JP4187924B2 - ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造するための方法および装置 - Google Patents

ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造するための方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、触媒による反応によってジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造するための方法ならびに装置に関する。
【0002】
ホスゲンは、特に、ジイソシアネートおよびポリカーボネートの製造に重要な出発化合物として工業規模で使用されている。一方ではホスゲンの高い毒性のため、また他方では輸送、貯蔵および使用に関して法による安全性規制が非常に制限されているため、ホスゲン代替物が必要とされている。この要望は、標準的な状態では液体であるジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)および結晶性トリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)によって満たされる〔H. Eckert, B. Forster, Angew. Chem., 99 (1987) 922-23; Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 26 (1987) 894-95; F. Bracher, T. Litz, J. Prakt. Chem., 337 (1995) 516-18; L. Cotarca, P. Delogu, A. Nardelli, V. Sunjic, Synthesis, (1996) 553-76〕。
【0003】
実際に、従来そうであったように、ガス状ホスゲンを化学的な製造法に使用することが有利であることが分かっている。この理由は、一つには、既知の方法が既存のプラントで実施し得ることであり、また別には、反応後に過剰のホスゲンを除去する作業頻度が高いという事実である。しかしながら、後者の場合の過剰ホスゲンの分離は、揮発性に劣るホスゲン代替物では困難な場合が多いことが判明しているが、一方、ガス状ホスゲンであれば容易に除去することができる〔J. S. Nowickら, J. Org. Chem., 61 (1996) 3929〕。しかしながら、上記の法による安全性規制のため、ホスゲンそれ自体はもはや市販されていない。従って、反応に使用する直前に、安定な前駆物質(例えば、置換ジホスゲンおよび特にトリホスゲン)から調節かつ制御可能な反応を介してホスゲンを生成させる、純粋なホスゲンの無害な製造方法が求められている。
【0004】
反応触媒に対するジホスゲンおよびトリホスゲンのこのような反応は既に知られているが、重大な欠点が既知の反応触媒では存在する。従って、トリホスゲンは、下記の式に従い、強いルイス酸特性を有する金属塩(例えば、塩化アルミニウムまたは塩化鉄)によって化学量論的に反応し、ホスゲン、二酸化炭素および四塩化炭素を生成する〔L. Cotarca, Synthesis, (1996) 556〕。
【0005】
【化1】
Figure 0004187924
【0006】
この場合、ホスゲンの収率は理論上可能な値の1/3にすぎない。更に、得られる副生物がホスゲンのその後の反応を妨害することがあり、その変換反応は大部分が制御できずに進行してしまう。他方で、トリホスゲンはチタノセンジクロリド(titanocene dichloride)およびジルコノセンジクロリド(zirconocene dichloride)等の弱いルイス酸に対しは全く安定である。
【0007】
また、トリホスゲンは活性炭でもホスゲンへ変換させることができる。この場合の反応はほぼ定量的であるが、反応は制御できず、しかも爆発様の反応を生じる。
【0008】
また、ジホスゲンおよびトリホスゲンはピリジン等のルイス塩基でもホスゲンへ変換されるが、この場合には、極めて速い変換反応であって同様に制御不可能である。
【0009】
ジホスゲンおよびトリホスゲンをホスゲンへ変換させるための既知の方法の上記欠点を伴うこの背景に鑑みて、本発明の課題は、ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからのホスゲンの制御可能かつ実質的に定量的な製造方法を提供することである。
【0010】
驚くことに、失活自由電子対を有する1個以上の窒素原子を有する1種以上の化合物を含む触媒でジホスゲンおよび/またはトリホスゲンをホスゲンへ変換させることにより、この課題が解決できることが見出された。トリホスゲンは上記形態(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)で使用し得るだけでなく、下記の式の環状形態でも使用し得る。
【0011】
【化2】
Figure 0004187924
