JP3229558B2 - 車間距離検出装置 - Google Patents

車間距離検出装置

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JP3229558B2
JP3229558B2 JP03799497A JP3799497A JP3229558B2 JP 3229558 B2 JP3229558 B2 JP 3229558B2 JP 03799497 A JP03799497 A JP 03799497A JP 3799497 A JP3799497 A JP 3799497A JP 3229558 B2 JP3229558 B2 JP 3229558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自車両と同一車線上
を走行する先行車までの車間距離計測する車間距離検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車間距離計測装置としては、例え
ば特開平7−134179号公報に示す車間距離計測装
置がある。図22はこの公報に基づいた従来の車間距離
計測装置を示す構成図である。図において、1は物体ま
での距離と方向を繰り返し計測するスキャンレーザレー
ダ、2は自車両の速度を計測する車速センサ、3はスキ
ャンレーザレーダ1の計測結果と車速センサ2の計測結
果に基づいて先行車までの車間距離を算出し、車間距離
が縮まり危険か否かを判定する信号処理部でありる。こ
の信号処理部3は相対位置算出部4、移動ベクトル算出
部9、車両認識部10、道路形状認識部11、車線信頼
度算出部23、先行車認識部18、及び危険判定部19
から構成される。
【0003】スキャンレーザレーダ1が計測した距離と
方向データに基づいて被検出物体の相対位置を算出する
相対位置算出部4は、XY座標変換部5、同一物体判定
部6、及び特徴算出部8から構成される。移動ベクトル
算出部9は同一物体の2つの異なる時点での相対位置に
基づいて被検出物体の移動ベクトルを計算する。車両認
識部10は相対位置算出部4が算出した被検出物体の相
対位置と移動ベクトル算出部9が算出した移動ベクトル
に基づいて車両を認識する。道路形状認識部11は路側
リフレクタ認識部12と路側リフレクタ左右判定部14
と道路形状近似部15から構成される。そして、道路形
状認識部11は相対位置算出部4が算出した被検出物体
の相対位置と移動ベクトル算出部9が算出した移動ベク
トルと車速センサ2が計測した自車両の速度に基づいて
路側に設置された路側リフレクタを検出しこの路側リフ
レクタの空間的配置に基づいて道路形状を認識する。
【0004】23は検出した被検出物体が自車線上にあ
る自車線信頼度と検出した被検出物体が他車線上にある
他車線信頼度を算出する車線信頼度算出部であり、第1
の車線信頼度算出部24、第2の車線信頼度算出部2
5、及び第3の車線信頼度算出部26から構成される。
そして、第1の車線信頼度算出部24は被検出物体から
路側までの距離に基づいて被検出物体の自車線信頼度と
他車線信頼度を算出する。第2の車線信頼度算出部25
は被検出物体の相対位置と移動ベクトル基づいて被検出
物体の自車線信頼度と他車線信頼度を算出する。第3の
信頼度算出部26は被検出物体の相対位置だけに基づい
て被検出物体の自車線信頼度と他車線信頼度を算出す
る。先行車認識部18は第1ないし第3の車線信頼度算
出部24〜26が算出した3種類の車線信頼度に基づい
て先行車を認識する。危険判定部19は先行車認識部1
8が出力した車間距離と相対速度に基づいて自車両が危
険な状態か否かを判定する。回避動作部20は危険判定
部19の指示により警報を出力する警報出力部、21は
危険判定部19の指示により危険を回避する動作を行
う。
【0005】次に動作について説明する。スキャンレー
ザレーダ1は、赤外レーザパルスを発生する送光部、送
光部が発生したレーザパルスの方向を順次変えて掃引す
る掃引部、物体から反射された反射パルス光を受信する
受光部等から構成される。スキャンレーザレーダ1は、
送光部でレーザパルスが発生した時点から受光部で反射
光が検出された時点までの時間を計測し、光速と計測し
た往復時間から物体までの距離を算出する。レーザパル
ス光の方向を順次変えて掃引することにより様々な方向
に存在する障害物までの距離を計測できる。スキャンレ
ーザレーダ1の詳細な動作については従来例で説明され
ているので、ここでは説明を省略する。
【0006】図23はスキャンレーザレーダ1の検出領
域を示す概念図である。以下、図23に基づいてスキャ
ンレーザレーダ1の計測動作について説明する。図中の
扇形はスキャンレーザレーダ1の検出領域を示し、ビー
ムを掃引する角度範囲は20°である。そして、掃引角
度範囲を80に等分割した0.25°毎に距離を計測す
る。ビームの掃引はビーム1(左側)からビーム80
(右側)の方向へ行われ、ビームの掃引周期0.1秒毎
に繰り返し掃引周期毎に距離を測定する。
【0007】車速センサ2は、スキャンレーザレーダ1
の掃引周期0.1秒毎に車速パルスの数をカウントし、
0.1秒当たりの車速パルス数から車速を算出する。J
IS規格によれば駆動軸が637[rpm]の時に時速6
0[km]であるので、駆動軸の1回転当たりの車速パ
ルス数が8パルスの車速センサであれば、0.1秒当た
りの車速パルス数Pの場合における車速V[km/h]
は次式により計算できる。
【0008】 V=(60×P/0.1)/(637×8) ・・・(1)
【0009】相対位置算出部4は、スキャンレーザレー
ダ1が計測した曲座標で表される被検出物体の相対位置
をXY座標へ変換するXY座標変換部5、検出した被検
出物体の内から同一物体を判定する同一物体判定部6、
同一物体判定後の被検出物体の相対位置を算出する特徴
算出部8から構成される。以下、上記XY座標変換部
5、同一物体判定部6、及び特徴算出部8の動作につい
て説明する。
【0010】XY座標変換部5は、まずスキャンレーザ
レーダ1が測定した曲座標で表された角度と距離をXY
座標へ変換する。以下、図23に基づいて曲座標からX
Y座標への座標変換動作について説明する。スキャンレ
ーザレーダ1のビーム番号をb、ビームbにより計測し
た障害物までの距離をLb[m]とすると、XY座標上の
相対位置(Xb,Yb)は次式により計算できる。
【0011】 Xb=Lb×sin{ 0.25°×(b−40)−0.125°} ・・・(2) Yb=Lb×cos{ 0.25°×(b−40)−0.125°}
【0012】上記の式により算出したXY座標を掃引方
向から検出した順に記憶する。n1個の被検出物体を検
出した場合では、記憶される被検出物体Oiの相対位置
は掃引方向から順に(X1,Y1)、(X2,Y2)、・
・、(Xi,Yi)、・・、(Xn1,Yn1)として記憶
される。
【0013】次に同一物体判定部6は、検出した被検出
物体のどれとどれが同一物体かを判定する。近距離では
従来例の説明のように1個のリフレクタ等の同一物体を
複数のビームで検出することがあり、これら複数のビー
ムで検出した同一物体を1個にまとめる必要がある。図
24は複数のビームで検出した同一物体を1個にまとめ
る同一判定処理の流れを示すフローチャートである。以
下、図24に基づいて同一判定処理について説明する。
【0014】ステップ501では、被検出物体Oiの物
体番号iを1に初期化し次のステップ502へ進む。ス
テップ502では、物体番号iと検出した被検出物体の
数n1とを比較する。物体番号iがn1以下での場合は
ステップ503へ進む。しかし、物体番号iがn1より
大きい場合は全ての被検出物体について同一判定処理を
完了したので終了する。
【0015】ステップ503では、被検出物体Oi−1
を基準とした同一判定範囲A1が設定されているかを判
定し、同一判定範囲A1が設定されていればステップ5
04へ進み、同一判定範囲A1が設定されていなければ
ステップ510へ進む。同一判定範囲A1が設定されて
いない場合は物体番号i=1の時だけである。
【0016】ステップ504では、被検出物体Oi−1
を基準とした同一判定範囲A1と被検出物体Oiを比較
する。被検出物体Oiが同一判定範囲A1の内側であれ
ば、被検出物体Oiと被検出物体Oi−1は同一物体で
あると判定してステップ505へ進む。反対に、被検出
物体Oiが同一判定範囲A1の外側であれば、被検出物
体Oiと被検出物体Oi−1は同一物体でないと判定し
てステップ507へ進む。
【0017】被検出物体Oi と被検出物体Oi−1を
同一物体であると判定した場合、ステップ505で、被
検出物体Oiの相対位置(Xi,Yi)を一時記憶領域へ
登録し、ステップ506へ進む。ステップ506では、
同一物体として一時記憶領域へ登録した被検出物体Oi
を基準として同一判定領域A1を更新し、ステップ51
1へ進む。
【0018】被検出物体Oiと被検出物体Oi−1は同
一物体でないと判定された場合はステップ507で、一
時記憶領域に登録された被検出物体の有無を調べる。
一時記憶領域に登録された被検出物体が有る場合はステ
ップ508へ進み、一時記憶領域に登録された被検出物
体が無い場合はステップ509へ進む。
【0019】一時記憶領域に登録された被検出物体があ
る場合、ステップ508で登録された被検出物体を1個
にまとめる。被検出物体Oj〜被検出物体Oj+kが登
録されている時はこれらの被検出物体の相対位置(X
j,Yj)〜(Xj+k,Yj+k)の重心(Xg,Yg)
を以下の(3)式により計算する。
【0020】
【数1】
【0021】そして、被検出物体Oj〜被検出物体Oj
+kを一つの被検出物体としてまとめ、この被検出物体
の相対位置を上記(3)式で計算した重心(Xg,Yg)で
代表させる。この後、一時記憶領域をクリアしてステッ
プ510へ進む。一時記憶領域内に登録された被検出物
体が無い場合、ステップ509で被検出物体Oiを一時
記憶領域へ登録し、ステップ510へ進む。
【0022】ステップ510では、被検出物体Oiを基
準として同一判定領域A1を計算し、ステップ511へ
進む。図25は同一判定領域A1の設定方法を示す説明
図である。以下、図25に基づいて同一性判定領域A1
の設定方法について説明する。
【0023】被検出物体OiのX座標Xiの右側にX軸
方向へ幅ΔW1、被検出物体OiのY座標Yiを中心と
してY軸方向へ奥行きΔD1の長方形領域A1を設定す
る。従来例によれば、幅ΔW1は0.5m程度、奥行き
ΔD1は2m程度である。ここで、同一判定領域A1を
被検出物体Oiの右側に設定する理由は、スキャンレー
ザレーダのビームが左から右へ掃引されることを前提と
している。
【0024】スキャンレーザレーダのビームの掃引方向
が反対であれば、同一判定領域A1を被検出物体Oiの
左側へ設定すればよい。ステップ511では、同一物体
判定の対象となる物体番号iを1だけ増やし、ステップ
502へ戻る。上記の同一判定処理により被検出物体は
n2個にまとめられ、O(1)=(X1,Y1),..,O
(n2)=(Xn2,Yn2)として記憶される。
【0025】移動ベクトル算出部9は、今回の測距時点
での被検出物体O(i)の相対位置(Xi,Yi)と被検出
物体O(i)と同一であるとみなされる前回の測距時点で
の被検出物体O'(j)の相対位置(X'j,Y'j)に基づ
いて、被検出物体O(i)の移動ベクトル(MXi,MY
i)を計算する。図26は移動ベクトル算出部9の動作
の流れを示すフローチャートである。以下、図26に基
づいて移動ベクトル算出部9の動作を説明する。
【0026】ステップ512では、前回の測距時点にお
ける被検出物体O'(j)の番号を1に初期化し、ステッ
プ513へ進む。前回の測距時点における被検出物体
O'(1)は、スキャンレーザレーダ1のビームの掃引方
向が左から右であるので、スキャンレーザレーダ1の検
出領域内で最も左側に存在する被検出物体である。
【0027】次にステップ513では、前回の測距時点
での物体番号jと前回の測距時点で検出された被検出物
体の総数n2'を比較する。jがn2'以下であれば全て
の被検出物体について移動ベクトルの算出を完了してい
ないのでステップ514〜ステップ519を繰り返し、
jがn2'より大きければ全ての被検出物体について移
動ベクトルの算出を完了したので処理を終了する。
【0028】ステップ514では、前回の測距時点にお
ける被検出物体O'(j)の移動ベクトル(M'Xj,M'Y
j)が算出されているか否かを判定する。移動ベクトル
が算出されている被検出物体O'(j)は、少なくとも前
々回と前回の測距時点の2回連続で検出されている被検
出物体である。一方、移動ベクトルが算出されていない
被検出物体O'(j)は、前回の測距時点で初めて検出し
た新規被検出物体である。
【0029】移動ベクトルが算出されていない場合は、
被検出物体O'(j)は新規被検出物体であるのでステッ
プ515へ進み、移動ベクトルが算出されている場合
は、被検出物体O'(j)は新規被検出物体でないのでス
テップ516へ進む。新規被検出物体の場合、ステップ
515で被検出物体O'(j)の周囲に予測範囲A2を設
定し、ステップ517へ進む。図27は予測範囲A2の
設定方法を示す説明図である。以下、図27に基づいて
新規被検出物体の周囲に予測範囲A2を設定する方法に
ついて説明する。
【0030】新規被検出物体はどのような動きの物体か
不明であるので、路側に設置されたリフレクタ(路側リ
フレクタ)のように自車両の速度と同じ大きさで接近し
てくる物体から追越し車両のように自車両から遠ざかる
物体の全てを想定して予測範囲A2を設定する必要があ
る。接近する物体としては路側リフレクタのような静止
物体を想定すれば良く、静止物体がスキャンレーザレー
ダ1の掃引周期の間に接近する距離ΔL1[m]は、速度
V[km/h]と掃引周期T[秒]から以下の(4)式で計算で
きる。
【0031】 ΔL1=V×(1000m/3600秒)×T ・・・(4)
【0032】遠ざかる物体としては、制限速度100[k
m/h]で走行しながら自車両を追越す車両を想定する。こ
の追越し車両がスキャンレーザレーダ1の掃引周期の間
に遠ざかる距離ΔL2[m]は、追越し車両と自車両の速
度差と掃引周期T[秒]以下の(5)式で計算できる。
【0033】 ΔL2=(100−V)×(1000m/3600秒)×T ・・・(5)
【0034】従って、予測範囲A2のY軸方向の範囲は
スキャンレーザレーダ1の計測誤差ΔEを加えて、被検
出物体O'(j)から原点方向へ距離ΔL1+ΔE、原点
と反対方向へ距離ΔL2+ΔEである。予測範囲A2の
X軸方向の範囲はスキャンレーザレーダ1の計測誤差Δ
Eを考慮すればよく、被検出物体O'(j)の両側に距離
ΔEの範囲である。
【0035】新規被検出物体でない場合、ステップ51
6で被検出物体O'(j)の相対位置(X'j,Y'j)と移
動ベクトル(M'Xj,M'Yj)に基づいて予測範囲を設
定し、ステップ517へ進む。図28は予測範囲A3の
設定方法を示す説明図である。以下、図28に基づいて
新規被検出物体でない被検出物体に対して予測範囲A3
を設定する方法について説明する。
【0036】移動ベクトルを持つ被検出物体O'(j)が
スキャンレーザレーダ1の掃引周期Tの間に移動する距
離は、移動ベクトルと掃引周期Tの積で計算できる。従
って、前回の測距時点における被検出物体O'(j)の今
回の測距時点での予測位置(Xp,Yp)は以下の式で計
算できる。予測範囲A3は予測位置(Xp,Yp)を中心
として両側にスキャンレーザレーダ1の計測誤差ΔEの
幅を持つ正方形の範囲となる。
【0037】 Xp=X'j+(M'Xj×T) ・・・(6) Yp=Y'j+(M'Yj×T)
【0038】予測範囲A2またはA3の何れかが設定さ
れるとステップ517で設定した予測範囲内に今回の測
距時点における被検出物体O(i)が存在する否かを調べ
る。予測範囲内に被検出物体が存在する場合は予測範囲
内の今回の測距時点における被検出物体O(i)と予測範
囲の設定元となった前回の測距時点における被検出物体
O'(j)を同一物体であると判定しステップ518へ進
む。
【0039】一方、予測範囲内に被検出物体が存在しな
い場合は予測範囲の設定元となった前回の測距時点にお
ける被検出物体O'(j)は今回の測距時点で検出されな
かったと判定しステップ519へ進む。前回の測距時点
における被検出物体O'(j)と今回の測距時点における
被検出物体O(i)が同一物体であると判定された場合、
ステップ518で被検出物体O'(j)の相対位置(X'
j,Y'j)と被検出物体O(i)の相対位置(Xi,Yi)
に基づいて被検出物体O(i)の移動ベクトル(MXi,
MYi)を以下の(7)式により計算する。その後、ス
テップ519へ進む。
【0040】 MXi=Xi−X'i ・・・(7) MYi=Yi−Y'i
【0041】ステップ519では移動ベクトル算出の対
象とする前回の測距時点での物体番号jを1増やしステ
ップ513へ戻る。
【0042】車両認識部10は、相対位置算出部4が算
出した被検出物体の相対位置と移動ベクトル算出部9が
算出した被検出物体の移動ベクトルに基づいて、どの被
検出物体が車両であるかを認識する。車両の後部には2
個のリフレクタが設置されており、スキャンレーザレー
ダ1で車両を計測すると、同じ移動ベクトルを持つ2個
の被検出物体が検出される。
【0043】しかも、これらの被検出物体群は車両の幅
に相当する位置関係を持ち、奥行き方向の距離はほぼ等
しいという性質を持つ。車両認識部10はこの特徴を利
用して車両を認識する。図29は、車両認識部10の動
作の流れを示すフローチャートである。以下、図29に
基づいて車両認識部10の動作について説明する。
【0044】ステップ520で、車両認識処理の対象と
する被検出物体O(i)の物体番号iを1に初期化し、ス
テップ521へ進む。ステップ521では、物体番号i
と相対位置算出部4が検出した被検出物体の総数n2を
比較する。物体番号iが被検出物体の総数n2以下の場
合、車両認識処理を継続するためステップ522へ進
み、物体番号iが被検出物体の総数n2より大きい場
合、全ての被検出物体について車両認識処理を完了した
ので処理を終了する。
【0045】物体番号iが被検出物体の総数n2以下の
場合、ステップ522で被検出物体O(i)とペアである
かを判定する対象の被検出物体O(j)の物体番号jをi
+1に初期化してステップ523へ進む。ステップ52
3では、被検出物体O(j)の物体番号jと相対位置算出
部4が検出した被検出物体の総数n2を比較する。物体
番号jが被検出物体の総数n2以下の場合、残った被検
出物体O(j)が被検出物体O(i)とペアであるかの判定
を継続するためステップ524へ進む。
【0046】そして、物体番号jが被検出物体の総数n
2より大きい場合、残り全ての被検出物体O(j)につい
て被検出物体O(i)とペアであるかの判定を完了したの
でステップ527へ進む。ステップ524では、被検出
物体O(i)とO(j)がペアであるか否かを判定する。被
検出物体O(i)とO(j)がペア条件を満たす場合、両者
はペアであると判定しステップ525へ進み、ペア条件
を満たさない場合、両者はペアでないと判定してステッ
プ526へ進む。ペア条件は以下の条件式(8)であ
り、この条件の全てを満たした場合にペアであると判定
する。
【0047】 |Xi−Xj|≦閾値C1 |Yi−Yj|≦閾値C2 |MXi−MYi|≦閾値C3 ・・・(8) |MYi−MYi|≦閾値C4
【0048】ここで、閾値C1は車両の横幅に相当する
閾値であり、閾値C2はほぼ進行方向における距離差の
許容範囲であり、閾値C3と閾値C4は移動ベクトルが
ほぼ等しいことを示す閾値である。被検出物体O(i)と
O(j)がペアである場合、ステップ525で車両候補で
ある被検出物体群を記憶する一時記憶領域へ被検出物体
O(i)とO(j)を登録し、ステップ526へ進む。
【0049】ステップ526では、被検出物体O(i)と
ペアであるか否かを判定する対象とする物体番号jを1
だけ増やしステップ523へ戻る。物体番号jが被検出
物体の総数n2より大きい場合、被検出物体O(i)につ
いてペア条件を満たす他の被検出物体O(j)があるか否
かを調べたので、ステップ527で被検出物体O(i)が
車両か否かを判定する。
【0050】判定方法は、一時記憶領域に被検出物体O
(i)とO(j)が登録されていれば被検出物体O(i)を車
両であると判定し、一時記憶領域に何も登録されていな
ければ被検出物体O(i)を車両でないと判定する。被検
