JP3226476B2 - 芳香族ハロゲン化物の製造方法 - Google Patents

芳香族ハロゲン化物の製造方法

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JP3226476B2
JP3226476B2 JP15219597A JP15219597A JP3226476B2 JP 3226476 B2 JP3226476 B2 JP 3226476B2 JP 15219597 A JP15219597 A JP 15219597A JP 15219597 A JP15219597 A JP 15219597A JP 3226476 B2 JP3226476 B2 JP 3226476B2
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久和 進藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ハロゲン化
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ハロゲン化物の製造方法として
は、例えば、テトラクロロオルソフタロニトリルの製造
方法等がすでに知られている。
【0003】例えば、斎藤らは、有機合成化学、第22
巻、834頁(1964年)に、気相で活性炭触媒存在
下オルソフタロニトリルと塩素ガスとを反応させてテト
ラクロロフタロニトリルを製造する方法を開示してい
る。しかしながら、ここでは工業化の際に生じる問題点
は明確にされておらず、よってその解決策は明らかにな
っていない。また、特公昭50−38089号公報、特
公昭63−65065号公報などにも同様な方法が開示
されている。しかし、いずれも具体的に開示されている
方法は、テトラクロロイソフタロニトリルの製造方法で
あり、これらにおいてもテトラクロロオルソフタロニト
リルと同様、工業化の際に生じる問題点は明確にされて
おらず、芳香族ハロゲン化物の工業化の際に生じる問題
点に対する解決策は明らかになっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ハロゲン化物の工業化の際に生じる問題点に関する新
規な解決策を提供するものである。
【0005】すなわち、本発明の目的は、芳香族化合物
の蒸気とハロゲンガスとを触媒存在下に気相で反応させ
て芳香族ハロゲン化物を製造する際に、常温で固体状の
芳香族化合物を蒸気化する必要があるが、蒸気化前に芳
香族化合物から各種の芳香族化合物の自己縮合体が生成
し、これらの自己縮合体が蒸気化前後の工程において配
管の閉塞、触媒上へ沈着して触媒同志の癒着、活性の低
下あるいは製品の品質の低下など種々の問題を引き起こ
すことが判明し、よってその解決策を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の上記
諸目的は、(1) 常温で固体状の芳香族化合物を原料
として使用し、該芳香族化合物を融解させ輸送する工
程、ついで該化合物を蒸発化する工程、ついでハロゲン
ガスと混合する工程を経由した後、気相触媒反応により
芳香族ハロゲン化合物を製造する方法において、前記芳
香族化合物を融解させ輸送する工程中での該芳香族化合
物の融解状態での滞留時間が、120分以下であること
を特徴とする芳香族ハロゲン化物の製造方法により達成
される。
【0007】また、本発明の目的は、(2) 前記芳香
族化合物を融解させ輸送する工程において、水分を芳香
族化合物原料に対して2000ppm以下にすることを
特徴とする上記(1)に示す芳香族ハロゲン化物の製造
方法によっても達成される。
【0008】さらに、本発明の目的は、(3) 前記芳
香族化合物を融解させ輸送する工程において、原料供給
手段によって固体状の原料を輸送・融解手段へ供給し、
該輸送・融解手段によって輸送する過程で固体状の原料
を融解させることを特徴とする上記(1)または(2)
に示す芳香族ハロゲン化物の製造方法によっても達成さ
れる。
【0009】さらにまた、本発明の目的は、(4) 前
記芳香族化合物を融解させ輸送する工程において、前記
原料供給手段が、定量供給機構を具備してなる供給装置
を用いて行われることを特徴とする上記(3)に示す芳
香族ハロゲン化物の製造方法によっても達成される。
【0010】なお、本発明の目的は、(5) 前記芳香
族化合物を融解させ輸送する工程において、輸送する過
程で原料を融解させる輸送・融解手段が、加熱機構を具
備してなる連続式の混練輸送装置を用いて行われること
を特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに示す
芳香族ハロゲン化物の製造方法によっても達成される。
【0011】なおまた、本発明の目的は、(6) 前記
芳香族化合物を融解させ輸送する工程において、前記輸
送・融解手段に続いて、さらに送液手段を設けることに
より、融解した原料を次工程である蒸発化工程に供給す
ることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つ
に示す芳香族ハロゲン化物の製造方法によっても達成さ
れる。
【0012】さらになお、本発明の目的は、(7) 前
記芳香族化合物を融解させ輸送する工程において、前記
送液手段が、定量供給機構を具備してなる熱流体輸送装
置を用いて行われることを特徴とする上記(6)に示す
芳香族ハロゲン化物の製造方法によっても達成される。
【0013】また、本発明の目的は、(8) 常温で固
体状の芳香族化合物が、オルソフタロニトリルであり、
反応に使用するハロゲンガスが塩素であり、また反応で
製造される芳香族ハロゲン化物が、テトラクロロオルソ
フタロニトリルである上記(1)〜(7)のいずれか1
つに示す芳香族ハロゲン化物の製造方法によっても達成
される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、常温で固体状の芳香族
化合物を原料として使用し、該芳香族化合物を融解させ
輸送する工程(以下、単に融解・輸送工程とも言う)、
ついで該化合物を蒸発化する工程(以下、単に蒸発化工
程とも言う)、ついで該蒸気化された原料とハロゲンガ
スとを混合する工程(以下、単に混合工程とも言う)の
各工程を経由した後、気相触媒反応により芳香族ハロゲ
ン化合物を製造する方法において、前記融解・輸送工程
中での該芳香族化合物の融解状態での滞留時間(融解開
始から蒸発するまで)を120分以下にすることを特徴
とする芳香族ハロゲン化物の製造方法である。これは、
上記融解・輸送工程においては、芳香族化合物の融解状
態での滞留時間の増加により芳香族化合物の自己縮合体
の生成率も漸次増加する傾向を示すことがわかり、特に
滞留時間が120分を越える場合には、配管の閉塞化、
触媒活性の低下および製品の品質の低下などを実際に引
き起こすことがわかったからである。
【0015】したがって、上記融解・輸送工程中での該
芳香族化合物の融解状態での滞留時間は、可能な限り短
くする事が良いことから、好ましくは60分以下、より
好ましくは30分以下にすることが望ましい。なお、こ
の滞留時間には、個体状の該芳香族化合物が融解を開始
する、いわゆる一部個体状のものが融解物にスラリー状
態などで存在する時も含まれる。
【0016】さらに、融解状態の芳香族化合物原料は水
分の存在により加水分解を受けるが、該加水分解成分も
自己縮合体の生成に関与している事がわかったことか
ら、上記融解・輸送工程において、水分を芳香族化合物
原料に対して2000ppm以下、好ましくは1200
ppm以下にすることが望ましい。特に好ましくは50
0ppm以下にするのが望ましい。該水分が芳香族化合
物原料に対して2000ppmを越える場合には、自己
縮合体の生成量が水分含有量に応じて漸次増加するので
上記滞留時間と同様な種々の問題を起こすことになる。
そのため、各原料の水分量に関する品質管理および系内
への水分の混入のないシステムとすることが望ましい。
ただし、水分含有量に関しては、以下の理由により必須
構成要件でなく任意の構成要件といえる。すなわち、必
須構成要件であるところの上記滞留時間が十分に短けれ
ば、融解状態の芳香族化合物原料が該水分による加水分
解を受ける前に、次工程である蒸気化工程に送られて蒸
気化されるため自己縮合を抑制することができるからで
ある。
【0017】つぎに、本発明の芳香族ハロゲン化合物の
製造方法において、その主要部にあたる前記融解・輸送
工程中での該芳香族化合物の融解状態での滞留時間を1
20分以下にするとした課題解決手段(構成要件)は、
例えば、本発明者らがすでに上記芳香族ハロゲン化物の
工業化の際に生じる問題点に対する解決策の1つとして
提案している特願平8−50260号および特願平8−
70627号の製法において開示してあるような図2に
示す手段(装置)、すなわち、加熱用ジャケット32を
備えた融解槽31に固体状の芳香族化合物原料をその供
給口33より随時仕込み、融点以上に加温して融解させ
る。ついで融解した芳香族化合物原料を配管34、35
および輸送ポンプ36で次工程の蒸発器14に供給する
ことにより行うことができる。
【0018】上記開示手段の前半部分にあたる固体状の
原料の融解を行う融解手段としては、上述の加熱用ジャ
ケットを備えた融解槽に代表されるような、加熱および
撹拌機構が設けられた融解装置など、従来公知の装置・
機構を適宜利用することができる。このうち、加熱機構
には、例えば、装置の周囲にジャケットを取り付け熱媒
により加熱するジャケット方式または装置の周囲にヒー
タなどの加熱器を取り付け通電により加熱するヒータ方
式の部材などを用いることができる。また、撹拌機構に
は、固−液系の撹拌に適したパドル翼やタービン等にモ
ータ等の駆動装置を具備してなるモータ駆動方式の部材
などを用いることができる。そして、上記融解装置では
これらの機構を工業化に見合う規定量を処理し得る耐熱
・耐薬品などの処理が施された、取入口および取出口を
有する密閉槽(融解槽)に取り付けることで構成する事
