JP3226379B2 - ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法

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JP3226379B2 JP13622693A JP13622693A JP3226379B2 JP 3226379 B2 JP3226379 B2 JP 3226379B2 JP 13622693 A JP13622693 A JP 13622693A JP 13622693 A JP13622693 A JP 13622693A JP 3226379 B2 JP3226379 B2 JP 3226379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオルガノシロキサ
ン及びその製造法に関し、詳しくは、ゾルゲルプロセス
に於いて、ディッピング法によるプラスチックス、ガラ
ス、セラッミクスおよび金属等の表面のコーティング、
スピニング法による繊維の調製、ガラスの調製等の原料
として有用なポリオルガノシロキサンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ゾルゲルプロセスによりコーティ
ングや繊維の調製を行う場合は、テトラアルコキシシラ
ンやトリアルコキシシランを用い、反応条件をコントロ
ールしながら加水分解重縮合して目的の組成物を得てい
た。この様な例として特開昭61−267590号公報
には、加水分解に用いる水分量を厳密に制御してテトラ
アルコキシシランやトリアルコキシシランを部分加水分
解し、非ゲル状組成物を得る方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によれば、通常、調製した組成物は、徐々に加
水分解重縮合が進行するため、得られた組成物がコーテ
ィングや紡糸に適した粘度を有するのはごく限られた時
間であり、最終的には固化してしまう。そこで、コーテ
ィングや紡糸に適した粘度を有する時間をできるだけ長
くするため、従来は、非常に厳密な温度管理を行った
り、水溶性高分子等の反応制御剤を添加することが必要
であった。
【0004】ところが、このようにして得られる組成物
は保存安定性が悪く、長時間経過後はコーティングや紡
糸が困難となる、反応制御剤を後処理で除去しにくい等
の問題点を残していた。
【0005】本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたも
のであって、一定の粘度を恒久的に保ち、ディッピング
法によりコーティング、あるいはスピニング法により紡
糸を行った後、更に末端のアルコキシ基を重縮合させる
ことにより、優れた表面コーティングや繊維を与えるこ
とができ、且つ保存安定性に優れたポリオルガノシロキ
サンを得る方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭素ー珪素結合
で珪素原子に結合した有機基を有するトリアルコキシシ
ランを制御された反応条件下で加水分解重縮合した後、
反応生成物を単離することにより、目的とするポリオル
ガノシロキサンが得られることを見出し、これに基づき
本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、化6で表される構造単
位と化7で表される構造単位を4〜20個結合してなる
重合体であって、その末端にアルコキシ基及び有機基
有するポリオルガノシロキサン、
【0008】
【化6】 R’Si(OR)21/2 − ・・・(1) R’はフェニルアミノ置換基を内部に含む、アルキル
基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、シ
クロアルケニル基、アリルアルキル基、複素環基から選
択される有機基を、Rはアルキル基を表す。
【0009】
【化7】 R’Si(OR)(O1/2−)O1/2− ・・・(2) R’はフェニルアミノ置換基を内部に含む、アルキル
基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、シ
クロアルケニル基、アリルアルキル基、複素環基から選
択される有機基を、Rはアルキル基を表す。
【0010】及び、化8で表される構造単位と化9で表
される構造単位と化10で表される構造単位が4〜20
個結合してなる重合体であって、その末端にアルコキシ
基及び有機基を有するポリオルガノシロキサンである。
【0011】
