JP3226549B2 - 容積型流体機械 - Google Patents

容積型流体機械

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JP3226549B2
JP3226549B2 JP50268698A JP50268698A JP3226549B2 JP 3226549 B2 JP3226549 B2 JP 3226549B2 JP 50268698 A JP50268698 A JP 50268698A JP 50268698 A JP50268698 A JP 50268698A JP 3226549 B2 JP3226549 B2 JP 3226549B2
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裕一 柳瀬
明彦 山本
宗男 水本
達雄 名取
勇 坪野
恒一 稲場
信雄 阿部
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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は容積型流体機械に係り、特に圧縮室を形成す
る部分の噛み合い部の隙間を最小にして性能向上を図っ
た容積型流体機械及びその製造方法に関する。
背景技術 従来から用いられている容積型流体機械として例えば
スクロール圧縮機がある。スクロール圧縮機の圧縮室は
固定スクロールと旋回スクロールに形成されている渦巻
き状のラップをかみ合わせることにより同時に複数の圧
縮室が形成され、旋回スクロールの旋回運動により圧縮
室の容積が随時狭くなり圧縮室内の流体が高圧に圧縮さ
れて吐出口から吐出される。固定スクロール及び旋回ス
クロールの従来の製造方法は機械加工により精密に仕上
げ、組み立てる方法が取られている。しかしながら、構
造部品を超精密に仕上げても公差寸法を持っており、こ
れらを組み立てるとさらに誤差が累積されることが多く
圧縮室の隙間を機械加工のみで縮小に近づけることは難
しく、極小に近づけるためには製品コストに見合わない
加工コストを費やすことになる。従って、従来は圧縮機
の高効率化を達成するために例えば特開平6−320349号
公報(以下、文献1という)に固定スクロールの鏡板面
を超精密研磨を施し旋回スクロールを精密研磨した後に
軟質な表面処理、たとえばりん酸塩被膜処理あるいはMo
S2を施し、これらの部品を組み合わせて両鏡板面を互い
に接触させてクリアランスを狭くすることが記載されて
いる。
発明の開示 容積型圧縮機は複数の部材を互いに噛み合わせること
によって複数の圧縮室を形成することから、噛み合い部
の形状寸法は精密に機械加工されている。しかし、部品
単体毎には機械加工公差による寸法の許容範囲を有して
おりこれらを組み立てることによりさらに寸法許容範囲
が大きくなることがあるため、圧縮室形成部分に予め表
面処理を施していることが多い。この表面処理は圧縮機
運転時の摩擦抵抗を小さくしたり互いの摺動の同種材組
み合わせを変えて摩耗をおさえることも考慮している
が、組み立て初期の互いのクリアランス調整の役も有し
ている。すなわち、軟質な表面処理層は、組立後の強く
互いに接触した部分では摩滅を起こし、互いに強い接触
にならないようにクリアランス調整を行うものである。
しかしながら、接触する部分のクリアランス調整は可能
であるが非接触部分ではクリアランスが大きいままの運
転となり、圧縮効率の向上には効果を示さないことにな
る。
本発明の第1の目的は圧縮効率を向上させるために圧
縮室を形成する部材間のクリアランスを全圧縮行程にお
いて最小とした流体圧縮機を提供することにある。
本発明の第2の目的は圧縮効率を向上させるために圧
縮室を形成する部材間のクリアランスを全圧縮行程にお
いて最小とした流体圧縮機の製造方法を提供することに
ある。
上述のように容積型流体機械の圧縮効率を向上させる
ために圧縮室形成部分を精密に加工することは現実的で
はない。
また、文献1のように圧縮室形成部分に軟質な表面処
理を施した後にこれらの部品を組み合わせて各部材を接
触させてクリアランスを狭しても、非接触部分ではクリ
アランスが大きいままの運転となり圧縮効率の向上を図
ることができない。
発明者らは圧縮室形成部分を精密に加工することなく
容積型流体機械の圧縮効率を高める方法に関して鋭意研
究した結果、本願発明に至った。
本願発明の容積型流体機械は、複数の部材で形成され
た空間と、前記複数の部材の相対位置を変化させること
により前記空間の容積を変化させる容積可変手段と、前
記空間に流体を導入する流体導入手段と、前記空間から
流体を放出する流体放出手段とを備えた容積型流体機械
において、前記空間を形成する複数の部材の表面には膜
が形成されており、この膜が、前記複数の部材表面にて
硬化する前に、前記複数の部材が前記容積可変手段によ
り移動可能な範囲では膜同士が摺接する。
また、前記空間を形成する複数の部材の表面に形成さ
れる膜にはMoS2粒子、Sb2O3粒子、C粒子及びグラファ
イトからなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子を含
有することが望ましい。
本願発明の容積型流体機械の製造方法は、次の工程を
有することを特徴とする。
(1)前記空間を組み立てる工程。
(2)前記容積可変手段を駆動する工程。
(3)前記流体導入手段から前記空間に成膜材を注入し
て前記空間を構成する面に前記成膜材を付着させる工
程。
(4)前記空間に注入した成膜材であって前記空間を構
成する面に付着しなかった成膜材を前記流体放出手段か
ら回収する工程。
(5)前記空間を構成する面に付着した成膜材を硬化さ
せる工程。
なお、成膜材としてMoS2粒子、Sb2O3粒子、C粒子及
びグラファイトからなる群から選ばれる少なくとも1つ