ができる。
【0019】融解槽で融解されたものをヘッド圧を調整
することにより蒸発化工程へ輸送することもできる。
【0020】また、必要に応じて融解状態の原料を液体
輸送装置の1種である上記輸送ポンプ36などを用いて
前後の装置(融解槽31と蒸発器14と)を配管34、
35で結び該管内を輸送させることができる。上記液体
輸送装置としては、例えば、ボリュートポンプ、タービ
ンポンプ、ゴム張りサンドポンプ、ケミポンプ、スラリ
ーポンプ、バーチカルポンプ、プロペラポンプ等の遠心
ポンプ、直動ポンプ、プランジャーポンプ、ミルトンロ
イポンプ、隔膜ポン等の往復ポンプ、歯車ポンプ、仕切
板ポンプ、スクリューポンプ、ウエスコポンプ等の回転
ポンプなど従来公知の装置を適宜利用することができ
る。
【0021】ただし、工業化に際し、上記開示手段(装
置)をスケールアップした場合、工業化に見合う規定量
の固体状の芳香族化合物原料を融解槽内で融解状態に保
持することとなり、この部分が律速となり、溶融状態で
の滞留時間を120分以下にすることはできるが、より
好適な要件である滞留時間を60分以下、さらには30
分以下にすることは装置・設備の大型化(工業化)にと
もない、より困難になるといえる。
【0022】上記課題に対し、その解決手段(製法)と
して、本発明者らは、前記融解・輸送工程において、原
料供給手段によって固体状の原料を輸送・融解手段へ供
給し、該輸送・融解手段によって輸送する過程で固体状
の原料を融解させ、さらに必要に応じて送液手段を設
け、融解した原料を次工程である蒸発化工程に供給する
ことを特徴とする製法を見出だしたものであり、これに
より工業化に際しても好適な要件である滞留時間を60
分以下、さらには30分以下にすることもできる。かか
る製法を図面を用いて詳しく説明する。図1は、本発明
に係る芳香族ハロゲン化物の製造方法の好適な一つの実
施の形態を示す工程概略図である。
【0023】図1に示すように、本発明の芳香族ハロゲ
ン化物の製造方法では、常温で固体状の芳香族化合物を
原料として使用し、融解・輸送工程、ついで蒸発化工
程、ついで混合工程の各工程を経由した後、気相触媒反
応により芳香族ハロゲン化合物を製造するに際し、前記
融解・輸送工程において、原料供給手段11を用いて固
体状の原料を輸送・融解手段12へ供給し、つぎに、輸
送・融解手段12を用いて輸送する過程で固体状の原料
を融解させ、続いて、前後の輸送・融解手段12および
蒸発器14とそれぞれ配管18、19で結び該管内を輸
送させることができる送液手段13を用いて融解状態に
ある原料を次の蒸発化工程の蒸発器14に供給すること
を特徴とするものである。
【0024】このうち、上記原料供給手段11では、取
り扱う原料が常温下、固体状であるため、未だ溶融状態
になく滞留時間を考慮する必要がないため、特に制限さ
れるものでなく、従来公知の手段を適宜利用することが
できる。すなわち、ホッパー等の原料貯蔵槽若しくは装
置内の原料貯蔵部等から固体状の原料を輸送・融解手段
12へ供給するまでの短い距離を輸送する装置であっ
て、規定量の原料を短距離輸送する一般の供給装置など
を利用することができる。
【0025】従って、原料供給手段11に利用すること
ができる供給装置には、原料を重力だけで移動させる落
下型と、途中で機械力を使って原料を移動する水平型に
大別でき、該落下型の重力供給装置としては、例えば、
ゲート(スルース弁)方式、ダンパー(ストップ弁)方
式等のシュート供給装置、ロータリーフィーダー(水平
軸)、テーブルフィーダー等の回転供給装置等が挙げら
れる。一方、水平型の機械力供給装置としては、例え
ば、(連続)ベルトフィーダー、(分割)バケット(パ
ン)フィーダー等の移動容器型および(開放)ドラッグ
(フライト)コンベヤー、(密閉)フロートコンベヤー
等の固定容器型等のエンドレス供給装置、振動フィーダ
ー、シェーキングフィーダー等の往復動型およびスクリ
ューフィーダー等のスクリュー(ねじ)型等の推力供給
装置、インゼクション(エゼクター)フィーダー等の高
圧空気力およびエアスライド等の低圧空気力等の空気力
供給装置などが挙げられる。好ましくは、上記各種供給
装置において定量供給機構を具備してなるものである。
これにより輸送・融解手段12に一定量の原料を連続し
て供給することができるため融解状態の原料の滞留時間
等の制御を容易に行うことができるからである。上記定
量供給機構を具備してなる装置としては、特に制限され
るものでないが、構造が簡単で定量供給を連続的に行う
上での調整・制御が容易で、さらに密閉構造で大気雰囲
気中の水分の混入の少ない、スクリュー型定量フィーダ
ーを用いるのが望ましい。スクリュー型フィーダーとし
ては、例えば、株式会社セイシン企業製のスパイラルフ
ィーダー、大盛工業株式会社製のスクリュウフィーダ
ー、日本ニューマチック工業株式会社製のアキュレート
フィーダー、株式会社栗本鐵工所製のKRCニーダー、
K−トロン社製のツインスクリュウフィーダー等を用い
ることができる。
【0026】つぎに、上記輸送・融解手段12では、融