【化8】 R’Si(OR)21/2 − ・・・(1)’ R’はフェニルアミノ基、エーテル基、アミド基、エス
テル基、スルフィド基 、スルフォン基、ウレタン基、水
酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキ
シ基、カルボニル基、シアノ基から選択される置換基を
内部に含んでいても良い、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
アリルアルキル基、複素環基から選択される有機基を表
し、Rはアルキル基を表す。
【0012】
【化9】 R’Si(OR)(O1/2−)O1/2− ・・・(2)’ R’はフェニルアミノ基、エーテル基、アミド基、エス
テル基、スルフィド基、スルフォン基、ウレタン基、水
酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキ
シ基、カルボニル基、シアノ基から選択される置換基を
内部に含んでいても良い、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
アリルアルキル基、複素環基から選択される有機基を表
し、Rはアルキル基を表す。
【0013】
【化10】 −O1/2(−O1/2)Si(R’)O1/2− ・・・(3) R’はフェニルアミノ基、エーテル基、アミド基、エス
テル基、スルフィド基、スルフォン基、ウレタン基、水
酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキ
シ基、カルボニル基、シアノ基から選択される置換基を
内部に含んでいても良い、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
アリルアルキル基、複素環基から選択される有機基を表
す。
【0014】また本発明は、上記ポリオルガノシロキサ
ンの製造法として、フェニルアミノ置換基を内部に含む
有機基を有するトリアルコキシシランを、そのアルコキ
シ基を完全に加水分解するのに必要な理論量以下の量の
水を含む水性溶媒中で加水分解重縮合することを特徴と
する方法、及び、非置換の有機基もしくはフェニルアミ
ノ基以外の置換基で置換された有機基を有するトリアル
コキシシランを、そのアルコキシ基を完全に加水分解す
るのに必要な理論量以下の量の水を含む水性溶媒中で、
前記トリアルコキシシランに対し10モル%以下の量の
アミノアルコキシシランもしくは4,5ジヒドロイミダ
ゾールアルコキシシランの存在下で加水分解重縮合する
ことを特徴とする方法を提供する。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0015】 <1>本発明のポリオルガノシロキサン 本発明のポリオルガノシロキサンは、直線状または分岐
を持った分子構造を基本骨格として有し、その末端にア
ルコキシ基及び有機基を有する。この末端にアルコキシ
基及び有機基を有するポリオルガノシロキサン(以下、
単に「ポリオルガノシロキサン」という)は、上記
(1)式で表される構造単位(以下「構造単位(1)」
という。)と、(2)式で表される構造単位(以下、
「構造単位(2)」という。)を有するか、または上記
(1)’式で表される構造単位(以下「構造単位
(1)’」という。)と、(2)’式で表される構造単
位(以下、「構造単位(2)’」という。)と、(3)
式で表される構造単位(以下、「構造単位(3)」とい
う。)が、合わせて4〜20個結合して形成される。
【0016】上記(1)〜(2)式または(1)’、
(2)’及び(3)式において、R’は炭素−珪素結合
で珪素原子に結合した有機基を表し、アルキル基、アリ
ール基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、アリルアルキル基、複素環基等から選択され
る。これらの基は、フェニルアミノ基、エーテル基、ア
ミド基、エステル基、スルフィド基、スルフォン基、ウ
レタン基、水酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル
基、カルボキシ基、カルボニル基、シアノ基等の置換基
内部に含んでいても良い。一方、Rはアルキル基を表
し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等が挙げられる。尚、上記有機
は、1分子のポリオルガノシロキサン中で、同一のも
のであっても異なる複数の種類のものであっても良く、
アルキル基についても同様である。