出物体O(i)が車両である場合にはステップへ528進
み、被検出物体O(i)が車両でない場合にはステップ5
29へ進む。
【0051】被検出物体O(i)が車両である場合、ステ
ップ528で被検出物体O(i)とペアである被検出物体
O(j)を1つにまとめ車両C(k)とし、車両C(k)の相
対位置と移動ベクトルを計算し、その後ステップ529
へ進む。車両C(k)の相対位置(Xk,Yk)は、被検出
物体O(i)の相対位置(Xi,Yi)と被検出物体O(j)
の相対位置(Xj,Yj)に基づいて以下の式(9)によ
り計算される。
【0052】 Xk=(Xi+Xj)/2 ・・・(9) Yk=(Yi+Yj)/2
【0053】同様に車両C(k)の移動ベクトル(MX
k,MYk)は、被検出物体O(i)の移動ベクトル(MX
i,MYi)と被検出物体O(j)の移動ベクトル(MX
j,MYj)に基づいて以下の式(10)により計算さ
れる。
【0054】 MXk=(MXi+MXj)/2 ・・・(10) MYk=(MYi+MYj)/2
【0055】上記の式により算出した車両の相対位置と
移動ベクトルを車両記憶領域C(k)に(Xk,Yk,M
Xk,MYk)として記憶する。また、被検出物体O
(i)とO(j)のペアには車両であることを示すフラグF
cを付与しておく。ステップ529では、車両認識処理
の対象とする物体番号iを1だけ増やしステップ521
へ戻る。
【0056】道路形状認識部11は、路側リフレクタ認
識部12、路側リフレクタ左右判定部14、道路形状近
似部15、道路形状信頼度算出部22の4つの部分から
構成される。以下、上記4つの部分について説明する。
【0057】路側リフレクタは道路に設置された静止物
体であるから、速度Vで走行中の自車両から路側リフレ
クタを観測すれば、路側リフレクタは速度Vで自車両に
接近するように見える。まず、路側リフレクタ認識部1
2は、この性質を利用して車両認識部10が車両と認識
した被検出物体を除く被検出物体から路側リフレクタを
認識する。図30は路側リフレクタ認識部12の路側リ
フレクタ認識処理を示すフローチャートである。以下、
この図30に基づいて、路側リフレクタ認識処理につい
て説明する。
【0058】ステップ530では、路側リフレクタ認識
処理の対象とする被検出物体O(i)の物体番号を1に初
期化し、ステップ531へ進む。ステップ531では、
物体番号iと検出した被検出物体の総数n2を比較す
る。 物体番号iが被検出物体の総数n2以下の場合に
は残りの被検出物体について路側リフレクタ認識処理を
繰り返すためステップ532へ進み、物体番号iが被検
出物体の総数n2より大きい場合には全ての被検出物体
について路側リフレクタ認識処理を完了したので終了す
る。
【0059】物体番号iが被検出物体の総数n2以下の
場合、ステップ532で被検出物体O(i)が車両と判定
されているか否かをチェックする。チェックの方法は、
被検出物体O(i)に車両であることを示すフラグFcが
付与されていれば被検出物体O(i)は車両と判定されて
おり、フラグFcが付与されていなければ被検出物体O
(i)は車両でない判定されていることが判る。被検出物
体O(i)が車両でない場合にはステップ533へ進み、
車両である場合には被検出物体O(i)は路側リフレクタ
ではないのでステップ535へ進む。
【0060】被検出物体O(i)が車両でない場合、ステ
ップ533で被検出物体O(i)が静止物体か否かを判定
する。静止物体と判定する方法について説明する。車速
V[km/h]で走行する自車両がスキャン周期T[秒]の間に
進む距離ΔL1[m]は上記(4)式で計算できる。距離Δ
L1と被検出物体O(i)のY方向の移動ベクトルMYi
の長さが一致し、かつ向きが反対であれば静止物体と判
定する。従って、以下の条件式を満たせば被検出物体O
(i)を静止物体と判定する。
【0061】 |(−ΔL1)−MYi|≦閾値r ・・・(11)
【0062】上記(11)式により被検出物体O(i)が静
止物体と判定された場合には被検出物体O(i)は路側リ
フレクタであるのでステップ534へ進み、静止物体で
ないと判定された場合には路側リフレクタでないのでス
テップ535へ進む。
【0063】被検出物体O(i)が静止物体と判定された
場合、ステップ534で被検出物体O(i)に路側リフレ
クタであることを示すフラグFrを付与し、ステップ5
35へ進む。
【0064】ステップ535では路側リフレクタ認識処
理の対象とする物体番号iを1だけ増やしてステップ5
31へ戻る。
【0065】路側リフレクタは道路の左右両側に設置さ
れており、路側リフレクタを利用して道路形状を推定す
るためには道路の左側に設置されている路側リフレクタ
と右側に設置されている路側リフレクタを判定する必要
がある。自車両から道路の左側に設置された路側リフレ
クタ(左路側リフレクタ)を観測すると、左路側リフレク
タは自車両の左側を自車に向かって近づいて最終的に自
車両の左側を通過する。右路側リフレクタも左右が異な
るだけで同様の動き方をする。
【0066】つまり、路側リフレクタの移動ベクトルを
自車方向へ延長した直線が自車の真横(X軸)と交わる位
置が自車中心(原点)の左側か右側かで左路側リフレクタ
か右路側リフレクタかを判定できる。路側リフレクタ左
右判定部14は、この性質を利用して路側リフレクタの
左右判定を行う。
【0067】図31は路側リフレクタの左右判定処理の
動作を示すフローチャートである。以下、図31に基づ
いて路側リフレクタ左右判定部14の路側リフレクタ左
右判定処理について説明する。
【0068】ステップ536では、路側リフレクタ左右
判定処理の対象とする被検出物体O(i)の物体番号iを
1に初期化し、ステップ537へ進む。ステップ537
では、物体番号iと検出した被検出物体の総数n2を比
較する。物体番号iが被検出物体の総数n2以下の場合
には残りの被検出物体について左右判定処理を繰り返す
ためステップ538へ進み、物体番号iが被検出物体の
総数n2より大きい場合には全ての被検出物体について
左右判定処理を完了したので終了する。
【0069】物体番号iが被検出物体の総数n2以下の
場合、ステップ538で被検出物体O(i)が路側リフレ
クタと判定されたか否かをチェックする。チェックの方
法は、被検出物体O(i)が路側リフレクタであることを
示すフラグFrを付与されていれば路側リフレクタと判
定されたことが判る。
【0070】上記のチェック方法により被検出物体O
(i)が路側リフレクタである場合には左右判定を続行す
るためステップ539へ進み、被検出物体O(i)が路側
リフレクタでない場合には左右判定の必要がないのでス
テップ543へ進む。被検出物体O(i)が路側リフレク
タである場合、ステップ539で被検出物体O(i)の移
動ベクトル(MXi,Myi)を延長した直線を求め、こ
の直線とX軸の交点(Xc,0)を計算する。
【0071】直線を求める方法は、被検出物体O(i)の
移動ベクトルの計算方法から今回の測距時点での被検出
物体O(i)の相対位置(Xi,Yi)と前回の測距時点で
の同一被検出物体O'(j)の相対位置(X'j,Y’j)を
結ぶ直線を計算すればよい。2点を結ぶ直線の計算方法
および、直線とX軸の交点を計算する方法については容
易な幾何学演算であるのでここでは説明を省略する。交
点(Xc,0)を計算した後、ステップ540へ進む。
【0072】ステップ540では、ステップ539で計
算した交点のX座標Xcの正負を判定する。Xcが負の
場合、自車両の左側を通過するので被検出物体O(i)は
左路側リフレクタであると判定しステップ541へ進
み、Xcが正の場合、自車両の右側を通過するので被検
出物体O(i)は右路側リフレクタであると判定しステッ
プ542へ進む。
【0073】被検出物体O(i)が左路側リフレクタの場
合、ステップ541で被検出物体O(i)に左路側リフレ
クタであることを示すフラグFrlを付与し、ステップ
543へ進む。被検出物体O(i)が右路側リフレクタの
場合、ステップ542で被検出物体O(i)に右路側リフ
レクタであることを示すフラグFrrを付与し、ステッ
プ543へ進む。ステップ543では路側リフレクタの
左右判定処理の対象とする物体番号iを1だけ増やして
ステップ537へ戻る。
【0074】道路形状近似部15は、左右判定の結果か
ら路側リフレクタの数が多い側の路側リフレクタに基づ
いて道路形状を直線または円で近似する。図31は道路
形状近似処理の動作を示すフローチャートである。以
下、図31に基づいて道路形状近似部15の道路形状近
似処理について説明する。
【0075】ステップ544では、左右の路側リフレク
タの数を計算しステップ545へ進む。計算方法は、被
検出物体O(i)に付与された左右の路側リフレクタであ
ることを示すフラグFrr、Frlの数をカウントす
る。
【0076】ステップ545では、左右の路側リフレク
タの数を比較し、左路側リフレクタの数が多い場合には
左路側リフレクタに基づいて道路形状を計算するためス
テップ546へ進み、右路側リフレクタの数が多い場合
には右路側リフレクタに基づいて道路形状を計算するた
めステップ547へ進む。左路側リフレクタの数が多い
場合、ステップ546でフラグFrlが付与された被検
出物体O(i)を一時記憶領域へ読み込みステップ548
へ進む。
【0077】反対に右路側リフレクタの数が多い場合、
ステップ547でフラグFrrが付与された被検出物体
O(i)を一時記憶領域へ読み込みステップ548へ進
む。ステップ548では一時記憶領域に記憶された被検
出物体O(i)の中で自車両に最も近い路側リフレクタ
(最近傍路側リフレクタ)と自車両から最も遠い路側リフ
レクタ(最遠方路側リフレクタ)を探す。最近傍路側リフ
レクタはY座標が最小の路側リフレクタで、最遠方路側
リフレクタはY座標が最大の路側リフレクタである。そ
の後ステップ549へ進む。
【0078】ステップ549では、最近傍路側リフレク
タのX座標Xnと最遠方路側リフレクタのX座標Xfに
基づいて道路形状を直線とみなして良いかどうかを判定
する。そして、以下の条件式を満たす場合は直線と判定
し、満たさない場合を直線でないと判定する。
【0079】 |Xn−Xf|≦閾値s ・・・(12)
【0080】上記(12)式を満たし道路形状を直線と見
做す場合にはステップ550へ進み、上記条件式を満た
さず道路形状を直線と見做せない場合にはステップ55
1へ進む。
【0081】道路形状を直線と見做す場合、ステップ5
50で道路形状を近似する近似直線を計算する。近似直
線は最近傍路側リフレクタを通りY軸に平行な直線であ
り、以下の式で表される。
【0082】 X=Xn ・・・(13)
【0083】道路形状を直線と見做せない場合、ステッ
プ551で道路形状を円で近似し近似円を計算する。近
似円はX軸上に中心を持つ円であり、最近傍路側リフレ
クタの相対位置(Xn,Yn)と最遠方路側リフレクタの
相対位置(Xf,Yf)に基づいて計算される。近似円の
中心を(Xe,0)、半径をRとすると、中心のX座標X
eと半径Rは以下の式(14)で計算される。
【0084】 Xe=(Xf2−Xn2+Yf2−Yn2)/{2(Xf−Xn)} R=sqrt{(Xn−Xe)2+Yn2} ・・・(14)
【0085】道路形状信頼度算出部22は、上記道路形
状近似部15が計算した近似直線または近似円の信頼度
を算出する。近似直線または近似円を基準として一定幅
の許容範囲を設定し、この許容範囲内に上記の道路形状
近似処理で用いなかった路側リフレクタ(未利用路側リ
フレクタ)が存在するか否かによって道路形状の信頼度
を算出する。
【0086】道路形状が近似直線X=Xlで表される場
合、許容範囲は近似直線の両側に幅ΔXの範囲で設定さ
れる。すなわち、X=Xl−ΔXからX=Xl+ΔXま
でのY軸に平行な幅2ΔXの範囲である。
【0087】道路形状が近似円(X−Xc)2+Y2=R
2で表される場合、許容範囲は近似円の両側に同心円状
に幅ΔRの範囲で設定される。すなわち、(X−Xc)2
+Y2=(R−ΔR)2から(X−Xc)2+Y2=(R+
ΔR)2までの範囲である。
【0088】許容範囲を設定した後、未利用路側リフレ
クタが許容範囲内に存在するか否かをを調べる。未利用
路側リフレクタが無い場合、道路形状の信頼度は0と判
定される。
【0089】未利用路側リフレクタが1個の場合、未利
用路側リフレクタが許容範囲内であれば道路形状の信頼
度は1と判定され、許容範囲外であれば道路形状の信頼
度は0と判定される。未利用リフレクタが複数ある場合
は、最近傍路側リフレクタと最遠方路側リフレクタの中
央に最も近い位置にある未利用路側リフレクタを選び、
選択された未利用路側リフレクタが許容範囲内であれば
道路形状の信頼度は1と判定され、許容範囲外であれば
道路形状の信頼度は0と判定される。
【0090】車線信頼度算出部23は、道路形状認識部
11が認識した道路形状と被検出物体の相対位置に基づ
いて、検出した全ての被検出物体について被検出物体が
自車線上である自車線信頼度と被検出物体が他車線上で
ある他車線信頼度算出する。車線信頼度算出部23は、
第1の車線信頼度算出部24から第3の車線信頼度算出
部26の3つの部分から構成されている。以下で上記の
3つの部分の信頼度の算出方法について説明する。
【0091】第1の車線信頼度算出部24は、道路形状
認識部11が認識した道路形状の信頼度が1の場合に、
自車両から路側までの距離と被検出物体から路側までの
距離に基づいて、各被検出物体が自車線上にある信頼度
と他車線上にある信頼度を算出する。道路形状の信頼度
が0の場合には上記信頼度を算出しない。
【0092】認識された道路形状に基づいて自車両から
路側までの距離D0と、検出した被検出物体O(i)から
路側までの距離Diを算出し、D0とDiの差を評価値
riとして先行車としての信頼度を算出する。なお、評
価値riの計算方法は従来例で詳しく説明されているの
で、ここでは説明を省略する。
【0093】道路形状が直線の場合、評価値riは被検
出物体O(i)の相対位置(Xi,Yi)と道路形状を表す
近似直線から以下の式(15)で計算される。
【0094】 ri=|Xi| ・・・(15)
【0095】道路形状が右カーブの場合(Xc<0)、評
価値riは被検出物体の相対位置(Xi,Yi)と道路形
状を表す近似円から以下の式(16)で計算される。
【0096】 ri=|−R+sqrt(R2−Yi2)−Xi| ・・・(16)
【0097】道路形状が左カーブの場合(Xc>0)も右
カーブの場合と同様に、評価値riは以下の式(17)
で計算される。
【0098】 ri=|R−sqrt(R2−Yi2)−Xi| ・・・(17)
【0099】評価値riを上記(15)〜(17)式により
算出した後、第1の車線信頼度算出部24は被検出物体
O(i)が自車線上である自車線信頼度Jriと他車線上
である他車線信頼度Triを算出する。
【0100】自車線信頼度Jriは図33に示す自車線
を表すメンバーシップ関数に対する評価値riの適合度
によって決まる。同様に、他車線信頼度Triも図33
に示す他車線を表すメンバーシップ関数に対する評価値
riの適合度によって決まる。
【0101】第2の車線信頼度算出部25は、被検出物
体O(i)の相対位置(Xi,Yi)と移動ベクトル(MX
i,MYi)に基づいて、被検出物体O(i)が相対位置
から自車両方向へ移動したときにX軸と交わる点のX座
標Xciの絶対値を評価値ciとして算出する。ただ
し、移動ベクトルのY成分MYiが閾値より小さな被検
出物体O(i)については正確な信頼度を算出できないの
で信頼度を算出しない。
【0102】なお、評価値ciの計算方法は従来例で詳
しく説明されているので、ここでは説明を省略する。道
路形状が直線の場合、先行車は自車両の正面前方に存在
するので、先行車は自車両から見るとY軸に沿って動
く。従って、評価値ciは以下の(18)式のように被
検出物体O(i)の相対位置のX座標Xiの絶対値とな
る。
【0103】 ci=|Xi| ・・・(18)
【0104】道路形状が右カーブの場合、先行車両は自
車両から見るとX軸上に中心を持つ円に沿って動く。従
って、X軸との交点の座標Xciは路側リフレクタの左
右判定の処理と同様にして計算でき、評価値ciは以下
の式(19)により計算できる。
【0105】 ci=|Xi+Yi×[(MYi/MXi)− sqrt{(MYi/MXi)2+1}]| ・・・(19)
【0106】道路形状が左カーブの場合も同様に計算
し、評価値ciは以下の(20)式で計算できる。
【0107】 ci=|Xi+Yi×[(MYi/MXi)+ sqrt{(MYi/MXi)2+1}]| ・・・(20)
【0108】上記(18)〜(20)式により評価値ciを
算出した後、第2の車線信頼度算出部25は被検出物体
O(i)が自車線上である自車線信頼度Jciと他車線上
である他車線信頼度Tciを算出する。
【0109】自車線信頼度Jciは図34に示す自車線
を表すメンバーシップ関数に対する評価値ciの適合度
によって決まる。同様に、他車線信頼度Tciも図34
に示す他車線を表すメンバーシップ関数に対する評価値
ciの適合度によって決まる。
【0110】図35は左カーブと右カーブの両方の場合
の自車線を表す説明図である。図において、斜線部は左
カーブと右カーブで共通に物体を検出できる共通領域を
表す。この共通領域に図36に示す自車線領域を表すメ
ンバーシップ関数を設する。図36のメンバーシップ関
数は自車両に近い程グレードが大きく、自車両から遠く
なる程、また側方へ外れる程グレードが小さい。
【0111】第3の車線信頼度算出部26は、被検出物
体O(i)の相対位置(Xi,Yi)を評価値piとして、
評価値piのメンバーシップ関数に対する適合度により
自車線信頼度Jpiを算出する。なお、この処理では他
車線信頼度Tpiは算出されない。
【0112】先行車認識部18は、車線信頼度算出部2
3が算出した被検出物体から路側までの距離による信頼
度、被検出物体の相対位置と移動ベクトルによる信頼
度、被検出物体の相対位置のみによる信頼度の3種類の
信頼度に基づいて先行車を認識する。
【0113】先行車認識部18は、被検出物体O(i)毎
に自車線信頼度JriとJciとJpiを合計し、他車
線信頼度TriとTciを合計する。先行車認識部18
は、自車線信頼度の総和が他車線信頼度の総和より大き
い被検出物体を自車線上の被検出物体と判定し、逆に他
車線信頼度の総和が自車線信頼度の総和より大きい被検
出物体を他車線上の被検出物体と判定する。自車線上の
被検出物体と判定された被検出物体の内で相対位置のY
座標Yiが最も小さい被検出物体O(i)を先行車として
認識し、Yiを先行車までの車間距離とする。
【0114】危険度判定部19は、先行車認識部18が
先行車として認識した被検出物体O(i)の相対位置(X
i,Yi)と移動ベクトル(MXi,Myi)に基づいて
危険度を判定する。危険度を判定する方法は、車間距離
Yiが小さいほど危険度Kdが大きくなり、移動ベクト
ルのY成分MYiが負の大きい値であるほど危険度Km
が大きくなるように設定し、危険度KdとKmの合計が
閾値以上の場合に危険な状態と判定する。危険度判定部
19は危険であると判定した場合に、警報出力部20へ
警報を出力するように指示を出すと共に、危険回避動作
部21へも危険回避動作を行うように指示を出す。
【0115】警報出力部20はブザーやランプから構成
され、危険判定部19の指示に従ってブザーから警報音
を鳴らすと共にランプ等を点滅させ運転者に危険を報知
する。
【0116】危険回避部21はブレーキやブレーキ制御
部から構成され、危険判定部19の指示に従って自動的
にブレーキを動作させ自車両を減速させる。
【0117】
【発明が解決しようとする課題】
〔課題1〕以上のように、従来の車間距離検出装置にお
ける同一判定部は、検出した被検出物体の位置をXY座
標変換した後、被検出物体の位置からX軸に沿って掃引
終了方向にずらした長方形の同一判定範囲を設定し、こ
の範囲内に他の被検出物体が存在する場合に同一判定範
囲の設定元の被検出物体と同一判定範囲内の被検出物体
を同一物体と判定するように構成されている。
【0118】このため、手前の路側リフレクタで一部を
遮られた遠方の路外に設置された看板などの1m以上の
幅を持つ被検出物体を同一物体と判定できず複数の分断
された物体として取り扱うので、分断された物体により
移動ベクトルの計算を誤ったり、看板等の分断された物
体を路側リフレクタと誤認識するという問題点があっ
た。
【0119】例えば、ビームの角度は80/12°から
0.25°であり、このビームの幅は80m先で80m×0.
