JP3229772U - シート止め具 - Google Patents
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Abstract
【課題】足場を構成する支柱や梁などの部材へのシートの取付け作業や取外し作業を一層スムーズ且つ容易に行うことができ、また、耐久性も向上させることができるシート止め具を提供する。【解決手段】足場を構成する部材(単管パイプ)にシート(養生シート)を取り付けるためのシート止め具10であって、一本の弾性を有する線材11で略8の字形状に形成され、該略8の字形状の一方の大径リング部14に線材11の両端部12、13による切れ目15が形成され、線材11の両端部12、13に、互いを係止可能とする係止部18、19が形成されている。【選択図】図1
Description
本考案はシート止め具に関し、より詳細には、仮設足場の周囲に養生シートを取り付ける場合などに使用することのできるシート止め具に関する。
建設工事現場などで組まれる仮設足場の外周には、事故の予防や防護のために養生シートが張られている。養生シートの周縁部には、紐や針金を通すための孔、いわゆる鳩目孔が所定間隔に設けられており、養生シートは、これら鳩目孔に通した紐や針金によって、仮設足場の支柱や梁にとりつけられていた。しかしながら、養生シートを仮設足場に紐や針金で取り付ける作業は非常に時間と手間がかかるものであり、また、紐や針金の結び付けられ方が不十分であると、強風時などに外れてしまいやすいという課題があった。
そこで、係る課題に鑑み、下記の特許文献1には、仮設足場に養生シートを簡単かつ確実に取り付けられること、また容易に取り外せることを目的とした止め具が開示されている。また、下記の特許文献2にも、同様の機能を有する管・シート結合具が開示されている。
図6(a)は、特許文献1記載の止め具を足場の柱に嵌め込んだ状態を示す部分断面平面図であり、(b)は、止め具を足場の柱に止め付けた状態を示す部分断面平面図である。
止め具50は、切れ目56を有する略C字状の環状体52を含んで構成されている。この環状体52は、丸線状の弾性体で構成されている。また、環状体52の切れ目56を挟んで対向した両端部には、互いに係止するためのフック部52a、52bが形成されている。フック部52a、52bには、それぞれ保護キャップ54a、54bが嵌め込まれている。
止め具50は、切れ目56を有する略C字状の環状体52を含んで構成されている。この環状体52は、丸線状の弾性体で構成されている。また、環状体52の切れ目56を挟んで対向した両端部には、互いに係止するためのフック部52a、52bが形成されている。フック部52a、52bには、それぞれ保護キャップ54a、54bが嵌め込まれている。
止め具50を足場の柱60に取り付ける場合、まず、止め具50は、養生シートであるカバー本体62に設けられた鳩目66の鳩目孔64に挿通されて、カバー本体62に取り付けられる。次に、止め具50は、環状体52の切れ目56の間隔が少なくとも足場の柱60の直径より拡がるように引っ張り拡げられる。そして、止め具50は、引っ張り拡げられた切れ目56を通して、足場の柱60に嵌め込まれる。嵌め込まれた止め具50は、環状体52の復元力により、切れ目56を挟んで対向したフック部52a、52bが互いに近づく方向へ付勢され、元の形状に戻る(図6(a)に示す状態)。
次に、図6(b)に示すように、止め具50は、環状体52の切れ目56を挟んで対向したフック部52a、52bが交差するまで環状体52が押し縮められた後、両端部のフック部52a、52bが互いに係止されて閉環される。こうして、止め具50は、足場の柱60に巻き付くようして、カバー本体62とともに止め付けられる。
止め具50を外す場合、まず、フック部52a、52bの係止が解かれる状態にまで、止め具50の環状体52を押し縮めた後、フック部52a、52bを上下方向に離しながらフック部52a、52bの係止を解除する。フック部52a、52bの係止が解かれた止め具50は、弾性体からなる環状体52の復元力により、元の形状に戻る(図6(a)に示す状態)。次に、止め具50は、切れ目56の間隔が引っ張り拡げられて、引っ張り拡げられた切れ目56を通して、止め具50は足場の柱60から外し取られるようになっている。
[考案が解決しようとする課題]
上記した止め具50は、1つの環状体52で構成されている。そのため、足場の柱60への取り付け時や取り外し時に、弾性体からなる環状体52を指で摘まんで、環状体52の切れ目56を素早く引っ張り拡げたり、押し縮めたりする操作が容易であるとはいえず、また、指に想定以上の力を加えなければならず、取り扱いにくいという課題があった。
