JP3230132B2 - Mn添加チタニア担体 - Google Patents
Mn添加チタニア担体Info
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Landscapes
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- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種ゼオライトやシリカ
アルミナなどに代表される無機多孔質固体酸担体に関
し、より詳細にはMnを添加してなるチタニア担体に関
する。
アルミナなどに代表される無機多孔質固体酸担体に関
し、より詳細にはMnを添加してなるチタニア担体に関
する。
【0002】
【従来の技術】安定な4価の酸化物であるSiと3価の
酸化物として知られるAlを組み合わせた複合酸化物シ
リカアルミナや、或いはこれら両者を組み合わせた特殊
結晶であるゼオライトなどは、強い固体酸性を示すこと
で知られている。これらは、通常、粉末を造粒して無機
多孔質固体酸担体として使用され、また、酸点に遷移金
属や各種貴金属などを吸着担持させて触媒、吸着剤など
としても用いられる。
酸化物として知られるAlを組み合わせた複合酸化物シ
リカアルミナや、或いはこれら両者を組み合わせた特殊
結晶であるゼオライトなどは、強い固体酸性を示すこと
で知られている。これらは、通常、粉末を造粒して無機
多孔質固体酸担体として使用され、また、酸点に遷移金
属や各種貴金属などを吸着担持させて触媒、吸着剤など
としても用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの担体中に含ま
れるAl酸化物は酸またはアルカリに比較的侵され易
く、使用中に担体結晶構造が変化し酸性点が失われるこ
とがあり、結果として触媒性能などの低下を来たすこと
がある。特に、pH値が4以下または10以上の液相
系、或いはSOx、NOx、Cl2 などの酸性ガスを含
む気相系における使用では、性能低下が問題となる。
れるAl酸化物は酸またはアルカリに比較的侵され易
く、使用中に担体結晶構造が変化し酸性点が失われるこ
とがあり、結果として触媒性能などの低下を来たすこと
がある。特に、pH値が4以下または10以上の液相
系、或いはSOx、NOx、Cl2 などの酸性ガスを含
む気相系における使用では、性能低下が問題となる。
【0004】本発明は、上記の点に鑑み、使用中に担体
結晶構造が変化し酸性点が失われることがなく、したが
って高い触媒性能を保持することができるチタニア担体
を提供することを目的とする。
結晶構造が変化し酸性点が失われることがなく、したが
って高い触媒性能を保持することができるチタニア担体
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるチタニア担
体は、非晶質チタニアにMn塩を添加し焼成して得られ
たMn添加チタニア担体である。
体は、非晶質チタニアにMn塩を添加し焼成して得られ
たMn添加チタニア担体である。
【0006】本発明によるチタニア担体は、チタニアコ
ロイド溶液の蒸発乾固物にマンガン塩水溶液を含浸させ
焼成することにより製造される。
ロイド溶液の蒸発乾固物にマンガン塩水溶液を含浸させ
焼成することにより製造される。
【0007】より詳しくは、本発明によるチタニア担体
は、不燃性繊維プレフォーム体にチタニアコロイド溶液
を含浸させ、これを乾燥し、得られた板状物にマンガン
塩水溶液を含浸させ焼成することにより製造される。こ
れにより、薄い板状固体酸担体が得られる。
は、不燃性繊維プレフォーム体にチタニアコロイド溶液
を含浸させ、これを乾燥し、得られた板状物にマンガン
塩水溶液を含浸させ焼成することにより製造される。こ
れにより、薄い板状固体酸担体が得られる。
【0008】上記製造法において、焼成により、非晶質
チタニアに添加したマンガン塩を熱分解し酸化物とする
と同時に非晶質チタニアを結晶化する。
チタニアに添加したマンガン塩を熱分解し酸化物とする
と同時に非晶質チタニアを結晶化する。
【0009】非晶質チタニアの原料としてはチタニアコ
ロイド粒子が用いられる。好適な製造形態では、コロイ
ド溶液を200℃以下、好ましくは150℃以下で蒸発
乾固して得られたチタニアにMn塩水溶液を含浸させ、
