JP3226914U - 消火設備配管の接続構造 - Google Patents

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久誉 大越
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Abstract

【課題】作業が不慣れな者でもネジ接続により安定したシール性能を得ることができ、これに加えて接続部分が確実に締結されていることが容易に確認できる消火設備配管の接続構造を提供する。【解決手段】牡ネジ21と牝ネジ11の締結により牡配管部材22と多口継手Tの接続口10とを接続する消火設備配管の接続構造であって、牡配管部材22は、牡ネジ21から突出して接続口の牝ネジ11よりも奥側に挿入される突出部20aを有する連結筒部20と、牡ネジと牝ネジの締結部を接続口の内部に対して止水する止水部材9、12とを有する。また、牡配管部材22は段部31を有し、接続口は段部16を有し、牡配管部材と接続口との接続状態で両段部に係合するインジケーター32を備える。【選択図】図2

Description

本考案は、例えばスプリンクラーヘッドに消火用の水を供給するのに用いる消火設備配管に関する。
スプリンクラー設備は、ビルやショッピングセンター等に設置されており、火災を消すための水を貯蔵する貯水槽と、水を散布するスプリンクラーヘッド、貯水槽とスプリンクラーヘッドを接続する消火設備配管、貯水槽の水をスプリンクラーヘッドへ送水するためのポンプ等の設備から構成されている。消火設備配管の内部には加圧された水が充填されている。
スプリンクラーヘッドは、主に天井面や、倉庫等の天井が無い建物では屋根の直下等の床から離れた高い位置に設置される。そのため貯水槽からスプリンクラーヘッドに水を送る消火設備配管も室内の高い位置に敷設される。このため作業者は高所作業車に乗って高い位置に移動して、尚且つ上を向きながら配管の接続作業を行っている。ゆえに消火設備配管の施工は、一般的に足元が不安定な高所での作業であり、作業者の負担が大きく、また作業の安全性の確保が重要な課題とされている。
消火設備配管は、貯水槽へと続いている主配管を多口継手により分岐させ、金属製のフレキシブル配管や樹脂管等の可撓管を介してスプリンクラーヘッドと接続されている。可撓管と多口継手の接続口の口径サイズは16A〜25Aが用いられる。多口継手の接続口の接続構造は管用テーパーネジ構造となっており、その接続作業はネジ部にシールテープを巻いた後、所定のトルクをかけて螺合させるようにする。これによりネジ山の間には、シールテープが食い込むことによって、止水のためのシール性が得られる。
しかしながらこうした接続作業は、不慣れな作業者が行うと水漏れが生じてしまうことがある。漏れた箇所は接続作業のやり直しとなるため、作業効率が低下してしまう。また接続作業では、所定のトルクをかけて螺合させるために専用工具を用いる必要がある。より具体的に説明すると、接続作業では専用工具として金属製のレンチやスパナが用いられる。この金属製の重い工具を使用して頭上に設置された多口継手の複数の接続口へ可撓管を接続する作業は、作業者の負担がとても大きい。
作業効率を改善し、作業負担を軽減するため、例えばネジを用いない迅速管継手(例えば、特許文献1参照)や、融着接続可能な樹脂配管(例えば、特許文献2参照)を用いることが知られている。しかしながら、樹脂配管を融着する熱源として専用の融着装置が必要であり、高所での接続作業には適していない。またこれらの継手を用いて、万が一に接合不良によって管が継手から外れてしまった場合には、大量の水が室内に放出されて水損被害が生じるおそれがある。ゆえに、施工不良における水損リスクは、前述のネジ接続構造を用いたほうが少ないとの考え方もある。
また、配管部材の接続部分が確実に締結しているかどうかを作業者の間で確認できるように、接続作業の終了後に、現場管理者等の点検者が接続部分の確認を行うケースがある。しかしながら、点検者が脚立等の足場や高所作業車を使用して、配管部材と多口継手との接続部分を一つ一つ確認する作業には、多大な時間と手間を要している。
さらに、可撓管と多口継手の接続後から天井下地材が設置されるまでの間の建物の施工工程では、消火設備配管の周囲にケーブルや照明、ダクト等を設置する。そのため、その設置作業の支障とならないように、可撓管はコイル状に巻かれた状態のまま消火設備配管に接続しておき、天井下地材の設置後に可撓管を引き伸ばして天井下地材の所定の位置にスプリンクラーヘッドを固定設置することが多い。しかしながらケーブルや照明等の施工時に誤って可撓管に物がぶつかったり、あるいは可撓管を巻くときや、伸ばして天井下地材に固定する際に可撓管や継手等の配管部材に過負荷が加わると、可撓管自体や可撓管と多口継手との接続部分が破損して水漏れが生じるおそれがある。あるいは水漏れに至らない程度に破損を受けた箇所が、施工後に消火設備配管の管内に生じる異常昇圧やウォーターハンマーが生じたときに、内部流体からの衝撃によって漏れが発生するおそれがある。
また、特許文献3では配管の接続部分にバンド71を設置することを開示している(図11参照)。バンド71はC字型クリップであり、弾性変形によって係止スリット72を係止鍔部74に嵌めて、2つのバンド71で挟み込むようにして設置する。しかしながら、バンド71の端73、73の間隔が狭く、バンド71のばねによる保持力も強いため、例えばバンド71を間違ってフレキシブル配管75に嵌めてしまった場合には、そのままフレキシブル配管75を保持してしまう。特に消火設備配管では床面や天井と略平行に配管が設置されるので、バンド71が自重によって移動せず、また脱落しにくいので、誤って装着されていることを作業者や点検者が気付かないおそれがある。
特開2006−226532号公報 特開平10−118219号公報 特開平5−164277号公報
以上のような従来技術を背景になされたのが本考案である。即ち本考案は、作業が不慣れな者でもネジ接続により安定したシール性能を得ることができる消火設備配管及びその接続構造を提供することを目的とする。また本考案は、これに加えて接続部分が確実に締結されていることを容易に確認できる消火設備配管及びその接続構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本考案は以下の消火設備配管の接続構造を提供する。