また、環状体52の切れ目56を引っ張り拡げたり、押し縮めたりする際に、一つの環状体52の一部分(中央部)に曲げ応力が集中しやすいため、繰り返しの使用により金属疲労が蓄積しやすく、耐久性に劣るという課題もあった。
上記した止め具50は、1つの環状体52で構成されている。そのため、足場の柱60への取り付け時や取り外し時に、弾性体からなる環状体52を指で摘まんで、環状体52の切れ目56を素早く引っ張り拡げたり、押し縮めたりする操作が容易であるとはいえず、また、指に想定以上の力を加えなければならず、取り扱いにくいという課題があった。
また、環状体52の切れ目56を引っ張り拡げたり、押し縮めたりする際に、一つの環状体52の一部分(中央部)に曲げ応力が集中しやすいため、繰り返しの使用により金属疲労が蓄積しやすく、耐久性に劣るという課題もあった。
本考案は上記課題に鑑みなされたものであって、足場を構成する支柱や梁などの部材へのシートの取付け作業や取外し作業を一層スムーズ且つ容易に行うことができ、また、耐久性も向上させることができるシート止め具を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本考案に係るシート止め具(1)は、
足場などを構成する部材にシートを取り付けるためのシート止め具であって、
一本の弾性を有する線材で略8の字形状に形成され、
該略8の字形状の一方の大径リング部に前記線材の両端部による切れ目が形成され、
前記線材の両端部に、互いを係止可能とする係止部が形成されていることを特徴としている。
足場などを構成する部材にシートを取り付けるためのシート止め具であって、
一本の弾性を有する線材で略8の字形状に形成され、
該略8の字形状の一方の大径リング部に前記線材の両端部による切れ目が形成され、
前記線材の両端部に、互いを係止可能とする係止部が形成されていることを特徴としている。
上記シート止め具(1)によれば、一本の弾性を有する線材で略8の字形状に形成され、該略8の字形状の一方の大径リング部に前記線材の両端部による切れ目が形成されている。
この構成により、前記8の字形状の交差位置を変化させながら、前記大径リング部を開閉させることが可能となり、前記大径リング部の弾力性を高めることができる。
したがって、前記部材に前記大径リング部を嵌め込む場合には、前記大径リング部の前記切れ目を形成する前記両端部を少ない力で楽に拡げることができる。また、前記大径リング部を前記部材に嵌め込んだ後、前記線材の両端部に形成された前記係止部を互いに係止させる操作や前記係止部の係合を解除する操作を少ない力で楽に行うことができる。また、前記略8の字形状の他方のリング部には、作業者の指を少なくとも1本以上挿し込むことが可能となり、取り扱い性を高めることができる。したがって、前記部材への前記シートの取付け作業や取外し作業を一層スムーズ且つ容易に行うことができる。
また、前記大径リング部を開閉する際に前記線材に発生する応力が、前記8の字形状により分散されるので、前記線材の一部分に応力が集中することがなく、前記線材の疲労や劣化を抑制でき、シート止め具の耐久性を向上させることができる。
この構成により、前記8の字形状の交差位置を変化させながら、前記大径リング部を開閉させることが可能となり、前記大径リング部の弾力性を高めることができる。
したがって、前記部材に前記大径リング部を嵌め込む場合には、前記大径リング部の前記切れ目を形成する前記両端部を少ない力で楽に拡げることができる。また、前記大径リング部を前記部材に嵌め込んだ後、前記線材の両端部に形成された前記係止部を互いに係止させる操作や前記係止部の係合を解除する操作を少ない力で楽に行うことができる。また、前記略8の字形状の他方のリング部には、作業者の指を少なくとも1本以上挿し込むことが可能となり、取り扱い性を高めることができる。したがって、前記部材への前記シートの取付け作業や取外し作業を一層スムーズ且つ容易に行うことができる。
また、前記大径リング部を開閉する際に前記線材に発生する応力が、前記8の字形状により分散されるので、前記線材の一部分に応力が集中することがなく、前記線材の疲労や劣化を抑制でき、シート止め具の耐久性を向上させることができる。
また本考案に係るシート止め具(2)は、上記シート止め具(1)において、
他方の小径リング部の直径が、人間の指一本を挿し込み可能な大きさに設定されていることを特徴としている。
他方の小径リング部の直径が、人間の指一本を挿し込み可能な大きさに設定されていることを特徴としている。