【0012】
好ましい実施形態では、窒素原子の自由電子対の失活はメソメリズムおよび/または窒素原子の近傍の1つ以上の電子吸引基および/または空間充填基により起こる。「近傍の」という用語は、失活自由電子対を有する窒素原子に対し「α位、β位またはγ位」を特に意味し、特に「α位」であることが好ましい。
【0013】
失活自由電子対を有する窒素原子を有する化合物の好ましい例は、失活イミン官能基および/または失活アミン官能基を有する化合物である。
【0014】
好ましい実施形態では、これらの化合物は、ポリアクリル酸またはポリスチレン等のポリマーに結合させて固定化する。失活イミン官能基および/またはアミン官能基を有する固定化化合物は、必要に応じてスペーサー分子(所謂「スペーサー」)を介してポリマー鎖に結合する。このようなスペーサーの例は、アルコキシ基、例えば、トリエチレングリコール基、テトラエチレングリコール基およびポリエチレングリコール基である。
【0015】
失活イミン官能基を有する化合物は、例えば、高級芳香族系または高級ヘテロ芳香族系であるだけでなく、窒素原子の近傍にアルキル基を有する化合物である。本発明の方法に使用し得る失活イミン官能基を有する好ましい化合物は、ポリ-(2-ビニルピリジン)、フェナントリジン、並びにフタロシアニン(H2Pc)および金属フタロシアニン(MePc)である。これらのフタロシアニンの骨格構造を以下に示す。
【0016】
【化3】
Figure 0004187924
【0017】
第4周期〜第6周期の亜族金属だけでなく主族2〜5の第3周期〜第6周期の金属が金属フタロシアニンの金属原子として好ましく、特に第4周期の亜族金属(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn)が好ましい。
【0018】
金属フタロシアニンの金属原子(特に亜族金属の場合)は、クロロまたはオキソ等の1つ以上の付加的なリガンドで錯生成されてもよい。フタロシアニンおよび/または金属フタロシアニンはいずれの結晶改質にも使用できる。金属フタロシアニンのこのような結晶改質の例はα-CuPcおよびβ-CuPcである。
【0019】
失活イミン官能基を有する上記の好ましい化合物は、必要により炭素骨格が置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、カルボキシアミド(carboxamido)基ならびに複素環式基が挙げられる。
【0020】
好ましい実施形態では、フタロシアニンまたは金属フタロシアニンは、ベンゾ基上で互いに独立に一置換または多置換されていてもよく、これらの置換基は上記置換基ならびに更に別のフタロシアニンおよび縮合環式化合物または複素環式化合物(これらの化合物自体、必要により置換されていてもよい)から選ばれることが好ましい。
【0021】
失活アミン官能基を有する化合物は失活三級アミン化合物から選ばれるのが好ましい。失活は、好ましい様式では、アミン化合物をポリマーに結合させて固定化することによって起こり、この場合、三級アルキルアミンが特に好ましく、またアルキル基は同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基および高級線状アルキル基もしくは高級分岐アルキル基から選ばれる。本発明の失活三級アミン官能基を有する触媒の例は、N,N-ジメチルアミノメチルポリスチレンである。
【0022】
ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンを変換させるための触媒は、ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンの量に対して0.01〜10モル%、特に好ましくは0.1〜2モル%の濃度で使用するのが好ましい。触媒が失活自由電子対を有する窒素原子を有する化合物の結合によりポリマーに固定化された触媒である場合、その濃度は、ポリマー鎖に結合された失活自由電子対を有する化合物の物質量(モル)に基づいて計算する。
【0023】
本発明の方法の好ましい実施形態では、液状のジホスゲンおよび/またはトリホスゲンを用いて方法を行う。反応温度は好ましくは80〜150℃、更に好ましくは90〜130℃、最も好ましくは100〜125℃である。
【0024】
本発明の方法は溶媒を使用せずに行うことができるが、ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンの反応に不活性溶媒を使用することも可能である。
【0025】
また、本発明は、反応物質としてのジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造する装置を提供する。該装置は、ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンの貯蔵容器と、該貯蔵容器に連結され、かつ触媒を含む、ホスゲン出口を備えた反応室とを含んでなるものである。
【0026】
