JP3228416U - 作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置 - Google Patents

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玲子 田辺
玲子 田辺
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Abstract

【課題】給電用ケーブルによる壁面の殴打をなくして、騒音や建物側の破損と給電ケーブルの破断をなくすことができるとともに、ゴンドラの昇降と水平移動を円滑に行うことができる作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置を提供する。【解決手段】作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置は、建物の外壁工事に用いる作業用ゴンドラ1が建物の上部に水平移動可能に設けたトロリ6から垂下された吊下げ用ワイヤ3により昇降可能に吊り下げられている装置である。作業用ゴンドラ1に昇降用の第1の駆動部材2、及び第1の駆動部材2に給電するためのバッテリ21が設置され、トロリ6に水平移動用の第2の駆動部材7が設置され、この第2の駆動部材7へバッテリ21から給電する給電用ケーブル25が設けられている。【選択図】図1

Description

この考案は、作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置に関し、さらに詳しくは建物の外壁工事等に際して、作業者が乗り込む作業用ゴンドラが建物の上部に水平移動可能に設けたトロリから垂下された吊下げ用ワイヤにより昇降可能に設けられた装置において、水平移動の駆動(電源)をゴンドラ側から取るようにした技術に係るものである。
前記のような作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置として、従来知られているのは図2に示すものである。すなわち、作業用ゴンドラ1の昇降は、ゴンドラに設けた左右一対の駆動モータ2により吊りワイヤ3を巻き上げ又は巻き戻しをして行っていた。また、ゴンドラ1の水平移動は、建物の屋上に架設した走行レール5に設置された電動トロリ6の駆動モータ7により行っていた。8はトロリ6の水平移動の際に建物の屋上等にある図示しない配電盤から駆動モータ7へ電気を供給する給電用ケーブル(1次電源ケーブル)であり、このケーブル8はトロリ6の移動とともにその長さを調節可能なようにレール5に水平移動可能に介装されたハンガ9に所定間隔を置いて取り付けられている。
前記の装置においては、ゴンドラ1を昇降させるときには駆動モータ2を駆動する。また、ゴンドラ1を水平移動させるときは駆動モータ7を駆動する。このように各モータ別の駆動により昇降と水平移動を行う。なお、6aは従動トロリ、6bはライフライントロリ、4はライフラインを示す。また、10は1次電源ケーブルからの電気をゴンドラ側の駆動モータ2へ供給するためのケーブルで、その先端はホバー中継盤11に接続されている。12はゴンドラ操作盤で、ホバー中継盤11とケーブル13で、左右の駆動モータ2とはケーブル14,15を介して接続されている。16はホバー中継盤11とケーブル17で接続された操作用のペンダントスイッチである。
ところで、前記の従来の装置においては、トロリ6へ電気を供給するケーブル8が必然的に長くなってしまうため、その取扱い作業が煩雑となってしまい、作業性が悪いものであるのに加え、ケーブル8で屋上等にある前記配電盤とトロリ6の駆動モータ7を繋いでいるため、ハンガ9とハンガ9の間隔が狭くなり、その間のケーブル8が図2のように下方に大きく撓んでしまうことがある。そうすると風が強いと撓んだケーブルで建物の壁面を大きく叩くことがあり、付近に騒音となって伝わり迷惑をかけるとともに、もし壁面にガラス窓があるとそのガラスを破損させることにもなるという問題があった。
また、ハンガ9が走行レール5のつなぎ箇所に位置して、その走行が停止してしまった際に、風を受けて揺れる給電用ケーブル8が建物の突起部等に引っ掛かり断線するというトラブル発生の問題もあった。