25°×(2π/360°)から約0.35mとなる。従って、
手前の物体で2本のビームが遮られると80m先では約
0.7mの幅が検出できなくなる。従来例の同一判定範
囲の幅は0.5mであるので、2本のビームが遮られる
と80m先では分断された看板を同一物体と判定できな
い。
【0120】〔課題2〕また、従来の車間距離検出装置
における移動ベクトル算出部は、移動ベクトルが既知の
被検出物体に対して設定する面積の小さい予測範囲と移
動ベクトルが未知の新規被検出物体に対して設定する面
積が大きい予測範囲に優先順位を付けずに掃引開始方向
から順に移動ベクトルを算出するように構成されてい
る。
【0121】このため、掃引開始方向により近い位置に
ある新規被検出物体に対して設定した予測範囲内に、掃
引終了方向により近い位置にある移動ベクトルが既知の
被検出物体と同一と判定されるべき被検出物体が入った
場合、新規被検出物体とこの被検出物体に基づいて誤っ
た移動ベクトルが算出され、更に本来算出すべき移動ベ
クトルを算出できなくなるという問題点があった。
【0122】〔課題3〕従来の車間距離検出装置におけ
る路側リフレクタ認識部は、車両と判定された被検出物
体以外の内で自車両の速度と被検出物体の移動ベクトル
の比較により静止物体と判定された被検出物体全てを路
側リフレクタと認識するように構成されている。このた
め、高速道路などの道路外に設置されインターチェンジ
までの距離などを表示する看板を路側リフレクタと誤認
識し、看板により道路形状の認識を誤るという問題点が
あった。
【0123】〔課題4〕従来の車間距離検出装置におけ
る路側リフレクタ左右判定部は、路側リフレクタを左右
判定する際に遠方に位置する路側リフレクタと近傍に位
置する路側リフレクタを同列に扱い、全ての路側リフレ
クタについて移動ベクトルを延長した直線とX軸の交点
のX座標の正負により左路側リフレクタか右路側リフレ
クタかを判定するように構成されている。
【0124】このため、例えば急な左カーブの右路側の
遠方に位置する路側リフレクタの相対位置は自車両の中
心(Y軸)より左側に位置しスキャンレーザレーダの左右
方向の検出誤差により移動ベクトルが本来よりもY軸と
平行な方向にずれると、移動ベクトルを延長した直線と
X軸との交点のX座標は負になり、右路側リフレクタを
左路側リフレクタと誤認識するという問題点があった。
【0125】〔課題5〕従来の車間距離検出装置におけ
る道路形状近似部は、道路形状を直線または円で近似す
るように構成されている。しかしながら、円で近似でき
る部分はカーブの曲率が最も大きい部分だけであり、ま
た直線部分も日本の地形の制約および長い直線部が運転
者へ与える影響を考慮して道路全体の一部を占めるだけ
である。
【0126】直線と円を結ぶ中間部分はクロソイド曲線
と呼ばれる曲率が徐々に変化する曲線で設計されてお
り、この部分が道路の大半を占める。このため、直線と
曲線だけで道路形状近似すると近似誤差が大きくなり、
先行車の認識精度が低下するという問題点があった。
【0127】〔課題6〕従来の車間距離検出装置におけ
る道路形状近似部は、道路形状を近似する直線または円
を計算するためには、少なくとも片側の路側で2個以上
の路側リフレクタを必要とし、更に道路形状の信頼度判
定で近似計算に用いた2個の路側リフレクタ以外に1個
以上の未利用路側リフレクタがなければ、道路形状の信
頼度は0と判定するように構成されている。つまり片側
の路側について最低3個以上の路側リフレクタを検出で
きない場合、道路形状に基づいて先行車を認識できない
という問題点があった。
【0128】〔課題7〕従来の車間距離検出装置におけ
る道路形状近似部は、計測時点毎に道路形状を計算する
が、今回の計測時点における道路形状と前回の計測時点
における道路形状とが似ているか否かを判定するように
構成されていないので、単発的な道路形状の誤りが先行
車認識結果へ即座に影響を与えて誤認識を発生するとい
う問題点があった。
【0129】〔課題8〕従来の先行車認識部は、第1か
ら第3の車線信頼度に基づいて先行車を認識するように
構成されているので、道路形状を認識できない場合は、
被検出物体から路側までの距離と自車両から路側までの
距離に基づいた第1の車線信頼度と、被検出物体の相対
位置と移動ベクトルに基づいた第2の車線信頼度は利用
できず、被検出物体の相対位置に基づいた第3の車線信
頼度だけを利用して先行車を認識する。このため、自車
両の正面かつ近距離の先行車だけしか認識できず、カー
ブ道路形状を認識できない場合では先行車を正しく認識
できないという問題点があった。
【0130】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、直線路や曲線路等の様々な道路
状況下を走行中でも先行車を精度良く認識でき、正しい
車間距離を検出できる車間距離検出装置を得ることを目
的とする。
【0131】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る車
間距離検出装置は、自車両より電磁波を掃引しながら照
射し被検出物体により反射された電磁波を検出して上記
被検出物体の上記自車両との距離及び方向を掃引周期毎
に繰り返し計測し、上記被検出物体の上記自車両からの
相対位置を算出する相対位置算出手段、左右片側または
左右両側の路側リフレクタ軌跡に基づいて道路形状を近
似する道路形状近似手段から構成され道路形状を認識す
る道路形状認識手段、上記道路形状認識手段が認識した
道路形状に基づいて自車両が走行中の自車線範囲を算出
する自車線算出手段、上記相対位置算出手段が算出した
被検出物体の相対位置情報と上記自車線算出手段が算出
した自車線範囲に基づいて先行車を認識する先行車認識
手段を備えると共に、上記相対位置算出手段を、自車両
より電磁波を掃引しながら照射し物体により反射された
電磁波を検出して上記物体の上記自車両との距離及び方
向を掃引周期毎に繰り返し計測する物体検出手段と、上
記物体検出手段が検出した被検出物体の内で一繋がりの
物体が複数の方向に分割されて検出された分割被検出物
体群を、上記分割被検出物体群の検出方向の連続性と上
記分割被検出物体群の距離に基づいて一繋がりの物体か
否かを判定し、一繋がりの物体と判定した上記分割被検
出物体群を結合する第1の同一物体判定手段と、上記第
1の同一物体判定手段により結合された被検出物体と結
合されなかった被検出物体の内で、遠方の一繋がりの物
体が上記物体検出手段が照射する電磁波の照射方向途中
に存在する物体により遮断され複数の物体として検出さ
れる遮断被検出物体群を、上記遮断被検出物体群と照射
方向途中に存在する被検出物体群の検出方向の連続性と
距離に基づいて一繋がりの物体か否かを判定し、一繋が
りの物体と判定した上記遮断被検出物体群を結合する第
2の同一物体判定手段と、上記第1の同一物体判定手段
と上記第2の同一物体判定手段により結合された被検出
物体と結合されなかった被検出物体について特徴量を算
出する特徴算出手段とから構成したものである。
【0132】請求項2の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項1の発明に係る車間距離検出装置において、
上記道路形状認識手段、上記物体検出手段の掃引周期
と異なる計測時点における同一物体の相対位置の変化に
基づいて被検出物体の移動ベクトルを算出する移動ベク
トル算出手段、自車両の速度を計測する車両速度計測
手段と、車両速度計測手段が計測した自車両の速度と上
記相対位置算出手段が算出した被検出物体の相対位置と
上記移動ベクトル算出手段が算出した被検出物体の移動
ベクトルに基づいて道路の路側に設置された路側リフレ
クタを認識する路側リフレクタ認識手段と、上記路側リ
フレクタ認識手段が認識した路側リフレクタの複数の計
測時点に渡る位置変化である路側リフレクタ軌跡を算出
する路側リフレクタ軌跡算出手段と、上記路側リフレク
タ軌跡算出手段が算出した路側リフレクタ軌跡に基づい
て道路の左側に設置されている路側リフレクタ軌跡と右
側に設置されている路側リフレクタ軌跡を判定する路側
リフレクタ左右判定手段と、上記路側リフレクタ左右判
定手段が判定した左右片側または左右両側の路側リフレ
クタ軌跡に基づいて道路形状を近似する道路形状近似手
段から構成したものである。
【0133】請求項3の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2の発明に係る車間距離検出装置に加えて、
移動ベクトル算出手段は、前回の計測時点において移動
ベクトルが既に算出されている既知被検出物体に対して
前回の計測時点における既知被検出物体の相対位置と移
動ベクトルに基づいて今回の計測時点における既知被検
出物体の相対位置の第1の予測範囲を設定し、前回の計
測時点において移動ベクトルが算出されていない新規被
検出物体に対して前回の計測時点における新規被検出物
体の相対位置と車両速度計測手段が計測した自車両の速
度に基づいて今回の計測時点における新規被検出物体の
相対位置の第2の予測範囲を設定し、第1の予測範囲と
今回の計測時点における被検出物体の相対位置に基づい
て前回の計測時点における既知被検出物体と同一である
今回の測距時点における被検出物体を決定した後、第2
の予測範囲と今回の計測時点における被検出物体の相対
位置に基づいて前回の計測時点における新規被検出物体
と同一である今回の測距時点における被検出物体を決定
し、前回と今回の計測時点における被検出物体の位置変
化に基づいて被検出物体の移動ベクトルを算出するよう
に構成したものである。
【0134】請求項4の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2または請求項3の発明に係る車間距離検出
装置に加えて、特徴算出手段は被検出物体の自車両に対
する相対位置を表す特徴量に加えて被検出物体の大きさ
を表す特徴量を算出し、移動ベクトル算出手段は前回の
計測時点における被検出物体に基づいて設定した第1ま
たは第2の予測範囲内に存在する今回の計測時点におけ
る被検出物体と第1または第2の予測範囲の設定元の被
検出物体について、特徴算出手段が算出した被検出物体
の大きさを示す特徴量を比較し、両被検出物体の特徴量
に相違がある場合には両者を同一物体ではないと判定し
移動ベクトルを算出しない機能を更に備えたものであ
る。
【0135】請求項5の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項3または請求項4の発明に係る車間距離検出
装置において、移動ベクトル算出手段は、第1または第
2の予測範囲内に今回の計測時点における被検出物体が
1個だけ存在する場合に同一物体であると判定して優先
的に移動ベクトルを算出し、その後、上記第1または第
2の予測範囲内に今回の計測時点における被検出物体が
複数個存在する場合の移動ベクトルを算出するものであ
る。
【0136】請求項6の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項から請求項5のいずれかの発明に係る車間
距離検出装置において、移動ベクトル算出手段は、第1
または第2の予測範囲が上記物体検出手段の検出範囲内
である場合に優先的に移動ベクトルを算出し、その後、
上記第1または第2の予測範囲が上記物体検出手段の検
出範囲外である場合の移動ベクトルを算出するものであ
る。
【0137】請求項7の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2から請求項6のいずれかの発明に係る車間
距離検出装置に加えて、特徴算出手段は、被検出物体の
相対位置を表す特徴量に加えて被検出物体の大きさを表
す特徴量を算出し、路側リフレクタ認識手段は特徴算出
手段が算出した被検出物体の大きさを表す特徴量と移動
ベクトル算出手段が算出した移動ベクトルと車両速度計
測手段が計測した自車両の速度に基づいて路側リフレク
タを認識するように構成したものである。
【0138】請求項8の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項の発明に係る車間距離検出装置において
記路側リフレクタ認識手段を、特徴算出手段が算出し
た被検出物体の大きさを表す特徴量と移動ベクトル算出
手段が算出した移動ベクトルと車両速度計測手段が計測
した自車両の速度に基づいて路側リフレクタ候補を抽出
し、路側リフレクタ候補の相対位置の横方向に沿って両
側に車幅相当の大きさを持つ探索領域を設定し上記探索
領域内に他の路側リフレクタ候補が存在しない場合に路
側リフレクタ候補を路側リフレクタと判定するように構
成したものである。
【0139】請求項9の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2から請求項8のいずれかの発明に係る車間
距離検出装置に加えて、路側リフレクタ左右判定手段
は、左右判定の基準として自車両からの距離が最も短い
最近傍路側リフレクタ軌跡を探し、最近傍路側リフレク
タ軌跡中の最新の計測時点における路側リフレクタの相
対位置と最古の計測時点における路側リフレクタの相対
位置を結ぶ直線を計算し、直線が自車両の真横において
自車両の左または右を通過するかに基づいて最近傍路側
リフレクタ軌跡が道路の左路側または右路側に設置され
たものかを判定した後、自車両からの距離が近い順に路
側リフレクタ軌跡の相対位置と直線に基づいて路側リフ
レクタ軌跡が最近傍路側リフレクタと同一路側か反対路
側かを判定し、最近傍路側リフレクタと同一路側と同一
路側と判定された路側リフレクタ軌跡を新たな左右判定
の基準とし、自車両からの距離が近い順に路側リフレク
タ軌跡の左右判定を行うように構成したものである。
【0140】請求項10の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2から請求項9のいずれかの発明に係る車間
距離検出装置に加えて、道路形状近似手段は、路側リフ
レクタ左右判定手段が判定した左右片側または左右両側
の路側リフレクタ軌跡に基づいて、道路形状を曲率が変
化する曲線により近似するように構成したものである。
【0141】請求項11の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項10の発明に係る車間距離検出装置におい
、道路形状近似手段、上記路側リフレクタ左右判定
手段が判定した左右片側または左右両側の路側リフレク
タ軌跡に基づいて、道路形状を曲率が変化しかつ自車両
の真横で自車の進行方向と平行な傾きを持つ曲線により
近似するように構成したものである。
【0142】請求項12の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2から請求項11のいずれかの発明に係る車
間距離検出装置に加えて、自車線算出手段は、道路形状
近似手段が近似した近似曲線を自車両の中心まで平行移
動し自車線中心とし、自車線中心に沿って車線幅に相当
する範囲を自車線範囲とするように構成したものであ
る。
【0143】請求項13の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項から請求項12のいずれかの発明に係る車
間距離検出装置において、先行車認識手段、自車線算
出手段が算出した自車線範囲に自車線中心からの横方向
の距離に応じた自車線信頼度分布を設定し、相対位置算
出手段が算出した被検出物体の相対位置と自車線信頼度
分布に基づいて被検出物体の自車線信頼度を算出し、自
車線信頼度に基づいて先行車を認識するように構成した
ものである。
【0144】請求項14の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項13の発明に係る車間距離検出装置におい
、先行車認識手段、自車線信頼度を測距時点毎に累
積した累積自車線信頼度を算出し、累積自車線信頼度に
基づいて先行車を認識するように構成したものである。
【0145】請求項15の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項から請求項14のいずれかの発明に係る車
間距離検出装置において、先行車認識手段は、道路形状
を認識できない場合に今回の計測時点における被検出物
体の内で、前回の計測時点において先行車と認識した被
検出物体の相対位置に最も近い位置に存在する被検出物
体を先行車として認識する機能を更に備えたものであ
る。
【0146】
【0147】請求項16の発明に係る車間距離検出装置
は、請求項2から請求項15のいずれかの発明に係る車
間距離検出装置に加えて、道路形状近似手段が近似曲線
を算出する際に用いた路側リフレクタ軌跡の数に基づい
て、道路形状近似手段が今回の計測時点において近似し
た近似曲線と前回の計測時点において近似した近似曲線
の信頼度を比較し、より信頼度の高い近似曲線により今
回の計測時点における道路形状を修正する道路形状修正
手段を更に備え、自車線算出手段は道路形状修正手段が
修正した近似曲線に基づいて自車両が走行中の自車線範
囲を算出するように構成したものである。
【0148】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は発明の実施の形態1による車間距
離検出装置を示す構成図である。尚、図で図22と同一
符号は同一または相当部分を示し説明を省略する。図に
おいて、103は本実施の形態に係る信号処理部であ
り、この信号処理部103における相対位置算出手段1
04は、XY座標変換部5と、スキャンレーザレーダ1
のビームの連続性を利用して一繋がりの物体を判定する
第1の同一物体判定部106と、第1の同一物体判定部
106が一繋がりの物体と判定した被検出物体の重心位
置や幅や奥行き等の特徴量を算出する特徴算出部108
より構成されている。
【0149】109は相対位置算出手段104で算出さ
れた2つの異なる測距時点における被検出物体の相対位
置変化から被検出物体の移動ベクトルを算出する移動ベ
クトル算出部である。
【0150】111は道路形状を認識する本実施の形態
における道路形状認識部であり、この道路形状認識部1
11は、路側に設置された路側リフレクタを認識する路
側リフレクタ認識部112、路側リフレクタの複数の測
距時点に渡る軌跡を算出する路側リフレクタ算出部11
3、路側リフレクタ軌跡を使って路側リフレクタが道路
の左右どちらに設置されているかを判定する路側リフレ
クタ左右判定部114、左右判定された路側リフレクタ
軌跡に基づいて道路形状を曲線近似する道路形状近似部
115より構成されている。
【0151】117は道路形状認識部111が認識した
道路形状に基づいて自車両と同一車線の範囲を算出する
自車線算出部、118は車両認識部10が認識した車両
の位置と自車線算出部117が算出した自車線範囲に基
づいて自車両と同一車線上を走行する先行車を認識する
先行車認識部である。
【0152】次に動作について説明する。スキャンレー
ザレーダ1、車速センサ2、危険度判定部19、警報出
力部20、回避動作部21は従来例と同一の動作である
ので説明を省略する。
【0153】相対位置算出部104は、上記のようにX
Y座標変換部5と、第1の同一物体判定部106と、特
徴算出部108とから構成されており、各構成部の動作
について以下で説明する。
【0154】XY座標変換部5は従来例と同一の方法に
より、まずスキャンレーザレーダ1が測定した極座標で
表された角度と距離をXY座標へ変換する。ただし、被
検出物体のXY座標上の相対位置に加えてその被検出物
体を検出したビーム番号を1次物体領域Z1へ記憶して
おく。
【0155】スキャンレーザレーダ1の掃引開始方向か
ら掃引終了方向へ向かって検出した順に被検出物体O
1、O2、...、Oiと番号を付け、総数n1個の被
検出物体を検出し、被検出物体Oiの相対位置を(X
i,Yi)、被検出物体Oiを検出したビーム番号をB
iとすると、1次物体領域Z1の記憶内容は、Z1(1)
=(X1,Y1,B1)、Z1(2)=(X2,Y2,B
2)、・・、Z1(i)=(Xi,Yi,Bi)、・・、Z
1(n1)=(Xn1,Yn1,Bn1)として記憶され
る。
【0156】次に第1の同一物体判定部106は、XY
座標変換部5の出力である1次物体領域Z1に基づいて
検出した被検出物体のどれとどれが一繋がりの物体かを
判定する。図2はスキャンレーザレーダ1でトラックや
乗用車等を計測した場合の例を示す説明図である。
【0157】図において、扇形に広がった点線群はレー
ザビーム、扇形の中心は自車両の位置、点線の上部の数
値はビーム番号、白の長方形はトラックや乗用車等の車
両、灰色の長方形は車両に設置されたリフレクタや幅の
広い反射テープ、黒い丸印は検出した被検出物体の位置
を示す。
【0158】この例では、乗用車のリフレクタをビーム
2とビーム5で検出し、トラックのリフレクタをビーム
9とビーム17で検出し、幅の広い反射テープをビーム
12〜14の隣接した3ビームで検出している。この例
から反射テープのような一繋がりの物体は隣接したビー
ムで連続して検出され、かつ距離がほぼ等しいが、2個
のリフレクタのような離れた物体は隣接したビームで検
出できないことが判る。第1の同一物体判定部106は
この性質を利用して一繋がりの物体を判定する。
【0159】図3は第1の同一物体判定部106の処理
の流れを示すフローチャートである。以下、図3に基づ