の粒子を含有するものを注入することが望ましい。
また、成膜材を硬化させるために成膜材を加熱するこ
とが有効である。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の実施例1に係る密閉型スクロール圧
縮機の縦断面図である。
第2図は第1図の要部断面拡大断面図と成膜方法を示
す図である。
第3図は本発明の実施例1に係る密閉型スクロール圧
縮機の縦断面図である。
第4図は本発明の実施例1に係る密閉型スクロール圧
縮機の縦断面図である。
第5図は本発明の実施例1に係るオイルフリースクロ
ール流体機械の縦断面図である。
第6図は本発明の実施例1に係るオイルフリースクロ
ール流体機械の縦断面図である。
第7図は本発明の実施例1に係るオイルフリーダブル
スクロール圧縮機の縦断面図である。
第8図は本発明の実施例1に係る成膜材料の被膜断面
状態モデル図である。
第9図は本発明の実施例2に係る縦型成膜装置の縦断
面図である。
第10図は本発明の実施例2に係るスクロール流体機械
の縦型成膜装置の縦断面図である。
第11図は本発明の実施例2に係るスクロール流体機械
の縦型成膜装置の縦断面図である。
第12図は本発明の実施例2に係る固定及び旋回スクロ
ールの渦巻状ラップ部分の断面拡大図と成膜装置での成
膜方法を示す図である。
第13図は本発明の実施例2に係る横型成膜装置の縦断
面図である。
第14図は本発明の実施例2に係る量産用成膜装置のシ
ステム図である。
第15図は本発明の実施例3に係る旋回型流体機械を圧
縮機に適用した密閉型圧縮機の縦断面図である。
第16図は第15図の要部拡大断面図である。
第17図は本発明の実施例3に係る旋回型流体機械の圧
縮要素の平面図である。
第18図は本発明の実施例3に係る旋回流体機械の作動
原理説明図である。
第19図は本発明の実施例3に係る旋回型流体機械の圧
縮要素拡大断面図と成膜方法を示す図である。
第20図は本発明の実施例4に係るスクリュ型圧縮機の
成膜方法説明図である。
第21図は本発明の実施例4に係るスクリュ型圧縮機歯
形部分を示す断面図である。
第22図は本発明の実施例4に係るスクリュ型圧縮機の
ロータ歯形部分を示す横断面図である。
第23図は本発明の実施例4に係るオイルフリー式スク
リュ型圧縮機の縦断面図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明を実施するための最良の形態を実施例により詳
細に説明する。
(実施例1) 第1図は本発明を適用した密閉型スクロール圧縮機を
示す縦断面図である。同図に示すように、互いにかみ合
う固定スクロール4及び旋回スクロール5はフレーム8
と旋回スクロール5の間に自転を阻止するオルダムリン
グ10を介して接続されており、フレーム8と固定スクロ
ール4はボルトにより締結するようになっている。ま
た、駆動用回転軸9は、ロータ3aとステータ3bからなる
電動機3と係合されており、さらにフレーム8の内面側
に設けた主軸受11で支持され回転する。その駆動用回転
軸9の一端は偏心軸となって旋回スクロールの軸受5aと
係合し旋回運動可能としている。主軸受11及び旋回軸受
5aの潤滑は容器1の底に溜まっているオイル12を前記回
転軸9に設けた給油孔9aより差圧給油で行う。
この密閉型スクロール圧縮機の圧縮機効率を高めるた
めには固定スクロールと旋回スクロールとの全てのクリ
アランスを最小とする必要がある。
本実施例では固定スクロールと旋回スクロールとの全
てのクリアランスを最小とするために、固定及び旋回ス
クロールを組立てた状態で圧縮室に液状の成膜材を注入
して圧縮空間を形成する堅固な被膜を生成する。この
際、成膜材の注入と同時に旋回スクロールを運動させ相
互の渦巻状ラップ表面に付着した余剰となった成膜材を
除去させクリアランスを極小とするものである。この旋
回スクロールの運動は成膜材が固化する前に運動を始め
余剰な成膜材を排出することが肝要である。なお、スラ
リー状の成膜材を用いる場合には、スラリーを充填して
から後に旋回スクロールを運動させる。旋回スクロール
の運動により各圧縮空間内に導入された成膜材はそれぞ
れの表面に付着しかつ練り合わされる。
表面に擦りつけられた成膜材は適度な粘着性を有する
ので両者は相互に強い密着力で一体化する。また、旋回
運動を続けることにより、圧縮空間内の気体の圧縮に伴
う発熱現象により、成膜材は乾燥されると共に、樹脂分
を含む場合はキュアされる。
なお圧縮空間表面の材質と成膜材成分との組み合わせ
により膜の密着力は異なるので付着力が強くなる組み合
わせることが重要となる。
例えば圧縮空間表面が鉄系材料の場合成膜材の成分と
しては次のものが適している。
(1)ポリアミドイミド(PAI)のバインダーにピグメ
ントとしてMoS2粒子、Sb2O3粒子及びC粒子を分散させ
たもの。
(2)有機系のフェノール樹脂のバインダーにピグメン
トとしてMoS2粒子、Sb2O3粒子、C粒子及びグラファイ
トの複数種を分散させたもの。
(3)無機系の珪酸ソーダもしくはシリコーンもしくは
シリケートのバインダーにピグメントとしてMoS2粒子、
Sb2O3粒子、C粒子及びグラファイトの複数種を分散さ
せたもの。
なお、圧縮空間表面に例えばリン酸塩皮膜処理等の表
面処理を行い圧縮空間表面に微細な凹凸を形成しておけ
ば膜がむらなく均一に成膜できる。
また、成膜材の乾燥硬化、キュアリングを助成するた
めに外部からの加熱、たとえば熱風を導入が望ましい。
さて、以下に成膜工程の具体例を第2図を用いて説明
する。
第2図には固定スクロール及び旋回スクロールから形
成される圧縮部を拡大した縦断面図と本発明の成膜方法
を示す。この図のように容器1に設置した吐出口6から
固定スクロール4の外周部に配設した吐出部4aに成膜液
吸入パイプ18を取付け、成膜液13を例えばピストン式ポ