【0017】各構造単位(1)または(1)’、(2)
または(2)’、(3)を構造式で表すと、各々化1
1、化12、化13のようになる。ただし、これらの構
造式においてアルキル基に結合していない酸素原子は、
いずれも重合体中で隣接する構造単位と共有される酸素
分子であり、この酸素分子を介して結合するものであ
る。
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】本発明のポリオルガノシロキサンにおいて
は、構造単位(1)または(1)’及び構造単位(2)
または(2)’は必須であり、構造単位(3)は含まれ
ていてもいなくてもよい。構造単位(3)を含まない場
合は基本骨格は直線状になり、含む場合は分岐を有す
る。すなわち構造単位(2)または(2)’は、繰り返
して結合することにより直鎖を形成し、この中に構造単
位(3)が含まれると分岐の起点となる。また、構造単
位(1)または(1)’は直鎖の末端あるいは分岐の末
端を構成する。
【0022】繰り返し単位が6の場合について、構造単
位(1)及び構造単位(2)からなるポリオルガノシロ
キサンの例を化14に、構造単位(1)’、構造単位
(2)’及び構造単位(3)を含む例を化15、化16
に示す。
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】本発明のポリオルガノシロキサンは、上述
したように、各構造単位を繰り返し単位として4〜20
個結合してなる基本骨格の末端にアルコキシ基を有し、
直線状または分岐を持った分子構造を有するものであ
る。
【0027】繰り返し単位が多くなりすぎると固化する
場合がある。また、繰り返し単位が少ないと十分な粘度
が発揮されず、ディップコーティングやスピニングによ
る紡糸に用いたりすることが困難になる。
【0028】 <2>本発明のポリオルガノシロキサンの製造法 本発明のポリオルガノシロキサンは、トリアルコキシシ
ランを水性溶媒中で、場合により塩基の存在下で、その
アルコキシ基を完全に加水分解するのに必要な理論量以
下の量の水を用いて加水分解重縮合を行い、その後、残
存する水性溶媒および水を除去することにより得られ
る。
【0029】以下、本発明のポリオルガノシロキサンの
製造法を、原料に用いるトリアルコキシシランの種類に
分けて詳細に説明する。
【0030】 (1)非置換の有機基もしくはフェニルアミノ基以外の
置換基で置換された有機基を有するトリアルコキシシラ
ンを原料とする場合非置換の有機基もしくはフェニルアミノ基以外の置換基
で置換された有機基 を有するトリアルコキシシランを水
性溶媒中で、そのアルコキシ基を完全に加水分解するの
に必要な理論量以下の量の水を用いて、トリアルコキシ
シランに対し10モル%以下の量のアミノアルコキシシ
ランまたは4,5−ジヒドロイミダゾールアルコキシシ
ランの存在下で加水分解重縮合することにより、本発明
のポリオルガノシロキサンを製造することができる。目
的のポリオルガノシロキサンは、残存する水性溶媒およ
び水を除去することにより得られる。
【0031】加水分解重縮合に用いる水の量は、トリア
ルコキシシランのアルコキシ基を完全に加水分解させる
のに必要な理論量の0.2〜0.5倍量の範囲であるこ
とが好ましい。水の量がこれよりも少ないと反応の進行
が非常に遅く、目的のポリオルガノシロキサンを得るま
でに多大な時間を要する。一方、量が多すぎると反応の
制御が困難になる。
【0032】加水分解重縮合反応は、例えば、還流、撹
拌加熱、あるいは恒温室に静置することなどにより行
う。ただし、上記水性溶媒として多価アルコール類また
は多価アルコール類と他の水性溶媒との混合溶媒を用い
る場合には、加水分解重縮合は静置で行ってもよい。い
ずれの場合でも反応温度は特に限定されないが、15〜
100℃であることが好ましく、40℃〜100℃がさ
らに好ましい。温度がこれより低すぎると目的のポリオ
ルガノシロキサンが生成するまでに多大な時間を要する
し、反応温度が高すぎると、加水分解重縮合反応を制御
するのが困難となり固化するまで反応が進行することが
ある。
【0033】また、溶媒及び水の除去は様々な方法が可
能であるが、具体的には例えば、目的のポリオルガノシ
ロキサンが相分離しない場合は、蒸留、ロータリーエバ
ポレーター等による蒸発除去、凍結乾燥等が挙げられ
る。また、目的のポリオルガノシロキサンが相分離する
場合は、分液ロートにより目的の相を分取した後、無水
硫酸ナトリウムを用いて脱水を行って目的のポリオルガ
ノシロキサンを単離精製することもできる。特に、水性