好ましい実施形態では、反応室は、必要により電気的に制御可能な加熱ユニットを備えている。この加熱ユニットは、貯蔵容器から反応室へ輸送された反応物質を必要により融解し、かつ/または高温で変換反応を促進するために使用することができる。
【0027】
反応室への排出を行うロート型のリターンフロー装置を反応室に備えるのが好ましい。この様式では、蒸発または輸送されたジホスゲンおよび/またはトリホスゲンを反応室中で凝縮させ、反応系に戻すことができる。好ましい実施形態では、リターンフロー装置は、装置の外部に取り付けられた熱交換器を備えた還流冷却器、または勾配付きのじゃま板からなる。じゃま板は、被覆を施した金属板からなることが好ましい。被覆は、適切な不活性プラスチック(例えば、ポリテトラフルオロエチレンもしくはパーフルオロアルコキシポリマーまたはガラス)からなっていてもよい。金属のじゃま板は、高い熱伝導率を有し、その結果、熱平衡を反応室中で容易に達成することができる。
【0028】
トリホスゲンの反応室への送出を簡略化するために、貯蔵容器をタブレット形状のトリホスゲンの取込みに好適な実施形態で配置する。これについては、貯蔵容器の装填は必要により、例えば、ガラスまたはPTFEもしくはPFA等のプラスチックからなる管形状のタブレット・マガジンで行うことができる。この様式では、トリホスゲンとの接触の危険がなく、簡単に装填を行うことができる。
【0029】
図1および2は、本発明の装置の好ましい実施形態を示す。本発明の装置はプラスチック(PTFE、PFA)もしくはガラス製のインサートまたは被覆(19)を備えた適切な不活性プラスチック(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはパーフルオロアルコキシポリマー(PFA))または金属の包囲型ハウジング(17)からなる。ジホスゲンおよび/またはトリホスゲン(4)用の貯蔵容器(1)は、上部に締結し得る開閉カバー(21)または密閉スクリュー(23)を含み、かつ、反応物質用の反応室(5)へ通じる開閉式通路開口部(25)を備えた投入装置を含む。通路開口部(25)のクロージャー(27)はフラップ、カバーまたはスライディングシャッターであってよい。反応中にガスが発生するため、圧力ロックを通路開口部として使用することもできる。これにより、例えば、貯蔵容器から反応室への反応物質の輸送中に、通路開口部の開いた貯蔵容器へホスゲンが侵入することなく、貯蔵容器に対して反応室中の圧力を高くすることができる。
【0030】
投入装置は、単純な開口部(29)(特にタブレット形状のトリホスゲン(2)を使用する場合)であってもよく、またスクリュードライブ等のモーター駆動ドライブ(31)であってもよい。
【0031】
貯蔵容器中の水分を回避するためには、好適な乾燥物質(例えば、シリカゲル)を含む脱水ユニット(33)を、貯蔵容器(1)中の反応物質のガス体積と平衡になるように装置に設置する。
【0032】
触媒(3)は、反応室(5)中において非晶質形態または結晶形態であり、反応室の壁に適用するか、または担体により固定化する。
【0033】
反応室は反応混合物を加熱するための加熱ユニット(9)を備えている。安全弁(35)は、ガス管を介して排気口と連結しており、反応室中の反応混合物の直接上方に設置する。リターンフロー装置は、じゃま板(15)の形状または熱交換器(13)を備えた生成ホスゲン用の還流冷却器(11)の形状とする。ガス排出弁(7)は反応室(5)の上端に見られる。反応室は、ガス(例えば、不活性ガスまたは乾燥空気)で反応完了後に浄化し、この場合、ガス交換は、安全弁(35)およびガス排出弁(7)で行う。
【0034】
図3および4は、反応物質を反応室に輸送する投入装置の特定の実施形態を図示する。図3では、貯蔵容器(1)から反応室(4)へのタブレット型反応物質(2)の送出は、「リボルバー原理」に従って、タブレットの取込みのための少なくとも1つの通路開口部(25)、好ましくは2つ以上の開口部を有する回転ディスク(37)を用いて行う。ディスク(37)を回転させて、タブレットを加熱ユニット(9)の上の反応室(5)へ輸送する。これについては、ディスク(37)は同時に圧力ロックとして機能する。平面図として図4に示す実施形態では、タブレット形状の反応物質(2)を充填した幾つかの開口部(41)を有するディスク(39)が、加熱ユニット(9)上でタブレットの輸送用に予め配合された貯蔵容器として機能する。貯蔵容器は、例えばタブレット用の通例のブリスターパッケージングの形状であってもよい。
【0035】
プラスチック、例えば、PTFEもしくはPFA、またはガラスがディスク(37)および(39)に好ましい材料である。
【0036】
ホスゲンの自動製造を制御するために、貯蔵容器からの反応物質の送出、反応室中の温度、還流冷却器および熱交換器からのリターンフロー装置ならびに弁によるガス排出を表示かつ調節する電気制御装置を使用することができる。
【0037】
下記の実施例1〜21によって本発明を更に詳しく説明する。
実施例で使用する本発明の触媒ならびに反応条件および結果を、表1〜3に要約する。