上記シート止め具(2)によれば、他方の小径リング部の直径が、人間の指一本を挿し込み可能な大きさに設定されているので、嵩張ることのない、コンパクトな小型サイズにすることができる。なお、前記大径リング部の直径は、例えば、前記部材の直径よりも大きく設計されることにより、前記大径リング部を前記部材に確実に嵌め込むことが可能となる。
また、前記大径リング部を前記部材に嵌め込む際、前記小径リング部に指を1本挿し込んだ状態で、前記大径リング部の前記係止部を前記部材に押し込むことが可能となり、前記部材に前記大径リング部を極めて簡単に嵌め込むことができる。
また、前記係止部の係合を解除した後、前記部材から前記大径リング部を取り外す際、前記小径リング部に指を1本挿し込んで、前記部材から前記大径リング部を極めて簡単に引き抜くことが可能となる。このように、前記小径リング部に指を1本差し込んで使用することにより、前記部材への前記シートの取り付け作業や取り外し作業をより一層スムーズ且つ容易に行うことができ、作業の効率を高めることができる。
また、前記大径リング部を前記部材に嵌め込む際、前記小径リング部に指を1本挿し込んだ状態で、前記大径リング部の前記係止部を前記部材に押し込むことが可能となり、前記部材に前記大径リング部を極めて簡単に嵌め込むことができる。
また、前記係止部の係合を解除した後、前記部材から前記大径リング部を取り外す際、前記小径リング部に指を1本挿し込んで、前記部材から前記大径リング部を極めて簡単に引き抜くことが可能となる。このように、前記小径リング部に指を1本差し込んで使用することにより、前記部材への前記シートの取り付け作業や取り外し作業をより一層スムーズ且つ容易に行うことができ、作業の効率を高めることができる。
また本考案に係るシート止め具(3)は、上記シート止め具(1)又は(2)において、
前記線材の両端部が、前記大径リング部のリング面に対して上下方向に離して配設されていることを特徴としている。
前記線材の両端部が、前記大径リング部のリング面に対して上下方向に離して配設されていることを特徴としている。
上記シート止め具(3)によれば、前記線材の両端部が、前記大径リング部のリング面に対して上下方向に離して配設されているので、前記大径リング部を前記部材に嵌め込む際に、前記線材の両端部を前記上下方向にも容易に拡げることが可能となり、前記部材への取付け作業を一層容易に行うことができる。
また、前記係止部の係合を解除して、前記部材から前記大径リング部を取り外す際に、前記係止部の係合が解かれる状態にまで、前記大径リング部を押し縮めると、前記大径リング部の復元力が作用して、前記線材の両端部が自然に上下方向にも離れていく復元力が作用することとなる。そして、前記大径リング部を押し縮める力を解放すると、前記係止部が再び係止されることなく斜め上下方向に離れていき、前記切れ目を有するもとの状態に戻る。したがって、前記部材からの取外し作業も一層容易に行うことができる。
また、前記係止部の係合を解除して、前記部材から前記大径リング部を取り外す際に、前記係止部の係合が解かれる状態にまで、前記大径リング部を押し縮めると、前記大径リング部の復元力が作用して、前記線材の両端部が自然に上下方向にも離れていく復元力が作用することとなる。そして、前記大径リング部を押し縮める力を解放すると、前記係止部が再び係止されることなく斜め上下方向に離れていき、前記切れ目を有するもとの状態に戻る。したがって、前記部材からの取外し作業も一層容易に行うことができる。
また本考案に係るシート止め具(4)は、上記シート止め具(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記係止部が、前記線材の両端部を折り曲げて略V字形状に形成されたものであることを特徴としている。
上記シート止め具(4)によれば、前記係止部が、前記線材の両端部を折り曲げて略V字形状に形成されたものであるので、前記係止部どうしを互いにしっかりと係合させることができる。
以下、本考案に係るシート止め具の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態に係るシート止め具は、例えば、建設工事現場などにおいて、建造物の周囲に組み立てられた足場の外側面に養生シートを配設する際、足場を構成する支柱や梁などの部材、例えば、単管パイプに養生シートを取り付けるときに用いられるものである。
