JP3228392U - 箱用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】積み重ねて用いられる際に容易に重ね合わせられ、かつ確実に滑り止め機能を発揮する箱体を組立可能な箱用シートを提供する。【解決手段】左右方向に交互に連接され、四角筒状に組立てられる一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2と、一対の長さ面パネルの上縁から延出する一対の蓋外フラップ3と、一対の幅面パネルの上縁から延出する一対の蓋内フラップ4と、一対の長さ面パネルの下縁から延出する一対の底外フラップ5と、一対の幅面パネルの下縁から延出する一対の底内フラップ6とを備え、一対の蓋外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第1凹部11が形成されており、一対の底外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第2凹部12が形成されており、複数の箱体を積み重ねた際に、下側の第1凹部と、上側の第2凹部間の凸部11a、12aとが嵌合可能に形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、箱用シートに関する。
段ボールシート等から組立てられる箱体が、物品の保管、運搬等に広く用いられている。特に同一種類の物品を同一形状の複数の箱体に詰めて保管又は運搬する際、省スペースの観点から、上記複数の箱体は積み重ねられる場合が多い。
このように複数の箱体を積み重ねると、上側に積まれた箱体が落下するおそれがある。この箱体の落下を抑止するため、滑り止めを設けた箱体が公知である(特開2005−132407号公報参照)。
上記従来の箱体は、天面に凸部が設けられ、この凸部が嵌まり込む凹部が底面に設けられており、箱体を積み重ねた際に上側の箱体の凹部と、下側の箱体の凸部とが嵌合して、滑り止めとなる。
特開2005−132407号公報
上記従来の箱体では、上記凸部は例えば矩形状とされている。このため、上記従来の箱体を重ねる場合、上側の箱体の凹部と下側の箱体の凸部とを正確に位置合わせする必要がある。しかし、積み重ねる際、上側の箱体が下側の箱体の天面に近接してくると、下側の箱体の天面に位置する上記凹部が上側の箱体に隠れてしまい、上記凹部と上記凸部とを正確に位置合わせして積み重ねることは容易ではない。また、上記凹部と上記凸部との嵌合を解消するには真上に持ち上げる必要があり、運搬の作業性にも劣る。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、積み重ねて用いられる際に容易に重ね合わせられ、かつ確実に滑り止め機能を発揮する箱体を組立可能な箱用シートの提供を課題とする。
本考案の一態様に係る箱用シートは、左右方向に交互に連接され、四角筒状に組立てられる一対の長さ面パネル及び一対の幅面パネルと、上記一対の長さ面パネルの上縁から延出する一対の蓋外フラップと、上記一対の幅面パネルの上縁から延出する一対の蓋内フラップと、上記一対の長さ面パネルの下縁から延出する一対の底外フラップと、上記一対の幅面パネルの下縁から延出する一対の底内フラップとを備え、上記一対の蓋外フラップの先端縁同士の突き合わせにより蓋部が閉塞され、上記一対の底外フラップの先端縁同士の突き合わせにより底部が閉塞される箱体に組立可能な箱用シートであって、上記一対の蓋外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第1凹部が形成されており、上記一対の底外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第2凹部が形成されており、複数の上記箱体を積み重ねた際に、下側の上記箱体の第1凹部と、上側の上記箱体の第2凹部間の凸部とが嵌合可能に形成されている。
本考案の箱用シートは、組立てられる箱体を上下に積み重ねた際に、容易に重ね合わせられ、かつ確実に滑り止め機能を発揮する。
