固定パターンノイズ以外の全てのノイズを圧縮
することができる。したがって、本実施形態の適用対象
はアナログFIFOメモリに限られるものではなく、ス
イッチトキャパシタ回路等のサンプリング回路を含むア
ナログ回路全てに対して、入力側に非線形伸張回路を、
出力側に非線形圧縮回路を設けることによって、適用す
ることができる。
【0104】
【発明の効果】以上のように本発明によると、アナログ
FIFOメモリ内部で生じる固定パターンノイズが高周
波側に遷移され、固定パターンノイズと信号帯域とを周
波数的に分離することができる。また、アナログFIF
Oメモリが並列構成されている場合やアナログFIFO
メモリ内部でメモリバスが並列に構成されている場合に
は、簡易な回路構成によって、固定パターンノイズと信
号帯域とを周波数的に分離することができる。
【0105】また、固定パターンノイズが信号成分に与
える影響をTV画像上で視覚的に低減することができ
る。さらに、固定パターンノイズと信号成分とを電圧レ
ベル的に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアナログFIFOメモリ装置にお
ける固定パターンノイズ低減の原理を説明するための図
である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るアナログFIF
Oメモリ装置の構成の概略を示す図である。
【図3】図2に示すアナログFIFOメモリ装置におけ
る信号及び固定パターンノイズの波形を示す図であり、
(a)は入力信号S1、(b)はアナログFIFOメモ
リ1の出力信号のうちの信号成分S2、(c)は出力側
乗算器3の出力信号のうちの信号成分S3、(d)はア
ナログFIFOメモリ1で生じた固定パターンノイズN
1、(e)は出力側乗算器3の出力信号のうちの固定パ
ターンノイズ成分N2である。
【図4】(a),(b)は図2に示すアナログFIFO
メモリ装置における信号及び固定パターンノイズの周波
数スペクトルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るアナログFIF
Oメモリ装置の回路構成を示す図である。
【図6】図5に示すアナログFIFOメモリ10の信号
読み書き動作のタイミングを示すタイミングチャートで
ある。
【図7】アナログFIFOメモリにおけるメモリセルの
アドレッシングの例を示す図であり、(a)は垂直アド
レッシング、(b)は平行アドレッシングを示す図であ
る。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るアナログFIF
Oメモリ装置の変形例を示す図であり、アナログFIF
Oメモリ10の遅延段数を可変にした場合に本実施形態
を応用したものを示す図である。
【図9】アナログFIFOメモリがアナログ差動信号を
扱う場合に、アナログ乗算器の代わりに信号反転手段と
して用いられる回路の構成例を示す図である。
【図10】第1の実施形態で説明したチョッパ操作を並
列構成のアナログFIFOメモリ装置に応用した場合を
示す図であり、(a)は概略構成を示す図、(b)は
(a)に示すアナログFIFOメモリ装置における,ア
クセスするメモリと乗算器の操作との対応を示すタイミ
ングチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置の構成を示す図であり、並列構成のアナ
ログFIFOメモリ装置に対して乗算器を用いないでチ
ョッパ操作を実現したものを示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態において固定パター
ンノイズの影響をチョッパ操作により視覚的に除去する
原理を説明するための図であり、(a)はチョッパ操作
なしの場合の固定パターンノイズ波形、(b)は本実施
形態においてチョッパ操作を行ったときの固定パターン
ノイズ波形である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置の回路構成を示す図である。
【図15】図14に示すアナログFIFOメモリ装置に
おいて、TV画像の垂直同期信号SH と第1及び第2の
制御信号Sa ,Sb との関係を表す信号波形図である。
【図16】(a),(b)はTV画像の画素とアナログ
FIFOメモリのアドレスとの対応関係を表す図であ
る。
【図17】本発明の第4の実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置の変形例を示す図であり、本実施形態に
係るチョッパ操作を単独で実施するよう構成されたもの
を示す図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置の構成を示す図である。
【図19】図18に示すアナログFIFOメモリ装置の
動作を示すタイミングチャートである。
【図20】本発明の第6の実施形態に係るアナログFI
FOメモリ装置の構成の概略を示す図である。
【図21】図20に示す本発明の第6の実施形態に係る