そこでこの考案は、前記従来の問題を解消し、給電用ケーブルによる壁面の殴打をなくして、騒音や建物側の破損と給電ケーブルの破断をなくすことができるとともに、ゴンドラの昇降と水平移動をきわめて円滑に行うことができる作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の考案は、建物の外壁工事に用いる作業用ゴンドラが建物の上部に水平移動可能に設けたトロリから垂下された吊下げ用ワイヤにより昇降可能に吊り下げられている装置であって、前記作業用ゴンドラに昇降用の第1の駆動部材、及び該駆動部材に給電するためのバッテリが設置され、前記トロリに水平移動用の第2の駆動部材が設置され、この第2駆動部材へ前記バッテリから給電する給電用ケーブルが設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1において、前記トロリは、第2の駆動部材が設置された電動トロリと、従動トロリと、ライフライントロリとからなっており、各トロリが着脱可能に取り付けられている。
この考案は、前記のようであって、請求項1に記載の考案によれば、建物の外壁工事に用いる作業用ゴンドラが建物の上部に水平移動可能に設けたトロリから垂下された吊下げ用ワイヤにより昇降可能に吊り下げられている装置であって、前記作業用ゴンドラに昇降用の第1の駆動部材、及び該駆動部材に給電するためのバッテリが設置され、前記トロリに水平移動用の第2の駆動部材が設置され、この第2駆動部材へ前記バッテリから給電する給電用ケーブルが設けられているので、ゴンドラを水平移動するトロリの駆動モータの電源を従来の屋上等の配電盤からではなく、ゴンドラに設置したバッテリから取ることが可能になる。そのため、従来用いていた長い給電用ケーブルが必要なくなる。しかも、従来風のあるときに起きていた建物の壁面を殴打して騒音となって近所迷惑になるようなことがなくなり、窓ガラスを破損させるという事故もなくなる。また、ゴンドラの昇降、水平移動ともゴンドラ側からの操作で行うことができるので、操作性がよい。また、円滑で、かつ安全な作業が期待できるため、作業能率も向上する。
請求項2に記載の考案によれば、前記トロリは、第2の駆動部材が設置された電動トロリと、従動トロリと、ライフライントロリとからなっており、各トロリが着脱可能に取り付けられているので、搬入・搬出時に分解して小型にして持ち運ぶことができ、輸送が便利となる。
この考案に係わる作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置の一実施の形態を示す全体概略正面図である。 従来の装置を示す全体概略正面図である。
以下、この考案の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、一実施の形態に係わる作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置の概要を示す説明図である。この実施の形態において、従来の装置と同じ構成には同一符号を付してその説明を簡略にし、主として異なる構成につき、以下に説明することとする。
21はバッテリで、作業用ゴンドラ1に設置され、該ゴンドラを昇降させる左右一対の駆動モータ2へ給電する。22はインバータで、バッテリ21とケーブル23を介して、またホバー中継盤11とケーブル24を介して接続されている。25はバッテリ21からトロリ6側へ電気を供給するための給電用ケーブル(トロリ操作ケーブル)であり、ホバー中継盤11と電動トロリ6の駆動モータ7を接続している。ケーブル25はゴンドラ1の揚程を十分カバーする長さを有している。なお、バッテリ21とインバータ22の設置位置に関しては、ここではゴンドラ内側面に上下に設置しているが、ゴンドラ1の作業床の下方の空隙を利用してもよく、その設置位置は任意である。
インバータ22はバッテリ21からの直流を交流へ変換して出力する。ホバー中継盤11はインバータ22から出力されてきた交流をゴンドラ操作盤12、電動トロリ6へそれぞれ出力する。ゴンドラ操作盤12はホバー中継盤11から出力されてきた交流を電源とし、図示しない制御回路を介して左右の駆動モータ2へ出力する。前記の制御回路は左右の駆動モータ2の上下、左右のバランスの自動調整、非常停止、上限リミット等の主な制御を行う。電動トロリ6はホバー中継盤11から出力されてきた交流を電源とし、電動トロリ6内の駆動モータ(ギアモータ)7を駆動し、レール5の上を走行する。
ペンダントスイッチ16はゴンドラ1の上下左右方向への動きを司るもので、上下の押しボタン、左右の押しボタンを有し、これら押しボタンを操作によりゴンドラ1の動きを操作できるようになっている。
ゴンドラ1の吊りワイヤ3は電動トロリ6と、これに追随して動く従動トロリ6aから直接吊り下げられているため、電動トロリ6を操作することによってゴンドラ1を水平(図では左右)移動させることが可能になっている。
電動トロリ6は一方の吊りワイヤ3のほぼ真上に配置され、従動トロリ6aは他方の吊りワイヤ3のほぼ真上に配置され、両吊りワイヤ3の中間位置のほぼ真上にライフライントロリ6bが配置されている。これら3つのトロリ6,6a,6bは着脱可能に取り付けられている。そのため、搬入・搬出時に分解して小型にして持ち運ぶことができ、輸送が便利となる。