図1は、本考案の一実施形態に係る箱用シートを示す模式的平面図(展開図)である。 図2は、図1の箱用シートを組み立てて得られる箱体を示す模式的斜視図である。 図3は、図2の箱体を2箱積み重ねた状態を示す模式的斜視図である。 図4は、図3の箱体の重なりを示すA−A線での模式的断面図である。
[本考案の実施形態の説明]
最初に本考案の実施態様を列記して説明する。
本考案の一態様に係る箱用シートは、左右方向に交互に連接され、四角筒状に組立てられる一対の長さ面パネル及び一対の幅面パネルと、上記一対の長さ面パネルの上縁から延出する一対の蓋外フラップと、上記一対の幅面パネルの上縁から延出する一対の蓋内フラップと、上記一対の長さ面パネルの下縁から延出する一対の底外フラップと、上記一対の幅面パネルの下縁から延出する一対の底内フラップとを備え、上記一対の蓋外フラップの先端縁同士の突き合わせにより蓋部が閉塞され、上記一対の底外フラップの先端縁同士の突き合わせにより底部が閉塞される箱体に組立可能な箱用シートであって、上記一対の蓋外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第1凹部が形成されており、上記一対の底外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第2凹部が形成されており、複数の上記箱体を積み重ねた際に、下側の上記箱体の第1凹部と、上側の上記箱体の第2凹部間の凸部とが嵌合可能に形成されている。
当該箱用シートは、組立てられた箱体を積み重ねた際に、下側の箱体の複数の第1凹部と、上側の箱体の隣接する第2凹部間の凸部とが嵌合し、滑り止めとして機能する。また、当該箱用シートは、第1凹部及び第2凹部が蓋外フラップの外面及び底外フラップの外面を横断するように設けられているので、上下に箱体を重ねた後であっても箱体の側面から嵌合状態を確認し易い。そのため、第1凹部と上記凸部とを容易に嵌合させ、確実に滑り止め機能を発揮させることができる。
上記一対の蓋外フラップの外面に、その先端縁に沿って上記複数の第1凹部と重なり合いながら延びる第3凹部が形成されており、上記一対の底外フラップの外面に、その先端縁に沿って上記複数の第2凹部と重なり合いながら延びる第4凹部が形成されているとよい。蓋部及び底部を閉塞する際、突き合わせれた先端縁同士に封函テープが貼付される場合がある。このように封函テープを用いて閉塞する場合、この封函テープを上記第3凹部及び上記第4凹部に貼付することで、封函テープが蓋部あるいは底部から突出することを抑止できる。このため、封函テープが第1凹部と第2凹部間の凸部との嵌合を阻害し難くなるので、より確実に滑り止め機能を発揮できる。
段ボールシートからなり、上記第1凹部及び上記第3凹部が、上記蓋外フラップの外面への潰し加工で形成され、上記第2凹部及び上記第4凹部が、上記底外フラップの外面への潰し加工で形成されているとよい。このように第1凹部乃至第4凹部が潰し加工で形成されていることで、当該箱用シートの製造が容易になるとともに、凹部を形成するための切断や折り曲げを不要とでき、箱体の強度を確保し易い。
上記第1凹部が、上記蓋外フラップの先端縁に対して傾斜しており、上記第2凹部が、上記底外フラップの先端縁に対して傾斜しているとよい。このように第1凹部及び第2凹部をそれぞれ蓋外フラップ及び底外フラップの先端縁に対して傾斜して設けることで、滑り止め機能を向上できる。
上記第2凹部の幅が、上記第1凹部の幅よりも大きいとよい。このように第2凹部の幅を第1凹部の幅よりも大きくとることで、相対的に第2凹部間の凸部の幅が狭くなる。このため、組立てられた箱体を積み重ねた際に上側の箱体の底部に位置する上記凸部を下側の箱体の蓋部に位置する第1凹部に対してさらに容易に嵌合させることができる。
なお、本考案において、「左右方向」とは、箱用シートを組み立ててなる箱体の想定される一般的な使用態様における水平方向を意味し、「上」及び「下」とは、想定される一般的な使用態様における上下を意味するが、上記箱体の使用時の向きを制限することを企図するものではない。また、「内」及び「外」は、それぞれ箱体の内側及び外側を指す。「潰し加工」とは、例えば多重罫線(並列な複数の罫線)を一方の面に形成する加工をいう。
[本考案の実施形態の詳細]
以下、本考案の実施形態に係る箱用シートについて適宜図面を参照しつつ説明する。