溶媒として多価アルコール類または多価アルコール類と
他の水性溶媒との混合溶媒を用いる場合には、ポリオル
ガノシロキサンは系から相分離してくるので、分離、脱
水することにより目的物が得られる。
【0034】次に、上記原料等について説明する。上記
有機基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリルア
ルキル基、複素環基等から選択され、これらの基は、
ーテル基、アミド基、エステル基、スルフィド基、スル
フォン基、ウレタン基、水酸基、ビニル基、アクリル
基、メタクリル基、カルボキシ基、カルボニル基、シア
ノ基等の置換基を内部に含んでいても良い。
【0035】この様な有機基を有するトリアルコキシシ
ランとして、具体的には、メチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシ
ラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシトリメトキシシラン、β−(3、4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン等が挙げられる。これらは、1種または2種
以上の混合物として使用してもよい。
【0036】また、アミノアルコキシシランとしては、
具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン等が、4,5−ジヒドロキシイミダゾ−ルア
ルコキシシランとしては具体的には、3−4,5−ジヒ
ドロキシイミダゾ−ルプロピルトリエトキシシラン、3
−4,5−ジヒドロキシイミダゾ−ルプロピルトリメト
キシシラン、3−4,5−ジヒドロキシイミダゾールプ
ロピルメチルジエトキシシラン、2−4,5−ジヒドロ
キシイミダゾールエチルトリエトキシシラン等が挙げら
れ、1種または2種以上の混合物として使用してもよ
い。
【0037】水性溶媒としては、水と混じりあうことが
でき、本発明に用いるアルコキシシラン類を溶解する溶
媒であれば良く、具体的には、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ、メ
チルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミ
ド等が挙げられる。また、これらの混合溶媒を用いても
良い。
【0038】 (2)フェニルアミノ置換基を内部に含む有機基を有す
るトリアルコキシシランを原料とする場合フェニルアミノ置換基を内部に含む有機基を有する トリ
アルコキシシランを原料とする場合は、このトリアルコ
キシシランを水性溶媒中で、場合により塩基の存在下
で、そのアルコキシ基を完全に加水分解するのに必要な
理論量以下の量の水を用いて加水分解重縮合を行う。
【0039】加水分解重縮合に用いる水の量は、トリア
ルコキシシランのアルコキシ基を完全に加水分解させる
のに必要な理論量の0.3倍量から等倍量の範囲である
ことが好ましく、0.3〜0.7倍量の範囲がさらに好
ましい。水の量がこれよりも少ないと反応の進行が非常
に遅く、目的のポリオルガノシロキサンを得るまでに多
大な時間を要する。一方、量が多すぎると反応の制御が
困難になる。
【0040】加水分解重縮合反応は静置で行ってもよ
く、温度は15〜100℃が好ましく、40〜100℃
がより好ましい。通常は、反応により生成するポリオル
ガノシロキサンは系から相分離してくるので、上記と同
様に分離、脱水すれば目的物が得られる。ただし、水溶
性溶媒としてテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキ
シド、ジメチルフォルムアミド等を使用した場合には、
ポリオルガノシロキサンは系から相分離しにくいので、
蒸発除去や凍結乾燥等により溶媒及び水を除去する。
【0041】フェニルアミノ置換基を内部に含む有機基
を有するトリアルコキシシランとしては、具体的には、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等が挙げられ、1種又は2種以上の混合物としても
使用できる。尚、水性溶媒は、上記と同様のものが用い
られる。
【0042】また、塩基としては、水酸化アンモニウ
ム、水酸化ナトリウム、モルフォリン、トリエタノール
アミン等が挙げられる。塩基は、本発明のポリオルガノ
シロキサンの製造に必須ではないが、塩基の存在下で加
水分解重縮合反応を行うと、反応の制御が可能な水の量
の範囲を増やすことができ、また、低い温度でも反応を
進行させることができるので、必要に応じて使用すれば