本考案は、牡ネジを有する消火設備配管用の牡配管部材と、前記牡ネジと螺合する牝ネジを有する消火設備配管用の牝配管部材とを備え、前記牡ネジと前記牝ネジの締結により前記牡配管部材と前記牝配管部材とを接続する消火設備配管の接続構造について、前記牡配管部材は、前記牡ネジよりも前記牝配管部材の内部に向けて突出して前記牝ネジよりも奥側に挿入される突出部を有する連結部材と、前記突出部の外周面と前記牝配管部材の内周面とに接触し、前記牡ネジと前記牝ネジの締結部を前記牝配管部材の内部に対して止水する止水部材とを有しており、前記牡配管部材は、外周面に第1の係合受け部を有し、前記牝配管部材は、外周面に第2の係合受け部を有しており、さらに、前記牡配管部材と前記牝配管部材との接続状態で前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部にそれぞれ係合する一対のリングと、隣接する前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部との離間距離に対応する長さを有するとともに前記一対のリングどうしを繋ぐ保持部とを有するインジケーターを備えることを特徴とする。
本考案によれば、牡配管部材が、牡ネジよりも牝配管部材の内部に向けて突出して牝ネジよりも奥側に挿入される突出部を有する連結部材と、突出部の外周面と牝配管部材の内周面とに接触し、牡ネジと牝ネジの締結部を牝配管部材の内部に対して止水する止水部材とを有する。このため、突出部に設けた止水部材が、牡ネジと牝ネジの締結部よりも奥側位置で牝配管部材の内周面と接触して止水することで、牝配管部材の管内から締結部に漏れる漏水が発生するのを防ぐことができる。
また、前記本考案は、牡配管部材の突出部に止水部材を設けるため、牝配管部材の管端から離れた突出部の挿入位置における牝配管部材の内周面に、例えばゴム弾性を有する止水リングのような止水部材を配置する必要がなく、製造を容易に行うことができる。突出部に設ける止水部材としては、ゴム弾性を有する止水リング等を用いることができ、作業に熟練を要するシールテープを高所で巻いて止水する作業を無くすことができ、接続作業の作業負担を軽減して接続作業を容易に行うことができる。
牡配管部材と牝配管部材の接続作業は牡ネジと牝ネジの締結であることから、作業者が容易に接続することができ、しかもその締結によって前述した止水部材による止水が牝配管部材の管内でなされることから、接続作業をすれば同時に止水がなされることになる。
さらに、インジケーターは、保持部が第1の係合受け部と第2の係合受け部の離間距離に対応する長さを有するため、牡ネジと牝ネジとが正しく締結されていなければ、一対のリングを第1の係合受け部と第2の係合受け部に係合することができず、インジケーターを装着できない。このため作業者は、牡ネジと牝ネジとが正しく締結されていることをインジケーターの装着状態を目視することで容易に確認することができる。
前記一対のリングについては、それぞれ馬蹄形状に形成されており、各リングの先端部に前記第1の係合受け部及び前記第2の係合受け部に対して抜け止めする内向きの湾曲先端部を有するように構成できる。
本考案によれば、内向きの湾曲先端部が第1の係合受け部及び第2の係合受け部と抜け方向で係止するため、一対のリングが第1の係合受け部及び第2の係合受け部から抜けてインジケーターが脱落するのを防ぐことができる。
前記一対のリングについては、前記第1の係合受け部及び前記第2の係合受け部と係合した状態で、前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部とを押圧挟持して保持するように構成できる。
本考案によれば、一対のリングが第1の係合受け部と第2の係合受け部とを押圧挟持して保持するので、インジケーターが外れ難く牡配管部材と牝配管部材との接続部分に確実に装着することができる。
前記保持部については、前記一対のリングの円周上位置に対向配置した一対の第1の保持部と、前記一対の第1の保持部の間における前記円周上位置に配置した第2の保持部とを有するように構成できる。
本考案によれば、第1の保持部が一対のリングの円周上位置に対向配置されているため、対向する一対のリングで第1の係合受け部と第2の係合受け部とを挟み込んで保持することができる。さらに第2の保持部が一対の第1の保持部の間における前記円周上位置に配置されているため、少なくとも3方向から牡配管部材と牝配管部材との接続部分を保持することができ、インジケーターをより確実に装着することができる。
前記牡配管部材については、前記連結部材を回転可能に保持する収容部を有するように構成できる。
本考案によれば、牡配管部材の収容部の内部で連結部材が回転可能であるため、連結部材に予め長い配管が接続されている場合には、連結部材を回転させず牡配管部材のみを回転させることで、牡ネジを牝ネジに締結することができる。
また、連結部材を回転させず牡配管部材のみの回転で接続できるため、牡ネジと牝ネジとの締結過程で連結部材に設けた止水部材が連結部材とともに回転しながら牝配管部材の内周面と摺動接触することがない。したがって突出部に対する止水部材の装着状態が良好なまま、牝配管部材の内周面と接触させて止水することができる。
そして、牡ネジと牝ネジの締結状態では、連結部材は回転可能であるため、配管にねじれや曲げの負荷が作用した場合でも連結部材が空回りすることで配管に対する負荷を低減できる。
前記本考案については、牡配管部材が前記第1の係合受け部と隣接する前記牝配管部材との接続側部位に第1の環状突起を有しており、前記牝配管部材が前記第2の係合受け部と隣接する前記牡配管部材との接続側部位に第2の環状突起を有しており、前記第1の環状突起と前記第2の環状突起が、前記牡配管部材と前記牝配管部材との接続状態で相互に接触することで、前記保持部が外周面と押圧接触しつつ前記一対のリングによりそれらの環状側面を挟持する鍔状突起を形成するように構成することができる。
牡配管部材と牝配管部材とが適切に接続されると、第1の環状突起と第2の環状突起が重ね合わさって鍔状突起を形成する。インジケーターは、この鍔状突起の外周面と押圧接触しつつ一対のリングにより環状側面を挟持する。したがって、牡配管部材と牝配管部材が正しく接続されなければ、鍔状突起が形成されないため、インジケーターを装着することもできない。よって、牡配管部材と牝配管部材とが正しく接続されているか否かをインジケーターによって容易に確認することができる。
前記連結部材については、前記牝配管部材に挿入する前記突出部の反対側端部に接続した可撓管を有するように構成できる。