本考案の一態様に係る箱用シートは、図1に示すように、1枚のシート材から形成され、図2に示すような箱体20に組立可能な箱用シートである。なお、図1において、太い実線はシート材を切断した切断線を示し、細い実線はシート材に筋押しして形成される罫線を示す。
当該箱用シートを形成するシート材としては、例えば段ボールシート、プラスチックボード、ボール紙等を用いることができ、中でも段ボールシートが好適に用いられる。以下、当該箱用シートが段ボールシートからなる場合を例にとり説明するが、上記シート材が段ボールシートに限定されることを企図するものではない。
上記ダンボールシートとしては、1枚の中芯の両側を一対のライナーで挟み込んだものだけでなく、3枚のライナーの間にそれぞれ中芯が挟み込まれたいわゆるダブルフルートであってもよく、あるいは中芯の片側にのみライナーが貼着されたいわゆる片面段ボールであってもよい。
上記シート材の厚さの下限としては、強度の観点から、3mmが好ましい。一方、シート材の厚さの上限としては、特に限定されないが、箱体20への組立の容易性から8mmが好ましい。
当該箱用シートは、図1に示すように、左右方向(図1のx方向)に交互に連接され、四角筒状に組立てられる一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2と、一対の長さ面パネル1の上縁から延出する一対の蓋外フラップ3と、一対の幅面パネル2の上縁から延出する一対の蓋内フラップ4と、一対の長さ面パネル1の下縁から延出する一対の底外フラップ5と、一対の幅面パネル2の下縁から延出する一対の底内フラップ6と、糊代部7とを備える。当該箱用シートは、図2に示すように、一対の蓋外フラップ3の先端縁同士の突き合わせにより蓋部21が閉塞され、一対の底外フラップ5の先端縁同士の突き合わせにより底部22が閉塞される。
<長さ面パネル及び幅面パネル>
長さ面パネル1と幅面パネル2とは略方形状である。また、一対の長さ面パネル1は同等の大きさとされ、一対の幅面パネル2は同等の大きさとされる。
長さ面パネル1の上下方向長さ(図1のy方向の長さ)と、幅面パネル2の上下方向長さとは等しい。また、長さ面パネル1の左右方向長さ(図1のx方向の長さ)は、幅面パネル2の左右方向長さ以上である。
なお、長さ面パネル1及び幅面パネル2の上下方向長さ、長さ面パネル1の左右方向の長さ、並びに幅面パネル2の左右方向の長さは、当該箱用シートにより組み立てられる箱体20に収容が想定される収容物の大きさや個数に対応できるように適宜決定される。
<蓋外フラップ及び蓋内フラップ>
一対の蓋外フラップ3及び一対の蓋内フラップ4は、略方形状であり、当該箱用シートを組み立ててなる箱体20の天面側を閉塞可能に構成されている。つまり、一対の蓋外フラップ3及び一対の蓋内フラップ4は、組立時に、それぞれ延出する長さ面パネル1及び幅面パネル2に対して内側へ直角に折り曲げられ、蓋内フラップ4が内側となるように重ね合わされて箱体20の蓋部21を形成することができる。
一対の蓋外フラップ3は、先端縁同士を突き合わせられるように構成されている。それぞれの蓋外フラップ3の延出方向長さ(図1のy方向の長さ)は、例えば幅面パネル2の左右方向の長さの1/2とされる。
一方、蓋内フラップ4の延出方向長さは、特に限定されないが、蓋外フラップ3の長さと同等とできる。
なお、蓋外フラップ3及び蓋内フラップ4の左右方向の長さ(図1のx方向の長さ)は、特に限定されないが、それぞれ延出する長さ面パネル1及び幅面パネル2の左右方向の長さと同等とすることが好ましい。
<底外フラップ及び底内フラップ>
一対の底外フラップ5及び一対の底内フラップ6は、略方形状であり、箱体20の底面側を閉塞可能に構成されている。つまり、一対の底外フラップ5及び一対の底内フラップ6は、組立時に、それぞれ延出する長さ面パネル1及び幅面パネル2に対して内側へ直角に折り曲げられ、底内フラップ6が内側となるように重ね合わされて箱体20の底部22を形成することができる。
箱体20の底部22を閉塞可能に構成されている点を除き、一対の底外フラップ5及び一対の底内フラップ6は、一対の蓋外フラップ3及び一対の蓋内フラップ4と同様に構成できるので、詳細説明を省略する。
