JP3226245B2 - 電界放出型電子源アレイおよび表示素子 - Google Patents

電界放出型電子源アレイおよび表示素子

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JP3226245B2
JP3226245B2 JP1854894A JP1854894A JP3226245B2 JP 3226245 B2 JP3226245 B2 JP 3226245B2 JP 1854894 A JP1854894 A JP 1854894A JP 1854894 A JP1854894 A JP 1854894A JP 3226245 B2 JP3226245 B2 JP 3226245B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の微小な電界放出
型の電子銃をマトリクス状(二次元平面状)に配置した
基板を同一平面上に複数配置した電界放出型電子源アレ
イおよびこの電界放出型電子源アレイを利用した平面型
の表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の集積回路や薄膜の分野において用
いられている微細加工技術の進歩に伴い、最近では、高
電界において電子を放出する電界放出型電子源の製造技
術が急速に進んでおり、一例として、微小な構造の電界
放出型電子銃が製造されて来ている。
【0003】このような電界放出型電子銃は、電子を放
出するエミッタと、電子引き出しのためのゲート電極と
により構成される。この種の電界放出型電子銃を同一平
面に多数配置し、それぞれをX−Yマトリクス駆動で駆
動制御すれば、所望の位置にある電子銃を動作させるこ
とができる。
【0004】そして、多数の電界放出型電子銃が形成さ
れた電子銃アレイ(電子源アレイ)の表面側に、蛍光層
を有する透明基板を対向配置すると、電子銃アレイから
放出される電子によって蛍光層が発光するので、平面型
の表示素子が実現される。
【0005】電界放出型電子銃アレイを用いた平面型の
表示素子の製造方法およびその動作特性は、例えば、バ
キュームマイクロエレクトロニクス国際会議91(IV
MC91) において、R.MEYER等によって発表
された研究報告に開示されている。
【0006】図11および図12は蛍光体を用いた自発
光方式の平面型の表示素子を示す。電子銃アレイは、1
枚のアレイ基板11によって構成される。アレイ基板1
1は、基板12の表面(上面)に、複数本のエミッタ電
極(エミッタ電極ライン)13と、これに直交する複数
本のゲート電極(ゲート電極ライン)14を形成し、か
つ、それぞれの交点に電子銃15をマトリクス状に形成
した構成になっている。エミッタ電極13とゲート電極
14および隣接するゲート電極間は絶縁層16により電
気的に絶縁されている。
【0007】上記の電子銃アレイは、図13(A)〜
(F)に従ったプロセスで作製される。
【0008】まず、図13(A)に示すように、例え
ば、石英からなる基板12の表面にエミッタ電極13と
なる金属薄膜(モリブデン)をライン状に形成する。続
いて、図13(B)に示すように、ライン状の金属薄膜
との電気的絶縁を保つために、その上から基板12上
に、絶縁層16となる二酸化シリコンを1.5μm程度
の厚みに積層する。
【0009】次に、図13(C)に示すように、エッチ
ング用マスクおよび後工程でのリフトオフのために、絶
縁層16の上にアルミニウム17を100nm積層した
後、その表面に直径1μmの円形パターンをネガ状態で
形成する。その後、アルミニウム17および絶縁層16
を順次エッチングしてホール19を形成する。
【0010】次に、基板12を水平面内で回転しなが
ら、基板表面に対して垂直方向から電子銃材となるモリ
ブデン18を蒸着して、ホール19内に電子銃15を形
成する(図13(D))。その後、図13(E)に示す
ように、リン酸によりアルミニウム17を溶解して絶縁
層16上の不要物を除去する。最後に、図13(F)に
示すように、露出した絶縁層16の表面にゲート電極1