ンプ14で押し出し、固定スクロール4及び旋回スクロー
ル5の渦巻き状ラップ部、歯底及び鏡板面に付着させな
がら吸入口7から余剰分の成膜液をポンプ15にて吸引排
出させる。外部排出された成膜液13は配管を通じて回収
され必要に応じ再度成膜液として使用しうる。前記成膜
液供給パイプ18と固定スクロールの吐出部4aはOリング
16にてシールし、容器1の内部に漏れないようにしてい
る。前記固定スクロール4及び旋回スクロール5から形
成される圧縮空間2に注入した成膜液13を前記固定スク
ロール4及び旋回スクロール5の渦巻き状ラップや鏡板
表面に付着させる。成膜液13を付着させた後に成膜液13
を乾燥させるには、外部に配置した熱風供給源17で吐出
口6より熱風を供給し、所定温度に加熱保持することに
より成膜液を固化させることで成膜が完了する。この成
膜液固化工程で接触部の膜は摩滅あるいは排除され、ク
リアランスの大きい箇所にはさらに成膜材が付着し、ク
リアランスが随時狭くなり極小クリアランスを形成す
る。この時の加熱源としては、旋回スクロール5の圧縮
運動による自己発熱あるいは、熱風供給源17の熱風を導
入し、所定温度たとえば150℃に達すると成膜液は固化
する。これによって、圧縮部の固定、旋回スクロールの
渦巻き状ラップ部、歯底及び鏡板面のクリアランスは極
小となり、安価な成膜方法でスクロール流体機械の効率
向上を達成できるものである。
本願発明を適応した密閉型スクロール圧縮機の例とし
て圧縮部と電動モータが分離できる構造のものを第3図
〜第6図を用いて説明する。
第3図は本発明を適用した他の密閉型スクロール圧縮
機を示す縦断面図である。同図に示すように、互いにか
み合う固定スクロール4及び旋回スクロール5はフレー
ム8と旋回スクロール5の間に自転を阻止するオルダム
リング10を介して接続されており、フレーム8と固定ス
クロール4はボルトにより締結する。また、駆動用回転
軸9はフレーム8の内面側に設けた主軸受11で支持され
回転し、駆動用回転軸9の一端は偏心軸となって旋回ス
クロールの軸受5aと係合し旋回運動可能としている。主
軸受11及び旋回軸受5aの潤滑はオイル12を回転軸に設け
た給油孔9aにより差圧給油する。前記駆動用回転軸9と
電動モータ19の接続は回転子20aとマグネット20bから形
成される磁気カップリング20で行い、圧縮部と電動モー
タ19のシールをしている。本構造のスクロール圧縮機は
圧縮部と電動モータ19は磁気カップリング20で分離でき
るので、圧縮部のみの状態で第2図と同様の皮膜処理を
行うことができる。
第4図は本発明を適用した他の密閉型スクロール圧縮
機を示す縦断面図である。同図に示すように、互いにか
み合う固定スクロール4及び旋回スクロール5はフレー
ム8と旋回スクロール5の間に自転を阻止するオルダム
リング10を介して接続されており、フレーム8と固定ス
クロール4はボルトにより締結する。また、駆動用回転
軸9はフレーム8の内面側に設けた主軸受11で支持され
回転し、駆動用回転軸9の一端は偏心軸となって旋回ス
クロールの軸受5aと係合し旋回運動可能としている。前
記主軸受11及び旋回軸受5aの潤滑はオイル12を回転軸9
に設けた給油孔9aにより差圧給油する。前記駆動用回転
軸9と電動モータ19を完全密閉するためにシール機構21
を設け、圧縮部と電動モータ19を完全にシールしてい
る。本構造のスクロール圧縮機の圧縮部と電動モータ19
はシール機構21で分離できるので、圧縮部のみの状態で
第2図と同様の皮膜処理を行うことができる。
第5図は本発明を適用した他のオイルフリースクロー
ル流体機械を示す縦断面図である。同図に示すように、
互いにかみ合う固定スクロール4及び旋回スクロール5
はフレーム8と旋回スクロール5の間に自転を阻止する
オルダムリング10を介して接続されており、フレーム8
と固定スクロール4はボルトにより締結する。また、駆
動用回転軸9はフレーム8の内面側に設けた主軸受11で
支持され回転し、駆動用回転軸9の一端は偏心軸となっ
て旋回スクロール5の軸受5aと係合し旋回運動可能とし
ている。前記主軸受11及び旋回軸受5aの潤滑はグリース
若しくは固体潤滑剤を使用するものである。前記駆動用
回転軸9と電動モータ19の接続は回転子20aとマグネッ
ト20bから形成される電磁カップリング20で行い、圧縮
部と電動モータ19のシールをしている。本構造のスクロ
ール圧縮機の圧縮部と電動モータ19は電磁カップリング
20で分離できるので、圧縮部のみの状態で第2図と同様
の皮膜処理を行うことができる。
第6図は本発明を適用した他のオイルフリースクロー
ル流体機械を示す縦断面図である。同図に示すように、
互いにかみ合う固定スクロール4及び旋回スクロール5
はフレーム8と旋回スクロール5の間に自転を阻止する
オルダムリング10を介して接続されており、フレーム8
と固定スクロール4はボルトにより締結する。また、駆
動用回転軸9はフレーム8の内面側に設けた主軸受11で
支持され回転し、駆動用回転軸9の一端は偏心軸となっ
て旋回スクロール5の軸受5aと係合し旋回運動可能とし
ている。前記主軸受11及び旋回軸受5aの潤滑はグリース
若しくは固体潤滑剤を使用するものである。前記駆動用
回転軸9と電動モータ19を密閉するためにシール機構21
を設け、圧縮部と電動モータ19を完全にシールしてい
る。本構造のスクロール圧縮機の圧縮部と電動モータ19
はシール機構21で分離できるので、圧縮部のみの状態で
第2図と同様の皮膜処理を行うことができる。
第7図は本発明を適用した他のオイルフリーダブルス
クロール流体機械の縦断面図を示す。旋回スクロール70
はその鏡板70bの両面に渦巻状に形成したラップ70a1,70
a2が構成されており、さらにその先端にチップシール材
70cが配設されている。固定スクロールは二つあり第一
