JP3225953B2 - ナビゲーション方法及びセンタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、経路案内に必要な
データをセンタ側から移動側に分割して提供する場合に
好適なナビゲーション方法及びセンタ装置に関するもの
である。

【０００２】

【背景技術】経路・案内データ（探索された推奨経路デ
ータ及びその案内データ）をセンタ側から移動側に提供
するシステムとしては、例えば特開平１０−１９５８８
号公報に開示されたナビゲーションシステムがある。こ
れは、目的地まで車両を案内するために必要な地図画像
や推奨経路データ（あるいは最適経路データ）を、セン
タ（基地）側から車両側に送信するようにしたナビゲー
ションシステムである。このシステムによれば、センタ
側であるデータ伝送システムと移動側である車両のナビ
ゲーション装置との間で交信が行われる。データ伝送シ
ステムは、目的地まで車両を案内するために必要なデー
タを記憶したデータベースを有している。

【０００３】そして、車両側のナビゲーション装置から
のリクエストに基づいてデータベースから必要なデータ
を読み出すとともに、地図画像を作成する。また、経路
探索を行って最適経路データを作成する。これら作成さ
れた地図画像や最適経路を示すデータが、データ伝送シ
ステムから車両側に送信される。車両のナビゲーション
装置では、システム側から送信された地図画像や最適経
路データに基づいて、該当する表示が行われる。

【０００４】また、特開平８−３３４３７４号公報に
は、運転操作ミスによって車両が推奨経路を逸脱したと
きに最新の推奨経路をセンタ側から車両側に送信するよ
うにした車載経路誘導装置が開示されている。このシス
テムによれば、車両は必要に応じて出発地と目的地をコ
ントロールセンタへ送信し、推奨経路を受信する。車両
が推奨経路上を走行しているかどうかが判定されてお
り、推奨経路を逸脱した場合は、再度出発地を設定して
目的地とともにコントロールセンタへ送信する。情報セ
ンタは、車両から受信した再設定後の出発地から目的地
までの経路を探索し、探索した推奨経路のデータを車両
へ送信する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、探索した経
路を分割して車両側に送信するような場合、分割経路毎
に表示を変更することが考えられるが、このような表示
変更を利用することで、ナビゲーションに有効な情報を
ユーザに提供することが可能となる。本発明は、以上の
点に着目したもので、分割経路毎に表示を変更すること
によって各種の情報をユーザに提供し、ナビゲーション
の利便性の向上を図ることを、その目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、現在地から目的地に至るまでの経路及び
その案内のデータを分割してセン夕側から移動側へ順次
送信し、該データに基づいて移動側で経路案内を行なう
場合において、前記移動側からリクエストがある度にセ
ンタ側で毎回経路探索を行って新たな経路及び案内のデ
ータを得るとともに、移動側で経路表示を行う際に、
分割経路を単位として表示態様を変更する，最新の分
割経路を異なる表示態様で表示する，障害が検知され
た分割経路を異なる表示態様で表示する，全経路中に
おける分割経路の位置を表示する，分割経路中におけ
る車両現在位置を表示する，ことを特徴とする。本発明
の前記及び他の目的，特徴，利点は、以下の詳細な説明
及び添付図面から明瞭になろう。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。 （１）実施形態１……最初に図１〜図８を参照して、本
発明の形態形態１について説明する。図１には、本形態
にかかるナビゲーションシステムの構成が示されてい
る。本形態のナビゲーションシステムは、情報センタ１
０と、移動側のナビゲーション装置である車載装置１０
０とによって構成されている。

【０００８】まず、情報センタ１０から説明すると、送
受信部１２は、送信装置，受信装置を含む通信機器であ
り、車載装置１００との間でデータの送受信を行うため
のものである。自動車電話，携帯電話，ＰＨＳなどの通
信システムを利用してもよい。演算処理部１４は、ＣＰ
Ｕを中心に構成されている。メモリ１８は、前記演算処
理部１４で実行される各種のプログラムやデータが格納
されている。

【０００９】具体的には、車両の現在位置（ナビゲーシ
ョンの開始位置あるいは出発地）から目的地（ナビゲー
ションの終了位置）までの経路を探索する経路探索プロ
グラム２０，探索された経路の分割処理を行う分割処理
プログラム２２，これによって分割された道路長に対応
する案内データを検索して抽出し編集する案内データ抽
出プログラム２４，全体の動作を制御管理するシステム
制御プログラム２６など、情報センタ１０側で実行され
る各種のプログラムが格納されている。また、メモリ１
８には、それらのプログラムの実行に使用されるワーキ
ングエリアも確保されている。