解状態での滞留時間を120分以下、好ましくは60分
以下、さらには30分以下で行えるように、輸送する過
程で固体状の原料を融解させることができるものであれ
ば、特に制限されるものでなく、従来公知の手段を適宜
利用することができる。上記要件を満足するものとして
は、例えば、加熱機構を具備してなる一般的な輸送装置
などを用いることができるが、好ましくは、取り扱う原
料の物性が固体状態から粘稠で変形に対する抵抗の大き
い状態を経て融解状態へと変化するのに対応できるよう
に、加熱機構を具備してなる連続式(定量供給機構と同
義)の混練輸送装置などを用いることが望ましい。
【0027】上記連続式の混練輸送装置としては、例え
ば、2軸スクリュー型、複軸パドル(パグミル)型、高
速回転円板型、セルフクリーニング型、単軸ロッド型、
ボテーター型、マーラー型、ミル型、コニーダー型、2
軸スクリュー押出型、テーパーロール型等の連続式の混
練輸送装置、あるいはこれらの装置が適当に組合わされ
た連続式の混練輸送装置等を用いることができる。なか
でも、2軸スクリュー型と2軸パドル型とをセルフクリ
ーニング型にアレンジして組み合わせた2軸ニーダー型
連続混練輸送装置が特に好ましい。該2軸ニーダー型連
続混練輸送装置では、パドルとスクリューが水平方向に
平行な2本のシャフトに適当数組み込まれ、左右対にな
っているパドルは常に90°位相がづれてセットされ、
同一速度・同一方向に回転する。そのため一対のパドル
およびスクリューは、常に一方の先端が他方を擦るよう
に回転するので粘稠な原料でも十分にセルフクリーニン
グ作用が得られ、さらにトラフとパドルのクリアランス
を少なくとることでパドル、スクリューおよびトラフへ
の付着も抑えられ、よりセルフクリーニング作用を高め
ることができる。これにより、原料を無駄なく輸送でき
るため、その滞留時間を短くできる。さらに、パドル等
の組替えにより滞留時間の調整を図ることもできる等の
利点を有する。2軸ニーダー方式の輸送装置としては、
例えば、株式会社栗本鐵工所製のKRCニーダーを用い
ることができる。
【0028】また、上記加熱機構を設けてなる連続式の
混練輸送装置の加熱機構としては、先述したと同様に、
例えば、図1に示すように装置の周囲にジャケットを取
り付け熱媒により加熱するジャケット方式の部材27、
あるいは装置の周囲にヒータを取り付け通電により加熱
するヒータ方式の部材などを用いることができる。当該
加熱機構による伝熱(加熱)温度としては、原料の芳香
族化合物の融点よりも余り高くなると、芳香族化合物が
多量化することから、通常、芳香族化合物の融点から融
点よりも80℃高い温度範囲、好ましくは芳香族化合物
の融点よりも5〜50℃高い温度範囲である。したがっ
て、加熱機構の最大設定温度も250℃程度あれば比較
的高い融点の芳香族化合物にも十分対応することができ
る。
【0029】つぎに、上記送液手段13では、融解した
原料を次の蒸発化工程に供給することができるものであ
れば、特に制限されるものでなく、従来公知の手段を適
宜利用することができる。上記要件を満足するものとし
ては、例えば、前後の輸送・融解手段12および蒸発器
14をそれぞれ配管18、19で結び該管内を送液させ
ることのできる一般的な熱流体輸送装置などを利用する
ことができる。
【0030】上記熱流体輸送装置としては、例えば、ダ
イヤフラムポンプ、ボリュートポンプ、タービンポン
プ、ゴム張りサンドポンプ、ケミポンプ、スラリーポン
プ、バーチカルポンプ、プロペラポンプ等の遠心ポン
プ、直動ポンプ、プランジャーポンプ、ミルトンロイポ
ンプ、隔膜ポンプ等の往復ポンプ、歯車(ギア)ポン
プ、仕切板(ベーン)ポンプ、ねじ(スクリュー)ポン
プ、ウエスコポンプ等の回転(ロータリ)ポンプ等を用
いることができるが、好ましくは、定量供給機構を具備
してなる熱流体輸送装置を用いることが望ましい。これ
は、配管で結ばれた蒸発器14内部で発生する蒸気圧
(背圧)に抗して一定量を安定的に供給輸送することの
できる定量供給機構を具備していることが好ましい。上
記定量供給機構を具備してなる熱流体輸送装置として
は、例えば、ケーシング内部でほとんど間隙のないよう
に作られた歯車、仕切板、ねじ等を回転し、液体をその
空隙に閉じ込めて押し動かして輸送するもので、流動が
一様で(定量化でき)、高圧(背圧)を要する場合、輸
送原料の粘度の高い場合に適するところの、歯車(ギ
ア)ポンプ、仕切板(ベーン)ポンプ、ねじ(スクリュ
ー)ポンプ、ウエスコポンプ等の回転(ロータリ)ポン
プ等を利用することができる。本発明では送液手段13
と蒸発器14との間に蒸発器、反応器及び捕集器系内で
生じる内圧に影響されないように逆止弁あるいは背圧弁
を設けても構わない。また、本発明では上記輸送・融解
手段12と送液手段13との間に、クッションタンクを
設けてもよい。クッションタンクを設けることによっ
て、より安定的に定量供給輸送できる。
【0031】なお、上記送液手段13は、任意構成要件
であり、先の輸送・融解手段12により融解したものを