(糊代部)
糊代部7は、左右方向に交互に連接される一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2で構成される帯状体の側端に設けられている。図1の箱用シートでは、糊代部7は、長さ面パネル1に設けられている。糊代部7は、上記帯状体の他方の側端と当接可能に構成されている。この当接部分を上記帯状体の他方の側端に貼着することで一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2を無端状とできる。あるいは、貼着に代えてワイヤー接合等により結合してもよい。
糊代部7は方形状とすることもできるが、台形状であることが好ましい。具体的には、糊代部7は、その一対の側辺が上記帯状体から遠ざかるに従って内側へ傾斜する等脚台形状であるとよい。このように糊代部7を等脚台形状とすることで、当該箱用シートを箱体20に組み立てた際に、糊代部7の側縁付近での貼着強度を維持しつつ、糊代部7の側縁が蓋内フラップ4や底内フラップ6と干渉することを抑止できる。
<凹部>
当該箱用シートは、一対の蓋外フラップ3の外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第1凹部11が形成されており、一対の底外フラップ5の外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第2凹部12が形成されており、図3及び図4に示すように、複数の箱体20を積み重ねた際に、下側の箱体20の第1凹部11と、上側の箱体20の第2凹部12間の凸部12aとが嵌合可能に形成されている。
また、当該箱用シートは、一対の蓋外フラップ3の外面に、その先端縁に沿って複数の第1凹部11と重なり合いながら延びる第3凹部13が形成されており、一対の底外フラップ5の外面に、その先端縁に沿って複数の第2凹部12と重なり合いながら延びる第4凹部14が形成されている。
第1凹部11及び第3凹部13は、蓋外フラップ3の外面への潰し加工で形成され、第2凹部12及び上記第4凹部14は、底外フラップ5の外面への潰し加工で形成されているとよい。このように第1凹部11乃至第4凹部14が潰し加工で形成されていることで、当該箱用シートの製造が容易になるとともに、凹部を形成するための切断や折り曲げを不要とでき、箱体20の強度を確保し易い。なお、図1の箱用シートでは、2点鎖線で示されている第1凹部11乃至第4凹部14は、潰し加工されていることを示している。
上記凹部が潰し加工で形成されている場合、上記凹部(第1凹部11乃至第4凹部14の段ボールシートの厚さ方向の深さとしては、組み立て状態において内面側のライナーを突出させない範囲、つまり内面に凹凸が生じない範囲で可能な限り大きい方が好ましい。
(第1凹部及び第2凹部)
第1凹部11及び第2凹部12は、幅が均一な帯状である。また、第1凹部11は、蓋外フラップ3の先端縁に対して傾斜しており、第2凹部12は、底外フラップ5の先端縁に対して傾斜している。このように第1凹部11及び第2凹部12をそれぞれ蓋外フラップ3及び底外フラップ5の先端縁に対して傾斜して設けることで、滑り止め機能を向上できる。
一方の蓋外フラップ3に形成される第1凹部11と、他方の蓋外フラップ3に形成される第1凹部11とは、傾斜方向が逆で、傾斜角度(蓋外フラップ3の基端縁とのなす角度)が等しい。つまり、複数の第1凹部11は、図3に示すように、箱体20の蓋部21を形成した際に全体でV字状の凹部を形成するとよい。複数の第2凹部12についても、同様に傾斜するとよい。このように複数の第1凹部11及び複数の第2凹部12を傾斜させることで、複数の箱体20を積み重ね、下側の箱体20の第1凹部11と、上側の箱体20の第2凹部12間の凸部12aとが嵌合した状態において、いずれの方向にも滑らなくすることができる。
一方、複数の第1凹部11が一対の蓋外フラップ3間で平行となるように傾斜し、複数の第2凹部12が一対の底外フラップ5間で平行となるように傾斜していてもよい。このように傾斜させると、複数の第1凹部11及び複数の第2凹部12は、箱体20の蓋部21及び底部22を形成した際に、それぞれ全体で平行なストライプを構成する。このように複数の第1凹部11及び複数の第2凹部12を傾斜させることで、複数の箱体20を積み重ねた際に、このストライプに垂直な方向に移動させると容易かつ確実に嵌合状態とできるようになる。