【００１０】データベース３０は、推奨経路を探索する
ための経路探索用データ３２，経路案内のデータを集積
した案内用データ３４，目的地を設定する電話番号や住
所などの目的地設定用データ３８などの経路探索及び経
路案内に必要なデータを格納している。経路探索用デー
タ３２は、交差点に関するデータ，道路に関するデー
タ，ノード点に関するデータ，交通事故や道路渋滞のよ
うな道路障害データなどを含んでいる。また、案内用デ
ータ３４には、各交差点や道路の地図データ，主要な施
設を示すランドマークデータ，音声案内データなどの各
種案内データが含まれる。

【００１１】更に、データベース３０には、外部情報収
集部４０が接続されている。この外部情報収集部４０
は、交通事故，道路渋滞，道路工事，交通規制，道路や
施設の新設，通信エリアの変更など、最新の道路・交通
情報や通信情報を電話回線などを利用して収集し、デー
タベース３０に格納されたデータを随時更新するための
ものである。

【００１２】次に、車載装置１００について説明する
と、演算処理部１０１はＣＰＵを中心に構成されてい
る。メモリ１０２には、車載装置１００側で実行される
プログラムやデータが記憶されている。これらのうち、
プログラムとしては、情報センタ１０から送信される経
路データや案内データに基づいて経路やランドマークを
表示部１０６に表示したり、経路案内の音声を音声出力
部１０７から出力する経路案内プログラム１５０，車両
現在位置と受信した経路・案内データを比較して次の経
路に対する経路・案内データを要求するデータリクエス
トプログラム１５２，全体の動作を制御する制御プログ
ラム１５４などがある。制御プログラム１５４には、表
示部１０６における表示を制御する表示制御プログラム
１５５が含まれている。

【００１３】また、メモリ１０２に記憶されるデータと
しては、情報センタ１０から送信される経路・案内デー
タ（経路データ及び案内データ）１６０，車両固有のＩ
Ｄデータ１６２，位置計測部１０４により計測される車
両位置データ（経度・緯度）１６４，などがある。更
に、メモリ１０２は、プログラムの実行に際して適宜利
用されるワーキングエリアとしても機能する。

【００１４】車両位置データ１６４には、位置計測部１
０４によって所定時間間隔で測定した現在位置データの
他に、過去の複数の位置データも含まれている。例え
ば、一定距離に含まれる測定点の位置データ，又は、一
定数の測定点の位置データが記憶される。新たに位置計
測部１０４で計測が行われると、その最新の位置データ
が記憶されるとともに、最も古く記憶された位置データ
は消去される。これら複数の位置データを結ぶことで、
車両の走行軌跡を得ることができる。この走行軌跡は、
車両が走行している道路を特定するためのいわゆるマッ
プマッチングに利用される。

【００１５】次に、位置計測部１０４は、いわゆるＧＰ
Ｓなどを利用して車両の位置を計測するためのもので、
複数のＧＰＳ衛星からの信号を受信して車両の絶対位置
を計測するＧＰＳ受信機，車両の相対位置を計測するた
めの速度センサや方位センサなどを備えている。速度セ
ンサや方位センサは、自律航法に使用される。それらセ
ンサによって計測される相対位置は、ＧＰＳ受信機が衛
星からの電波を受信できないトンネル内などにおいて位
置を得たり、ＧＰＳ受信機によって計測された絶対位置
の測位誤差を補正するなどに利用される。

【００１６】入力部１０５には、各種スイッチ，表示部
１０６の表示面に取り付けられたタッチパネル，リモコ
ン，音声認識を利用したデータ入力装置などが含まれ
る。タッチパネルでは、表示部１０６に表示されたアイ
コンなどを利用者が指でタッチすることによって、対応
するデータや命令が入力される。音声認識を利用したデ
ータ入力装置では、利用者が音声を発することによって
それに対応するデータや命令が入力される。

【００１７】表示部１０６は、液晶やＣＲＴなどによる
ディスプレイで、上述したようにタッチパネルを備えて
いる。この表示部１０６における表示は、表示制御プロ
グラム１５５によって制御されている。送受信部１０８
は、情報センタ１０側とデータの送受信を行うための通
信装置で、送信装置，受信装置を含む通信機器によって
構成されている。これも、センタ側と同様に、自動車電
話，携帯電話，ＰＨＳなどのシステムを利用してよい。