送液手段13を介せずに直接蒸発器14に供給しても良
い。特に輸送・融解手段12として加熱機構を具備して
なる連続式の混練輸送装置のような定量供給機能を持つ
装置を利用する場合には、上記送液手段13で求められ
る要件を兼ね備えており、よって送液するために、例え
ば、蒸発器14よりも輸送・融解手段12を高所に置く
ことにより、そのヘッド圧を調整することによって融解
した原料を蒸発器に輸送することができるので、このよ
うな場合には、さらに送液手段13を設ける必要性に乏
しく、また滞留時間も短縮できることになる。
【0032】また、上記輸送・融解手段12で固体状の
原料を加熱融解した後は、それ以上に加熱する必要はな
いが、次の蒸発器14に供給するまで該融解状態を保持
する必要がある。そのため、上記輸送・融解手段12で
固体状の原料を融解した後から蒸発器14に供給するま
での原料輸送ルートにあたる装置および配管について
は、原料を一定温度範囲内に保持するための加熱冷却機
能および/または保温機能を有する部材などを設けるこ
とが望ましい。
【0033】以上が、本発明の主要な構成要件にあたる
融解・輸送工程に関する実施の形態に関する説明であ
り、融解・輸送工程以降の製造方法に関しては、特に制
限されるものでなく、従来公知の芳香族ハロゲン化物に
関する製造方法を適宜利用することができるものである
事は言うまでもなく、かかる部分につき、さらに図1に
示した好適な手段(実施の形態)に即して、以下に簡単
に説明する。
【0034】まず、蒸発化工程では、蒸気化手段とし
て、例えば、加熱機構等を具備してなる装置として蒸発
器14を用いて、融解・輸送工程より輸送された融解状
態の原料を蒸気化する。
【0035】上記蒸発器14としては、例えば、図1に
示すように、蒸発器14上部から融解した芳香族化合物
を供給し、蒸発器14下部からは不活性ガスタンク25
より不活性ガスを配管26を通じて供給させて蒸発させ
る方式などを用いることができる。また、芳香族化合物
と接触する蒸発器内面の材質は、非金属性物質、より好
ましくはグラスライニングされたものが自己縮合体の発
生を抑制するため望ましい。なお、蒸発器の温度は、用
いる芳香族化合物の露点以上であればいずれの温度でも
よいが、好ましくは芳香族化合物の露点から露点よりも
120℃高い温度範囲、より好ましくは芳香族化合物の
露点よりも20〜80℃高い温度範囲で行うのが良い。
また、上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、塩
化水素ガスおよび四塩化炭素ガスなどが挙げられる。特
に本発明では、窒素ガスを用いるのが望ましい。
【0036】ついで、混合工程では、混合手段として、
例えば、混合操作を連続化するために、管路の途中に置
くスタティックミキサー等の気体−気体系の管路撹拌器
(ラインミキサー)16を用いて、上記蒸発器14より
配管20、22内を通って送られてくる蒸発化した原料
とハロゲンガスタンク15から配管21、22内を通っ
て送られてくるハロゲンガスとを撹拌混合し混合ガスの
状態で配管23内を通して反応系に送る。
【0037】上記各工程を経由して得られた混合ガス
は、触媒が充填されたハロゲン化反応器17上部に配管
23を通じて供給され、所定の反応温度で所定の反応時
間で反応器内通過する間に連続気相触媒反応される。つ
ぎに、反応生成ガスは、ハロゲン化反応器17下部より
配管24を経て排出された後、ハロゲン化生成物を冷却
することによって結晶粉末状の芳香族ハロゲン化合物を
得ることができるものである。結晶生成後のガス状物
は、必要によりアルカリ洗浄などに供することにより未
反応ハロゲンや副生ハロゲン化水素などが除去される。
【0038】なお、上記ハロゲン化反応器内に充填され
る触媒としては、気相ハロゲン化に効果のあるものなら
ばすべてのものを使用できるが、特に活性炭あるいは金
属塩を担持した活性炭を用いるのが好ましい。また、反
応温度としては、用いる芳香族化合物原料により異なる
が、230〜450℃の範囲で行うのがよい。ハロゲン
ガスの使用量は、理論量の1〜2倍が最適であるが、さ
らに数倍以上のハロゲンガスを用いて空間速度を大きく
して、未反応ハロゲンガスを循環使用することもでき
る。反応は、通常、常圧付近で行われるが、減圧下また
は加圧下においても行うことができる。また反応は、い
わゆる固定床で行うこともできるし、また流動床で行う
こともできる。
【0039】さらに本発明では、芳香族ハロゲン化物の
工業化を図る上で、本発明の製造工程全般にわたって自
動制御により安定的に連続操業できるようにプロセス装
置・設備全体を完全自動化することが望ましい。
【0040】また、本発明においては、本発明者らがす
でに提案してなる特願平8−50260号および特願平
8−70627号で用いた製造方法(ないしその構成要
件の一部)を適宜利用することもできる。これにより自
己縮合体の発生がより完全に抑制でき、またその後に発
生する自己縮合体を除去する事もできるため有利であ
る。例えば、特願平8−50260号の製法による自己