よい。塩基を使用する場合には、トリアルコキシシラン
に対して2〜15モル%程度の量が適当である。
【0043】
【作用】非置換の有機基もしくはフェニルアミノ基以外
の置換基で置換された有機基を有するトリアルコキシシ
ランを原料とし、アミノアルコキシシラン、4,5ジヒ
ドロイミダゾールアルコキシシランの存在下で、或いは
有機基としてフェニルアミノ置換基を内部に含む有機基
を有するトリアルコキシシランを原料とし、これらのト
リアルコキシシランのアルコキシ基を完全に加水分解す
るのに必要な理論量以下の量の水を用いて加水分解重縮
合することにより、分子量と分子構造をある程度制御し
ながら、末端にアルコキシ基を有するポリオルガノシロ
キサンが得られる。
【0044】このようにして生成されるポリオルガノシ
ロキサンは、末端に水酸基を持たないために、それ以上
の重縮合反応が進行しにくくなる。したがって、種々の
方法で反応系から容易に単離することができる。こうし
て得られたポリオルガノシロキサンは、恒久的にディッ
プコーティング、スピニングによる紡糸等に利用するこ
とができる。
【0045】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0046】
【実施例1】はじめに、フェニルアミノ置換基を内部に
含む有機基としてN−フェニル−γ−アミノプロピル基
を有するトリアルコキシシランを原料に用いたポリオル
ガノシロキサンの製造例を説明する。
【0047】N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン76.6g(0.3モル)をエタノール2
3gに攪拌溶解した。これに水11.3g(0.63モ
ル)をエタノール23gに溶解した溶液を添加し、攪拌
を続けて良く混合した。この溶液を密栓付きの三角フラ
スコにとり40℃の恒温槽に静置した。
【0048】一週間後、溶液は二相に分離した。二相分
離した溶液を分液ロートに移し、下相だけを取り出し
た。これを酢酸エチルに溶解し、無水硫酸ナトリウムを
添加して十分に脱水を行った後、ロータリーエバポレー
ターを用いて酢酸エチルを除去して粘性液体を得た。
【0049】この粘性液体について、1H−NMR、13
C−NMR、29Si−NMR、IR測定による分析、お
よびGPCカラムをとりつけた高速液体クロマトグフィ
ーによる分子量測定を行ったところ、構造単位(1)及
び(2)(ただし、式(1)、(2)において、R’は
N−フェニル−γ−アミノプロピル基、Rはメチル基)
からなり、これらを繰り返し単位として7〜10個を有
するポリオルガノシロキサンであることが確認された。
【0050】
【実施例2】次に、フェニルアミノ基以外の置換基で置
換された有機基としてγ−メタクリロキシプロピル基を
有するトリアルコキシシランを原料に用いたポリオルガ
ノシロキサンの製造例を説明する。
【0051】γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン24.8g(0.1モル)およびγ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン0.5g(3.0×10-3
ル)を、テトラヒドロフラン50gに攪拌溶解した。こ
れに水2.7g(0.15モル)をテトラヒドロフラン
10gに溶解した溶液を添加し、攪拌を続けて良く混合
した。
【0052】この溶液を冷却器付きのフラスコにとり十
分に窒素置換を行った後、攪拌を行いつつ、窒素気流下
で24時間還流した後冷却した。さらにロータリーエバ
ポレーターを用いてテトラヒドロフランを除去して粘性
液体を得た。
【0053】この液体について、1H−NMR、13C−
NMR、29Si−NMR、IR分析、および粘度法によ
る分子量測定を行ったところ、構造単位(1)’
(2)’及び(3)(ただし、式(1)’(2)’及び
(3)において、R’はγ−メタクリロキシプロピル
基、Rはメチル基)を繰り返し単位とし、5〜8個の繰
り返し単位からなるポリオルガノシロキサンであること
が確認された。
【0054】
【実施例3】続いて、フェニルアミノ基以外の置換基で
置換された有機基としてγ−グリシドキシプロピル基を
有するトリアルコキシシランを原料に用いたポリオルガ
ノシロキサンの製造例を説明する。
【0055】γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン47.3g(0.2モル)および3−4,5−ジヒ
ドロキシイミダゾールプロピルトリエトキシシラン1.