第1凹部11の幅(蓋外フラップの基端縁に沿った方向の長さ、つまり図1のx方向の長さ)の下限としては、1cmが好ましく、2cmがより好ましい。一方、第1凹部11の幅の上限としては、5cmが好ましく、4cmがより好ましい。第1凹部11の幅が上記下限未満であると、上側に積み重ねられる箱体20の底部22の凸部12aと嵌合させ難くなるおそれがある。逆に、第1凹部11の幅が上記上限を超えると、第1凹部11の本数が少なくなるため、箱体20を積み重ねた際の滑り止め効果が不十分となるおそれがある。
第2凹部12の幅は、第1凹部11の幅よりも大きいとよい。このように第2凹部12の幅を第1凹部11の幅よりも大きくとることで、相対的に第2凹部12間の凸部12aの幅が狭くなる。このため、複数の箱体20を積み重ねた際に上側の箱体20の底部22に位置する凸部12aを下側の箱体20の蓋部21に位置する第1凹部11に対してさらに容易に嵌合させることができる。
第2凹部12の幅を第1凹部11の幅より大きくとる際、第1凹部11と第2凹部12との幅の差の下限としては、0.5cmが好ましく、1cmがより好ましい。一方、上記差の上限としては、2.5cmが好ましく、2cmがより好ましい。上記幅の差が上記下限未満であると、上述の嵌合を容易とする効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記幅の差が上記上限を超えると、複数の箱体20を積み重ねた際に上下の箱体20同士が十分に固定されず、ガタつくおそれがある。
複数の第1凹部11及び複数の第2凹部12は、それぞれ蓋外フラップ3の基端縁に等間隔に配列されているとよい。このように複数の第1凹部11及び複数の第2凹部12を等間隔に配列することで、滑り止め効果を高められる。このとき、複数の第1凹部11のピッチを第1凹部11の幅の略2倍(例えば1.8倍以上2.2倍以下)とすることがより好ましい。このように複数の第1凹部11間のピッチをとることで、第1凹部11の合計面積と、第1凹部11間の凸部11aの合計面積とが略等しくなり、滑り止め効果がさらに向上する。
上述のように複数の箱体20を積み重ねた際に、下側の箱体20の第1凹部11と、上側の箱体20の第2凹部12間の凸部12aとは、嵌合可能である。嵌合可能である限り第1凹部11及び第2凹部12の構成は特に限定されないが、例えば図1に示すように構成するとよい。すなわち、同一の長さ面フラップ1から延出する蓋外フラップ3及び底外フラップ5に対して、その基端側から同方向に複数の第1凹部11及び複数の第2凹部12が傾斜しており、蓋外フラップ3の第1凹部11間の凸部11aと対応する底外フラップ5の領域に第2凹部12が設けられ、底外フラップ5の第2凹部12間の凸部12aと対応する蓋外フラップ3の領域に第1凹部11が設けられているとよい。ここで、「蓋外フラップの凸部と対応する底外フラップの領域」とは、図1に示す箱用シートの状態で、蓋外フラップの凸部が存在する領域と、左右方向が同じ位置(つまり上下方向に対向する位置)で、上記凸部の蓋外フラップの基端縁からの距離と底外フラップの基端縁からの距離とが等しい領域を指す。「底外フラップの凸部と対応する蓋外フラップの領域」についても同様である。
(第3凹部及び第4凹部)
蓋部21及び底部22を閉塞する際、図2に示すように、突き合わせれた先端縁同士に封函テープXが貼付される場合がある。このように封函テープXを用いて閉塞する場合、この封函テープXを第3凹部13及び第4凹部14に貼付することで、図4に示すように、封函テープXが蓋部21あるいは底部22から突出することを抑止できる。このため、封函テープXが第1凹部11と第2凹部12間の凸部12aとの嵌合を阻害し難くなるので、より確実に滑り止め機能を発揮できる。
第3凹部13は、図1に示すように、一対の蓋外フラップ3の先端縁に沿って帯状に設けられる。第3凹部13の幅(蓋外フラップ3の延出方向の長さ、つまり図1のy方向の長さ)は、一対の蓋外フラップ3間で等しいことが好ましい。