本考案によれば、連結部材に可撓管が接続されているため、その柔軟性を活用してスプリンクラーヘッド等の消火設備の構築を容易に行うことができる。
前記牡配管部材については、前記連結部材と前記可撓管との接続部を覆う筒状被覆部を有するように構成できる。
本考案によれば、筒状被覆部により外力から接続部を保護して、適切な接続部を維持して漏水の発生を防ぐことができる。
前記本考案については、前記筒状被覆部と前記接続部との間に前記可撓管の曲がり変形を許容する可動隙間を有するように構成できる。
本考案によれば、可撓管が可動隙間によって湾曲可能となるため、その柔軟性を活かした配管を行うことができる。また、筒状被覆部は可動隙間内で湾曲する可撓管の可動域を規制する役割をもつ。したがって、筒状被覆部によって過剰な屈曲から可撓管及び接続部を保護することができる。
前記牝配管部材については、多口継手の接続口として構成することができる。
本考案によれば、多数の接続口を有する多口継手であっても、水漏れなく確実に接続することができ、しかも作業員が接続作業を容易かつ迅速に行うことができる。さらに牡配管部材と牝配管部材との接続の適否をインジケーターの目視で作業員が容易に確認することができる。
前記牡配管部材については、前記第1の係合受け部と隣接する部位に、前記リングの内径と異なる外径を有し、前記リングが係合不能な第1の装着不能部を有するように構成できる。
本考案によれば、第1の係合受け部から外れたところにリングを装着しようとしても、リングの内径と異なる外径を有する第1の装着不能部により係合できない。このため、本考案ではリングを正しく第1の係合受け部に装着することができる。
前記牝配管部材については、前記第2の係合受け部の隣接する部位に、前記リングの内径と異なる外径を有し、前記リングが係合不能な第2の装着不能部を有するように構成できる。
本考案によれば、第2の係合受け部から外れたところにリングを装着しようとしても、リングの内径と異なる外径を有する第2の装着不能部により係合できない。このため、本考案ではリングを正しく第2の係合受け部に装着することができる。
本考案によれば、接続作業が容易であり、作業が不慣れな者でも安定したシール性能を得ることができる。したがって消火設備配管の高所での接続作業を確実かつ容易に行うことができる。
また本考案によれば、インジケーターにより牡配管部材と牝配管部材との接続部分が適切に締結されていることを容易に確認することができる。したがって高所に設置されている消火設備配管の接続部分の点検を確実かつ容易に行うことができる。
一実施形態による消火設備配管の設置状態と接続状態を示す説明図。 第1実施形態による消火設備配管の接続構造を示す断面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 図2で示す消火設備配管の接続前を示す断面図。 図2で示すインジケーターの説明図であり、分図(a)はインジケーターの外観図、分図(b)は分図(a)の矢印A方向から見た外観図。 図2の変形例を示す断面図。 第2実施形態による消火設備配管の接続構造を示す断面図。 図7で示すインジケーターの説明図であり、分図(a)はインジケーターの断面図、分図(b)は分図(a)の矢印A方向から見た外観図。 図7で示す多口継手の外観図。 図7で示す消火設備配管の接続前の断面図。 一従来例の消火設備配管の接続構造を示す外観図。
本考案の消火設備配管の接続構造の実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、具体例として多口継手Tとフレキシブル配管Fとの接続構造について説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」の用語は、それらに続く考案の構成要素についての特定の順序を示すものではなく、同一名称の構成要素を識別するためだけに用いるものである。また、実施形態間で同一の構成要素については同一の符号を付して詳細な構成、作用、効果の重複説明を省略する。
第1実施形態〔図1〜図6〕
図1で示すように、多口継手Tの側面に設置された接続口10は、金属製のフレキシブル配管Fの一端と接続している。フレキシブル配管Fの他端にはスプリンクラーヘッドSが接続されている。多口継手Tの上端の接続口8は給水配管Pと接続されており、給水配管Pは図示しないポンプや水源等の給水装置と接続されている。
スプリンクラーヘッドSは、先端が天井板Cから室内側に露出して設置される。天井板Cは天井下地材5により支持されており、スプリンクラーヘッドSも金具6により天井下地材5に固定して設置される。給水配管Pやフレキシブル配管Fの周囲および天井下地材5の上方には、図示しないダクトや配線、照明機器が設置されている。
図1ではフレキシブル配管Fは引き伸ばした状態となっているが、スプリンクラーヘッドSを天井下地材5に設置する前はコイル状に巻かれている。「可撓管」としてのフレキシブル配管Fは自在に屈曲可能な金属製の蛇腹管であるが、これに替えて樹脂管を用いることもできる。
多口継手Tは、内部が空洞の管状であり、上端の接続口8は給水配管Pと接続される。多口継手Tの側面には「牝配管部材」としての接続口10が2〜6箇所設置される。本実施形態では接続口10が放射状に4箇所設置されている。図2および図4は多口継手Tとフレキシブル配管Fとの接続部分の拡大断面図であり、多口継手Tの接続口10の内部には牝ネジ11が形成されている。接続口10の開口側端部10aからみた牝ネジ11の奥には、「止水部材」としての第1のOリング12が設置されている。牝ネジ11と第1のOリング12との間は、後述する連結筒部20の第2のOリング26が接するシール面9となっている。
牝ネジ11よりも手前、即ち接続口10の開口側端部10aにはロックリング13が設置されている。ロックリング13は接続口10の外周面に形成された環状溝14の内部に設置されている(図3、図4)。
ロックリング13は、金属細線等のばね弾性を有する線材にて形成されており、牝ネジ11と牡ネジ21との締結の緩みを防止するストッパーとして機能する。ロックリング13は、図3で示すように有端円環状に形成されており、その一端側には線材の端部を中心側に折り曲げて形成したロック部13aを有している。