【００１８】＜情報センタ側の動作＞……次に、情報セ
ンタ１０の動作を説明する。図２及び図３には、情報セ
ンタ１０における経路探索・案内データ送信処理の動作
がフローチャートとして示されている。まず、車載装置
１００では、メモリ１０２に格納されている制御プログ
ラム１５４が演算処理部１０１で実行されている。この
動作状態で、メモリ１０２に格納されているデータリク
エストプログラム１５２が実行されると、位置計測部１
０４で計測した車両現在位置及び目的地，あるいは経路
案内を必要とする道路長の各情報を情報センタ１０側に
送受信部１０８によって送信する（後述する図６のステ
ップＳ５０参照）。このとき、自車と他車を識別するた
めのＩＤを同時に送信する。すると情報センタ１０は、
車両から受信した各情報を送受信部１２で受信し（ステ
ップＳ１０のYes）、演算処理部１４に送る。なお、情
報センタ１０と車載装置１００との通信形態は、例えば
パケット通信によって行う。

【００１９】情報センタ１０の演算処理部１４では、メ
モリ１８に格納されているシステム制御プログラム２６
が実行されている。そして、前記情報の受信により、メ
モリ１８に格納されている経路探索プログラム２０を実
行し、経路探索を行う。すなわち、まず受信情報から車
両現在位置情報及び目的地情報を抽出するとともに（ス
テップＳ１２）、該情報から目的地を決定する（ステッ
プＳ１４）。例えば、目的地情報として電話番号や住所
などの情報を受信した場合には、データベース３０の目
的地設定用データ３８を利用して目的地を決定する。

【００２０】次に、受信情報中で要求道路長が指定され
ているときは（ステップＳ１６のYes）、そのデータ２
７をメモリ１８に保存するとともに、車両現在位置から
目的地までの経路を探索する（ステップＳ１８）。しか
し、受信情報中に要求道路長が指定されていないときは
（ステップＳ１６のNo）、要求道路長として予め用意さ
れている初期値を要求道路長データ２７として設定保存
し（ステップＳ２２）、車両現在位置から目的地までの
経路を探索する（ステップＳ１８）。経路探索は、デー
タベース３０の経路探索用データ３２，すなわち、交差
点データ，道路データ，ノードデータを参照して行われ
る。この経路探索処理は公知であり、例えば特開平１−
１７３２９７号公報，特開平１−１７３２９８号公報に
開示された方法で行われ、経路全体の距離が最も短いも
のを最適経路とするなどの条件で推奨経路を設定する。

【００２１】なお、本形態では、車両側からリクエスト
を受信する度に、車両現在位置から目的地までの経路が
探索される。情報センタ１０では、外部情報収集部４０
によって外部から道路情報や交通情報などを取得し、デ
ータベース３０が最新の情報に更新されている。このた
め、車両側からのリクエスト毎に経路探索を行うことに
より、渋滞等を避けるなど常に最新のデータに基づく推
奨経路とその案内データが車両側に提供される。

【００２２】次に、演算処理部１４は、メモリ１８に格
納された分割処理プログラム２２を実行し、探索された
経路をナビゲーションの単位であるセグメント毎に分割
する（ステップＳ２０）。分割する単位としては、デー
タサイズ一定（例えば１セグメントが１０２４バイ
ト），道路長一定（例えば２０００メートル）などが考
えられる。探索された全経路は、例えば図４（Ａ）に示
すように、セグメント１，セグメント２，……に分割さ
れる。各セグメントデータには、同図（Ｂ）に示すよう
に、データヘッド，交差点情報，道路情報，ノード情
報，目印情報などが含まれている。

【００２３】このようなデータをセグメント化するメリ
ットは、センタ側と車両側の通信が中断しても、中断
時に送信が終了していたセグメントについてはそのまま
経路案内を行うことができる，中断時に送信中であっ
たセグメントから再送すればよい，ということである。
別言すれば、セグメントは、車両側でデコードできる情
報単位である。例えば、１０ｋmの経路・案内データを
全体で一つのファイルとして車両側に送信し車両側でデ
コードできなかったとすると、該１０ｋmの全てについ
て経路案内はできない。しかし、２ｋm毎のセグメント
に分割してファイル化したときは、セグメント毎にファ
イルをデコードして経路案内が可能となる。

