JP3375269B2 - 芳香族ニトリル化合物の輸送方法 - Google Patents

芳香族ニトリル化合物の輸送方法

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JP3375269B2 JP15219497A JP15219497A JP3375269B2 JP 3375269 B2 JP3375269 B2 JP 3375269B2 JP 15219497 A JP15219497 A JP 15219497A JP 15219497 A JP15219497 A JP 15219497A JP 3375269 B2 JP3375269 B2 JP 3375269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温で固体状の芳
香族ニトリル化合物の輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ニトリル化合物は、医薬、農薬、
機能性色素および機能性ポリマーなどの中間体として有
用な化合物である。
【0003】従来、常温で固体状の芳香族ニトリル化合
物は、粉体、フレークなどの形状で取り扱われているの
が一般的である。特にこのような固体状の芳香族ニトリ
ル化合物は、微粉末になりやすいために、人体が吸入し
たり、皮膚に付着しやすい。ところが、芳香族ニトリル
化合物は、毒性が高く、このように固体状で扱う際は厳
重な注意を払う必要がある。
【0004】したがって、芳香族ニトリル化合物の輸送
に際して、人体に触れる機会の多い場合などは、粉末状
で取り扱わない方法である融解状態での取り扱いを必要
とする。それ以外でも、例えば、芳香族ニトリル化合物
を反応資材として取り扱うのに、目的の反応装置への輸
送方法として融解状態で行う手法もしばしば行われる常
套手段である。しかしながら、融解状態では、各種の芳
香族ニトリル化合物の自己縮合体が生成し、これらの自
己縮合体が輸送容器に沈着したり、輸送時に配管に閉塞
を引き起こすなど取り扱い上問題となる。従来において
はこれらの問題点の解決策は明らかになっていない。ま
た、芳香族ニトリル化合物を反応生成物として取り出す
のに、反応後に結晶化させ、その後取り出すのが一般的
であり、反応後融解状態に保ち、その後取り出す方法は
開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、融解状態の芳香族ニトリル化合物を輸送する過
程で生じる問題点に関する新規な解決策を提供するもの
である。
【0006】すなわち、本発明の目的は、常温で固体状
の芳香族ニトリル化合物の輸送に際して、粉末状の輸送
では人体に対し有害であるために融解状態で輸送する際
に生じる自己縮合体による輸送上の問題点の解決策を提
供する。
【0007】また、本発明の他の目的は、芳香族ニトリ
ル化合物を反応生成物として取り出すのに、反応後融解
状態に保ち、その後取り出すための輸送方法を提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、常温で固
体状の芳香族ニトリル化合物の輸送方法につき鋭意検討
した結果、自己縮合体の生成を抑制し得る装置構成のも
とで融解状態のものを輸送することにより上記諸目的を
達成することができることを見いだし、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0009】すなわち、本発明の上記諸目的は、(1)
常温で固体状の芳香族ニトリル化合物の輸送方法にお
いて、2軸ニーダー型連続混練輸送装置を用いて、融解
状態のものを少なくとも一部含む該芳香族ニトリル化合
物を輸送することを特徴とする芳香族ニトリル化合物の
輸送方法により達成される。
【0010】また、本発明の目的は、(2) 前記芳香
族ニトリル化合物を輸送するのに、前記2軸ニーダー型
連続混練輸送装置に続いて、さらに定量供給機構を具備
してなる熱流体輸送装置を用いて行うことを特徴とする
上記(1)に示す芳香族ニトリル化合物の輸送方法によ