4となる金属薄膜(モリブデン)をライン状に形成す
る。これによって、図11および図12に示す電子銃ア
レイが作製される。
【0011】このような構成の電子銃アレイを平面型の
表示素子に応用する場合は、電子の放出側に相当する上
部に蛍光体が配置される。また、その周囲に駆動回路が
配置され、エミッタ電極13をデータライン、ゲート電
極14を走査ラインとして、X−Yマトリクス駆動する
と、所定位置の電子銃がドライブされ、ドライブされた
電子銃から上方に向けて電子が放出される。そして、放
出された電子が衝突する蛍光体が発光され、これで表示
素子としての機能が発揮される。
【0012】ところで、従来の蛍光表示管が、点状の電
子銃から放出された電子ビームを電子光学的に集光、走
査することにより各画素を発光させて表示機能を発揮さ
せていたのに対し、この表示素子は、マトリクス状に配
置された多数の電子銃を独立して走査することにより、
それぞれに対応する画素を発光させることが可能にな
る。従って、上記の表示素子によれば、従来の蛍光表示
管と同等の性能を維持しつつ、集光光学系等が不要にな
ると共に、平面構造であるため、大幅な薄型化、軽量化
が可能となる利点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子銃アレイは、1枚のアレイ基板11によって構成さ
れている。そのため、大型の表示素子を作製する場合に
は、大面積の基板12に極めて多くの電子銃15を形成
した大型のアレイ基板11が必要になる。このような大
型のアレイ基板11の作製は、製造装置の大型化や歩留
まりの低下を招く。このため、アレイ基板11の大型化
には限界があり、電子銃アレイひいては平面型の表示素
子の大型化を図る上でのネックになっていた。
【0014】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ものであり、その目的は、大型化が容易で表示品位が優
れた大面積の表示画面を低コストで製造することができ
る電界放出型電子源アレイおよびこの電界放出型電子源
アレイを用いた低コストで歩留まりの良い表示素子を提
供することにある。
【0015】
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】 本発明の 電界放出型電子
源アレイは、電界放出の原理に基づいて電子を放出する
多数の電子銃がそれぞれマトリクス状に形成された複数
の基板を同一平面上に配置した電界放出型電子源アレイ
であって、該基板の周縁部に、該電子銃が存在しない接
続用スペースを設け、該接続用スペースに、該電子銃を
X−Yマトリクス駆動するための電極ラインを延出させ
ると共に、該電極ラインの該基板間に位置する部分に、
半田との濡れ性が良好な接続部を設けてなり、そのこと
により上記目的が達成される。
【0018】また、本発明の表示素子は、このような電
界放出型電子源アレイの基板に蛍光体を対向配置してな
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】好ましくは、前記基板の上にそれぞれ形成
された電子放出源を一つの真空容器内に収納する。
【0020】また、好ましくは、前記真空容器を、前記
複数の基板が配置される支持基板と、蛍光体面を有する
基板とで構成する。
【0021】また、好ましくは、前記電子放出源を同一
の形状とする。
【0022】また、好ましくは、前記支持基板の周縁部
を電子放出源と同じ厚さにし、該周縁部に電極ラインを
形成する。
【0023】また、好ましくは、前記支持基板の材質を
前記基板の材質と同一にする。
【0024】
【0025】また、本発明の表示素子は、電界放出の原
理に基づいて電子を放出する多数の電子銃がそれぞれマ
トリクス状に形成された複数の基板を電気的に接続した
電界放出型電子源アレイと、該電界放出型電子源アレイ
を構成する複数の基板を支持する支持基板と、該電界放
出型電子源アレイの表面側に対向配置され、該支持基板
と共に真空容器を構成し、且つ、複数の該基板それぞれ
に形成された多数の電子銃から放出される電子により発
光する蛍光層が形成された蛍光体側基板とを備えてお