第3凹部13の幅としては、使用する封函テープXの幅の1/2と同等又は若干大きい幅とするとよい。このように第3凹部13の幅をとることで、封函テープXの蓋部21からの突出を確実に抑止できる。
第4凹部14は、底外フラップ5に設けられる点を除き、第3凹部13と同様であるので詳細説明を省略する。
<箱体の組立方法>
当該箱用シートを箱体20に組み立てる箱体の組立方法は、四角筒状部組立工程と、底部組立工程と、蓋部組立工程とを備える。
(四角筒状部組立工程)
四角筒状部組立工程では、左右方向に交互に連接される一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2を四角筒状に組み立てる。
具体的には、以下の手順による。まず、左右方向に交互に連接される一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2のうち、一方の側端(図1の左側)に位置する長さ面パネル1を、隣接する幅面パネル2の内面側に折り重ね、他方の側端(図1の右側)に位置する幅面パネル2を、隣接する長さ面パネル1の内面側に折り重ねる。そして糊代部7を幅面パネル2の左右方向他方側(長さ面パネル1との連接側と反対側)の内面に貼着する。これにより、一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2が無端状に接続される。当該箱用シートは、この状態でユーザ(箱体20の使用者)に提供される。幅面パネル2への糊代部7の貼着は、例えば接着剤、ステープラー等を用いて行うことができる。
次に、無端状に接続された一対の長さ面パネル1及び一対の幅面パネル2を四角筒状に広げる。これにより、箱体20の側面が四角筒状に組み立てられる。
(底部組立工程)
底部組立工程では、一対の底内フラップ5及び一対の底外フラップ6により箱体20の底部22を組み立てる。
具体的には、以下の手順による。まず、一対の底内フラップ6を幅面パネル2に対して直角になるように四角筒状の箱体の内側に折り曲げる。次に、その外面に接するように一対の底外フラップ5を長さ面パネル1に対して直角になるように折り曲げる。一対の底外フラップ5は、先端縁同士を突き合わせ可能に構成されているので、この突き合わせ部すなわち第4凹部14に封函テープXを貼着することで、底部22が形成される。
(蓋部組立工程)
蓋部組立工程では、一対の蓋外フラップ3及び一対の蓋内フラップ4により箱体20の蓋部21を組み立てる。
この工程は、梱包する対象物を底部22及び上記四角筒状部で囲まれる空間に収容した後に行われる。蓋部21の形成方法は、底部組立工程と同様の手順で行うことができる。
以上のようにして、当該箱用シートを箱体20に組み立てることができる。
<箱体の積み重ね方法>
複数の当該箱用シートから組み立てられた複数の箱体20は、上下に積み重ねる際に上側の箱体20の底部22と、下側の箱体20の蓋部21とが重なるように積み上げることで、下側の箱体20の第1凹部11と、上側の箱体20の第2凹部12間の凸部12aとが嵌合する。同時に下側の箱体20の第1凹部11間の凸部11aは、上側の箱体20の第2凹部12と嵌合する。この嵌合により、第1凹部11の側面が第2凹部12間の凸部12aの側面と対向し、第2凹部12の側面が第1凹部11間の凸部11aと対向するので、上側の箱体20が水平方向に移動することを抑止できる。
上下に積み重ねる際に上側の箱体20の底部22と、下側の箱体20の蓋部21との重なりにずれが生じると、上述の嵌合が生じない場合がある。このような場合にあっても、当該箱用シートを組み立てた箱体20では、第1凹部11及び第2凹部12が蓋外フラップ3の外面及び底外フラップ5の外面を横断するように設けられているので、箱体20の側面から嵌合状態を確認しつつ、上記嵌合が生じるように位置を調整することができる。
<利点>