っても達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、その実施の
形態ごとを詳細に説明する。
【0012】本発明の輸送方法では、常温で固体状の芳
香族ニトリル化合物の輸送方法において、2軸ニーダー
型連続混練輸送装置を用いて、融解状態のものを少なく
とも一部含む該芳香族ニトリル化合物を輸送するもので
あるが、「融解状態のものを少なくとも一部含む芳香族
ニトリル化合物を輸送する」形態の好ましい例として
は、「全て融解した芳香族ニトリル化合物を輸送する」
もの、および「輸送中において、初めにあった全部また
は一部の固体状物の芳香族ニトリル化合物を融解させな
がら輸送する」ものである。したがって、本発明の輸送
方法には、輸送中に芳香族ニトリル化合物の一部が固体
状態になる形態も含まれる。かかる本発明の実施態様と
しては、例えば、下記の〜等の芳香族ニトリル化合
物を輸送させる場合などに適用される。
【0013】常温で固体状の芳香族ニトリル化合物を
原料として使用する際に、初めにあった全部(または一
部の)固体状物の当該原料を融解させながら輸送させて
反応に供する場合に適用される。具体的には、例えば、
芳香族ニトリル化合物の加水分解反応、オルソフタロニ
トリル類のフタロシアニン化反応あるいは塩素化芳香族
ニトリルのハロゲン交換反応などの反応系に供する場合
などに適用できる。
【0014】前工程で得られた融解状態(全て融解し
た状態)の芳香族ニトリル化合物をそのまま次工程の反
応工程に供する際の前工程で得られた全て融解した該芳
香族ニトリル化合物を次工程に輸送する方法に適用され
る。具体的には、例えば、キシレン類を気相でアンモ酸
化し生成したフタロニトリル類を融解状態で捕集あるい
は貯蔵したものを、次工程反応としての例えばフタロニ
トリル類のハロゲン化反応等の貯蔵容器あるいは反応容
器に輸送する場合、あるいは芳香族ニトリル化合物を塩
素化等のハロゲン化を行い生成したハロゲン化芳香族ニ
トリル化合物を融解状態で捕集あるいは貯蔵したもの
を、次工程反応としての例えばハロゲン化芳香族ニトリ
ル化合物のハロゲン交換反応工程等の貯蔵容器あるいは
反応容器に輸送する場合等に適用できる。
【0015】反応として得られた芳香族ニトリル化合
物を融解状態で捕集あるいは貯蔵したもの(融解状態の
ものを少なくとも一部含むもの、好ましくは全て融解し
た状態のままのもの)を、結晶室に輸送(移送)して結
晶化させ粉末状にして貯蔵もしくは取り出す場合に適用
される。具体的には、例えば、キシレン類を気相でアン
モ酸化して生成したフタロニトリル類を融解状態で捕集
し、ついで結晶室に輸送して結晶化させ粉末状にして貯
蔵もしくは取り出す場合、芳香族ニトリル化合物をハロ
ゲン化反応を行い、生成したハロゲン化芳香族ニトリル
化合物を融解状態で捕集し、ついで結晶室に輸送(移
送)して結晶化させ粉末状にして貯蔵もしくは取り出す
場合、あるいは塩素化芳香族ニトリルのハロゲン交換反
応によって得られたフッ素化芳香族ニトリル化合物を融
解状態で捕集し、ついで結晶室に輸送(移送)して結晶
化させ粉末状にして貯蔵もしくは取り出す場合などに適
用できる。
【0016】これにより、固体状で取り扱わなくて良い
ほか、反応生成物等では反応後の直接固化は条件が難し
いが、反応容器から輸送(移送)して別の容器に捕集す
ることで固化条件の設定が容易となる。
【0017】つぎに、本発明の2軸ニーダー型連続混練
輸送装置としては、連続式の混練輸送装置の2軸スクリ
ュー型と2軸パドル型とをセルフクリーニング型にアレ
ンジして組み合わせなるものであればよいが、芳香族ニ
トリル化合物を全て融解した状態を保持したまま輸送す
るような態様が好ましい場合などでは、当該2軸ニーダ
ー型連続混練輸送装置にさらに加熱機構を設けてなるも
のが望ましい。当該2軸ニーダー型連続混練輸送装置で
は、パドルとスクリューを、例えば、水平方向に平行な
2本のシャフトに適当数組み込むことができ、左右対に
することのできるパドルは、任意に(例えば、90°)