ロック部13aは、環状溝14から接続口10の内周側に通じる係止孔15に挿通されており、ロックリング13を環状溝14に配置した状態で、接続口10の内周面よりも内側に突き出た状態となっている。環状溝14の深さ寸法は、ロックリング13の太さ寸法よりも小さく形成されている。そのためロックリング13は環状溝14に配置した状態で、環状溝14の上端開口から突出する状態となっている。ロックリング13は、先の尖った工具やマイナスドライバー等を利用して環状溝14から容易に取外すことができる。
接続口10の開口側端部10aからみた環状溝14の奥側には「第2の係合受け部」としての凹部16が設置されている。凹部16は、接続口10の外周面の周方向に沿って伸長する環状溝として形成されている。この凹部16と隣接する開口側端部10aは、接続口10の外周面に沿って周方向に伸長する「第2の環状突起」として形成されている。
フレキシブル配管Fの端部は、「連結部材」としての連結筒部20に溶接により固定されている。連結筒部20の外側には、牡配管部材22が装着されている。牡配管部材22は、円管状に形成されており、その一端側(図中右側)には牡ネジ21が形成されている。牡配管部材22は、連結筒部20を介してフレキシブル配管Fの端部に接続されている。
連結筒部20の外周面には段23が設けられており、牡配管部材22の内周面にも段24が設けられている。接続口10への連結筒部20の挿入方向で、段23が段24と突き当たって係止する。さらに連結筒部20の外周面には、止め輪25が装着されている。止め輪25には牡配管部材22の牡ネジ21側の先端が係止している。これにより連結筒部20は、牡配管部材22の収容部22aに抜去不能な状態で収容された状態となり、かつ牡配管部材22に対して空回り可能となっている。したがって、連結筒部20に接続されたフレキシブル配管Fも、牡配管部材22に対して空回り可能となっている。
段23と止め輪25の間の連結筒部20の外周面と、牡配管部材22の牡ネジ21側の内周面との間には隙間21aが設けられている。接続口10の内部には牝ネジ11とシール面9が形成されるが、牡ネジ21とシール面9を別工程で加工した際に、牡ネジ21とシール面9の中心軸がずれるおそれがある。しかしながら前述の隙間21aを設けることによって、そのような中心軸のずれが吸収され牡配管部材22の着脱をスムーズに行うことができる。
止め輪25を装着した側の連結筒部20の端部(図中右側の端)は、牡配管部材22から突出する突出部20aを形成しており、その外周面には「止水部材」としての第2のOリング26が装着されている。突出部20aにおける第2のOリング26よりも先端側の外周面は、接続口10の内部の第1のOリング12が押圧接触するシール面27となっている。突出部20aの先端の外縁は湾曲面となっている。そのため連結筒部20を接続口10に挿入する際に、突出部20aの先端の外縁が第1のOリング12と擦れても、第1のOリング12には傷が付かないようにしている。
止め輪25を装着した側と反対側の連結筒部20の端部(図中左側の端)は、フレキシブル配管Fとの連結部20bとなっている。連結部20bとフレキシブル配管Fとは、ナット28を介して接続されている。ナット28とフレキシブル配管Fは溶接等によって固定されることで止水処理されている。ナット28の牝ネジ28aと連結筒部20の牡ネジ29とは相互に螺合することで、連結筒部20とフレキシブル配管Fとの「接続部」をなし、ナット28はその「接続部」を覆う「筒状被覆部」をなしている。
牡配管部材22の外周部には前述の牡ネジ21が形成され、牡ネジ21のナット28側には、牡配管部材22の周方向に伸長する環状の溝30が形成されている。溝30には、ロックリング13のロック部13aの先端が収容され、またストッパーとして機能するロックリング13が係止する係止段部として機能する。ロックリング13のロック部13aを溝30に係合しやすくするために、溝30と牡ネジ21の間には斜面30aが形成されている。
溝30の斜面30aが形成された側と反対側の縁は、牡ネジ21と牝ネジ11を締結した際に接続口10の開口側端部10aの端面が当接する接触面30bとなっている。
牡配管部材22の外周面には、溝30に隣接して「第1の環状突起」としての鍔部22bが形成されている。鍔部22bは牡配管部材22の外周面に周方向に沿って伸長する環状の突起として形成されている。
鍔部22bの隣には「第1の係合受け部」としての凹部31が形成されている。凹部31は牡配管部材22の外周面の周方向に沿って伸長する環状溝として形成されている。「第1の係合受け部」としての凹部31と「第2の係合受け部」としての接続口10の凹部16には、インジケーター32が係合される。
インジケーター32は、図5に示すように馬蹄形状又はC字型に形成されており、樹脂や金属等のばね弾性を有する材質で形成されている。インジケーター32の内側には凹部16、31と係合する一対の突起33、33が設置されている。突起33はインジケーター32の中心側に延出されており、先端33aどうしの間に欠如部を有するリング形状に形成されている。一対の突起33、33は薄肉部34で繋がっている。突起33、33を繋ぐ薄肉部34の長さは、凹部16と凹部31の間の離間距離に対応する長さとなっている。各突起33の内縁には複数の凹部35を有している。各凹部35は、各突起33の内周縁から薄肉部34に到達する深さを有しており、これによりインジケーター32が弾性変形しやすくなっている。またインジケーター32の両端部、即ち一対の突起33の先端33aには薄肉部34を欠落している。このため突起33、33を凹部16、31に係合しやすくなっている。
インジケーター32は、フレキシブル配管Fと多口継手Tの接続部分が確実に締結していることを示すためのものである。インジケーター32は、牡ネジ21と牝ネジ11を螺合させて牡配管部材22の接触面30bと接続口10の開口側端部10aの端面が当接した状態のときに凹部16、31と係合可能である。このとき2つの凹部16、31の間を跨ぐように薄肉部34が配置される。牡ネジ21と牝ネジ11の螺合が不足していると、突起33、33の間隔(突起33、33を繋ぐ薄肉部34の長さ)に対して凹部16と凹部31の間隔が広い。このため突起33、33は凹部16、31に係合できず、ネジの締結が不十分であることを認識することができる。この場合、牡配管部材22をさらにネジが締まる方向に回転させて接触面30bと接続口10の端面を当接させてからインジケーター32を凹部16、31に装着させる。
またインジケーター32を蛍光色の目立つ色で着色しておくと建物の高い位置に設置された多口継手Tとフレキシブル配管Fとの接続状態を点検者が床面から目視により確認しやすくなる。