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】好ましくは、前記複数の基板間の接続部に
おいて拡大した画素ピッチを補正する光学素子を設け
る。
【0027】また、好ましくは、前記複数の基板間の接
続部において拡大した画素ピッチを補正する手段とし
て、該基板上に形成された電子銃から放出される電子を
偏向させる偏向電極を設ける。
【0028】また、好ましくは、前記電子放出源の周縁
部の画素ピッチを中央部の画素ピッチよりも狭くする。
【0029】
【作用】本発明の電界放出型電子源アレイは、電界放出
の原理に基づいて電子を放出する多数の電子銃が形成さ
れた複数枚の基板を同一平面上に配置する構成をとるの
で、各基板間を電気的に適切に接続すれば、表示性能を
損なうことなく、複数枚の小型基板を用いた大面積での
表示動作が可能になる。即ち、単一の大型基板を用いた
場合と同様の特性を発揮できる。
【0030】また、このような電界放出型電子源アレイ
に蛍光体面を対向配置すれば、大面積の平面型表示素子
を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0032】図1および図2は本発明の電界放出型電子
源アレイを使用した平面型の表示素子の一実施例を示
す。
【0033】表示素子は、図1および図2に示すよう
に、複数の電界放出型の電子源アレイ基板11、11…
(以下多数の電子銃が形成された個々の基板を電子源ア
レイ基板という)を同一平面内に配置して相互に電気的
に接続した電子源アレイ10と、該電子源アレイ10を
支持する単一の支持基板20と、電子源アレイ10の表
面側(上面側)に若干の隙間をあけて対向配置された蛍
光体側基板30とを有する。図1(B)に示すように、
電子源アレイ基板11と蛍光体側基板30とは、接着層
33および複数のスペーサ40を介して対向配置されて
いる。
【0034】この実施例の電子源アレイ10は、支持基
板20上に配置された3×3、合計9個の電子源アレイ
基板11、11…からなる。それぞれの電子源アレイ基
板11は、図3に示すように、例えば、厚さ1mmの70
59ガラス(コーニング)からなる基板12の表面に、複
数本のエミッタ電極13と、これに直交する複数本のゲ
ート電極14を形成し、かつ、それぞれの交点に電子銃
15をマトリクス状に形成した構成になっている。エミ
ッタ電極13とゲート電極14および隣接するゲート電
極間は絶縁層16により電気的に絶縁されている。
【0035】なお、各電子源アレイ基板11、11…間
の電極ライン(エミッタ電極ライン13,ゲート電極ラ
イン14)および電子源アレイ基板11の電極ラインと
支持基板20上の電極ラインとの間は、半田層61によ
り電気的に接続されている。
【0036】この電子源アレイ基板11の作製は、図1
2に示す上記の製造プロセスに従って行われる。それ
故、ここでは説明を省略する。
【0037】なお、この実施例の表示素子は、合計9個
の電子源アレイ基板11、11…を同一平面上に配置し
ているが、電子源アレイ基板11の枚数については限定
されるものではない。例えば、図4〜図7に示す実施例
では、電子源アレイ基板11は、2×2、合計4枚の電
子源アレイ基板11、11…が支持基板20上に配置さ
れている。この表示素子の各電子源アレイ基板11も上
記の製造プロセスで作製され、各電子源アレイ基板11
には、石英基板12上にゲート電極ライン14とエミッ
タ電極ライン13とが互いに直交して配線されている。
そして、その交点に電子銃15が形成されている。ま
た、各配線の接続部はゲート電極ライン14およびエミ
ッタ電極ライン13上にニッケル層19b、金層19a
が積層され、それを覆うようにして半田層61が形成さ
れている。
【0038】次に、図4〜図7に示される実施例を例に
とって、各電子源アレイ基板11相互間の電気的な接続
方法について説明する。
【0039】まず、図5に示すように、電子源アレイ基
板11を同一平面上に所定の間隔を設けて配置する。続
いて、各電極ライン13、14の接続部分、即ち基板間