位相をずらしてセットでき、同一速度・同一方向に回転
させたりするなどその回転速度および回転方向を任意に
調節することができる機構となっている。そのため一対
のパドルおよびスクリューを、例えば、常に一方の先端
が他方を擦るように回転させることも可能であり、これ
により粘稠な状態の芳香族ニトリル化合物でも十分にセ
ルフクリーニング作用が得られ、さらにトラフとパドル
のクリアランスを少なくとることでパドル、スクリュー
およびトラフへの付着も抑えられ、よりセルフクリーニ
ング作用を高めることができる。これにより、芳香族ニ
トリル化合物を極めて効率よく輸送できるため、その輸
送時間、特に融解状態での滞留時間を短くできる。さら
に、パドル等の組替えにより輸送時間の調整・制御を図
ることもできる。また、当該2軸ニーダー型連続混練輸
送装置に必要に応じて付設し得る加熱機構としては、例
えば、装置本体の外周部にジャケットを取り付け熱媒に
より加熱するジャケット方式、あるいは装置本体の外周
部にヒータを取り付け通電により加熱するヒータ方式な
ど従来既知の加熱機構を設けることができる。こうした
2軸ニーダー型連続混練輸送装置としては、具体的に
は、株式会社栗本鐵工所製のKRCニーダーなどが例示
できる。
【0018】また、常温で固体状の芳香族ニトリル化合
物としては、特に制限されるものではなく、固体状で取
り扱うと人体に対し有害であるために融解状態で取り扱
うことが望ましく、さらに融解状態で自己縮合体が生じ
るものに広く適用できる。具体的には、例えば、オルソ
フタロニトリル、イソフタロニトリル、テレフタロニト
リル、モノクロロオルソフタロニトリル、ジクロロオル
ソフタロニトリル、トリクロロオルソフタロニトリル、
テトラクロロオルソフタロニトリル、テトラクロロイソ
フタロニトリル、モノフルオロオルソフタロニトリル、
ジフルオロオルソフタロニトリル、トリフルオロオルソ
フタロニトリル、テトラフルオロオルソフタロニトリ
ル、テトラフルオロイソフタロニトリルなどのフタロニ
トリル化合物類;ジクロロベンゾニトリル、トリクロロ
ベンゾニトリル、テトラクロロベンゾニトリル、ジフル
オロベンゾニトリル、トリフルオロベンゾニトリル、テ
トラフルオロベンゾニトリルなどのベンゾニトリル化合
物類、α−シアノピリジン、β−シアノピリジン、γ−
シアノピリジンなどのシアノピリジンなどが挙げられ
る。
【0019】また、本発明の輸送方法では、融解状態の
ものを少なくとも一部含む上記芳香族ニトリル化合物を
輸送することをその要件とするものであるが、輸送中に
該芳香族ニトリル化合物がその融点よりも過度に高くな
ると、該芳香族ニトリル化合物が多量化することから、
通常、芳香族ニトリル化合物の融解状態での上限温度
は、該芳香族ニトリル化合物の融点よりも80℃高い温
度、好ましくは芳香族ニトリル化合物を融点よりも50
℃高い温度とすることが望ましいことから、必要に応じ
て上記加熱機構を設けるなどして調節することが好まし
いと言える。
【0020】また、本発明の輸送方法では、上記芳香族
ニトリル化合物が融解状態で自己縮合体の生成を抑制す
る観点から、上記2軸ニーダー型連続混練輸送装置を用
いることを必須構成要件としており、これにより先述の
ごとく、その輸送時間、特に融解状態での滞留時間を短
くできるとする作用効果が得られるものであるが、具体
的には、当該装置を用い芳香族ニトリル化合物の融解状
態での滞留時間が、120分以下、好ましくは60分以
下、より好ましくは30分以下で輸送が完了するように
調整・制御することが望ましい。滞留時間が120分を
越えてくると、輸送装置内での沈着や配管内での閉塞な
どが次第に発生し始め、その後の時間経過とともに進行
するためである。
【0021】さらに、本発明の輸送方法では、水分を芳
香族ニトリル化合物に対して2000ppm以下、好ま
しくは1200ppm以下、特に好ましくは500pp
m以下にすることが望ましい。2000ppmを越える
場合には、水分含有量に応じて自己縮合体の生成量も増
加するため上記滞留時間と同様な種々の問題が生じる。