い同一物体判定部106の動作について説明する。ステ
ップ1では、1次物体領域Z1に記憶している被検出物
体の内でスキャンレーザレーダ1のビーム掃引開始方向
に最も近い被検出物体Z1(1)=(X1,Y1,B1)を
一時記憶領域へ登録する。この一時記憶領域は一繋がり
の物体と判定された被検出物体群を一時的に記憶してお
く領域である。登録の方法は被検出物体Z1(1)を一時
記憶領域へコピーするだけである。その後、ステップ2
へ進む。
【0160】次に、ステップ2では第1の同一物体判定
の処理対象とする物体番号iを2に初期化してステップ
3へ進む。ステップ3では、物体番号iと検出した被検
出物体の総数n1を比較し、物体番号iがn1以下の場
合は第1の同一物体判定処理を継続するためステップ4
へ進み、物体番号iがn1より大きい場合は処理を終了
するためステップ6へ進む。
【0161】物体番号iがn1以下の場合、ステップ4
で被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)が同一物体か否か
を判定する。まず、被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)
のビーム番号BiとBi−1を比較し、以下の条件式を
満たす場合を隣接ビームであると判定する。
【0162】 Bi − Bi-1 = 1 ・・・(21)
【0163】上記(21)式により隣接ビームと判定され
た場合は被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)のY座標を
比較し、以下の条件式を満たす場合を同程度の距離と判
定する。
【0164】 |Yi− Yi-1| ≦ 2×ΔE ・・・(22)
【0165】ここで、ΔEはスキャンレーザレーダ1の
計測誤差である。上記(21)式および(22)式により、
隣接ビーム、かつ、同程度の距離が同程度と判定された
場合、被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)を同一物体と
判定しステップ5へ進む。上記条件を満たさない場合、
被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)を一繋がりの物体で
ないと判定しステップ6へ進む。
【0166】被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)が同一
物体と判定された場合、ステップ5で被検出物体Z1
(i)を一時記憶領域へ追加登録する。追加登録の方法は
一時記憶領域に既に記憶されている被検出物体Z1(i
−1)に続けて被検出物体Z1(i)をコピーするだけで
ある。その後、ステップ10へ進む。
【0167】被検出物体Z1(i)とZ1(i−1)が同一
物体でないと判定された場合、ステップ6で一時記憶領
域に登録されている被検出物体の有無を調べる。一時記
憶領域に被検出物体が登録されている場合はステップ7
へ進み、一時記憶領域に被検出物体が登録されていない
場合はステップ9へ進む。
【0168】一時記憶領域に被検出物体が登録されてい
る場合、ステップ7で登録されている単数または複数の
被検出物体を一つにまとめる。一つにまとめる手順は、
一時記憶領域に登録されている物体番号の最小値と最大
値を2次物体領域Z2へ記憶するだけである。
【0169】例えば、図2の例では、単独の被検出物体
Z1(1)=(X1,Y1,ビーム2)をZ2(1)=(1,
1)として記憶し、3個の被検出物体で構成される被検
出物体Z1(4)=(X4,Y4,ビーム12)〜Z1(6)
=(X6,Y6,ビーム14)をZ2(4)=(4,6)とし
て記憶する。そしてステップ8へ進む。
【0170】ステップ8では、ステップ7で一時記憶領
域に登録されている被検出物体がまとめられたので、一
時記憶領域をクリアしてステップ10へ進む。一時記憶
領域に被検出物体が登録されていない場合、ステップ9
で被検出物体Z1(i)を一時記憶領域へ新規登録する。
新規登録の方法は、クリアされている一時記憶領域の先
頭に被検出物体Z1(i)をコピーするだけである。そし
てステップ10へ進む。
【0171】ステップ10では、物体番号iを1だけ増
やしてステップ3へ戻る。物体番号iがn1より大きい
場合、再度ステップ6の処理を行い、一時記憶領域に登
録された被検出物体が残っていれば再度ステップ7を実
行し被検出物体を1個にまとめた後で終了し、登録され
た被検出物体が残っていなければそのまま終了する。
【0172】終了前に再度ステップ6と7を実行する理
由は、最後の被検出物体Z1(n1)がまとめられずに終
了することを防止するためである。図2の例では、第1
の同一物体判定により2次物体領域Z2は、Z2(1)=
(1,1)、Z2(2)=(2,2)、Z2(3)=(3,3)、
Z2(4)=(4,6)、Z2(5)=(7,7)となる。
【0173】特徴算出部108は、第1の同一物体判定
によりまとめられ2次物体領域Z2に登録されている被
検出物体の相対位置と被検出物体の大きさを示す特徴量
を計算する。相対位置は従来例と同様に、2次物体領域
の被検出物体Z2(i)を構成する1次物体領域の全ての
被検出物体Z1(j)の重心であるので説明を省略する。
被検出物体の大きさを示す特徴量は被検出物体Z2(i)
の幅と奥行きである。
【0174】被検出物体の幅の計算方法を図2の例を用
いて説明する。被検出物体Z2(i)を構成する複数の被
検出物体Z1(j)の内で最も左側に位置する被検出物体
Z1_l=(Xl,Yl,ビームl)のX座標Xlと最も右
側に位置する被検出物体Z1_r=(Xr,Yr,ビーム
r)のX座標Xrに基づいて、次式によりを被検出物体
Z2(i)の幅Wiを計算する。
【0175】 Wi=Xr−Xl ・・・(23)
【0176】ただし、被検出物体Z2(i)を構成する被
検出物体Z1(j)が1個の場合は上記(23)式で幅Wi
を計算するとWi=0となるので、この場合は以下の式
により幅Wiを計算する。ここで、Bjは被検出物体Z
1(j)のビーム番号、L(Bj)はスキャンレーザレーダ
1がビームBjで検出した障害物までの距離である。
【0177】 Wi=L(Bj)×(12゜/80本)×(2π/360゜) ・・・(24)
【0178】図2の例では、被検出物体Z2(4)のXr
はX6、XlはX4であるので、幅W1は、X6−X4
である。また、被検出物体Z2(1)のW3は、L(B6)
×(12゜/80本)×(2π/360゜)である。
【0179】被検出物体の奥行きの計算方法を説明す
る。 被検出物体Z2(i)を構成する被検出物体Z1
(j)の内で最も近くに位置する被検出物体Z1_n=(X
n,Yn,ビームn)のX座標Xnと最も遠くに位置す
る被検出物体Z1_f=(Xf,Yf,ビームf)のX座標
Xfに基づいて、次式によりを被検出物体Z2(i)の奥
行きDiを計算する。
【0180】 Di=Xf−Xn ・・・(25)
【0181】ただし、被検出物体Z2(i)を構成する被
検出物体Z1(j)が1個の場合は上記(25)式で幅奥行
きDiを計算するとDi=0となるが、奥行きについて
は0をそのまま特徴量として採用する。
【0182】上記の方法により特徴算出部108が計算
した相対位置と幅と奥行きを最終的に被検出物体O(i)
=(Xi,Yi,Wi,Di)として記憶する。
【0183】移動ベクトル算出部109は、今回の測距
時点における被検出物体O(i)の相対位置(Xi,Yi)
と被検出物体O(i)と同一であるとみなされる前回の測
距時点における被検出物体O'(j)の相対位置(X'j,
Y'j)に基づいて、被検出物体O(i)の移動ベクトル
(MXi,MYi)を計算する。
【0184】移動ベクトル算出部109は、まず移動ベ
クトルが既知の被検出物体について移動ベクトルを算出
し、次に移動ベクトルが未知の新規被検出物体について
移動ベクトルを算出する。
【0185】図4は移動ベクトル算出部109の処理の
流れを示すフローチャートである。以下、図4に基づい
て移動ベクトル算出処理についてを説明する。ステップ
22では、前回の測距時点における被検出物体O'(j)
の物体番号jを1に初期化してステップ23へ進む。
【0186】ステップ23では、物体番号jと前回の測
距時点における被検出物体O'(j)の総数n3'を比較す
る。物体番号jがn3'以下の場合には、移動ベクトル
が既知の被検出物体に対する移動ベクトル算出処理を行
うためステップ24へ進む。物体番号jがn3'より大
きい場合には、移動ベクトルが既知の被検出物体に対す
る移動ベクトル算出処理を終了し、移動ベクトルが未知
である新規被検出物体に対する移動ベクトル算出処理を
行うためステップ29へ進む。
【0187】物体番号jがn3'以下の場合、ステップ
24で被検出物体O'(j)が新規被検出物体か否かを判
定する。被検出物体O'(j)について移動ベクトルが既
に設定されていれば被検出物体O'(j)は新規被検出物
体ではなく、移動ベクトルが設定されていなければ被検
出物体O'(j)は前回の測距時点において新規に検出さ
れた被検出物体である。
【0188】被検出物体O'(j)が新規被検出物体でな
い場合はステップ25へ進み、物体O'(j)が新規被検
出物体の場合は移動ベクトルを算出せずにステップ28
へ進む。被検出物体O'(j)が新規被検出物体でない場
合、ステップ25で被検出物体O'(j)の移動ベクトル
(MX'j,MY'j)に基づく予測範囲A3を設定し、ス
テップ26へ進む。予測範囲A3の設定方法は従来例と
同じであるので説明を省略する。
【0189】ステップ25で移動ベクトルに基づく予測
範囲A3が設定された場合、ステップ26で予測範囲A
3の範囲内に今回の測距時点における被検出物体O(i)
が存在しているか否かを調べる。この方法についても従
来例と同様である。予測範囲A3の範囲内に被検出物体
O(i)が存在している場合、被検出物体O'(j)と被検
出物体O(i)を同一物体と判定しステップ27へ進み、
予測範囲A3の範囲内に被検出物体が存在していない場
合、被検出物体O'(j)を見失ったのでステップ28へ
進む。ここで、予測範囲A3内に複数の被検出物体が存
在している場合は、予測範囲の中心との距離が最も短い
被検出物体を同一物体として選択すれば良い。
【0190】被検出物体O'(j)と被検出物体O(i)を
同一物体と判定した場合、ステップ27で被検出物体O
(i)の移動ベクトル(MXi,MYi)を計算し、ステッ
プ28へ進む。移動ベクトルの計算方法は従来例と同一
であるので説明を省略する。
【0191】ステップ28では、前回の測距時点におけ
る被検出物体O'(j)の物体番号jを1だけ増やしステ
ップ23へ戻る。ステップ23で物体番号jがn3'よ
り大きい場合、ステップ29とステップ30へ進むが、
これらはステップ22とステップ23と同一であるので
説明を省略する。
【0192】ステップ30で物体番号jがn3'以下と
判定された場合、ステップ31で前回の測距時点での被
検出物体O'(j)が新規被検出物体か否かを判定する。
判定方法についてはステップ24と同一である。被検出
物体O'(j)が新規被検出物体である場合はステップ3
2へ進み、被検出物体O'(j)が新規被検出物体でない
場合は既に移動ベクトルの算出が終了しているのでステ
ップ35へ進む。
【0193】被検出物体O'(j)が新規被検出物体であ
る場合、ステップ32で被検出物体O'(j)の周囲に予
測範囲A2を設定し、ステップ33へ進む。予測範囲A
2の設定方法は従来例と同一であるので説明を省略す
る。
【0194】被検出物体O'(j)の周囲に予測範囲A2
が設定された場合、ステップ33で予測範囲A2の範囲
内に今回の測距時点における被検出物体O(i)が存在し
ているか否かを調べる。この方法についても従来例と同
様である。予測範囲A2の範囲内に被検出物体O(i)が
存在している場合、被検出物体O'(j)と被検出物体O
(i)を同一物体と判定しステップ34へ進み、予測範囲
A2の範囲内に被検出物体が存在していない場合、被検
出物体O'(j)と同一物体は存在しないのでステップ3
5へ進む。
【0195】ここで、予測範囲A2内に複数の被検出物
体が存在している場合は、予測範囲の中心との距離が最
も短い被検出物体を同一物体として選択すれば良い。
【0196】ステップ33で被検出物体O'(j)と被検
出物体O(i)を同一物体と判定した場合、ステップ34
で被検出物体O(i)の移動ベクトル(MXi,MYi)を
計算し、ステップ35へ進む。移動ベクトルの計算方法
は従来例と同一である。ステップ35では、前回の測距
時点における被検出物体O'(j)の物体番号jを1だけ
増やしステップ30へ戻る。
【0197】なお、既に移動ベクトルの算出を完了した
現在の計測時点における被検出物体O(i)を更に別の前
回の計測時点における既知または新規被検出物体O'
(j)と誤って同一物体と判定し再度移動ベクトルを算出
することを防ぐため、ステップ27とステップ34で移
動ベクトルを算出する前に被検出物体O(i)の移動ベク
トルが既に算出されているか否かをチェックし、移動ベ
クトルがまだ算出されていない被検出物体O(i)につい
てのみ移動ベクトルを算出するようにする。
【0198】車両認識部10は従来例と同様の方法によ
り車両を認識し、車両と認識した複数の被検出物体を一
つにまとめ、相対位置、幅、奥行きを計算し、車両と認
識した被検出物体に車両であることを示すフラグFcを
付与しておく。相対位置、幅、奥行きの計算方法は特徴
算出部108の動作と同様であるので説明を省略する。
なお、車両認識処理後の被検出物体の総数をn4とす
る。
【0199】道路形状認識部111は、路側リフレクタ
認識部112、路側リフレクタ軌跡算出部113、路側
リフレクタ左右判定部114、道路形状近似部115、
から構成されている。以下、道路形状認識部111を構
成する上記4つ構成部の処理について説明する。
【0200】まず、路側リフレクタ認識部112は従来
例と同様に、車両認識部10が車両と認識した被検出物
体を除く被検出物体について、車速センサ2が計測した
自車両の速度と被検出物体の移動ベクトルを比較し、検
出した全被検出物体の中から静止物体を認識する。
【0201】次に、路側リフレクタ認識部112は静止
物体の幅の違いを利用して看板とリフレクタを分離す
る。スキャンレーザレーダ1が静止物体として路側で検
出する物体としては、停止車両以外に、路側リフレク
タ、看板等がある。高速道路の道路脇に設置された看板
の幅は少なくとも1m以上であるが、路側リフレクタの
幅は数[cm]〜30[cm]程度である。また、道路径R
=300〜400[m]程度の急なカーブ部分には、ガー
ドレールに急カーブを示す幅50[cm]程度の表示板が
設置されているが、これらの表示板はガードレールに設
置されているので路側リフレクタと同等に扱ってよい。
【0202】図5は路側リフレクタ認識部112の路側
リフレクタ認識処理の流れを示すフローチャートであ
る。以下、図5に基づいて路側リフレクタ認識処理につ
いて説明する。ステップ36では、路側リフレクタ認識
の処理対象とする被検出物体O(i)の物体番号iを1に
初期化しステップ37へ進む。ステップ37では、物体
番号iと車両認識処理後の被検出物体の総数n4を比較
し、物体番号iがn4以下の場合には路側リフレクタ認
識処理を継続するためステップ38へ進み、物体番号i
がn4より大きい場合では全ての被検出物体ついて路側
リフレクタ認識処理を完了したので処理を終了する。
【0203】ステップ38では、被検出物体O(i)が車
両であるか否かを判定し、車両の場合には被検出物体O
(i)は路側リフレクタではないのでステップ42へ進
み、車両でない場合にはステップ39へ進む。被検出物
体O(i)が車両であるか否かを判定する方法は従来例と
同様であり、被検出物体O(i)に車両であることを示す
フラグFcが付与されていれば被検出物体O(i)を車両
と判定し、フラグFcが付与されていなければ被検出物
体O(i)を車両でないと判定する。
【0204】被検出物体O(i)が車両の場合、ステップ
39で被検出物体O(i)が静止物体であるか否かを自車
両の速度と被検出物体O(i)の移動ベクトル(MXi,
MYi)に基づいて判定する。被検出物体O(i)が次式
を満足する場合には被検出物体O(i)を静止物体と判定
しステップ40へ進み、満足しない場合には被検出物体
O(i)を移動物体つまり路側リフレクタではないと判定
しステップ42へ進む。
【0205】 |ΔL1−sqrt(MXi2+MYi2)|≦閾値r かつ MYi<0 ・・・(26)
【0206】ここで、ΔL1は静止物体がスキャンレー
ザレーダ1の掃引周期の間に接近する距離であり、上記
(4)式により計算される。上記(26)式の前半の条件式
は移動ベクトルの長さが距離ΔL1にほぼ等しいことを
示し、上記(26)式の前半の条件式は移動ベクトルの向
きが接近方向であることを示す。
【0207】被検出物体O(i)が静止物体の場合、ステ
ップ40で被検出物体O(i)の幅Wiと閾値Tkを比較
し、幅WiがTk以下の場合には、幅が狭いので被検出
物体O(i)を路側リフレクタと判定しステップ41へ進
み、幅WiがTkより大きい場合には、幅が広いので被
検出物体O(i)を看板と判定しステップ41を飛ばして
ステップ42へ進む。なお、看板と判定する幅の閾値T
kは80[cm]程度に設定すればよい。
【0208】被検出物体O(i)が路側リフレクタと判定
された場合、ステップ41で被検出物体O(i)に路側リ
フレクタであることを示すフラグFrを付与し、ステッ
プ42へ進む。ステップ42では、路側リフレクタ認識
処理の対象とする物体番号iを1だけ増やしてステップ
37へ戻る。
【0209】路側リフレクタ軌跡算出部113は今回の
測距時点から3回前の測距時点までの路側リフレクタの
軌跡を算出する。過去3回分の路側リフレクタのデータ
については過去データ記憶領域に常に記憶しておく。以
下、路側リフレクタの軌跡を算出する方法について説明
する。
【0210】路側リフレクタ軌跡算出部113は、今回
の測距時点における路側リフレクタO(i)の相対位置
(Xi,Yi)と移動ベクトル(MXi,MYi)に基
づいて、O(i)の前回の測距時点における相対位置
(X'i,Y'i)を次式により計算する。
【0211】 X'i=Xi−MXi ・・・(27) Y'i=Yi−MYi
【0212】なお、上記(26)式は移動ベクトルを求め
る際に用いた上記(7)式の変形である。
【0213】路側リフレクタ軌跡算出部113は、過去
データ記憶領域に記憶している前回の測距時点における
被検出物体O'(j)の中から上記(26)式により算出し
た被検出物体O(i)前回の測距時点における相対位置
(X'i,Y'i)と一致する相対位置を持つ被検出物体
O'(j)を選択する。
【0214】同様に、前回の測距時点における被検出物
体O(j)に対応する2回前の測距時点における被検出物
体O"(k)と、2回前の測距時点における被検出物体O"
(k)に対応する3回前の測距時点における被検出物体
O"'(l)を選択する。
【0215】そして、被検出物体O(i)、O'(j)、O"
(k)、O"'(l)の組を軌跡として軌跡データ記憶領域K
へ登録する。このようにして、全ての路側リフレクタの
軌跡を算出し軌跡データ記憶領域Kへ登録する。ただ
し、4回の測距時点にわたる対応関係が途切れる等で完
全でない路側リフレクタについては軌跡データ記憶領域
Kへ登録しない。登録の方法は、被検出物体O(i)、
O'(j)、O"(k)、O"'(l)の組をK(i)=(i,j,
k,l)のように各測距時点における物体番号の組みを
登録する。
【0216】次に路側リフレクタ軌跡算出部113は、
軌跡データ記憶領域Kに登録されている4回の測距時点
にわたる路側リフレクタ軌跡を自車両から距離が近い順
に並び替え、距離が近い路側リフレクタ軌跡から順にK
(1)=(a1,b1,c1,d1)、K(2)、..、K
(m)=(am、bm、cm、dm)、..、K(nk)とし
ておく。ただし、nkは路側リフレクタ軌跡の総数であ
る。
【0217】路側リフレクタ左右判定部114は、路側
リフレクタ軌跡の相対位置と傾きを使って路側リフレク
タの左右を判定する。図6は路側リフレクタの左右判定
を示す説明図である。以下、図6に基づいて路側リフレ
クタの左右判定の原理について説明する。
【0218】路側リフレクタ左右判定部114は、自車
両までの距離が最も短い路側リフレクタ軌跡K(1)の今
回の測距時点における被検出物体O(a1)の相対位置
(Xa1,Ya1)と3回前の測距時点における被検出物
体O"'(d1)の相対位置(Xd1,Yd1)を結ぶ直線L
を計算する。
【0219】なお、この直線Lの傾きは路側リフレクタ
の軌跡の3個の移動ベクトルの傾きの平均に等しくな
る。そして、この直線LとX軸の交点を求め、交点のX
座標が負の値である場合(自車両より左側)には路側リ
フレクタの軌跡K(1)を左路側と判定し、交点のX座標
が正の値である場合(自車両より右側)には路側リフレ
クタ軌跡K(1)を右路側と判定する。図6の例では路側
リフレクタ軌跡K(1)を左側と判定する。
【0220】次に、路側リフレクタ左右判定部114
は、直線Lと2番目に近い路側リフレクタ軌跡K(2)中
の今回のの測距時点における被検出物体O(a2)のY座
標Ya2での直線Lと被検出物体O(a2)のX座標Xa
2の距離差の絶対値D12を計算する。距離差D12が
閾値Td以上である場合には路側リフレクタ軌跡K(2)