に位置する電極ライン接続部分に後工程での半田の濡れ
性がとれるようにニッケル層19bを0.5〜1μm程
度の厚みで積層し、その上に、ニッケル層19bの酸化
を防止するために、金層19aを0.3μmの厚みで積
層する。この積層工程は、図6に示す遮蔽マスク50を
用いて行われる。
【0040】次に、図7(A)に示すように、所定間隔
で4枚配置された各電子源アレイ基板11、11…の間
隔内に縦横方向に半田ワイヤ60、60を配置する。続
いて、これらの半田ワイヤ60、60をレーザにより加
熱する。この加熱により半田ワイヤ60が溶融し、溶融
した半田は濡れ性のない石英基板12上ではじかれ、濡
れ性の良好なニッケル層19b、金層19aに選択的に
半田層61を形成し、これで基板間における電極ライン
13、14の接続が行われる。
【0041】ここで、電子源アレイ基板11のサイズ、
電子銃の個数等は、図1〜図3の実施例を例にとると、
1個の電子源アレイ基板11の大きさは、いずれも6
0.8mm×83.6mmであり、その電子源アレイ基
板11に形成された電子銃15の個数は約350,000,000
である。エミッタ電極13およびゲート電極14は厚み
が0.4μm、幅が0.2mmのモリブデン層からな
る。エミッタ電極13およびゲート電極14の本数はそ
れぞれ160本および220本であり、それぞれのピッチは
0.38mmに設定されている。
【0042】図2に示すように、電子源アレイ基板11
の電極接続のために、基板12の表面周縁部には、電子
銃15が存在しない接続用スペースが設けられている。
一方、エミッタ電極13およびゲート電極14は、基板
12の端まで形成されている。そして、接続用スペース
の特に端から150μmのエミッタ電極13ラインおよび
ゲート電極ライン14の上には、厚さ0.5〜1μmの
ニッケル層と厚さ0.3μmの金層を積層して半田層1
9が形成されている。この積層は、後述の接続工程にお
いて、半田の濡れ性を高めて各電極ラインの接続を容易
にするためである。
【0043】次に、図8に従い支持基板20の詳細につ
いて説明する。この支持基板20は、複数の電子源アレ
イ基板11を整列状態で配置させる目的に加えて、蛍光
体側基板30と共に真空容器を構成する目的を有する。
特に後者の目的のために、支持基板20の周縁部には、
額縁状の枠体21が取り付けられている。電子源アレイ
10を構成する複数枚の電子源アレイ基板11、11…
は、この枠体21内に配置されている。
【0044】支持基板20および枠体21は、表示素子
作製工程での温度変化により電極ライン接続部に断線等
が起きないように、電子源アレイ基板11を構成する基
板12と同一の材質で製作するのが好ましい。本実施例
では、基板12と同じ7059ガラスを用いた。支持基板2
0の大きさは202.4×270.8mmであり、枠体21の大き
さは厚さ1mm、幅10mmとした。なお、枠体21は
フリットガラスにより基板12の周縁部に取り付けられ
ている。
【0045】枠体21の表面には、図1、図8等に示す
ように、アレイ基板11のエミッタ電極ライン13およ
びゲート電極ライン14を外部に引き出すために、これ
らに対応して引出電極22が形成されている。引出電極
22の材質は、エミッタ電極ライン13およびゲート電
極ライン14と同じモリブデンであり、幅およびピッチ
もこれらと同じ値に設定されている。引出電極22の内
側部分には、電極接続のために、半田層19と同じニッ
ケル層および金層からなる半田層23が、内縁から0.
5mmの範囲にわたって形成されている。
【0046】次に、蛍光体側基板30について説明す
る。蛍光体側基板30は、図1に示すように、支持基板
20に形成された引出電極22が外側方に露出するよう
に、支持基板20より若干小さいサイズとされている。
蛍光体側基板30の材質は、電子源アレイ基板11の基
板12と同一のものが好ましく、本実施例では基板12
と同じ7059ガラスとした。
【0047】蛍光体側基板30のコーナ部には、図1お
よび図9に示すように、内径が1mmのスルーホール3
4が設けられている。このスルーホール34は、真空容
