JP3229657B2 - 固体触媒の調製法及びそれを用いた炭酸エステルの製造法 - Google Patents

固体触媒の調製法及びそれを用いた炭酸エステルの製造法

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JP3229657B2 JP20046392A JP20046392A JP3229657B2 JP 3229657 B2 JP3229657 B2 JP 3229657B2 JP 20046392 A JP20046392 A JP 20046392A JP 20046392 A JP20046392 A JP 20046392A JP 3229657 B2 JP3229657 B2 JP 3229657B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸エステル製造用固
体触媒の調製法、及びこの固体触媒を用いて、アルコー
ルと一酸化炭素とを酸素存在下で反応させる炭酸エステ
ルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】炭酸
エステルは、ガソリンの添加剤、有機溶剤として、又、
各種カーボネート類、カーバメート類、ウレタン類、医
薬・農薬等の精密化学品の製造における、ホスゲンに代
わる反応剤として有用な化合物である。
【0003】炭酸エステルの製造法として、アルコール
類にホスゲンを反応させる方法が工業的に行われてい
る。しかし、この方法では、毒性の高いホスゲンを使用
するだけでなく、反応過程で腐蝕性の強い塩化水素が副
生する。そこで、このようなホスゲンを用いない炭酸エ
ステルの製造法がいくつか提案されている。
【0004】液相法による炭酸エステルの製造法とし
て、白金族金属−銅系触媒の存在下、アルコール類を一
酸化炭素及び酸素と反応させて炭酸エステルを得る方法
が知られている。例えば、特公昭61−8816号公報
には、パラジウム化合物などの白金族金属化合物、塩化
銅などの銅化合物及びアルカリ金属塩等の共存下で、ア
ルコール類と一酸化炭素及び酸素とを反応させる方法が
開示されている。
【0005】この方法によれば、触媒にパラジウムなど
の白金族金属が少量含まれるだけでも高い活性を示すた
め、反応系における一酸化炭素の分圧を低くすることが
できる。しかし、この触媒系では、助触媒である銅化合
物が、酸化銅として析出したり、炭酸エステルが生成す
る際に副生する水により塩基性塩化銅などに変化して不
溶化したり、副生するシュウ酸との反応によりシュウ酸
銅として析出したりするため、触媒が失活することなく
連続的に炭酸エステルを製造することは困難である。特
にシュウ酸塩の生成は、炭酸エステルが生成する際の中
間体と同じ白金族金属錯体を経由して起こるため、パラ
ジウム等の白金族金属を主触媒とする限り避けられない
問題である。
【0006】液相で炭酸エステルを製造する他の方法と
して、ハロゲン化第一銅やハロゲン化第二銅等の酸化的
カルボニル化触媒の存在下に、アルコールと一酸化炭素
及び酸素とを反応させる方法が知られている。例えば、
特公昭56−8020号公報には、塩化第一銅などのハ
ロゲン化第一銅及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属
のハロゲン化物からなる触媒を用いる方法が開示されて
いる。
【0007】しかし、前記ハロゲン化第一銅系触媒は、
上記のパラジウム−銅系触媒に比べて活性が低いことか
ら、多量の触媒を必要とし、しかも高い一酸化炭素分圧
を要するため、副生する炭酸ガスのパージに伴う一酸化
炭素のパージロスが多くなる。又、塩化第一銅などのハ
ロゲン化第一銅は一般に有機溶媒に溶解しにくいため、
反応混合液のスラリー濃度がさらに高くなり、作業性が
悪くなりやすい。
【0008】又、前記ハロゲン化第二銅を触媒とする方
法では、有機溶媒に対する溶解度は高いものの、ハロゲ
ン化第一銅と比較して結合しているハロゲン原子の数が
多いため、反応系内に遊離するハロゲンの量も多くな
る。又、反応過程で、銅が二価の状態から、塩素などの
ハロゲン原子がアルコキシ基によって置換され炭酸エス
テル生成中間体が形成されるため、必ず塩素等のハロゲ
ンが遊離する。従って、ハロゲン化第一銅系触媒と比較
して、装置材料の腐蝕を起こしやすい。さらに、遊離し
たハロゲンが、系中のアルコールや反応生成物と反応し