続いて、フレキシブル配管Fを多口継手Tに接続する手順は以下のとおりである。
給水配管Pに接続された多口継手Tには複数の接続口10が設けられている。フレキシブル配管Fはナット28を介して連結筒部20と予め接続されている。まず接続口10の内部に、牡配管部材22から突出した連結筒部20を挿入すると、連結筒部20のシール面27が接続口10のシール面9の内側に差し込まれる。この段階では牡ネジ21と牝ネジ11は螺合していない。
続いて牡配管部材22を回転させると牡ネジ21と牝ネジ11が螺合する。すると連結筒部20は少しずつ接続口10の奥へ移動して第1のOリング12、第2のOリング26がシール面27、9に対して接触する。このとき、牡配管部材22は連結筒部20に対して空回りするので、牡ネジ21と牝ネジ11の螺合の際に連結筒部20は回転せず、第1のOリング12、第2のOリング26が螺合による回転で捻じれて止水性能が低下することを防止している。また、連結筒部20の他端側に接続されているフレキシブル配管Fも、牡ネジ21と牝ネジ11の螺合による回転によって捻じれることは無い。
さらに牡配管部材22を回転させると、連結筒部20が接続口10の奥に向かって移動して第1のOリング12、第2のOリング26がシール面27、9と接して潰れる。牡ネジ21と牝ネジ11の螺合による連結筒部20の移動によって第1のOリング12、第2のOリング26が潰れて止水シールが形成されるため、作業者の負担が軽減される。また、第1のOリング12と第2のOリング26が牡ネジ21と牝ネジ11の締結部よりも奥側位置でシール面27、9と接触して止水するので、締結部への漏水を防ぐことができる。さらに第2のOリング26は突出部20aに装着するため、接続口10の内部に第2のOリング26を配置する必要がなく、製造を容易に行うことができる。そして第1のOリング12と第2のOリング26を用いることで、作業に熟練を要するシールテープはその使用を廃止することができ、高所での接続作業の作業負担を軽減することができる。
また、第1のOリング12、第2のOリング26を接続口10と連結筒部20の各々に設置したことで、2つのOリング12、26を潰すために必要な連結筒部20の移動量がOリング1個を潰す移動量で済み、それにより牝ネジ11と牡ネジ21のネジ長さを短くすることができる。ネジ長さが短いことで牡配管部材22、連結筒部20を備える継手の長さを管軸方向で短縮でき、さらに軽量化できるメリットがある。
牡ネジ21と牝ネジ11を螺合する際には、ロックリング13のロック部13aの先端が、牡配管部材22の斜面30aに沿って外側に弾性変形して斜面30aを乗り越えて溝30の内部に移動してロック状態となる。この状態で牝ネジ11を緩む方向に回転しようとしても、ロック部13aと溝30の縁が干渉するため、牝ネジ11の緩む方向への回転が阻止される。
牡ネジ21と牝ネジ11は平行ネジである。このため接続口10の端面が牡配管部材22の接触面30bに接触するまで、牡配管部材22を回転することができる。牡ネジ21と牝ネジ11を締結させた後、インジケーター32を取り付ける。インジケーター32の突起33、33の先端33aを凹部16、31に沿わせて押し込むと、凹部35によってインジケーター32は弾性変形して、対向する先端33a、33aの間隔(欠如部)が広がり、突起33、33が凹部16、31に係合される。これによりインジケーター32は、凹部16、31の間に位置して相互に接触することで「鍔状突起」を形成している牡配管部材22の鍔部22bの環状側面と接続口10の開口側端部10aの環状側面とを挟持する。
なお、接続口10の凹部16の隣の外周部10dは突起33の内周径よりも大径の「第2の装着不能部」であり、インジケーター32を装着できない。同様に、牡配管部材22の凹部31の隣の外周部22dは突起33の内周径よりも大径の「第1の装着不能部」であり、インジケーター32を装着できない。
インジケーター32は、その内側にロックリング13が配置された状態となる。したがってインジケーター32を外さなければ、ロックリング13を外せない状態となり、よって牡ネジ21と牝ネジ11の緩みは阻止される。
そしてインジケーター32は、一対の突起33の対向する先端33aどうしの間隔がロックリング13や凹部16、31の直径よりも短い。即ち先端33aは内向きの「湾曲先端部」として形成されている。このため先端33aを開かなければインジケーター32は凹部16、31から外れない。したがってインジケーター32は強固に装着される。また、一対の突起33は、凹部16、31を押圧挟持して保持するので、この点でもインジケーター32を強固に固定することができる。
これにより多口継手Tとフレキシブル配管Fとの接続は完了する。このように多数の接続口10がある多口継手Tに対してフレキシブル配管Fを水漏れなく確実に接続することができ、しかも接続作業を容易かつ迅速に行うことができる。その後、フレキシブル配管Fの末端に接続されたスプリンクラーヘッドSを天井下地材5に固定した後、天井Cが設置される。
フレキシブル配管Fを多口継手Tから取外す手順は、先にインジケーター32を取外し、ロックリング13が収容されている環状溝14からドライバー等の工具を利用してロックリング13を取外す。その後、牡配管部材22を回転させてネジを緩める。最後に連結筒部20を接続口10から引き抜くことで作業が完了する。
上記の実施形態においては、フレキシブル配管Fと連結筒部20とをナット28を介して接続していたが、これに限らず、例えば図6に示すようにフレキシブル配管Fと連結筒部20を溶接等によって直に接続させて構成することも可能である。
第2実施形態〔図7〜図10〕
この実施形態では、連結筒部20の突出部20aに段差面41が形成されており、段差面41を中心とする一方側と他方側にサイズが異なる第3のOリング42、第4のOリング43を装着したものである。より具体的には第3のOリング42に対して第4のOリング43は、太さと外径が小さいものが用いられている。
接続口10には、連結筒部20の段差面41と対応する部分に段部44が形成されている。段部44に隣接するストレート部10b、10cが第3のOリング42、第4のOリング43のシール面となっている。サイズが異なる第3のOリング42、第4のOリング43を設けることで、第1実施形態と同様に牡ネジ21と牝ネジ11のネジ長さを短くすることができる。また、第1実施形態では、接続口10の内周面に第1のOリング12が装着されており、その取付作業は困難である。これに対して第2実施形態では、第3のOリング42と第4のOリング43がいずれも突出部20aの外周面に装着する構成であり、接続口10の内周面に取付ける必要がないため、第3のOリング42と第4のOリング43の取付作業を容易に行えるという利点がある。さらに第2実施形態ではロックリング13を省いており、よりシンプルな構成となっている。