【００２４】更に演算処理部１４では、探索した経路の
範囲内で、車両位置に最も近い一つのセグメントを順に
追加し（ステップＳ３０）、これを送信道路とする（ス
テップＳ３２）。すなわち、送信道路長（セグメントの
総道路長）＝送信道路長（セグメントの総道路長）＋追
加したセグメントの道路長の演算を繰り返し行ってセグ
メントを一つずつ追加していく。そして、各セグメント
に含まれる道路の長さを加算して得た合計の送信道路長
が、上述した要求道路長よりも長くなるまで、セグメン
トの追加が行われる（ステップＳ３４のNo）。

【００２５】その結果、送信道路長＞要求道路長（ある
いは送信道路長≧要求道路長）となって分割経路の単位
となると（ステップＳ３４のYes）、演算処理部１４
は、メモリ１８に格納されている案内データ抽出プログ
ラム２４を実行し、データベース３０の案内データを参
照して、送信道路長に相当する範囲の案内データを検索
して抽出する（ステップＳ３６）。抽出された案内デー
タ２９は、メモリ１８に格納される。以上のようにして
得た分割経路の経路データと案内データは、リクエスト
を行った車両のＩＤとともに送受信部１２によって車載
装置１００に送信される（ステップＳ３８）。このと
き、セグメント化された経路・案内データは、車両現在
位置に近いものから順に車両側に送信される。

【００２６】以上の動作を、図５を参照して説明する。
同図中、太線で示すＬが現在位置ＰＤから目的地ＰＡに
ついて探索された経路である。Ｍは、車両位置を示すマ
ークである。この探索経路Ｌは、５つのセグメントＳ１
〜Ｓ５に分割されており、セグメント分割点はＰ１〜Ｐ
４である。要求道路長がＬＲであるとすると、セグメン
トＳ１及びＳ２で、送信道路長＞要求道路長となる。こ
のため、セグメントＳ１〜Ｓ２を送信道路長とし、該当
する案内データを抽出して車両側に送信する。すなわ
ち、車両側には、セグメントＳ１〜Ｓ２の経路データ及
び案内データが送信される。

【００２７】＜車載装置側の動作＞……次に、車載装置
１００の動作を説明する。図６には、車載ナビゲーショ
ン装置１００におけるリクエスト・経路案内処理の動作
がフローチャートとして示されている。なお、ステップ
Ｓ５０については、上述した通りである。送受信部１０
８が上述した経路・案内データを情報センタ１０から受
信すると（ステップＳ５２のYes）、演算処理部１０１
は、受信した経路・案内データ１６０をメモリ１０２に
記憶する。そして、メモリ１０２に格納されている経路
案内プログラム１５０を実行し、受信した経路・案内デ
ータ１６０を利用した案内が行われる。

【００２８】詳述すると、メモリ１０２の表示制御プロ
グラム１５５によって、新たにセンタ側から取得した分
割経路が、以前に取得した経路と異なる態様で表示部１
０６に表示される（ステップＳ５３）。このとき、現在
の異なる態様で表示されている分割経路は、通常の態様
で表示されるようになる。そして更に、ランドマークな
どの案内データが表示されるとともに、交差点の右左折
などでは該当する音声案内が音声出力部１０７から出力
される（ステップＳ５４）。

【００２９】図７にはその様子が示されている。まず、
同図（Ａ）は、マークＭで示す車両が、分割経路Ｌｂ上
を走行している状態の表示例である。この状態では、分
割経路Ｌｂが最新の経路であるため、その部分が白線で
表示されている。その前の分割経路Ｌａは黒線で表示さ
れている。車両が分割経路Ｌｂ上を進行し、やがて次の
分割経路Ｌｃのデータをセンタ側から受信すると、同図
（Ｂ）に示すように、白線表示されていた分割経路Ｌｂ
が黒線で表示されるとともに、最新の分割経路Ｌｃが白
線で表示されるようになる。同図（Ｃ）は、他の表示例
で、最新の分割経路Ｌｃを点滅表示するようにしたもの
である。

【００３０】一方、演算処理部１０１は、位置計測部１
０４における車両現在位置を参照するとともに、データ
リクエストプログラム１５２を実行する。そして、車両
現在位置が受信した経路の終端から一定距離（例えば２
００ｍ手前）の位置となったときは、次の経路・案内デ
ータのリクエストを行う（ステップＳ５６のYes）。す
ると、上述したステップＳ５０の送信に基づく経路探
索，セグメント分割，通信状況判定，送信道路長の設
定，案内データの抽出などの処理が情報センタ１０で行
われ、得られた経路・案内データが車載装置１００に送
信される。一方、リクエストを行わないときは（ステッ
プＳ５６のNo）、更に目的地までの経路・案内データを
すべて受信したかどうかが判断され（ステップＳ５
８）、全て受け取っているときは動作を終了する。