をK(1)と反対側と判定し、距離差D12が閾値Tdよ
り小さい場合には路側リフレクタ軌跡K(2)をK(1)と
同じ側と判定する。図6の例では路側リフレクタ軌跡K
(2)をK(1)と反対の右側と判定する。
【0221】路側リフレクタ軌跡K(2)がK(1)と反対
側であるので、同様にして直線Lと3番目に近い路側リ
フレクタ軌跡K(3)中の今回の測距時点における被検出
物体O(a3)のY座標Ya3における直線Lと被検出物
体O(a3)のX座標Xa3の距離差の絶対値D13を計
算する。距離差D13と閾値Tdを同様に比較して路側
リフレクタ軌跡K(3)をK(1)と同じ側、つまり左側と
判定する。
【0222】路側リフレクタ軌跡K(3)がK(1)と同じ
左側であるので、直線Lを路側リフレクタ軌跡K(3)の
今回の測距時点における被検出物体O(a3)の相対位置
(Xa3,Ya3)と3回前の測距時点における被検出物
体O"'(d3)の相対位置(Xd3,Yd3)を結ぶ直線に
更新する。
【0223】更に、更新した直線Lと路側リフレクタ軌
跡K(4)について同様の処理を行い、全て路側リフレク
タ軌跡について左右を判定する。
【0224】図7は路側リフレクタ左右判定処理の流れ
を示すフローチャートである。以下、図7に基づいて路
側リフレクタ左右判定処理について説明する。ステップ
43では、路側リフレクタ左右判定処理の基準となる路
側リフレクタ軌跡K(i)の軌跡番号iを1に設定し、ス
テップ44へ進む。軌跡K(1)は自車両からの距離が最
も近い軌跡である。
【0225】ステップ44では、基準となる路側リフレ
クタ軌跡K(1)中の今回の測距時点での被検出物体O
(a1)の相対位置(Xa1,Ya1)と3回前の測距時点
における被検出物体O"'(d1)の相対位置(Xd1,Y
d1)を結ぶ直線Lを計算する。その後ステップ45へ
進む。
【0226】ステップ45では、ステップ44で計算し
た直線LとX軸の交点のX座標を計算し、ステップ46
へ進む。ステップ46では、直線LとX軸の交点のX座
標の正負を調べ、交点のX座標が負の場合には軌跡K
(1)を左路側と判定しステップ47へ進み、交点のX座
標が正の場合には軌跡K(1)を右路側と判定しステップ
48へ進む。
【0227】ステップ46で軌跡K(1)が左路側と判定
された場合、ステップ47で軌跡K(1)に左路側リフレ
クタであることを示すフラグFrlを付与しステップ4
9へ進む。ステップ46で軌跡K(1)が右路側と判定さ
れた場合、ステップ48で軌跡K(1)に右路側リフレク
タであることを示すフラグFrrを付与しステップ49
へ進む。
【0228】以上のステップ43〜ステップ48までに
より左右判定の基準となる最近傍の路側リフレクタの軌
跡K(1)が左右のどちらかが確定したので、次にステッ
プ49で判定対象となる路側リフレクタの軌跡K(j)の
軌跡番号jを2に初期化し、ステップ50へ進む。
【0229】ステップ50では、軌跡番号jと路側リフ
レクタ軌跡の総数nkを比較し、軌跡番号jが総数nk
以下の場合には路側リフレクタ左右判定処理を継続する
ためステップ51へ進み、軌跡番号jが総数nkより大
きい場合には全ての路側リフレクタ軌跡について左右判
定を完了したので処理を終了する。
【0230】軌跡番号jが総数nk以下の場合、ステッ
プ51で基準となる路側リフレクタ軌跡K(i)に基づい
て計算した直線Lと、判定対象となる路側リフレクタ軌
跡K(j)の中の現在の測距時点での被検出物体O(aj)
のX座Xajの距離差の絶対値Dijを計算する。その
後、ステップ52へ進む。
【0231】ステップ52では、ステップ51で計算し
た距離差の絶対値Dijと閾値Tdを比較し、Dijが
Td以下の場合には距離差が小さいので軌跡K(j)は基
準となる軌跡K(i)と同じ側であると判定しステップ5
3へ進み、DijがTdより大きい場合には距離差が大
きいので軌跡K(j)は基準となる軌跡K(i)と反対側で
あると判定しステップ54へ進む。
【0232】軌跡K(j)が基準となる軌跡K(i)と同じ
側の場合、ステップ53で軌跡K(j)へ基準となる軌跡
(i)と同じフラグを付与する。つまり、基準となる軌跡
(i)に左路側リフレクタであることを示すフラグFrl
が付与されていれば、軌跡K(j)にも同一フラグFrl
を付与する。基準となる軌跡(i)に付与されているフラ
グが右路側リフレクタであることを示すフラグFrrの
場合でも同様である。その後ステップ44へ進む。
【0233】ステップ53後の再掲ステップ44では、
軌跡K(j)が基準となる軌跡K(i)と同じ側なので、軌
跡K(j)を新たな基準となる軌跡とするべく、軌跡K
(j)に基づいて直線Lを更新する。更新する方法は既に
説明したステップ44と同一である。
【0234】ステップ54では、基準となる軌跡K(i)
の軌跡番号iをjで更新しステップ56へ進む。再掲ス
テップ44とステップ54により左右判定の基準となる
軌跡K(i)が更新される。
【0235】一方、軌跡K(j)が基準となる軌跡K(i)
と反対側の場合、ステップ55で軌跡K(j)へ基準とな
る軌跡K(i)と異なるフラグを付与する。つまり、基準
となる軌跡K(i)に左路側リフレクタであることを示す
フラグFrlが付与されていれば、軌跡K(j)には反対
のフラグFrrを付与する。
【0236】基準となる軌跡(i)に付与されているフラ
グが右路側リフレクタであることを示すフラグFrrの
場合でも同様である。その後ステップ56へ進む。 ス
テップ56では、左右判定処理のの対象とする路側リフ
レクタ軌跡K(j)の軌跡番号jを1増やしステップ50
へ戻る。
【0237】高速道路の大部分は直線でも円でもないク
ロソイド曲線と呼ばれる曲率が徐々に変化する曲線によ
り設計されており、曲率が一定である直線と円で道路形
状を近似するのには無理がある。しかしながらクロソイ
ド曲線を計算することは難しいので、計算が容易な他の
近似曲線により道路形状を近似することが妥当である。
【0238】道路形状近似部115は左右の路側リフレ
クタ軌跡の数をカウントし、路側リフレクタの数が多い
側を道路形状認識の基準路側とする。基準路側に属する
リフレクタ軌跡に基づいて道路形状を最小二乗法により
2次曲線で近似する。2次曲線を近似に用いる理由は、
(1)計算が容易であること、(2)曲率が連続的に変化す
ること、(3)2次の係数を0とおけば直線になるので直
線部と曲線部を同一の数式により扱うことが可能である
ことである。
【0239】また、車線変更時を除けば、車両は道路に
沿って走行するので、自車両の真横(X軸上)での近似
曲線の傾きはY軸に平行であることが望ましい。この条
件を満たすように、近似2次曲線を次式のようにX軸上
で頂点を持つ2次曲線とする。
【0240】 X=a×Y2+c ・・・(28)
【0241】最小二乗法により上記(28)式の近似2次
曲線を計算する際には、基準となる側に属する路側リフ
レクタ軌跡のデータ全てを使用する。この理由は過去の
路側リフレクタの位置を利用することで計算に利用でき
る路側リフレクタの数が多くなり最小二乗法による近似
精度が向上するためである。上記(28)式の係数a,c
を最小二乗法により計算すると以下の(29)式とな
る。
【0242】
【数2】
【0243】ここで、Nsは基準路側に属する路側リフ
レクタ軌跡に含まれる被検出物体の総数で、各軌跡が4
回の測距時点にわたる被検出物体から構成されているの
で、基準路側に属する軌跡の総数の4倍となる。また、
(Xi,Yi)は路側リフレクタ軌跡を構成する被検出物
体O(i)の相対位置である。
【0244】基準路側と反対側の道路形状については、
基準路側に基づいて上記(29)式により算出した近似2
次曲線を反対側の路側リフレクタ軌跡に合うようにX軸
に沿って平行移動して算出する。この場合の近似2次曲
線の2次係数aは基準路側と同一で0次係数cだけを以
下の(30)式により計算する。
【0245】
【数3】
【0246】ここで、Ntは反対側に属する路側リフレ
クタ軌跡に含まれる被検出物体の総数であり、(Xj,
Yj)は反対側に属する路側リフレクタ軌跡を構成する
被検出物体O(j)の相対位置である。左右のリフレクタ
軌跡の数が同一である場合は、左右両側を基準路側とし
て各々(29)式により近似2次曲線を計算する。
【0247】図8は道路形状の認識処理の流れを表すフ
ローチャートである。以下、図8に基づいて道路形状の
認識処理について詳細に説明する。ステップ57では、
左右の路側リフレクタ軌跡の数をカウントし、ステップ
58へ進む。付与されているフラグがFrlである路側
リフレクタ軌跡の数が左路側リフレクタ軌跡の数であ
り、フラグがFrrである路側リフレクタ軌跡の数が右
路側リフレクタ軌跡の数である。
【0248】ステップ58では、ステップ57で計算し
た左路側リフレクタ軌跡の数と右路側リフレクタ軌跡の
数を比較し、左路側リフレクタ軌跡の数が多い場合には
左側を道路形状推定の基準路側と判定しステップ59へ
進み、右路側リフレクタ軌跡の数が多い場合には右側を
道路形状推定の基準路側と判定しステップ60へ進み、
左右の路側リフレクタ軌跡が同数の場合には両側とも道
路形状推定の基準路側と判定し再ステップ59へ進む。
【0249】基準路側を決定する際に基準路側を示すフ
ラグFsを設定する。基準路側が左の場合にはFsに"
L"、基準路側が右の場合にはFsに"R"、基準路側が
両側の場合にはFsに"B"を設定する。左路側リフレク
タ軌跡の数が多い場合、ステップ59で左路側リフレク
タ軌跡のデータを近似曲線計算用の一時記憶領域へ読み
込み、ステップ61へ進む。逆に、右路側リフレクタ軌
跡の数が多い場合、ステップ60で右路側リフレクタ軌
跡のデータを近似曲線計算用の一時記憶領域へ読み込
み、ステップ61へ進む。
【0250】ステップ61では、一時記憶領域に記憶し
た左右どちらかの路側リフレクタ軌跡のデータを使って
上記(29)式により基準路側の近似2次曲線を計算し、
ステップ62へ進む。ステップ62では、ステップ61
で計算した基準路側の近似2次曲線をX軸に沿って平行
移動して反対側の近似2次曲線を計算する。近似2次曲
線の2次係数aをそのまま流用し、0次係数cだけを上
記(30)式により計算する。なお、反対側の路側リフレ
クタ軌跡の数が0個の場合には、近似2次曲線を計算し
ない。反対側の近似2次曲線を計算後、道路形状の近似
処理を終了する。
【0251】左右の路側リフレクタの数が同数の場合、
再ステップ59と再ステップ61で左側の近似2次曲線
を上記(29)式で計算し、再ステップ60と再ステップ
61で右側の近似2次曲線を上記(29)式で計算する。
なお、上記の処理により計算した左右の近似2次曲線の
2次係数と0次係数を、左側についてはaLとcLとし
て、右側についてはaRとcRとしてそれぞれ記憶す
る。
【0252】自車線算出部117は、道路形状認識部1
11が認識した道路形状に基づいて自車両が走行してい
る自車線の範囲を算出する。図9は車線算出方法を示す
説明図である。以下、図9に基づいて自車線算出部11
7の動作について説明する。まず、自車線算出部117
は、道路形状認識の基準路側の近似2次曲線を自車両前
面の中心(XY座標の原点)まで平行移動し、平行移動
後の近似2次曲線を自車線中心とする。自車線中心の計
算方法は、道路形状認識部111が算出した近似2次曲
線の0次の係数cを0とするだけである。
【0253】次に、自車線算出部17は、自車線中心の
両側に幅ΔWlの範囲を設定し、この範囲を自車線範囲
とする。幅ΔWlは高速道路の車線幅3.6[m]の半分
の1.8[m]とすれば良い。
【0254】先行車認識部118は、自車線算出部17
が算出した自車線範囲に基づいて被検出物体が自車線上
であることの信頼度を表す自車線信頼度分布を設定し、
相対位置算出部104が算出した被検出物体の相対位置
に応じて各被検出物体毎の自車線信頼度を算出し、この
自車線信頼度の累積値に応じて被検出物体が自車線上で
あるか否かを判定し、自車線上に存在する被検出物体の
中で自車両までの距離が最短の被検出物体を先行車とし
て認識し、先行車までの距離を車間距離として出力す
る。
【0255】図10は先行車認識部113の動作を示す
フローチャートである。以下、図10に基づいて先行車
認識部118の動作について説明する。ステップ73で
は、先行車認識部118は自車線算出部117が算出し
た自車線範囲に基づいて被検出物体が自車線上に存在す
ることの信頼性を表す自車線信頼度分布を設定する。図
11は、自車線信頼度分布を示す説明図である。信頼度
分布は自車線中心で最大値1.0、自車線範囲の端に近
づくほど値が小さくなり自車線の端で0、自車線範囲の
外側では一律に−1.0である。自車線信頼度分布を設
定した後、ステップ74へ進む。
【0256】ステップ74では、先行車認識処理に必要
な記憶領域の初期化を行う。先行車であるか否かの判定
対象となる物体番号iを1に初期化し、先行車情報とし
て先行車の物体番号Npと車間距離Dpをそれぞれ0と
スキャンレーザレーダ1の検出可能最大距離150[m]
に初期化する。その後、ステップ75へ進む。
【0257】ステップ75では、物体番号iと被検出物
体の総数n4を比較し、物体番号iが総数n4以下の場
合には先行車認識処理を継続するためステップ76へ進
み、物体番号iが総数n4より大きい場合には全ての被
検出物体について先行車認識処理を完了したので終了す
る。
【0258】物体番号iが総数n4以下の場合、ステッ
プ76で被検出物体O(i)が路側リフレクタか否かを判
定し、被検出物体O(i)が路側リフレクタでない場合に
はステップ77へ進み、被検出物体O(i)が路側リフレ
クタである場合には先行車ではないのでステップ82へ
進む。
【0259】被検出物体O(i)が路側リフレクタでない
場合、ステップ77で被検出物体O(i)の自車線信頼度
Giを算出する。自車線信頼度の設定方法について以下
で説明する。まず、被検出物体O(i)の相対位置(X
i,Yi)のY座標Yiにおける自車線中心のX座標X
cを計算する。Xcは上記(28)式にYiを代入するこ
とにより計算される。
【0260】次に、被検出物体O(i)の相対位置のX座
標Xiと自車線中心のX座標Xcの差を計算し、この差
とステップ73で設定した自車線信頼度分布に基づいて
自車線信頼度Giを算出する。その後、ステップ78へ
進む。ステップ78では、ステップ77で算出した被検
出物体O(i)の自車線信頼度Giと、被検出物体O(i)
に対応する前回の測距時点における被検出物体O'(j)
の累積信頼度H'jに基づいて今回の測距時点における
被検出物体O(i)の累積自車線信頼度Hiを以下の漸化
式により計算する。
【0261】 Hi=H'j+Gi ・・・(31)
【0262】従って、被検出物体O(i)が自車線上の被
検出物体である場合には累積自車線信頼度Hiは加算さ
れて大きくなり、逆に被検出物体O(i)が自車線上の被
検出物体でない場合には累積自車線信頼度Hiは減算さ
れて小さくなる。ただし、被検出物体O(i)に対応する
前回の測距時点における被検出物体O'(j)が存在しな
い場合(被検出物体O(i)は新規被検出物体)には、累
積自車線信頼度H'jは0である。
【0263】更に、累積自車線信頼度Hiに上限値と下
限値を設けておき、上記(31)式で算出した累積自車線
信頼度Hiが上限値を超える場合には累積自車線信頼度
Hiを上限値に等しくし、同様に上記(31)式で算出し
た累積自車線信頼度Hiが下限値を下回る場合には累積
自車線信頼度Hiを下限値に等しくする。
【0264】累積自車線信頼度Hiに上限値と下限値を
設ける理由は、自車線上を走行していた先行車両が車線
変更を行って先行車でなくなった場合と他車線上を走行
していた車両が車線変更を行って先行車になった場合に
おける先行車認識結果の応答性を速くするためである。
累積自車線信頼度Hiの上限値として例えば5.0、
下限値として0.0とすればよい。
【0265】ステップ79では、累積自車線信頼度Hi
と信頼度閾値Thを比較し、累積自車線信頼度Hiが信
頼度閾値Th以上の場合には被検出物体O(i)を自車線
上の被検出物体であると判定しステップ80へ進み、累
積自車線信頼度Hiが信頼度閾値Thより小さい場合に
は被検出物体O(i)を自車線上の被検出物体でないと判
定しステップ82へ進む。
【0266】被検出物体O(i)が自車線上の被検出物体
の場合、ステップ80で被検出物体O(i)のY座標Yi
と車間距離Dpを比較し、Y座標Yiが車間距離Dpよ
りも小さい場合には被検出物体O(i)を先行車であると
判定しステップ81へ進み、Y座標Yiが車間距離Dp
以上である場合には被検出物体O(i)を先行車でないと
判定しステップ82へ進む。
【0267】被検出物体O(i)が先行車である場合、ス
テップ81で先行車情報である先行車の物体番号Npと
車間距離Dpを被検出物体O(i)により更新する。先行
車の物体番号Npを物体番号iに更新し、車間距離Dp
をY座標Yiに更新する。その後、ステップ82へ進
む。ステップ82では、先行車認識処理の対象とする物
体番号iを1だけ増やしステップ75へ戻る。
【0268】以上の先行車認識処理を完了した時点にお
いて、先行車の物体番号Npに記憶されている被検出物
体が先行車であり、その車間距離はDpに記憶されてい
る。
【0269】実施の形態2.本発明の実施例2による車
間距離計測装置の構成は実施例1と同一であり、移動ベ
クトル算出部109以外の動作は実施例1と同一である
ので説明を省略する。実施例2の移動ベクトル算出部1
09は実施例1に加えて、移動ベクトル検出対象の被検
出物体同士の大きさが似ているか否かをチェックする機
能を備えたものである。
【0270】図12は本発明の実施例2による車間距離
計測装置の移動ベクトル算出部109の動作を示すフロ
ーチャートである。以下、図12に基づいて移動ベクト
ル算出部109の動作について説明する。
【0271】ステップ22からステップ26の動作は実
施例1と同一であるので説明を省略する。ステップ26
で前回の計測時点における既知被検出物体O'(j)に基
づいて設定した予測範囲A3内に現在の計測時点におけ
る被検出物体O(i)が存在する場合、ステップ83で既
知被検出物体O'(j)の幅W'j、奥行きD'jと被検出
物体O(i)の幅Wi、奥行きDiを比較し、以下の条件
を満たす場合に既知被検出物体O'(j)と被検出物体O
(i)の大きさが似ていると判定する。
【0272】 |Wi−W'j|≦Tw かつ |Di−D'j|≦Td ・・・(32)
【0273】ここでTwは幅が似ていることを表す閾
値、Tdは奥行きが似ていることを表す閾値である。上
記(32)式により既知被検出物体O'(j)と被検出物体
O(i)の大きさが似ていると判定された場合には、既知
被検出物体O'(j)と被検出物体O(i)を同一物体とみ
なし移動ベクトルを算出するためステップ27へ進む。
【0274】逆に既知被検出物体O'(j)と被検出物体
O(i)の大きさが異なると判定された場合には、既知被
検出物体O'(j)と被検出物体O(i)を同一物体でない
とみなして移動ベクトルを算出せずにステップ28へ進
む。ステップ27からステップ33の動作も実施例1と
同一であるので説明を省略する。
【0275】ステップ33で前回の計測時点における新
規被検出物体O'(j)に基づいて設定した予測範囲A2
内に現在の計測時点における被検出物体O(i)が存在す
る場合、ステップ84で新規被検出物体O'(j)の幅W'
j、奥行きD'jと被検出物体O(i)の幅Wi、奥行き
Diを比較し、上記(32)式の条件を満たす場合に新規
被検出物体O'(j)と被検出物体O(i)の大きさが似て
いると判定する。
【0276】上記(32)式により新規被検出物体O'
(j)と被検出物体O(i)の大きさが似ていると判定され
た場合には、新規被検出物体O'(j)と被検出物体O
(i)を同一物体とみなし移動ベクトルを算出するためス
テップ34へ進み、逆に新規被検出物体O'(j)と被検
出物体O(i)の大きさが異なると判定された場合には、
新規被検出物体O'(j)と被検出物体O(i)を同一物体
でないとみなして移動ベクトルを算出せずにステップ3
5へ進む。ステップ34とステップ35の動作も実施例
1と同一であるので説明を省略する。
【0277】実施の形態3.なお、上記実施例2では2
つの被検出物体同士の大きさが似ているか否かを判定す
るために、被検出物体の幅と奥行きの両方を用いるもの
を示したが、幅だけ、または奥行きだけを利用しても同
様の効果が得られる。また、幅と奥行きの比率を算出
し、この比率を判定に加えても良い。
【0278】実施の形態4.本発明の実施例4による車
間距離計測装置の構成は実施例1と同一であり、移動ベ
クトル算出部109以外の動作は実施例1と同一である
ので説明を省略する。実施例4の移動ベクトル算出部1
09は実施例1に加えて、前回の計測時点における被検
出物体に基づいて設定した予測範囲内に存在する今回の
計測時点における被検出物体が1個だけか、複数存在す
るかに応じて移動ベクトルの算出順序に優先順位を設定
したものである。
【0279】図13は本発明の実施例4による車間距離
計測装置の移動ベクトル算出部109の動作を示すフロ
ーチャートである。以下、図13に基づいて移動ベクト
ル算出部109の動作について説明する。
【0280】図13のフローチャートは4つの部分から
構成されており、1番目にステップ22〜ステップ28
で前回の計測時点における既知被検出物体と1対1に対
応する今回の計測時点における被検出物体について移動