焼成することにより目的の担体が得られる。
ロイド粒子が用いられる。好適な製造形態では、コロイ
ド溶液を200℃以下、好ましくは150℃以下で蒸発
乾固して得られたチタニアにMn塩水溶液を含浸させ、
焼成することにより目的の担体が得られる。
【0010】Mn塩としては一般に塩化物、硝酸塩、有
機酸塩、マンガン酸アルカリなどが使用可能であるが、
分解温度が低いこと、分解時に燃焼など副次的な現
象が起こらないこと、および焼成後アルカリ金属の除
去操作を必要としないこと、などから硝酸塩の使用が望
ましい。硝酸塩を用いた場合、空気中300℃以上の加
熱でMn塩は分解できる。
機酸塩、マンガン酸アルカリなどが使用可能であるが、
分解温度が低いこと、分解時に燃焼など副次的な現
象が起こらないこと、および焼成後アルカリ金属の除
去操作を必要としないこと、などから硝酸塩の使用が望
ましい。硝酸塩を用いた場合、空気中300℃以上の加
熱でMn塩は分解できる。
【0011】チタニアのアナターゼ型への結晶化は35
0℃以上から顕著になり、600℃以上でルチル型への
変化が顕著となる。したがって、焼成温度は好ましくは
350〜600℃、より好ましくは380〜450℃で
ある。
0℃以上から顕著になり、600℃以上でルチル型への
変化が顕著となる。したがって、焼成温度は好ましくは
350〜600℃、より好ましくは380〜450℃で
ある。
【0012】
【作用】強い固体酸性の発現は、例えば4価のSiと3
価のAlとが酸化物として複合化されることにより固体
(結晶)内部に電子のエネルギー密度の不均一を生じた
結果として理解されている。
価のAlとが酸化物として複合化されることにより固体
(結晶)内部に電子のエネルギー密度の不均一を生じた
結果として理解されている。
【0013】本発明では、従来の固体酸担体の耐酸、耐
アルカリ性が低い原因となっているAlに代えて、酸・
アルカリとの反応性が比較的低く、かつ2、3、4、7
などの多彩な酸化数をとりうるMnを使用し、Siに代
えてこれと同様な4価の安定酸化物でMnと複合酸化物
を形成しやすいTiを採用することにより、耐酸・耐ア
ルカリ性の高い固体酸担体を得ることができる。
アルカリ性が低い原因となっているAlに代えて、酸・
アルカリとの反応性が比較的低く、かつ2、3、4、7
などの多彩な酸化数をとりうるMnを使用し、Siに代
えてこれと同様な4価の安定酸化物でMnと複合酸化物
を形成しやすいTiを採用することにより、耐酸・耐ア
ルカリ性の高い固体酸担体を得ることができる。
【0014】4価Mnの酸化物はTi酸化物と複合化し
易く、かつ複合化後でも容易に酸化数が変化する特性が
あり、固体酸担体形成に好適な物質である。
易く、かつ複合化後でも容易に酸化数が変化する特性が
あり、固体酸担体形成に好適な物質である。
【0015】しかし、チタニアを使用する場合、4価M
nの酸化物とTi酸化物の複合化には、ゼオライト合成
に用いられている水熱合成法は適用できず、TiとMn
の混合酸化物あるいは水酸化物を高温で焼成する必要が
ある。チタニアは、シリカと異なり、600℃以上の加
熱により結晶型が変化し、触媒担体に要求される比表面
積や多孔性などの特性が失われる。
nの酸化物とTi酸化物の複合化には、ゼオライト合成
に用いられている水熱合成法は適用できず、TiとMn
の混合酸化物あるいは水酸化物を高温で焼成する必要が
ある。チタニアは、シリカと異なり、600℃以上の加
熱により結晶型が変化し、触媒担体に要求される比表面
積や多孔性などの特性が失われる。
【0016】本発明では、X軸回折(XRD)では特徴
ある結晶ピークが見い出せない(非晶質)多孔性チタニ
アにMn塩を担持させ、焼成によりこれを熱分解してチ
タニア表面に高度に分散したMn酸化物を形成させた
上、さらなる焼成によりチタニアを高い比表面積と多孔
性を有するアナターゼ型へ結晶化させ、その時起こるT
i原子の移動を利用してTiとMn酸化物との複合化を
行う。本発明により製造された担体は80m2 /g以上
の比表面積を有するTiO2 −MnO2 複合酸化物と考
えられる。
ある結晶ピークが見い出せない(非晶質)多孔性チタニ
アにMn塩を担持させ、焼成によりこれを熱分解してチ
タニア表面に高度に分散したMn酸化物を形成させた
上、さらなる焼成によりチタニアを高い比表面積と多孔