【0038】
反応は、乾燥管を終端に備えた冷却トラップに連結させた還流冷却器を有する2口フラスコ中で行う。反応温度は、反応フラスコの第2の口中の温度計により測定する。反応フラスコの加熱は、温度計を備えた油浴により行う。体積流量の測定では、冷却トラップを、封液として氷水/氷を含むガスビュレットと交換する。
【0039】
ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンを反応フラスコに入れ、100℃の浴温度で加熱する。全反応物質が融解したら(トリホスゲンの場合、80〜85℃)、温度計を備えた口より触媒を一度に全部添加し、フラスコを密閉する。約30秒〜1分後に均一にホスゲンが発生し、これは反応の終了まで絶えず続くものである。浴温度を所望の値に調整し、反応中に昇華したトリホスゲンを、ホスゲン流によって輸送される中間生成ジホスゲン(液体)によって底部に戻す。触媒が乾燥状態を維持している間に反応を終了する。冷却トラップ中に凝縮されたホスゲンを計量して収率を測定する。
【0040】
実験を1回または数回繰り返す場合、使用済みの触媒を含む反応フラスコへトリホスゲンを添加し、この混合物を100℃に予熱した油浴中で加熱し、上述の通りに工程を続ける。
【0041】
表1には、触媒の濃度ならびに浴温度および/または反応温度の関数として、金属フタロシアニンによるトリホスゲンからのホスゲンの発生を示す。実施例3の場合、使用済みの触媒へトリホスゲン100gをさらに添加しても同様の結果が得られ、このことは、触媒が長期にわたって反応中に安定であることを示している。下記の固定化ポリアクリル酸−テトラエチレングリコール−コバルトフタロシアニン(PAS-TEG-PcCO)も、低濃度であってもトリホスゲンの変換反応を触媒する(実施例6aを参照のこと)。クロロアルミニウムフタロシアニンによるトリホスゲンの反応により発生したホスゲンの体積流量を例として、反応温度および触媒量を調節することで本発明の方法を制御し得ることを表2に示す。
【0042】
【化4】
Figure 0004187924
【0043】
表3には、触媒濃度の関数として、イミン官能基およびアミン官能基を有する更に別の触媒によるトリホスゲンからのホスゲンの発生を示す。これらの場合でも、同様にホスゲンの収率はほぼ100%となる。実施例17の触媒へトリホスゲン10gをさらに2回添加しても同様の収率結果が得られ、これによって触媒の安定性が証明される。実施例15、16、16aならびに20および21には固定化触媒を示す。実施例20および21では、失活自由電子対を有するアミン官能基を含む化合物を触媒として使用する。
【0044】
クロロアルミニウムフタロシアニンによるジホスゲンのホスゲンへの変換(実施例19)は50℃で既に起こり、出発物質としてトリホスゲンを使用するよりも約4倍速い。ジホスゲンは、トリホスゲンがホスゲンへ変換される際に生成するため、その結果、トリホスゲンのジホスゲンへの分解が律速段階となる。
【0045】
【化5】
Figure 0004187924
【0046】
これはまた、エネルギーの供給を止める(冷却する)と、トリホスゲン、ジホスゲンおよび本発明の触媒の多くを含む触媒からなる反応混合物からトリホスゲンが結晶化し、一方、無害に貯蔵し得るトリホスゲンと触媒の完全に乾燥した残渣が残らない限りは、ジホスゲンが更に分解されるという事実の結果としても起こる。
【0047】
ホスゲンの発生は、トリホスゲンおよび触媒からなる反応混合物を再加熱することで再開かつ続行し得る。この方法は数回反復でき、そのため、安全かつ制御可能なホスゲン発生装置が提供される。触媒の反復安定性は、使用済み触媒による上記実験3および17により実証されている。
【0048】
触媒活性は、金属原子を選択することによって金属フタロシアニンに付与することができ、一方、反応の一層正確な速度は、温度および必要に応じて触媒濃度にわたって実現することができる。
【0049】
上記利点、特に反応の制御可能性は別として、本発明の方法の更なる利点は実施例の実施から明らかである。トリホスゲンの融解物へ触媒を添加した後に0.5〜1分の潜伏期間が続くが、その間にホスゲンが飛散せず、そのため局所的に過度の圧力が生じることがない。従って、反応容器は特別な密閉メカニズムを必要とせず、反応前に開放することが可能であり、触媒を融解物に添加して容器を再び密封することができる。更に、ホスゲンの発生が一定の様式で反応の全期間にわたって生じるため、ホスゲンの生成速度は初期または終期で急激に変化することはない。
【0050】
また、反応は高い反応温度でほぼ化学量論的に起こるため、副生物が生じない。更に、本発明の方法は、冷却ヘッドで沈殿したジホスゲンが(再度昇華したトリホスゲンと一緒に)反応混合物へ戻り、その温度を低下させる場合には、自己制御反応として行うことができる。従って、実施例3a、7aおよび16aからは反応の温度プロフィールが得られる。135℃の浴温度までは、反応温度は全ての3つの反応において浴温度よりも約10℃下にある。135℃を超えて約180℃までの浴温度では、更に速い反応(実施例3aおよび16a)での反応温度は、ジホスゲンが一層速く戻るため約125℃のままである。遅い反応(実施例7a)では、反応温度は145℃で一定値となる。