また図7で示すように、牝ネジ11と牡ネジ21が接続された状態において、段差面41と段部44は係合した状態となる。給水配管Pのメンテナンス等により、配管内部に充填されている水を除去する場合に真空引きをすることがあるが、このとき段差面41と段部44が係合しているので、連結筒部20が負圧によって多口継手T側に移動することを防止できる。
図7、図8で示す牡配管部材22は、管状に形成されており、その一端側、即ち接続口10への挿入側端部の外周面には、牝ネジ11と螺合可能な牡ネジ21が形成されている。他端側、即ち接続口10に挿入しない非挿入側端部は把持部50となっており、外周断面形状が六角形や八角形にて形成されている。牡ネジ21と把持部50の間には、「第1の環状突起」としての鍔部47が形成されている。鍔部47は、牡配管部材22の周方向に沿って伸長する環状突起として形成されている。鍔部47は、牡ネジ21と牝ネジ11が螺合した状態で、鍔部47と接続口10の開口側端部10aに形成されている「第2の環状突起」としての鍔部46と接触する。鍔部47の「環状側面」としての当接面47aと鍔部46の「環状側面」としての当接面46aとが接触した状態の鍔部47と鍔部46は「鍔状突起」を構成する。鍔部47の外径は鍔部46の外径と等しい。また、鍔部47の外径は牡ネジ21や把持部50の外径よりも大きい。
牡配管部材22の内部には、連結筒部20が回転可能に収容されている。連結筒部20には、牡配管部材22の先端部、即ち接続口10への挿入側端部から突出する突出部20aが形成されており、突出部20aの外周面には前述した第3のOリング42、第4のOリング43が設置されている。連結筒部20における突出部20aの反対側端部にはフレキシブル配管Fが接続されている。フレキシブル配管Fの末端にはスプリンクラーヘッドSが接続されている(図1)。連結筒部20とフレキシブル配管Fとの接続部39は溶接されており、牡配管部材22の内部に収容されており外力から保護されている。したがって、接続部39を覆う牡配管部材22の内周面の部分は「筒状被覆部」を構成している。
牡配管部材22の把持部50の内周面とフレキシブル配管Fの外周面の間には可動隙間38が形成されている。フレキシブル配管Fの可動域(屈曲範囲)は、この可動隙間38を超えることがない。即ちフレキシブル配管Fは屈曲させると把持部50の内周面である当接面22eに対して接触し、それ以上の屈曲が規制される。そのため、多口継手Tと牡配管部材22との接続前や接続完了後に、フレキシブル配管Fに過剰な捩じりや曲げ等の負荷が加わった場合でも、可動隙間38の範囲でしかフレキシブル配管Fを屈曲できないため、接続部39の破損を防止することができる。把持部50に収容されている部分のフレキシブル配管F長さは、フレキシブル配管Fの外径に対して0.5〜3倍となっており、特に1〜2倍とするのが好適である。これにより牡配管部材22および連結筒部20の長さを抑えつつ、フレキシブル配管Fの過度な曲げ過ぎを防止することができる。
連結筒部20におけるフレキシブル配管Fとの接続側は外方に拡張したフランジ20cとなっており、フランジ20cは牡配管部材22の内側に形成された段部22cの端面と係合可能である。フランジ20cの外周径は、牡配管部材22のフレキシブル配管Fが挿通された把持部50の内周径よりも小さく、連結筒部20は牡配管部材22に対して空回り可能である。段部22cは牡配管部材22の牡ネジ21側の端面まで形成されており、その内周径はフレキシブル配管Fが挿通された把持部50の内周径よりも小さい。さらに段部22cの内周面と連結筒部20の外周面の間には牡配管部材22と連結筒部20との相対的な回転を許容する隙間21aを有しており、牡配管部材22と連結筒部20は中心軸周りに相対的に回転可能となっている。
図7で示すように、牡ネジ21と牝ネジ11を締結した状態で、フランジ20cと段部22cの端面との間には隙間37が設けられている。この隙間37によって連結筒部20がスムーズに空回り可能となる。より具体的に説明すると、フランジ20cと段部22cの端面とが接触して隙間37が無い状態だと、連結筒部20が回転する際に接触した部分が抵抗となり連結筒部20の回転を阻むおそれがある。しかしながら、隙間37を設けることで連結筒部20がスムーズに回転可能となる。
また、連結筒部20の中間部分の外周面に形成された環状溝の内部には、止め輪25が設置されている。この止め輪25によって連結筒部20が牡配管部材22から抜けることを防止するとともに、連結筒部20と牡配管部材22とが相対的に空回り可能にとなっている。また、牡ネジ21と牝ネジ11との締結後は、連結筒部20が牡配管部材22に対して空回り可能となっている。仮に止め輪25が牡ネジ21の先端と多口継手Tの段部19に挟まれて固定された状態でも、連結筒部20は止め輪25に対して空回りすることができる。
牡配管部材22の牡ネジ21の先端内周には、斜面22fが設けられている。斜面22fは、止め輪25が接触する係止部となっており、牡ネジ21と牝ネジ11の接続後に配管内の流体圧力によって連結筒部20がフレキシブル配管F側に押圧された際に、斜面22fが止め輪25を支持して連結筒部20の中心軸側に押圧する作用を有している。これにより、牡配管部材22の収容部22aの内部に、回転を許容する隙間21aを介して保持されている連結筒部20を接続口10の中心軸に沿うようにセンタリングすることができ、したがって第3のOリング42、第4のOリング43が全周に亘って偏りなく適切にストレート部10b、10cと押圧接触して止水することが可能である。
図7、図8で示すインジケーター45は、接続口10の鍔部46と牡配管部材22の鍔部47とを、それらの側面から挟むように取付けられている。インジケーター45は馬蹄形状又はC字形状の一対のリング48、48の間に、鍔部46、47を押圧保持する複数の保持部49が形成されている。