【００３１】以上の情報センタ１０と車載装置１００と
のデータのやり取りの一例を示すと、図８に示すように
なる。まず、矢印Ｆ１で示すように、車載装置１００が
情報センタ１０に対して現在位置，目的地，要求道路長
を通知する。情報センタ１０では、矢印Ｆ２で示すよう
に、受信データに基づいて経路探索，セグメント分割，
要求分案内データ抽出が行われる。そして、矢印Ｆ３で
示すように、得た経路・案内データを車両側に送信す
る。車載装置１００では、矢印Ｆ４で示すように、受信
した経路・案内データに基づいて経路案内が行われる。
なお、必要がなくなった経路・案内データは破棄され
る。ここで、経路案内の継続データが必要となったとき
は、矢印Ｆ５で示すように、再び現在位置，目的地，要
求道路長を情報センタ１０に通知する。以後、目的地に
至るまで、同様の動作を繰り返し行う。

【００３２】このように、本形態によれば、車両側で最
新に取得した分割経路が、以前に取得した分割経路と異
なる態様で表示される。このため、自車とセンタとの通
信による経路・案内データの取得状況を良好に把握する
ことができる。また、この表示の態様変更が分割経路毎
であるので、変更処理を負担なく簡便に行うことができ
る。 （２）実施形態２……次に、図９〜図１２を参照しなが
ら、本発明の実施形態２について説明する。上述した実
施形態では、新たに受信した分割経路を態様を変更して
表示したが、本実施形態では渋滞，交通事故，道路工
事，交通規制などの障害の有無に対応して態様を変更し
た表示が行われる。図９には、本形態にかかるシステム
構成が示されている。上述した実施形態と比較して、情
報センタ１０のメモリ１８に進行障害検知プログラム２
００が設けられている。

【００３３】次に、いずれかの分割経路上で渋滞や交通
事故などの障害が発生したときの動作を、図１０のフロ
ーチャートを参照して説明する。同図中（Ａ）は情報セ
ンタ１０側の動作であり、（Ｂ）は車載装置１００側の
動作である。これらの動作は、通常のナビゲーション動
作に並行して行われる。

【００３４】情報センタ１０の演算処理部１４は、通常
のナビゲーション動作と平行して、メモリ１８に格納さ
れている進行障害検知プログラム２００を実行する。す
なわち、データベース３０を参照し（ステップＳ１０
０）、車両現在位置以降の経路上に交通障害が発生して
いないかどうかを検知する（ステップＳ１０２）。な
お、車両の現在位置の情報は、車両側から受信する。

【００３５】一方、データベース３０のデータは、上述
したように外部情報収集部４０によって常に最新の内容
に更新されている。特に、図１１に示すように、事故情
報提供者４０Ａ，渋滞情報提供者４０Ｂ，工事情報提供
者４０Ｃなどによって各種の障害情報が提供されてい
る。演算処理部１４は、このような最新の情報を参照し
て障害検知を行う。その結果、障害が検知されたときは
（ステップＳ１０２のYes）、その障害が発生した分割
経路を特定する（ステップＳ１０３）。具体的には、車
両が現在走行中の分割経路か、あるいはその次の分割経
路かが判断される。得られた障害の内容及び該当する分
割経路の情報である障害データ２０２は、メモリ１８に
保存されるとともに、送受信部１２から車両側に通知さ
れる（ステップＳ１０４）。

【００３６】一方、車載装置１００では、情報センタ１
０側から障害データ２０２の通知があったときは（ステ
ップＳ１０６）、その障害データ２０２がメモリ１０２
に格納されるとともに、メモリ１０２の表示制御プログ
ラム１５５によって、障害が発生した分割経路が、他の
分割経路と異なる態様で表示部１０６に表示される（ス
テップＳ１０８）。例えば、図１２（Ａ）に示すよう
に、分割経路Ｌｄ上をマークＭの車両が進行中であると
する。この表示状態では、次の分割経路Ｌｅも、分割経
路Ｌｄと同じ黒線の表示態様であり、いずれも障害は生
じていない。ここで、分割経路Ｌｅに障害が生じたとす
ると、同図（Ｂ）に示すように、分割経路Ｌｅが分割経
路Ｌｄと異なる白線の表示態様となる。そして、表示部
１０６の画面左下に、障害の内容が表示される。図示の
例では、分割経路Ｌｅに渋滞が生じたことが示されてい
る。