ベクトルを算出し、2番目にステップ29〜ステップ3
5で前回の計測時点における新規被検出物体と1対1に
対応する今回の計測時点における被検出物体について移
動ベクトルを算出する。
【0281】3番目に再ステップ22〜再ステップ28
で前回の計測時点における既知被検出物体と1対多で対
応する今回の計測時点における被検出物体について移動
ベクトルを算出し、4番目に再ステップ29〜再ステッ
プ35で前回の計測時点における新規被検出物体と1対
多で対応する今回の計測時点における被検出物体につい
て移動ベクトルを算出する。
【0282】ステップ22からステップ26までは実施
例1と同一であるので説明を省略する。ステップ26で
前回の計測時点における既知被検出物体O'(j)に基づ
いて設定した予測範囲A3内に現在の計測時点における
被検出物体O(i)が存在すると判定した場合、ステップ
85で予測範囲A3内に存在する現在の計測時点におけ
る被検出物体O(i)を数える。
【0283】被検出物体O(i)の数が1個の場合には1
対1の対応関係であるので既知被検出物体O'(j)と被
検出物体O(i)を同一物体とみなして移動ベクトルを算
出するためステップ27へ進む。被検出物体O(i)の数
が2個以上の場合には1対多の対応関係であるので移動
ベクトルの算出を保留してステップ28へ進む。ステッ
プ27からステップ33までは実施例1と同一であるの
で説明を省略する。
【0284】ステップ33で前回の計測時点における新
規被検出物体O'(j)に基づいて設定した予測範囲A2
内に現在の計測時点における被検出物体O(i)が存在す
る場合、ステップ86で予測範囲A2内に存在する現在
の計測時点における被検出物体O(i)を数える。
【0285】被検出物体O(i)の数が1個の場合には1
対1の対応関係であるので既知被検出物体O'(j)と被
検出物体O(i)を同一物体とみなして移動ベクトルを算
出するためステップ34へ進む。被検出物体O(i)の数
が2個以上の場合には1対多の対応関係であるので移動
ベクトルの算出を保留してステップ35へ進む。
【0286】ステップ34とステップ35、再ステップ
23〜再ステップ26までは実施例1と同一であるので
説明を省略する。再ステップ26で前回の計測時点にお
ける既知被検出物体O'(j)に基づいて設定した予測範
囲A3内に現在の計測時点における被検出物体O(i)が
存在すると判定した場合、ステップ87で予測範囲A3
内に存在する現在の計測時点における被検出物体O(i)
を数える。
【0287】被検出物体O(i)の数が複数個の場合には
1対多の対応関係であるので、既知被検出物体O'(j)
に基づいて設定した予測範囲A3の中心である予測位置
(Xp,Yp)との距離が最も短い被検出物体O(i)を選
択し、この被検出物体O(i)を既知被検出物体O'(j)
と同一物体とみなして移動ベクトルを算出するため再ス
テップ27へ進む。被検出物体O(i)の数が1個の場合
には1対1の対応関係であり既に移動ベクトルの算出が
完了しているので再ステップ28へ進む。
【0288】再ステップ27〜再ステップ33までは実
施例1と同一であるので説明を省略する。再ステップ3
3で前回の計測時点における新規被検出物体O'(j)に
基づいて設定した予測範囲A2内に現在の計測時点にお
ける被検出物体O(i)が存在する場合、ステップ88で
予測範囲A2内に存在する現在の計測時点における被検
出物体O(i)を数える。
【0289】被検出物体O(i)の数が複数個の場合には
1対多の対応関係であるので、既知被検出物体O'(j)
に基づいて設定した予測範囲A2の中心である予測位置
(Xp,Yp)との距離が最も短い被検出物体O(i)を選
択し、この被検出物体O(i)を被検出物体O(i)を同一
物体とみなして移動ベクトルを算出するため再ステップ
34へ進む。
【0290】被検出物体O(i)の数が1個の場合には1
対1の対応関係であり既に移動ベクトルの算出が完了し
ているので再ステップ35へ進む。再ステップ34と再
ステップ35は実施例1と同一であるので説明を省略す
る。
【0291】実施の形態5.本発明の実施例5による車
間距離計測装置の構成は実施例1と同一であり、移動ベ
クトル算出部109以外の動作は実施例1と同一である
ので説明を省略する。実施例5の移動ベクトル算出部1
09は実施例1に加えて、前回の計測時点における被検
出物体に基づいて設定した予測範囲がスキャンレーザレ
ーダ1の検出範囲内か検出範囲外かに応じて移動ベクト
ルの算出順序に優先順位を設定したものである。
【0292】図14は本発明の実施例5による車間距離
計測装置の移動ベクトル算出部109の動作原理を示す
説明図である。以下、図14に基づいて本発明の実施例
5による車間距離計測装置の移動ベクトル算出部109
の動作原理を説明する。
【0293】走行中の自車両から観測すると、スキャン
レーザレーダ1の計測範囲内の路側リフレクタ等の静止
物体や自車両よりも遅い速度で走行中の車両等は、自車
両に接近して最後にはスキャンレーザレーダ1の計測範
囲外へ去っていくように見える。また、スキャンレーザ
レーダ1の計測範囲内の追越し車両等の自車両よりも速
い速度で走行中の車両は、自車両から遠ざかり最後には
スキャンレーザレーダ1の計測範囲外へ去っていくよう
に見える。
【0294】つまり、ある計測時点における既知被検出
物体の相対位置と移動ベクトルに基づいて算出した予測
位置がスキャンレーザレーダ1の計測範囲外となる場
合、この既知被検出物体は次の計測時点においてはスキ
ャンレーザレーダ1の計測範囲外となり検出不可能であ
る可能性が高い。従って、予測位置がスキャンレーザレ
ーダ1の計測範囲内である被検出物体を予測位置が計測
範囲外である被検出物体よりも優先させて移動ベクトル
を算出した方が良い。
【0295】また、移動ベクトルが不明である新規被検
出物体についても新規被検出物体の相対位置がスキャン
レーザレーダ1の計測範囲の周辺である場合は、新規被
検出物体に基づいて設定した予測範囲A2の大部分がス
キャンレーザレーダ1の計測範囲外となり、この新規被
検出物体も次の計測時点においてはスキャンレーザレー
ダ1の計測範囲外となり検出不可能である可能性が高
い。
【0296】図15は本発明の実施例5による車間距離
計測装置の移動ベクトル算出部109の動作を示すフロ
ーチャートである。以下、図15に基づいて移動ベクト
ル算出部109の動作について説明する。
【0297】図15のフローチャートは4つの部分から
構成されており、1番目にステップ22〜ステップ28
で予測位置がスキャンレーザレーダ1の検出範囲内であ
る前回の計測時点における既知被検出物体と今回の計測
時点における被検出物体について移動ベクトルを算出
し、2番目にステップ29〜ステップ35で予測範囲の
大部分がスキャンレーザレーダ1の検出範囲内である前
回の計測時点における新規被検出物体と今回の計測時点
における被検出物体について移動ベクトルを算出する。
【0298】3番目に再ステップ22〜再ステップ28
で予測位置がスキャンレーザレーダ1の検出範囲外であ
る前回の計測時点における既知被検出物体と今回の計測
時点における被検出物体について移動ベクトルを算出
し、4番目に再ステップ29〜再ステップ35で予測範
囲の大部分がスキャンレーザレーダ1の検出範囲外であ
る前回の計測時点における新規被検出物体と今回の計測
時点における被検出物体について移動ベクトルを算出す
る。
【0299】ステップ22からステップ24までは実施
例1と同一であるので説明を省略する。ステップ24で
移動ベクトル算出の対象とする前回の計測時点における
被検出物体O'(j)が新規被検出物体でないと判定され
た場合、ステップ89で前回の計測時点における既知被
検出物体O'(j)の相対位置と移動ベクトルに基づいて
算出した予測位置がスキャンレーザレーダ1の検出範囲
内か否かを判定する。
【0300】予測位置がスキャンレーザレーダ1の検出
範囲内である場合には、前回の計測時点における既知被
検出物体O'(j)は今回の計測時点でも検出可能である
可能性が高いので、算出した予測位置の周囲に予測範囲
A3を設定し移動ベクトルを算出するためステップ25
へ進む。
【0301】反対に、予測位置がスキャンレーザレーダ
1の検出範囲外である場合には、前回の計測時点におけ
る既知被検出物体O'(j)は今回の計測時点でも検出可
能である可能性が低いので、移動ベクトルの算出を保留
してステップ28へ進む。ステップ25〜ステップ32
までは実施例1と同一であるので説明を省略する。
【0302】ステップ90では、前回の計測時点におけ
る新規被検出物体O'(j)の相対位置と自車両の車速に
基づいて算出した予測範囲A2とスキャンレーザレーダ
1の検出範囲を比較する。
【0303】予測範囲A2の面積の半分以上がスキャン
レーザレーダ1の検出範囲内である場合には前回の計測
時点における新規被検出物体O'(j)は今回の計測時点
においても検出可能である可能性が高いと判定して、移
動ベクトルを算出するためステップ33へ進む。
【0304】反対に、予測範囲A2の面積の半分以上が
スキャンレーザレーダ1の検出範囲外である場合には前
回の計測時点における新規被検出物体O'(j)は今回の
計測時点において検出可能である可能性が低いと判定し
て、移動ベクトルの算出を保留してステップ35へ進
む。ステップ33〜ステップ35、再ステップ22〜再
ステップ24までは実施例1と同一であるので説明を省
略する。
【0305】再ステップ24で移動ベクトル算出の対象
とする前回の計測時点における被検出物体O'(j)が新
規被検出物体でないと判定された場合、ステップ91で
前回の計測時点における既知被検出物体O'(j)の相対
位置と移動ベクトルに基づいて算出した予測位置がスキ
ャンレーザレーダ1の検出範囲内か否かを判定する。
【0306】予測位置がスキャンレーザレーダ1の検出
範囲内である場合には、既に移動ベクトルの算出を完了
しているので再ステップ28へ進む。反対に、予測位置
がスキャンレーザレーダ1の検出範囲外である場合に
は、移動ベクトルの算出を完了していないので移動ベク
トルの算出行うため再ステップ25へ進む。再ステップ
25〜再ステップ32までは実施例1と同一であるので
説明を省略する。
【0307】ステップ92では、前回の計測時点におけ
る新規被検出物体O'(j)の相対位置と自車両の車速に
基づいて算出した予測範囲A2とスキャンレーザレーダ
1の検出範囲を比較する。予測範囲A2の面積の半分以
上がスキャンレーザレーダ1の検出範囲内である場合に
は、既に移動ベクトルの算出を完了しているので再ステ
ップ35へ進む。
【0308】反対に、予測範囲A2の面積の半分以上が
スキャンレーザレーダ1の検出範囲外である場合には、
移動ベクトルの算出を完了していないので移動ベクトル
の算出行うため再ステップ33へ進む。再ステップ33
〜再ステップ35までは実施例1と同一であるので説明
を省略する。
【0309】実施の形態6.なお、上記実施例2および
実施例3では既知被検出物体と新規被検出物体の間に優
先順位を設け、かつ、前回の計測時点における被検出物
体と今回の計測時点における被検出物体同士の大きさを
比較して大きさが似ている被検出物体同士を同一物体と
判定し移動ベクトルを算出するものを示した。
【0310】また、上記実施例4では既知被検出物体と
新規被検出物体の間に優先順位を設け、かつ、前回の計
測時点における既知または新規被検出物体と予測範囲内
の今回の計測時点における被検出物体の対応関係が1対
1か、あるいは1対多数であるかによって優先順位を設
けたものを示した。
【0311】更に上記実施例5では既知被検出物体と新
規被検出物体の間に優先順位を設け、かつ、前回の計測
時点における既知または新規被検出物体に基づいて設定
した予測位置または予測範囲がスキャンレーザレーダの
検出範囲内か検出範囲外かによって優先順位を設けたも
のを示した。しかしながら、実施例2〜実施例5の全て
または一部を組み合せて移動ベクトルを算出しても良
い。
【0312】実施の形態7.本発明の実施例7による車
間距離計測装置の構成は実施例1と同一であり、路側リ
フレクタ認識部112以外の動作は実施例1と同一であ
るので説明を省略する。
【0313】路側リフレクタは道路に沿って数mから数
十m間隔で設置されているので、路側リフレクタの近傍
には他の路側リフレクタは存在しない。一方、路肩に停
車中の車両の場合は2個のリフレクタが車幅程度の間隔
で並んで検出される。実施例7の路側リフレクタ認識部
12はこの性質を利用して路側リフレクタを認識する。
【0314】図16は本発明の実施例7による車間距離
計測装置の路側リフレクタ認識部112の動作を示すフ
ローチャートである。以下、図16に基づいて路側リフ
レクタ認識部112の動作について説明する。
【0315】ステップ36〜ステップ40までは実施例
1と同一であるので説明を省略する。ステップ38とス
テップ39を経由してステップ40で被検出物体O(i)
の幅が閾値以下である場合には、この被検出物体O(i)
は路側リフレクタ候補と判定されステップ93へ進む。
ステップ40で被検出物体O(i)の幅が閾値より大きい
場合には、この被検出物体O(i)は路側リフレクタ候補
とでない判定されるのでステップ42へ進む。
【0316】ステップ93では、路側リフレクタ候補O
(i)を中心として横方向に車幅の2倍程度かつ縦方向に
2、3m程度の大きさの探索領域A4を設定した後、ス
テップ94へ進む。
【0317】ステップ94では、ステップ93で設定し
た探索領域内に他のリフレクタ候補が存在するか否かを
調べ、他のリフレクタ候補が存在する場合には探索領域
A4の設定元である路側リフレクタ候補O(i)を路側リ
フレクタではないと認識してステップ42へ進み、他の
リフレクタ候補が存在しない場合には探索領域A4の設
定元である路側リフレクタ候補O(i)を路側リフレクタ
と認識してステップ41へ進む。ステップ41とステッ
プ42は実施例1と同一であるので説明を省略する。
【0318】実施の形態8.なお、上記実施例1の道路
形状近似部115では、左右の路側リフレクタ軌跡の数
に基づいて基準路側を決定しているが、左右の路側リフ
レクタ軌跡の数が等しい場合、左右両側で自車両からの
距離が最も近い最近傍路側リフレクタ軌跡と自車両から
の距離が最も遠い最近傍路側リフレクタ軌跡のY方向の
距離差を算出し、この距離差が大きい側を基準路側とし
て採用するようにしても良い。
【0319】実施の形態9.なお、上記実施例1の道路
形状近似部115では、道路形状を2次曲線により近似
しているがこれに限るものではなく、曲率が変化する曲
線であれば他の曲線でも良い。
【0320】実施の形態10.なお、上記実施例1の先
行車認識部118では、自車線信頼度分布を自車線中心
から自車線範囲の端に向かって信頼度が直線的に減少す
るものを示したが、自車線中心から自車線範囲の端に向
かって信頼度が順次減少していく性質を持っていれば他
の分布でも良い。
【0321】実施の形態11.なお、上記実施例1の第
1の同一物体判定部106では、隣接ビームと判定する
条件を(21)式で判定しているが、異なる物体間の境界
部や同一物体でも凹凸のある部分においては1ビーム程
度の非検出ビームが存在することが多い。従って、(2
1)式の右辺を2として1ビーム分の欠落があってもそ
の両側ビームを隣接ビームと判定しても良い。
【0322】実施の形態12.図17は本発明の実施例
12による車間距離計測を示す構成図である。図におい
て、従来例および実施例1と同一符号は同一または相当
部分を示し説明を省略する。実施例12は実施例1に加
えて、相対位置算出部104Aを構成する要素として第
2の同一物体判定部107を追加したものであるので、
第2の同一物体判定部107についてのみ以下で説明を
行う。
【0323】第2の同一物体判定部107は、第1の同
一物体判定部106が一繋がりの物体としてまとめた2
次物体領域Z2を更にまとめるための第2の同一物体判
定処理を行う。図18は、高速道路の直線部を走行中に
ガードレールに設置された路側リフレクタとサービスエ
リアまでの距離等を示す看板をスキャンレーザレーダ1
が計測した場合の例を示す説明図である。
【0324】図において、扇形に広がった点線群はスキ
ャンレーザレーダ1が照射したレーザビーム、黒い縦線
はガードレール、灰色の丸印は路側リフレクタ、横に長
い長方形は看板、黒い丸印はスキャンレーザレーダ1が
計測した物体の位置を示す。スキャンレーザレーダ1は
同一ビーム上に複数の物体が存在する場合、最も近くに
存在する物体だけを検出して、より遠くに存在する物体
を検出できない。
【0325】この例では、ビーム2と3はより近くにあ
る路側リフレクタを検出するが、より遠くにある看板を
検出できず、同様にビーム6も看板を検出できない。上
記実施例1で説明した同一物体判定1だけではビーム
1、ビーム4と5、ビーム7で検出した3個の物体を一
繋がりの物体としてまとめることはできない。このよう
な物体同士を一繋がりの物体としてまとめる処理が第2
の同一物体判定である。
【0326】図19は第2の同一物体判定処理の流れを
示すフローチャートである。以下、図18と図19に基
づいて第2の同一物体判定について説明する。図18の
例では、第1の同一物体判定の後で2次物体領域Z2
は、Z2(1)=(1,1)、Z2(2)=(2、3)、Z2
(3)=(4,5)、Z2(4)=(6,6)、Z2(5)=
(7,7)、Z2(6)=(8,8)となっている。
【0327】ステップ11では、2次物体領域Z2の先
頭に記憶している被検出物体Z2(1)を隣接ビームで検
出された被検出物体群を記憶するための一時記憶領域へ
登録する。登録の方法は、一時記憶領域の先頭に被検出
物体Z2(1)をコピーするだけである。そしてステップ
12へ進む。
【0328】ステップ12では、第2の同一物体判定の
処理対象とする物体番号iを2に初期化して、ステップ
13へ進む。ステップ13では、物体番号iと第1の同
一物体判定後の被検出物体の総数n2を比較し、物体番
号iがn2以下の場合は第2の同一物体判定処理を継続
するためステップ14へ進み、物体番号iがn2より大
きい場合は処理を終了するためステップ16へ進む。図
18の例ではn2は6である。
【0329】物体番号iがn2以下の場合、ステップ1
4で被検出物体Z2(i−1)とZ2(i)が隣接したビー
ムで検出された被検出物体か否かを判定する。まず、被
検出物体Z2(i−1)の最大ビーム番号と被検出物体Z
2(i)の最小ビーム番号を比較する。
【0330】図18の被検出物体Z2(1)と被検出物体
Z2(2)の例では、被検出物体Z2(1)=(1,1)の最
大ビーム番号は、右側の数値に対応する被検出物体Z1
(1)=(X1,Y1,ビーム1)からビーム1となり、被
検出物体Z2(2)=(2、3)の最小ビーム番号は、左側
の数値に対応する被検出物体Z1(2)=(X2,Y2,
ビーム2)からビーム2となる。
【0331】被検出物体Z2(i−1)の最大ビーム番号
と被検出物体Z2(i)の最小ビーム番号の差が1の場合
は隣接ビームであると判定しステップ15へ進み、差が
2以上の場合は隣接ビームでないと判定しステップ16
へ進む。
【0332】被検出物体Z2(i−1)とZ2(i)が隣接
ビームと判定された場合、ステップ15で被検出物体Z
2(i)を一時記憶領域へ追加登録する。追加登録の方法
は、一時記憶領域に既に記憶されている被検出物体Z2
(i−1)に続けて被検出物体Z2(i)をコピーするだけ
である。その後、ステップ21へ進む。
【0333】被検出物体Z2(i−1)とZ2(i)が隣接
ビームでないと判定された場合、ステップ16で一時記
憶領域に登録されている被検出物体の数を調べる。一時
記憶領域に被検出物体が登録されていなければステップ
17へ進み、1個または2個の被検出物体が登録されて
いればステップ19へ進み、3個以上の被検出物体が登
録されている場合はステップ18へ進む。
【0334】一時記憶領域に被検出物体が登録されてい
ない場合は、ステップ17で被検出物体Z2(i)を一時
記憶領域へ新規登録する。新規登録の方法は、一時記憶
領域の先頭に被検出物体Z2(i)をコピーするだけであ
る。
【0335】一時記憶領域に登録されている被検出物体
が1個または2個の場合は、登録されている被検出物体
は単独の被検出物体であるので、ステップ18で登録さ
れている被検出物体を単独物体として3次物体領域Z3
へ登録する。
【0336】単独の被検出物体として登録する方法は、
一時記憶領域に登録されている被検出物体Z2(i−1)
をZ3(j−1)=i−1、被検出物体Z2(i)をZ3
(j)=iとして登録する。なお、jは3次物体領域へ登
録された順に付与される番号である。
【0337】一時記憶領域に3個以上の被検出物体が登
録されている場合は、ステップ19で一時記憶領域に登
録されている被検出物体の内で手前の物体で分断された
物体が有るか否かを調べ、有れば分断された物体を一繋
がりの物体としてまとめる。以下、ステップ19の動作
について図18の例を用いて説明する。
【0338】図18の例では、2次物体領域Z2に記憶
されている全ての被検出物体Z2(1)〜Z2(6)が隣接
ビームで検出された被検出物体として一時記憶領域に登
録される。まず、この中で同程度の距離の被検出物体を
探す。
【0339】同程度の距離の被検出物体を探す方法につ
いて以下で説明する。被検出物体Z2(1)=(1,1)を
構成する右端の被検出物体Z1(1)と被検出物体Z2