当該箱用シートは、組立てられた箱体20を積み重ねた際に、下側の箱体20の複数の第1凹部11と、上側の箱体20の隣接する第2凹部12間の凸部12aとが嵌合し、滑り止めとして機能する。また、当該箱用シートは、第1凹部11及び第2凹部12が蓋外フラップ3の外面及び底外フラップ5の外面を横断するように設けられているので、上下に箱体20を重ねた後であっても箱体20の側面から嵌合状態を確認し易い。そのため、第1凹部11と上記凸部12aとを容易に嵌合させ、確実に滑り止め機能を発揮させることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本考案の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本考案の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態では、第1凹部が蓋外フラップの先端縁に対して傾斜しており、第2凹部が底外フラップの先端縁に対して傾斜している場合を説明したが、第1凹部が蓋外フラップの先端縁に対して直交しており、第2凹部が底外フラップの先端縁に対して直交している場合も本考案の意図するところである。
上記実施形態では、第3凹部及び第4凹部が形成されている場合を説明したが、いずれか一方又は両方を省略することもできる。例えば封函テープの厚さが無視できる程度に小さい場合や、ワイヤー接合などテープで封函しない場合にあっては、第3凹部及び第4凹部が形成されていなくとも、滑り止め効果を発揮することができる。
以上のように、本考案の箱用シートは、組立てられる箱体を上下に積み重ねた際に、容易に重ね合わせられ、かつ確実に滑り止め機能を発揮する。従って、当該箱用シートを組み立ててなる箱体を用いることで、複数の箱体を積み重ねても、上側に積まれた箱体が滑って落下することが抑止される。
1 長さ面パネル
2 幅面パネル
3 蓋外フラップ
4 蓋内フラップ
5 底外フラップ
6 底内フラップ
7 糊代部
11 第1凹部
11a 凸部
12 第2凹部
12a 凸部
13 第3凹部
14 第4凹部
20 箱体
21 蓋部
22 底部
X 封函テープ

Claims (5)

  1. 左右方向に交互に連接され、四角筒状に組立てられる一対の長さ面パネル及び一対の幅面パネルと、
    上記一対の長さ面パネルの上縁から延出する一対の蓋外フラップと、
    上記一対の幅面パネルの上縁から延出する一対の蓋内フラップと、
    上記一対の長さ面パネルの下縁から延出する一対の底外フラップと、
    上記一対の幅面パネルの下縁から延出する一対の底内フラップと
    を備え、
    上記一対の蓋外フラップの先端縁同士の突き合わせにより蓋部が閉塞され、上記一対の底外フラップの先端縁同士の突き合わせにより底部が閉塞される箱体に組立可能な箱用シートであって、
    上記一対の蓋外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第1凹部が形成されており、
    上記一対の底外フラップの外面に、幅方向と交差する方向に横断するようにストライプ状に延びる複数の第2凹部が形成されており、
    複数の上記箱体を積み重ねた際に、下側の上記箱体の第1凹部と、上側の上記箱体の第2凹部間の凸部とが嵌合可能に形成されている箱用シート。
  2. 上記一対の蓋外フラップの外面に、その先端縁に沿って上記複数の第1凹部と重なり合いながら延びる第3凹部が形成されており、
    上記一対の底外フラップの外面に、その先端縁に沿って上記複数の第2凹部と重なり合いながら延びる第4凹部が形成されている請求項1に記載の箱用シート。
  3. 段ボールシートからなり、
    上記第1凹部及び上記第3凹部が、上記蓋外フラップの外面への潰し加工で形成され、
    上記第2凹部及び上記第4凹部が、上記底外フラップの外面への潰し加工で形成されている請求項2に記載の箱用シート。
  4. 上記第1凹部が、上記蓋外フラップの先端縁に対して傾斜しており、
    上記第2凹部が、上記底外フラップの先端縁に対して傾斜している請求項1、請求項2又は請求項3に記載の箱用シート。
  5. 上記第2凹部の幅が、上記第1凹部の幅よりも大きい請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の箱用シート。


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