実施の形態に係るシート止め具は、例えば、建設工事現場などにおいて、建造物の周囲に組み立てられた足場の外側面に養生シートを配設する際、足場を構成する支柱や梁などの部材、例えば、単管パイプに養生シートを取り付けるときに用いられるものである。
図1(a)は、実施の形態に係るシート止め具を示した斜視図であり、(b)は、(a)をb方向から見た側面図であり、(c)は、(a)をc方向から見た正面図である。
シート止め具10は、図1(a)に示すように一本の弾性を有する線材11で略8の字形状に形成され、略8の字形状の一方の大径リング部14に線材11の両端部12、13による切れ目15が形成されている。大径リング部14は、略8の字形状の交差位置17(一方の大径リング部14と他方の小径リング部16との交差位置)を変化させながら開閉可能となっている。さらに、線材11の両端部12、13には、互いを係止可能とする係止部18、19が形成されている。
シート止め具10は、図1(a)に示すように一本の弾性を有する線材11で略8の字形状に形成され、略8の字形状の一方の大径リング部14に線材11の両端部12、13による切れ目15が形成されている。大径リング部14は、略8の字形状の交差位置17(一方の大径リング部14と他方の小径リング部16との交差位置)を変化させながら開閉可能となっている。さらに、線材11の両端部12、13には、互いを係止可能とする係止部18、19が形成されている。
線材11は、例えば、太さが1.5mm〜2mm程度の弾力性を有する鋼線で構成されている。線材11は、バネ用炭素鋼線等の弾力性に富むものを使用することが好ましく、また、焼き入れ焼き戻しをして弾性力が付与されたステンレス鋼などの鋼線を用いてもよい。線材11は、金属製に限定されるものではなく、例えば、樹脂製であってもよい。
シート止め具10を構成する大径リング部14の直径は、足場を構築する、例えば、単管パイプ(外径48.16mm)の直径よりも大きく(例えば、60mm〜80mm程度)、小径リング部16の直径は、大径リング部14の直径よりも小さく、かつ人間の指を少なくとも1本、より好ましくは指1本を挿し込み可能な大きさ(例えば、20mm〜30mm程度)に設計されている。大径リング部14は、係止部18、19を互いに係合させた状態で、略円形となるように形成されてもよいし、楕円形となるように形成されてもよい。
シート止め具10では、図1(b)、(c)に示すように、好ましくは、線材11の両端部12、13に設けられた係止部18、19が、一方の大径リング部14のリング面に対して上下方向に所定間隔(例えば、5mm〜15mm程度)離して配設されるように曲げ加工されている。また、シート止め具10を側面から見た場合に、大径リング部14と小径リング部16とが、直線上に配置されてもよいが、図1(b)に示すように、大径リング部14と小径リング部16とが、緩やかな湾曲(円弧)を形成するように曲げ加工されてもよい。
また、係止部18、19は、好ましくは、線材11の両端部12、13を折り曲げて略V字形状に形成されている。
図2は、実施の形態に係るシート止め具10の形状変化を説明するための平面図である。
図2において、実線で示すシート止め具10は、大径リング部14に力を作用させていない状態(S1)を示しており、線材11の両端部12、13による所定幅の切れ目15が形成されている。切れ目15の幅は、好ましくは大径リング部14が嵌め込まれる単管パイプの直径よりも小さく、例えば、10mm〜30mm程度に設計され得る。
図2において、実線で示すシート止め具10は、大径リング部14に力を作用させていない状態(S1)を示しており、線材11の両端部12、13による所定幅の切れ目15が形成されている。切れ目15の幅は、好ましくは大径リング部14が嵌め込まれる単管パイプの直径よりも小さく、例えば、10mm〜30mm程度に設計され得る。
図2において、破線で示すシート止め具10は、大径リング部14の切れ目15の幅が拡げられた状態(S2)を示している。大径リング部14の切れ目15の幅が拡げられることにより、交差位置17がP1からP2に移動するとともに、小径リング部16の直径(及びリング面積)が状態(S1)のときよりも小さくなる。状態(S2)は、例えば、大径リング部14が単管パイプに嵌め込まれているときの状態である。
図2において、一点破線で示すシート止め具10は、大径リング部14の切れ目15が閉じられて、線材11の両端部12、13の係止部18、19が係合された状態(S3)を示している。大径リング部14の切れ目15が閉じられることにより、交差位置17が、P1からP3に移動するとともに、小径リング部16の直径(及びリング面積)が状態(S1)のときよりも大きくなる。状態(S3)は、例えば、大径リング部14を単管パイプに嵌め込んだ後に、係止部18、19が係合された状態である。