【００３７】このように、本実施形態によれば、障害が
生じた分割経路が、障害のない分割経路と異なる態様で
表示される。このため、障害発生の有無を良好に把握す
ることができる。また、この表示の態様変更が分割経路
毎であるので、変更処理を負担なく簡便に行うことがで
きる。

【００３８】（３）実施形態３……次に、図１３〜図１
５を参照しながら実施形態３について説明する。上述し
た実施形態は、いずれも分割経路に対する表示態様の工
夫に関するものであるが、以下の実施形態は、全探索経
路に対する分割経路の位置の表示に関するものである。
図１３には、本形態にかかるシステム構成が示されてい
る。上述した実施形態と比較して、情報センタ１０のメ
モリ１８に全体表示演算プログラム３００が設けられて
いる。

【００３９】次に、全経路に対する分割経路の位置を表
示してユーザに通知する動作を、図１４のフローチャー
トを参照して説明する。同図中（Ａ）は情報センタ１０
側の動作であり、（Ｂ）は車載装置１００側の動作であ
る。演算処理部１４では、メモリ１８の全体表示演算プ
ログラム３００が実行される。すなわち、図１４（Ａ）
に示すように、まず、出発地から目的地までの経路の全
長が計算される（ステップＳ３００）。次に、車両側に
送信する分割経路の終点の位置を計算する（ステップＳ
３０２）。続いて、上述した経路全長及び分割経路終点
の各データの比率から、表示されるバー上における分割
経路終点位置を計算する（ステップＳ３０４）。これに
よって得られた分割経路終点データ３０２は、送受信部
１２によって車両側に送信される（ステップＳ３０
６）。

【００４０】一方、車載装置１００側では、送受信部１
０８によって受信した分割経路終点データ３０２がメモ
リ１０２に格納される。次に、メモリ１０２の表示制御
プログラム１５５が演算処理部１０１で実行され、図１
４（Ｂ）の表示処理が行われる。すなわち、センタ側よ
り受信した分割経路終点データ３０２に基づいて、経路
全長を表すバー上に受信した分割経路が他の分割経路と
異なる態様で表示される（ステップＳ３０８）。

【００４１】図１５には、表示部１０６における全体表
示の様子が示されている。まず、マークＭで示す車両が
出発地点にあるときは、取得した分割経路は全経路中の
最初の分割経路Ｌ1である。従って、全経路を示す黒線
のバーＢＬ上における最初の分割経路Ｌ1に相当する分
割経路バーＢＬ1が白線で表示される。詳述すると、全
経路バーＢＬの一端は出発点ＰＳであり、他端は目的地
ＰＧである。最初の分割経路Ｌ1の終点はＰＬ1である。
従って、出発点ＰＳから終点ＰＬ1までが、態様の異な
る白太線で表示される。

【００４２】次に、車両が分割経路Ｌ1上を進行し、や
がて次の分割経路Ｌ2のデータをセンタ側から受信した
とする。この場合は、図１５（Ｂ）に示すように、前記
分割経路Ｌ1の終点ＰＬ1から次の分割経路Ｌ2の終点Ｐ
Ｌ2までが、更に態様の異なるハッチング線で表示され
る。

【００４３】このように、本形態によれば、出発地から
目的地までが直線のバーで表示される。そして、この表
示上に案内中の分割経路や受信した分割経路が表示され
る。このため、全経路に対する走行中の分割経路の位置
や、受信した分割経路を一目で把握することができる。
また、センタ側からのデータの受信状況の把握も行うこ
とができる。

【００４４】（４）実施形態４……次に、図１６〜図１
８を参照しながら実施形態４について説明する。この実
施形態は、前記実施形態３に加えて、車両現在位置もバ
ー上に表示するようにしたものである。図１６には、本
形態にかかるシステム構成が示されている。上述した実
施形態３と比較して、車載装置１００のメモリ１８に現
在位置演算プログラム４００が設けられている。

【００４５】図１７には、車載装置１００における現在
位置表示の動作がフローチャートとして示されている。
なお、情報センタ１０側の動作は、前記実施形態１と同
様である。演算処理部１４は、まず表示制御プログラム
１５５を実行し、センタ側より受信した分割経路終点デ
ータ３０２に基づいて、経路全長を表すバー上に受信し
た分割経路を異なる態様で表示する（ステップＳ３０
８）。この動作は、前記実施形態３と同様である。