縮合体の除去手段として、ストレーナーのような瀘過器
を、輸送・融解手段12と送液手段13の間の配管18
の途中、若しくは送液手段13と蒸発器14の間の配管
19の途中に設け、該瀘過器に融解オルソフタロニトリ
ルを通して融解状態で生成した自己縮合体を分離して随
時除去しても良い(蒸気化前の除去操作)。
【0041】また、蒸気化工程で蒸発器の下部に凝縮部
を設置し、該凝縮部にて自己縮合体を凝縮させ下部から
配管を経て随時抜き出しても良い(蒸気化時の除去操
作)。
【0042】さらに、ガス混合物中の自己縮合体を捕集
する目的で管路撹拌器16とハロゲン化反応器17の間
の配管23の途中に設置された芳香族化合物の露点以上
に保温されたトラップ等の捕集器にガス混合物を通し
て、ガス中の自己縮合体をガス混合物から分離し除去し
ても良い(蒸気化後の除去)。
【0043】さらに、特願平8−70627号の製法に
よる自己縮合体の生成抑制手段として、融解状態の芳香
族化合物原料中のFe分、Ni分、Cr分、Zn分、M
n分、Al分、Cu分およびCo分の総量を芳香族化合
物原料に対して100ppm以下、好ましくは芳香族化
合物原料中のFeイオン、Niイオン、Crイオン、Z
nイオン、Mnイオン、Alイオン、Cuイオンおよび
Coイオンの総量を芳香族化合物原料に対して100p
pm以下となるように、融解状態の芳香族化合物原料が
接触する装置や配管内面の材質に非金属性物質を用いて
も良い。
【0044】また、本発明に用いることのできる常温で
固体状の芳香族化合物の原料としては、特に制限される
ものではなく、常温で固体状で自己縮合化の起こり易い
化合物ならばあらゆるものが適用される。例えば、オル
ソフタロニトリル、イソフタロニトリル、テレフタロニ
トリル、モノクロロオルソフタロニトリル、ジクロロオ
ルソフタロニトリル、トリクロロオルソフタロニトリル
等のフタロニトリル化合物類;ジクロロベンゾニトリ
ル、トリクロロベンゾニトリル、テトラクロロベンゾニ
トリル等のベンゾニトリル化合物類;ジシアノピリジ
ン、ジクロロシアノピリジン、トリクロロシアノピリジ
ン等のピリジン化合物類などが挙げられるが、好ましく
は、医薬、農薬、機能性色素および機能性ポリマーなど
の中間原料として有用なものである芳香族ハロゲン化物
の原料となり得るオルソフタロニトリル、イソフタロニ
トリルなどを用いるのが望ましい。
【0045】また、本発明に用いることのできるハロゲ
ンガスとしても、特に制限されるものではなく、塩素ガ
ス、臭素ガスなどが挙げられるが、好ましくは、医薬、
農薬、機能性色素および機能性ポリマーなどの中間原料
として有用なものである芳香族ハロゲン化物の原料とな
り得る塩素ガスが望ましい。
【0046】さらに、気相触媒反応によって製造される
芳香族ハロゲン化物は、その使用目的や用途に応じて、
その原料となる上記芳香族化合物および上記ハロゲンガ
スを適宜選択することにより作り出すことができるもの
であり、その好適な例としては、医薬、農薬、機能性色
素および機能性ポリマーなどの中間原料として有用なテ
トラクロロオルソフタロニトリル、テトラクロロイソフ
タロニトリルなどが挙げられる。
【0047】本発明の方法は、特にオルソフタロニトリ
ルを原料に用いて、触媒存在下、気相塩素化反応により
テトラクロロオルソフタロニトリルを製造する際に有効
である。
【0048】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明方法をさらに
詳細に説明する。
【0049】実施例1 下部にギアポンプ(中央理化株式会社製 182−GR
11)が設置された輸送・融解手段としてのKRCニー
ダー(株式会社栗本鐵工所製 S−4KRC)に原料供
給手段としての定量フィルダー(クマエンジニアリング
製アキュレータ)から連続的にオルソフタロニトリル粉
体を供給し、ニーダー中を輸送させながら160℃でオ
ルソフタロニトリルを融解させた。
【0050】つぎに、融解させたオルソフタロニトリル
は、送液手段としてのギアポンプを用いて連続的に1.
68kg/時で蒸発機の上部より供給した。また、蒸発
器の下部から窒素ガスを10.5kg/時で連続的に供
給しながら、温度210〜260℃にてオルソフタロニ
トリルおよび窒素の混合物を蒸発させた。なお、融解状
態でのオルソフタロニトリルの滞留時間は7分であっ
た。また、融解状態のオルソフタロニトリル中の水分を
測定した結果、145ppmであった。
【0051】蒸発したオルソフタロニトリル蒸気および
窒素ガスの混合物中に塩素ガス6.02kg/時を連続
的に供給し、混合器で混合させた。なお、塩素対オルソ
フタロニトリルのモル比を6.47とした。
【0052】これらのガス混合物を37.8リットルの
活性炭(武田薬品工業株式会社製シラサギーC2X4)
が充填された反応管に導入し、反応温度280〜330
℃で40時間連続して反応させ、ついで塩素化生成物を
冷却によって結晶粉末状にする。その結果、収率96.
7モル%(対供給オルソフタロニトリル)、純度99.