の固定スクロール71と第二の固定スクロール72が平行に
配設されており、その外周部で該固定スクロール71,72
が互いに締結手段で固定されている。そして、それぞれ
のラップ71aと72aが渦巻状に構成された状態で旋回スク
ロールと共に圧縮室73を構成している。これらのラップ
先端部にはチップシール71C,71Cが配設されている。偏
心部を有する駆動軸75は第一の固定スクロール71に設け
た軸受手段77aと軸受手段77bによって回転可能に支持さ
れている。駆動軸75の偏心部では旋回スクロールの鏡板
外周部の一部分が軸受手段73aによって回転可能に連結
されている。また、これに対してほぼ180゜の位置に偏
心部を有する補助クランク軸76が配設されていて、これ
に対しても旋回スクロールの鏡板外周部の一部が軸受手
段74bを介して連結されている。補助クランク軸76は第
一の固定スクロールの鏡板71bに設けられた軸受手段77c
と第二の固定スクロールの鏡板72bに設けられた軸受手
段77dとによって回転可能に支持されている。駆動軸75
にはバランスウェイト79a、79bが設けられており、旋回
スクロール70の運動の不釣り合い量が相殺されるように
なっている。さらに、補助クランク76は、回転タイミン
グ調整手段78によって駆動軸75と連結されており、駆動
軸75の回転に同期して回転するように成っている。駆動
軸75は固定スクロールの外側に配置した動力源83によっ
て回転させる。第一の固定スクロールの71の外周部には
吸入ポート82が設けられていて、気体がスクロールが外
周部に充満するようになっている。旋回スクロール鏡板
70bによって2分割されている圧縮動作室73は、外周部
から中心部に向かって体積が小さくなるように構成され
ていて中心部では流路70eによって一体となっている。
さらに、この流路に対向して第一の固定スクロール71の
鏡板71bに吐出孔80が設けられている。また、旋回スク
ロール鏡板70bには連絡孔70dが設けられており、上下の
圧縮作動室73の圧力ができるだけ等しくなるようにして
いる。第一の固定スクロール71と第二の固定スクロール
72の表面には、それぞれ放熱フィン81a,81bが設けられ
ている。
駆動軸75が回転すると鏡板の両側にラップを有する旋
回スクロール70が補助クランク軸76によって自転を阻止
しながら旋回運動をする。本構造のスクロール流体機械
に成膜液を供給するときは旋回スクロール70を運動させ
ながら吐出孔80から成膜材を導入し、渦巻き状ラップ
部、歯底及び鏡板面に付着しながら吸入口82の外に排出
される。圧縮室内を入った成膜材は固定及び旋回スクロ
ール表面に付着し、所定温度に加熱保持することにより
成膜する。この完了するまでの間、接触部の膜は摩滅あ
るいは排除され、クリアランスの大きい箇所にはさらに
成膜材が付着し、クリアランスが随時狭くなり極小クリ
アランスを形成する。この時の加熱源としては、旋回ス
クロール70の圧縮運動による自己発熱あるいは、図示し
ていないが外部よりの熱風を吸入口から導入し、所定温
度にすることにより成膜液を固化させる。
この様にして成膜した素地と膜の断面状態のモデルを
第8図に示す。図は素地の鉄系材料に直接成膜した場合
の状態を示している。この時の鉄系材料の表面に予め凹
凸を形成する表面処理、たとえばりん酸塩被膜処理を施
した後成膜を実施すると膜がむらなく均一に成膜でき、
鉄系材料との密着性が改善されることもある。図に示し
たものはポリアミドイミド(PAI)のバインダーにピグ
メントとしてMoS2粒子、Sb2O3粒子及びC粒子を分散さ
せたものである。また、図に示していないが成膜剤とし
ては有機系のフェノール樹脂のバインダーにピグメント
としてMoS2粒子、Sb2O3粒子、C粒子及びグラファイト
の複数種を分散させたものを使用する場合もある。この
ほかに、成膜剤としては無機系の珪酸ソーダもしくはシ
リコーンもしくはシリケートのバインダーにピグメント
としてMoS2粒子、Sb2O3粒子、C粒子及びグラファイト
の複数種を分散させたものが適している。
(実施例2) 密閉型スクロール圧縮機の例として圧縮部と電動モー
タが分離できる構造のもの(第3図〜第6図)を説明し
たが、この構造の密閉型スクロール圧縮機の圧縮部の成
膜作業に適している成膜装置を第9図〜14を用いて説明
する。
第9図はスクロール流体機械の縦型成膜装置の縦断面
図を示す。固定スクロール4及び旋回スクロール5はフ
レーム8と旋回スクロール5の間に自転を阻止するオル
ダムリング10を介して接続されており、前記部材を組み
合わせて形成した圧縮部を組み立てた状態で成膜装置に
配置し、成膜装置据え付けの電動モータ30と駆動用回転
軸9の接続はカップリング31にて行う。前記電動モータ
30は回転速度を制御できる機能を有しているので、成膜
状態によって回転速度を変化させることが可能である。
本成膜装置で成膜するときは、前記圧縮部を形成する旋
回スクロール5を運動させながら吐出口4aから成膜液を
供給し、渦巻状ラップ部、歯底及び鏡板面に付着させな
がら余剰分は吸入口4bから外へ排出される。圧縮室内を
入った成膜材は固定スクロール4及び旋回スクロール5
の表面に付着し、所定温度たとえば150℃に加熱保持す
ることにより成膜材を固化することができる。
第10図は第3図〜第6図の密閉型スクロール流体機械
の圧縮部内にコイル状のスプリングばね32を配備し、固
定スクロール4及び旋回スクロール5の鏡板部のシール
効果を高め成膜液の漏れ防止を図ったものである。本構
造によれば成膜材の圧縮室外への漏れを確実に防止する
ことができるので成膜材が軸受に付着する等の不具合を
防止することができる。
なお、この構造は固定スクロール4に旋回スクロール
5をスプリングばね32で押し付ける構造となっているの
で、この構造のままスクロール流体機械を組み立てると
コイルスプリング32の押し付け荷重分の動力損失が生じ