6g(6.0×10-3モル)を、イソプロパノール50
gに攪拌溶解した。これに水1.8g(0.1モル)を
イソプロパノール10gに溶解した溶液を添加し、攪拌
を続けて良く混合した。
【0056】この溶液を冷却器付きのフラスコにとり十
分に窒素置換を行った後、攪拌を行いつつ、窒素気流下
で24時間60℃に加温した後冷却した。さらにロータ
リーエバポレーターを用いてイソプロパノールを除去し
て粘性液体を得た。
【0057】この粘性液体について、1H−NMR、13
C−NMR、29Si−NMR、IR分析、および粘度法
による分子量測定を行ったところ、構造単位(1)’
(2)’及び(3)(ただし、式(1)’(2)’及び
(3)において、R’はγ−グリシドキシプロピル基、
Rはメチル基)を繰り返し単位とし、10〜15個の繰
り返し単位からなるポリオルガノシロキサンであること
が確認された。
【0058】
【実施例4】さらに、非置換の有機基としてフェニル基
を有するトリアルコキシシランを原料に用いたポリオル
ガノシロキサンの製造例を説明する。
【0059】フェニルトリエトキシシラン72.1g
(0.3モル)およびN−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン3.3g(0.015モ
ル)を、エタノールとエチレングリコールの重量比3:
7の混合溶媒40gに攪拌溶解した。これに水6.5g
(0.36モル)を前述の混合溶媒5gに溶解した溶液
を添加し、攪拌を続けて良く混合した。
【0060】この溶液を三つ栓付きの三角フラスコにと
り50℃の恒温槽に静置した。一週間後、溶液は二相に
分離した。二相分離した溶液を分液ロートに移し、下相
だけを取り出した。これを酢酸エチルに溶解し、無水硫
酸ナトリウムを添加して十分に脱水を行った後、ロータ
リーエバポレーターにより酢酸エチルを除去して粘性液
体を得た。
【0061】この粘性液体について、1H−NMR、13
C−NMR、29Si−NMR、IR分析、および粘度法
による分子量測定を行ったところ、構造単位(1)’
(2)’及び(3)(ただし、式(1)’(2)’及び
(3)において、R’はフェニル基、Rはエチル基)を
繰り返し単位とし、4〜6個の繰り返し単位からなるポ
リオルガノシロキサンであることが確認された。
【0062】
【実施例5】次に、フェニルアミノ置換基を内部に含む
有機基としてN−フェニル−γ−アミノプルピル基を有
するトリアルコキシシランを原料に用い、塩基の存在下
で加水分解重縮合反応を行ったポリオルガノシロキサン
の製造例を説明する。
【0063】N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン59.5g(0.2モル)をイソプロピル
アルコール30gに攪拌溶解した。これに市販水酸化ア
ンモニウム1.0g(約0.015モル)を含んだ水1
0.8g(0.6モル)をイソプロピルアルコール30
gに溶解した溶液を添加し、攪拌を続けて良く混合し
た。この溶液を密栓付きの三角フラスコにとり、室温
(約20℃)に静置した。
【0064】約4時間後に、溶液は二相に分離した。二
相分離した溶液を分液ロートに移し、下相だけを取り出
した。これを酢酸エチルに溶解し、無水硫酸ナトリウム
を添加して十分に脱水を行った後、ロータリーエバポレ
ーターを用いて酢酸エチルを除去して粘性液体を得た。
【0065】この粘性液体について、1H−NMR、13
C−NMR、29Si−NMR、IR測定による分析、お
よびGPCカラムをとりつけた高速液体クロマトグフィ
ーによる分子量測定を行ったところ、構造単位(1)及
び(2)(ただし、式(1)、(2)において、R’は
N−フェニル−γ−アミノプロピル基、Rはエチル基)
からなり、これらを繰り返し単位として6〜9個を有す
るポリオルガノシロキサンであることが確認された。
【0066】 <本発明のポリオルガノシロキサンの評価> 上記各実施例で得られたポリオルガノシロキサンについ
て、ガラスのコーティグテストを行った。
【0067】実施例1〜のポリオルガノシロキサンを
用いて、以下のようなコーティング溶液を作成した。
【0068】(1)コーティング溶液1 実施例1のポリオルガノシロキサンとテトラヒドロフラ
ンを重量比で8:2で混合したもの (2)コーティング溶液2 実施例2のポリオルガノシロキサンとテトラヒドロフラ
ンを重量比で9:1で混合したもの (3)コーティング溶液3 実施例3のポリオルガノシロキサンのみ (4)コーティング溶液4 実施例4のポリオルガノシロキサンとテトラヒドロフラ
ンを重量比で8:2で混合したもの (5)コーティング溶液5 実施例5のポリオルガノシロキサンとテトラヒドロフラ
ンを重量比で8:2で混合したもの
【0069】上記コーティング溶液1〜5中にスライド
グラスを浸した後、一定速度で引き上げた。これを11
0℃で加熱処理し、アルコキシ基の重縮合と乾燥を行っ
た。その結果、全ての場合に於いて、透明で均一な連続
膜が得られた。