リング48、48の間隔は、図7に示すように鍔部46、47の対向する当接面46a、47aどうしが接触した状態の「鍔状突起」の厚さtと同じになっている。換言すれば、鍔部47と隣接する把持部50の外周部分(「第1の係合受け部」)と接続口10の溝51(「第2の係合受け部」)との間の離間距離に対応する長さが厚さtと同じであり、その離間距離に対応する長さがリング48,48を繋ぐ保持部49の長さとなっている。これにより作業者が牝ネジ11と牡ネジ21を螺合してからインジケーター45を鍔部46、47に装着する際に、リング48、48の間に鍔部46、47が嵌らない場合は、牝ネジ11と牡ネジ21の締結が不十分であると認識することができる。
保持部49は、リング48の先端48a、48aの間を指す欠如部から最も離れた位置にある第2の保持部49aと、第2の保持部49aと欠如部の間に位置する2つの第1の保持部49bとを有している。第1の保持部49bは、鍔部46、47の円弧状の外周面を挟むように対向して位置している。図8(a)では3つの保持部(49a、49b、49b)によって二点鎖線で示す鍔部46、47の外周面を押圧保持している。第1の保持部49bの先端48a側の端部は、若干内側に湾曲しており、3つの保持部(49a、49b、49b)の内側に挿通された鍔部46、47が外れることを阻止する「湾曲先端部」として形成されている。
インジケーター45は、下方から見えやすいように図8(a)のように第2の保持部49aを下側、即ち室内の床面側に位置するように鍔部46、47に装着される。これにより室内の高所に設置されたインジケーター45を点検者が床面から目視にて認識しやすくなる。
インジケーター45は、鍔部46、47のみに接続可能に構成され、鍔部46、47の近傍にはインジケーター45の「装着不能部」が設けられている。より具体的に説明すると、鍔部47に隣接する把持部50は、リング48、48の内周径よりも小径であるため、インジケーター45の装着不能部(「第1の装着不能部」)となっている。リング48の内周径は、鍔部47に隣接する把持部50の外径よりも大きい。そのため把持部50にインジケーター45を装着して第2の保持部49aを下向きにすると、インジケーター45を把持部50に留めておくことができない。第2の保持部49aを把持部50の上に載置することもできるが、少しの振動で脱落してしまい長期にわたって安定した状態でインジケーター45を把持部50に装着することはできない。また、先端48aが下向きに配置されるので、点検者がインジケーターの向きが逆である事を認識しやすい。
あるいはインジケーター45の2つある第1の保持部49bの一方を、他方の第1の保持部49bよりも大きくして重量を増やすと、把持部50に第2の保持部49aを載置したときに重い方の第1の保持部49bが下方に移動してインジケーター45を把持部50から脱落させ、インジケーター45が把持部50に装着できないように構成できる。
また、溝51に隣接する接続口10の外周部10dにもインジケーター45を装着することはできない。即ち、外周部10dの外径はリング48の内周径よりも大きくインジケーター45を装着できない「第2の装着不能部」となっている。そのため無理に接続口10の外周部10dにインジケーター45を装着しようとすると、インジケーター45の一対の先端48aを大きく開かなければならず、そうするとインジケーター45が破損するので、インジケーター45は装着することができない。
図9に示す多口継手Tでは、接続口10の外周部10dにインジケーター45の装着を阻む環状突出部52が設置されている。環状突出部52は溝51に隣接しており、環状突出部52の外径はリング48の内周径よりも大きく、リング48を嵌めることができない。また多口継手Tにはリブ状突出部53も複数形成されており、リブ状突出部53は一つの接続口10の環状突出部52から隣の接続口10の環状突出部52との間に形成されている。同様に接続口10から多口継手Tの上端側に向かうリブ状突出部53も設置されている。
以上のようにインジケーター45は、鍔部46、47の位置にしか装着することができず、尚且つ鍔部46、47が接触した状態のときに装着できるので、インジケーター45が装着されていれば、牝ネジ11と牡ネジ21が適切な締結状態にあることを離れた場所からでも容易に判断することができる。
以上のような第2実施形態の消火設備配管の接続構造によれば、牡配管部材22が、牡ネジ21よりも接続口10の内部に向けて突出して牝ネジ11よりも奥側に挿入される突出部20aを有する連結筒部20と、突出部20aの外周面と接続口10の内周面とに接触し、牡ネジ21と牝ネジ11の締結部を止水する第3のOリング42と第4のOリング43とを有する。このため、突出部20aに設けた第3のOリング42と第4のOリング43が、牡ネジ21と牝ネジ11の締結部よりも奥側位置で接続口10の内周面と接触して止水することで、当該締結部への漏水を確実に防ぐことができる。こうした作用効果の他、既に説明したものを除き、本実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態の変形例
前記各実施形態では、多口継手Tとフレキシブル配管Fとの接続構造について説明したが、本考案はこれに限らず、各種の消火設備配管の接続構造に適用することができる。例えば、多口継手Tに換えてエルボやチー等の継手に適用することができる。また例えば、エルボ継手の一方の接続口をテーパーネジとし、他方の接続口を上記に説明した接続口10(牝)と同様な構成にすることや、3つの接続口を有するチー継手のうち1箇所または2箇所をテーパーネジとし、残りの接続口を接続口10と同様な構成にすることができる。
5 天井下地材
6 金具
8 接続口
9 シール面
10 接続口(牝配管部材)
10a 開口側端部(第2の環状突起)
10b ストレート部
10c ストレート部
10d 外周部(第2の装着不能部)
11 牝ネジ
12 第1のOリング(止水部材)
13 ロックリング
13a ロック部
14 環状溝
15 係止孔
16 凹部(第2の係合受け部)
20 連結筒部(連結部材)
20a 突出部
20b 連結部
20c フランジ
21 牡ネジ
21a 隙間
22 牡配管部材
22a 収容部
22b 鍔部(第1の環状突起)
22c 段部
22d 外周部
22f 斜面
22e 当接面
23 段
24 段
25 止め輪
26 第2のOリング(止水部材)
27 シール面
28 ナット(筒状被覆部)
28a 牝ネジ(接続部)
29 牡ネジ(接続部)
30 溝
30a 斜面
30b 接触面
31 凹部(第1の係合受け部)
32 インジケーター
33 突起
33a 先端
34 薄肉部
35 凹部