る。このためフレーム8を2分割し、主軸受11及びシー
ル機構21を配備したハウジング33を設け、フレーム8と
のシール21はOリング34にてシールする構造とし、成膜
後、コイルスプリング32を取り外すことができる構造と
なっている。
第11図は第3図〜第6図の密閉型スクロール流体機械
の圧縮部内に弾性体を配備し、固定スクロール及び旋回
スクロールの鏡盤部のシール効果を高め成膜液の漏れ防
止の図ったものである。本構造によれば成膜材の圧縮室
外への漏れを確実に防止することができるので成膜材が
軸受に付着する等の不具合を防止することができる。
なお、この構造は固定スクロール4に旋回スクロール
5を弾性体35で押し付ける構造となっているので、この
構造のままスクロール流体機械を組み立てると弾性体35
の押し付け荷重分の動力損失が生じる。このためフレー
ム8を2分割し、主軸受11及びシール機構21を配備した
ハウジング33を設け、フレーム8とのシール21はOリン
グ34にてシールする構造とし、成膜後、弾性体35を取り
外すことができる構造となっている。
本実施例の縦型成膜装置を用いた場合の具体的な成膜
方法を第12図に示す。この図ように固定スクロール4の
外周部の吐出部4aに成膜液吸入パイプ18を取付、成膜液
13を例えばピストン式ポンプ14で押し出し、固定スクロ
ール4及び旋回スクロール5の渦巻き状ラップ部、歯底
及び鏡板面に付着させながら固定スクロール4の吸入口
4bから余剰分の成膜液をポンプ15にて吸引排出させる。
外部排出された成膜材は配管を通じて回収され必要に応
じ再度成膜材として使用しうる。前記成膜液供給パイプ
18と固定スクロールの吐出部4aはOリング16にてシール
し、外部に漏れないようにしている。前記固定スクロー
ル4及び旋回スクロール5から形成される圧縮室内を入
った成膜液13は前記固定スクロール4及び旋回スクロー
ル5の表面に付着し、外部から熱風供給源17で吐出口4a
より熱風を供給し、所定温度に加熱保持することにより
成膜が完了する。この過程で接触部の膜は摩滅あるいは
排除され、クリアランスの大きい箇所にはさらに成膜材
が付着し、クリアランスが随時狭くなり極小クリアラン
スを形成する。この時の加熱源としては、旋回スクロー
ル5の圧縮運動による自己発熱あるいは、熱風供給源よ
りの熱風を熱風供給源18で吐出部4aから導入し、所定温
度たとえば150℃に達すると成膜液は固化する。これに
よって、圧縮部の固定、旋回スクロールの渦巻き状ラッ
プ部、歯底及び鏡板面のクリアランスは極小となり、安
価な成膜方法でスクロール流体機械の効率向上を達成で
きるものである。
本成膜装置には図示はしていないが圧縮部を±120゜
程度までスゥイング運動または傾斜させながら成膜でき
る機構を有している。
そしてこの機能により、ラップ高が高く成膜液が重力
の反対方向には付着しにくい圧縮部でもこの圧縮部をス
ゥイング運動または傾斜させることにより確実に対象面
に成膜することができる。
本成膜装置を用いれば多種のスクロールの圧縮室に成
膜できるのでスクロール圧縮機のシリーズ化が容易とな
る。
第13図はスクロール流体機械用の横型成膜装置の縦断
面図を示す。スクロール流体機械の圧縮部と電動モータ
を分離可能な前記圧縮部を組立てた状態で、成膜装置に
配置し、旋回スクロール5を運動させながら吐出部4aか
ら成膜材を導入し、渦巻き状ラップ部、歯底及び鏡板面
に付着させながら余剰分は吸入部4bからポンプで外へ排
出される。吸入部4bは図占の如く吐出部4aより下方向に
つける。圧縮室内を入った成膜材は固定及び旋回スクロ
ール表面に付着し、所定温度たとえば150℃に加熱保持
することにより成膜材を固化することができる。この固
化する過程で接触部の膜は摩滅あるいは排除され、クリ
アランスの大きい箇所にはさらに成膜材が付着し、クリ
アランスが随時狭くなり極小クリアランスを形成する。
この時の加熱源としては、旋回スクロール5の圧縮運動
による自己発熱あるいは、吐出部から熱風を導入し、成
膜液を固化させる成膜装置である。
本成膜装置には図示はしていないが圧縮部±120゜程
度までスゥイング運動または傾斜させながら成膜できる
機械を有している。
そしてこの機能により、圧縮室の吐出口より上方向の
渦巻状ラップの成膜液が行き渡らない可能性がある領域
に対してでもこの圧縮部をスゥイング運動または傾斜さ
せることにより確実に成膜することができる。
本成膜装置を用いれば多種のスクロールの圧縮室に成
膜できるのでスクロール圧縮機のシリーズ化が容易とな
る。
また、加振することによって上述の課題を解決ことも
可能である。
第14図はスクロール流体機械の量産用成膜装置のシス
テム図を示す。スクロール流体機械の圧縮部を組立てた
状態で、成膜装置に配置し、旋回スクロール5を運動さ
せながら吐出部4aから成膜液13を成膜液供給タンク36よ
りピストン式ポンプ14で導入し、渦巻き状ラップ部、歯
底及び鏡板面に付着させながら余剰分は吸入部4bから吸
引ポンプ15で外へ排出される。圧縮室内を入った成膜材
は固定及び旋回スクロール表面に付着し、所定温度たと
えば150℃に加熱保持することにより成膜材を固化する
ことができる。この時の加熱源としては、旋回スクロー
ルの圧縮運動による自己発熱あるいは、吐出口から熱風
を導入し、成膜液を固化させる量産用成膜装置である。
(実施例3) 本発明に係る旋回式容積型流体機械の構造を第15図乃
至第17図を用いて説明する。第15図は本発明に係る容積
型流体機械を圧縮機として用いた場合における密閉型圧
縮機の縦断面図、第16図は第15図の要部拡大断面図、第
17図は圧縮要素の平面図である。なお、第15図と第16図
に示した圧縮要素部の断面図は第17図のA−A断面に相
当する。
第15図において、41は本発明の係る容積型圧縮要素、