性を有するアナターゼ型へ結晶化させ、その時起こるT
i原子の移動を利用してTiとMn酸化物との複合化を
行う。本発明により製造された担体は80m2 /g以上
の比表面積を有するTiO2 −MnO2 複合酸化物と考
えられる。
【0017】製法の関係上チタニア結晶粒子の表面付近
のみが複合化されることとなるが、この複合酸化物を触
媒担体などとして使用する場合には固体表面付近のみの
複合化で十分であり、また、複合化されていない固体部
分は担体の機械的強度や比表面積、多孔性などの保持に
役立つ。
のみが複合化されることとなるが、この複合酸化物を触
媒担体などとして使用する場合には固体表面付近のみの
複合化で十分であり、また、複合化されていない固体部
分は担体の機械的強度や比表面積、多孔性などの保持に
役立つ。
【0018】
実施例1 硝酸塩加水分解法により得られたチタニアコロイド溶液
を110℃で蒸発乾化し、非晶質チタニア粉末を得た。
このチタニア粉末100gを0.5mol /l の硝酸マン
ガン水溶液250mlに投入し、1時間攪拌後濾取し、
1回純水で洗浄した。
を110℃で蒸発乾化し、非晶質チタニア粉末を得た。
このチタニア粉末100gを0.5mol /l の硝酸マン
ガン水溶液250mlに投入し、1時間攪拌後濾取し、
1回純水で洗浄した。
【0019】この洗浄品を110℃で乾燥した後、通気
加熱炉を用いて空気流通下に300℃で1時間、430
℃で3時間焼成した。得られた製品を試料Aとする。
加熱炉を用いて空気流通下に300℃で1時間、430
℃で3時間焼成した。得られた製品を試料Aとする。
【0020】実施例2〜4 硝酸マンガン水溶液のMn濃度をそれぞれ0.2mol /
l 、1.0mol /l および2.0mol /l とし、その他
は実施例1と同様の操作を行った。得られた製品を、各
々、試料B、CおよびDとする。
l 、1.0mol /l および2.0mol /l とし、その他
は実施例1と同様の操作を行った。得られた製品を、各
々、試料B、CおよびDとする。
【0021】比較例1 Mnを添加しない点を除いて、実施例1と同様にして製
品を得た。これを試料Eとする。
品を得た。これを試料Eとする。
【0022】比較例2 チタニアコロイドを蒸発乾固して得た粉末を430℃で
3時間焼成し、この粉末に実施例1と同様の条件でMn
を添加し焼成した。これを試料Fとする。
3時間焼成し、この粉末に実施例1と同様の条件でMn
を添加し焼成した。これを試料Fとする。
【0023】実施例3 厚さ0.25mmのセラミックペーパーを固形分31%
のチタニアコロイド溶液に浸漬し、15分垂れ切り後1
10℃で乾燥し、190g/m2 (坪量)のチタニアを
保持した板状物を得た。これを6リットル/m2 の条件
で0.5mol /l の硝酸マンガン水溶液に1時間浸漬
し、ついで純水に1回浸漬・洗浄し、乾燥の後空気流通
下に300℃で1時間、430℃で3時間焼成した。得
られた板状品を試料Gとする。
のチタニアコロイド溶液に浸漬し、15分垂れ切り後1
10℃で乾燥し、190g/m2 (坪量)のチタニアを
保持した板状物を得た。これを6リットル/m2 の条件
で0.5mol /l の硝酸マンガン水溶液に1時間浸漬
し、ついで純水に1回浸漬・洗浄し、乾燥の後空気流通
下に300℃で1時間、430℃で3時間焼成した。得
られた板状品を試料Gとする。
【0024】性能試験 試料A〜Gについて比表面積、固体酸量および固体酸強
度の測定を行った。また試料A、Fについて、0.1mo
l /l のHCl水溶液によるMn溶出試験を行った。ま
た、試料Gについて、NO2 1000ppm混入空気
(相対湿度70%)中での室温〜300℃の昇温・降温
の繰り返しによる酸量の減少を測定した。
度の測定を行った。また試料A、Fについて、0.1mo
l /l のHCl水溶液によるMn溶出試験を行った。ま
た、試料Gについて、NO2 1000ppm混入空気
(相対湿度70%)中での室温〜300℃の昇温・降温
の繰り返しによる酸量の減少を測定した。
【0025】Mn含有量、比表面積、酸強度、酸量の測
定結果を表1に示す。
定結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 表1から、本発明の担体は、Mn添加により添加量に応
じた酸量の強い酸性点が発現したものであり、同時に焼