【0051】
従って、本発明は、調節かつ制御し得る様式でホスゲンを安全かつ便利な代替物質(前駆物質)から製造し得る方法、ならびに上記代替物質からホスゲンを迅速かつ簡単に製造するための装置を提供する。
【0052】
【表1】
Figure 0004187924
【0053】
【表2】
Figure 0004187924
【0054】
【表3】
Figure 0004187924

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の好ましい実施形態を示す。
【図2】 本発明の装置の好ましい実施形態を示す。
【図3】 反応物質を反応室に輸送する投入装置の特定の実施形態を図示する。
【図4】 反応物質を反応室に輸送する投入装置の特定の実施形態を図示する。

Claims (15)

  1. 触媒による反応によってジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造する方法であって、該触媒が失活自由電子対を有する1つ以上の窒素原子を有する1種以上の化合物を含んでなること、ならびに、ジホスゲンおよび/またはトリホスゲン用の貯蔵容器 (1) と、該貯蔵容器 (1) に連結され、かつ該触媒 (3) を含む、ホスゲン出口 (7) を備えた反応室 (5) とを含んでなる装置によってホスゲンを製造することを特徴とする前記方法。
  2. 前記自由電子対がメソメリズムおよび/または窒素原子近傍の1つ以上の電子吸引基および/または空間充填基により失活していることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 失活自由電子対を有する窒素原子を有する前記化合物が、失活イミン官能基および/または失活アミン官能基を有する化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 失活イミン官能基および/または失活アミン官能基を有する前記化合物が、ポリマーに結合することによって固定化されることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 失活イミン官能基を有する前記化合物が、ポリ(2-ビニルピリジン)、フェナントリジン、フタロシアニンおよび金属フタロシアニンから選ばれることを特徴とする、請求項3または4記載の方法。
  6. 前記フタロシアニンまたは金属フタロシアニンが、ベンゾ基上で1回または数回置換されていることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. フタロシアニンまたは金属フタロシアニンの前記ベンゾ基の置換基が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、フタロシアニンおよび任意に置換されていてもよい縮合環式基または複素環式基から選ばれることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 失活アミン官能基を有する前記化合物が、失活三級アミン化合物であることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  9. タブレット形状のトリホスゲンを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. ジホスゲンおよび/またはトリホスゲン用の貯蔵容器(1)と、該貯蔵容器(1)に連結され、かつ触媒(3)を含む、ホスゲン出口(7)を備えた反応室(5)とを含んでなる、ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造するための装置。
  11. 前記反応室(5)が、任意に電気的に調節し得る加熱ユニット(9)を備えている、請求項10記載の装置。
  12. 前記反応室(5)が、反応室への排出を行うリターンフロー装置を備えている、請求項10または11記載の装置。
  13. 前記リターンフロー装置が、装置の外部に取り付けられた熱交換器(13)を有する還流冷却器(11)、または勾配付きのじゃま板(15)である、請求項12記載の装置。
  14. 前記じゃま板(15)が被覆を施した金属からなる、請求項13記載の装置。
  15. 前記貯蔵容器(1)が、タブレット形状のトリホスゲンの取込みに適した形状である、請求項1014のいずれか一項に記載の装置。
JP2000511716A 1997-09-15 1998-09-08 ジホスゲンおよび/またはトリホスゲンからホスゲンを製造するための方法および装置 Expired - Fee Related JP4187924B2 (ja)

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