図2に示すように、シート止め具10では、8の字形状の交差位置17を変化させながら大径リング部14を開閉させることが可能となっている。
図2に示すように、シート止め具10では、8の字形状の交差位置17を変化させながら大径リング部14を開閉させることが可能となっている。
図3は、実施の形態に係るシート止め具10を用いて養生シートが単管パイプに取り付けられた状態を示す部分断面平面図である。図4は、実施の形態に係るシート止め具10を用いて養生シートが足場の単管パイプに取り付けられた状態を示す正面斜視図である。
図3、4に示すように、シート止め具10を、例えば、足場を構成する単管パイプ30、31に取り付ける場合、まず、作業者が、シート止め具10の小径リング部16に指(例えば、人差し指)を挿し込んで、小径リング部16を指で摘まんだ状態で、大径リング部14の係止部18、19(図1、2を参照)を単管パイプ30、31の一側面に押し当てながら、押し込む。すると、大径リング部14の係止部18、19の切れ目15が、単管パイプ30、31の外周面に沿って拡がりつつ、大径リング部14が単管パイプ30、31に嵌め込まれて、大径リング部14は、もとの切れ目15の幅(図2に示すS1の状態)に戻る。なお、単管パイプ30は、縦方向に配設されたパイプ、単管パイプ31は、横方向に配設されたパイプを示している。
この状態(大径リング部14が単管パイプ30、31に嵌め込まれた状態)で、次に作業者が、シート止め具10の係止部18、19の少なくとも一方を養生シート40の鳩目孔41にそれぞれ挿通して、シート止め具10の大径リング部14が養生シート40に引っ掛けられる。
次に作業者が、シート止め具10の大径リング部14を係止部18、19が完全に交差するまで指を使って押し縮めた後、該押し縮める力を解放すると、大径リング部14の復元力により、係止部18、19が互いに係合されて、大径リング部14が閉環される。こうして、図3、4に示すように、シート止め具10が、足場の単管パイプ30、31に巻き付くようして、養生シート40とともに止め付けられる。なお、足場などでは、図4に示すように、横方向に配設された単管パイプ31に養生シート40をシート止め具10で吊り下げ状態に取り付けた後、縦方向に配設された単管パイプ30にシート止め具10を嵌め込み、シート止め具10に養生シート40を取り付けることが好ましい。係る手順により取付け作業効率を高めることができる。
シート止め具10を外す場合、まず、作業者が、係止部18、19の係合状態が完全に解かれる状態にまで、指を使って大径リング部14を押し縮めて、大径リング部14の先端部分を交差させる。すると、大径リング部14が横方向に拡がろうとする復元力が作用するとともに、両端部12、13が上下方向にも拡がろうとする復元力が作用することとなる。そして、大径リング部14を押し縮める力を解放すると、係止部18、19が再び係止されることなく斜め上下方向に離れていき、大径リング部14は、もとの切れ目15の幅を有する状態(図2に示すS1の状態)に戻る。
次に、作業者が、シート止め具10の小径リング部16に指(例えば、人差し指)を挿し込んで、小径リング部16を指で摘まんだ状態で、大径リング部14を単管パイプ30、31から引き抜く。すると、両端部12、13の係止部18、19が、鳩目孔41から外れ、大径リング部14の係止部18、19が、単管パイプ30、31の外周面に沿って拡がり、大径リング部14が単管パイプ30、31から外れる。そして大径リング部14は、もとの切れ目15の幅に戻り、シート止め具10が取り外されることとなる。
なお、図5に示すように、単管パイプ30、31から取り外したシート止め具10は、その小径リング部16をU字形状などの束ね部材20(針金、フック、紐等でもよい)に通して引っ掛けることにより、複数個のシート止め具10を束ねた状態で回収したり、収納したりすることが可能となっている。シート止め具10の小径リング部16が上記のように使用されてもよい。
実施の形態に係るシート止め具10によれば、一本の弾性を有する線材11で略8の字形状に形成され、該略8の字形状の一方の大径リング部14に線材11の両端部12、13による切れ目15が形成されている。
この構成により、8の字形状の交差位置17を変化させながら、大径リング部14を開閉させることが可能となり、大径リング部14の弾力性を高めることができる。