【0022】次に、本発明の輸送方法では、上記芳香族
ニトリル化合物を輸送するのに、必要に応じ加熱機構を
具備してなる上記2軸ニーダー型連続混練輸送装置に続
いて、さらに定量供給機構を具備してなる熱流体輸送装
置を設けてもよい。上記熱流体輸送装置は、輸送先の系
内(原料容器、捕集容器、搬送容器、貯蔵容器、反応容
器など)が一定の高圧状態にあり、2軸ニーダー型連続
混練輸送装置だけでは当該装置の出口側に加わる圧力
(背圧)に抗して一定量を安定的に輸送することが困難
な場合などに好適に適用できる。したがって、上記熱流
体輸送装置としては、例えば、ケーシング内部でほとん
ど間隙のないように作られた歯車、仕切板、ねじ等を回
転し、液体をその空隙に閉じ込めて押し動かして輸送す
るもので、流動が一様で定量化でき、高圧(背圧)を要
する場合や輸送する芳香族ニトリル化合物の輸送粘度
(固体状態〜融解状態の粘度)が高い場合に適するとこ
ろの歯車(ギア)ポンプ、仕切板(ベーン)ポンプ、ね
じ(スクリュー)ポンプ、ウエスコポンプ等の回転(ロ
ータリ)ポンプ、ダイヤフラムポンプ等を利用すること
ができる。さらに、本発明の輸送方法では、2軸ニーダ
ー型連続混練輸送装置と輸送先との間の経路(配管等)
に熱流体輸送装置以外にも輸送先の系内で生じる圧力に
影響されないように逆止弁あるいは背圧弁を設けても構
わない。
【0023】また、本発明では、2軸ニーダー型連続混
練輸送装置と熱流体輸送装置との間に、クッションタン
クを設けてもよい。クッションタンクを設けることによ
って安定的に定量供給輸送できる。
【0024】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明の輸送方法を
さらに具体的に説明する。
【0025】実施例1 下部に、融解した原料フタロニトリルを貯蔵する小型ポ
ット(内容量約1リットル)、さらにダイヤフラムポン
プ(株式会社桜製作所製 CDQJ103−1)が設置
された輸送・融解手段としてのKRCニーダー(株式会
社栗本鐵工所製S−4KRC)に原料供給手段として定
量フィーダー(クマエンジニアリング製 アキュレー
タ)から連続的にオルソフタロニトリル粉体を供給し、
ニーダー中を輸送させながら160℃でオルソフタロニ
トリルを融解させた。
【0026】つぎに、融解させたオルソフタロニトリル
は、小型ポット(内容量約1リットル)に一旦貯蔵さ
れ、さらに輸送手段としてのダイヤフラムポンプを用い
て連続的に1.68kg/時で蒸発器上部に供給した。
蒸発器上部には、逆流防止のために逆止弁(ニュプロ社
製 SS−CHF4RT、クラッキング圧力 1ps
i)を取り付けた。また、蒸発器の下部から窒素ガスを
10.5kg/時で連続的に供給しながら、温度210
〜260℃にてオルソフタロニトリルおよび窒素の混合
物を蒸発させた。なお、融解状態でのオルソフタロニト
リルの滞留時間は、約30分であった。また、融解状態
のオルソフタロニトリル中の水分を測定した結果、10
00ppmであった。蒸発したオルソフタロニトリル蒸
気および窒素ガスの混合物中に塩素ガス6.02kg/
時を連続的に供給し、混合機で混合させた。なお、塩素
対オルソフタロニトリルのモル比を6.47とした。
【0027】これらのガス混合物を37.8リットルの
活性炭(クラレケミカル製 クラレコール4GS)が充
填された反応管に導入し、反応温度265〜275℃で
84時間連続して反応させ、ついで塩素化生成物を25
0℃から50℃に段階的に冷却させ結晶粉末状にして捕
集した。その結果、収率98.9モル%(対供給オルソ
フタロニトリル)、純度99.5%のテトラクロロオル
ソフタロニトリルが得られた。
【0028】なお、運転中のラインの閉塞等によるトラ
ブルは全くなく、順調に運転することができた。このよ
うに順調に運転することができたのは、輸送機、蒸発器
およびガス混合機中のオルソフタロニトリルの自己縮合
体のトータルの生成量を測定したところ、供給オルソフ
タロニトリルに対して平均0.4モル%と少量しか生成
してないことからも裏付けられた。