【００４６】次に、演算処理部１４は、現在位置演算プ
ログラム４００を実行し、位置計測部１０４で得た車両
位置データ１６４を参照して、分割経路バー上における
現在位置を計算する（ステップＳ４００）。そして、そ
の計算結果を利用して、分割経路バー上に現在位置まで
を異なる態様で表示する（ステップＳ４１２）。

【００４７】図１８には、表示部１０６における表示の
様子が示されている。同図（Ａ）に示すように、全経路
のバーＢＬに対して該当位置に分割経路バーＢＬｎが表
示されている。本形態では、この分割経路バーＢＬｎ中
のバー始点から車両現在位置ＰＮに至る部分が黒太線で
表示されている。車両が分割経路Ｌｎ上を進行すると、
同図（Ｂ）に示すように、分割経路バーＢＬｎ中におい
て現在位置ＰＮが移動する。

【００４８】このように、本形態によれば、出発地から
目的地までが直線で表示される。そして、この表示上に
案内中の分割経路が表示され、更に現在位置が表示され
る。このため、全経路に対する走行中の分割経路の位置
や現在位置を一目で把握することができる。

【００４９】本発明には数多くの実施形態があり、以上
の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例
えば、次のようなものも含まれる。 （１）前記実施形態では、車両側からセンタ側に毎回目
的地を送信しているが、最初に送信した目的地をセンタ
側で記憶するようにすれば、最初に車両側からセンタ側
に一度目的地を送信すればよく、通信時間の短縮や目的
地設定処理の省略などが可能となる。

【００５０】（２）前記実施形態では、道路長に応じて
経路を分割したが、他に、走行時間や車両側のメモリ容
量に応じて経路分割を行うようにしてもよい。また、要
求道路長の値は、毎回のリクエストで同じであってもよ
いし、異なってもよい。 （３）前記実施形態では、車両現在位置から目的地まで
の経路探索をリクエスト毎に行ったが、センタ側が車両
側にデータを送信した経路の終端から目的地までの経路
探索を行うようにしてもよい。

【００５１】（４）前記実施形態を個々に実施するよう
にしてもよい。すなわち、 実施形態１……最新の分割経路を異なる態様で表示す
る， 実施形態２……障害が検知された分割経路を異なる態
様で表示する， 実施形態３……全経路中における分割経路の位置を表
示する， 実施形態４……分割経路中における車両現在位置を表
示する，点を組み合わせることなく別個に行ってもよ
い。また、組み合わせる場合も、任意の組み合わせとし
てよい。

【００５２】（５）表示の態様としては、色彩を変更す
る，線の種類を変更する，点滅を行う，など公知の多様
な態様があり、いずれとしてもよい。バー表示も、公知
の各種の態様としてよい。また、表示は２段階のみなら
ず、多数の段階で表示を変更するようにしてもよい。例
えば、障害の内容に応じて色を変更する，渋滞の速度に
応じて濃淡を変更するという具合である。 （６）前記形態は本発明を車両に適用したものである
が、携帯用の移動端末など各種の移動体に適用可能であ
る。

【００５３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果がある。 車両側で最新に取得した分割経路を異なる態様で表示
することとしたので、自車とセンタとの通信による経路
データや案内データの取得状況を良好に把握することが
できる。 障害が生じた分割経路を異なる態様で表示することと
したので、障害発生の有無を良好に把握することができ
る。 走行中もしくは受信した分割経路の全経路中における
位置を表示することとしたので、全経路に対する位置状
況を簡単に把握することができる。 分割経路中における車両位置を表示することとしたの
で、分割経路中における位置状況を簡単に把握すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１の構成を示すブロック図で
ある。