【0070】また、全てのポリオルガノシロキサンを5
℃で保存したが、一年経過後も粘性液体のままであり、
その粘度も変化しなかった。この一年保存後のポリオル
ガノシロキサンを用いて上述と同様のコーティング溶液
を作成し、同様のコーティングテストを行ったところ、
前回と全く同様の結果が得られた。
【0071】
【発明の効果】本発明により、新規なポリオルガノシロ
キサンが得られる。本発明のポリオルガノシロキサン
は、長期保存後でも適度な粘性を有し、ガラスやプラス
ティック等のコーティング、繊維の製造に有用である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で表される構造単位と化2で表され
    る構造単位が4〜20個結合してなる重合体であって、
    その末端にアルコキシ基及び有機基を有するポリオルガ
    ノシロキサン。 【化1】 R’Si(OR)21/2 − R’はフェニルアミノ置換基を内部に含む、アルキル
    基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、シ
    クロアルケニル基、アリルアルキル基、複素環基から選
    択される有機基を、Rはアルキル基を表す。 【化2】 R’Si(OR)(O1/2−)O1/2− R’はフェニルアミノ置換基を内部に含む、アルキル
    基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、シ
    クロアルケニル基、アリルアルキル基、複素環基から選
    択される有機基を、Rはアルキル基を表す。
  2. 【請求項2】 化3で表される構造単位と化4で表され
    る構造単位と化5で表される構造単位が4〜20個結合
    してなる重合体であって、その末端にアルコキシ基及び
    有機基を有するポリオルガノシロキサン。 【化3】 R’Si(OR)21/2 − R’はフェニルアミノ基、エーテル基、アミド基、エス
    テル基、スルフィド基、スルフォン基、ウレタン基、水
    酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキ
    シ基、カルボニル基、シアノ基から選択される置換基を
    内部に含んでいても良い、アルキル基、アリール基、ア
    ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
    アリルアルキル基、複素環基から選択される有機基を表
    し、Rはアルキル基を表す。 【化4】 R’Si(OR)(O1/2−)O1/2− R’はフェニルアミノ基、エーテル基、アミド基、エス
    テル基、スルフィド基、スルフォン基、ウレタン基、水
    酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキ
    シ基、カルボニル基、シアノ基から選択される置換基を
    内部に含んでいても良い、アルキル基、アリール基、ア
    ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
    アリルアルキル基、複素環基から選択される有機基を表
    し、Rはアルキル基を表す。 【化5】 −O1/2(−O1/2)Si(R’)O1/2− R’はフェニルアミノ基、エーテル基、アミド基、エス
    テル基、スルフィド基、スルフォン基、ウレタン基、水
    酸基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキ
    シ基、カルボニル基、シアノ基から選択される置換基を
    内部に含んでいても良い、アルキル基、アリール基、ア
    ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
    アリルアルキル基、複素環基から選択される有機基を表
    す。
  3. 【請求項3】 フェニルアミノ置換基を内部に含む有機
    を有するトリアルコキシシランを、そのアルコキシ基
    を完全に加水分解するのに必要な理論量以下の量の水を
    含む水性溶媒中で加水分解重縮合することを特徴とする
    請求項1又は2記載のポリオルガノシロキサンを製造す
    る方法。
  4. 【請求項4】 非置換の有機基もしくはフェニルアミノ
    基以外の置換基で置換された有機基を有するトリアルコ
    キシシランを、そのアルコキシ基を完全に加水分解する
    のに必要な理論量以下の量の水を含む水性溶媒中で、前
    記トリアルコキシシランに対し10モル%以下の量の
    ミノアルコキシシランまたは4,5ジヒドロイミダゾー
    ルアルコキシシランの存在下で加水分解重縮合すること
    を特徴とする請求項2記載のポリオルガノシロキサンを
    製造する方法。
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