(2)=(2,3)を構成する左端の被検出物体Z1(2)で
Y軸方向の距離差|Y1−Y2|を計算する。距離差|
Y1−Y2|は上記数(22)式を満たさないので、被検
出物体Z2(1)と被検出物体Z2(2)を距離が同程度で
ないと判定する。
【0340】次に、被検出物体Z2(1)=(1,1)を構
成する右端の被検出物体Z1(1)と被検出物体Z2(3)
=(4,5)を構成する左端の被検出物体Z1(4)で同様
にY軸方向の距離差|Y1−Y4|を計算する。距離差
|Y1−Y4|は上記数(22)式を満たすので、被検出
物体Z2(1)とZ2(3)を同程度の距離であると判定す
る。
【0341】この時、被検出物体Z2(3)に対して、被
検出物体Z2(1)と同程度の距離であることを示すフラ
グF1を付与する。同様に被検出物体Z2(1)と被検出
物体Z2(4)、・・、被検出物体Z2(1)と被検出物体
Z2(6)まで処理を繰り返すと、被検出物体Z2(1)と
Z2(3)とZ2(5)について被検出物体Z2(1)と同程
度の距離であることを示すフラグF1が付与される。
【0342】次に、フラグF1が付与されていない被検
出物体Z2(2)とZ2(4)、被検出物体Z2(2)とZ2
(6)について同様の処理を行うが、この場合は同程度の
距離でないため被検出物体Z2(2)だけにフラグF2が
付与される。
【0343】更に、フラグF1とF2が付与されていな
い被検出物体Z2(4)とZ2(6)について被検出物体Z
2(2)と同様の処理を行い、全ての被検出物体について
フラグを付与する。図18の例では、フラグF1を持つ
被検出物体はZ2(1)とZ2(3)とZ2(5)となり、フ
ラグF2を持つ被検出物体はZ2(2)、フラグF4を持
つ被検出物体はZ2(4)、フラグF6を持つ被検出物体
はZ2(6)となる。
【0344】次に同一フラグを持つ複数の被検出物体が
存在するか否かを調べる。同一フラグを持つ複数の被検
出物体が存在する場合にはこれらを一繋がりの物体とみ
なすか否かを判定し、同一フラグを持つ他の被検出物体
が存在しない被検出物体については単独の物体として3
次物体領域Z3へ登録する。
【0345】図18の例では3個の被検出物体Z2
(1)、Z2(3)、Z2(5)が同一フラグF1を持つこと
が判り、他の被検出物体Z2(2)、Z2(4)、Z2(6)
については単独物体として3次物体領域Z3へ登録す
る。
【0346】同一フラグを持つ複数の被検出物体を一繋
がりの物体として判定する方法について以下で説明す
る。図18の例では、被検出物体Z2(1)の相対位置の
Y座標Y1と、被検出物体Z2(1)とZ2(3)に挟まれ
た被検出物体Z2(2)の相対位置のY座標Y2を比較
し、Y1>Y2ならば被検出物体Z2(2)は被検出物体
Z2(1)より手前にあるので両側の被検出物体Z2(1)
とZ2(3)を一繋がりの物体と判定する。
【0347】仮にY1<Y2ならば被検出物体Z2(2)
は被検出物体Z2(1)より遠方にあるので両側の被検出
物体Z2(1)とZ2(3)を別の被検出物体と判定する。
被検出物体Z2(1)とZ2(3)が一繋がりの物体と判定
されたので、次に被検出物体Z2(3)と、Z2(3)とZ
2(5)に挟まれた被検出物体Z2(4)について上記と同
一の処理を行うと、被検出物体Z2(4)は被検出物体Z
2(3)より手前にあるので両側の被検出物体Z2(3)と
Z2(5)も一繋がりの物体として判定される。従って、
被検出物体Z2(1)とZ2(3)とZ2(5)を一繋がりの
物体としてまとめ、3次物体領域Z3へ登録する。
【0348】被検出物体をまとめて3次物体領域Z3へ
登録する方法は、一繋がりの物体と判定された2次物体
領域の被検出物体Z2(i)の番号物体i全てを3次物体
領域の1個の配列として記憶する。図18の例では、3
個の被検出物体Z2(1)、Z2(3)、Z2(5)をZ3
(1)=(1,3,5)として記憶する。
【0349】Z2(2)、Z2(4)、Z2(6)について
は、単独の物体として3次物体領域Z3へZ3(2)=
2、Z3(3)=4、Z3(4)=6として記憶する。一時
記憶領域へ登録された全ての被検出物体を登録後、ステ
ップ20へ進む。
【0350】ステップ20では、一時記憶領域に登録さ
れている被検出物体がまとめられたので、一時記憶領域
の内容を初期化し、ステップ21へ進む。ステップ21
では、第2の同一物体判定の処理対象とする物体番号i
を1増やしてステップ13へ戻る。
【0351】物体番号iがn2より大きい場合、再度ス
テップ16、18、19を実行し、被検出物体Z2(n
2)を含む一時記憶領域の登録物体を3次物体領域Z3
へ登録して、処理を終了する。なお、第2の同一物体判
定後の被検出物体の総数をn3とする。
【0352】実施の形態13.図20は本発明の実施例
13による車間距離計測を示す構成図である。図におい
て、従来例および実施例2と同一符号は同一または相当
部分を示し説明を省略する。実施例13は実施例2に加
えて、道路形状認識部111を構成する要素として道路
形状修正部116を追加したものであるので、道路形状
修正部116についてのみ以下で説明を行う。
【0353】高速道路を走行中している場合、道路の形
状は時間とともに徐々に変化していき急激には変化しな
い。また、合流部や分岐部以外では、左右で道路形状が
大きく異なることもない。この性質を利用して2次曲線
で近似した道路形状が異常な場合を検出し、道路形状を
正しく修正する。
【0354】また、道路形状を修正する場合、修正対象
となる近似2次曲線よりも正しく道路形状を近似してい
る近似2次曲線がどれであるかを判定するための判定基
準が必要である。この基準として、近似2次曲線を計算
する際に用いた路側リフレクタの数を用いる。この理由
は、より多いデータを使って最小二乗近似を行った方が
より良い近似結果が一般に得られるためである。
【0355】図21は道路形状修正処理の流れを示すフ
ローチャートである。以下、図21に基づいて道路形状
修正処理について説明する。ステップ63では、今回の
近似2次曲線を計算する際の基準路側がどちら側であっ
たかを調べる。近似2次曲線を計算する際の基準路側を
示すフラグFsが"B"の場合には両側とも基準であるの
でステップ64へ進み、フラグFsが"L"または"R"の
場合には左右どちらかが基準であるのでステップ68へ
進む。
【0356】今回の近似2次曲線を計算する際に基準と
なった側が両側の場合、ステップ64で左右の近似2次
曲線が似ているか否かを判定する。左右の近似2次曲線
の2次係数aLとaRに基づいて、以下の条件式を満た
す場合を左右の形状が似ていると判定し、条件式を満た
さない場合を左右の形状が異なると判定する。
【0357】 |aL−aR|≦Ta ・・・(33)
【0358】ここで、Taは2次係数aが似ていること
を示す値の小さな閾値であり、その値は1.2×10−
7程度とすれば良い。上記(33)式により左右の形状が
似ていないと判定された場合には道路形状を修正する必
要があるのでステップ65へ進み、左右の形状が似てい
ると判定された場合には道路形状を修正する必要が無い
ので終了する。
【0359】左右の形状が似ていないと判定された場
合、ステップ65で今回の道路形状の内で左右どちら側
が前回の測距時点における道路形状と似ているかを判定
する。前回の測距時点における道路形状の基準路側は、
前回の近似2次曲線を計算する際の基準路側を示すフラ
グFs'を調べることにより判る。
【0360】今回の左右の近似2次曲線の2次係数aL
とaRと前回の基準路側の近似2次曲線の2次係数a
L’またはaR’に基づいて、以下の条件式を満たす場
合を左側の道路形状が前回の道路形状により似ていると
判定し、条件式を満たさない場合を右側の道路形状が前
回の道路形状により似ていると判定する。
【0361】 |aL-aL’|≦|aR-aL’|(前回の基準路側が左側の場合)・・・(34) |aL-aR’|≦|aR-aR’|(前回の基準基準が右側の場合)
【0362】上記(34)式により、左側が右側より前回
の基準路側に似ていると判定された場合にはステップ6
6へ進み、逆に右側が左側より前回の基準路側に似てい
ると判定された場合にはステップ67へ進む。
【0363】左側が右側より前回の基準路側に似ている
と判定された場合、ステップ66で左側を今回の測距時
点における基準路側するため、今回の基準路側フラグF
sを"B"から"L"へ更新し、ステップ68へ進む。
【0364】右側が左側より前回の基準路側に似ている
と判定された場合、ステップ67で右側を今回の測距時
点における基準路側にするため、今回の基準路側フラグ
Fsを"B"から"R"へ更新し、ステップ68へ進む。
【0365】ステップ66またはステップ67で左右ど
ちらかが今回の基準路側に設定された後、ステップ68
で今回の基準路側の道路形状が前回の基準路側の道路形
状と似ているか否かを判定する。
【0366】今回の基準路側の近似2次曲線の2次係数
aLまたはaRと前回の基準路側の近似2次曲線の2次
係数aL'またはaR'に基づいて、以下の条件式を満た
す場合を今回の道路形状と前回の道路形状が似ていると
判定し、条件式を満たさない場合を今回の道路形状と前
回の道路形状が似ていないと判定する。
【0367】 |(aLまたはaR)−(aL’またはaR’)|≦Ta ・・・(35)
【0368】上記(35)式により、今回の道路形状が前
回の道路形状と似ていないと判定された場合にはステッ
プ69へ進み、今回の道路形状が前回の道路形状と似て
いると判定された場合には今回の道路形状を正しいと判
定してステップ72へ進む。
【0369】ステップ68で今回の道路形状が前回の道
路形状と似ていないと判定された場合、ステップ69で
今回の道路形状に対する信頼度と前回の道路形状に対す
る信頼度を比較する。道路形状に対する信頼度を道路形
状の近似2次曲線を計算する際に利用した路側リフレク
タ軌跡の数により表す。
【0370】今回の基準路側の路側リフレクタ軌跡の数
をNsとし、前回の基準路側の路側リフレクタ軌跡の数
をNs'とし、以下の式を満たす場合を今回の道路形状
に対する信頼度が前回よりも高いと判定し、条件式を満
たさない場合を前回の道路形状に対する信頼度が今回よ
り高いと判定する。
【0371】 Ns≧Ns' ・・・(36)
【0372】上記(36)式により、前回の道路形状に対
する信頼度が今回より高いと判定された場合には今回の
道路形状は誤っていると判定しステップ70とステップ
71で前回の基準路側の近似2次曲線の2次係数aL'
またはaR'を使って道路形状を再計算し、逆に、今回
の道路形状に対する信頼度が今回より高いと判定された
場合には前回の道路形状が誤りであると判定しステップ
72へ進む。
【0373】ステップ69で前回の道路形状に対する信
頼度が今回よりも高いと判定された場合、ステップ70
で前回の基準路側の近似2次曲線の2次係数aL’また
はaR’を今回の近似2次曲線の2次係数aL、aRと
して採用する。
【0374】採用する方法は、前回の基準路側の近似2
次曲線の2次係数aL’またはaR’を今回の近似2次
曲線の2次係数aLとaRへコピーするだけである。そ
の後、ステップ71へ進む。
【0375】ステップ71では、前回の近似曲線の2次
係数に基づいて今回の近似2次曲線を計算する。2次係
数aLとaRは前回の2次係数を採用したので、0次の
係数cLとcRを上記(29)式によって計算する。ただ
し、路側リフレクタ軌跡が存在しない側については、近
似2次曲線を計算せず、今回の近似2次曲線の2次係数
と0次係数を無しとして初期化する。これで今回の左右
両側の近似2次曲線を再度計算したので処理を終了す
る。
【0376】ステップ68で今回の基準路側の道路形状
が前回と似ていると判定された場合、または、ステップ
69で今回の道路形状に対する信頼度が前回よりも高い
と判定された場合、ステップ72で今回の基準路側と反
対側の道路形状を再度計算する。この場合、今回の基準
路側の近似2次曲線は正しいと判定されているので、基
準路側の2次係数aLまたはaRをそのまま利用して0
次の係数だけを反対路側の路側リフレクタ軌跡に基づい
て上記(30)式により再度計算する。その後、処理を終
了する。
【0377】ステップ63で今回の基準路側が左または
右と判定された場合、ステップ68で今回の基準路側の
近似2次曲線と前回の基準路側の近似2次曲線が似てい
るか否かを判定する。判定方法は先に説明したステップ
68と同一であるので説明を省略する。今回の基準路側
の近似2次曲線が前回と似ていないと判定された場合に
はステップ69へ進み、今回の基準路側の近似2次曲線
が前回と似ていると判定された場合には今回の基準路側
と反対路側の近似2次曲線を変更する必要が無いのでそ
のまま処理を終了する。
【0378】ステップ68で今回の基準路側の近似2次
曲線が前回と似ていないと判定された場合、ステップ6
9で今回の道路形状に対する信頼度と前回の道路形状に
対する信頼度を比較する。信頼度の比較方法は先のステ
ップ69と同一であるので説明を省略する。前回の道路
形状に対する信頼度が今回より高い場合には上記の説明
と同様にステップ70とステップ71を実行し、今回の
道路形状に対する信頼度が前回より高い場合には今回の
基準路側と反対路側の近似2次曲線を変更する必要が無
いのでそのまま処理を終了する。
【0379】実施の形態14.なお、上記実施例13の
道路形状修正部116では、前回の計測時点における道
路形状の信頼度と今回の計測時点における道路形状の信
頼度を基準路側の路側リフレクタ軌跡の数により計算し
ているが、前回と今回の路側リフレクタ軌跡の数が等し
い場合、前回と今回で自車両からの距離が最も近い最近
傍路側リフレクタ軌跡と自車両からの距離が最も遠い最
近傍路側リフレクタ軌跡のY方向の距離差を算出し、こ
の距離差が大きい側を信頼度がより高いと判定して道路
形状を修正するようにしても良い。
【0380】実施の形態15.なお、上記実施例13の
道路形状修正部116では、左右および前回と今回の道
路形状が似ているか否かを2次曲線の2次係数aだけに
基づいて判定しているが、さらに0次係数cを使って同
様の方法により道路形状が似ているか否かを判定しても
良い。
【0381】実施の形態16.上記実施例1では、路側
リフレクタ軌跡を検出できない場合には道路形状を近似
できないため、先行車を認識できず車間距離を算出でき
ない。このような状況でも先行車を認識するため、前回
の計測時点において先行車と認識した被検出物体の相対
位置を記憶しておき、今回の計測時点において道路形状
近似部115が路側リフレクタ軌跡検出できないため道
路形状を近似できない場合に、先行車認識部118が今
回の計測時点における被検出物体の相対位置と前回の計
測時点における先行車の相対位置の間の距離Diを以下
の式により計算し、この距離Diが最小である今回の計
測時点における被検出物体を先行車として認識するよう
にすれば良い。
【0382】 Di=sqrt{(Xi−X')2+(Yi−Y')2} ・・・(37)
【0383】ここで、(Xi,Yi)は今回の計測時点に
おける被検出物体の相対位置、(X',Y')は前回の計測
時点における先行車の相対位置である。その後、道路形
状近似部115が道路形状を近似できる状態へ復帰すれ
ば、先行車認識部118は元のように道路形状に基づい
て先行車を認識する。
【0384】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、多くのリフレ
クタを道路形状の認識に利用し、更にこの安定して認識
できる道路形状に基づいて算出した自車線範囲と被検出
物体の相対位置に基づいて先行車を認識することで、道
路形状が様々に変化しても正しく先行車を認識できると
いう効果がある。また、看板等の幅が広い物体がより手
前にある路側リフレクタやポール等で遮断されて複数の
被検出物体として検出されたものを一繋がりの物体とし
て認識して1個の物体にまとめるので、複数の物体とし
て誤って検出された看板の一部分により誤った移動ベク
トルが算出されることがなく移動ベクトルを精度良く算
出することができるという効果がある。
【0385】請求項2の発明によれば、安定して検出で
きた路側リフレクタ軌跡に含まれる過去数回の測距時点
に渡る路側リフレクタの位置に基づいて道路形状を近似
するので、1回の計測時点でのリフレクタよりも多くの
リフレクタを道路形状の認識に利用でき、安定して道路
形状を認識できる。更に、この道路形状に基づいて自車
線範囲を算出し、この自車線範囲と被検出物体の相対位
置に基づいて先行車を認識するので、道路形状が様々に
変化しても正しく先行車を認識できるという効果があ
る。
【0386】請求項3の発明によれば、移動ベクトルが
既知であるので予測精度の高い前回の計測時点における
既知被検出物体と今回の計測時点における被検出物体に
ついて移動ベクトルを算出した後、移動ベクトルが未知
であるので予測精度が低い前回の計測時点における新規
被検出物体と今回の計測時点における被検出物体につい
て移動ベクトルを算出するので、移動ベクトルを精度良
く算出できるという効果がある。
【0387】請求項4の発明によれば、被検出物体の自
車両からの相対位置に加えて、横幅や奥行きのような被
検出物体の大きさを移動ベクトルの算出に利用するの
で、著しく横幅や奥行きの異なる被検出物体同士を一繋
がりの物体と誤認識することがなく移動ベクトルを精度
良く算出することができるという効果がある。
【0388】請求項5の発明によれば、第1または第2
の予測範囲内に存在する今回の計測時点における被検出
物体と第1または第2の予測範囲の設定元である前回の
計測時点における既知被検出物体または新規被検出物体
が一対一である被検出物体同士が同一物体である可能性
は、第1または第2の予測範囲内に存在する今回の計測
時点における被検出物体と第1または第2の予測範囲の
設定元である前回の計測時点における既知被検出物体ま
たは新規被検出物体が多数対一である被検出物体同士が
同一物体である可能性よりも高く、前者の被検出物体同
士について移動ベクトルを算出した後に、後者の被検出
物体同士について移動ベクトルをするので移動ベクトル
を精度良く算出することができるという効果がある。
【0389】請求項6の発明によれば、前回の計測時点
における既知被検出物体または新規被検出物体に基づい
て設定した第1または第2の予測範囲が物体検出手段の
検出範囲外である場合、今回の計測時点における被検出
物体は物体検出手段の検出範囲外へ去り検出不可能であ
る可能性が高く、第1または第2の予測範囲が物体検出
手段の検出範囲内である設定元の前回の計測時点におけ
る既知被検出物体と今回の計測時点における被検出物体
について移動ベクトルを算出した後に、第1または第2
の予測範囲が物体検出手段の検出範囲外である設定元の
前回の計測時点における既知被検出物体または新規被検
出物体と今回の計測時点における被検出物体または新規
被検出物体について移動ベクトルを算出するので移動ベ
クトルを精度良く算出することができるという効果があ
る。
【0390】請求項7の発明によれば、移動ベクトルと
自車両の速度に加えて、被検出物体の大きさを表す特徴
量に基づいて路側リフレクタを認識するので、路外の看
板のように横幅の大きい物体等を路側リフレクタと誤認
識することがなく、路側リフレクタを精度良く認識でき
るという効果がある。
【0391】請求項8の発明によれば、被検出物体の大
きさを表す特徴量と移動ベクトルと自車両の速度に基づ
いて路側リフレクタ候補を抽出し、この路側リフレクタ
候補の相対位置の横方向に沿って両側に車幅相当の大き
さを持つ探索領域を設定し、この探索領域内に他の路側
リフレクタ候補が存在しない場合に路側リフレクタ候補
を路側リフレクタと判定するので、路肩に停車中の車両
を路側リフレクタと誤認識しないので路側リフレクタを
精度良く認識できるという効果がある。
【0392】請求項9の発明によれば、まず、自車両か
らの距離が最も短く左右の判定精度が最も高い最近傍路
側リフレクタ軌跡について左路側か右路側かを決定し、
これを左右判定の基準軌跡として自車両からの距離が近
い軌跡から順に、基準軌跡と左右判定対象とする軌跡の
軌跡同士の相対的位置関係に基づいて左右判定対象とす
る軌跡を基準軌跡と同一路側か反対路側かを決定し、基
準軌跡と同一路側と判定された軌跡を新たな基準軌跡と
するので、軌跡単独の相対位置と傾きに基づいて左右判
定を行う場合より、精度良く左右判定できるという効果
がある。
【0393】請求項10の発明によれば、路側リフレク
タ軌跡に基づいて曲率が変化する曲線により道路形状を
近似するので、直線からカーブへ曲率が連続的に変化す
る道路でも安定した道路形状を得られるという効果があ
る。
【0394】請求項11の発明によれば、車線変更時等
を除いた多くの場合において自車両は道路に沿って走る
ことを利用して、自車両の真横で曲線の傾きが自車両の
進行方向と一致し、かつ曲率が変化する曲線により道路
形状を近似するので、更に安定した道路形状を得られる
という効果がある。
【0395】請求項12の発明によれば、道路形状を近
似する曲線を横方向へ自車両の中心まで平行移動して自
車線中心とし、この自車線中心に沿って車線幅相当の範
囲を自車線範囲とするので自車線範囲を精度良く算出で
き、この自車線範囲と被検出物体の相対位置に基づいて
先行車を決定するので、道路形状によらず先行車を精度
良く認識できるという効果がある。
【0396】請求項13の発明によれば、自車線範囲に
自車線中心から横方向の距離に応じた自車線信頼度分布