42はこれを駆動する電動要素、43は容積型圧縮要素41と
電動要素42を収納した密閉容器である。容積型圧縮要素
41の詳細を第17図を用いて説明する同図は同一輪郭形状
が3組組み合わされた3条ラップを示している。シリン
ダ44の内周形状は、銀杏の葉のような形状をした中空部
が120゜(中心o′)毎に同一の形状が現れるように形
成されている。この個々の銀杏の葉状をした中空部の端
部には、内方に向かって突出する複数(この場合は3
つ)の略円弧状のベーン44bを有する。旋回ピストン45
は、このシリンダ44の内側に配設され、シリンダ44の内
周壁44a(ベーン44bよりも曲率が大きい部分)及びベー
ン44bとかみ合うように構成されている。なお、シリン
ダ44の中心o′と旋回ピストン45の中心oを一致させる
と、両者の輪郭形状は相似形となっており、両者の間に
は一定幅の隙間が形成される。次に、容積型圧縮要素41
の作動原理を第17図及び第18図により説明する。記号o
はディスプレーサである旋回ピストン45の中心、記号
o′はシリンダ44(あるいは駆動軸46)の中心である。
記号a,b,c,d,e,fはシリンダ44の内周壁44a及びベーン44
bと旋回ピストン45のかみ合いの接点を表す。ここで、
シリンダ44の内周輪郭形状を見ると、同じ曲線の組合せ
が3箇所連続して滑らかに接続されている。このうちの
1箇所に着目すると、内周壁44a,ページ44bを形作る曲
線を、厚みのある一つの渦曲線(ベーン44bの先端を渦
の巻初めと考える)と見ることができ、その内の壁曲線
(g−a)は巻き角がほぼ360゜(設計上は360゜である
が製造誤差のため丁度その値には成らないという意味で
ある。以下、同様)の渦曲線で、外壁曲線(g′−b)
は巻き角がほぼ180゜の渦曲線である。そして、上記1
箇所の内周輪角形状は、内壁曲線、外壁曲線、及び外壁
曲線と内壁曲線を結ぶ接続曲線(g−g′)から形成さ
れている。これら3つの曲線からなる渦巻体を円周上に
ほぼ等ピッチ(120゜)に配設し、隣合う渦巻き体の外
壁曲線と内壁曲線とは円弧等の滑らかな曲線(例えば、
b−b′)で結ぶことによって、シリンダ44の内周輪角
形状が構成されている。旋回ピストン45の外周輪郭形状
も上記シリンダ44と同じ原理で構成されている。
なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上にほぼ等ピ
ッチ(120゜)に配設するとしたが、これは後述する圧
縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的と製造のし易
さを配慮したためで、特に、これらのことが問題になら
ない場合は、不当ピッチでも良い。
さて、このように構成されたシリンダ44と旋回ピスト
ン45による圧縮動作を第18図を用いて説明する。47aは
吸入ポートであり、48aは吐出ポートであり、夫々3箇
所に設けられている。駆動軸6を回転させることによ
り、旋回ピストン45が固定側であるシリンダ44の中心
o′の周りを自転すること無しに旋回半径ε(=o,
o′)で公転運動し、旋回ピストン45の中心o周りに複
数の作動室55(シリンダ内周輪郭(内壁)とピストン外
周輪郭(側壁)とにより囲まれて密閉させた複数の空間
のうち、吸入が終了し圧縮(吐出)行程となっている空
間をいう。圧縮終了時点ではこの空間が無くなるが、そ
の瞬間に吸入も終了するのでこの空間を1つと勘定す
る。但し、ポンプとして用いる場合は、吐出ポートを介
して外部と連通している空間をいう)が形成される(本
実施の形態では常時3個の作動室)。接点aと接点bで
囲まれハッチングが施された1つの作動室(吸入終了時
点では2つに別れているが、圧縮行程が開始されると直
ぐにこの2つの作動室はつながって1つになる)に着目
して説明する。第18図(1)が吸入ポート7aからこの作
動室への作動ガスの吸入が終了した状態である。この状
態から90゜駆動軸46が回転した状態が第18図(2)で、
回転が進み最初から180゜回転した状態が第18図(3)
で、さらに回転が進み最初から270゜回転した状態が第1
8図(4)である。
第18図(4)から90゜回転すると最初の第18図(1)
の状態に戻る。これより、回転が進むに従って作動室55
はその容積を縮小し、吐出ポート48aは吐出弁49(第19
図に示す)で閉じられているため作動流体の圧縮作用が
行われることになる。そして、作動室55内の圧力が外部
の吐出圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁49が自動的
に開き、圧縮された作動ガスは吐出ポート48aを通って
吐き出される。吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了ま
での軸回転角は360゜で圧縮、吐出の各行程が実施され
ている間に次の吸入行程が準備されており、吐出終了時
が次の圧縮開始となる。例えば、接点aとdによって構
成される空間に着目すると、第18図(1)の段階で既に
吸入が開始されており、回転が進むに連れてその容積が
増し、第18図(4)の状態になると、この空間は分断さ
れる。この分断された量に相当する流体は当接bとeに
よって形成される空間から補われる。上記圧縮動作につ
いて以下に詳述する。第18図(1)の状態の接点aとd
とにより形成された作動室に着目すると、隣の接点aと
dによって形成された空間は吸入が始まっており、この
中の流体が軸回転角360゜後に接点aとbによって形成
される空間によって圧縮されるはずであるが、この空間
は、一旦第18図(3)に示されるように広がった後、第
18図(4)になると分断されてしまうので、接点aとd
によって形成された空間の全ての流体が接点aとbによ
って形成される空間で圧縮される訳ではない。分断され
て接点aとdによって形成された空間に取り込まれなか