前記のような構成からなるので、ゴンドラ1を例えば左方へ移動するにはペンダントスイッチ16の左押しボタンをオンする。するとトロリ6,6a,6bが左方へ移動し、目的の位置にきたらオフにする。これによりトロリは停止し、吊りワイヤ3で同時に移動するゴンドラ1も所定位置に位置する。また、逆に右方へ移動するにはペンダントスイッチ16の右押しボタンをオンする。するとトロリ6,6a,6bが右方へ移動し、目的の位置にきたらオフにする。これによりトロリは停止し、ゴンドラ1も所定位置に位置する。なお、この左右移動に際し、トロリ6,6a,6bが左方又は右方への移動限界の壁面の端部に達すると、それを図示しないリミットスイッチが検知し、その検知信号をゴンドラ操作盤12の制御回路へ送り、そこから駆動モータ7へ停止信号を送り停止する。
一方、トロリ6,6a,6bが停止している状態でゴンドラ1を上昇させるにはペンダントスイッチ16の上押しボタンをオンする。するとゴンドラ1が上方へ移動し、目的の位置にきたらオフにする。これによりゴンドラ1は停止し、所定位置に位置することになる。また、逆に下方へ移動するにはペンダントスイッチ16の下押しボタンをオンする。するとゴンドラ1が下方へ移動し、目的の位置にきたらオフにする。これによりゴンドラ1は停止し、所定位置に位置することになる。この上下移動の限界に達したときもリミットスイッチが検知し、駆動モータ2を停止することは前記と同様である。
前記において、ペンダントスイッチ16の左押しボタンと上押しボタンを同時にオンすると、ゴンドラ1は左斜め上方向へ移動し、右押しボタンと下押しボタンを同時にオンすると、ゴンドラ1は右斜め下方向へ移動する。また、ペンダントスイッチ16の左押しボタンと下押しボタンを同時にオンすると、ゴンドラ1は左斜め下方向へ移動し、右押しボタンと上押しボタンを同時にオンすると、ゴンドラ1は右斜め上方向へ移動する。
前記のようであって、ゴンドラ1を水平移動するトロリ6の駆動モータ7の電源を従来の屋上にある配電盤からではなく、ゴンドラ1に設置したバッテリ21から取るので、従来用いていた長い給電用ケーブル8が必要なくなる。そのため、そのケーブルの配線の準備作業等も必要なくなり、作業の効率化が図られ、作業性がよくなる。また、従来風のあるときに起きていた建物の壁面を殴打して騒音となって近所迷惑になるようなことがなくなり、窓ガラスを破損させるという事故もなくなる。
また、ゴンドラ1の昇降、水平移動ともゴンドラ1に設置したバッテリ21からの電源を利用するため、操作も簡単で、ゴンドラ1に乗っている作業者のみで円滑に、かつ安全に行うことができる。
また、前記したように従来のような長い給電用ケーブル8の配設の必要がなくなるので、全体としてのゴンドラ1の建物への設置が迅速にできる。また、建物によっては屋上に配電盤が設置されていないこともあり、そのようなビルに対しては特に利便性が高い。
なお、前記実施例で示したトロリ6,6a,6bの構成は、一例を示したもので、図示しものに限るものではない。必要により異なる設計にしてもよいことは言うまでもない。また、構成各部の構造も、あくまでも一例であり、同効のものであればそれを採用してもよいことは勿論である。
1 作業用ゴンドラ
2 駆動モータ(第1の駆動部材)
3 吊りワイヤ
5 走行レール
6 電動トロリ
6a 従動トロリ
6b ライフライントロリ
7 駆動モータ(第2の駆動部材)
16 ペンダントスイッチ
21 バッテリ
22 インバータ
25 給電用ケーブル

Claims (2)

  1. 建物の外壁工事に用いる作業用ゴンドラが建物の上部に水平移動可能に設けたトロリから垂下された吊下げ用ワイヤにより昇降可能に吊り下げられている装置であって、
    前記作業用ゴンドラに昇降用の第1の駆動部材、及び該駆動部材に給電するためのバッテリが設置され、前記トロリに水平移動用の第2の駆動部材が設置され、この第2駆動部材へ前記バッテリから給電する給電用ケーブルが設けられていることを特徴とする作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置。
  2. 前記トロリは、第2の駆動部材が設置された電動トロリと、従動トロリと、ライフライントロリとからなっており、各トロリが着脱可能に取り付けられている請求項1に記載の作業用ゴンドラの昇降・水平移動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114351999A (zh) * 2022-01-18 2022-04-15 中国葛洲坝集团第三工程有限公司 一种用于提高安全性的房建吊篮

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