成が比較的低温で行われるので、高い比表面積を保持し
たものであることがわかる。
じた酸量の強い酸性点が発現したものであり、同時に焼
成が比較的低温で行われるので、高い比表面積を保持し
たものであることがわかる。
【0027】溶出試験 試料Aおよび試料Fについて、下記の方法でMn溶出試
験を行った。
験を行った。
【0028】0.1NのHCl水溶液100mlに試料
粉末30gを投入し攪拌した。所定時間に少量のスラリ
ーをサンプリングし、手早く濾過し濾液中のMn濃度
(Cmmol/l )を測定した。図1にMn溶出特性試験結
果を示す。
粉末30gを投入し攪拌した。所定時間に少量のスラリ
ーをサンプリングし、手早く濾過し濾液中のMn濃度
(Cmmol/l )を測定した。図1にMn溶出特性試験結
果を示す。
【0029】ここで、溶出Mn量=C×0.1mmol、M
n溶出率=溶出Mn量/Mn初期含有量。
n溶出率=溶出Mn量/Mn初期含有量。
【0030】図1から、非晶質チタニアにMnを担持し
た場合、Ti−Mn複合酸化物が形成され、Mnは容易
に溶出しないのに対し、結晶化したチタニアにMnを担
持した場合、比較的低温の焼成では複合化が進行せず、
そのためMnは溶出しやすいことがわかる。
た場合、Ti−Mn複合酸化物が形成され、Mnは容易
に溶出しないのに対し、結晶化したチタニアにMnを担
持した場合、比較的低温の焼成では複合化が進行せず、
そのためMnは溶出しやすいことがわかる。
【0031】酸量の測定 試料Gについて、下記の方法で昇温・降温の繰り返しに
よる酸量の減少を測定した。
よる酸量の減少を測定した。
【0032】約1,000ppmのNO2 を含む空気流
に試料Gを曝し、室温〜300℃(昇温・降温を含め各
々2時間)の昇温・降温を繰り返し、酸性ガスの作用に
よる固体酸量の変化を測定した。この結果を図2に示
す。図2中、酸量残留率=酸量/初期酸量。
に試料Gを曝し、室温〜300℃(昇温・降温を含め各
々2時間)の昇温・降温を繰り返し、酸性ガスの作用に
よる固体酸量の変化を測定した。この結果を図2に示
す。図2中、酸量残留率=酸量/初期酸量。
【0033】図2から、シリカアルミナは当初高い酸量
を示すが、酸性ガスの作用によって急激に酸量が低下す
るのに対し、本発明になる担体は実験条件では殆ど酸量
低下を示さないことがわかる。
を示すが、酸性ガスの作用によって急激に酸量が低下す
るのに対し、本発明になる担体は実験条件では殆ど酸量
低下を示さないことがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明によるMn添加チタニア担体は以
上の通り構成されているので、使用中に担体結晶構造が
変化し酸性点が失われることがなく、したがって高い触
媒性能を保持することができる。
上の通り構成されているので、使用中に担体結晶構造が
変化し酸性点が失われることがなく、したがって高い触
媒性能を保持することができる。
【図1】溶出時間とMn溶出率の関係を示すグラフであ
る。
る。
【図2】昇温・降温の繰り返し回数と酸量残存率の関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福寿 厚 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−228374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C01G 45/00 CA(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 非晶質チタニアにMn化合物を添加し、
380〜450℃の温度で焼成して得られたMn添加チ
タニア担体。 - 【請求項2】 チタニアコロイド溶液の蒸発乾固物にマ
ンガン塩水溶液を含浸させ焼成するMn添加チタニア担
体の製造法。 - 【請求項3】 不燃性繊維プレフォーム体にチタニアコ
ロイド溶液を含浸させ、これを乾燥し、得られた板状物
にマンガン塩水溶液を含浸させ焼成するMn添加チタニ
ア担体の製造法。 - 【請求項4】 焼成により、非晶質チタニアに添加した
マンガン塩を熱分解し酸化物とすると同時に非晶質チタ
ニアを結晶化する請求項2または3記載の製造法。
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