【0029】実施例2 実施例1において反応させて得られた塩素化生成物を2
70〜290℃に冷却して融解状態で捕集した以外は実
施例1と同様にしてテトラクロロフタロニトリルを得
た。ついで、一器の捕集器が満杯になり次第もう一方の
からの捕集器に切り替えた。一方満杯になった塩素ガス
の充満している捕集器は、窒素ガスで充分置換した。そ
の後、融解したテトラクロロフタロニトリルを、ギアポ
ンプ(中央理化株式会社製 182−GR11)が設置
されたKRCニーダー(株式会社栗本鐵工所製 S−4
KRC)を用いて輸送し貯蔵室に供給した。貯蔵室では
融解状態の塩素化生成物を250℃から50℃に段階的
に冷却してテトラクロロフタロニトリルを粉末状にし
た。この際にも運転中のラインの閉塞等によるトラブル
は全くなく、順調に運転することができた。
【0030】実施例3 実施例1において反応させて得られた塩素化生成物を2
70〜290℃に冷却して融解状態で捕集した以外は実
施例1と同様にしてテトラクロロフタロニトリルを得
た。ついで、一器の捕集器が満杯になり次第もう一方の
からの捕集器に切り替えた。一方満杯になった塩素ガス
の充満している捕集器は、窒素ガスで充分置換した。そ
の後、融解したテトラクロロフタロニトリルを、ギアポ
ンプ(中央理化株式会社製 182−GR11)が設置
されたKRCニーダー(株式会社栗本鐵工所製 S−4
KRC)を用いて輸送を行い、次工程のハロゲン交換反
応用の、ベンゾニトリル200gおよび微細粒子状の乾
燥フッ化カリウム78.7gが仕込まれている500c
cのステンレス容器のオートクレーブにテトラクロロフ
タロニトリル80.0gを供給した。この際にも運転中
のラインの閉塞等によるトラブルは全くなく、順調に運
転することができた。なお、該オートクレーブ容器はあ
らかじめ窒素ガスで充分置換しておいた。その後、反応
容器中を260℃で8時間加熱撹拌してハロゲン交換反
応によりテトラフルオロフタロニトリルを得ることがで
きた。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明の輸送方法では、
常温で固体状の芳香族ニトリル化合物の輸送方法におい
て、2軸ニーダー型連続混練輸送装置を用いて、融解状
態のものを少なくとも一部含む芳香族ニトリル化合物を
輸送することにより、融解状態での芳香族ニトリル化合
物を極めて効率よく輸送できるため、自己縮合体の経時
的な発生・増加を抑制でき、これにより自己縮合体によ
る輸送容器への沈着や配管の閉塞を引き起こすなど輸送
上の問題を一挙に解決できるものである。従って、芳香
族ニトリル化合物の移送作業のほか、反応生成物を取り
出す際の輸送や融解状態での反応資材の次工程への移送
などに幅広く利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−59870(JP,A) 特開 昭59−21658(JP,A) 特開 昭49−72234(JP,A) 特開 昭60−69060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 255/51 C07C 253/30 - 253/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固体状の芳香族ニトリル化合物の
    輸送方法において、 2軸ニーダー型連続混練輸送装置を用いて、融解状態の
    ものを少なくとも一部含む該芳香族ニトリル化合物を輸
    送することを特徴とする芳香族ニトリル化合物の輸送方
    法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族ニトリル化合物を輸送するの
    に、前記2軸ニーダー型連続混練輸送装置に続いて、さ
    らに定量供給機構を具備してなる熱流体輸送装置を用い
    て行うことを特徴とする請求項1に記載の芳香族ニトリ
    ル化合物の輸送方法。
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