器形成後の排気と、電極ラインの外部引き出しに用に使
用される。電極ラインの外部引き出しのために、スルー
ホール34の内面および開口部の周囲1mmの領域に
は、メタライズ層35が、メッキにより形成されてい
る。なお、図6(A)は背面図であり、両図のスルーホ
ール34は同一のものである。
【0048】蛍光体側基板30の裏面(図6では上側)
には、ITOからなる透明電極31が全面にわたって形
成されている。透明電極31の上には、厚さ4〜6μm
の蛍光層32が、蛍光体側基板30の周縁部を除いて積
層されている。蛍光層32は、蛍光体である粒径約3μ
mのZnO(より具体的には、Zn粉末およびフリット
ガラスを、低分子量のアクリル樹脂をα−テルピネオー
ルに溶かした溶液中に混入し、ボールミルを用いてよく
混練してペースト状にしたもの)を、スクリーン印刷に
より塗布し、これを乾燥および焼成して形成される。ま
た、透明電極31上の周縁部には、真空シールを行うた
めに、接着層33が形成されている。接着層33は、フ
リットガラスペーストをスクリーン印刷により塗布し、
乾燥および仮焼成して形成される。接着層33の厚み
は、120〜150μmである。なお、前記メタライズ
層35は、透明電極31の形成後に形成され、その透明
電極31と電気的に接続されている。
【0049】図1〜図3に示す表示素子は、以上に説明
した各部材を用いて組み立てられる。以下にその組立工
程を図10に従って説明する。
【0050】まず、図10(A)、(B)に示すよう
に、支持基板20上の枠体21の内側に、9個の電子源
アレイ基板11を3×3に配置する。電子源アレイ基板
11のエミッタ電極13およびゲート電極14の各端部
には、ニッケル層19bの上に金層19aを積層した半
田層(接続端子部)19が形成されている。また、枠体
21の表面には、アレイ基板11のエミッタ電極13お
よびゲート電極14に対応して引出電極22が形成さ
れ、その上にも、半田層19と同じ積層構造の半田層2
3が形成されている。そして、支持基板20上に電子源
アレイ基板11を配置することにより、隣接する電子源
アレイ基板11、11のエミッタ電極13、13同士お
よびゲート電極14、14同士が突き合わされる。ま
た、外側に位置する電子源アレイ基板11のエミッタ電
極13およびゲート電極14が、それぞれ対応する引出
電極22と突き合わされる。
【0051】支持基板20上に電子源アレイ基板11が
配置されると、上記のように、それぞれの突き合わせ部
上に、エミッタ電極13の方向およびゲート電極14の
方向に連続する半田ワイヤ60を載せ、突き合わせ部と
の交点部をレーザにより加熱する。溶融した半田は、濡
れ性のないガラス基板12上でははじかれ、濡れ性の良
好な半田層19、23に選択的に付着して、突き合わせ
部上に半田層61が積層される。このように、濡れ性の
良好なニッケル層19b、金層19aの積層部19を選
択的に接付着させると、隣接する電極ライン同士がショ
ートすることがない。
【0052】上記のプロセスを経て、図2に示すよう
に、3×3の電子源アレイ基板11のエミッタ電極1
3、13同士およびゲート電極14、14同士が電気的
に接続されて、電子源アレイ10が作製される。また、
電子源アレイ10のエミッタ電極13およびゲート電極
14が、枠体21上の対応する引出電極22と電気的に
接続される。
【0053】支持基板20上に電子源アレイ10が作製
されると、次に、図10(D)に示すように、その電子
源アレイ10上に直径が100μmのガラスボール状のス
ペーサ40を散布し、その後、蛍光体側基板30を重ね
合わせ、外縁部の接着層33に対して約0.1N/cm
2 の圧力を加えながら、Arガス雰囲気中で焼成を行
い、真空容器を形成する。続いて、真空チャンバー内で
ベークを行いながら、蛍光体側基板30のスルーホール
34を通して真空容器内を排気し、同じ真空内で半田ボ
ールを溶かして形成した封止部36(図1参照)により
スルーホール34を塞ぐ。これにより、表示素子が作製
される。
【0054】完成した表示素子は、電子放出源として、
約10000個の電子銃15を有する60.8mm×83.