したがって、足場を構成する単管パイプ30、31に大径リング部14を嵌め込む場合には、大径リング部14の切れ目15を形成する両端部12、13を少ない力で楽に拡げることができる。また、大径リング部14を単管パイプ30、31に嵌め込んだ後、両端部12、13に形成された係止部18、19を互いに係止させる操作や係止部18、19の係合を解除する操作を少ない力で楽に行うことができる。また、略8の字形状の他方の小径リング部16には、作業者の指を少なくとも1本以上挿し込むことが可能となり、取り扱い性を高めることができる。
この構成により、8の字形状の交差位置17を変化させながら、大径リング部14を開閉させることが可能となり、大径リング部14の弾力性を高めることができる。
したがって、足場を構成する単管パイプ30、31に大径リング部14を嵌め込む場合には、大径リング部14の切れ目15を形成する両端部12、13を少ない力で楽に拡げることができる。また、大径リング部14を単管パイプ30、31に嵌め込んだ後、両端部12、13に形成された係止部18、19を互いに係止させる操作や係止部18、19の係合を解除する操作を少ない力で楽に行うことができる。また、略8の字形状の他方の小径リング部16には、作業者の指を少なくとも1本以上挿し込むことが可能となり、取り扱い性を高めることができる。
また、シート止め具10は、略8の字形状に形成されているので、大径リング部14を開閉する際に線材11に発生する応力が、8の字形状により小径リング部16にも分散されるので、線材11の一部分に応力が集中することがなく、線材11の局所的な疲労や劣化を抑制でき、シート止め具10の耐久性を向上させることができる。
また、シート止め具10によれば、大径リング部14の直径が、単管パイプ30、31の直径よりも大きいので、大径リング部14を単管パイプ30、31に確実に嵌め込むことができる。また、小径リング部16の直径が、人間の指一本を挿し込み可能な大きさに設定されている場合は、嵩張ることのない、コンパクトな小型サイズにすることができる。
また、大径リング部14を単管パイプ30、31に嵌め込む際、小径リング部16に指を1本挿し込んで指で摘まんだ状態で、大径リング部14の切れ目15を単管パイプ30、31に押し込むことが可能となり、単管パイプ30、31に大径リング部14を極めて簡単に嵌め込むことができる。
また、係止部18、19の係合を解除した後、単管パイプ30、31から大径リング部14を取り外す際、小径リング部16に指を1本挿し込んで、単管パイプ30、31から大径リング部14を極めて簡単に引き抜くことが可能となる。このように、小径リング部16に指を1本差し込んで使用することにより、単管パイプ30、31への養生シート40の取付け作業や取外し作業をより一層スムーズ且つ容易に行うことができ、作業の効率を高めることができる。
また、大径リング部14を単管パイプ30、31に嵌め込む際、小径リング部16に指を1本挿し込んで指で摘まんだ状態で、大径リング部14の切れ目15を単管パイプ30、31に押し込むことが可能となり、単管パイプ30、31に大径リング部14を極めて簡単に嵌め込むことができる。
また、係止部18、19の係合を解除した後、単管パイプ30、31から大径リング部14を取り外す際、小径リング部16に指を1本挿し込んで、単管パイプ30、31から大径リング部14を極めて簡単に引き抜くことが可能となる。このように、小径リング部16に指を1本差し込んで使用することにより、単管パイプ30、31への養生シート40の取付け作業や取外し作業をより一層スムーズ且つ容易に行うことができ、作業の効率を高めることができる。
また、シート止め具10によれば、線材11の両端部12、13の係止部18、19が、大径リング部14のリング面に対して上下方向に離して配設されているので、大径リング部14を単管パイプ30、31に嵌め込む際に、線材11の両端部12、13を上下方向にも容易に拡げることが可能となり、単管パイプ30、31への取付け作業を一層容易に行うことができる。
また、係止部18、19の係合を解除して、単管パイプ30、31から大径リング部14を取り外す際に、係止部18、19の係合が完全に解かれる状態にまで、大径リング部14を押し縮めて、大径リング部14の先端部分を交差させる。すると、大径リング部14の復元力が作用して、両端部12、13の係止部18、19が自然に上下方向にも拡がろうとする復元力も作用することとなる。そして、大径リング部14を押し縮める力を解放すると、係止部18、19が再び係止されることなく斜め上下方向に離れていき、大径リング部14は、もとの切れ目15の幅を有する状態に戻る。したがって、単管パイプ30、31からの取外し作業も一層容易に行うことができる。