【図２】センタ側における経路探索及び案内データ送信
処理の動作を示すフローチャートである。

【図３】センタ側における経路探索及び案内データ送信
処理の動作を示すフローチャートである。

【図４】探索された経路のセグメント分割と、各セグメ
ント情報の内容の一例を示す図である。

【図５】探索経路とセグメント分割の様子を示す図であ
る。

【図６】車両側におけるリクエスト及び経路案内処理の
動作を示すフローチャートである。

【図７】実施形態１の表示例を示す図である。

【図８】情報センタと車載装置とのデータ授受の様子を
示す図である。

【図９】本発明の実施形態２の構成を示すブロック図で
ある。

【図１０】実施形態２の主要動作を示すフローチャート
である。

【図１１】実施形態２の情報収集の態様を示す図であ
る。

【図１２】実施形態２の表示例を示す図である。

【図１３】本発明の実施形態３の構成を示すブロック図
である。

【図１４】実施形態３の主要動作を示すフローチャート
である。

【図１５】実施形態３の表示例を示す図である。

【図１６】本発明の実施形態４の構成を示すブロック図
である。

【図１７】実施形態４の主要動作を示すフローチャート
である。

【図１８】実施形態４の表示例を示す図である。

【符号の説明】

１０…情報センタ １２…送受信部 １４…演算処理部 １８…メモリ ２０…経路探索プログラム ２２…分割処理プログラム ２４…案内データ抽出プログラム ２６…システム制御プログラム ２７…要求道路長データ ２９…案内データ ３０…データベース ３２…経路探索用データ ３４…案内用データ ３８…目的地設定用データ ４０…外部情報収集部 ４０Ａ…事故情報提供者 ４０Ｂ…渋滞情報提供者 ４０Ｃ…工事情報提供者 １００…車載装置 １０１…演算処理部 １０２…メモリ １０４…位置計測部 １０５…入力部 １０６…表示部 １０７…音声出力部 １０８…送受信部 １５０…経路案内プログラム １５２…データリクエストプログラム １５４…制御プログラム １５５…表示制御プログラム １６０…経路・案内データ １６２…ＩＤデータ １６４…車両位置データ ２００…進行障害検知プログラム ２０２…障害データ ３００…全体表示演算プログラム ３０２…分割経路終点データ ４００…現在位置演算プログラム ＢＬ…バー ＢＬ1，ＢＬｎ…分割経路バー Ｌａ〜Ｌｅ，Ｌｎ…分割経路 ＬＲ…要求道路長 Ｌ…探索経路 Ｌ1，Ｌ2…分割経路 Ｍ…自車位置マーク Ｐ１〜Ｐ４…セグメント分割点 ＰＡ…目的地 ＰＤ…現在位置 ＰＧ…目的地 ＰＬ1，ＰＬ2…終点 ＰＮ…車両現在位置 ＰＳ…出発点

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−187456（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−328464（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−63094（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−133537（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−271276（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−79200（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−77498（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−318767（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01C 21/00 G08G 1/09 - 1/137 G09B 29/00 - 29/10

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現在地から目的地に至るまでの経路及び
   その案内のデータを分割してセン夕側から移動側へ順次
   送信し、該データに基づいて移動側で経路案内を行なう
   ナビゲーション方法であって、前記移動側からリクエストがある度に センタ側で毎回経
   路探索を行って新たな経路及び案内のデータを得るステ
   ップ； 分割経路を単位として表示態様を変更して、移動側で表
   示するステップ； を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
2. 【請求項２】 センタ側から受信した最新の分割経路を
   異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項１記
   載のナビゲーション方法。
3. 【請求項３】 現在地から目的地に至るまでの経路及び
   その案内のデータを分割してセン夕側から移動側へ順次
   送信し、該データに基づいて移動側で経路案内を行なう
   ナビゲーション方法であって、前記移動側からリクエストがある度に センタ側で毎回経
   路探索を行って新たな経路及び案内のデータを得るステ
   ップ； 経路上における障害をセンタ側で検知するステップ； 障害が検知された分割経路に関する情報を移動側に送信
   するステップ； センタ側から受信した情報に基づいて、障害が検知され
   た分割経路を異なる表示態様で表示するステップ； を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
4. 【請求項４】 現在地から目的地に至るまでの経路及び
   その案内のデータを分割してセン夕側から移動側へ順次
   送信し、該データに基づいて移動側で経路案内を行なう
   ナビゲーション方法であって、前記移動側からリクエストがある度に センタ側で毎回経
   路探索を行って新たな経路及び案内のデータを得るステ
   ップ； 全経路上における案内中の分割経路もしくは送信する分
   割経路の位置を演算するステップ； これによって演算された位置情報を移動側に送信するス
   テップ； センタ側から受信した情報に基づいて、全経路及びそれ
   に対する分割経路の表示を行うステップ； 分割経路上における移動側の現在位置を演算するステッ
   プ； これによって演算された位置情報に基づいて、分割経路
   上における現在位置の表示を行うステップ； を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
5. 【請求項５】 現在地から目的地に至るまでの経路及び
   その案内のデータを分割して移動側へ順次送信するセン
   タ装置であって、前記移動側からリクエストがある度に 毎回経路探索を行
   って新たな経路及び案内のデータを得る経路探索手段； 全経路上における案内中の分割経路もしくは送信する分
   割経路の位置を演算する演算手段； これによって演算された位置情報を移動側に送信する送
   信手段； を含むことを特徴とするセンタ装置。