6mmの電子源アレイ基板11を3×3に配置して構成
した電子銃アレイ10を具備する。従って、この表示素
子は、約90000個の電子銃15を有し、且つ(60.8
mm×83.6mm)×9倍の有効表示面積を有する大
型表示素子となる。
【0055】電子銃アレイ10を構成する9個の電子源
アレイ基板11は、同一形状の小型基板としたので、そ
れぞれの生産性が良く、従って、電子銃アレイ10の生
産性も良好となる。そのため、これを使用する表示素子
は、大型素子であるにもかかわらず、その生産性がよ
く、高い歩留まりで動作することを確認できた。因み
に、約90000個の電子銃15を有し、且つ(60.8m
m×83.6mm)×9倍の有効表示面積を有する単一
の電子源アレイを製造することは、製造装置の大型化お
よび歩留まりの低下という制約があるため、困難であ
る。
【0056】また、上記の実施例では、電子源アレイ基
板11の周縁部に電子銃15が存在しない接続用スペー
スを設け、且つ、その接続用スペースにおいて、エミッ
タ電極13上およびゲート電極14上に半田との濡れ性
が良好な半田層19を形成したので、電極ラインの接続
が容易である。
【0057】次に、上記のようにして作製された、表示
素子の動作を説明する。
【0058】複数枚の電子源アレイ基板11、11…か
らなる電子源アレイ10のエミッタ電極13をデータラ
イン、ゲート電極14を走査ラインとして、駆動回路に
よりX−Yのマトリックス駆動を行う。これにより、所
望の位置の電子銃15が動作する。動作した電子銃15
から放出した電子は、蛍光層32に衝突してその部分を
発光させる。すなわち、蛍光層32の電子銃15に対応
する部分が画素となる。
【0059】上記実施例の表示素子では、約90000個の
画素を有するが、電子源アレイ10を構成する9枚の電
子源アレイ基板11は、電極ラインの接続のために周縁
部に、電子銃15が存在しないスペースを設けた構成に
なっている。この構成のため、電子源アレイ基板11の
各電子銃15から電子を板面に垂直な方向に放出する
と、電子源アレイ基板11の継ぎ目部分(電極ラインの
接続部)に対応するところに画素欠落部分が生じる。換
言すると、アレイ基板11の継ぎ目部分で電子銃15お
よび画素のドットピッチが広がっている。
【0060】これを補正するためには、例えば光学素子
を用いて、外周部の画素を外側に屈折させる。これによ
り、継ぎ目部分の画素欠落が見掛け上解消される。
【0061】その場合、電子源アレイ基板11の外周部
における電子銃15のドットピッチを、内周部における
ドットピッチより狭くしておくのが良い。即ち、このよ
うなドットピッチにしておけば、その分、光学素子によ
る補正が容易になり、簡単かつ安価な光学素子が使用で
きるからである。
【0062】また、このようなドットピッチの補正は、
電子源アレイ基板11の各電子銃15から放出される電
子を偏向電極によって偏向させることによっても可能で
ある。
【0063】
【0064】
【発明の効果】本発明の電界放出型電子源アレイは、多
数の電子銃をマトリクス状に形成した複数の基板を同一
平面上に配置する構成をとるので、各基板間を電気的に
適切に接続すれば、各電子銃を、単一の大型の基板上に
形成された多数の電子銃をX−Yマトリクス駆動する場
合と同様に、駆動できる。このように、複数の小型の基
板を配置して大型化を図る場合は、大型の基板を作製す
る場合につきものの、歩留りの低下や、製造装置の大型
化を要するといった欠点がないので、製造効率の向上お
よび低コスト化が可能になる。
【0065】また、本発明の表示素子は、このような、
電界放出型電子源アレイを利用するものであるので、上
記の効果を享受できる大画面の平面型の表示素子を実現
できる。
【0066】また、特に請求項3記載の電界放出型電子
源アレイおよび請求項7記載の表示素子によれば、隣接
する基板間の電気的な接続を一層容易に行えるので、そ
の分、歩留りの向上およびコストダウンが図れる。
【0067】また、特に請求項5又は請求項6記載の表
示素子によれば、各基板を真空容器内に整然と収納する
構成をとるので、各基板に形成された電子銃が劣化する
ことがない。従って、歩留りおよび品質の向上に寄与で
きる。
【0068】また、特に請求項9又は請求項10記載の
表示素子によれば、基板接続部におけるドットピッチの
狂いを補正できるので、表示品位の向上に大いに寄与で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の表示素子の一実施例を示す模
式的平面図、(B)は(A)のA−A線による断面図で
ある。
【図2】(A)は本発明の表示素子の一実施例を示す平
面図、(B)は(A)のB−B線による断面図である。
【図3】本発明の表示素子に利用される電子源アレイ基