4%のテトラクロロオルソフタロニトリルが得られた。
【0053】なお、運転中のラインの閉塞等によるトラ
ブルは全くなく、順調に運転することができた。このよ
うに順調に運転できたのは、輸送機、蒸発器およびガス
混合器中のオルソフタロニトリルの自己縮合体のトータ
ルの生成量を測定した所、供給オルソフタロニトリルに
対して平均0.20モル%と少量しか生成してないこと
からも裏付けられた。
【0054】実施例2 塩素化反応中に反応系内で発生する内圧以上のhead
(頭)圧が蒸発器入口で生ずるように、KRCニーダー
(株式会社栗本鐵工所製 S−4KRC)を蒸発器より
約3m高い位置に据え付け、蒸発器入口部分に逆止弁
(ニュプロ社製SS−CHF4RT、クラッキング圧力
1psi)を取り付けた後、定量フィーダー(クマエ
ンジニアリング製 アキュレータ)からKRCニーダー
へ連続的にオルソフタロニトリル粉体を供給し、ニーダ
ー中を輸送させながら150℃でオルソフタロニトリル
を融解させた。
【0055】次に、融解させたオルソフタロニトリル
を、連続的に1.68kg/時で蒸発器上部に供給し
た。なお、融解状態でのオルソフタロニトリルの蒸発器
までの滞留時間は、約1.5分であった。また、融解状
態のオルソフタロニトリル中の水分を測定した結果、2
00ppmであった。また、蒸発器の下部から窒素ガス
を10.5kg/時で連続的に供給しながら、温度21
0〜260℃にてオルソフタロニトリルおよび窒素の混
合物を蒸発させた。
【0056】蒸発したオルソフタロニトリル蒸気および
窒素ガスの混合物中に塩素ガス6.02kg/時を連続
的に供給し混合器で混合させた。なお、塩素対オルソフ
タロニトリルのモル比を6.47とした。
【0057】これらのガス混合物を37.8リットルの
活性炭が充填された反応管に導入し、反応温度280〜
330℃で40時間連続して反応させ、ついで塩素化生
成物を冷却し捕集器内に捕集し結晶粉末状にした。その
結果、収率96.2モル%(対供給オルソフタロニトリ
ル)、純度99.6%のテトラクロロオルソフタロニト
リルが得られた。
【0058】なお、輸送機、蒸発器およびガス混合器中
のオルソフタロニトリルの自己縮合体のトータルの生成
量を測定したところ、供給オルソフタロニトリルに対し
て平均0.12モル%であった。
【0059】実施例3〜5 実施例1において、送液手段であるギアポンプを表1に
示すポンプに変え、さらに融解状態でのオルソフタロニ
トリルの滞留時間を表1に示す時間で行った以外は、実
施例1と同様にオルソフタロニトリルを輸送・融解し、
同じ様にして反応を行った。その結果、下記表1に示す
測定結果(融解状態のオルソフタロニトリル中の水分
量、テトラクロロオルソフタロニトリルの収率(対供
給オルソフタロニトリル)、テトラクロロオルソフタ
ロニトリルの純度、並びに輸送機、蒸発器およびガス
混合器中のオルソフタロニトリルの自己縮合体のトータ
ルの生成量)が得られた。
【0060】
【表1】
【0061】実施例6 下部に、融解した原料フタロニトリルを貯蔵する小型ポ
ット(内容量約1リットル)、さらにダイヤフラムポン
プ(株式会社桜製作所製 CDQJI03−1)が設置
された輸送・融解手段としてのKRCニーダー(株式会
社栗本鐵工所製S−4KRC)に原料供給手段として定
量フィーダー(クマエンジニヤリング製 アキュレー
タ)から連続的にオルソフタロニトリル粉体を供給し、
ニーダー中を輸送させながら160℃でオルソフタロニ
トリルを融解させた。
【0062】次に、融解させたオルソフタロニトリル
は、小型ポット(内容量約1リットル)に一旦貯蔵さ
れ、さらに輸送手段としてのダイヤフラムポンプを用い
て連続的に1.68kg/時で蒸発器上部に供給した。
蒸発器上部には、逆流防止のために逆止弁(ニュプロ社
製 SS−CHF4RT、クラッキング圧力 1ps
i)を取り付けた。また、蒸発器の下部から窒素ガスを
10.5kg/時で連続的に供給しながら、温度210
〜260℃にてオルソフタロニトリルおよび窒素の混合
物を蒸発させた。なお、融解状態でのオルソフタロニト
リルの滞留時間は、約30分であった。また、融解状態
のオルソフタロニトリル中の水分を測定した結果、10
00ppmであった。蒸発したオルソフタロニトリル蒸
気および窒素ガスの混合物中に塩素ガス6.02kg/
時を連続的に供給し、混合機で混合させた。なお、塩素
対オルソフタロニトリルのモル比を6.47とした。
【0063】これらのガス混合物を37.8リットルの
活性炭(クラレケミカル製 クラレコール4GS)が充
填された反応管に導入し、反応温度265〜275℃で
84時間還流して反応させ、ついで塩素化生成物を冷却
によって結晶粉末状にする。その結果、収率98.9モ
ル%(対供給オルソフタロニトリル)、純度99.5%
のテトラクロロオルソフタロニトリルが得られた。
【0064】なお、運転中のラインの閉塞などによるト
ラブルは全くなく、順調に運転する事ができた。このよ
うに順調に運転することができたのは、輸送機、蒸発器
およびガス混合器中のオルソフタロニトリルの自己縮合
体のトータルの生成量を測定したところ、供給オルソフ
タロニトリルに対して平均0.4モル%と少量しか生成
していないことからも裏付けられた。
【0065】実施例7 実施例4において、実施例6と同じ様に蒸発器上部に送
流防止のために、逆止弁を取り付け、原料オルソフタロ
ニトリル粉体中の水分が、800ppmであったこと、
融解状態でのオルソフタロニトリルの滞留時間が50分
であったこと以外は、実施例4と同様にオルソフタロニ
トリルを輸送・融解し、同じ様にして反応を行った。そ
の結果、テトラクロロオルソフタロニトリルの収率(対
供給オルソフタロニトリル)95.3モル%、純度9
9.2%のテトラクロロオルソフタロニトリルが得られ