て、ハロゲン化物を形成し、反応系から排出されるた
め、触媒が不安定となり、循環使用する間に活性が低下
したり、溶解性が低下し、連続反応が困難となりやす
い。
【0009】一方、固体触媒を用いる気相反応により、
炭酸エステルを製造する方法として、銅化合物及び種々
の添加物を担体上に担持した触媒が提案されている。
【0010】例えば、特表昭63−503460号公報
(WO87/07601)には、塩化第二銅などの金属
ハライドを担持した固体触媒の存在下、アルコール、一
酸化炭素及び酸素を気相で反応させる方法が記載されて
いる。又、国際公開WO90/15791号公報には、
第3級有機リン化合物及び塩化第二銅などのハロゲン化
銅を多孔質担体に担持した触媒の存在下、アルコールを
一酸化炭素及び酸素と反応させる方法が開示されてい
る。
【0011】しかし、これらの方法で用いられる触媒
は、活性が十分でなかったり、安定性に劣るため比較的
短時間に失活するなどの問題点を有する。
【0012】一般に、銅化合物を担持した固体触媒で
は、ハロゲン化銅を担持した触媒が最も活性が高い。そ
のため、担持する触媒成分として、塩化第二銅などのハ
ロゲン化第二銅及び塩化第一銅などのハロゲン化第一銅
がよく用いられる。
【0013】このうち塩化第二銅などのハロゲン化第二
銅は有機溶媒に溶解し易く担体に担持しやすいが、反応
中に塩素などのハロゲンが遊離し易く、活性が徐々に低
下したり、装置材料を腐蝕させるため、実用的触媒とは
なりにくい。
【0014】これに対して、塩化第一銅などのハロゲン
化第一銅は、ハロゲン化第二銅と同等の活性を有し、し
かもハロゲンの遊離がほとんどなく腐蝕性が小さいとい
う利点を有する。しかし、有機溶媒に溶解しにくく、担
体上に均一に担持することができないため、十分な活性
が得られない。
【0015】又、上記のように、従来の炭酸エステルの
製造法では、触媒が不安定であったり、腐蝕性を有して
いたり、或いは活性が十分でないため、長期間安定し
て、収率よく炭酸エステルを製造することができない。
【0016】従って、本発明の目的は、高活性で、触媒
寿命が長く、しかも腐蝕性の小さな炭酸エステル製造用
固体触媒を、簡単な操作により調製する方法を提供する
ことにある。
【0017】本発明の他の目的は、長期間安定して、収
率よく製造できる炭酸エステルの製造法を提供すること
にある。
【0018】
【発明の構成】本発明者は、前記目的を達成するため、
鋭意検討した結果、ハロゲン化第一銅が、一酸化炭素の
存在下では、一酸化炭素の配位効果により、種々の有機
溶媒に溶解して均一な溶液を形成すること、従って、ハ
ロゲン化第一銅を、一酸化炭素存在下有機溶媒中で処理
し、担体に担持すると、ハロゲン化第一銅が担体上に均
一に担持されるため、高活性で、触媒寿命が長く、しか
も腐蝕性の小さい炭酸エステル製造用触媒が得られるこ
とを見出だし、本発明を完成した。
【0019】すなわち、本発明は、炭酸エステル製造用
固体触媒の調製法であって、(1) ハロゲン化第一銅又は
(2) ハロゲン化第一銅及びハロゲン化第一銅に配位し得
る有機化合物(以下、「配位性化合物」という)を、一
酸化炭素の存在下、有機溶媒中で処理し、担体に担持す
る固体触媒の調製法を提供する。
【0020】又、本発明は、アルコールと一酸化炭素と
を酸素存在下で反応させて炭酸エステルを製造する方法
であって、前記調製法により調製された固体触媒を用い
る炭酸エステルの製造法を提供する。
【0021】なお、本明細書においては、ハロゲン化第
一銅と配位性化合物とを併せて「触媒活性成分」とい
う。
【0022】前記ハロゲン化第一銅には、フッ化第一
銅、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅が含まれ
る。これらは、一種又は二種以上組合せて使用できる。
上記のうち、入手の容易性、触媒活性及び安定性から、
特に塩化第一銅が好適に用いられる。
【0023】本発明では、触媒活性成分としてハロゲン
化第一銅を用いるため、ハロゲン化第二銅触媒とは異な
り、反応中にハロゲンが遊離して触媒活性が低下した
り、装置を腐蝕させることがほとんどなく、非腐蝕性の
安定な固体触媒が得られる。
【0024】本発明では、ハロゲン化第一銅のみを単独
で用いてもよく、又、ハロゲン化第一銅と配位性化合物
とを併用してもよい。ハロゲン化第一銅と配位性化合物
とを併用すると、触媒活性の一層高い触媒が得られる。
【0025】前記配位性化合物としては、ハロゲン化第