板の一実施例を示す斜視図である。
【図4】(A)は本発明の表示素子の他の実施例を示す
平面図、(B)は(A)のC−C線による断面図、
(C)は(A)のD−D線による断面図である。
【図5】(A)は図4の表示素子に利用される電子源ア
レイ基板の斜視図、(B)は表示素子の平面図である。
【図6】(A)は図4に示す表示素子のまた別の平面
図、(B)は(A)のE−E線による断面図、(C)は
(A)のF−F線による断面図である。
【図7】(A)は図1〜図3に示される表示素子に半田
ワイヤが形成された状態を示す平面図、(B)は(A)
のG−G線による断面図、(C)は(A)のI−I線に
よる断面図である。
【図8】(A)は本発明の表示素子に設けられた引出電
極を示す概略平面図、(B)は(A)のJ−J線による
断面図である。
【図9】(A)は図1(A)の背面図、(B)は(A)
のK−K線による断面図である。
【図10】本発明の表示素子の組立工程を示す断面図で
ある。
【図11】従来の電子銃アレイを示す斜視図である。
【図12】電子銃アレイに使用される基板の構造を模式
的に示す断面図である。
【図13】基板の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電子源アレイ 11 電子源アレイ基板 13 エミッタ電極(エミッタ電極ライン) 14 ゲート電極(ゲート電極ライン) 15 電子銃 16 絶縁層 20 支持基板 21 枠体 22 引出電極 23 半田層(接続端子部) 30 蛍光体側基板 31 透明電極 32 蛍光層 33 接着層 34 スルーホール 35 メタライズ層 40 スペーサ 50 遮蔽マスク 60 半田ワイヤ 61 半田層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 盛規 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 木場 正義 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−162335(JP,A) 特開 昭55−15232(JP,A) 特開 昭61−69125(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 21/027 H01J 1/30 H01J 29/46 - 29/51

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界放出の原理に基づいて電子を放出す
    る多数の電子銃がそれぞれマトリクス状に形成された複
    数の基板を同一平面上に配置した電界放出型電子源アレ
    イであって、 該基板の周縁部に、該電子銃が存在しない接続用スペー
    スを設け、該接続用スペースに、該電子銃をX−Yマト
    リクス駆動するための電極ラインを延出させると共に、
    該電極ラインの該基板間に位置する部分に、半田との濡
    れ性が良好な接続部を設けた電界放出型電子源アレイ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電界放出型電子源アレ
    の基板に蛍光体を対向配置した表示素子。
  3. 【請求項3】 前記基板の上にそれぞれ形成された電子
    放出源を一つの真空容器内に収納した請求項2記載の表
    示素子。
  4. 【請求項4】 前記真空容器が、前記複数の基板が配置
    される支持基板と、蛍光体面を有する基板とを重ね合わ
    せて形成されている請求項3記載の表示素子。
  5. 【請求項5】 電界放出の原理に基づいて電子を放出す
    る多数の電子銃がそれぞれマトリクス状に形成された複
    数の基板を電気的に接続した電界放出型電子源アレイ
    と、 該電界放出型電子源アレイを構成する複数の基板を支持
    する支持基板と、 該電界放出型電子源アレイの表面側に対向配置され、該
    支持基板と共に真空容器を構成し、且つ、複数の該基板
    それぞれに形成された多数の電子銃から放出される電子
    により発光する蛍光層が形成された蛍光体側基板とを備
    えた表示素子。
  6. 【請求項6】 前記複数の基板間の接続部において拡大
    した画素ピッチを補正する光学素子を備えている請求項
    2〜請求項5のいずれかに記載の表示素子。
  7. 【請求項7】 前記複数の基板間の接続部において拡大
    した画素ピッチを補正する手段として、該基板上に形成
    された電子銃から放出される電子を偏向させる偏向電極
    を備えている請求項2〜請求項5のいずれかに記載の表
    示素子。
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