た。また、輸送機、蒸発器およびガス混合機中のオルソ
フタロニトリルの自己縮合体のトータルの生成量を測定
したところ、供給オルソフタロニトリルに対して平均
1.6モル%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る芳香族ハロゲン化物の製造方法
の好適な一つの実施の形態を示す工程概略図である。
【図2】 本発明に係る芳香族ハロゲン化物の製造方法
の別の一つの実施の形態を示す工程概略図である。
【符号の説明】
11…原料供給手段、 12…輸送・融解手
段、13…送液手段、 14…蒸発器、
15…ハロゲンガスタンク、 16…ガス混合器、
17…ハロゲン化反応器、 18〜24、26、
34、35…配管、25…不活性ガスタンク、
27、32…加熱用ジャケット、31…融解槽、
33…供給口、36…輸送ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 進藤 久和 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 花山 義朗 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 正田 勇仁 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒内 (56)参考文献 特公 昭36−23330(JP,B1) 特公 昭36−5716(JP,B1) 特公 昭42−10856(JP,B1) 特公 昭37−7961(JP,B1) 特公 昭43−22298(JP,B1) 米国特許2153620(US,A) 米国特許3060179(US,A) 有機合成化学、第22巻、第9号 (1964)p.743−p.748 J.Amer.Chem.Soc., Vol.72(1950)p.3302−p.3304 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07B 39/00 C07C 253/30 C07C 255/51

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固体状の芳香族化合物を原料とし
    て使用し、該芳香族化合物を融解させ輸送する工程、つ
    いで該化合物を蒸発化する工程、ついでハロゲンガスと
    混合する工程を経由した後、気相触媒反応により芳香族
    ハロゲン化合物を製造する方法において、 前記芳香族化合物を融解させ輸送する工程において、原
    料供給手段によって固体状の原料を輸送・融解手段へ供
    給し、該輸送・融解手段によって輸送する過程で固体状
    の原料を融解させ、かつ該芳香族化合物の融解状態での
    滞留時間が120分以下であることを特徴とする芳香族
    ハロゲン化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 常温で固体状の芳香族化合物を原料とし
    て使用し、該芳香族化合物を融解させ輸送する工程、つ
    いで該化合物を蒸発化する工程、ついでハロゲンガスと
    混合する工程を経由した後、気相触媒反応により芳香族
    ハロゲン化合物を製造する方法において、 前記芳香族化合物を融解させ輸送する工程において、原
    料供給手段によって固体状の原料を輸送・融解手段へ供
    給し、該輸送・融解手段によって輸送する過程で固体状
    の原料を融解させる、その際の該輸送・融解手段が、加
    熱機構を具備してなる連続式の混練輸送装置を用い、か
    つ該芳香族化合物の融解状態での滞留時間が120分以
    下であることを特徴とする芳香族ハロゲン化物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記芳香族化合物を融解させ輸送する工
    程において、水分を芳香族化合物原料に対して2000
    ppm以下にすることを特徴とする請求項1または2
    記載の芳香族ハロゲン化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記芳香族化合物を融解させ輸送する工
    程において、前記原料供給手段が、定量供給機構を具備
    してなる供給装置を用いて行われることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ハロゲン化物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記芳香族化合物を融解させ輸送する工
    程において、前記輸送・融解手段に続いて、さらに送液
    手段を設けることにより、融解した原料を次工程である
    蒸発化工程に供給することを特徴とする請求項1〜
    いずれか1項に記載の芳香族ハロゲン化物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記芳香族化合物を融解させ輸送する工
    程において、前記送液手段が、定量供給機構を具備して
    なる熱流体輸送装置を用いて行われることを特徴とする
    請求項に記載の芳香族ハロゲン化物の製造方法。
  7. 【請求項7】 常温で固体状の芳香族化合物が、オルソ
    フタロニトリルであり、反応に使用するハロゲンガスが
    塩素であり、また反応で製造される芳香族ハロゲン化物
    が、テトラクロロオルソフタロニトリルである請求項1
    のいずれか1項に記載の芳香族ハロゲン化物の製造
    方法。
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