一銅に配位し得るものであれば特に限定されず、例え
ば、メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、
ピペリジンなどのアミン;アセトアミド、N−メチルピ
ロリドンなどのアミド;ピリジン、ピリジン−N−オキ
シド、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キ
ノリン、ピリミジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾ
ール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、2,
2′,2″−テルピリジルなどの含窒素複素環化合物;
トリフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン
などのホスフィン類、トリメチルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイトなどのホスファイト類、ヘキサメチ
ルホスフォラストリアミドなどのホスフォラストリアミ
ド類などの有機リン化合物;アセトニトリル、ベンゾニ
トリルなどのニトリル;メチルイソシアニド、フェニル
イソシアニドなどのイソニトリル;チオウレア等が挙げ
られる。これらの化合物は、一種又は二種以上組合せて
用いることができる。
【0026】上記化合物のうち、特に、ピリジン、イミ
ダゾールなどの含窒素複素環化合物、トリフェニルホス
フィン、トリフェニルホスファイト、ヘキサメチルホス
フォラストリアミドなどの有機リン化合物、ベンゾニト
リルなどのニトリル等が好適に用いられる。
【0027】ハロゲン化第一銅と配位性化合物とを併用
する場合には、触媒調製の際、それぞれの成分を別個に
用いてもよく、又、予め両者より合成した銅錯体を用い
てもよい。前記銅錯体としては、ハロゲン化第一銅と、
上記のアミン、アミド、含窒素複素環化合物、有機リン
化合物、ニトリル、イソニトリル、チオウレア等の配位
性化合物との錯体が挙げられる。
【0028】前記配位性化合物の使用量は、その種類等
により異なるが、ハロゲン化第一銅1モルに対して、通
常0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200
モル程度である。
【0029】なお、本発明の調製法により得られる固体
触媒が有する高活性、非腐蝕性、高安定性等の特性を損
なわない範囲で、他の成分、例えば銅以外の金属のハラ
イド等を担持することもできる。
【0030】本発明の主たる特徴は、前記ハロゲン化第
一銅等の触媒活性成分を、一酸化炭素存在下、有機溶媒
中で処理し、担体に担持する点にある。
【0031】塩化第一銅などのハロゲン化第一銅は、一
般に有機溶媒に溶解しにくいため、担体上に均一に担持
された固体触媒を得ることは困難である。しかし、本発
明のように、一酸化炭素存在下、有機溶媒中で処理する
と、一酸化炭素の配位効果により、ハロゲン化第一銅が
有機溶媒に容易に溶解して均一な溶液を形成するため、
ハロゲン化第一銅が担体上に均一に担持され、その結
果、高活性で、安定性に優れた触媒寿命の長い固体触媒
が得られる。
【0032】前記有機溶媒としては、一酸化炭素の配位
効果により、ハロゲン化第一銅等の触媒活性成分が溶解
して均一な溶液を形成するものであればよく、例えば、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、エチレ
ングリコールなどのアルコール;アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;ジエチルエ
ーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキ
サン、テトラヒドロフランなどのエーテル;ギ酸、酢
酸、プロピオン酸などのカルボン酸;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、
酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチルなどのカルボン酸
エステル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのカルボ
ン酸アミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル;ヘキサン、オクタンなどの
脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンな
どの芳香族炭化水素等の炭化水素;四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらは、一種
又は二種以上混合して使用できる。
【0033】これらの溶媒のうち、例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコールなどが繁用される。
【0034】担体としては、固体触媒の担体として通常
用いられるものが使用でき、例えば、活性炭、カーボン
ブラック、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、マグネシア、炭化ケイ素、ケイソウ
土、軽石、アランダム等が例示される。これらのうち、
特に活性炭、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア
等が好適に用いられる。又、担体の表面積は、特に限定
されないが、例えば約20m2 /g以上である。
【0035】本発明では、ハロゲン化第一銅等を担体に
担持するため、触媒活性成分が担体上に分散され、触媒
の有効表面積が増大し、反応速度が速くなる。
【0036】ハロゲン化第一銅の担持量は、担体の種類
によって異なるが、担体に対し、銅として、通常0.2
〜20重量%、好ましくは1〜10重量%程度である。
【0037】ハロゲン化第一銅等の有機溶媒中での処理
は、一酸化炭素の存在する雰囲気下であれば特に限定さ
れず、一酸化炭素単独、又は、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム等の不活性ガスで希釈された雰囲気下で行うことがで
きる。不活性ガスで希釈する場合のガス中の一酸化炭素
の濃度は、ハロゲン化第一銅に対して配位効果を奏し得
る範囲、例えば0.1〜100vol%の濃度範囲で適
宜選択できる。
【0038】前記処理は、通常、常圧〜100Kg/c
2 、好ましくは常圧〜10Kg/cm2 程度の圧力
下、例えば10〜200℃、好ましくは50〜180℃
程度の温度条件下で行われる。処理時間は、温度等によ
り異なるが、例えば5分〜24時間、通常10分〜5時
間程度である。
【0039】前記処理は、バッチ式、連続式の何れの方
式でも可能であり、触媒活性成分等の添加順序も特に制
限されない。
【0040】例えば、前記担体をハロゲン化第一銅等の
触媒活性成分及び有機溶媒と共に反応器に仕込み、一酸
化炭素存在下で処理してもよく、又、ハロゲン化第一銅
等の触媒活性成分及び有機溶媒を一酸化炭素存在下で処
理した後、担体を添加して担持させてもよい。
【0041】又、ハロゲン化第一銅と配位性化合物とを
併用する場合には、何れか一方を先に担体に担持した
後、他方の成分を担持することもできる。この場合、少
なくともハロゲン化第一銅の担持は、一酸化炭素存在
下、有機溶媒中で処理して行う。
【0042】上記のような操作の後、濾過又は溶媒を留
去することにより、ハロゲン化第一銅、又は、ハロゲン
化第一銅と前記配位性化合物との混合物もしくは錯体が
担体上に均一に担持された固体触媒を得ることができ
る。
【0043】このようにして調製された固体触媒は、ア
ルコールと一酸化炭素を酸素存在下で反応させて炭酸エ
ステルを製造する際の触媒として極めて好適に用いられ
る。
【0044】本発明の炭酸エステルの製造法では、前記
したような高活性で安定性の高い固体触媒を用いるた
め、長時間安定して収率よく炭酸エステルを製造するこ
とができる。
【0045】以下に、上記固体触媒を用いる炭酸エステ
ルの製造法について説明する。
【0046】反応原料として用いるアルコールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノ
ール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−デカ
ノール、1−オクタデカノール、アリルアルコールなど
の炭素数1〜20の飽和又は不飽和脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、シクロペンタノールなどの炭素数