った流体体積と同量の流体は、第18図(4)において吸
入過程にある接点bとeとによって形成される空間が、
第18図(1)に示されるように分断されて、吐出ポート
付近の接点と接点bとにより形成される空間に流入して
いる流体によって充当される。これは、前述したよう
に、不均等ピッチで配置したのではなく均等ピッチで配
置したことによる。即ち、旋回ピストン及びシリンダの
形状が同一輪角形状の繰り返しにより形成されているた
め、いずれの作動室も異なる空間から流体を得てもほぼ
同量の流体を圧縮することができるのである。なお、不
均等ピッチであっても各空間に形成される容積が等しく
なるように加工を施すことは可能であるが製作性が悪
い。このように作動室に隣合う吸入過程にある空間が分
断されて圧縮動作を行うことは本圧縮機の特徴でもあ
る。
上記で説明したピストン式容積型流体機械の圧縮要素
41を形成するシリンダ44内に旋回ピストン45を配設さ
せ、前記シリンダ44の内周壁44a及びベーン44bとかみ合
うように構成されている。該旋回ピストン45を回転運動
させながら吸入ポート47aから成膜液13を成膜液供給タ
ンク36よりピストン式ポンプ14で導入し、旋回ピストン
45の外周及びシリンダ内周壁44aに付着させながら余剰
分は吐出ポート48a,吐出弁49を介して吐出パイプ54から
吸引ポンプ15で外へ排出される。圧縮室内を入った成膜
材は旋回ピストン45の外周及びシリンダ内周壁44a表面
に付着し、所定温度たとえば150℃に加熱保持すること
により成膜材を固化することができる。この時の加熱源
としては、旋回ピストンの圧縮運動による自己発熱ある
いは、吐出口から熱風を導入し、成膜液を固化させる。
この成膜が完了するまでの間、接触部の膜は摩滅あるい
は排除され、クリアランスの大きい箇所にはさらに成膜
材が付着し、クリアランスが随時狭くなり極小クリアラ
ンスを形成する。この時の加熱源としては、旋回ピスト
ン45の圧縮運動による自己発熱あるいは、熱風供給源17
の熱風を導入し、所定温度たとえば150℃に達すると成
膜液は固化する。これによって、圧縮部の旋回ピストン
45の外周部及びシリンダ内周壁44aのクリアランスは極
小となり、安価な成膜方法で容積型流体機械の効率向上
を達成できるものである。
(実施例4) 本発明に係るスクリュ型圧縮機の実施形態を第20図乃
至第23図を用いて説明する。
第23図は、本発明を適用したスクリュ圧縮機を示す断
面図である。同図に示すように、互いに噛み合う雄ロー
タ93bおよび雌ロータ93aは、それぞれ両端部を軸受99に
よって回転自在に支持され、かつ軸封装置101によっ
て、上記軸受99を潤滑した油が、ロータケーシング100
および上記ロータ93によって形成される圧縮室C内に侵
入するのを防止している。また、上記圧縮室C内には、
たとえば油を噴射して上記一対のロータ93などを冷却す
ることは行われていない。さらに、上記雄ロータ93b
は、その一方先端部に駆動ピニオン97を固定し、その他
方先端部および上記雌ロータ93bの他方先端部に一対の
タイミングギヤ98を固定している。したがって、上記駆
動ピニオン97を駆動すると、上記一対のタイミングギヤ
98によって一対のロータ93が同期回転して一点鎖線に示
す吸込口Aから吸入された空気を圧縮して鎖線にて示す
吐出口Bから吐出する。このとき、上記一対のロータ93
間には、冷却用の油を給入していないので、これら一対
のロータ93の表面は高温空気にさらされ、温度上昇する
と共に、熱膨張して歯形が変形する。そこで本発明は、
上記一対のロータ93の歯形および間隙をそれぞれ次のよ
うにして成形している。第22図は、第23図の歯形及びケ
ーシングの軸直角断面である。第21図は、前記第23図の
一対のロータ93の歯形部分の一実施例を示す拡大断面図
である。なお、第20図は本発明の実施態様を示す模式図
である。第20図で、93は1組のロータを示し、それを囲
んでいるのがケーシング100である。コーティング剤は
空気吸込口91より導入され少なくとも1組のロータ表面
及びケーシング100の内面に付着し残部は空気吐出口92
より系外に出される。外部に排出されたコーティング剤
は図示せざる配管を通じて必要に応じ、吸込口近傍に戻
り、再度コーティング剤として使用し得る。雌ロータ93
aも雄ロータ93bと同種の材料にて素地を形成し、その表
面には、外部より導入したコーティング剤が被膜として
形成されている。少なくとも1組のロータはあらかじめ
設定した最高温度時における歯形の熱膨張および第23図
の一対のロータ93間の間隙を考慮した歯形を求め、その
後、上記一対のロータ93を常温に戻し、収縮した歯形を
求め、該歯形になるように、それぞれ研削盤などにて研
削加工してあれば、コーティング剤の厚みを均一にし易
いので発明の効果を更に向上させると言えるが、必須要
件ではない。この場合、特に上記他方の雌ロータ93bの
歯形は、後述するように、上記一対のロータ62を圧縮機
に組み付け、上記タイミングギヤ98により同期回転して
負荷運転したとき、上記一方の雄ロータ93bによって創
成加工されるような形状であれば良く、従来のように正
確度を必要としない。また、上記一対のロータ93は、圧
縮機に組み付けた際、間隙が所定の間隙よりもやや大き
い値に形成しても良い。次いで、上記一対のロータ93を
前記第23図に示すように、圧縮機に組み付け、上記タイ
ミングギヤ98によって回転方向のバックラッシュを拘束
しながら、互いに異なる回転速度Vm(雄ロータの回転速
度),Vf(雌ロータの回転速度)で回転し、当初吐出口
を大気に解放して低速で無負荷運転を行ったのち、吸込
口よりコーティング剤を導入し負荷運転に切り換えて吐
出圧力を上昇させて行くと、他方のロータ93aは、温度
上昇に伴って熱膨張すると共に、上記一対のロータ93の