37 隙間
38 可動隙間
39 接続部
41 段差面
42 第3のOリング(止水部材)
43 第4のOリング(止水部材)
44 段部
45 インジケーター
46 鍔部(第2の環状突起)
46a 当接面(環状側面)
47 鍔部(第1の環状突起)
47a 当接面(環状側面)
48 リング
48a 先端
50 把持部(第1の装着不能部)
51 溝
52 環状突出部
53 リブ状突出部
C 天井板
F 金属製のフレキシブル配管(可撓管)
P 給水配管
S スプリンクラーヘッド
T 多口継手

Claims (12)

  1. 牡ネジを有する消火設備配管用の牡配管部材と、
    前記牡ネジと螺合する牝ネジを有する消火設備配管用の牝配管部材とを備え、
    前記牡ネジと前記牝ネジの締結により前記牡配管部材と前記牝配管部材とを接続する消火設備配管の接続構造において、
    前記牡配管部材は、前記牡ネジよりも前記牝配管部材の内部に向けて突出して前記牝ネジよりも奥側に挿入される突出部を有する連結部材と、前記突出部の外周面と前記牝配管部材の内周面とに接触し、前記牡ネジと前記牝ネジの締結部を前記牝配管部材の内部に対して止水する止水部材とを有しており、
    前記牡配管部材は、外周面に第1の係合受け部を有し、
    前記牝配管部材は、外周面に第2の係合受け部を有しており、
    さらに、前記牡配管部材と前記牝配管部材との接続状態で前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部にそれぞれ係合する一対のリングと、隣接する前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部との離間距離に対応する長さを有するとともに前記一対のリングどうしを繋ぐ保持部とを有するインジケーターを備え、
    前記牡配管部材は、前記第1の係合受け部と隣接する部位に、前記リングの内径と異なる外径を有し、前記リングが係合不能な第1の装着不能部を有することを特徴とする消火設備配管の接続構造。
  2. 前記牝配管部材は、前記第2の係合受け部の隣接する部位に、前記リングの内径と異なる外径を有し、前記リングが係合不能な第2の装着不能部を有する請求項1記載の消火設備配管の接続構造。
  3. 牡ネジを有する消火設備配管用の牡配管部材と、
    前記牡ネジと螺合する牝ネジを有する消火設備配管用の牝配管部材とを備え、
    前記牡ネジと前記牝ネジの締結により前記牡配管部材と前記牝配管部材とを接続する消火設備配管の接続構造において、
    前記牡配管部材は、前記牡ネジよりも前記牝配管部材の内部に向けて突出して前記牝ネジよりも奥側に挿入される突出部を有する連結部材と、前記突出部の外周面と前記牝配管部材の内周面とに接触し、前記牡ネジと前記牝ネジの締結部を前記牝配管部材の内部に対して止水する止水部材とを有しており、
    前記牡配管部材は、外周面に第1の係合受け部を有し、
    前記牝配管部材は、外周面に第2の係合受け部を有しており、
    さらに、前記牡配管部材と前記牝配管部材との接続状態で前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部にそれぞれ係合する一対のリングと、隣接する前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部との離間距離に対応する長さを有するとともに前記一対のリングどうしを繋ぐ保持部とを有するインジケーターを備え、
    前記牝配管部材は、前記第2の係合受け部の隣接する部位に、前記リングの内径と異なる外径を有し、前記リングが係合不能な第2の装着不能部を有することを特徴とする消火設備配管の接続構造。
  4. 前記一対のリングは、それぞれ馬蹄形状に形成されており、前記各リングの先端部に前記第1の係合受け部及び前記第2の係合受け部に対して抜け止めする内向きの湾曲先端部を有する請求項1〜請求項3何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
  5. 前記一対のリングは、前記第1の係合受け部及び前記第2の係合受け部と係合した状態で、前記第1の係合受け部と前記第2の係合受け部とを押圧挟持して保持する請求項1〜請求項4何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
  6. 前記保持部は、前記一対のリングの円周上に配置した一対の第1の保持部と、前記一対の第1の保持部の間における前記一対のリングの円周上位置に配置した第2の保持部とを有する請求項1〜請求項5何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
  7. 前記牡配管部材は、前記連結部材を回転可能に保持する収容部を有する請求項1〜請求項6何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
  8. 前記牡配管部材は、前記第1の係合受け部と隣接する前記牝配管部材との接続側部位に、第1の環状突起を有しており、
    前記牝配管部材は、前記第2の係合受け部と隣接する前記牡配管部材との接続側部位に、第2の環状突起を有しており、
    前記第1の環状突起と前記第2の環状突起は、前記牡配管部材と前記牝配管部材との接続状態で相互に接触することで、前記保持部が外周面と押圧接触しつつ前記一対のリングによりそれらの環状側面を挟持する鍔状突起を形成する請求項1〜請求項7何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
  9. 前記連結部材は、前記牝配管部材に挿入する前記突出部の反対側端部に接続した可撓管を有する請求項1〜請求項8何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
  10. 前記牡配管部材は、前記連結部材と前記可撓管との接続部を覆う筒状被覆部を有する請求項9記載の消火設備配管の接続構造。
  11. 前記筒状被覆部と前記接続部との間に前記可撓管の曲がり変形を許容する可動隙間を有する請求項10記載の消火設備配管の接続構造。
  12. 前記牝配管部材が、多口継手の接続口である請求項1〜請求項11何れか1項記載の消火設備配管の接続構造。
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