また、係止部18、19の係合を解除して、単管パイプ30、31から大径リング部14を取り外す際に、係止部18、19の係合が完全に解かれる状態にまで、大径リング部14を押し縮めて、大径リング部14の先端部分を交差させる。すると、大径リング部14の復元力が作用して、両端部12、13の係止部18、19が自然に上下方向にも拡がろうとする復元力も作用することとなる。そして、大径リング部14を押し縮める力を解放すると、係止部18、19が再び係止されることなく斜め上下方向に離れていき、大径リング部14は、もとの切れ目15の幅を有する状態に戻る。したがって、単管パイプ30、31からの取外し作業も一層容易に行うことができる。
また、シート止め具10によれば、係止部18、19が、線材11の両端部12、13を折り曲げて略V字形状に形成されたものであるので、係止部18、19どうしを互いにしっかりと係合させることができる。係止部18、19の形状は、略V字形状に限定されるものではなく、U字形状などの係合可能な他の形状としてもよい。
本発明に係るシート止め具は、上記した実施の形態に限定されることなく種々の変更が可能である。シート止め具10が取り付けられる部材は、足場を構成する単管パイプ30、31以外の柱や梁部材であってもよい。また、シート止め具10は、養生用以外の用途のシート部材を取り付ける際にも適用することが可能である。
10 シート止め具
11 線材
12、13 両端部
14 大径リング部
15 切れ目
16 小径リング部
17 交差位置
18、19 係止部
20 束ね部材
30、31 単管パイプ
40 養生シート
41 鳩目孔
50 止め具
52 環状体
52a、52b フック部
54a、54b 保護キャップ
56 切れ目
60 柱
62 カバー本体
64 鳩目孔
66 鳩目
11 線材
12、13 両端部
14 大径リング部
15 切れ目
16 小径リング部
17 交差位置
18、19 係止部
20 束ね部材
30、31 単管パイプ
40 養生シート
41 鳩目孔
50 止め具
52 環状体
52a、52b フック部
54a、54b 保護キャップ
56 切れ目
60 柱
62 カバー本体
64 鳩目孔
66 鳩目
Claims (4)
- 足場などを構成する部材にシートを取り付けるためのシート止め具であって、
一本の弾性を有する線材で略8の字形状に形成され、
該略8の字形状の一方の大径リング部に前記線材の両端部による切れ目が形成され、
前記線材の両端部に、互いを係止可能とする係止部が形成されていることを特徴とするシート止め具。 - 他方の小径リング部の直径が、人間の指一本を挿し込み可能な大きさに設定されていることを特徴とする請求項1記載のシート止め具。
- 前記線材の両端部が、前記大径リング部のリング面に対して上下方向に離して配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシート止め具。
- 前記係止部が、前記線材の両端部を折り曲げて略V字形状に形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のシート止め具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020003624U JP3229772U (ja) | 2020-08-25 | 2020-08-25 | シート止め具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020003624U JP3229772U (ja) | 2020-08-25 | 2020-08-25 | シート止め具 |
Publications (1)
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JP3229772U true JP3229772U (ja) | 2020-12-17 |
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Family Applications (1)
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2020
- 2020-08-25 JP JP2020003624U patent/JP3229772U/ja not_active Expired - Fee Related
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