表面が相対すべりを発生する。この先を第22図によって
説明すると、雌ロータ93bの皮膜94bの前進面,後進面を
問わず、雄ロータ93b及び雌ロータ93aは相互に接触する
と、接触部分は、互いに相手によって僅かずつ削られて
行く。またこのとき、ロータケーシング100の内面に固
着したコーティング93cが上記ロータ93a,93bに接触する
と、接触部分は上記ロータの皮膜94a,94bによって削ら
れる。この吐出空気の温度上昇,圧力上昇に伴う一対の
ロータ93の熱膨張による変形および上記雄ロータ93bに
よる創成加工のプロセスは、あらかじめ設定された一対
のロータ93の最高温度にある一定のマージンを加えた値
まで継続して行われ、最終的に全歯面,軸方向全断面
で、個々の上記ロータ93が最小間隙を保持するような最
適な歯形になるまで、回転させる過程で被膜の創成加工
が行われる。このようにして、創成加工が終了したと
き、圧縮機の運転を停止し、上記一対のロータ93を常温
に戻す。
したがって、本実施例では、あらかじめ単体で成形さ
れた一対のロータ93を圧縮機に組み付け、軸受にて中心
距離を保持され、かつ、回転方向のバックラッシュをタ
イミングギヤ98で拘束された状態で回転させながら外部
より圧縮室にコーティング剤を導入しロータ93及びケー
シング100により互いに相手を創成加工すると共に、最
小の間隙を形成するもので、従来のように実機で負荷運
転した状態をあらかじめ想定して上記両ロータの歯形お
よび間隙を正確に計算し、計算結果に基づいて歯形を単
体で創成加工する場合に比較して、極めて容易にかつ正
確に上記ロータ93の歯形及びケーシング100の形状・寸
法を駆動時における最小間隙に加工することができる。
また、個々の圧縮機の構成部品の精度にマッチした最適
の間隙を創出することができる。
なお、上記の各実施例では、雄ロータと雌ロータが一
対のものについて説明したが、本発明は雄ロータと雌ロ
ータが一対以上で構成されるスクリュー式圧縮機にも同
様に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪野 勇 茨城県新治郡千代田町稲吉南2―3―12 ―304 (72)発明者 稲場 恒一 栃木県下都賀郡大平町富田2415―2 (72)発明者 阿部 信雄 栃木県下都賀郡大平町真弓1503―4 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の部材で形成された空間と、前記複数
    の部材の相対位置を変化させることにより前記空間の容
    積を変化させる容積可変手段と、前記空間に流体を導入
    する流体導入手段と、前記空間から流体を放出する流体
    放出手段とを備えた容積型流体機械において、前記空間
    を形成する複数の部材の表面には膜が形成されており、
    この膜が、前記複数の部材表面にて硬化する前に、前記
    複数の部材が前記容積可変手段により移動可能な範囲で
    は膜同士が摺接する容積型流体機械。
  2. 【請求項2】複数の部材で形成された空間と、前記複数
    の部材の相対位置を変化させることにより前記空間の容
    積を変化させる容積可変手段と、前記空間に流体を導入
    する流体導入手段と、前記空間から流体を放出する流体
    放出手段とを備えた容積型流体機械において、前記複数
    の部材は鉄系材料で形成されており、前記空間を形成す
    る複数の部材の表面にはMoS2粒子、Sb2O3粒子、C粒子
    及びグラファイトからなる群から選ばれる少なくとも1
    つの粒子を含有する膜が形成されており、この膜が、前
    記複数の部材表面にて硬化する前に、前記複数の部材が
    前記容積可変手段により移動可能な範囲では膜同士が摺
    接する容積型流体機械。
  3. 【請求項3】複数の部材で形成された空間と、前記複数
    の部材の相対位置を変化させることにより前記空間の容
    積を変化させる容積可変手段と、前記空間に流体を導入
    する流体導入手段と、前記空間から流体を放出する流体
    放出手段とを備えた容積型流体機械の製造方法におい
    て、次の工程を有する容積型流体機械の製造方法。 (1)前記空間を組み立てる工程。 (2)前記容積可変手段を駆動する工程。 (3)前記流体導入手段から前記空間に成膜材を注入し
    て前記空間を構成する面に前記成膜材を付着させる工
    程。 (4)前記空間に注入した成膜材であって前記空間を構
    成する面に付着しなかった成膜材を前記流体放出手段か
    ら回収する工程。 (5)前記空間を構成する面に付着した成膜材を硬化さ
    せる工程。
  4. 【請求項4】鉄系材料からなる複数の部材で形成された
    空間と、前記複数の部材の相対位置を変化させることに
    より前記空間の容積を変化させる容積可変手段と、前記
    空間に流体を導入する流体導入手段と、前記空間から流
    体を放出する流体放出手段とを備えた容積型流体機械の
    製造方法において、次の工程を有する容積型流体機械の
    製造方法。 (1)前記空間を組み立てる工程。 (2)前記容積可変手段を駆動する工程。 (3)前記流体導入手段から前記空間にMoS2粒子、Sb2O
    3粒子、C粒子及びグラファイトからなる群から選ばれ
    る少なくとも1つの粒子を含有する成膜材を注入して前
    記空間を構成する面に前記成膜を付着させる工程。 (4)前記空間に注入した成膜材であって前記空間を構
    成する面に付着しなかった成膜材を前記流体放出手段か
    ら回収する工程。 (5)前記空間を構成する面に付着した成膜材を硬化さ
    せる工程。
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