アナログFIFOメモリ装置における非線形圧縮回路及
び非線形伸張回路の回路構成の例を示す図であり、
(a)は非線形圧縮回路の回路構成例、(b)は非線形
伸張回路の回路構成例である。
【図22】アナログFIFOメモリの基本構成を示す図
である。
【図23】(a),(b)はアナログFIFOメモリに
おいて固定パターンノイズが現れる理由を説明するため
の図である。
【符号の説明】
10 アナログFIFOメモリ 11 メモリセル(記憶素子) 20 入力側変換部 21 第1のアナログ乗算器(入力側信号反転手段) 22 第1の分周器 25 出力側変換部 26 第2のアナログ乗算器(出力側信号反転手段) 27 第2の分周器 29 信号反転手段 41a 第1のアナログFIFOメモリ 41b 第2のアナログFIFOメモリ 43 入力側信号反転手段 44 出力側信号反転手段 50 アナログFIFOメモリ 51 メモリバス 52 入力側マルチプレクサ 53 出力側マルチプレクサ 60 入力側変換部 65 出力側変換部 70 リセット手段 80 非線形伸張回路(入力側変換部) 90 非線形圧縮回路(出力側変換部) 101 アナログFIFOメモリ 102 入力側変換部 103 出力側変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−25315(JP,A) 特開 平7−264555(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ信号を記憶する複数の記憶素子
    を有し、入力したアナログ信号を所定時間遅延させて入
    力順に出力するアナログFIFOメモリを備えたアナロ
    グFIFOメモリ装置であって、 前記アナログFIFOメモリの出力信号に対し、前記ア
    ナログFIFOメモリ内部で生じた固定パターンノイズ
    の周波数が信号帯域よりも高周波側に遷移するよう、周
    波数変調する変換を行う出力側変換部と、 前記アナログFIFOメモリの入力信号に対し、前記出
    力側変換部の変換と逆の変換を行う入力側変換部とを備
    え、 前記入力側変換部は、前記アナログFIFOメモリの信
    号入出力タイミングに同期して、前記アナログFIFO
    メモリの入力信号に対して正転操作及び反転操作を交互
    に行うものであり、 前記出力側変換部は、前記アナログFIFOメモリの信
    号入出力タイミングに同期して、前記アナログFIFO
    メモリの出力信号に対して正転操作及び反転操作を交互
    に行うものであり、かつ、 前記アナログFIFOメモリは、保持する信号数である
    遅延段数が可変に構成されており、 当該アナログFIFOメモリ装置は、 前記出力側変換部の出力信号を、前記アナログFIFO
    メモリの遅延段数が偶数及び奇数のいずれか一方である
    ときは反転する一方、他方であるときは反転しない信号
    反転手段を備えていることを特徴とするアナログFIF
    Oメモリ装置。
  2. 【請求項2】 アナログ信号を記憶する複数の記憶素子
    を有し、入力したアナログ信号を所定時間遅延させて入
    力順に出力するアナログFIFOメモリを備えたアナロ
    グFIFOメモリ装置であって、 前記アナログFIFOメモリの出力信号に対し、前記ア
    ナログFIFOメモリ内部で生じた固定パターンノイズ
    のレベルが信号レベルに対して圧縮されるよう 、電圧変
    換を行う出力側変換部と、 前記アナログFIFOメモリの入力信号に対し、前記出
    力側変換部の変換と逆の変換を行う入力側変換部とを備
    え、 前記入力側変換部は、前記アナログFIFOメモリの入
    力信号に対し、対数関数に従った電圧変換を行うもので
    あり、 前記出力側変換部は、前記アナログFIFOメモリの出
    力信号に対し、前記入力側変換部における電圧変換で用
    いた対数関数の逆関数である指数関数に従った電圧変換
    を行うものであることを特徴とするアナログFIFOメ
    モリ装置。
  3. 【請求項3】 TV信号の遅延用に用いられるアナログ
    FIFOメモリ装置であって、 アナログ信号を記憶する複数の記憶素子及び信号の入出
    力を行う記憶素子を順に指定するカウンタを有し、入力
    したアナログ信号を所定時間遅延させて入力順に出力す
    るアナログFIFOメモリと、 TV画像において前記アナログFIFOメモリ内部で生
    じた固定パターンノイズが視覚的に除去されるよう,前
    記アナログFIFOメモリの記憶素子とTV画像上の位
    置との対応をTV画像の更新毎に変えるべく、TV垂直
    同期信号に基づいて、TV画像の更新毎に異なるタイミ
    ングで前記アナログFIFOメモリのカウンタをリセッ
    トするリセット手段とを備えているアナログFIFOメ
    モリ装置。
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