3〜6の脂環族アルコール;ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコールなどの芳香族アルコール等が挙げられ
る。又、前記アルコールには、一価アルコールのみなら
ず、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコールなどの二価アルコール;グリセリンなど
の多価アルコールの外、フェノール、クレゾール等のフ
ェノール性ヒドロキシル基を有する化合物も含まれる。
【0047】これらのアルコールのうち、特にメタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等
の炭素数1〜4の脂肪族アルコールが好適に用いられ、
なかでもメタノールが繁用される。
【0048】本発明の製造法は、気相反応、液相反応の
何れにも適用できる。
【0049】気相反応により炭酸エステルを製造する場
合の反応条件としては、反応温度は、通常60〜200
℃、好ましくは100〜150℃程度、反応圧力は、通
常、常圧〜50Kg/cm2 、好ましくは常圧〜30K
g/cm2 程度、又供給ガスの空間速度は、例えば10
0〜50000h-1、好ましくは500〜5000h-1
程度である。
【0050】又、液相反応により炭酸エステルを製造す
る場合の反応温度は、例えば80〜150℃程度、反応
圧力は2〜100Kg/cm2 程度である。
【0051】一酸化炭素の使用量は、特に限定されない
が、原料として用いるアルコール1モルに対して、通常
0.1〜1000モル、好ましくは0.2〜100モ
ル、さらに好ましくは0.5〜20モル程度である。酸
素の使用量は、アルコール1モルに対して、通常0.0
01〜2モル、好ましくは0.01〜1.5モル程度で
ある。
【0052】酸素は純粋な分子状酸素として、或いは反
応に不活性なガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等
で希釈して用いることができる。
【0053】本発明の製造法は、固定床又は流動床の反
応器を用い、連続式又はバッチ式で行うことができる。
【0054】反応生成物を常法に従って処理することに
より、原料アルコールに対応する炭酸エステルを得るこ
とができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の調製法によれば、ハロゲン化第
一銅等の触媒成分が担体上に均一に担持されるため、高
活性で、触媒寿命が長く、しかも腐蝕性の小さな炭酸エ
ステル製造用固体触媒が得られる。
【0056】又、本発明の製造法によれば、上記のよう
な優れた特性を有する固体触媒を用いるため、アルコー
ルと一酸化炭素及び酸素との反応により、炭酸エステル
を長期間安定して収率よく製造することができる。
【0057】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0058】実施例1 表面積1000m2 /gの活性炭50g、塩化第一銅
3.9gを、内部をグラスライニングしたオートクレー
ブに仕込み、さらにメタノール100mlを加えた。オ
ートクレーブ内の気相部を一酸化炭素で置換した後、1
30℃で1時間処理した。ゆっくりと冷却した後、一酸
化炭素を放出した。得られた混合液を濾過し、塩化第一
銅が活性炭に担持された固体触媒を得た。
【0059】この固体触媒を、内径10mm、長さ45
0mmのステンレス製の反応管に、層長10mmとなる
ように充填し、反応温度を130℃に設定し、CO/O
2 /N2 /メタノール=37/3/57/3(モル比)
からなる混合ガスを2000h-1の空間速度(SV)で
2時間流通した。この間、反応管内の圧力を5Kg/c
2 に保持した。反応管出口から流出した反応生成ガス
を、−70℃のドライアイストラップで凝集させ、得ら
れた凝集液及び排ガスの組成をガスクロマトグラフフィ
ーにより分析した。
【0060】その結果、9.3mgのジメチルカーボネ
ートが得られた(収率4.7%)。
【0061】比較例1 一酸化炭素による置換操作を省略した以外は、実施例1
と同様にして調製した固体触媒を用いて、実施例1と同
様の反応を行った。
【0062】その結果、得られたジメチルカーボネート
は0.4mgであった(収率0.2%)。このように実
施例1と比較して収率が著しく低いのは、塩化第一銅が
活性炭上に均一に担持されなかったためであると考えら
れる。
【0063】実施例2 表面積1000m2 /gの活性炭50g、塩化第一銅