を設定し、被検出物体の相対位置と自車線信頼度分布に
基づいて被検出物体の自車線信頼度を算出し、この自車
線信頼度に基づいて先行車を認識するので、道路形状に
よらず他車線を走行中の車両を先行車と誤認識すること
がなく先行車を精度良く認識できるという効果がある。
【0397】請求項14の発明によれば、自車線範囲に
自車線中心から横方向の距離に応じた自車線信頼度分布
を設定し、被検出物体の相対位置と自車線信頼度分布に
基づいて被検出物体の自車線信頼度を算出し、この自車
線信頼度を測距時点毎に累積した累積自車線信頼度を算
出し、この累積自車線信頼度に基づいて先行車を認識す
るので、先行車を時間的に安定して精度良く認識できる
という効果がある。
【0398】請求項15の発明によれば、道路形状を認
識できない場合に今回の計測時点における被検出物体の
内で、前回の計測時点において先行車と認識した被検出
物体の相対位置に最も近い位置に存在する被検出物体を
先行車として認識するので、道路形状を短時間に渡って
認識できない場合でも精度良く先行車を認識できるとい
う効果がある。
【0399】
【0400】請求項16の発明によれば、前回の測距時
点における道路形状と今回の測距時点における道路形状
を比較し、両者が似ていれば今回の測距時点における道
路形状を採用し、両者が似ていなければ道路形状の近似
計算の際に用いた路側リフレクタの数が多い道路形状を
信頼度が高いと判定して採用するので、道路形状を時間
的に安定しかつ精度良く認識できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による車間距離検出装置を
示す構成図である。
【図2】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける第1の同一物体判定部がスキャンレーザレーダの
ビームの連続性を利用して同一物体を判定する原理を示
す説明図である。
【図3】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける第1の同一物体判定部の動作の流れを示すフロー
チャートである。
【図4】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける移動ベクトル算出部の動作の流れを示すフローチ
ャートである。
【図5】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける路側リフレクタ認識部の動作の流れを示すフロー
チャートである。
【図6】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける路側リフレクタ左右判定部が路側リフレクタを左
右判定する原理を示す説明図である。
【図7】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける路側リフレクタ左右判定部の動作の流れを示すフ
ローチャートである。
【図8】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける道路形状近似部の動作の流れを示すフローチャー
トである。
【図9】 本発明の実施例1による車間距離検出装置に
おける自車線算出部が自車線範囲を算出する原理を示す
説明図である。
【図10】 本発明の実施例1による車間距離検出装置
における先行車認識部の動作の流れを示すフローチャー
トである。
【図11】 本発明の実施例1による車間距離検出装置
における信頼度分布の設定例を示す説明図である。
【図12】 本発明の実施例2による車間距離検出装置
における移動ベクトル算出部の動作の流れを示すフロー
チャートである。
【図13】 本発明の実施例4による車間距離検出装置
における移動ベクトル算出部の動作の流れを示すフロー
チャートである。
【図14】 本発明の実施例4による車間距離検出装置
における移動ベクトル算出部の動作原理を示す説明図で
ある。
【図15】 本発明の実施例5による車間距離検出装置
における移動ベクトル算出部の動作の流れを示すフロー
チャートである。
【図16】 本発明の実施例7による車間距離検出装置
における路側リフレクタ認識部の動作の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図17】 本発明の実施例12による車間距離検出装
置を示す構成図である。
【図18】 本発明の実施例12による車間距離検出装
置における第2の同一物体判定部が手前の物体により遮
断され複数の物体として検出される看板を同一物体とし
て判定する原理を示す説明図である。
【図19】 本発明の実施例12による車間距離検出装
置における第2の同一物体判定部の動作の流れを示すフ
ローチャートである。
【図20】 本発明の実施例13による車間距離検出装
置を示す構成図である。
【図21】 本発明の実施例13による車間距離検出装
置における道路形状修正部の動作の流れを示すフローチ
ャートである。
【図22】 従来の車間距離検出装置を示す構成図であ
る。
【図23】 スキャンレーザレーダの検出範囲とビーム
の位置関係を示し、スキャンレーザレーダで検出した被
検出物体をXY座標変換する方法を示す説明図である。
【図24】 従来の車間距離検出装置における同一物体
判定部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図25】 従来の車間距離検出装置における同一物体
判定部が設定する同一判定範囲を示す説明図である。
【図26】 従来の車間距離検出装置における移動物体
算出部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図27】 従来の車間距離検出装置における同一物体
判定部が新規被検出物体に対して設定する予測範囲を示
す説明図である。
【図28】 従来の車間距離検出装置における同一物体
判定部が既知被検出物体に対して設定する予測範囲を示
す説明図である。
【図29】 従来の車間距離検出装置における車両認識
部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図30】 従来の車間距離検出装置における路側リフ
レクタ認識部の動作の流れを示すフローチャートであ
る。
【図31】 従来の車間距離検出装置における路側リフ
レクタ左右判定部の動作の流れを示すフローチャートで
ある。
【図32】 従来の車間距離検出装置における道路形状
認識部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図33】 従来の車間距離検出装置における第1の車
線信頼度算出部が設定する自車線および他車線を表すメ
ンバーシップ関数の設定例を示す説明図である。
【図34】 従来の車間距離検出装置における第2の車
線信頼度算出部が設定する自車線および他車線を表すメ
ンバーシップ関数の設定例を示す説明図である。
【図35】 従来の車間距離検出装置における第3の車
線信頼度算出部が設定する自車線を表すメンバーシップ
関数の設定原理を示す説明図である。
【図36】 従来の車間距離検出装置における第3の車
線信頼度算出部が設定する自車線を表すメンバーシップ
関数の設定例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スキャンレーザレーダ、2 車速センサ、3 信号
処理部、4 相対位置算出部、5 XY座標変換部、6
第1の同一物体判定部、7 第2の同一物体判定部、
8 特徴算出部、9 移動ベクトル算出部、10 車両
認識部、11道路形状認識部、12 路側リフレクタ認
識部、13 路側リフレクタ軌跡認識部、14 路側リ
フレクタ左右判定部、15 道路形状近似部、16 道
路形状修正部、17 自車線算出部、18 先行車認識
部、19 危険判定部、20警報出力部、21 回避動
作部、22 道路形状信頼度算出部、23 車線信頼度
算出部、24 第1の車線信頼度算出部、25 第2の
車線信頼度算出部、26 第3の車線信頼度算出部、1
03 信号処理部、104 相対位置算出部、106
第1の同一物体判定部、107 第2の同一物体判定
部、108 特徴算出部、109 移動ベクトル算出
部、111 道路形状認識部、112 路側リフレクタ
認識部、113 路側リフレクタ軌跡認識部、114
路側リフレクタ左右判定部、115 道路形状近似部、
116 道路形状修正部、117 自車線算出部、11
8 先行車認識部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−134179(JP,A) 特開 平7−270536(JP,A) 特開 平7−225275(JP,A) 特開 平7−311896(JP,A) 特開 平7−319541(JP,A) 特開 平7−120555(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/48 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95 B60R 21/00 G08G 1/16

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車両より電磁波を掃引しながら照射し
    被検出物体により反射された電磁波を検出して上記被検
    出物体と上記自車両との距離及び方向を掃引周期毎に繰
    り返し計測し、上記被検出物体の上記自車両からの相対
    位置を算出する相対位置算出手段と、 左右片側または左右両側の路側リフレクタ軌跡に基づい
    て道路形状を近似する道路形状近似手段から構成され道
    路形状を認識する道路形状認識手段と、 上記道路形状認識手段が認識した道路形状に基づいて自
    車両が走行中の自車線範囲を算出する自車線算出手段
    と、 上記相対位置算出手段が算出した被検出物体の相対位置
    情報と上記自車線算出手段が算出した自車線範囲に基づ
    いて先行車を認識する先行車認識手段とを備えると共
    に、 上記相対位置算出手段を、 自車両より電磁波を掃引しながら照射し物体により反射
    された電磁波を検出して上記物体の上記自車両との距離
    及び方向を掃引周期毎に繰り返し計測する物体検出手段
    と、 上記物体検出手段が検出した被検出物体の内で一繋がり
    の物体が複数の方向に分割されて検出された分割被検出
    物体群を、上記分割被検出物体群の検出方向の連続性と
    上記分割被検出物体群の距離に基づいて一繋がりの物体
    か否かを判定し、一繋がりの物体と判定した上記分割被
    検出物体群を結合する第1の同一物体判定手段と、 上記第1の同一物体判定手段により結合された被検出物
    体と結合されなかった被検出物体の内で、遠方の一繋が
    りの物体が上記物体検出手段が照射する電磁波の照射方
    向途中に存在する物体により遮断され複数の物体として
    検出される遮断被検出物体群を、上記遮断被検出物体群
    と照射方向途中に存在する被検出物体群の検出方向の連
    続性と距離に基づいて一繋がりの物体か否かを判定し、
    一繋がりの物体と判定した上記遮断被検出物体群を結合
    する第2の同一物体判定手段と、 上記第1の同一物体判定手段と上記第2の同一物体判定
    手段により結合された被検出物体と結合されなかった被
    検出物体について特徴量を算出する特徴算出手 段とから
    構成した ことを特徴とする車間距離検出装置。
  2. 【請求項2】 上記道路形状認識手段は、上記物体検出
    手段の掃引周期と異なる計測時点における同一物体の相
    対位置の変化に基づいて被検出物体の移動ベクトルを算
    出する移動ベクトル算出手段、上記自車両の速度を計測
    する車両速度計測手段、この車両速度計測手段が計測し
    た自車両の速度と上記相対位置算出手段が算出した被検
    出物体の相対位置と上記移動ベクトル算出手段が算出し
    た被検出物体の移動ベクトルに基づいて道路の路側に設
    置された路側リフレクタを認識する路側リフレクタ認識
    手段と、上記路側リフレクタ認識手段が認識した路側リ
    フレクタの複数の計測時点に渡る位置変化である路側リ
    フレクタ軌跡を算出する路側リフレクタ軌跡算出手段
    と、上記路側リフレクタ軌跡算出手段が算出した路側リ
    フレクタ軌跡に基づいて道路の左側に設置されている路
    側リフレクタ軌跡と右側に設置されている路側リフレク
    タ軌跡を判定する路側リフレクタ左右判定手段と、上記
    路側リフレクタ左右判定手段が判定した左右片側または
    左右両側の路側リフレクタ軌跡に基づいて道路形状を近
    似する道路形状近似手段から構成したことを特徴とする
    請求項1に記載の車間距離検出装置。
  3. 【請求項3】 上記移動ベクトル算出手段は、前回の計
    測時点において移動ベクトルが既に算出されている既知
    被検出物体に対して前回の計測時点における既知被検出
    物体の相対位置と移動ベクトルに基づいて今回の計測時
    点における上記既知被検出物体の相対位置の第1の予測
    範囲を設定し、前回の計測時点において移動ベクトルが
    算出されていない新規被検出物体に対して前回の計測時
    点における上記新規被検出物体の相対位置と上記車両速
    度計測手段が計測した自車両の速度に基づいて今回の計
    測時点における上記新規被検出物体の相対位置の第2の
    予測範囲を設定し、第1の予測範囲と今回の計測時点に
    おける被検出物体の相対位置に基づいて前回の計測時点
    における既知被検出物体と同一である今回の測距時点に
    おける被検出物体を決定した後、第2の予測範囲と今回
    の計測時点における被検出物体の相対位置に基づいて前
    回の計測時点における新規被検出物体と同一である今回
    の測距時点における被検出物体を決定し、前回と今回の
    計測時点における被検出物体の位置変化に基づいて被検
    出物体の移動ベクトルを算出することを特徴とする請求
    項2に記載の車間距離検出装置。
  4. 【請求項4】 上記特徴算出手段は被検出物体の自車
    両に対する相対位置を表す特徴量に加えて被検出物体の
    大きさを表す特徴量を算出し、上記移動ベクトル算出手
    段は前回の計測時点における被検出物体に基づいて設定
    した第1または第2の予測範囲内に存在する今回の計測
    時点における被検出物体と上記第1または第2の予測範
    囲の設定元の被検出物体について、上記特徴算出手段が
    算出した被検出物体の大きさを示す特徴量を比較し、両
    被検出物体の上記特徴量に相違がある場合には両者を同
    一物体ではないと判定し移動ベクトルを算出しない機能
    を更に備えたことを特徴とする請求項2または請求項3
    に記載の車間距離検出装置。
  5. 【請求項5】 上記移動ベクトル算出手段は、上記第1
    または第2の予測範囲内に今回の計測時点における被検
    出物体が1個だけ存在する場合に同一物体であると判定
    して優先的に移動ベクトルを算出し、その後、上記第1
    または第2の予測範囲内に今回の計測時点における被検
    出物体が複数個存在する場合の移動ベクトルを算出する
    請求項3または請求項4に記載の車間距離検出装置。
  6. 【請求項6】 上記移動ベクトル算出手段は、上記第1
    または第2の予測範囲が上記物体検出手段の検出範囲内
    である場合に優先的に移動ベクトルを算出し、その後、
    上記第1または第2の予測範囲が上記物体検出手段の検
    出範囲外である場合の移動ベクトルを算出することを特
    徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の車間
    距離検出装置。
  7. 【請求項7】 上記特徴算出手段は、被検出物体の相対
    位置を表す特徴量に加えて被検出物体の大きさを表す特
    徴量を算出し、上記路側リフレクタ認識手段は上記特
    徴算出手段が算出した被検出物体の大きさを表す特徴量
    と上記移動ベクトル算出手段が算出した移動ベクトルと
    上記車両速度計測手段が計測した自車両の速度に基づい
    て路側リフレクタを認識することを特徴とする請求項2
    から請求項6のいずれかに記載の車間距離検出装置。
  8. 【請求項8】 記路側リフレクタ認識手段は上記特
    徴算出手段が算出した被検出物体の大きさを表す特徴量
    と上記移動ベクトル算出手段が算出した移動ベクトルと
    上記車両速度計測手段が計測した自車両の速度に基づい
    て路側リフレクタ候補を抽出し、上記路側リフレクタ候
    補の相対位置の横方向に沿って両側に車幅相当の大きさ
    を持つ探索領域を設定し上記探索領域内に他の路側リフ
    レクタ候補が存在しない場合に上記路側リフレクタ候補
    を路側リフレクタと判定することを特徴とする請求項
    に記載の車間距離検出装置。
  9. 【請求項9】 上記路側リフレクタ左右判定手段は、左
    右判定の基準として自車両からの距離が最も短い最近傍
    路側リフレクタ軌跡を探し、上記最近傍路側リフレクタ
    軌跡中の最新の計測時点における路側リフレクタの相対
    位置と最古の計測時点における路側リフレクタの相対位
    置を結ぶ直線を計算し、上記直線が自車両の真横におい
    て自車両の左または右を通過するかに基づいて上記最近
    傍路側リフレクタ軌跡が道路の左路側または右路側に設
    置されたものかを判定した後、自車両からの距離が近い
    順に路側リフレクタ軌跡の相対位置と上記直線に基づい
    て路側リフレクタ軌跡が上記最近傍路側リフレクタと同
    一路側か反対路側かを判定し、上記最近傍路側リフレク
    タと同一路側と同一路側と判定された路側リフレクタ軌
    跡を新たな左右判定の基準とし、自車両からの距離が近
    い順に路側リフレクタ軌跡の左右判定を行うことを特徴
    とする請求項2から請求項8のいずれかに記載の車間距
    離検出装置。
  10. 【請求項10】 上記道路形状近似手段は、上記路側リ
    フレクタ左右判定手段が判定した左右片側または左右両
    側の路側リフレクタ軌跡に基づいて、道路形状を曲率が
    変化する曲線により近似することを特徴とする請求項2
    から請求項9のいずれかに記載の車間距離検出装置。
  11. 【請求項11】 上記道路形状近似手段は、上記路側リ
    フレクタ左右判定手段が判定した左右片側または左右両
    側の路側リフレクタ軌跡に基づいて、道路形状を曲率が
    変化しかつ自車両の真横で自車の進行方向と平行な傾き
    を持つ曲線により近似することを特徴とする請求項10
    に記載の車間距離検出装置。
  12. 【請求項12】 上記自車線算出手段は、上記道路形状
    近似手段が近似した近似曲線を自車両の中心まで平行移
    動し自車線中心とし、上記自車線中心に沿って車線幅に
    相当する範囲を自車線範囲とすることを特徴とする請求
    項2から請求項11のいずれかに記載の車間距離検出装
    置。
  13. 【請求項13】 上記先行車認識手段は、上記自車線算
    出手段が算出した自車線範囲に自車線中心からの横方向
    の距離に応じた自車線信頼度分布を設定し、上記相対位
    置算出手段が算出した被検出物体の相対位置と上記自車
    線信頼度分布に基づいて被検出物体の自車線信頼度を算
    出し、上記自車線信頼度に基づいて先行車を認識するこ
    とを特徴とする請求項から請求項12のいずれかに記
    載の車間距離検出装置。
  14. 【請求項14】 上記先行車認識手段は、上記自車線信
    頼度を測距時点毎に累積した累積自車線信頼度を算出
    し、上記累積自車線信頼度に基づいて先行車を認識する
    ことを特徴とする請求項13に記載の車間距離検出装
    置。
  15. 【請求項15】 上記先行車認識手段は、道路形状を認
    識できない場合に今回の計測時点における被検出物体の
    内で、前回の計測時点において先行車と認識した被検出
    物体の相対位置に最も近い位置に存在する被検出物体を
    先行車として認識する機能を更に備えたことを特徴とす
    る請求項から請求項14のいずれかに記載の車間距離
    検出装置。
  16. 【請求項16】 道路形状認識手段は、上記道路形状近
    似手段が近似曲線を算出する際に用いた路側リフレクタ
    軌跡の数に基づいて、上記道路形状近似手段が今回の計
    測時点において近似した近似曲線と前回の計測時点にお
    いて近似した近似曲線の信頼度を比較し、より信頼度の
    高い近似曲線により今回の計測時点における道路形状を
    修正する道路形状修正手段を更に備え、上記自車線算出
    手段は上記道路形状修正手段が修正した近似曲線に基づ
    いて自車両が走行中の自車線範囲を算出することを特徴
    とする請求項2から15のいずれかに記載の車間距離検
    出装置。
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