3.9g及びイミダゾール34gを、内部をグラスライ
ニングしたオートクレーブに仕込み、さらにメタノール
100mlを加えた。オートクレーブ内の気相部を一酸
化炭素で置換した後、130℃で1時間処理した。ゆっ
くりと冷却した後、一酸化炭素を放出した。得られた混
合液を濾過し、塩化第一銅−イミダゾール錯体が活性炭
に担持された固体触媒を得た。
【0064】この触媒を用い、実施例1と同様の反応を
行った。その結果、15.0mgのジメチルカーボネー
トを得た(収率7.7%)。
【0065】比較例2 一酸化炭素による置換操作を省略した以外は、実施例2
と同様にして調製した固体触媒を用いて、実施例1と同
様の反応を行った。
【0066】その結果、得られたジメチルカーボネート
は6.3mgであった(収率3.2%)。このように実
施例2と比較して収率が低いのは、塩化第一銅及びイミ
ダゾールが活性炭上に均一に担持されなかったためであ
ると考えられる。
【0067】実施例3 塩化第一銅3.9g及びイミダゾール34gを、内部を
グラスライニングしたオートクレーブに仕込み、さらに
メタノール100mlを加えた。オートクレーブ内の気
相部を一酸化炭素で置換した後、130℃で1時間処理
した。ゆっくりと冷却した後、一酸化炭素を放出した。
塩化第一銅−イミダゾール錯体の均一な溶液が得られ
た。この溶液に、表面積1000m2 /gの活性炭50
gを添加し、しばらく攪拌した後、混合液を濾過して、
塩化第一銅−イミダゾール錯体が活性炭に担持された固
体触媒を得た。
【0068】この固体触媒を用いて、実施例1と同様の
反応を行った。その結果、10.3mgのジメチルカー
ボネートが得られた(収率5.2%)。
【0069】実施例4〜8 イミダゾールに代えて、以下の配位性化合物を用いた以
外は実施例2と同様にして調製した固体触媒を用い、実
施例1と同様の反応を行った。
【0070】 実施例4 ピリジン 80g 実施例5 トリフェニルホスフィン 79g 実施例6 トリフェニルホスファイト 98g 実施例7 ベンゾニトリル 53g 実施例8 ヘキサメチルホスフォラストリアミド 49g その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】 実施例9〜12 活性炭に代えて、以下の担体を用いた以外は実施例1と
同様にして調製した固体触媒を用い、実施例1と同様の
反応を行った。
【0072】 実施例9 アルミナ(表面積150m2 /g) 120g 実施例10 シリカ(表面積350m2 /g) 60g 実施例11 チタニア(表面積30m2 /g) 200g 実施例12 ジルコニア(表面積40m2 /g) 180g その結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−108765(JP,A) 特開 平2−19347(JP,A) 特開 平2−6438(JP,A) 特開 昭54−24827(JP,A) 特開 昭51−138620(JP,A) 特表 昭63−503460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 68/00 B01J 27/122 B01J 31/02 C07C 69/96 C07B 61/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸エステル製造用固体触媒の調製法で
    あって、(1) ハロゲン化第一銅又は(2) ハロゲン化第一
    銅及びハロゲン化第一銅に配位し得る有機化合物を、一
    酸化炭素の存在下、有機溶媒中で処理し、担体に担持す
    る固体触媒の調製法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化第一銅に配位し得る有機化合
    物が、含窒素複素環化合物、有機リン化合物及びニトリ
    ルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であ
    る請求項1記載の固体触媒の調製法。
  3. 【請求項3】 アルコールと一酸化炭素とを酸素存在下
    で反応させて炭酸エステルを製造する方法であって、請
    求項1記載の調製法により調製された固体触媒を用いる
    炭酸エステルの製造法。
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